JP2002267575A - 構造物クラック検出装置 - Google Patents

構造物クラック検出装置

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JP2002267575A
JP2002267575A JP2001065482A JP2001065482A JP2002267575A JP 2002267575 A JP2002267575 A JP 2002267575A JP 2001065482 A JP2001065482 A JP 2001065482A JP 2001065482 A JP2001065482 A JP 2001065482A JP 2002267575 A JP2002267575 A JP 2002267575A
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Yoichi Iwamoto
洋一 岩本
Naoki Hachiman
直樹 八幡
Hiroyasu Noda
弘康 野田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はコンクリート構造物に発生するクラ
ックを検出するコンクリート構造物クラック検出装置に
関する。従来のクラック検出は点検員による目視検査で
なされているが種々不具合があった。本発明はこのよう
な不具合を解消しクラックの発生位置、大きさを検出で
きる検出装置の提供を課題とする。 【解決手段】 本発明のクラック検出装置は、発生する
クラック方向に対し傾斜させてコンクリート構造物に配
設され、クラック発生時曲げ変形部が生じ一端から入射
した光信号の曲げ変形部の光損失の増加よる後方散乱光
強度に生じる不連続変化によりクラックを検出するOT
DRのセンサーとして光ファイバーを設けた。これで従
来のクラック検出装置の不具合が解消され、遠隔地から
コンクリート構造物のクラック発生位置、大きさ等の検
出が連続的にでき、光ファイバーを使用したコンクリー
ト構造物の劣化診断、クラックモニターが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路橋の床版等の
コンクリート構造物に重量車両の走行等で負荷される荷
重の方向と直交する方向に発生するクラックを検出する
ためのコンクリート構造物クラック検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】道路橋の床版、又は重量構造物を支持す
る脚柱、又はトンネルの内周面等、外部から負荷される
荷重の方向と直交する方向にコンクリート構造物に発生
するクラックを早期に検出し、クラックが拡大し剥離落
下、又は崩壊するのを未然に防止するためのクラック発
生の調査は、従来、橋梁等の下面からの目視によりスケ
ッチしたクラック発生状態画像、光学式・電子式カメラ
等による撮影された画像等による画像解析又は電気抵抗
式ひずみゲージ、光ファイバひずみゲージ等により計測
される抵抗値、散乱光等による物理量解析、又は最近開
発された光ファイバを用いた歪み分布計測器(Bril
louin Optical TimeDomain
Reflectometry;以下BOTDRという)
による、光ファイバのブリルアン散乱光の計測により得
られる光ファイバにかかる歪み量解析により行われてい
る。
【0003】しかしながら、図13に示すように、足場
又は高所作業車のゴンドラ等を含む地上11からの点検
員4の目視又は撮影された画像解析によるクラック調査
では、点検員4が主桁2に支持されたコンクリート製道
路橋等の床版1の下方まで出向き、床版1に発生してい
るクラック3を目視しスケッチし、又はカメラ等により
撮影しなければならず、クラック調査地点まで出向く必
要があり、特に、山間僻地又は水面上に架設されている
道路橋の場合等のようにアクセスに困難が伴い調査の機
会が限定され、点検員4による調査が行われた時のみの
データが記録されるだけで、常時のクラック検出は困難
となり、クラック発生又はクラック3の進展状況の把握
が困難となる不具合がある。
【0004】また、物理量解析によるクラック調査、例
えば、図14に示す電気抵抗式ひずみゲージ5をセンサ
として使用するようにしたものでは、ベースフィルム6
に貼着されクラック3の大きさを検出するリード線7の
ひずみ受感部8であるゲージ長(GL)、換言すれば、
クラック検出測定範囲が0.2mm〜100mm程度の
範囲であり、長尺のコンクリート構造物31の点として
の計測しかできず、道路橋の床版1のように、長さが数
十mから数百m、場合によっては数kmの長さにもなる
コンクリート製の床版1のどこに発生するか予測し難
い、コンクリート構造物31のクラック検出には適さな
いという不具合がある。
【0005】さらには、図15に示すように、橋脚9の
上に図13に示す主桁2と同様な構造にされた主桁2上
に連結された床版1の下面、より好ましくは、床版1に
クラック3の発生が予測される大型車の輪だち部分等、
床版1にクラック発生が予測される方向(以下クラック
発生予測位置方向という)の下面に配設され、床版1の
ひずみ量を計測するBOTDRによる歪み量解析による
クラック調査では、光ファイバー10で起こるブリルア
ン散乱が起きた位置に発生しているひずみに比例して、
そのパワースペクトルが周波数シフトする性質を持って
おり、これを利用してクラック3を発生させるひずみを
計測するようにしたものであり、光ファイバの片端から
パルス光を入射すると、各点で生じているひずみによっ
て発生するブリルアン散乱光が後方散乱光として入射端
