JP2002266086A - エッチング液の再生方法 - Google Patents

エッチング液の再生方法

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JP2002266086A JP2001065443A JP2001065443A JP2002266086A JP 2002266086 A JP2002266086 A JP 2002266086A JP 2001065443 A JP2001065443 A JP 2001065443A JP 2001065443 A JP2001065443 A JP 2001065443A JP 2002266086 A JP2002266086 A JP 2002266086A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチングによる銅箔の溶解速度に拘らず、
電解による金属銅の回収を一定負荷の連続操業で行うこ
とが可能で、塩素ガスの余剰に対してもランニングコス
トを上昇させることなく安全に取り扱うことができるよ
うな、電解法・塩素ガス法によるエッチング液の再生方
法を提供する。 【解決手段】 エッチング槽から抜き出し隔膜電解槽へ
送る塩化第1銅含有エッチング液から、エッチングによ
り溶解する銅と同量の金属銅を陰極側で電析回収し、上
記電解槽の陽極側で発生する塩素ガスから次亜塩素酸塩
類の水溶液を得ていったん貯留し、塩化第1銅含有エッ
チング液の再生のために、上記次亜塩素酸塩類の水溶液
を酸で中和して塩素ガスを発生させて、発生ガスにより
上記エッチング液を酸化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化銅や塩酸を主
成分とする劣化エッチング液を隔膜電解法と塩素酸化法
を併用して再生処理するための方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板の製造工程において、塩
化銅、塩化鉄を主成分とするエッチング液により銅箔を
腐食させ所望のパターンを形成することが工業的に行わ
れている。銅箔を腐食させることでエッチング液は劣化
するが、一般的にはこの劣化液に対して過酸化水素水を
酸化剤として注入し、素材の溶解に伴い生成した塩化第
1銅を酸化再生するとともに水で希釈し、塩酸を補充す
ることが行われている。過酸化水素による塩化第1銅の
酸化は次のような反応式にしたがう: 2CuCl+H+2HCl→2CuCl+2HO‥‥‥(1)
【0003】しかしながら、このような過酸化水素によ
る再生法では銅イオンの酸化力を回復することはできる
ものの、別途塩素イオンの補充のために塩酸添加が必要
で且つ溶解した銅成分を除去できず水で希釈することが
行われていることから、余剰となるエッチング液を廃液
として処分する必要がある。
【0004】また一方、塩素ガスによる酸化方法もエッ
チング液の再生に採用されている。塩素ガスによる塩化
第1銅の酸化は次のような反応式にしたがう: 2CuCl+Cl→2CuCl‥‥‥‥‥‥(2)
【0005】塩素ガスによる再生法は、理論上、塩酸の
消費がないものの、実行にあたっては工場内に液化塩素
ガスを貯蔵する必要があり、その取り扱いが煩雑である
等の欠点を有する。
【0006】上記の問題を解決するために本出願人は、
特開平5−125564号、特開平5−117879号
において、隔膜電解法による再生方法を提案し、これら
の電解再生プロセスに適する電解槽の構造を特開平6−
158359号で提案し実用化している。
【0007】また、電解再生によりエッチング液組成を
最適条件に保持するためにはエッチングにおける銅箔の
溶解速度と電解再生の速度を一致させる必要があるが、
