JP2002266811A - 真空チャンバ用空気圧シリンダおよびそれを用いたx線分析装置 - Google Patents

真空チャンバ用空気圧シリンダおよびそれを用いたx線分析装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空チャンバの外壁に直接取り付けられる空
気圧シリンダにおいて、ピストンロッドが軸回りに回転
せず、しかも、真空チャンバ内への空気漏れを十分に防
止できるもの等を提供する。 【解決手段】 ピストンロッド4 の円柱状の部分が密接
して貫通する円環状のロッドパッキン5 をシリンダ2 の
前部2bに設け、ピストンロッド4 が挿入されることによ
り、ピストンロッド4 の軸回りの回転を阻止する回り止
め孔2fを、シリンダ2 の後部2cに設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空チャンバに用
いられる空気圧シリンダおよびそれを用いたX線分析装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、真空またはヘリウム
雰囲気を形成する真空チャンバを備える蛍光X線分析装
置において、過剰なX線を減衰させる櫛状の減衰板を検
出器の直前で進退させるためや、X線光路にフィルタや
分光素子を進退させるために、空気圧シリンダが用いら
れている。特に、図6に右側面断面図を示すように、真
空チャンバの外壁(壁の外側の面)1aに直接取り付け
られる簡単な構造のものがある。この空気圧シリンダ2
7では、筒状で軸方向Aの前後にカバーを有するシリン
ダ22の前面22aが、真空チャンバの外壁1aに密接
するように取り付けられる。そのシリンダの前部22b
および後部22cに設けられたポート22d,22eに
供給される空気の圧力により、シリンダ22内を前記軸
方向Aにピストン3が往復移動する。
【0003】すなわち、シリンダの後部のポート22e
への空気の供給が停止し、シリンダの前部のポート22
dへ空気が供給されると、ピストン3は後方へ押されて
移動し(図6の状態)、逆に、シリンダの前部のポート
22dへの空気の供給が停止し、シリンダの後部のポー
ト22eへ空気が供給されると、ピストン3は前方へ押
されて移動する。そのピストン3に棒状のピストンロッ
ド14の後端部が固定され、前部がシリンダの前部22
bおよび真空チャンバの壁1を貫通することにより、先
端部14aが真空チャンバ内で前記軸方向Aに往復移動
する。ここで、シリンダの前部のポート22dに供給さ
れる空気が、ピストンロッド14を通すために設けたシ
リンダの前部22bの孔22fおよび真空チャンバの壁
1の孔から、真空チャンバ内に漏れないように、シリン
ダの前部22bには、ピストンロッド14が密接して貫
通するロッドパッキン15が設けられている。
【0004】さて、ピストンロッド14が軸回りに回転
すると、例えばピストンロッドの先端部14aに前記櫛
状の減衰板を取り付けた場合には、その減衰板も回転し
て検出器に入射するX線の減衰率が変化するという不具
合があるので、シリンダの前部22bの前記孔22f
は、ピストンロッド14が挿入されることにより、ピス
トンロッド14の軸回りの回転を阻止する回り止め孔2
2fになっている。すなわち、ピストンロッド14を円
柱状とせずに、図7の正面図に示すように、軸に垂直な
断面を例えば小判型とするとともに、回り止め孔22f
も、ピストンロッド14に合致する小判型(大きさは、
ピストンロッド14が前記軸方向Aに往復移動できるよ
うに、ピストンロッド14の断面よりもわずかに大き
い)とし、ロッドパッキン15もピストンロッド14に
密接する形の環状としている。なお、図6のピストンロ
ッド14が通る真空チャンバの壁1の孔は、ピストンロ
ッド14に合致する小判型である必要はない。
【0005】以上のように、真空チャンバ内への空気漏
れ防止の機能のみならずピストンロッド14回転阻止の
機能もシリンダの前部22bにもたせたため、シリンダ