へ戻る反射光を測定することによりクラック3を計測で
きる。
【0006】すなわち、このパルス光を光ファイバひず
みセンサ10へ入射してから散乱光を検出するまでの時
間から、クラック発生予測位置方向のクラック3が発生
している位置(距離)を特定すると共に、後方ブリルア
ン散乱光の周波数、シフト、すなわち、光ファイバひず
みセンサ10への入射光の光周波数からブリルアン散乱
光スペクトルの中心周波数を引いた値が、光ファイバひ
ずみセンサ10に加わった引張り応力、つまり、それに
等価な引張り応力による相対伸びである光ファイバひず
みセンサ10の伸び歪みと共に変化することに着目し、
ブリルアン周波数のシフトから光ファイバひずみセンサ
10あるいは光ケーブルの歪み量を測定するようにした
ものである。
【0007】このように、BOTDRは1本の光ファイ
バ10をライン状にコンクリート構造物31のクラック
3の発生が予測されるクラック発生予測位置方向に配設
することにより、コンクリート構造物に発生するひずみ
の量とその分布を求めることが出来る。しかしながら、
BOTDRによる歪み量の計測精度は、1mの距離にお
いてのひずみの感度が0.01%、すなわち1mの長さ
で0.1mmのひずみしか検出できず、道路橋の床版1
の損傷時のクラック3のように発生するクラック3の間
隔が1mより短いと、クラック3の位置を個別に判別す
ることが困難であるという不具合がある。
【0008】なお、図15において、12は2〜3mの
間隔をおいて3〜10列程度、道路橋のクラック発生予
測位置方向(橋軸方向)に配置される主桁2と直交して
配置される横桁、13は床版1の側端部に立設された高
欄、14は床版1の上面を被覆して設けられた舗装面、
15は道路橋の橋軸方向に間隔を設けて配置される横桁
12の中間部を補強する対傾構である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来のコンクリート構造物等のひずみ量検出を含む構造物
クラック検出装置の問題点を解消するため、負荷の荷重
方向に直交する方向にクラックが発生するコンクリート
構造物等のように、構造物に発生するクラックを通常決
められた時刻に点検員が出向くことなく毎日検出でき、
コンクリート床版等の構造物のクラック発生予測位置方
向のどこに発生するか推測困難なクラックを容易に検出
できると共に、微小なクラックでも発生位置を適確に検
出できる構造物クラック検出装置の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、第1番目の本
発明の構造物クラック検出装置は、次の手段とした。
【0011】(1)構造物に発生するクラックを検出す
るための構造物クラック検出装置において、構造物に発
生するクラック方向に対し傾斜させて構造物に配設さ
れ、クラック発生時にクラックの大きさに対応する曲率
の曲げ変形部を生じ、一端から入射されたレーザ短パル
ス等からなる光信号が曲げ変形部により光損失を増加さ
せ、光信号の反射光を受光する計測器である受光損失検
出器で受光される後方散乱光強度に不連続変化を生じさ
せ、構造物に発生するクラックを検出できるようにした
光時間領域反射計(Optical Time Dom
ain Reflectometer:以下OTDRと
いう)のセンサーとして使用される光ファイバーを設け
た。
【0012】(a)これにより、重量の大きい車両の通
行等により道路橋の床版等のコンクリート構造物に発生
するクラックを検出するために点検員等を、現場に派遣
することなく、例えば、遠隔地から指令信号を送信し、
定刻時にレーザ等の短パルスを光ファイバーに入射さ
せ、受光損失検出器で受光される後方散乱光を解析でき
るようにしたOTDRの遠隔地操作により、コンクリー
ト構造物に発生しているクラックの発生位置、クラック
の大きさ等の検出を連続的に計測することが可能にな
り、センサーとして光ファイバーを使用したコンクリー
ト構造物の劣化診断、クラックモニターが可能になる。
【0013】また、第2番目の本発明の構造物クラック
検出装置は、上述(1)の手段に加え、次の手段とし
た。
【0014】(2)光ファイバーが所定長さ位置で順次
折り返されて、構造物のクラック発生が予測される方
向、すなわち、クラック発生予測位置方向に向けて配設
され、折り返し部間に形成される直線部を構造物にクラ
ック発生予測位置で発生するクラックの予測線の方向
(クラック方向)に対して45°傾斜させて配設される
ものとした。
【0015】(b)これにより、上述(a)に加え光フ
ァイバーを所定長さ位置で順次折り返して、長尺のコン
クリート構造物のクラック発生予測位置方向に配設され
るにも拘らず、コンクリート構造物が長スパンの床版等
であっても継ぎ目のない長い光ファイバー一本でクラッ
クの発生を検出でき、継ぎ目で生じることのある光伝送
損失をなくすることができ、より精度の高い床版等に生
じるクラックの発生を検出できるようになる。
【0016】また、第3番目の本発明の構造物クラック
検出装置は、上述(1)の手段に加え、次の手段とし
た。
【0017】(3)光ファイバーが所定長さ位置で順次
折り返されて、構造物のクラック発生予測位置方向に向
けて配設され、折り返し部間に形成される直線部を構造
物に発生が予測されるクラックの予測線の方向に対して
45°傾斜させて配設されるとともに、折り返し部をク
ラック発生予測位置方向にずらせて、折り返し部間に形
成される直線部がクラック発生予測位置方向に向けて、
連続的に配置されるようにした複数本のものからなるも
のにした。
【0018】(c)これにより、上述(a)に加え、上
述(b)と同様の作用、効果が得られる上に、クラック
