JP2002266194A - インクジェット染色用布帛 - Google Patents

インクジェット染色用布帛

Info

Publication number
JP2002266194A
JP2002266194A JP2001063123A JP2001063123A JP2002266194A JP 2002266194 A JP2002266194 A JP 2002266194A JP 2001063123 A JP2001063123 A JP 2001063123A JP 2001063123 A JP2001063123 A JP 2001063123A JP 2002266194 A JP2002266194 A JP 2002266194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
fabric
jet
woven
dyeing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001063123A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Ueno
健生 上野
Toku Honma
徳 本間
Shintaro Kazahaya
新太郎 風早
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2001063123A priority Critical patent/JP2002266194A/ja
Publication of JP2002266194A publication Critical patent/JP2002266194A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Coloring (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット染色における染色濃度の低下
や、滲み、色割れを防止し、高発色性で高品位でインク
ジェット布帛を提供するとともに、前処理ならびに充填
剤、サイジング剤、コーティング剤を付与することを必
要としないため、厚みのない、低コストなインクジェッ
ト用布帛を提供する。 【解決手段】合成繊維フイラメント糸からなる織糸を複
数本引き揃えて、これを1単位として浮き沈みさせた誘
導平織り組織によって形成されている織物よりなること
を特徴とするインクジェット染色用布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット染
色用布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の捺染の主流は、スクリーン捺染、
ローラー捺染であり、これらの方式は、いずれも版を起
こす必要があり、多品種少量生産には不向きであった。
流行への迅速な対応も困難であることから、最近では無
製版の電子捺染システムが要望されている。この要望に
対してインクジェットによる捺染方法が数多く提案され
ており、各方面から下記のインクジェット捺染用布帛の
期待が大きくなってきている。その中でインクジェット
染色用布帛は、通常の平織物、すなわち織糸1本を1単
位として浮き沈みさせた平織組織やサテン組織、ならび
にツーウエイトリコット組織のものが使用されていた。
【0003】かかるインクジェット染色用布帛におい
て、平織組織ではインクの吸収率が悪く、インク滲みや
垂れなどの問題があり、先に記載の織り組織変更や滲み
防止の前処理を用いざるを得ないのが現状であった。
【0004】また、インクジェット染色用布帛は、印刷
適正付与のため、充填剤、サイジング剤、コーティング
剤などが付与されており、それがないとインクが滲んで
しまう問題があった。
【0005】前処理では、例えば、特公平3−3159
4号公報には、使用されるインクに対して非染着性であ
る水溶性高分子、水溶性塩類、水不溶性無機微粒子より
選択される化合物を布帛に付着させる方法が記載せれ、
また、特公昭62−45359号公報には、水不溶性染
料を含有するインクを用いる場合に、布帛に予め含窒素
カチオン性物質を付与する方法が記載され、さらに特公
昭63−31593号公報には、インクとして粘度およ
び表面張力が特定範囲に規定されたものを用い、かつ布
帛としてその撥水度が50点以上であるものを用いる方
法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
非染着性の化合物を布帛に付着する方法では、布帛の表
面が非染着性の皮膜で覆われることになるため、布帛繊
維に対するインクの染着性が損なわれて染着率の低下ひ
いては染色濃度の低下を招くという問題があった。
【0007】また、布帛に予め含窒素カチオン性物質を
付与する方法では、布帛上で水不溶性染料を凝集させる
ことで、滲みを防止し染色濃度を高くすることができる
ものの、染色部ドットの形状を拡大し観察すると、布帛
の繊維方向に沿って水不溶性染料が流れた状態で凝集し
ているため、真円状のドット形状が得られず、そのため
画像の変形が生じたり、画像全体に細かい線が感じられ
