JP2002265836A - インクジェット印写用ホットメルトインク及びそれを用いたインクジェット印写方法 - Google Patents

インクジェット印写用ホットメルトインク及びそれを用いたインクジェット印写方法

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JP2002265836A JP2001388354A JP2001388354A JP2002265836A JP 2002265836 A JP2002265836 A JP 2002265836A JP 2001388354 A JP2001388354 A JP 2001388354A JP 2001388354 A JP2001388354 A JP 2001388354A JP 2002265836 A JP2002265836 A JP 2002265836A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体の前処理工程が不要となる固体タイ
プのインクジェット用ホットメルトインクを使ったイン
クジェット印写方法を提供すること。更には、記録媒体
の風合いを損なわなく耐摩擦性に優れ、また時間の経過
によるインクの物性劣化が少ない固体タイプのインクジ
ェット用ホットメルトインクを使ったインクジェット印
写方法を提供すること。 【解決手段】 ホットメルトインクを用いたインクジェ
ットプリント方法であって、ホットメルトインクが染料
と該染料をインク中に保持する常温で固体の水溶性物質
とからなり、ホットメルトインクを記録媒体にインクジ
ェット方式により付与した後、記録媒体に対し、加熱処
理と洗浄処理を行うインクジェット印写方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットメルトイン
ク及びそれを用いたインクジェット記録方法に関し、更
に詳しくは、記録媒体である布帛やフイルムに印写する
ためのインクジェット印写用ホットメルトインク及びそ
れを用いたインクジェット印写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からインクジェット印写を用いた記
録方式が普及している。この記録方式には染料を水や有
機溶媒等の溶媒に溶かしてなる液体インクを用いて、布
帛等の記録媒体にインク液滴を噴射し画像を記録する方
法がある。しかし、この方法は記録媒体にこれらのイン
クを印写すると滲み現象が現れ鮮明な画像が得られない
問題点があった。
【0003】この点を解決するために、例えば、特開昭
61−138784号公報にあるように、前もって記録
媒体に分散染料を含むインク液を受容するための受容層
を形成させておく方式のインクジェット捺染方法が開示
されている。一方、顔料を常温で固体の物質に含有させ
ておく固体インク(ホットメルトインク)を用いて記録
媒体にインク液滴を噴射し画像を印写する記録する方法
もある。例えば、特開平07−278477号公報にあ
るように、常温で固体で融点以上に加熱すると溶融して
液体化するビヒクル、例えばワックスと、色材とを含む
インクを用いてインクジェット印写する方法がそれであ
り、この方法によってビヒクルのしみ込みや広がり(滲
み)がなく比較的、定着性がよい記録媒体が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の液体タ
イプによるインクジェット印写の場合、風合いや堅牢度
には優れているものの、予め記録媒体にインク受容層を
形成しておく必要があり工程上の負荷が大きい。さら
に、後者の固体タイプのインクジェット印写は、予め記
録媒体にインク受容層を形成させる必要がないという点
では優れているが、顔料或いは油性染料を含むために、
必然的に記録媒体の風合いが硬くなり、また摩擦堅牢度
も低くなる欠点があった。特に、繊維布帛や樹脂フイル
ムの場合、風合いや摩擦堅牢度は品質上の大きな欠陥と
なり、早急な解決が望まれていた。
【0005】本発明は、上記のような技術的問題点を背
景になされたものである。すなわち本発明の目的は、従
来の液体インクを用いたインクジェット印写では必要不
可欠であった記録媒体の前処理工程が不要となる固体タ
イプのインクジェット用ホットメルトインク及びそれを
使ったインクジェット印写方法を提供することである。
