JP2002265419A - 包接性化合物 - Google Patents

包接性化合物

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JP2002265419A
JP2002265419A JP2001071283A JP2001071283A JP2002265419A JP 2002265419 A JP2002265419 A JP 2002265419A JP 2001071283 A JP2001071283 A JP 2001071283A JP 2001071283 A JP2001071283 A JP 2001071283A JP 2002265419 A JP2002265419 A JP 2002265419A
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JP
Japan
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group
substituent
methyl
tetradecaene
ethyl
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JP2001071283A
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English (en)
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Hisao Nemoto
尚夫 根本
Masayuki Shibuya
雅之 渋谷
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 包接性を有する新規なテトラデカエン誘導体
を提供する。 【解決手段】 一般式I (R10、R11は独立にH、アルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルキルカ
ルボニル基、アルケニルカルボニル基、アルキニルカル
ボニル基、アリールカルボニル基またはアラルキルカル
ボニル基であり、これらいずれの基も置換基を有しても
よい。)の包接性を有するテトラデカエン誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テトラデカエン誘
導体に関する。本発明により提供されるテトラデカエン
誘導体は、特定の化合物を包接する特徴を有し、特定の
化合物の分離精製に有用である。
【0002】
【従来の技術】包接性を有する化合物とは、特定の金属
原子や分子を分子構造に選択的に取り込む化合物を指
し、従来、シクロデキストリンや環状ポリエーテルなど
が知られている[第4版実験化学講座27生物有機化
学、2頁(1991年)参照]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のシクロデキスト
リンや環状ポリエーテルは、環状構造の中心に化合物や
金属原子を包接する。一方、本明細書記載の誘導体のよ
うに環構造から延びるフェナントレン構造を構成する腕
部分に他の分子を包接する化合物として、1,10−ビ
ス(2−フェナントリル)−オクタデカヒドロナフタセ
ンが知られており、1−シアノ−3,5−ジニトロベン
ゼンを包接することが報告されている[オルガニック・
レターズ(Organic Letters)、2巻、1015頁(20
00年)参照]。
【0004】しかし、本明細書記載のオクタデカヒドロ
ナフタセン環に酸素原子を介して置換基が導入された化
合物は、これまで知られておらず、また当該化合物には
1,10−ビス(2−フェナントリル)−オクタデカヒ
ドロナフタセンに包接される化合物とは異なる化合物が
包接されることを新規に見出した。
【0005】しかして、本発明の目的は、新たな包接性
を有する化合物およびその包接性を利用した用途を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、一般式(I)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R10、R11はそれぞれ独立に水素
原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を
有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
よいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール
基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を
有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有し
ていてもよいアルケニルカルボニル基、置換基を有して
いてもよいアルキニルカルボニル基、置換基を有してい
てもよいアリールカルボニル基、置換基を有していても
よいアラルキルカルボニル基を表す。)で示されるテト
ラデカエン誘導体(以下、テトラデカエン誘導体(I)
と略称する)またはその塩、好ましくは一般式(I−
1)
【0009】
【化4】
【0010】[式中、R1、R2はそれぞれ独立に水酸
基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有
していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよ
いアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール
基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を
有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していても
よいアルケニルオキシ基、置換基を有していてもよいア
ルキニルオキシ基、置換基を有していてもよいアリール
オキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ
基、−NR34(式中、R3、R4はそれぞれ独立に水素
原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を
有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
よいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール
基、置換基を有していてもよいアラルキル基を表すか、
または一緒になって置換基を有していてもよいアルキレ
ン基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、アラルキル基およびアルキレン基を構
成する炭素原子は一つ以上の窒素原子、硫黄原子、リン
原子、ケイ素原子に置換されていてもよい。)を表し、
m、nはそれぞれ独立に1〜6の整数を表す。]で示さ
れるテトラデカエン誘導体またはその塩、さらに該テト
ラデカエン誘導体(I)またはその塩と、該テトラデカ
エン誘導体(I)に包接された分子とからなる包接化合
物およびその形成方法を提供することにより達成され
る。
【0011】
【発明の実施の形態】上記一般式中、R1、R2、R10
11が表すことのある「置換基を有していてもよいアル
キル基」としては、アルキル基であればどのようなアル
キル基でもよいが、好ましくは炭素数1〜20個の直鎖
状または分枝鎖状のアルキル基が挙げられ、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、1−メチルプロピル基、1−エチルエチル
基、2−メチルプロピル基、n−ペンチル基、1−メチ
ルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジ
メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−
エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチ
ル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、
4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチ
ルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメ
チルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジ
メチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−
ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル
基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−
1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピ
ル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メ
チルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘ
キシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペ
ンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメ
チルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,2
−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、
2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチ
ル基、3,4−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチル
ペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチ
ル基、3−エチルペンチル基、1,1,2−トリメチル
ブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、1,2,
2−トリメチルブチル基、1,2,3−トリメチルブチ
ル基、1,3,3−トリメチルブチル基、2,2,3−
トリメチルブチル基、2,3,3−トリメチルブチル
基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2
−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、
2−エチル−2−メチルブチル基、2−エチル−3−メ
チルブチル基、1−n−プロピルブチル基、1−(1−
メチルエチル)ブチル基、1,1,2,2−テトラメチ
ルプロピル基、1−エチル−1,2−ジメチルプロピル
基、1−エチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−
(1−メチルエチル)−1−メチルプロピル基、1−
(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル基、n−オ
クチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル
基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5
−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1,1−
ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、
1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシ
ル基、1,5−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチル
ヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、2,4−ジ
メチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3,
3−ジメチルヘキシル基、3,4−ジメチルヘキシル
基、3,5−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘ
キシル基、4,5−ジメチルヘキシル基、5,5−ジメ
チルヘキシル基、1,1,2−トリメチルペンチル基、