電流一定の条件では、電解再生の速度はほぼ一定になる
のに対し、エッチングにおける銅箔の溶解速度は銅箔の
厚み、パターンの違いや生産の状況に伴い変動するた
め、銅箔の溶解スピードと電解再生のスピードを一致さ
せることが困難であるという問題がある。
【0008】この問題に対して本出願人は、特開平11
−140671号において、電解再生法を組み込んだエ
ッチング液組成の管理方法について提案し実用化してい
る。また特願平11−280011号等において、塩化
銅と塩酸を主成分とするエッチング液を電解し、エッチ
ング液中の銅イオンを金属銅として回収するとともに生
成する塩素ガスをエッチング液の再生に利用するシステ
ム及び装置について提案し実用化している。具体的に
は、図3に示すように、エッチングマシン12で使用さ
れるエッチング液をポンプ10により再生液槽5を介し
て循環(途中、排ガス洗浄塔7を通すのが好ましい)
し、この再生液槽5からエッチング液を抜き出して供給
ポンプ8により陰極液槽2へ送り、ここから循環ポンプ
9により電解槽の陰極室1へ連続供給し、当該陰極室1
から隔膜を通り陽極室3へ移った分は陽極液として再生
液槽5へ、またオーバーフローにより排出した分は陰極
液として陰極液槽2へ戻しながら、陰極板表面で金属成
分(銅)を電気分解(連続操作で電解)して回収し、一
方で電解槽の陽極室3から排出する塩素ガスを気液セパ
レータ4で分離して、電解槽への供給液とは別に再生液
槽5からエゼクタポンプ11により導出するエッチング
液と塩素ガスエゼクタ6で接触させ、当該エッチング液
中に含有する塩化第1銅を塩素酸化してエッチング液中
に吸収させるのである。このような金属成分回収・エッ
チング液再生システムの提案と共に、その実施のため
に、電解を行うための直流単極隔膜式の電解槽と塩素酸
化を可能とする気液接触手段とを備えたエッチング液電
解再生装置を提案する。上記電解槽では、陰極板表面に
析出する金属銅を自動的に掻き落とし、銅粉として陰極
室底部から排出・回収できるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなシステムによっても上記余剰塩素ガスの問題の根本
的な解決には至っていない。上記システムの実施上の最
大の問題は、エッチングマシンで1価の銅イオンが容易
に空気酸化されてしまい、電解で発生する塩素ガスが吸
収できなくなり、一部を別途処理する必要が生じている
ことである。 4CuCl+O+4HCl→4CuCl+2HO‥‥‥(3)
【0010】酸素による酸化が起こると、エッチングで
溶解し増加した銅をすべて回収するにあたっては、塩素
ガスが余剰となるため、これを廃ガスとして取り扱えば
塩素イオンの損失となり、塩酸の補充量が増える。それ
とともに放出される塩素ガスを吸収するためにアルカリ
等を消費する必要が出てくる。別のエッチング液に吸収
させれば、この分が余剰となる。
【0011】一方、1価の銅イオンの空気酸化でエッチ
ング液に吸収できる塩素ガス量が制限されるのに合わ
せ、外部に放出される塩素ガスをゼロになるように調整
すると、回収できない溶解に起因した銅イオンがエッチ
ング液中に残る。エッチング液の組成を一定範囲に保持
するには、当該エッチング液に塩酸と水を注入して希釈
する必要が生じ、余剰エッチング液が発生して、塩酸が
消費されることとなる。
【0012】一般的なエッチングマシンでは、上部がエ
ッチング液を吹き付けるためのスプレーを配した空間で
且つ下部が液槽となっているエッチングチャンバーと呼
ばれる室内を、製品となるべきプリント配線素材板がコ
ンベアで搬送され通過する間に当該素材板をエッチング
する構成となっている。エッチングチャンバー内で、エ
ッチング処理により溶解した銅は1価の銅イオンとな
り、エッチング液中に蓄積される。このように蓄積され