更には、記録媒体の風合いを損なわなく耐摩擦性に優
れ、また時間の経過によるインクの物性劣化が少ない固
体タイプのインクジェット用ホットメルトインク及びそ
れを使ったインクジェット印写方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
の結果、常温で固体の水溶性物質を含むホットメルトイ
ンクを用いることにより、上記の問題点が解決すること
を見出し、この知見により本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明は、(1)、染料と該染
料をインク中に保持する常温で固体の物質とからなるホ
ットメルトインクであって、常温で固体の物質が水溶性
物質であるインクジェット印写用ホットメルトインクに
存する。
【0008】そして、(2)、水溶性物質がポリエチレ
ンオキサイド基を有する化合物であるインクジェット印
写用ホットメルトインクに存する。
【0009】そしてまた、(3)、染料が分散染料であ
るインクジェット印写用ホットメルトインクに存する。
【0010】そしてまた、(4)、溶融粘度が1〜10
00cps、溶融時の表面張力が10〜50dyne/
cm、融点が50〜200℃であるインクジェット印写
用ホットメルトインクに存する。
【0011】そしてまた、(5)、ホットメルトインク
を用いたインクジェットプリント方法であって、ホット
メルトインクが染料と該染料をインク中に保持する常温
で固体の水溶性物質とからなり、ホットメルトインクを
記録媒体にインクジェット方式により付与した後、記録
媒体に対し加熱処理と洗浄処理を行うインクジェット印
写方法に存する。
【0012】そしてまた、(6)、記録媒体が布帛であ
るインクジェット印写方法に存する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は常温で固体の水溶性物質
を含むホットメルトインクを用いた記録方式であるた
め、記録媒体に付与した直後にインクが容易に固化し、
記録媒体にインク受容層が無くてもいわゆる「にじみ」
減少が発生せず、前処理工程を必要としない。しかもホ
ットメルトインクは水溶性物質を用いているため、通
常、洗浄すれば記録媒体に残留せず、記録媒体の風合い
を損なうことも無い。
【0014】また、本発明のインクジェット印写方法は
インク付与後加熱処理にて染料を記録媒体に染着させる
ため、印写後の記録媒体は耐摩擦性に優れる。そしてま
た、本発明のホットメルトインクは、染料を常温で固体
の物質中に溶解または分散させることができるため、凝
集、沈降等のインクの物性劣化が少なく安定したインク
ジェット印写が可能となる。
【0015】本発明のホットメルトインクに用いられる
染料としては、直接染料、酸性染料、反応染料、分散染
料、建染染料、硫化染料、ナフトール染料、塩基性染料
など通常の染色に用いられる染料が使用可能である。上
記の染料は記録媒体である繊維布やフィルムの種類によ
って、適宜選択される。記録媒体が2種以上の素材から
なる場合には、前記染料を組み合わせて使用することが
好ましい。本発明のホットメルトインクにおいて、これ
らの染料の内、高温の条件下でも分解しにくい分散染料
が好ましい。
【0016】本発明のホットメルトインクの水溶性物質
は、染料をインク中に保持する水溶性物質であり、常温
(通常、10℃〜45℃)で固体であって熱溶融性の物
質が採用される。ここで、水溶性物質の融点としては5
0〜200℃が好ましく、更に好ましくは50〜100
℃の範囲がよい。インクの融点が50℃より低いと記録
媒体に滲みが生じたり、ベタツキなどのハンドリングに
問題がでる。またインクの融点が200℃を越えると、
ホットメルトインクジェット用ヘッドも熱溶融温度設定
が200℃を越える値となりインクジェット印写装置へ
の負荷が大きくなる。
【0017】水溶性物質の具体的なものとして、脂肪酸
グリセリン類、脂肪酸ソルビタン類、脂肪酸しょ糖エス
テル類、ポリアルキレンオキサイド類、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレングリコール類、脂肪酸ポリエチレングリコール
類、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン類、脂肪酸モ