発生予測位置方向に連続した光ファイバーの直線部が配
置され、クラックに対する検出感度が期待できない折り
返し部を、クラック発生が予測されない測定幅の外側に
配置されることにより、クラック発生予測位置方向の床
版等に設定された測定幅で生じるクラックを、より高い
精度で検出できるようになる。
【0019】また、第4番目の本発明の構造物クラック
検出装置は、上述(2)、(3)の手段に加え、次の手
段とした。
【0020】(4)光ファイバーが各種の樹脂で形成さ
れたフィルムに予め接着剤によって接着固定され、構造
物の外面のクラック発生予測位置方向に向けて、このフ
ィルムを貼着してコンクリート構造物に配設されるもの
とした。
【0021】(d)これにより、上述(b)、(c)に
加え、構造物の外面のクラック発生予測位置方向への光
ファイバーの配設が容易になり、配設作業時間を短縮す
ることができる。また、フィルムへの光ファイバーの接
着固定が工場内で施工できるので、フィルムへ接着固定
される光ファイバーの配置精度が向上し、フィルムを構
造物の外面へ正確に接着固定することにより、構造物の
外面で生じるクラックを、より高い精度で検出できるよ
うになる。
【0022】また、光ファイバーがフィルムを介して構
造物の外面に配設されるので、構造物、特にコンクリー
ト構造物等からの湿分の影響を長時間受け難くなり、光
ファイバーの性能、機能の低下をきたすことを少なくで
きる。なお、フィルムに予め接着剤によって接着固定さ
れた光ファイバーの外周面を、別のフィルムを接着固定
して被覆することにより、外気、日光等による光ファイ
バーの劣化を防止でき、長期にわたり光ファイバーの性
能、機能を発揮させることができる。
【0023】また、第5番目の本発明の構造物クラック
検出装置は、上述(2)、(3)の手段に加え、次の手
段とした。
【0024】(5)光ファイバーが予め各種の樹脂で格
子状に形成されたネット又はガーゼ等からなるネットに
接着固定され、構造物としてのコンクリート構造物内部
の補強構造体にネットを連結固定し、クラック発生予測
位置方向に向かうコンクリート構造物内部に埋設され
て、配置されるものとした。
【0025】(e)これにより、上述(b)、(c)に
加え、光ファイバーはコンクリート構造物を構築する打
設されたコンクリートによって被覆されることにより、
外気、日光から全く遮断されて、これらによる光ファイ
バーの劣化を防止でき、長期にわたり光ファイバーの性
能、機能を発揮させることができる。また、コンクリー
ト構造物に配設されている光ファイバー及びこれを保持
するフィルム等の保持材が外部から見えないため、コン
クリート構造物の美観を損なうことがない。
【0026】また、第6番目の本発明の構造物クラック
検出装置は、上述(1)の手段に加え、次の手段とし
た。
【0027】(6)光ファイバーが予め構造物としての
コンクリート構造物と同程度の強度にされた円柱外周面
に巻回され、軸心方向に対して傾斜状態にされて円柱に
固定され、コンクリート構造物内部の補強構造体に円柱
を連結固定し、クラック発生位置方向に向かう方向に円
柱を配置して、コンクリート構造物内部に埋設されるも
のとした。
【0028】(f)これにより、上述(a)に加え、光
ファイバーを巻回した円柱外周面を展開した平面状にし
たとき、光ファイバーは折り返し部を設けることなく、
コンクリート構造物にクラック発生予測位置方向に傾斜
させて配設することができ、コンクリート構造物のクラ
ックの発生が予測される箇所が長尺のものであっても、
継ぎ目のない長い光ファイバー一本の全長を使ってクラ
ックの発生を検出でき、継ぎ目で生じることのある光伝
送損失をなくすることができ、より精度の高い床版等に
生じるクラックの発生を検出できるようになる。
【0029】さらに、光ファイバーはコンクリート中に
配設されることにより、構造物を構築する打設されたコ
ンクリートによって被覆され上述(f)と同様な作用、
効果が得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明のコンクリート構造
物クラック検出装置の実施の一形態を図面にもとづき説
明する。なお、図において図13〜図14で示したもの
と同一部材若しくは類似の部材には同一符号を付して説
明は省略する。
【0031】まず、実施の形態の説明に先立ち、本発明
のコンクリート構造物クラック検出装置のクラックの検
出を行う測定原理について説明する。
【0032】本発明のコンクリート構造物クラック検出
装置は、光時間領域反射計(OTDR)を利用した光フ
ァイバー・システムの損失測定により、クラック3を検
出するようにしたものである。このOTDRは、図11
に示すように、本質的には一次元の光レーダーであり、
センサ部としての光ファイバー21の全長にわたってエ
コー走査を行うようにしたものである。
【0033】その動作方法は、光信号としてのレーザダ
イオード等で発生させたレーザ光の短パルスを、パルス
レーザ発生器22から双方向性結合器23を介して、光
ファイバー21の一端へ周期的に入射し、反射または後
方散乱により戻ってくる光の時間依存性を、同じ光ファ
イバー21の端で双方向性結合器23を介して検出器2
4にて受光し、増幅器25を通じて後方散乱光強度を測
定するようにしたものである。このようにして、光ファ
イバー21の入射端で測定される受光信号は、光ファイ
バー21の不連続点の位置とその大きさの決定に用いる
ことができる。
【0034】即ち、短パルスの走行時間の測定により、
OTDRでシステムの欠陥位置を決定できる。ここで、
双方向性結合器23は、短パルスを光ファイバー21に