た1価の銅イオンが空気中の酸素により酸化される反応
はエッチング液中の1価の銅イオン濃度が高いほど高速
で起こるので、空気酸化を低減するためにはエッチング
液中の1価の銅イオン濃度をできる限り低くすることが
好ましいが、一方で電解で発生する塩素ガスを完全にエ
ッチング液中に吸収するためには、発生塩素ガスと接触
させるためエッチングマシンから導出するエッチング液
の液量を大流量とせざるを得ず、大規模な循環配管及び
循環ポンプを備える必要がある。
【0013】例えば、電解槽(陽極室)から発生する塩
素ガスの量が20kg/時、エッチング液中の1価の銅
イオン濃度0.5g/リットルの場合、塩素ガスを完全
にエッチング液中に吸収させるためには約750リット
ル/分の流量でエッチング液を導く必要があり、このた
めの設備工事費用、ポンプの運転に必要な電気料金は当
該再生装置の実施を妨げる大きな原因となる。
【0014】また複数のエッチングマシンを有する工場
に上記再生装置を設置する場合、各エッチングマシンに
上記再生装置を1:1で対応させることが、余剰塩素の
発生防止及びエッチングマシンの工程管理(特に各エッ
チングマシンの液組成の最適値が異なるために個別に管
理したい場合)上好ましいが、これを実施しようとする
とき、上記設備費用、電気料金は高額となり、費用対効
果の面で当該再生装置の実施が困難となるのである。
【0015】そして銅イオンの空気酸化を、上記システ
ムを実施しながらゼロにすることは、上記のようなエッ
チングマシンの構造、更には上記システムを実施するた
めにエッチングマシンとの間で循環経路を備えた装置構
造を根本的に変えない限り不可能である。
【0016】更に、エッチングで溶解し増加した銅を電
解によって金属銅としてすべて回収するためには、でき
る限り一定の負荷で連続操業することが好ましい。陰極
板表面における銅の析出状態及び銅析出の電流効率が陰
極の電流密度によって変化するからである。またエッチ
ングによる銅箔の溶解速度に対応するために電解槽への
通電を頻繁に停止することは、析出した金属銅の再溶解
による回収効率の低下、装置寿命の低下を助長する。よ
って、かかる理由からも一定負荷による連続電解を行う
ことが好ましい。
【0017】しかしながら、従来法では、エッチング液
中の1価の銅イオン濃度に対応して電解槽への通電を制
御する必要があるため、一定負荷で連続運転することは
不可能である。
【0018】以上の問題点に鑑み、エッチングによる銅
箔の溶解速度に拘らず、電解による金属銅の回収を一定
負荷の連続操業で行うことが可能で、塩素ガスの余剰に
対してもランニングコストを上昇させることなく安全に
取り扱うことができるような、電解法・塩素ガス法によ
るエッチング液の再生方法を提供することを本発明の課
題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題は、エッチング
槽から抜き出し隔膜電解槽へ送る塩化第1銅含有エッチ
ング液から、エッチングにより溶解する銅と同量の金属
銅を陰極側で電析回収し、上記電解槽の陽極側で発生す
る塩素ガスから次亜塩素酸塩類の水溶液を得ていったん
貯留し、塩化第1銅含有エッチング液の再生のために、
上記次亜塩素酸塩類の水溶液を酸で中和して塩素ガスを
発生させて、発生ガスにより上記エッチング液を酸化す
ることによって、解決される。
【0020】電解槽の陽極側で発生する塩素ガスから次
亜塩素酸塩類の水溶液を得るために、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム
を含有した現像廃液を用いるのが、好適である。また次
亜塩素酸塩類の水溶液を中和するために、エッチング処
理(プリント配線板製造など)に由来した廃酸、例えば
