JP2002270413A - 電磁波吸収体用粉末 - Google Patents

電磁波吸収体用粉末

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JP2002270413A
JP2002270413A JP2001067971A JP2001067971A JP2002270413A JP 2002270413 A JP2002270413 A JP 2002270413A JP 2001067971 A JP2001067971 A JP 2001067971A JP 2001067971 A JP2001067971 A JP 2001067971A JP 2002270413 A JP2002270413 A JP 2002270413A
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Yoshikazu Aikawa
芳和 相川
Masaru Yanagimoto
勝 柳本
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Sanyo Special Steel Co Ltd
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Sanyo Special Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂やゴム等と混合して電磁波吸収体として
用いるための偏平状金属粉体を提供する。 【解決手段】 電磁波吸収体に用いる偏平状の軟磁性合
金粉末において、軟磁性合金の組成にSおよびTiを添
加してなることを特徴とする電磁波吸収体用粉末。ま
た、添加するSとTiとの重量が、Ti/S≧3、Ti
+S≦2重量%であることを特徴とする電磁波吸収体用
粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂やゴム等と混
合して電磁波吸収体として用いるための偏平状金属粉体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、Fe−Cr−Si系、Fe−Cr
−Al系やFe−Cr−Si−Al系などの軟磁性合金
粉末は、例えば特開2000−68117や特開200
0−114767公報などに示されるように、ボールミ
ルやアトライタなどの手段で偏平化して電磁波吸収体用
粉末として用いていた。電磁波吸収特性を発揮するため
には、粉末形状、特にアスペクト比や粉末厚さが重要
で、粉末厚みを薄くして所定のアスペクト比以上にする
必要がある。そのためには偏平する前の原料粉末が小さ
い方が有利であり、ガスアトマイズや水アトマイズなど
で製造された合金粉末が使用されている。
【0003】このアトマイズで微粉を作るにはアトマイ
ズ時の合金溶湯の温度を高くして粘性を下げた状態でア
トマイズすることが効果的であるが、耐火物の耐熱性や
寿命の問題やアトマイザーの構造的な問題などによって
溶湯の上限温度が制限される。特に電磁波吸収体に用い
られる前述の合金系は他の合金と比較して融点が150
0℃以上と高く、より効果的に微粉末を得るためには合
金系の融点を下げることが重要である。また、ガスアト
マイズ粉末は、水アトマイズ粉末に比べて粉末の酸素含
有量が低くでき、軟磁気特性に優れていると共に球状で
あるために均一に偏平化し易く、本用途に最適である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アトマ
イズ媒体の性質上水アトマイズに比べて微粉末が得られ
にくい方法であるため、融点を低下させてアトマイズ温
度域での金属溶湯の粘性を低下させる効果がある元素の
添加が有効である。融点を降下させる作用のある元素の
うち、Sは最も効果的な元素の一つであり、得られた粉
末を偏平状に加工する際の弊害もない。しかし、合金に
Sを添加することによってMnSなどが生成し耐食性が
阻害される恐れがあるという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述したような問題を解
消するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、ガス
アトマイズ粉末を製造する際、Fe−Cr−Si−Al
の基本元素に融点を下げる効果の大きいSを添加する。
この際、生成するMnおよびCr系硫化物による耐食性
の劣化を防ぐために、Tiを同時に添加して耐食性に良
好なTiSを生成させてなる電磁波吸収体用粉末を提供
する。その発明の要旨とするところは、(1)電磁波吸
収体に用いる偏平状の軟磁性合金粉末において、軟磁性
合金の組成にSおよびTiを添加してなることを特徴と
する電磁波吸収体用粉末。(2)添加するSとTiとの
重量が、Ti/S≧3、Ti+S≦2重量%であること
を特徴とする前記(1)記載の電磁波吸収体用粉末にあ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において、偏平化するための合金粉末をア
トマイズによって製造する際、所定の軟磁性合金成分に
SとTiを添加して溶解し、アトマイズ粉末を作製する
もので、この際、S添加によってMnSが生成して耐食
性が低下するのを抑えるために、Sに対するTi添加量
を重量比で3以上とすることによって硫化物をTiSと
する。Ti/S比が3未満ではTiSを効果的に生成さ
せることが出来ず、十分な耐食性の低下を抑えることが
出来ない。
【0007】一方、添加物による軟磁気特性の低下を抑
えるために、トータルのS、Ti添加量を2重量%以下
にすることが効果的である。2重量%を超える添加は、
軟磁気特性の低下を抑えるに十分でない。従って、トー
タルのS、Ti添加量を2重量%以下にする。このよう
にして、得られた粉末をボールミルやアトライタなどで
偏平化して電磁波吸収体用粉末として用いる。
【0008】本発明では電磁波吸収体用粉末として用い
られる各種軟磁性合金に適用できるが、特に、その中で
も融点が高いために偏平化する際の原料となる微粉末を
アトマイズなどで効率良く製造することが困難であるF
e−Cr−Si系やFe−Cr−Al系およびFe−C
r−Si−Al系合金粉末の製造に適用するとより効果