結合するとともに、戻ってくる後方散乱光を検出器24
に導く働きをする。このように、典型的なOTDRで検
出された後方散乱光の出力信号を図12に示すように、
検出された光出力を光ファイバー21の散乱中心までの
距離Xの関数としてプロットすると、OTDR光損失計
測器30で計測される光出力信号の傾きは、光ファイバ
ー21の減衰係数の2倍になる。
【0035】また、コネクターやスプライス、またはク
ラック3のような光ファイバー21の欠陥による損失
は、OTDR光損失計測器30に戻ってくる光出力の不
連続変化26として現れる。また、OTDRによる光伝
送損失の計測では、距離分解能は50mmの性能を有
し、さらには、光ファイバー21の伝送損失はファイバ
ーケーブルの軸ひずみには依存せず、曲げひずみと相関
関係、すなわち、光ファイバー21の曲げ半径が30〜
50m/m以上であれば伝送損失は生じないが、数mm
以下の曲げ半径で伝送損失が生じることがあることが知
られており、床版1等に発生するクラック3により、光
ファイバー21に数mm以下の曲げひずみを与えること
が出来れば、クラックセンサとしての機能を充分に発揮
させることができる。
【0036】次に、図1は本発明のOTDRを使用して
行うコンクリート構造物クラック検出装置の実施の第1
形態を示す図で、図1(a)はコンクリート製の道路橋
の床版1にクラック3が発生前の状態を示す部分図、図
1(b)はクラック発生後の状態を示す部分図である。
図において、1はコンクリート構造物として道路橋の床
版、21は床版1に全長にわたって接着剤で固着された
光ファイバーである。光ファイバー21は検出するクラ
ック3の発生する方向を予測した予測線27、すなわ
ち、図の上下方向に走行する車両により負荷される荷重
方向に対して直交方向に特定されてクラック3の発生が
予測されるが、クラック3の発生は最初に走行路の方向
であるクラック発生予測位置方向(以下橋軸方向とい
う)と直交する方向(以下橋軸直角方向という)に起る
ので、橋軸方向と45°方向に光ファイバー21を貼り
付けるようにしている。
【0037】即ち、図13に示すように、床版1に発生
するクラック3は、図1に示す方向の予測線27の他に
も橋軸方向にも発生するため、これらの双方のクラック
3発生によっても、図1(b)に示すように0.1〜1
mm幅程度のクラック開口28により開口をまたがって
配設されている光ファイバー21は、せん断により数m
mのオーダの曲率半径を有する曲げ変形部29を生じる
ように、橋軸直角方向に対して45°方向傾けて配置す
るようにしている。
【0038】このように、床版1、好ましくは床版1の
底面に、センサーとしての光ファイバー21を配設する
ようにした前述のOTDRを設け、前述したように光フ
ァイバー21の一端から光信号としてのレーザ光の短パ
ルスを、例えば一定の時刻に入射するようにすれば、入
射された短パルスの一部分は床版1にクラック開口28
を発生していれば、クラック開口28により発生する光
ファイバー曲げ変形部29で光損失の増加を生じ、OT
DR光損失計測器30で検出される。このOTDR光損
失計測器30で検出された後方散乱光の到着時間と入射
時間との差からクラック開口28発生部の位置が検出で
きると共に、後方散乱光の光伝送損失は、図12に示す
ように、クラック開口28の大きさで変形する光ファイ
バー21の変形量によって生じる、不連続変化量26の
大きさで変化するのでクラック開口28の大きさも検出
することができる。
【0039】このように、本実施の形態のコンクリート
構造物クラック検出装置では車両の通行によって生じる
荷重等によって、床版1に発生するクラック3を通常決
められた時刻に点検員が出向くことなく、毎日、しかも
任意の時刻に検出でき、コンクリート製の床版1のどこ
に発生するか推測困難なクラック発生位置を容易に検出
できると共に、画像解析等では発見が難しい微小なクラ
ックでも適確に検出できるようになる。即ち、光ファイ
バー21を床版1に貼着し、コンクリート構造物31と
して一体化して取付けることにより、コンクリート構造
物に発生するクラック検出を連続的に計測することが可
能となるとともに、コンクリート構造物の劣化診断・モ
ニター装置のセンサとして成立する。
【0040】次に、図2は本発明のコンクリート構造物
クラック検出装置の第2形態を構成する光ファイバーの
配置図、図3は図2に示す光ファイバーを床版1の底面
に2列設けたものを示す図である。
【0041】図2に示すように、本実施の形態のコンク
リート構造物クラック検出装置は、光ファイバー21を
左右に折返して、クラック発生予測位置方向である、橋
軸方向に設置するとともに、光ファイバー21の直線部
が、橋軸直角方向に設定された予測線27に対して45
°になるようにして配設するようにしている。また、光
ファイバー21の折返し部の曲げ半径Rは30〜50m
mにして、光ファイバー21の直線部橋軸直角方向に4
5°の傾斜させるようにしているにも拘わらず、長い道
路橋の床版1に対して継ぎ目ない一本の光ファイバー3
でもスパンの大きい床版1全体をカバーできるようにし
ている。
【0042】また、このようにして配設される光ファイ
バー21は、図3に示すように、2〜3mの間隔を設け
て橋軸方向に配置された、主桁2と主桁2の間の床版1
下面にクラック3の発生が予測される予測線27に対
し、斜めになるようにして配設された後、床版1の端部
で隣接させて設けられている床版1の主桁2間へ引き廻
して配設することもできる。
【0043】また、高架橋の様にきわめて近接して架設
されるような場合には、1方の橋梁の床版1へ配設され
た光ファイバー21を、他方の橋梁の床版1に連続して