ソフトエッチング液を電解して脱銅した廃硫酸を用いる
のが好都合である。
【0021】本発明の1つの態様としては、エッチング
槽から隔膜電解槽の陰極室へ塩化第1銅含有エッチング
液を供給して、当該陰極室にて銅を、エッチングにより
溶解した銅に相当する量だけ電析回収し、電析により銅
濃度を減じた液を隔膜を介して陽極室へ移し、当該陽極
室にて塩素ガスを発生させ、塩素ガス発生により塩素濃
度を減じた液をエッチング槽に戻しながら、発生塩素ガ
スをアルカリ液で次亜塩素酸塩類の水溶液としていった
ん蓄え、必要に応じて酸で中和して塩素ガスに戻し、当
該塩素ガスにて塩化第1銅含有エッチング液を酸化す
る。
【0022】別の態様としては、エッチング槽から隔膜
電解槽の陰極室へ塩化第1銅含有エッチング液を供給し
て、当該陰極室にて銅を、エッチングにより溶解した銅
に相当する量だけ電析回収し、電析により銅濃度を減じ
た液を隔膜を介して陽極室へ移し、当該陽極室にて塩素
ガスを発生させ、発生塩素ガスの一部を塩化第1銅含有
エッチング液と接触させて当該エッチング液を酸化再生
し、残った塩素ガスをアルカリ液で次亜塩素酸塩類の水
溶液としていったん蓄え、必要に応じて酸で中和して塩
素ガスに戻し、当該塩素ガスにて塩化第1銅含有エッチ
ング液を酸化する。
【0023】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に係る塩化銅エッ
チング液電解再生循環システムの概念的な全体構成を示
す。このシステムにおいて、エッチングマシン12で使
用されるエッチング液をポンプ18により陰極液槽2へ
送り、ここから循環ポンプ9により電解槽の陰極室1へ
連続供給する。当該陰極室1から隔膜を通り陽極室3へ
移った分は陽極液として陽極液槽13を介してポンプ2
0によりエッチングマシン12へ戻す。その際、エッチ
ング液の比重を測定し、所定値(例えば1.28)に達
するごとに断続的な戻しとする。またオーバーフローに
より排出した分は陰極液として陰極液槽2に戻しなが
ら、エッチング処理により溶解した量に相当する分全て
を回収するように連続運転で電解し、陰極板表面で銅を
析出させ、陽極で塩素ガスを発生させる。電解槽の陽極
室3から排出する塩素ガスを気液セパレータ4で分離し
て吸収塔14へ全量送り、アルカリ液と接触して次亜塩
素酸塩の水溶液を得る。これをポンプ17により受槽1
6へ送って蓄え、中和用酸受槽15に蓄えられた酸と塩
素発生器19において反応させて塩素ガスを発生させ、
この発生ガスをエッチング液とエゼクタ21で接触さ
せ、当該エッチング液中に含有する塩化第1銅を酸化す
る。上記アルカリ液としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを含有す
る使用済みの現像液(レジスト剥離液)を用いることが
できる。また中和用酸として、ソフトエッチング液を電
解して脱銅した廃硫酸や、エッチング工程での洗浄排
水、更にはめっき工程で製品を洗浄する際に発生する洗
浄排水を用いることができる。
【0024】陽極液槽13にいったん貯蔵されエッチン
グマシン12に戻される陽極液及び受槽16に貯蔵され
酸と中和されるべき次亜塩素酸塩の水溶液は、エッチン
グマシン12の負荷に応じてエッチング液の希釈、1価
の銅イオンの酸化にそれぞれ用いられるものである。
【0025】以上のような構成のシステムにおいて、全
Cu濃度135g/リットル、全Cl濃度265g/リ
ットルの塩化銅エッチング液約633ミリリットル/mi
n.を電解槽に供給して電解し、全Cu濃度10.2g/
リットル、全Cl濃度122g/リットルの陽極液約6
10ミリリットル/min.を得、これを陽極液槽13に受
けた。電解槽へは電流5000A(定電流)、電圧3.