ノカルボン酸塩類、N−アシルサルコシン塩類、N-アシ
ルグルタミン酸塩類、ジアルキルスルホンこはく酸塩
類、アルカンスルホン酸塩類、アルファオレフィンスル
ホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分
岐型アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩類、ナフタレンスルホン酸−ホルムア
ルデヒド縮合物類、アルキル硫酸塩類、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸塩類、油脂硫酸エステル塩
類、アルキルリン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル
エーテルリン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテルリン酸塩類、ポリエチレンイミン類、ポリ
ビニルピロリドン類、ポリビニルメチルエーテル類、カ
ルボキシビニルポリマー類、ポリアクリル酸ナトリウム
類、ポリビニルアルコール類あるいはこれらの誘導体等
が挙げられる。
【0018】そして、上記の水溶性物質のうち、染料溶
解力のあるポリエチレンオキサイド基を有する水溶性物
質がより好ましい。水溶性物質の染料溶解力は、具体的
には、水溶性物質100gに対し、染料を1g以上溶解
できることが好ましい。つまり、使用する染料によって
好ましい水溶性物質は選択される。水溶性物質のイオン
性としては、ノニオン又はアニオンのいずれも使用する
ことができる。また本発明のホットメルトインクを製造
する方法としては、例えば、上記の水溶性物質を加熱し
て溶解し、必要に応じて粉砕した染料と混合して溶解液
ないし分散液を調製した後、加熱濾過装置などを用いて
濾過を行い、成型用の型に流し込んで常温まで冷却して
固化する方法がある。
【0019】ホットメルトインクには、必要に応じて界
面活性剤、熱安定剤、酸化防止剤、防腐剤、pH調整
剤、消泡剤、浸透剤、耐光向上剤等の添加物を加えるこ
とも当然可能である。通常、この添加剤の含有量は、イ
ンク作成時の相溶性(中には水不溶性の材料もあるため
水溶性固体に溶解・分散しずらいものもあるため)の観
点から、0.1重量%〜10重量%程度が採用されるこ
とが好ましい。
【0020】本発明のホットメルトインクの特性として
は、溶融粘度が1〜1000cps、溶融時の表面張力
が10〜50dyne/cm、インクの融点が50〜2
00℃、好ましくは50〜100℃のものが好ましい。
溶融粘度が上記の範囲であると、微小インク滴を安定に
吐出する事が可能であり、溶融時の表面張力が上記の範
囲であると、ドット割れのない真球状のインク滴を吐出
する事が可能となる。また、インクの融点が上記の範囲
であると、インクジェット印刷装置への負荷が小さくな
る。
【0021】本発明のホットメルトインクを溶融しイン
ク滴を噴射させるためのインクジェット印写装置として
は、特に限定されないが、通常のインクジェットプリン
タに装備されたヘッドに加熱装置を付加したものや市販
のホットメルト型インクジェット記録装置であればよ
い。
【0022】ホットメルトインクは、常温では固体なの
で、ノズルから噴射するためには加熱して液体化するこ
とが必要であり、その加熱使用温度としては50〜20
0℃程度が好ましい。インクジェット噴射によりインク
を付与された記録媒体は加熱処理することにより発色が
行われる。発色のための条件としては、例えば、加熱処
理温度が100〜200℃、時間が0.5〜30分程度
が採用される。また加熱処理としては、例えば、乾熱処
理、湿熱処理などが採用され、当然、対象となる繊維に
より適宜の加熱方式が設定される。加熱処理により発色
した記録媒体は、洗浄処理が行われる。洗浄処理は、記
録媒体(樹脂フィルム、繊維布帛等)に合わせて通常の
染色加工における洗浄が行われる。
【0023】さて、本発明に用いられる記録媒体である
樹脂フイルムや繊維布帛としては、染料を吸着し発色で
きるものであれば、特に限定されない。例えば、ポリエ
ステル、アセテート、ナイロン、アクリル、ビニロン、
ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、
セロハン、セルロイド、綿、レーヨン、ウール、シルク
