JP2002266258A - 生地染色法 - Google Patents

生地染色法

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JP2002266258A JP2001068547A JP2001068547A JP2002266258A JP 2002266258 A JP2002266258 A JP 2002266258A JP 2001068547 A JP2001068547 A JP 2001068547A JP 2001068547 A JP2001068547 A JP 2001068547A JP 2002266258 A JP2002266258 A JP 2002266258A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際に長期保存された生地が有するようなビ
ンテージ感を比較的短時間で付与できる生地染色法およ
び該染色法に使用される二液系生地染色用組成物を提供
すること。 【解決手段】 タンニンを含有する水溶液により生地を
処理する工程、およびポリフェノールオキシダーゼを含
有する水溶液により生地を処理する工程を含む生地染色
法。タンニンを含有する水溶液およびポリフェノールオ
キシダーゼを含有する水溶液からなる二液系生地染色用
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生地染色法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】デニムは長期間保存されると、色が全体
的に黄味がかってきて、独特の古着の表情を醸すことが
知られている。最近では、そのような古着の表情、いわ
ゆるビンテージ感のあるデニムを用いた衣料の需要が急
速に高まっている。しかしながら、ビンテージ感を得る
には、生地を実際に10〜20年間保存する必要があるた
め、需要に対応できる十分な供給量を確保できないのが
現状である。
【0003】生地を長期保存することなく生地にビンテ
ージ感を比較的短時間で付与する方法として、生地をイ
エロー系またはブラウン系の染料で染める方法が知られ
ている。しかしながら、このような染料を用いると、実
際に長期保存された生地が有するようなビンテージ感を
十分に得ることはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、実際に長期
保存された生地が有するようなビンテージ感を比較的短
時間で付与できる生地染色法および該染色法に使用され
る二液系生地染色用組成物を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はタンニンを含有
する水溶液により生地を処理する工程、およびポリフェ
ノールオキシダーゼを含有する水溶液により生地を処理
する工程を含む生地染色法に関する。
【0006】本発明はまた、タンニンを含有する水溶液
およびポリフェノールオキシダーゼを含有する水溶液か
らなる二液系生地染色用組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の生地染色法は、タンニン
を含有する水溶液により生地を処理する工程(この工程
を、「タンニン処理工程」という)、およびポリフェノ
ールオキシダーゼを含有する水溶液により生地を処理す
る工程(ポリフェノールオキシダーゼ処理工程)の2つ
の工程を含む。以下、タンニン処理を行った後に、ポリ
フェノールオキシダーゼ処理を行う場合を説明する。
【0008】本発明の染色の対象となる生地は、織物、
編み物、不織布等の平面性を有する形態(例えば、布)
のものに限らず、繊維自体、繊維が撚られた糸、および
それらを加工してなる各種製品(例えば、ジーンズ等の
衣服)等の形態を含む。本発明の実施容易性を考慮すれ
ば、生地は平面性を有する形態が好ましい。連続的に本
発明方法を適用可能となる。ビンテージ感をより出しや
くするために、生地を予め、温水洗浄、バイオ洗浄、ス
トーンウォッシュ等の処理にかけ、生地の色の濃淡、模
様等の調整を行っていてもよい。
【0009】生地を構成する繊維としては、、例えば、