の前部22bに設けるロッドパッキン15が、断面小判
型のピストンロッド14に密接するように、円環状でな
く、角のある異形になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、真空チャンバ
内は真空またはほぼ大気圧(ヘリウム雰囲気時)である
のに対し、シリンダのポート22d,22eに供給され
る空気の圧力はゲージ圧で4〜5kgf/cm2 (約4〜5気
圧)であるので、角のある異形のロッドパッキン15で
は、ピストンロッド14への密接が不十分で、シリンダ
の前部のポート22dに供給される空気が真空チャンバ
内に漏れるのを十分に防止できず、蛍光X線分析の結果
が、いまひとつ安定せず、十分正確でなくなるおそれが
あった。ピストンロッド14の断面形状を六角形等とし
ても同様の問題がある。
【0007】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、真空チャンバの外壁に直接取り付けられる空
気圧シリンダにおいて、ピストンロッドが軸回りに回転
せず、しかも、真空チャンバ内への空気漏れを十分に防
止できるもの、および、それを用いて十分正確な分析が
できるX線分析装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願第1の発明の真空チャンバ用空気圧シリンダ
は、真空チャンバに用いられるものであって、まず、筒
状で軸方向の前後にカバーを有し、前面が前記真空チャ
ンバの外壁に密接するように取り付けられるシリンダ
と、そのシリンダの前部および後部に設けられたポート
に供給される空気の圧力により、前記シリンダ内を前記
軸方向に往復移動するピストンとを備えている。また、
前記真空チャンバの壁およびシリンダの前部を貫通し、
前記ピストンに固定されることにより、先端部が前記真
空チャンバ内で前記軸方向に往復移動する棒状のピスト
ンロッドと、前記シリンダの前部に設けられ、前記ピス
トンロッドの円柱状の部分が密接して貫通するロッドパ
ッキンとを備えている。さらに、前記ピストンロッドが
挿入されることにより、前記ピストンロッドの軸回りの
回転を阻止する回り止め孔が、前記シリンダの後部に設
けられている。
【0009】本願第1の発明の真空チャンバ用空気圧シ
リンダにおいては、ピストンロッド回転阻止の機能をシ
リンダの後部に、真空チャンバ内への空気漏れ防止の機
能をシリンダの前部にもたせたため、シリンダの前部に
設けるロッドパッキンが、ピストンロッドの断面円形の
部分に十分に密接する円環状になるので、シリンダの前
部のポートに供給される空気が真空チャンバ内に漏れる
のを十分に防止できる。すなわち、真空チャンバの外壁
に直接取り付けられる空気圧シリンダにおいて、ピスト
ンロッドが軸回りに回転せず、しかも、真空チャンバ内
への空気漏れを十分に防止できるものとなる。
【0010】本願第2の発明の真空チャンバ用空気圧シ
リンダも真空チャンバに用いられるものであって、ま
ず、筒状で軸方向の前後にカバーを有し、前面が前記真
空チャンバの外壁に密接するように取り付けられるシリ
ンダと、そのシリンダに設けられたコイルばねの弾力お
よび前記シリンダの後部に設けられたポートに供給され
る空気の圧力により、前記シリンダ内を前記軸方向に往
復移動するピストンとを備えている。また、前記真空チ
ャンバの壁およびシリンダの前部を貫通し、前記ピスト
ンに固定されることにより、先端部が前記真空チャンバ
内で前記軸方向に往復移動する棒状のピストンロッド
と、前記シリンダの前部に設けられ、前記ピストンロッ
ドが密接して貫通するロッドパッキンとを備えている。
さらに、前記ピストンロッドが挿入されることにより、
前記ピストンロッドの軸回りの回転を阻止する回り止め
孔が、前記シリンダの前部に設けられている。
【0011】本願第2の発明の真空チャンバ用空気圧シ
リンダにおいては、ピストンを後方へ移動させるのはコ
イルばねであり、シリンダの前部には高圧の空気は供給