設置するようにすることもできる。また、一方の端部が
OTDR光損失計測器30に連結された光ファイバー2
1の他端部はフリーにされており、一方の端部から入射
されたレーザ短パルスの殆どは、他端部から外部に放出
される。
【0044】本実施の形態のコンクリート構造物クラッ
ク検出装置は、上述のように構成されているので、図1
に示す実施の第1形態の同様の作用、効果を奏するとと
もに、光ファイバー21を橋軸方向に傾斜させて設ける
にも拘わず、長いコンクリート構造物である長スパンの
床版1に対し、継ぎ目のない長い光ファイバー21を使
用でき、継ぎ目で生じる光伝送損失をなくすることがで
きる。
【0045】次に、図4は本発明のコンクリート構造物
クラック検出装置の実施の第3形態を示す図である。
【0046】図に示すように、本実施の形態のコンクリ
ート構造物クラック検出装置は、図2に示した実施の第
2形態の光ファイバー21同様に、光ファイバー21を
折返して設置すると共に、光ファイバー21の直線部が
橋軸直角方向に設定された予測線27の方向に対して4
5°になるようにして、床版1の底面に2本配設するよ
うにした。
【0047】即ち、予測線27の方向に対して45°方
向に傾けて光ファイバー21を橋軸方向の一方向に並べ
るためには、図に示すように、光ファイバー21が曲げ
損失の影響を受けない曲率半径:Rにして折り返すよう
にして曲げ、曲げによる後方散乱光への損失の影響は受
けないものの折り返し部分は、クラック3発生に対する
検出感度が期待出来ないため、2本の光ファイバーを橋
軸方向にずらして並べ、床版1の橋軸直角方向に所定幅
にされた測定幅の範囲は、全て光ファイバー21の直線
部が配置されるようにして、不感帯をなくし若しくは感
度の低下を少なくし、センサとしての精密な機能の連続
化を計るようにした。
【0048】本実施の形態のコンクリート構造物クラッ
ク検出装置は、上述の構成により図1、図2に示す実施
の第1の形態、実施の第2形態と同様の作用、効果を奏
するとともに、クラック3検出の不感帯又は検出感度が
劣化する曲げ半径R部を測定幅の範囲から外し、測定幅
の範囲には、クラック3検出感度に秀れる光ファイバー
3の直線部のみが配設されるので、より精度の高い床版
1に生じるクラック3の検出ができるようになる。
【0049】次に、図5および図6は、本発明のコンク
リート構造物クラック検出装置の実施の第4形態を示す
図である。本実施の形態のコンクリート構造物クラック
検出装置においては、クラック3を検出する光ファイバ
ー21の床版1を含むコンクリート構造物31への全長
にわたる接着は、予め、例えば橋軸方向に敷設できるよ
うにされた、長いフィルム32に光ファイバー21を接
着、固定しておき、このフィルム32をコンクリート構
造物31へ接着するようにしている。
【0050】即ち、図5(a)に示すように、図2に示
した光ファイバー21と同様に、橋軸方向に光ファイバ
ー21を折返しながら配設する場合について説明する
と、コンクリート構造物31に配設する光ファイバー2
1の橋軸方向の長さと同等の長さにされて、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂又はフェノール樹脂等、従来からの
電気抵抗式ひずみゲージに使用されているシートと同様
な素材からなるフィルム31に、光ファイバー21を折
返して配設しながら図5(b)に示すように、光ファイ
バー21を接着剤33で固着して、図5(a)に示すよ
うな光ファイバー21の全長が接着剤33で固着された
フィルム32を工場内で作成する。
【0051】さらには、工場内でのフィルム32への光
ファイバー21の固着時には、光ファイバー21の外気
からの汚染を防止するため、又は光ファイバー21の機
能低下を防止するため、図6に示すように、光ファイバ
ー21の外側に外装フィルム35を設けるようにするこ
ともできる。このようにして作成されたフィルム32
を、光ファイバー21を配設するコンクリート構造物3
1の表面(床版1の下面)に接着剤34でフィルム32
の一方から順次貼着して行き、図3に示すように、光フ
ァイバー21を床版1の下面に配設する。
【0052】本実施の形態によれば、フィルム32上へ
の光ファイバー21の固着が工場内で実施されるので、
光ファイバー21の斜め折返し部の設定、特に光ファイ
バー21の直線部とクラック3の発生が予測される予測
線27とのなす角を45°にする設定、及び曲げ半径R
をクラック3による損失が発生しない大きさのものにし
て所定の折返し部にする設定で精度の高いものにし、ク
ラック3の検出精度を高めることができる。また、作業
環境の悪い現場での作業である、床版1の下面へのフィ
ルム32の貼着作業が、フィルム32を予測線27と直
角方向にして、クラック発生予測位置方向に貼着するだ
けで済むので、施工作業が容易となり、作業時間の短縮
を図ることができる。
【0053】さらには、光ファイバー21は、コンクリ
ート構造物31とフィルム32を貼着する接着剤34、
フィルム32を介してコンクリート構造物31表面に配
設されるので、コンクリート構造物31からの湿分の影
響を受けにくくなり、光ファイバー21の性能、機能の
低下を示すことを少くすることができる。また、光ファ
イバー21の外側に外装フィルム35を設けるようにす
れば、光ファイバー21の性能、機能低下をより少くす
ることができる。
【0054】次に、図7、図8は、本発明のコンクリー
ト構造物クラック検出装置の実施の第5形態を示す図で
ある。本実施の形態のコンクリート構造物クラック検出
装置では、コンクリート構造物31の打設時に光ファイ