セルロース系天然繊維(綿、麻等)、セルロース系再生
繊維(レーヨン、キュプラ、テンセル等)、セルロース
系半合成繊維(アセテート等)の単独、およびこれら自
身の混紡品、これらと合成繊維との混紡品および交織品
を含む。
【0010】特に、生地としてデニムを使用すると、ビ
ンテージ感が特に優れた生地を得ることができ、実際に
長期保存されたデニムと比較しても遜色のない古着の表
情を付与することができる。
【0011】デニムは綿製の経糸および緯糸を用いて得
られる綾織物であり、一般的には経糸に染色された色糸
を用い、緯糸に原糸を用いるため、表の色が裏より濃く
なっている。経糸はデニムの表が所望の色相を有するよ
うに、染色されている。ジーンズの生地としてのデニム
は、通常、インジゴ系の染料で藍色に染色された経糸が
使用されている。ジーンズ用のデニムに限らず、その他
の市販されている各種生地に本発明を適用してビンテー
ジ感を付与することが可能である。
【0012】本発明においては、上記した生地を、タン
ニンを含有する水溶液により処理する。処理は生地を浸
漬して行うものであり、バッチ式でも連続式いずれでも
よい。
【0013】タンニンは、植物界に広く分布し、水によ
く溶け、水溶液は収レン性強く、皮を革に変化させる性
質を有する物質で、ポリオキシフェニルを基本構造とし
ており、アルカリ分解するとフェノール類、フェノール
カルボン酸を生じる。市販品としてはタンニン酸(ナカ
ライテスク社製)等が入手可能である。
【0014】タンニンの水溶液濃度は、所望のビンテー
ジ感を効率よく得る観点から、0.1〜10g/L、好ましくは
1〜5g/Lとするのが望ましい。
【0015】タンニン水溶液はさらにデニム生地への浸
透性をよくするために、浸透剤が含有されていてもよ
い。浸透剤の水溶液中での濃度は1〜5g/Lとするのが望
ましい。タンニン処理は連続式またはバッチ式で行われ
てよく、いずれの方式を採用する場合も、タンニン濃度
が上記範囲内の水溶液を用いればよいが、特に、バッチ
式を採用する場合においては、さらに水溶液中でのタン
ニン含有量が0.05〜0.5%owf、好ましくは0.05〜0.25%
owfであって、かつ水溶液の水使用量が当該処理に供さ
れる生地重量の10〜30倍の重量、好ましくは10〜20倍の
重量であるような水溶液を用いることがより好ましい。
連続式で処理を行う場合においては一般に工場等で大規
模で処理を行うことが多く、十分量のタンニン水溶液が
使用されるため、当該水溶液中には十分量のタンニンが
含有されており、タンニンの絶対量が不足することはほ
とんどない。一方、バッチ式で処理を行う場合において
は一般に小規模で処理を行うことが多く、連続式処理と
比較してタンニン水溶液の使用量は制限されるため、水
溶液中のタンニン含有量もまた制限され、タンニンの絶
対量が不足する傾向がある。このため、バッチ式処理を
行う場合には、濃度だけでなく、タンニン水溶液の水量
と当該水溶液中のタンニン含有量を生地重量に基づいて
さらに規定することにより、当該処理をより確実に行う
ことができる。本明細書中、単位「%owf(% on weigh
t of fiber)」は処理に供される繊維(生地)重量に対
する重量割合(重量%)を意味する。
【0016】タンニン処理工程でのタンニン水溶液の温
度は特に制限されず、通常、室温でよい。またタンニン
処理工程は生地全体が当該水溶液を吸収すればそれで十
分であるので、生地の浸漬については、それ以上の時間
を取る必要は必ずしも必要ではない。なお、生地全体が
水溶液を吸収することができるのであれば、浸漬法に限
らずスプレー法を適用してもよい。
【0017】タンニン処理工程終了後、生地を脱水乾燥
する。脱水は、絞りローラー、洗濯機等による遠心力脱
水または手作業等によって軽く絞ることによって行えば
よい。そのとき、作業効率の向上と所望のビンテージ感
を効率よく得る観点から、生地の初期重量(乾燥時)に
対して30〜150重量%、好ましくは40〜100重量%の水溶
液が生地に吸収されている程度にまで脱水して生地を乾
燥工程にまわすことが好ましい。
【0018】乾燥は公知の手段、例えば熱風乾燥機等に
よって行われればよい。