されずたかだか大気圧であるので、シリンダの前部に設
けるロッドパッキンが、ピストンロッド回転阻止に対応
して角のある異形であっても、真空チャンバ内への空気
漏れを十分に防止できる。すなわち、真空チャンバの外
壁に直接取り付けられる空気圧シリンダにおいて、ピス
トンロッドが軸回りに回転せず、しかも、真空チャンバ
内への空気漏れを十分に防止できるものとなる。
【0012】本願第3の発明のX線分析装置は、真空チ
ャンバを備え、前記本願第1または第2の発明の真空チ
ャンバ用空気圧シリンダを用いたものである。このX線
分析装置によれば、真空チャンバに前記本願第1または
第2の発明の真空チャンバ用空気圧シリンダを用いてい
るので、真空チャンバ内への空気漏れを十分に防止で
き、X線分析の結果が、十分安定し、正確なものとな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態の真
空チャンバ用空気圧シリンダを図面にしたがって説明す
る。この空気圧シリンダ7は、真空チャンバに用いられ
るものであって、図1の右側面断面図に示すように、ま
ず、筒状で軸方向Aの前後にカバーを有し、前面2aが
真空チャンバの外壁1aに密接するように取り付けられ
るシリンダ2と、後述するピストンロッド4が固定さ
れ、シリンダ2の前部2bおよび後部2cに設けられた
ポート2d,2eに供給される空気の圧力によりシリン
ダ2内を前記軸方向Aに往復移動するピストン3とを備
えている。シリンダ2は、円筒状のシリンダチューブと
その開口を塞ぐように軸方向Aの前後に取り付けられた
カバーからなるが、ここでは一体的に図示している。前
カバーはシリンダ2の前部2bを構成し、後カバーはシ
リンダ2の後部2cを構成する。ピストン3の往復移動
の原理は、従来の技術で述べたのと同様である。
【0014】この空気圧シリンダ7が備える棒状のピス
トンロッド4は、前部が真空チャンバの壁1aおよびシ
リンダの前部2bを貫通し、後部がピストン3に固定さ
れることにより、先端部4aが真空チャンバ内で前記軸
方向Aに往復移動する。シリンダの前部2bには、ピス
トンロッド4の円柱状の部分が密接して貫通するロッド
パッキン5が設けられている。さらに、ピストンロッド
4の後端部4bが挿入されることにより、ピストンロッ
ド4の軸回りの回転を阻止する回り止め孔2fが、シリ
ンダの後部2cに設けられている。
【0015】すなわち、ピストンロッドの後端部4bを
円柱状とせずに、図3の背面図に示すように、軸に垂直
な断面を例えば小判型とするとともに、回り止め孔2f
も、ピストンロッドの後端部4bに合致する小判型(大
きさは、ピストンロッド4が前記軸方向Aに往復移動で
きるように、ピストンロッドの後端部4bの断面よりも
わずかに大きい)としている。そして、ピストンロッド
4の他の部分については、図2の正面図に示すように、
先端部4aを、減衰板等の取り付けのために、軸に垂直
な断面を例えば半円型とする以外は、円柱状とするとと
もに、ロッドパッキン5もピストンロッド4の円柱状の
部分に密接する円環状としている。ピストンロッドの後
端部4bの断面形状および回り止め孔2fの形状は、六
角形等でもよい。
【0016】以上のように、第1実施形態の真空チャン
バ用空気圧シリンダ7においては、ピストンロッド回転
阻止の機能をシリンダの後部2cに、真空チャンバ内へ
の空気漏れ防止の機能をシリンダの前部2aにもたせた
ため、シリンダの前部2aに設けるロッドパッキン5
が、ピストンロッド4の断面円形の部分に十分に密接す
る円環状になるので、シリンダの前部のポート2dに供
給される空気が真空チャンバ内に漏れるのを十分に防止
できる。すなわち、真空チャンバの外壁1aに直接取り
付けられる空気圧シリンダにおいて、ピストンロッド4
が軸回りに回転せず、しかも、真空チャンバ内への空気
漏れを十分に防止できるものとなる。
【0017】次に、本発明の第2実施形態の真空チャン
バ用空気圧シリンダについて説明する。この空気圧シリ