1,1,3−トリメチルペンチル基、1,1,4−トリ
メチルペンチル基、1,2,2−トリメチルペンチル
基、1,2,3−トリメチルペンチル基、1,2,4−
トリメチルペンチル基、2,2,3−トリメチルペンチ
ル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、3,3,4
−トリメチルペンチル基、1−エチル−1−メチルペン
チル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1−エチ
ル−3−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペ
ンチル基、1−メチル−2−エチルペンチル基、1−メ
チル−3−エチルペンチル基、1−(n−プロピル)ペ
ンチル基、2−(n−プロピル)ペンチル基、1−(1
−メチルエチル)ペンチル基、2−(1−メチルエチ
ル)ペンチル基、3−(1−メチルエチル)ペンチル
基、1,1,2,2−テトラメチルブチル基、1,1,
2,3−テトラメチルブチル基、1,1,3,3−テト
ラメチルブチル基、1,2,2,3−テトラメチルブチ
ル基、1,2,3,3−テトラメチルブチル基、2,
2,3,3−テトラメチルブチル基、1−エチル−1,
2−ジメチルブチル基、1−エチル−1,3−ジメチル
ブチル基、1−エチル−2,3−ジメチルブチル基、1
−エチル−3,3−ジメチルブチル基、1−メチル−1
−(n−プロピル)ブチル基、2−メチル−1−(n−
プロピル)ブチル基、3−メチル−1−(n−プロピ
ル)ブチル基、1−メチル−1−(1−メチルエチル)
ブチル基、2−メチル−1−(1−メチルエチル)ブチ
ル基、3−メチル−1−(1−メチルエチル)ブチル
基、1−(1,1−ジメチルエチル)ブチル基、2−
(1,1−ジメチルエチル)ブチル基、1,2−ジメチ
ル−1−(1−メチルエチル)プロピル基、2,2−ジ
メチル−1−(1−メチルエチル)プロピル基、1−エ
チル−1,2,2−トリメチルプロピル基などが挙げら
れる。なかでも、炭素数1〜8個の直鎖状または分枝鎖
状のアルキル基が好ましい。
【0012】R1、R2、R10、R11が表すことのある
「置換基を有していてもよいアルケニル基」としては、
アルケニル基であればどのようなアルケニル基でもよい
が、好ましくは炭素数2〜20個の直鎖状または分枝鎖
状のアルケニル基が挙げられ、例えばビニル基、1−プ
ロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−ビニ
ル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル
基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−
プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メ
チル−2−プロペニル基、1−メチリデン−1−プロパ
ン基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペン
テニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−1−ブテニ
ル基、1−メチル−2−ブテニル基、1−メチル−3−
ブテニル基、1−メチリデンブチル基、2−メチル−1
−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチ
ル−3−ブテニル基、2−メチリデンブチル基、3−メ
チル−1−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、
3−メチル−3−ブテニル基、1−エチル−1−プロペ
ニル基、1−エチル−2−プロペニル基、1−ヘキセニ
ル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキ
セニル基、5−ヘキセニル基、1−メチル−1−ペンテ
ニル基、1−メチル−2−ペンテニル基、1−メチル−
3−ペンテニル基、1−メチル−4−ペンテニル基、1
−メチリデンペンチル基、2−メチル−1−ペンテニル
基、2−メチル−2−ペンテニル基、2−メチル−3−
ペンテニル基、2−メチル−4−ペンテニル基、2−メ
チリデンペンチル基、3−メチル−1−ペンテニル基、
3−メチル−2−ペンテニル基、3−メチル−3−ペン
テニル基、3−メチル−4−ペンテニル基、3−メチリ
デンペンチル基、4−メチル−1−ペンテニル基、4−
メチル−2−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニ
ル基、4−メチル−4−ペンテニル基、1−エチル−1
−ブテニル基、1−エチル−2−ブテニル基、1−エチ
ル−3−ブテニル基、2−エチル−1−ブテニル基、2
−エチル−2−ブテニル基、2−エチル−3−ブテニル
基、1−(1−メチルエチル)−1−プロペニル基、1
−(1−メチルエチル)−2−プロペニル基、1−エチ
ル−2−メチル−1−プロペニル基、1−エチル−2−
メチル−2−プロペニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘ
プテニル基、3−ヘプテニル基、4−ヘプテニル基、5
−ヘプテニル基、7−ヘプテニル基、1−メチル−1−
ヘキセニル基、1−メチル−2−ヘキセニル基、1−メ
チル−3−ヘキセニル基、1−メチル−4−ヘキセニル
基、1−メチル−5−ヘキセニル基、1−メチリデンヘ
キシル基、2−メチル−1−ヘキセニル基、2−メチル
−2−ヘキセニル基、2−メチル−3−ヘキセニル基、
2−メチル−4−ヘキセニル基、2−メチル−5−ヘキ
セニル基、2−メチリデンヘキシル基、3−メチル−1
−ヘキセニル基、3−メチル−2−ヘキセニル基、3−
メチル−3−ヘキセニル基、3−メチル−4−ヘキセニ
ル基、3−メチル−5−ヘキセニル基、3−メチリデン
ヘキシル基、4−メチル−1−ヘキセニル基、4−メチ
ル−2−ヘキセニル基、4−メチル−3−ヘキセニル
基、4−メチル−4−ヘキセニル基、4−メチル−5−
ヘキセニル基、4−メチリデンヘキシル基、5−メチル
−1−ヘキセニル基、5−メチル−2−ヘキセニル基、
5−メチル−3−ヘキセニル基、5−メチル−4−ヘキ
セニル基、5−メチル−5−ヘキセニル基、1−エチル
−1−ペンテニル基、1−エチル−2−ペンテニル基、
1−エチル−3−ペンテニル基、1−エチル−4−ペン
テニル基、2−エチル−1−ペンテニル基、2−エチル