6Vの直流で通電して5時間電解を行った。電解槽の陰
極室1から銅粉約23.5kgを回収し、陽極室3で発
生した塩素ガスは、約5%の水酸化ナトリウム水溶液
(アルカリ液)約1000リットルに吸収させた。塩素
ガス吸収後のアルカリ液中の塩素成分の濃度は28.7
g/リットルであった。
【0026】中和用酸受槽15には約50%の硫酸が約
90リットル入っており、塩素吸収後のアルカリ液がエ
ッチングマシン12の操業に応じて約100リットルの
容量の次亜塩素酸塩受槽16に回分式に移液された。塩
素発生器19には、1バッチ当たり約25リットルの硫
酸を中和用酸受槽15から受け入れた。エッチングマシ
ン12では、エッチンッグ液中のCu濃度を測定し、
その測定濃度が0.1g/リットルに達したら、硫酸を
満たした塩素発生器19へ、次亜塩素酸塩受槽16から
塩素吸収後のアルカリ液を注入して塩素ガスを発生させ
るようにした。アルカリ液の注入量はエッチング液中の
Cu濃度に応じて変化させ、塩素ガスの発生量の制御
を行った。エッチング液中のCu濃度の代わりに酸化
還元電位(ORP)値を測定して、ガス発生量の制御を
行うようにしてもよい。塩素発生器19で発生した塩素
ガスはエッチング液を駆動液とするエゼクタ21により
負圧を発生させて吸引し、エッチング液と接触させた。
塩素発生器19内の液は、硫酸がアルカリ液により中和
され、そのpHが7に達したら抜き出して工場内の排水
処理設備に送液して他の排水と共に放流する。中和後
の、塩素発生器19から抜き出された液の総量は約10
85リットルで、液中のCl濃度は3.06g/リット
ルであった。
【0027】エッチングマシン12を約3時間操業し
た。その間のエッチング液中のCu濃度は最大約1.
1g/リットルであった。図2に塩化銅エッチング液電
解再生循環システムの第2例の概念的な全体構成を示
す。エッチングマシン12で使用されるエッチング液を
ポンプ10により再生液槽25を介して循環し、この再
生液槽25からエッチング液を抜き出して供給ポンプ8
により陰極液槽2へ送り、ここから循環ポンプ9により
電解槽の陰極室1へ連続供給し、当該陰極室1から隔膜
を通り陽極室3へ移った分は陽極液として再生液槽25
へ、またオーバーフローにより排出した分は陰極液とし
て陰極液槽2へ戻しながら、エッチング処理により溶解
した量に相当する分全てを回収するように連続運転で電
解する。電解により陰極で銅が回収され、陽極では塩素
ガスが発生する。陽極室3から排出する塩素ガスを気液
セパレータ4で分離して、電解槽への供給液とは別に再
生液槽25からエゼクタポンプ11により導出するエッ
チング液とエゼクタ6で接触させ、当該エッチング液中
に含有する塩化第1銅を塩素酸化してエッチング液に吸
収させる。エゼクタ6でエッチング液と接触しながら吸
収されない塩素ガスを、再生液槽25から改めて抜き出
して吸収塔14へ送り、アルカリ液と接触して次亜塩素
酸塩の水溶液を得る。これをポンプ17により受槽16
へ送って蓄え、中和用酸受槽15に蓄えられた酸と塩素
発生器19において反応させて塩素ガスを発生させ、こ
の発生ガスをエッチング液とエゼクタ21で接触させ、
当該エッチング液中に含有する塩化第1銅を酸化する。
【0028】以上のような構成のシステムにおいて、全
Cu濃度130g/リットル、全Cl濃度253g/リ
ットルの塩化銅エッチング液約300リットル/分の液
量でエッチングマシン12と再生液槽25の間を循環さ
せた。電解槽へ供給するエッチング液は、連続的に再生
液槽25から抜き出し、陽極室3を介して再生液槽25
へ戻した。電解槽へ供給し電解したエッチング液の量は
190リットル/5hで、全Cu濃度9.7g/リット
ル、全Cl濃度108g/リットルの陽極液約180リ
ットル/5hを再生液槽25へ戻した。電解槽へは電流
5000A、電圧3.6Vの直流で通電して5時間電解
を行った。電解槽の陰極室1から銅粉約22.9kgを
回収し、陽極室3で発生した塩素ガスは、再生液槽25
において循環するエッチング液を駆動液とする塩素ガス
エゼクタ6により負圧を発生させ吸引させる方法で当該
循環エッチング液に吸収させるとともに、吸収塔14に
て約2.5%の水酸化ナトリウムを原液とする使用済み
現像液約1000リットルに吸収させた。塩素ガス吸収
後のアルカリ液中の塩素成分の濃度は13.5g/リッ