画像のエッジ部分がギザギザに視認される現象が生じし
たりして、高品位な図柄が得られないという問題があっ
た。
【0008】また、撥水度50点以上の布帛を用いる方
法では、撥水作用によりインクの滲みを確実に防止でき
るものの、ドット径が小さくなり過ぎてドット感が目立
ってしまう上に、ドット径が小さくなり過ぎるため返っ
て目視観察の上ではあたかも染色濃度が低下しているか
のような印象を与えることになって、高品位な図柄が得
られないという問題があった。
【0009】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、インクジェット染色における染色
濃度の低下や、滲み、色割れを防止し、高発色性で高品
位でインクジェット布帛を提供するとともに、前処理な
らびに充填剤、サイジング剤、コーティング剤を付与す
ることを必要としないため、厚みのない、低コストなイ
ンクジェット用布帛を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するために、次のような手段を採用する。
【0011】すなわち、本発明のインクジェット用布帛
は、合成繊維フイラメント糸からなる織糸を複数本引き
揃えて、これを1単位として浮き沈みさせた誘導平織組
によって、形成されている織物よりなることを特徴とす
るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明によれば、誘導平織組織と
いう特定な織組織をインクジェット用布帛として採用す
ることにより、薄いにも拘わらず、染色濃度低下や滲み
防止に優れた機能を有するインクジェット用布帛を提供
するものである。
【0013】本発明でいう誘導平織組織とは、図1〜図
6に組織図を示したように、合成繊維フイラメント糸か
らなる織糸を複数本引き揃えて、これを1単位として浮
き沈みさせた織組織であり、一般に変化平組織とも呼ば
れるものであって、具体的には、畝織、斜子織、変化畝
織、変化斜子織、向斜子織などと呼ばれるものをいう。
【0014】かかる複数本の織糸を用いる方向は、図1
〜図4のように、織物の少なくとも一方向に形成されて
いればよいが、図5〜図6のように、経糸ならびに緯糸
方向に形成されている方が最も好ましい。
【0015】本発明の上述の特定な組織からなる織物
は、通常の従来の平織組織からなる織物に比して薄地と
なり、しかもインク滲みが発生しにくく、また、1単位
として複数本の織糸が引揃えられている織糸部分には、
表面がよりプレーンであるとともに面積をより広いもの
であるために、インクが非常にのり易く(吸収され易
く)、通常の平織りのものと比べてインク吸収性におい
て優れた性質を示す基布を提供し得るものである。特に
誘導平織組織を構成する織糸本数が2〜3本である場
合、インクジェット基布としての性能が極めてバランス
のとれたものとなるので好ましい。1単位として引揃え
られる織糸本数が多くなるほど、インク滲みは無く、イ
ンク吸収性もますます改善されて好ましいが、逆に織組
織による拘束力はルーズになってくるので注意を要す
る。
【0016】かかる誘導平織組織は、経糸ならびに緯糸
方向に形成されているのがよいが、経糸方向よりも緯糸
方向に形成されている場合の方が、効果的には優れた効
果を示す傾向がある。
【0017】本発明における合成繊維フィラメント糸と
しては、繊維形成性合成樹脂からなる繊維を使用するこ
とができるが、ナイロン66、ナイロン6などのポリア
ミドやポリエステルなどからなる繊維が好ましく使用さ
れる。
【0018】かかる合成繊維フィラメント糸は、単糸繊
度や織糸繊度は限定されるものではないが、例えばナイ
ロンの単糸繊度としては、好ましくは0.5〜4デニー
ル、さらに好ましくは0.8〜3デニール程度のもの
が、また、織糸繊度としては、好ましくは10〜130
デニール、さらに好ましくは15〜90デニール程度の
マルチフィラメント糸条が、インク滲みならびに吸収性
などのバランスのよいものを提供することができるので
よい。また、該フィラメント糸は、500T/N以下の
撚りが入っているのがよい。
【0019】かかるマルチフィラメント糸条は、使用す
る糸のデニールによって異なるが、一般にナイロンでい
えば、経糸密度として、好ましくは100〜280本/
インチ程度、緯糸密度としては、好ましくは80〜16
0本/インチ程度の織密度の誘導平織組織で織物が形成
され、インクジェット用布帛とする。
【0020】本発明のインクジェット用布帛は、誘導平
織組織としたことにより、平織組織で形成されるものよ
りも厚みを薄く形成することができる。例えば、通常の
平織組織において、単に太い糸使いで粗い織密度にて基
布を形成して空隙を設けても、基布厚みが厚くなるばか
りで、インク滲みや吸収性も改善されない。
【0021】すなわち、本発明は、布帛を構成する織組
織によって、前述のインクジェット用布帛厚みも大きく
左右されることを究明して完成されたものである。
【0022】本発明にかかるインクジェット用布帛は、
樹脂加工やプラズマ処理などの適宜の後加工をされてい
ても、勿論よい。
【0023】かくして得られる本発明の基布を用いたイ
ンクジェット用布帛は、布帛厚みが薄いにも拘わらず、