バー21をコンクリート中に埋め込むようにした。
【0055】図7に示すように、光ファイバー21の敷
設方向の長さと同等の長さにされたプラスチック又ガー
ゼ等からなるネット36の表面に、図5で示した実施の
第4形態におけるフィルム31表面への光ファイバー2
1の固着と同様の方法により、光ファイバー21を配
設、固着する。次いで、図8に示すように、コンクリー
ト構造物31の打設前、コンクリート構造物31を補強
するために内部に配置される、補強構造体としての鉄筋
37が格子状に編み込まれた時点で、打設されたコンク
リートのクラック3の発生が予測される側に面している
格子状の鉄筋37の外周側のクラック発生予測位置方向
に、光ファイバー21が固着されたネット36を紐又は
針金39により鉄筋37に固着した後、建設されるコン
クリート構造物31を所望の形状にする型枠38内にコ
ンクリート打設を行う。
【0056】これにより、建設後のコンクリート構造物
31内には、光ファイバー21が配設され、コンクリー
ト構造物31にクラック3が発生したときには、クラッ
ク3の発生部には、光ファイバー21に曲げ変形部29
が生じクラック3の発生を検出することができる。な
お、ネット36の鉄筋37への固着は、型枠18内への
コンクリート打設時に打設コンクリートにより流された
り又はシワになったりして、ネット36に固着されてい
る光ファイバー21にクラック3の発生によらない、光
ファイバー21内を通過する光出力の不連続変化が、生
じないようにするために行われるものである。
【0057】このように、本実施の形態のコンクリート
構造物クラック検出装置は、実施の第4形態と同様に工
場内で光ファイバー21が正確に配設、固着されたネッ
ト36を作成されるので、光ファイバー21の斜め、折
返し部の設定、特に、光ファイバー21の直線部とクラ
ック3の発生が予測される予測線27とのなす角を45
°にする設定、及び曲げ半径Rをクラック3を計測する
光伝送損失が発生しない大きさのものにして、所定の折
返し部にする設定で精度の高いものにし、クラック3の
検出精度を高めることができる。
【0058】また、作業環境の悪い現場での作業がコン
クリート構造物31へのネット36の固着作業がネット
36を予測線27と直角方向にして貼着するだけで済む
ので、施工作業が容易となり、作業時間の短縮を図るこ
とができる。さらには、光ファイバー21は、コンクリ
ート構造物31と打設時に内部配設され、外気に曝らさ
れることがないので光ファイバー21の性能、機能の低
下を示すことを少くすることができる。
【0059】次に、図9、図10は本発明のコンクリー
ト構造物クラック検出装置の実施の第6形態を示す図で
ある。本実施の形態のコンクリート構造物クラック検出
装置は、実施の第5形態と同様にコンクリート構造物3
1の打設時に光ファイバーケーブル21をコンクリート
中に埋め込むようにした。
【0060】図9に示すように、光ファイバー21の敷
設方向の長さと同等の長さにされ、埋込みするコンクリ
ート構造物31と同強度にされたモルタルで形成され
た、円柱40の外周には光ファイバー21がスパイラル
状に巻回されている。このように円柱40をコンクリー
トと同強度のモルタルで形成することにより、コンクリ
ート構造物31にクラック3が発生するときには、円柱
40にも同様にクラック3が発生し、コンクリート構造
物31へのクラック発生を検出することができる。
【0061】また、光ファイバー21の円柱40外周に
スパイラル状に巻回することにより、実施の第1〜第5
形態のように光ファイバー21を平面的に配設するとき
に必須となっていた折返し部、換言すれば、クラック3
の発生を検出できない不感帯部をなくすることができ、
1本の光ファイバー21の全長をクラック3の検出に利
用できるようになる。
【0062】このように光ファイバー21が巻回された
円柱40は、図10に示すように、コンクリート構造物
31の打設前、コンクリート構造物31を補強するため
に内部に配置される鉄筋37が格子状に編み込まれた時
点で、打設されたコンクリートにクラック3の発生が予
測される側に面している格子状の鉄筋37の外周側のク
ラック発生予測位置方向に、紐又は針金39により鉄筋
37に固着された後、建設されるコンクリート構造物3
1と所望の形状にする型枠38内にコンクリート打設を
行う。
【0063】これにより、建設後のコンクリート構造物
31内には円柱40に巻回された光ファイバー21が配
設され、コンクリート構造物31にクラック3が発生し
たときには、円柱40にもクラック3が発生しクラック
3の発生部には光ファイバー21に曲げ変形部29が生
じクラック3の発生を検出することができる。なお、ネ
ット36の鉄筋37への固着は、型枠38内へのコンク
リート打設時に打設コンクリートにより円柱40が流さ
れたり、又は円柱40に巻回されている光ファイバー2
1にクラック3の発生によらないひずみが生じ、光ファ
イバー21内を通過する光出力の不連続変化が生じない
ようにするために行われるものである。
【0064】このように、本実施の形態のコンクリート
構造物クラック検出装置は、工場内で光ファイバー21
が正確に配設、固着された円柱40が作成され、コンク
リート構造物31に埋設されるので、クラック3の発生
が予測されるクラック発生予測位置方向に設定された予
測線27とのなす角を、45°にする設定及び曲げ半径
Rにする曲げ変形部29がなくなるので、クラック3の
検出精度を高めることができる。また、作業環境の悪い
現場での作業がコンクリート構造物31への円柱40の
固着作業が円柱40を予測線27と直角方向にして鉄筋
37へ固着するだけで済むので、施工作業が容易とな