【0019】次いで、ポリフェノールオキシダーゼを含
有する水溶液により生地を処理する(ポリフェノールオ
キシダーゼ処理)。処理は生地を浸漬して行うものであ
り、バッチ式でも連続式いずれでもよい。
【0020】本発明において用いられるポリフェノール
オキシダーゼは多価フェノールの酸化を触媒する酵素で
ある。作用機構の詳細は明らかではないが、当該酵素が
タンニンを酸化することによって、耐久性のあるビンテ
ージ感を生地に付与するものと考えている。そのような
ポリフェノールオキシダーゼの具体例として、o-,p-二
価フェノールの酸化を触媒する酵素、例えば、ラッカー
ゼおよびo-二価フェノールの酸化を触媒する酵素、例え
ば、チロシナーゼ等が挙げられ、好ましくはo-,p-二価
フェノールの酸化を触媒する酵素、特にラッカーゼを用
いる。ラッカーゼはアスペルギルス属の菌由来のものを
用いることがより好ましく、そのようなラッカーゼとし
て市販のデニライトIIS(ノボ社製)が使用可能であ
る。
【0021】本発明の方法に使用されるポリフェノール
オキシダーゼの水溶液中での濃度はポリフェノールオキ
シダーゼの種類および活性度に影響する因子(例えば、
水溶液の温度およびpH)等に依存するため、一概には規
定できず、当該水溶液と上記タンニン水溶液による処理
によって所望のビンテージ感を生地に付与できるような
濃度とする。例えば、ラッカーゼ、特に市販のデニライ
トIIS(ノボ社製)を用いる場合、水溶液中のデニライ
トIIS濃度は通常、0.5〜100g/L、好ましくは0.5〜50g/L
とするのが望ましい。ポリフェノールオキシダーゼ処
理、特にデニライトIIS処理もまた連続式またはバッチ
式で行われてよく、いずれの方式を採用する場合も、デ
ニライトIIS濃度が上記範囲内の水溶液を用いればよい
が、特に、バッチ式を採用する場合においては、バッチ
式によるタンニン処理と同様の理由から、さらに水溶液
中でのデニライトIIS含有量が0.1〜5%owf、好ましくは
0.5〜3%owfであって、かつ水溶液の水使用量が当該処
理に供される生地重量の10〜30倍の重量、好ましくは10
〜20倍の重量であるような水溶液を用いることがより好
ましい。
【0022】ポリフェノールオキシダーゼ水溶液にはさ
らに緩衝液が含有されていてもよい。緩衝液を含有させ
ることにより、得られる水溶液を後述のpH範囲に容易に
制御できる。緩衝液としては、リン酸緩衝液等が使用可
能である。その使用量は当該水溶液のpHを後述のpH範囲
に制御できるような量とする。上記したデニライトIIS
(ノボ社製)にはそのような緩衝液が予め含有されてい
る。
【0023】ポリフェノールオキシダーゼ水溶液のpHは
ポリフェノールオキシダーゼが失活しないpHにする。例
えば、ラッカーゼを用いる場合においては、通常、3.5
〜6.5、好ましくは3.7〜6.0であればよいが、処理時間
の短縮の観点からは、より好ましくは4.0〜5.5、さらに
好ましくは4.0〜5.0とする。そのようなpH範囲とする
ことによってラッカーゼが活性化される。
【0024】ポリフェノールオキシダーゼ水溶液の温度
はポリフェノールオキシダーゼが失活しない温度で使用
する。例えば、ラッカーゼを用いる場合においては、通
常、80℃未満、好ましくは10℃以上80℃未満であればよ
いが、処理時間の短縮の観点からは、より好ましくは45
℃以上75℃以下、さらに好ましくは60℃以上70℃以下と
する。そのような温度範囲とすることによってラッカー
ゼがより活性化される。
【0025】ポリフェノールオキシダーゼ処理における
水溶液への生地の浸漬時間はタンニンのポリフェノール
オキシダーゼによる酸化が十分に行われ得るような時間
であり、ポリフェノールオキシダーゼの種類、水溶液の
温度およびpHに依存する。通常、20分間〜1.5時間であ
る。例えば、ラッカーゼを用い、水溶液の温度が60℃、
pHが4.5であれば浸漬時間は20〜40分間が好適である。
また例えば、ラッカーゼを用い、水溶液の温度が室温(2
5℃)、pHが4.5であれば浸漬時間は50分間〜1.5時間が好
適である。
【0026】ポリフェノールオキシダーゼ処理において
は、当該水溶液が生地に十分に吸収された後、上記浸漬