−2−ペンテニル基、2−エチル−3−ペンテニル基、
2−エチル−4−ペンテニル基、3−エチル−1−ペン
テニル基、3−エチル−2−ペンテニル基、3−エチル
−3−ペンテニル基、3−エチル−4−ペンテニル基、
1,1−ジメチル−2−ペンテニル基、1,1−ジメチ
ル−3−ペンテニル基、1,1−ジメチル−4−ペンテ
ニル基、2,2−ジメチル−3−ペンテニル基、2,2
−ジメチル−4−ペンテニル基、3,3−ジメチル−1
−ペンテニル基、3,3−ジメチル−4−ペンテニル
基、4,4−ジメチル−1−ペンテニル基、4,4−ジ
メチル−2−ペンテニル基、1,2−ジメチル−1−ペ
ンテニル基、1,2−ジメチル−2−ペンテニル基、
1,2−ジメチル−3−ペンテニル基、1,2−ジメチ
ル−4−ペンテニル基、1−メチリデン−2−メチルペ
ンチル基、2−メチリデン−1−メチルペンチル基、
1,3−ジメチル−1−ペンテニル基、1,3−ジメチ
ル−2−ペンテニル基、1,3−ジメチル−3−ペンテ
ニル基、1,3−ジメチル−4−ペンテニル基、1−メ
チリデン−3−メチルペンチル基、3−メチリデン−1
−メチルペンチル基、1,4−ジメチル−1−ペンテニ
ル基、1,4−ジメチル−2−ペンテニル基、1,4−
ジメチル−3−ペンテニル基、1,4−ジメチル−4−
ペンテニル基、1−メチリデン−4−メチルペンチル
基、1,1,2−トリメチル−2−ブテニル基、1,
1,2−トリメチル−3−ブテニル基、1,1−ジメチ
ル−2−メチリデンブチル基、1,1,3−トリメチル
−2−ブテニル基、1,1,3−トリメチル−3−ブテ
ニル基、1,2,2−トリメチル−3−ブテニル基、
2,2−ジメチル−1−メチリデンブチル基、1,2,
3−トリメチル−1−ブテニル基、1,2,3−トリメ
チル−2−ブテニル基、1,2,3−トリメチル−3−
ブテニル基、2,3−ジメチル−1−メチリデンブチル
基、1,3−ジメチル−2−メチリデンブチル基、2,
2,3−トリメチル−3−ブテニル基、2,3,3−ト
リメチル−1−ブテニル基、3,3−ジメチル−2−メ
チリデンブチル基、1−エチル−1−メチル−2−ブテ
ニル基、1−エチル−1−メチル−3−ブテニル基、1
−メチル−1−プロピル−2−プロペニル基、1−エチ
ル−2−メチル−1−ブテニル基、1−エチル−2−メ
チル−2−ブテニル基、1−エチル−2−メチル−3−
ブテニル基、1−(1−メチルプロピル)−2−プロペ
ニル基、1−エチリデン−2−メチルブチル基、1−エ
チル−3−メチル−1−ブテニル基、1−エチル−3−
メチル−2−ブテニル基、1−エチル−3−メチル−3
−ブテニル基、1−(2−メチルプロピル)−2−プロ
ペニル基、1−エチリデン−3−メチルブチル基、1−
メチル−2−エチル−1−ブテニル基、1−メチル−2
−エチル−2−ブテニル基、1−メチル−2−エチル−
3−ブテニル基、2−メチル−2−エチル−3−ブテニ
ル基、1−(1−メチルエチル)−1−ブテニル基、1
−(1−メチルエチル)−2−ブテニル基、1−(1−
メチルエチル)−3−ブテニル基、2−メチル−1−プ
ロピル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロピル
−2−プロペニル基、2−(1−メチルエチル)−1−
ブテニル基、2−(1−メチルエチル)−2−ブテニル
基、2−(1−メチルエチル)−3−ブテニル基、2−
エチル−3−メチル−2−ブテニル基、2−エチル−3
−メチル−3−ブテニル基、2−オクテニル基などが挙
げられる。なかでも、炭素数2〜8個の直鎖状または分
枝鎖状のアルケニル基が好ましい。
【0013】R1、R2、R10、R11が表すことのある
「置換基を有していてもよいアルキニル基」としては、
アルキニル基であればどのようなアルキニル基でもよい
が、好ましくは炭素数2〜20個の直鎖状または分枝鎖
状のアルキニル基が挙げられ、例えばエチニル基、1−
プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2
−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2
−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル
基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ヘキシニル基、
2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル
基、5−ヘキシニル基、3−メチル−1−ペンチニル
基、4−メチル−1−ペンチニル基、3,3−ジメチル
−1−ブチニル基、4−メチル−2−ペンチニル基、2
−メチル−3−ペンチニル基、1,1−ジメチル−3−
ブチニル基、1,2−ジメチル−3−ブチニル基、2,
2−ジメチル−3−ブチニル基、2−エチル−3−ブチ
ニル基、2−オクチニル基などが挙げられる。なかで
も、炭素数2〜8個の直鎖状または分枝鎖状のアルキニ
ル基が好ましい。
【0014】R1、R2、R10、R11が表すことのある
「置換基を有していてもよいアリール基」としては、ア
リール基であればどのようなアリール基でもよいが、好
ましくは炭素数6〜20個のアリール基が挙げられ、例
えばフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフ
ェニル基、p−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフ
ェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメ
チルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4
−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、
o−エチルフェニル基、m−エチルフェニル基、p−エ
チルフェニル基、ナフチル基(1−ナフチル基、2−ナ
フチル基)、2−メチルナフチル基、3−メチルナフチ
ル基、4−メチルナフチル基、5−メチルナフチル基、
6−メチルナフチル基、7−メチルナフチル基、8−メ
チルナフチル基、2−エチルナフチル基などが挙げられ
る。なかでも、炭素数6〜12個のアリール基が好まし
い。
【0015】R1、R2、R10、R11が表すことのある
「置換基を有していてもよいアラルキル基」としては、
アラルキル基であればどのようなアラルキル基でもよい