等が挙げられる。なかでも、染着座席が多い、インク保
持力が大きいといった観点から表面積が大きい繊維組織
(立体構造)を保有している編物・織物・不織布などの
繊維布帛が、樹脂フィルムなどの平滑構造体よりも好ま
しく、その中でも分散染料で染着可能な繊維布帛が特に
好ましい。分散染料で染着可能な繊維布帛の素材として
は、例えば、ポリエステル、アセテート、ナイロン、ア
クリル、ビニロン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
【0024】本発明のインクジェット印写方法では前処
理をしなくても滲み等の現象は発生しないが、必要に応
じて適宜前処理することも、当然、可能である。以下、
本発明について実施例を挙げて説明する。なお、本発明
は、必ずしもその実施例に限定されるものではない。
【0025】
【実施例】
【実施例1】水溶性物質としてポリエチレングリコール
#1000(ポリアルキレンオキサイド類)を97重量
部及び染料として分散染料(C.I.DISPERSE
RED 86)を3重量部準備した。そして、それら
を150℃の温度で均質な溶融混合物が得られるまで加
熱混練し、続いて加熱濾過を行い、不純物を除去し、室
温で放冷して均質なレッドホットメルトインクを得た。
【0026】このインクをホットメルトインク対応イン
クジェットプリンタに充填し、下記の条件によって、前
もって準備したポリエステル立毛布帛に対してインクジ
ェット印写を行った。次いで上記の立毛布帛を加熱処理
(湿熱175℃×15分間)を行って固着発色させ、そ
の後洗浄を行った。なお、インクジェット印写に際し、
インク温度は130℃であり、印写条件は下記の通りと
した。
【0027】〔記録媒体〕 ポリエステル立毛布帛 パイル糸が180dのポリエステルスパン糸、地糸が1
00dのポリエステルフィラメント糸からなるダブルラ
ッセル地に、通常の工程によるブラッシング、シャーリ
ング、及びヒートセットを行い立毛布帛を得た。 〔印写条件〕 イ)ノズル径 : 70(μm) ロ)印加電圧 : 50(V) ハ)パルス幅 : 20(μs) ニ)駆動周波数: 1(kHz) ホ)解像度 : 360(dpi)
【0028】上記の方法によって得られた画像は印写直
後及び発色洗浄後においても滲みがなく良好であった。
また耐摩擦性をJIS−L0849の試験方法で摩擦試
験機II型(学振型)を使用し測定した結果、4級と良
好であった。さらに、洗浄乾燥後の風合いも良好であっ
た。
【0029】
【実施例2】水溶性物質としてソルビタンステアレート
(脂肪酸ソルビタン類)を95重量部、染料として分散
染料(C.I.DISPERSE RED 86)を3
重量部、界面活性剤としてポリオキシエチレン(EO1
5モル)ノニルフェニルエーテル(ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類)を2重量部準備した。そ
して、それらを150℃の温度で溶融混合、その後溶融
混合物を加熱型3本ロールミルを使用し80℃加熱条件
下で3回パスすることにより分散させ続いて加熱濾過を
行い、不純物を除去し、室温で放冷して均質なレッドホ
ットメルトインクを得た。
【0030】このインクを実施例1と同様にポリエステ
ル立毛布帛に対して印写、加熱処理による固着発色、最
後に洗浄を行った。上記の方法によって得られた画像
は、印写直後及び発色洗浄後においても滲みがなく良好
であった。また耐摩擦性をJIS−L0849の試験方
法で摩擦試験機II型(学振型)を使用し測定した結果、
4級と良好であった。さらに、洗浄乾燥後の風合いも良
好であった。
【0031】
【実施例3】立毛布帛の代わりに、通常の糊抜き精練し
たポリエステル100%平織物布帛(経糸、緯糸ともに
150d)を用いた以外、実施例1と同じインクを使用
し、同じ条件下において印写を行った。上記の方法によ
って得られた画像は、印写直後及び発色洗浄後において
も滲みがなく良好であった。また耐摩擦性をJIS−L
0849の試験方法で摩擦試験機II型(学振型)を使用
し測定した結果、3−4級と良好であった。さらに、洗
浄乾燥後の風合いも良好であった。
【0032】
【実施例4】水溶性物質としてポリオキシエチレン(E
O20モル)セチルエーテル(ポリオキシエチレンアル
キルエーテル類)を97重量部及び染料として分散染料