インク滲みが著しく低く、しかもインク吸収性に優れた
特徴を有し得るものである。
【0024】本発明のインクジェット布帛は、誘導平織
組織としたことにより、従来の通常の平組織で形成され
るものよりも厚みを薄く形成でき、130μ以下、さら
には128μ程度未満という薄い生地を提供することが
できる。
【0025】たとえば、従来の通常の平組織において、
単に太い糸使いで粗い糸密度にて布帛を形成して空隙を
設けても、布帛厚みが厚くなるばかりで、インク吸収性
も改善されない。すなわち、本発明は、布帛を構成する
織組織によって、前述のインクジェット用布帛特性も布
帛厚みも大きく左右されることを究明して完成されたも
のである。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。
【0027】本発明で使用する評価方法は次の通りであ
る。 [インク吸収性]布帛を10cm10cmに溶断して、
試験片を形成した後、この試験片の重量(A)を測定す
る。この試験片を分散染料中に浸漬し、該インクをよく
試験片に浸透させる。次いでインクを含有せしめた試験
片の表面のインクを取り除き、さらに試験片を濾紙に挟
んでマングルに通して余剰インクをさらに取り除く。さ
らに濾紙を交換して2回マングルに通して余剰インクを
さらに取り除いた後、このインク含有試験片の重量
(B)を測定する。
【0028】インク吸収性(1K:g/m2)は次式に
より算出する。
【0029】1K=(B−A)×100 実施例1〜4、比較例1〜2 40デニール/34フイラメントおよび80デニール6
8フイラメントのナイロン66マルチフイラメント糸を
用い、各々撚糸を280T/m、198T/mとして、
表1に示した糸使いからなる織物を製織した。(組織は
図5のものを使用した) 個々の織物に対し、ピエゾ型インクジェットプリンター
解象度320DPI装置を用いて、4色(イエロー、マ
ゼンタ、シアン、ブラック)の反応染料インクによるプ
リントを行ない、得られた捺染織物に165℃にて5分
間の熱処理を施して染料の固着、発色を行った後、通常
の還元洗浄を実施し、プリント染色物を得た。その結果
を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1から明らかのように、実施例1〜4の
ものは、比較例1のものに比して、インク滲みが改善さ
れており、しかもインク吸収性も良いことがわかる。
【0032】また、比較例2のものは、織糸繊度を大き
くとり、その分、織密度を小さくした平織物であるが、
比較例1のものに比して、若干インク滲みと吸収性は良
くなるが、厚みが増大しており、実用的なものではなか
った。
【0033】
【発明の効果】本発明のインクジェット染色用基布は、
染色濃度の低下や、インク滲みが発生しにくい他、色割
れを防止でき、ひいては鮮明で高発色濃度、高品位な特
徴を有するインクジェット染色物を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット用布帛の誘導平織組織
の一例を示した織組織図である。
【図2】本発明のインクジェット用布帛の誘導平織組織
の他の一例を示した織組織図である。
【図3】本発明のインクジェット用布帛の誘導平織組織
のさらに他の一例を示した織組織図である。
【図4】本発明のインクジェット用布帛の誘導平織組織
のさらに他の一例を示した織組織図である。
【図5】本発明のインクジェット用布帛の誘導平織組織
のさらに他の一例を示した織組織図である。
【図6】本発明のインクジェット用布帛の誘導平織組織
のさらに他の一例を示した織組織図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 3B154 AA07 AA08 AB20 BA09 BF06 DA13 4H057 AA01 DA01 DA34 DA51 GA06 4L048 AA24 AB07 AB12 BA01 BA02 CA00 CA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成繊維フイラメント糸からなる織糸を複
    数本引き揃えて、これを1単位として浮き沈みさせた誘
    導平織り組織によって形成されている織物よりなること
    を特徴とするインクジェット染色用布帛。
  2. 【請求項2】織糸の本数が2〜3本であることを特徴と
    する請求項1に記載のインクジェット染色用布帛。
  3. 【請求項3】合成繊維織物からなるインクジェット染色
    用布帛であって、合成繊維フィラメント糸の2本〜3本
    が1単位として経糸および/または緯糸に用いられた誘
    導平織り組織よりなり、かつ厚さが130μ以下である
    ことを特徴とするインクジェット染色用布帛。
JP2001063123A 2001-03-07 2001-03-07 インクジェット染色用布帛 Pending JP2002266194A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001063123A JP2002266194A (ja) 2001-03-07 2001-03-07 インクジェット染色用布帛