ンダ17も真空チャンバに用いられるものであって、図
4の右側面断面図に示すように、まず、筒状で軸方向A
の前後にカバーを有し、前面12aが真空チャンバの外
壁1aに密接するように取り付けられるシリンダ12
と、後述するピストンロッド14が固定され、シリンダ
12に設けられたコイルばね6の弾力およびシリンダ1
2の後部12cに設けられたポート12eに供給される
空気の圧力によりシリンダ12内を前記軸方向Aに往復
移動するピストン3とを備えている。シリンダ12は、
円筒状のシリンダチューブとその開口を塞ぐように軸方
向Aの前後に取り付けられたカバーからなるが、ここで
は一体的に図示している。前カバーはシリンダ12の前
部12bを構成し、後カバーはシリンダ12の後部12
cを構成する。
【0018】ピストン3の往復移動の原理は、従来の技
術や第1実施形態で述べたのと異なり、以下のようであ
る。すなわち、シリンダの前部12bに設けられた凹部
に前端部が嵌まり込んだコイルばね6は、後端部でピス
トン3を後方へ付勢しているが(図4に示す状態)、シ
リンダの後部のポート12eへ空気が供給されると、ピ
ストン3は空気圧で前方へ押されて移動し、シリンダの
後部のポート12eへの空気の供給が停止すると、ピス
トン3はコイルばね6の弾力(伸張力)により後方へ押
されて移動する。第2実施形態の真空チャンバ用空気圧
シリンダ17では、シリンダの前部12bに設けられた
ポート12gには、ピストン3を移動させるための空気
は供給されず、単にシリンダ12内部を大気と連通させ
るための孔である。
【0019】この空気圧シリンダ17が備える棒状のピ
ストンロッド14は、従来の技術で述べたのと同じもの
であり、前部が真空チャンバの壁1aの孔およびシリン
ダの前部12bの孔12fを貫通し、後端部がピストン
3に固定されることにより、先端部14aが真空チャン
バ内で前記軸方向Aに往復移動する。シリンダの前部1
2bには、ピストンロッド14が密接して貫通するロッ
ドパッキン15が設けられている。さらに、シリンダの
前部12bの前記孔12fは、ピストンロッド14が挿
入されることにより、ピストンロッド14の軸回りの回
転を阻止する回り止め孔12fになっている。
【0020】すなわち、従来の技術で述べたのと同様
に、ピストンロッド14を円柱状とせずに、図5の正面
図に示すように、軸に垂直な断面を例えば小判型とする
とともに、回り止め孔12fも、ピストンロッド14に
合致する小判型(大きさは、ピストンロッド14が前記
軸方向Aに往復移動できるように、ピストンロッド14
の断面よりもわずかに大きい)とし、ロッドパッキン1
5もピストンロッド14に密接する形の環状としてい
る。なお、ピストンロッドの先端部14aは、減衰板等
の取り付けのために、軸に垂直な断面を例えば半小判型
とする。ピストンロッド14の断面形状および回り止め
孔12fの形状は、六角形等でもよく、ロッドパッキン
15もそのピストンロッド14に密接する形の環状とす
ればよい。
【0021】以上のように、第2実施形態の真空チャン
バ用空気圧シリンダ17においては、ピストン3を後方
へ移動させるのはコイルばね6であり、シリンダの前部
12bには高圧の空気は供給されずたかだか大気圧であ
るので、シリンダの前部12bに設けるロッドパッキン
15が、ピストンロッド14回転阻止に対応して角のあ
る異形であっても、真空チャンバ内への空気漏れを十分
に防止できる。すなわち、真空チャンバの外壁1aに直
接取り付けられる空気圧シリンダにおいて、ピストンロ
ッド14が軸回りに回転せず、しかも、真空チャンバ内
への空気漏れを十分に防止できるものとなる。
【0022】次に、本発明の第3実施形態のX線分析装
置について説明する。まず、その構成について説明す
る。図8に示すように、この装置は、真空またはヘリウ
ム雰囲気を形成する真空チャンバ11(真空チャンバの
壁1およびその内部空間)を備え、前記第1または第2
実施形態の真空チャンバ用空気圧シリンダ7,17を用