(C.I.DISPERSE BLUE 77)を3重
量部準備し、実施例1と同様な手順で均質なブルーホッ
トメルトインクを得た。このインクを用い実施例1と同
様のホットメルトインク対応のインクジェットプリンタ
に充填し、インク温度130℃の条件下において上記の
インクをポリエステル立毛布帛に対して印写を行った。
上記の方法によって得られた画像は、印写直後及び発色
洗浄後においても滲みがなく良好であった。また耐摩擦
性をJIS−L0849の試験方法で摩擦試験機II型
(学振型)を使用し測定した結果、4級と良好であっ
た。さらに、洗浄乾燥後の風合いも良好であった。
【0033】
【実施例5】水溶性物質としてポリエチレングリコール
#1000(ポリアルキレンオキサイド類)を97重量
部及び染料として酸性染料(C.I.ACID RED
249)を3重量部準備した。そして、それらを15
0℃の温度で均質な溶融混合物が得られるまで加熱混練
し、続いて加熱濾過を行い、不純物を除去し、室温で放
冷して均質なレッドホットメルトインクを得た。
【0034】このインクを実施例1と同様なプリンタを
使用し、通常の糊抜き精練したナイロン100%平織物
布帛(経糸、緯糸ともに150d)に対して印写を行っ
た。なお、インク温度は130℃であり、印写条件は実
施例1の通りとした。次いで上記の平織物を加熱処理
(湿熱105℃×15分間)による固着発色、最後に洗
浄を行った。上記の方法によって得られた画像はプリン
ト直後及び発色洗浄後においても滲みがなく良好であっ
た。また耐摩擦性をJIS−L0849の試験方法で摩
擦試験機II型(学振型)を使用し測定した結果、5級と
良好であった。さらに、洗浄乾燥後の風合いも良好であ
った。
【0035】
【実施例6】厚さ50μのポリエステルフイルムを用い
る以外、実施例1と同じインクを使用し、同じ条件下に
おいて印写を行った。次いで加熱処理(乾熱200℃×
1分間)による固着発色、最後に洗浄を行った。上記の
方法によって得られた画像はプリント直後及び発色洗浄
後においても滲みがなく良好であった。また耐摩擦性を
JIS−L0849の試験方法で摩擦試験機II型(学
振型)を使用し測定した結果、5級と良好であった。さ
らに、洗浄乾燥後の手触りも良好であった。
【0036】
【比較例1】(インク受容層を形成する液体タイプによ
るインクジェット捺染の場合に相当)下記の処方にて調
整した前処理液を、実施例1で使用した布帛と同様な布
帛にマングルパッド法で付与し、100℃で熱風乾燥し
インク受容層を形成した。
【0037】 前処理処方 ファインガムSP−1〔第一工業製薬(株)製〕 2重量部 (カルボキシメチルセルロース) リアクタントMS 〔還元防止剤〕 1重量部 水 97重量部 次に、下記の通り水性分散染料インクを調整し、前記前
処理したポリエステル立毛布帛に対してオンデマンド方
式シリアル走査型インクジェット印刷装置にて下記の印
写条件で印写を行った。次いで上記の立毛布帛を実施例
1と同様に加熱処理(湿熱175℃×15分間)を行っ
て固着発色させ、その後洗浄を行った。
【0038】 インク処方 分散染料(C.I.DISPERSE RED 86) 3 重量部 リグニンスルホン酸塩(アニオン界面活性剤) 4 重量部 信越シリコーンKM−70(消泡剤) 0.05重量部 エチレングリコール 10 重量部 ケイ酸 0.1 重量部 イオン交換水 80 重量部
【0039】印写条件 ノズル径:50μm 駆動電圧:100V 周波数:5000Hz 解像度:360dpi 得られた画像は、滲みのない良好な画像が得られ、耐摩
擦性は4級と良好であった。また、洗浄乾燥後の風合い
も良好であった。しかしながら、布帛の前処理工程(イ
ンク受容層形成)を必要としたため、処理加工工数が余
分に加わり加工時間が長く、しかも本発明に比べてコス
ト高となる。
【0040】
【比較例2】(顔料を常温で固体の水不溶性物質に含有
させておく固体インクによるインクジェット捺染の場合
に相当)水不溶性物質としてHi−Mic−1070
(ワックス、日本精蝋(株))を100重量部採取し、
130℃で溶融させ、これに顔料としてHOSTAPE
RM PINK E−02(クラリアント(株))1重
量部、及びLANOX FP−1410N(分散剤、日
本精化(株))0.3重量部を加え、加熱対応型分散機