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001063123A JP2002266194A (ja) 2001-03-07 2001-03-07 インクジェット染色用布帛

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002266194A true JP2002266194A (ja) 2002-09-18

Family

ID=18922163

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001063123A Pending JP2002266194A (ja) 2001-03-07 2001-03-07 インクジェット染色用布帛

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002266194A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013133382A1 (ja) * 2012-03-09 2013-09-12 旭化成せんい株式会社 エアバッグ用基布
JP5971781B1 (ja) * 2015-08-18 2016-08-17 ナテック株式会社 内照式パネル用布帛及びそれを用いた内照式パネル

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013133382A1 (ja) * 2012-03-09 2013-09-12 旭化成せんい株式会社 エアバッグ用基布
JP5486741B2 (ja) * 2012-03-09 2014-05-07 旭化成せんい株式会社 エアバッグ用基布
US9352718B2 (en) 2012-03-09 2016-05-31 Asahi Kasei Fibers Corporation Base fabric for airbags
JP5971781B1 (ja) * 2015-08-18 2016-08-17 ナテック株式会社 内照式パネル用布帛及びそれを用いた内照式パネル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1596326B (zh) 一种具有凹凸形图案的多色纤维毛绒织物
DE112013006035B4 (de) Gewebe für Airbag
CN111394876B (zh) 一种高遮蔽性面料、制备方法及其在制备广告布方面的应用
JP2002266194A (ja) インクジェット染色用布帛
JPH03281277A (ja) インパクトプリンタのインクリボン用基布およびその製造方法
JP4761354B2 (ja) 転写印刷で模様を付した意匠タオル
JP2008002029A (ja) 立毛布帛の製造方法および立毛布帛およびカーシート
JP3989883B2 (ja) 凹凸模様付き多色パイル布帛
JPS62236735A (ja) 高透明度織物
KR100526718B1 (ko) 반짝이 스판덱스 직물의 구조
JPH0726439A (ja) 細線印刷用織物
JP2003171886A (ja) インクジェット染色用布帛及びその製造方法
JP7456632B2 (ja) 自動車用内装布帛、及び自動車用内装布帛の製造方法
JPS62286784A (ja) コンピユ−タ−印字リボン用織物
JPH09111665A (ja) 捺染用モアレ防止スクリーン型用織物
JPS6342587B2 (ja)
JP3469076B2 (ja) 異色濃淡染色性スラブ調ポリエステル混繊糸条及びその製造方法
JPH0126349B2 (ja)
JP2002069766A (ja) カーペット用捲縮糸およびカーペット
JP2928542B2 (ja) スクリーン紗
JP2910522B2 (ja) インクリボン基布およびその製造方法
JPH10297066A (ja) インクリボン用基布
JPH0334883A (ja) インクリボン用基布
JPH04211978A (ja) インクリボン用基布
CN112647315A (zh) 一种毛毯的精细印花方法