り、作業時間の短縮を図ることができる。さらには、光
ファイバー21は、コンクリート構造物31と打設時に
内部配設され、外気に曝らされることがないので光ファ
イバー21の性能、機能の低下を少くすることができ
る。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構造物ク
ラック検出装置は、コンクリート構造物等構造物に発生
するクラック方向に対し傾斜させて構造物に配設され、
クラック発生時にクラックに対応する曲げ変形部が生
じ、一端から入射された光信号が曲げ変形部により光損
失が増加し、光信号の反射光を受光する受計測器で受光
される後方散乱光強度に不連続変化が生じて、クラック
を検出できる光OTDRセンサーとして使用できる光フ
ァイバーを設けた。
【0066】これにより、構造物に発生するクラックを
検出に点検員等現場に派遣することなく、遠隔地からの
定刻時に光信号を光ファイバーに入射させ、受光損失検
出器で受光される後方散乱光を解析できるOTDRの遠
隔地からの操作により、構造物に発生しているクラック
の発生位置、大きさ等の検出を連続的に計測でき、セン
サーに光ファイバーを使用した構造物の劣化診断、クラ
ックモニターが可能になる。
【0067】また、本発明の構造物クラック検出装置
は、光ファイバーが所定長さで順次折り返されクラック
発生予測位置方向に向け配設され、折り返し部間の直線
部を構造物に発生が予測されるクラックの予測線方向に
対し45°傾斜させ配設するものとした。
【0068】これにより、光ファイバーを所定長さ位置
で順次折り返して、長尺のコンクリート構造物等、構造
物のクラック発生予測位置方向に配設されるにも拘ら
ず、継ぎ目のない長い光ファイバー一本でクラックの発
生を検出でき、継ぎ目で生じる光伝送損失をなくし、よ
り精度の高い床版等のクラック発生を検出できる。
【0069】また、本発明の構造物クラック検出装置
は、光ファイバーが所定長さ位置で順次折り返され、ク
ラック発生予測位置方向に向け配設され、折り返し部間
に形成される直線部を構造物に発生が予測されるクラッ
クの予測線方向に対し45°傾斜させて配設されるとと
もに、折り返し部をクラック発生予測位置方向にずら
せ、折り返し部間に形成される直線部がクラック発生予
測位置方向に向け連続的に配置された複数本のものから
なるものにした。
【0070】これにより、クラック発生が予測される方
向に連続して光ファイバーの直線部を配置し、検出感度
が小さい折り返し部をクラック発生が予測される測定幅
外に配置して、床版等に設定された測定幅で生じるクラ
ックをより高い精度で検出できる。
【0071】また、本発明の構造物クラック検出装置
は、光ファイバーが樹脂からなるフィルムに予め接着固
定され、クラック発生予測位置方向に向けこのフィルム
を貼着して構造物に配設するものとした。
【0072】これにより、構造物への光ファイバーの配
設が容易になり作業時間を短縮でき、また、フィルムへ
の光ファイバーの接着固定が工場内ででき、光ファイバ
ーの配置精度が向上し構造物のクラックを、より高い精
度で検出でき、さらには、光ファイバーがフィルムを介
して構造物に配設され、コンクリート構造物等の構造物
からの湿分の影響を受け難くなり、光ファイバーの性
能、機能低下を少なくできる。また、フィルムに接着固
定された光ファイバーの外周面を別のフィルムを接着固
定し被覆するようにすれば、光ファイバーの劣化を防止
でき長期に渡り光ファイバーの性能、機能を発揮させる
ことができる。
【0073】また、本発明の構造物クラック検出装置
は、光ファイバーが予め樹脂等で形成され又はガーゼ等
からなるネットに接着固定され、構造物としてのコンク
リート構造物内部に埋設される補強構造体にネットで連
結固定し、クラック発生予測位置方向に向けコンクリー
ト構造物内部に配置されるものとした。
【0074】これにより、光ファイバーはコンクリート
構造物を構築する打設されたコンクリートによって被覆
され、外気等から全く遮断され劣化を防止でき、長期に
わたり光ファイバーの性能、機能を発揮でき、また、コ
ンクリート構造物に配設されている光ファイバー等が外
部から見えず、コンクリート構造物の美観を向上でき
る。
【0075】また、本発明の構造物クラック検出装置
は、光ファイバーが構造物としてのコンクリート構造物
と同強度にされた円柱に巻回され、軸心方向に対し傾斜
状態にされて円柱に固定され、コンクリート構造物内部
の補強構造体に円柱を連結固定し、クラック発生位置方
向に向け円柱を配置しコンクリート構造物内部に埋設す
るものとした。
【0076】これにより、光ファイバーを巻回した円柱
外周面を展開し平面状にしたとき、光ファイバーは折り
返し部がなくして、コンクリート構造物にクラックの発
生が予測される予測線方向に傾斜させて配設でき、コン
クリート構造物のが長尺のものでも、継ぎ目のない長い
光ファイバー一本でクラック発生を検出でき、継ぎ目に
生じる光伝送損失をなくし、より精度の高いクラック発
生を検出できる、さらに、光ファイバーはコンクリート
中に配設されるので、構造物を構築する打設されたコン
クリートによって被覆され、外気等から全く遮断され劣
化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のOTDRを使用して行う構造物クラッ
ク検出装置の実施の第1形態を示す図で、図1(a)は
構造物としてのコンクリート製の道路橋の床版1にクラ
ック3が発生前の状態を示す部分図、図1(b)はクラ
ック発生後の状態を示す部分図、
【図2】本発明の構造物クラック検出装置の第2形態を