時間の経過前に浸漬を終えて生地を水溶液から取り出
し、濡れた状態で上記したポリフェノールオキシダーゼ
水溶液と同様の温度範囲内の温度下にて放置してもよ
い。このように生地を浸漬後、放置するときの放置時間
は、当該放置時間と放置前の浸漬時間の和が上記した浸
漬時間の範囲内となるような時間とする。
【0027】第2処理工程において生地を上記のように
浸漬または放置した後は、所望によりポリフェノールオ
キシダーゼの失活を行ってもよい。失活を行う場合は、
生地をポリフェノールオキシダーゼが失活する温度以上
の環境下で維持すればよい。失活は、例えば浸漬されて
いる水溶液温度を上げることによって達成してもよい
し、放置されている生地の環境温度を上げることによっ
て達成してもよいし、放置されている生地を上記温度以
上の水に浸漬することによって達成してもよい。失活は
通常、10〜20分間で達成される。
【0028】ポリフェノールオキシダーゼ処理後、生地
を水洗乾燥する。
【0029】タンニン処理およびポリフェノールオキシ
ダーゼ処理された生地は所望により毛焼き処理、柔軟処
理、ねじれ防止処理、および防縮処理され、その後、ジ
ーンズ等に製品化される。これらの処理は上記両処理の
終了後でなくともタンニン処理の前、タンニン処理後ポ
リフェノールオキシダーゼ処理前に行っても良い。但
し、製品化は少なくとも毛焼き処理、ねじれ防止処理お
よび防縮処理が終了した後で行うことが好ましい。その
ような好ましい処理工程順序としては、例えば、タン
ニン処理−ポリフェノールオキシダーゼ処理−毛焼き処
理−柔軟処理−ねじれ防止処理−防縮処理−製品化処理
の順序、毛焼き処理−タンニン処理−ねじれ防止処理
−防縮処理−ポリフェノールオキシダーゼ処理−柔軟処
理−製品化処理の順序、毛焼き処理−タンニン処理−
柔軟処理−ねじれ防止処理−防縮処理−製品化処理−ポ
リフェノールオキシダーゼ処理の順序等が挙げられる
が、タンニン処理の後、ポリフェノールオキシターゼ処
理を行う順序さえ守ればこれらに制限されない。
【0030】毛焼き処理、柔軟処理、ねじれ防止処理、
防縮処理、および製品化処理はそれぞれ従来から当該分
野で行われている各処理と同様である。毛焼き処理は生
地表面の毛羽を焼いて除去し平滑にし、生地組織を鮮明
にするための処理であり、詳しくは、熱板式、電熱式ま
たはガス炎式の毛焼き機を用いて毛焼きする。
【0031】柔軟処理は、生地を柔軟にするための処理
であり、生地の繊維間の摩擦抵抗を低下させ、滑らか
さ、しなやかさを増大させることによって柔軟化を達成
してもよいし、弾力のあるかさ高感を増大させることに
よって柔軟化を達成してもよい。具体的には、油脂、ろ
う、油脂製品、界面活性剤、吸湿性薬剤(グリセリン、
グルコース等)等の柔軟剤の溶液を生地に吸収させ乾燥
させる。ねじれ防止処理は、生地がねじれにくくなるよ
うに施す処理である。防縮処理は、洗濯による収縮を防
止するための処理である。製品化処理においては、生地
を裁断および縫製して所望の製品を作製する。
【0032】以上のような方法によって処理された生地
は色が全体的に黄味がかり、特にデニムを用いた場合に
おいては実際に10〜20年間保存したデニムと同等の優れ
たビンテージ感を有している。また、本発明の方法によ
って処理された生地が有するビンテージ感は光、汗、摩
擦、および洗濯に対する耐久性に優れている。さらに、
本発明の方法において使用されるタンニンおよびポリフ
ェノールオキシダーゼは天然物質であるため、環境を汚
染することはない。
【0033】
【実施例】実施例1(連続式) 生地は、経糸としてインジゴ系染料で染色された7番手
綿糸を63本/インチで用い、緯糸として染色されていな
い6番手綿糸を42本/インチで用いて得られたデニム(K
D1509;倉敷紡績株式会社製)50mを使用した。タンニン
はタンニン酸(ナカライテスク社製)を使用した。まず
生地を、仕上げ加工機によって、3g/Lのタンニン水溶液
に浸漬して、絞って、乾燥させた。乾燥開始直前におい
て生地に吸収されているタンニン水溶液の量は生地の初
期重量(乾燥時)に対して50重量%であった。次いで、
乾燥した生地を、ジッガーを使用して、10g/Lのデニラ