いた蛍光X線分析装置である。具体的には、まず、真空
チャンバ11内に、X線管31の少なくとも先端部、試
料台32、分光素子33および検出器34を備えてい
る。
【0023】また、検出器34への過剰なX線39を減
衰させる櫛状の減衰板35を検出器34の直前で進退さ
せるために、前記第1または第2実施形態の真空チャン
バ用空気圧シリンダ7,17を、真空チャンバの外壁1
aに直接取り付けている。すなわち、空気圧シリンダ
7,17の前面2a,12aが、真空チャンバの外壁1
aに密接するように取り付けられ、真空チャンバ11内
で、ピストンロッドの先端部4a,14aおよびそこに
取り付けられた減衰板35が、シリンダの軸方向A(分
光素子33から検出器34へのX線光路に直交する)に
往復移動される。図8では、減衰板35が検出器34の
直前に進出した状態を示している。なお、減衰板35
は、分光素子33と検出器34との間において検出器3
4の直前以外でX線光路に進退させてもよく、X線管3
1と試料36との間や、試料36と分光素子33との間
においてX線光路に進退させてもよい。また、減衰板3
5に限らず、X線光路にフィルタを進退させるためや、
複数備えた分光素子から選択的に1つをX線光路に進出
させるために、空気圧シリンダ7,17を用いてもよ
い。
【0024】次に、この装置の動作について説明する。
真空チャンバ11内に真空またはヘリウム雰囲気を形成
し、試料台32に載置した試料36に、X線管31から
1次X線37を照射し、試料36から発生した蛍光X線
38を分光素子33で分光し、測定対象の波長の蛍光X
線39を得る。ここで、この分光した蛍光X線39が検
出器34に対し過剰な強度であると考えられる場合に
は、空気圧シリンダ7,17により、減衰板35を検出
器34の直前に進出させておき、減衰板35により強度
を適切に減衰させた蛍光X線40を検出器34に入射さ
せてその強度を測定する。もとの蛍光X線39の強度
は、減衰板35の減衰比に基づいて計算される。分光し
た蛍光X線39が検出器34に対し適切な強度であると
考えられる場合には、空気圧シリンダ7,17により、
減衰板35を検出器34の直前から退避させておき、分
光した蛍光X線39をそのまま検出器34に入射させて
その強度を測定する。
【0025】さて、真空チャンバ11内への空気漏れが
あると、測定される蛍光X線39,40の強度が徐々に
低下するが、その影響は、真空チャンバ11内を真空ポ
ンプで引きながら真空雰囲気として測定する場合より
も、真空チャンバ11内にヘリウムを流入させながらヘ
リウム雰囲気として測定する場合の方が、現れやすい。
そこで、真空チャンバ11内をヘリウム雰囲気として、
第1、第2実施形態の真空チャンバ用空気圧シリンダ
7,17の他に、対比のため前記従来の空気圧シリンダ
27(図6)をも用いて、それぞれの場合について、減
衰板35を取り外した状態でピストンロッドの先端部4
a,14aを往復移動させ、時間の経過につれ蛍光X線
39の測定強度が低下する勾配を調べると、第1、第2
実施形態の真空チャンバ用空気圧シリンダ7,17を用
いた場合とも、従来の空気圧シリンダ27を用いた場合
の約3分の1であった。
【0026】以上のように、第1、第2実施形態の真空
チャンバ用空気圧シリンダ7,17は、従来の空気圧シ
リンダ27に比べ、真空チャンバ11内への空気漏れが
少ないことが検証された。したがって、真空チャンバ1
1に第1、第2実施形態の真空チャンバ用空気圧シリン
ダ7,17を用いる第3実施形態のX線分析装置によれ
ば、真空チャンバ11内への空気漏れを十分に防止で
き、X線分析の結果が、十分安定し、正確なものとな
る。なお、真空チャンバを備え、上述したのと同様に第
1、第2実施形態の真空チャンバ用空気圧シリンダ7,
17を用いたX線回折装置も本発明に含まれる。
【0027】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の真
空チャンバ用空気圧シリンダによれば、真空チャンバの