的である。この成分組成としては、質量%としては、C
r:0.5〜10%、Si:0.1〜3.0%、Al:
0.01〜10%残部Feおよび不可避的不純物からな
る電磁波吸収体用粉末である。
【0009】上記各成分の添加目的、含有量などの限定
理由について説明する。 Cr:0.5〜10% Crは、耐食性を改善するために添加する元素であり、
0.5%未満では耐食性が改善されず、また、10%を
超えると、飽和磁束密度が低下するので、その含有量を
0.5〜10%のものが良い。 Si:0.1〜3.0% Siは、電気抵抗を高くするために添加する元素で、そ
のためには、0.1%以上必要である。しかし、3.0
%を超える添加は、偏平加工性が悪くなるので、その含
有量を0.1〜3.0%とするものが良い。
【0010】Al:0.01〜10% Alは、偏平加工性、電気抵抗および耐食性を高めると
ともに、磁気特性に悪影響を及ぼす酸素を下げるために
添加する元素で、0.01%未満では、その効果がな
く、また、10%を超えると偏平加工性が低下するの
で、その含有量を0.01〜10%とするものが良い。
また、不可避的不純物あるいは微量添加元素としては
C、Mn、P、S、Cu、NiおよびMoが考えられ
る。ただ、Mnは、例えば脱酸剤として添加する場合、
0.30%を超えると磁気特性が低下し、かつ耐食性も
劣化することから、0.30%以下に抑える必要があ
る。なお、その他元素は低い方が好ましい。
【0011】上記のような元素について具体的に説明し
たが、本発明については、特にこの元素および成分範囲
に限定するものではなく、この元素および成分組成のも
のが、本発明を適用すると効果が大きいことから掲げた
もので、Fe−Cr−Si系やFe−Cr−Al系およ
びFe−Cr−Si−Al系合金粉末であれば本発明に
適用する場合にはより効果的であることを示すものであ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明について実施例によって具体的
に説明する。表1に示す成分と添加元素について、ガス
アトマイズ機能を備えた2kg真空誘導溶解炉中に投入
し、不活性ガス中で誘導溶解した。その際、合金溶解時
の温度変化をもとに融点を実測した。溶解した各合金溶
湯は耐火物が量産的に繰り返して使用できる温度上限
(1650℃)に保持した。そして坩堝下部の直径2m
mの孔から出湯してその周りに配置された環状ノズルか
ら圧力40気圧のアルゴンガスを噴霧してガスアトマイ
ズ粉末を作製した。得られた粉末を篩目開き500μm
の篩を通してフレークを除去した後、レーザー回析式粒
度分布測定機で平均粒径を測定した。さらに、その粉末
から偏平化に適した粒度の粉末を得ることを目的とし、
篩目開き106μmの篩で分級して、その重量回収率を
算出した。106μm以下の粉末をアトライタで偏平化
処理をした後、ゴムと混合して電磁波吸収特性を測定
し、吸収能力による4段階評価を行った。
【0013】その時の実験工程と条件については、Ar
ガスアトマイズで目開き106の篩で分級し、アトライ
タによる偏平化処理として、回転数200rpm、処理
時間2hr、ボール重量10kg湿式処理、また、乾燥
工程として、恒温槽による大気中乾燥、さらに、シート
成形は、塩素化ポリエチレン(CPE)樹脂および微量
の添加剤を10%を混合し、厚さ1.0mmのシート形
状にロール成形した。
【0014】その時の測定項目としての融点観察につい
ては、昇温時の温度変化から観察した。回収率は、−1
06μmでの重量回収率、電磁波吸収特性としては、ネ
ットワークアナライザーで100MHzの電磁波吸収特
性(μ〃)を測定(TP形状:外径φ7mm/内径φ3
mm、厚さ1mm)、平均粒径は、レーザー回析式粒度
分布測定機で測定した。また、偏平粉末の耐食性は、8
5℃−85%−1000時間放置後の粉末外観により発
錆の有無を確認した。 ◎:全く発錆なし ○:ごく微量発錆 ×:発錆あり
【0015】表1に示すように、本発明例はNo.1〜
10、比較例はNo.11〜17であり、表中での本発
明例No.1〜8については、Mn量は不純物としての
量で、量産プロセスにより作製した粉末には0.01〜
0.05%程度の不可避的元素として混入する。本発明
例No.9〜10については、Mn量は添加量としての
量で、0.1〜0.3%添加する。比較例No.12お
および13は純度の高い試薬を原料として実験レベルで
作製した場合のMn量で、この場合耐食性の劣化するM
nSは生成されないので、Tiを添加しなくとも耐食性
は劣化しない。ただし、他の比較例に示したように、M
nが通常の不純物レベルとなると、S添加にはTiを複
合添加しないと耐食性が劣化する。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によると電磁
波吸収用として偏平化に最適で耐食性の劣化も抑えられ
た微粉末が効果的に得られる優れた効果を奏するもので
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁波吸収体に用いる偏平状の軟磁性合
    金粉末において、軟磁性合金の組成にSおよびTiを添
    加してなることを特徴とする電磁波吸収体用粉末。
  2. 【請求項2】 添加するSとTiとの重量が、Ti/S
    ≧3、Ti+S≦2重量%であることを特徴とする請求
    項1記載の電磁波吸収体用粉末。
JP2001067971A 2001-03-12 2001-03-12 電磁波吸収体用粉末 Withdrawn JP2002270413A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009088496A (ja) * 2007-09-12 2009-04-23 Seiko Epson Corp 酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法、酸化物被覆軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子
CN103173683A (zh) * 2013-03-29 2013-06-26 电子科技大学 一种合金微粉电磁波吸收剂及其制备方法

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