を用い分散後、続いて加熱濾過を行い不純物を除去し、
室温で放冷して均質なマゼンタ色ホットメルトインクを
作成した。このワックスと顔料からなるホットメルトイ
ンクを実施例1と同じホットメルトインク対応のインク
ジェットプリンタに充填し、インク温度130℃の条件
下において上記のインクを実施例1と同じポリエステル
立毛布帛に対して印写を行った。
【0041】得られた画像は、滲みのない良好な画像が
得られたが、耐摩擦性においては1級を示し、耐摩擦試
験後の画像においては明らかにインクの剥離現象が確認
された。また、風合いが堅く、布帛の持つ柔軟性が損な
われていた。以上の他に、時間の経過によるインクの物
性劣化を見るために、物性劣化実験を行った。物性劣化
実験においては、インク10mlを入れた試験管を室温
にて一定期間(10日、20日、30日)放置して、沈
殿物を観察した。実施例1、2、4、5及び比較例1、
2の結果を表1に示す。
【0042】
【発明の効果】本発明のホットメルトインク及びそれを
用いたインクインクジェット印写方法は、染料及び常温
で固体の水溶性物質を用いているため、加熱処理により
記録媒体に染料を固着させることができ、しかも水溶性
物質を洗浄により容易に除去できる。そのため、前処理
不要というホットメルトインクによる長所を維持したま
ま、風合いが良くしかも摩擦堅牢度の高い記録媒体を得
ることができる。本発明は、繊維布帛のみならず樹脂フ
イルムなどにも適用可能であり、特に耐摩擦性が重要視
される衣料用やカーシート等の産業資材用の布帛に対し
て、非常に有効なホットメルトインク及びインクジェッ
ト印写方法である。
【0043】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 窪田 治和 福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレ ン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA05 FB01 FB03 FC02 FD02 HA44 2H086 BA05 BA22 BA56 BA59 BA60 BA61 4J039 AD06 AD09 AD22 AE01 AE06 AE07 AE10 AE12 BE02 CA09 EA36 EA46 EA47 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料と該染料をインク中に保持する常温
    で固体の物質とからなるホットメルトインクであって、
    常温で固体の物質が水溶性物質であることを特徴とする
    インクジェット印写用ホットメルトインク。
  2. 【請求項2】 水溶性物質がポリエチレンオキサイド基
    を有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の
    インクジェット印写用ホットメルトインク。
  3. 【請求項3】 染料が分散染料であることを特徴とする
    請求項1〜2記載のインクジェット印写用ホットメルト
    インク。
  4. 【請求項4】 溶融粘度が1〜1000cps、溶融時
    の表面張力が10〜50dyne/cm、融点が50〜
    200℃であることを特徴とする請求項1〜3記載のイ
    ンクジェット印写用ホットメルトインク。
  5. 【請求項5】 ホットメルトインクを用いたインクジェ
    ットプリント方法であって、ホットメルトインクが染料
    と該染料をインク中に保持する常温で固体の水溶性物質
    とからなり、ホットメルトインクを記録媒体にインクジ
    ェット方式により付与した後、記録媒体に対し加熱処理
    と洗浄処理を行うことを特徴とするインクジェット印写
    方法。
  6. 【請求項6】 記録媒体が布帛であることを特徴とする
    請求項5記載のインクジェット印写方法。
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JP2010505967A (ja) * 2006-05-15 2010-02-25 サン・ケミカル・コーポレーション 可食性インクの改良または可食性インクに関連した改良

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