外壁に直接取り付けることができ、ピストンロッドが軸
回りに回転せず、しかも、真空チャンバ内への空気漏れ
を十分に防止できる。また、本発明のX線分析装置によ
れば、真空チャンバに前記本発明の真空チャンバ用空気
圧シリンダを用いているので、真空チャンバ内への空気
漏れを十分に防止でき、X線分析の結果が、十分安定
し、正確なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の真空チャンバ用空気圧
シリンダを示す右側面断面図である。
【図2】同空気圧シリンダを示す正面図である。
【図3】同空気圧シリンダを示す背面図である。
【図4】本発明の第2実施形態の真空チャンバ用空気圧
シリンダを示す右側面断面図である。
【図5】同空気圧シリンダを示す正面図である。
【図6】従来の空気圧シリンダの一例を示す右側面断面
図である。
【図7】同空気圧シリンダを示す正面図である。
【図8】本発明の第3実施形態のX線分析装置を示す概
略図である。
【符号の説明】
1…真空チャンバの壁、1a…真空チャンバの外壁、
2,12…シリンダ、2a,12a…シリンダの前面、
2b,12b…シリンダの前部、2c,12c…シリン
ダの後部、2d…シリンダの前部に設けられた空気供給
ポート、2e,12e…シリンダの後部に設けられた空
気供給ポート、2f,12f…回り止め孔、3…ピスト
ン、4,14…ピストンロッド、4a,14a…ピスト
ンロッドの先端部、5,15…ロッドパッキン、6…コ
イルばね、7,17…真空チャンバ用空気圧シリンダ、
11…真空チャンバ、A…シリンダの軸方向。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバに用いられる空気圧シリン
    ダであって、 筒状で軸方向の前後にカバーを有し、前面が前記真空チ
    ャンバの外壁に密接するように取り付けられるシリンダ
    と、 そのシリンダの前部および後部に設けられたポートに供
    給される空気の圧力により、前記シリンダ内を前記軸方
    向に往復移動するピストンと、 前記真空チャンバの壁およびシリンダの前部を貫通し、
    前記ピストンに固定されることにより、先端部が前記真
    空チャンバ内で前記軸方向に往復移動する棒状のピスト
    ンロッドと、 前記シリンダの前部に設けられ、前記ピストンロッドの
    円柱状の部分が密接して貫通するロッドパッキンとを備
    え、 前記ピストンロッドが挿入されることにより、前記ピス
    トンロッドの軸回りの回転を阻止する回り止め孔が、前
    記シリンダの後部に設けられている真空チャンバ用空気
    圧シリンダ。
  2. 【請求項2】 真空チャンバに用いられる空気圧シリン
    ダであって、 筒状で軸方向の前後にカバーを有し、前面が前記真空チ
    ャンバの外壁に密接するように取り付けられるシリンダ
    と、 そのシリンダに設けられたコイルばねの弾力および前記
    シリンダの後部に設けられたポートに供給される空気の
    圧力により、前記シリンダ内を前記軸方向に往復移動す
    るピストンと、 前記真空チャンバの壁およびシリンダの前部を貫通し、
    前記ピストンに固定されることにより、先端部が前記真
    空チャンバ内で前記軸方向に往復移動する棒状のピスト
    ンロッドと、 前記シリンダの前部に設けられ、前記ピストンロッドが
    密接して貫通するロッドパッキンとを備え、 前記ピストンロッドが挿入されることにより、前記ピス
    トンロッドの軸回りの回転を阻止する回り止め孔が、前
    記シリンダの前部に設けられている真空チャンバ用空気
    圧シリンダ。
  3. 【請求項3】 真空チャンバを備え、請求項1または2
    の真空チャンバ用空気圧シリンダを用いたX線分析装
    置。
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