構成する光ファイバーの配置図、
【図3】図2に示す光ファイバーを床版1の底面に2列
設けたものを示す図、
【図4】本発明の構造物クラック検出装置の実施の第3
形態を構成する光ファイバーの配置図、
【図5】本発明の構造物クラック検出装置の実施の第4
形態を示す図で、図5(a)は光ファイバー配置図、図
5(b)は図5(a)に示す矢視A−Aにおける断面の
一例を示す図、
【図6】図5(a)に示す矢視A−Aにおける断面の他
の例を示す図、
【図7】本発明の構造物クラック検出装置の実施の第5
形態を示す図で、図7(a)はネットに固着された光フ
ァイバーを示す平面図、図7(b)は図7(a)に示す
矢視B−Bにおける構造物としてのコンクリート構造物
の断面図、
【図8】図7に示す光ファイバーを鉄筋に固着したコン
クリート構造物の横断面図、
【図9】本発明の構造物クラック検出装置の実施の第6
形態を構成する円柱に巻回された光ファイバーの配置
図、
【図10】図9に示す円柱を構造物としてのコンクリー
ト構造物の鉄筋に固着した状態を示す横断面図、
【図11】本発明の構造物クラック検出装置を構成する
OTDRのブロック図、
【図12】図11に示すOTDR光損失検出器で検出さ
れる光出力を、光ファイバーの散乱中心までの距離Xの
関数として示す図、
【図13】従来の構造物としてのコンクリート構造物ク
ラックの検出を行う一例としての点検員による検出時を
示す図、
【図14】従来のコンクリート構造物クラック検出装置
としての電気抵抗式ひずみゲージの平面図、
【図15】従来のコンクリート構造物のひずみ検出を行
うBOTDRに使用される光ファイバーひずみセンサの
床版底面への配設状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 床版 2 主桁 3 クラック 4 点検員 5 電気抵抗式ひずみゲージ 6 ベースフィルム 7 リード線 8 ひずみ受感部 9 橋脚 10 光ファイバひずみセンサ 11 地上 12 横桁 13 高欄 14 舗装面 15 対傾構 21 光ファイバー 22 パルスレーザ発生器 23 双方向性結合器 24 検出器 25 増幅器 26 不連続変化 27 (クラック発生)予測線 28 クラック開口 29 曲げ変形部 31 コンクリート構造物 32 フィルム 33 接着剤 34 接着剤 35 外装フィルム 36 ネット 37 鉄筋 38 型枠 39 紐又は針金 40 円柱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 弘康 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 2D059 AA14 GG39 2G086 DD05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物に発生するクラックを検出するた
    めの構造物クラック検出装置において、発生する前記ク
    ラック方向に対し傾斜させて前記構造物に配設され、一
    端から入射された光信号が前記クラック発生時の前記ク
    ラックの大きさに対応する曲率の曲げ変形によって光損
    失が増加し、光信号の反射光を受光する計測器で検出さ
    れる後方散乱光強度に不連続変化を生じさせ、前記クラ
    ックの発生を検出できる光時間領域反射計のセンサーと
    して使用される光ファイバーを設けたことを特徴とする
    構造物クラック検出装置。
  2. 【請求項2】 前記光ファイバーが所定長さ位置で順次
    折り返されて、前記構造物の前記クラック発生予測位置
    方向に向けて配設され、折り返し部間に形成される直線
    部を前記クラック発生予測線の方向に対し45°傾斜さ
    せて配設されていることを特徴とする請求項1の構造物
    クラック検出装置。
  3. 【請求項3】 前記光ファイバーが所定長さ位置で順次
    折り返されて、前記構造物の前記クラック発生予測位置
    方向に向けて配設され、折り返し部間に形成される直線
    部を前記クラック発生予測線の方向に対し45°傾斜さ
    せて配設されるとともに、前記折り返し部を前記クラッ
    ク発生予測位置方向にずらせて配置された複数本からな
    るものであることを特徴とする請求項1の構造物クラッ
    ク検出装置。
  4. 【請求項4】 前記光ファイバーが予めフィルムに接
    着、固定され、前記構造物の外面に前記フィルムを貼着
    することにより、前記クラック発生予測位置方向に向け
    て配設されるものであることを特徴とする請求項2又は
    請求項3の構造物クラック検出装置。
  5. 【請求項5】 前記光ファイバーが予めネットに接着、
    固定され、前記構造物としてのコンクリート構造物内部
    の補強構造体に前記ネットを連結固定し、前記クラック
    発生予測位置方向に向けて前記コンクリート構造物内部
    に埋設されるものであることを特徴とする請求項2又は
    請求項3の構造物クラック検出装置。
  6. 【請求項6】 前記光ファイバーが予め前記構造物とし
    てのコンクリート構造物と同強度にされた円柱の軸心方
    向に対し傾斜させて巻回、固定され、前記コンクリート
    構造物内部の補強構造体に前記円柱を連結固定し、前記
    クラック発生予測位置方向に向けて前記コンクリート構
    造物内部に埋設されるものであることを特徴とする請求
    項1の構造物クラック検出装置。
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