イトIIS(ノボ社製)水溶液(室温、pH5.0)中、2回通
過させた。得られた生地をロールに巻き上げ、濡れたま
まの状態で室温で1時間放置した後、水洗し、乾燥させ
た。その後、再度仕上げ加工機を用いて、生地の毛焼き
処理、柔軟処理、ねじれ防止処理、および防縮処理を行
い、裁断および縫製してジーンズを作った。
【0034】実施例2(バッチ式) 生地は、経糸としてインジゴ系染料で染色された7番手
綿糸を63本/インチで用い、緯糸として染色されていな
い6番手綿糸を42本/インチで用いて得られたデニム(K
D511;倉敷紡績株式会社製)50mを使用した。タンニン
は実施例1で使用したものを使用した。まず生地を、仕
上げ加工機によって、毛焼き処理し、5g/Lのタンニン水
溶液に浸漬して、絞って、乾燥させた。乾燥開始直前に
おいて生地に吸収されているタンニン水溶液の量は生地
の初期重量(乾燥時)に対して50重量%であった。次い
で、生地のねじれ防止処理、および防縮処理を行った
後、裁断および縫製してジーンズ製品20着を作った。一
方、1%owfのデニライトIIS(ノボ社製)を生地(ジー
ンズ)重量に対して15倍重量の水に溶解して60℃の溶液
(pH5.0)を調製した。ワッシャー加工機を用いて、上
記溶液にジーンズ製品を30分間浸漬した後、80℃で10分
間さらに浸漬して酵素を失活させ、水洗および脱水し、
乾燥させた。
【0035】比較例1〜3 生地は、実施例1で使用されたデニムと同様のものを使
用した。顔料としてDISPERSE YELLOW SD-4002(大日本
インキ化学社製)を使用した。生地を、下記顔料濃度お
よび室温の顔料水溶液に浸漬して乾燥した後、水洗し、
更に乾燥させた。その後、生地の毛焼き処理、柔軟処
理、ねじれ防止処理、および防縮処理を行い、裁断およ
び縫製してジーンズを作った。比較例1〜3の顔料濃度は
順に0.1重量%、0.5重量%、および1重量%であった。
【0036】比較例4 デニライトIISによる処理を行わなかったこと以外、実
施例2と同様にしてズボンを作成した。
【0037】評価 (目視)実施例1および2および比較例1〜3で得られたジ
ーンズを、実際に10〜20年間保管していたジーンズ(オ
リゾンティ社製およびマッコイ社製;以下、オリゾンテ
ィ社製およびマッコイ社製のジーンズをそれぞれ単に
「オリゾンティ」および「マッコイ」という)と目視に
より比較した。実施例1および2で得られたジーンズはい
ずれも、オリゾンティおよびマッコイと同程度に黄味が
かっており、オリゾンティおよびマッコイと比較しても
遜色ない優れたビンテージ感を有していた。比較例1お
よび3で得られたジーンズをオリゾンティおよびマッコ
イと比較したところ、比較例1で得られたジーンズは明
らかに黄色が薄く、一方で比較例3で得られたジーンズ
は明らかに黄色が濃く、いずれのジーンズもビンテージ
感を全く有していなかった。比較例で得られたジーンズ
のうち、ジーンズに染色された黄色の濃さに関してオリ
ゾンティおよびマッコイに最も近かったのは比較例2で
得られたジーンズであったが、該ジーンズの黄色はオリ
ゾンティおよびマッコイ、ならびに実施例1および2のジ
ーンズほど自然に染色されておらず、該ジーンズのビン
テージ感は不十分であった。
【0038】(色彩色差計)実施例1および2および比較
例2で得られたジーンズ、ならびにオリゾンティおよび
マッコイを色彩色差計(COLOR 7X;倉敷紡績株式会社
製)による測定に供した。得られた測定結果のうちC値
(彩度)およびH(色相)の結果を表1に示す。C値は、L
ab表色系におけるa-b座標の中心からの距離を表し、値
が大きいほど色が鮮やかであることを意味する。Hはa-b
座標においてa軸プラス方向からの左周り角度を表し、
当該角度によって色相を示す。
【0039】
【表1】
【0040】比較例2のジーンズは色相がオリゾンティ
およびマッコイによく近似しているものの、彩度が最も
離れていた。これらの結果によると、ビンテージ感を出
すためには、色相をオリゾンティおよびマッコイに近似
させるだけでは不十分であり、色相と彩度とを同時に適
度にオリゾンティおよびマッコイに近似させることが重
要であると考えられる。顔料による染色では色相と彩度