トルであった。
【0029】中和用酸受槽15には約50%の硫酸が約
50リットル入っており、塩素吸収後のアルカリ液がエ
ッチングマシン12の操業に応じて約100リットルの
容量の次亜塩素酸塩受槽16に回分式に移液された。塩
素発生器19には、1バッチ当たり約25リットルの硫
酸を中和用酸受槽15から受け入れた。エッチングマシ
ン12では、エッチンッグ液中のCu濃度を測定し、
その測定濃度が0.5g/リットルに達したら、硫酸を
満たした塩素発生器19へ、次亜塩素酸塩受槽16から
塩素吸収後のアルカリ液を注入して塩素ガスを発生させ
るようにした。アルカリ液の注入量はエッチング液中の
Cu濃度に応じて変化させ、塩素ガスの発生量の制御
を行った。塩素発生器19で発生した塩素ガスはエッチ
ング液を駆動液とするエゼクタ21により負圧を発生さ
せて吸引し、エッチング液と接触させた。塩素発生器1
9内の液は、硫酸がアルカリ液により中和され、そのp
Hが3に達したら抜き出して工場内の排水処理設備に送
液して他の排水と共に放流する。中和後の、塩素発生器
19から抜き出された液の総量は約1050リットル
で、液中のCl濃度は4.49g/リットルであった。
【0030】エッチングマシン12を約2時間20分操
業した。その間のエッチング液中のCu濃度は最大約
0.8g/リットルであった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、装置としての設置容
積、コストの両方とも大きな電解再生装置部分をエッチ
ングマシンから離れた場所(例えば排水処理場)に集約
して設置する一方、小規模で安価な塩素発生装置部分を
エッチングマシンに隣接設置することができるので、隔
膜電解法によるエッチング液再生システムの設置コスト
を下げ、設置場所の制約を減らすことになる。エッチン
グマシンを複数備える工場においては、各ラインに隣接
して塩素発生装置だけを複数設置させることができるの
で、各エッチングマシン毎の液組成管理も可能となり、
エッチング液中のCuイオン濃度を低くでき、エッチ
ングマシンから電解再生装置部分において起こるCu
の空気酸化を抑えることができる。更にエッチングマシ
ンの操業時間に限定して電解装置を運転する必要がない
ため、例えば昼のみエッチングの操業をする工場で、電
解再生については24時間運転が可能となり、設備を小
規模化できるとともに安い深夜電力を使用して電解処理
を行うことができる。
【0032】エッチング槽から抜き出し隔膜電解槽へ送
る塩化第1銅含有エッチング液から、エッチングにより
溶解する銅と同量の金属銅を電析回収する一方で、余剰
塩素ガスの発生を前提に、その安全な取り扱いとして次
亜塩素酸塩を生じさせるので、エッチングによる銅箔の
溶解速度の許容度を高めることができた。つまり、銅箔
の溶解速度に拘らず定電流の電解ができた。また上記電
解槽の陽極側で発生する塩素ガスから次亜塩素酸塩類の
水溶液を得ていったん貯留した後再利用するので、塩素
ガスの発生を抑制したり、発生したガスを別途処理する
ことを配慮する必要がない。
【0033】電解槽の陽極側で発生する塩素ガスから次
亜塩素酸塩類の水溶液を得るために、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム
を含有した現像廃液を用いれば、従来廃棄処理されてい
たこのような廃液の有効利用となる。また次亜塩素酸塩
類の水溶液を中和するために、同一工場内で発生するエ
ッチング処理に由来した廃酸、例えばソフトエッチング
液を電解して脱銅した廃硫酸を用いることも、廃物の有
効利用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塩化銅エッチング液再生システム
の全体的な概念図である。
【図2】本発明に係るエッチング液再生システムの別の
態様の全体的な概念図である。
【図3】従来の塩化銅エッチング液再生システムの全体
的な概念図である。
【符号の説明】
1:電解槽の陰極室、 3:陽極室、 12:エッ
チングマシン、14:吸収塔、 16:次亜塩素酸塩