とを同時に適度にオリゾンティおよびマッコイに近似さ
せることはできず、そのために染色が不自然となって、
十分なビンテージ感が得られないと考えられる。
【0041】(耐久性)実施例2で得られたジーンズの
光、汗、摩擦、および洗濯に対するビンテージ感の耐久
性を評価した。比較例4で得られたジーンズの洗濯に対
するビンテージ感の耐久性を評価した。詳しくは、実施
例2のジーンズを家庭用洗剤によって洗濯機で洗って
も、ビンテージ感は失われなかった。比較例4のジーン
ズを家庭用洗剤によって洗濯機で洗うと、ビンテージ感
が失われた。
【0042】光、汗および摩擦に対するビンテージ感の
耐久性を耐光堅牢度、汗堅牢度および摩擦堅牢度に基づ
いて評価した。 ・耐光堅牢度 JIS L 0842 カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度試
験方法(第3露光法)に準拠。変退色4級以上で合格。 ・汗堅牢度 JIS L 0848 A法 汗に対する染色堅牢度試験方法に準
拠。変退色4級以上で合格。 ・摩擦堅牢度 JIS L 0849 摩擦に対する染色堅牢度試験方法に準拠。 JIS L 0849 6.1乾燥試験に準拠。汚染4級以上で合格。 JIS L 0849 6.2湿潤試験に準拠。汚染2〜3級以上で合
格。 等級が高いほど、変退色しない、あるいは汚染しないこ
とを示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明の方法および二液系生地染色用組
成物によれば、実際に長期保存された生地が有するよう
なビンテージ感を比較的短時間で、生地、特にデニムに
付与できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 13/152 D06M 13/152 D06P 1/46 D06P 1/46 3/60 3/60 A (72)発明者 勝圓 進 大阪府大阪市中央区久太郎町2丁目4番31 号 倉敷紡績株式会社大阪本社内 (72)発明者 大島 邦裕 大阪府寝屋川市下木田町14番5号 倉敷紡 績株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 3B154 AA02 AB20 AB26 AB27 AB40 BB32 BB47 BD01 BD02 BD20 DA13 DA19 DA30 4H057 AA01 AA02 BA32 CA07 CB03 CC02 DA01 DA24 GA07 4L033 AA02 AB05 AC15 BA99

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンニンを含有する水溶液により生地を
    処理する工程、およびポリフェノールオキシダーゼを含
    有する水溶液により生地を処理する工程を含む生地染色
    法。
  2. 【請求項2】 タンニンを含有する水溶液により生地を
    処理した後、該生地を、ポリフェノールオキシダーゼを
    含有する水溶液によりさらに処理する請求項1に記載の
    生地染色法。
  3. 【請求項3】 ポリフェノールオキシダーゼがラッカー
    ゼである請求項1または2に記載の生地染色法。
  4. 【請求項4】 生地としてデニムを用いる請求項1〜3い
    ずれかに記載の生地染色法。
  5. 【請求項5】 タンニンを含有する水溶液およびポリフ
    ェノールオキシダーゼを含有する水溶液からなる二液系
    生地染色用組成物。
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WO2012153318A1 (pt) * 2011-05-12 2012-11-15 Centi - Centro De Nanotecnologia E Materiais Técnicos Funcionais E Inteligentes Método de coloração de materiais com corantes naturais e seus artigos

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