受槽、 19:塩素発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高山 進 東京都西多摩郡日の出町平井8番地1 日 鉄鉱業株式会社内 (72)発明者 松本 博道 東京都西多摩郡日の出町平井8番地1 日 鉄鉱業株式会社内 Fターム(参考) 4D061 DA08 DB10 DB18 EA02 EA05 EB02 EB04 EB12 4K057 WH05 WH07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化銅系エッチング液をエッチング槽と
    隔膜電解槽の間で送受して、電気分解により上記隔膜電
    解槽の陰極側にて金属銅を析出して回収するとともに陽
    極側で塩素ガスを発生させ、当該塩素ガスを塩化第1銅
    含有エッチング液の再生に利用するエッチング液再生方
    法において、 エッチングにより溶解する銅と同量の金属銅を陰極側で
    析出回収し、 陽極側で発生する塩素ガスから次亜塩素酸塩類の水溶液
    を得ていったん貯留し、 塩化第1銅含有エッチング液の再生のために、上記次亜
    塩素酸塩類の水溶液を酸で中和して塩素ガスを発生させ
    て、発生ガスにより上記エッチング液を酸化することを
    特徴とするエッチング液再生方法。
  2. 【請求項2】 エッチング槽から隔膜電解槽の陰極室へ
    塩化第1銅含有エッチング液を供給して、当該陰極室に
    て銅を、エッチングにより溶解した銅に相当する量だけ
    電析回収し、電析により銅濃度を減じた液を隔膜を介し
    て陽極室へ移し、当該陽極室にて塩素ガスを発生させ、
    塩素ガス発生により塩素濃度を減じた液をエッチング槽
    に戻しながら、発生塩素ガスをアルカリ液で次亜塩素酸
    塩類の水溶液としていったん蓄え、必要に応じて酸で中
    和して塩素ガスに戻し、当該塩素ガスにて塩化第1銅含
    有エッチング液を酸化することを特徴とするエッチング
    液再生方法。
  3. 【請求項3】 エッチング槽から隔膜電解槽の陰極室へ
    塩化第1銅含有エッチング液を供給して、当該陰極室に
    て銅を、エッチングにより溶解した銅に相当する量だけ
    電析回収し、電析により銅濃度を減じた液を隔膜を介し
    て陽極室へ移し、当該陽極室にて塩素ガスを発生させ、
    発生塩素ガスの一部を塩化第1銅含有エッチング液と接
    触させて当該エッチング液を酸化再生し、残った塩素ガ
    スをアルカリ液で次亜塩素酸塩類の水溶液としていった
    ん蓄え、必要に応じて酸で中和して塩素ガスに戻し、当
    該塩素ガスにて塩化第1銅含有エッチング液を酸化する
    ことを特徴とするエッチング液再生方法。
  4. 【請求項4】 次亜塩素酸塩類の水溶液を中和すること
    が可能な十分な量の酸を含む酸性水溶液に、次亜塩素酸
    塩類の水溶液を連続注入し、連続発生する塩素ガスを塩
    化銅系エッチング液に接触させ、当該エッチング液中に
    含有する塩化第1銅成分を酸化し塩化第2銅にするにあ
    たり、エッチング液中の塩化第1銅成分の濃度又は酸化
    還元電位値を測定し、その測定結果に応じて上記連続注
    入する次亜塩素酸塩類の水溶液の流量を制御して、エッ
    チング液中の塩化第1銅濃度又は酸化還元電位値を一定
    範囲に維持することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載のエッチング液再生方法。
  5. 【請求項5】 電解槽の陽極側で発生する塩素ガスから
    次亜塩素酸塩類の水溶液を得るために、水酸化ナトリウ
    ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム
    を含有した使用済み現像液を用いることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか一項に記載のエッチング液再生方
    法。
  6. 【請求項6】 次亜塩素酸塩類の水溶液を中和するため
    に、エッチング処理に由来した廃酸を用いることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のエッチング
    液再生方法。
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