が、好ましくは炭素数1〜6個のアルキル部分と炭素数
6〜10個のアリール部分からなるアラルキル基が挙げ
られ、例えばベンジル基、o−メチルベンジル基、m−
メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、o−エチル
ベンジル基、m−エチルベンジル基、p−エチルベンジ
ル基、ナフチルメチル基(ナフチル−1−メチル基、ナ
フチル−2−メチル基)、ナフチルエチル基(ナフチル
−1−エチル基、ナフチル−2−エチル基)などが挙げ
られる。
【0016】R10、R11が表すことのある「置換基を有
していてもよいアルキルカルボニル基」としては、例え
ば上記R1、R2、R10、R11が表すことのある「置換基
を有していてもよいアルキル基」にカルボニル基が結合
した基を挙げることができる。なかでも、炭素数1〜8
個の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基にカルボニル基
が結合した基が好ましい。
【0017】R10、R11が表すことのある「置換基を有
していてもよいアルケニルカルボニル基」としては、例
えば上記R1、R2、R10、R11が表すことのある「置換
基を有していてもよいアルケニル基」にカルボニル基が
結合した基を挙げることができる。なかでも、炭素数2
〜8個の直鎖状または分枝鎖状のアルケニル基にカルボ
ニル基が結合した基が好ましい。
【0018】R10、R11が表すことのある「置換基を有
していてもよいアルキニルカルボニル基」としては、例
えば上記R1、R2、R10、R11が表すことのある「置換
基を有していてもよいアルキニル基」にカルボニル基が
結合した基を挙げることができる。なかでも、炭素数2
〜8個の直鎖状または分枝鎖状のアルキニル基にカルボ
ニル基が結合した基が好ましい。
【0019】R10、R11が表すことのある「置換基を有
していてもよいアリールカルボニル基」としては、例え
ば上記R1、R2、R10、R11が表すことのある「置換基
を有していてもよいアリール基」にカルボニル基が結合
した基を挙げることができる。なかでも、炭素数6〜1
2個のアリール基にカルボニル基が結合した基が好まし
い。
【0020】R10、R11が表すことのある「置換基を有
していてもよいアラルキルカルボニル基」としては、例
えば上記R1、R2、R10、R11が表すことのある「置換
基を有していてもよいアラルキル基」にカルボニル基が
結合した基を挙げることができる。
【0021】R1、R2が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアルコキシ基」としては、例えば上記
1、R2、R10、R11が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアルキル基」にオキシ基が結合した基を挙
げることができる。なかでも、炭素数1〜8個の直鎖状
または分枝鎖状のアルコキシ基が好ましい。
【0022】R1、R2が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアルケニルオキシ基」としては、例えば上
記R1、R2、R10、R11が表すことのある「置換基を有
していてもよいアルケニル基」にオキシ基が結合した基
を挙げることができる。なかでも、炭素数2〜8個の直
鎖状または分枝鎖状のアルケニルオキシ基が好ましい。
【0023】R1、R2が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアルキニルオキシ基」としては、例えば上
記R1、R2、R10、R11が表すことのある「置換基を有
していてもよいアルキニル基」にオキシ基が結合した基
を挙げることができる。なかでも、炭素数2〜8個の直
鎖状または分枝鎖状のアルキニルオキシ基が好ましい。
【0024】R1、R2が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアリールオキシ基」としては、例えば上記
1、R2、R10、R11が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアリール基」にオキシ基が結合した基を挙
げることができる。なかでも、炭素数6〜12個のアリ
ールオキシ基が好ましい。
【0025】R1、R2が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアラルキルオキシ基」としては、例えば上
記R1、R2、R10、R11が表すことのある「置換基を有
していてもよいアラルキル基」にオキシ基が結合した基
を挙げることができる。
【0026】上記一般式中、R3、R4が表すことのある
「置換基を有していてもよいアルキル基」としては、例
えば上記R1、R2、R10、R11が表すことのある「置換
基を有していてもよいアルキル基」が挙げられる。ま
た、当該「置換基を有していてもよいアルキル基」は、
アルキル基を構成する炭素原子が一つ以上の窒素原子、
硫黄原子、リン原子、ケイ素原子に置換されているもの
でもよい。
【0027】R3、R4が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアルケニル基」としては、例えば上記
1、R2、R10、R11が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアルケニル基」が挙げられる。また、当該
「置換基を有していてもよいアルケニル基」は、アルケ
ニル基を構成する炭素原子が一つ以上の窒素原子、硫黄
原子、リン原子、ケイ素原子に置換されているものでも
よい。
【0028】R3、R4が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアルキニル基」としては、例えば上記
1、R2、R10、R11が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアルキニル基」が挙げられる。また、当該
「置換基を有していてもよいアルキニル基」は、アルキ
ニル基を構成する炭素原子が一つ以上の窒素原子、硫黄
原子、リン原子、ケイ素原子に置換されているものでも
よい。
【0029】R3、R4が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアリール基」としては、例えば上記R1
2、R10、R11が表すことのある「置換基を有してい
てもよいアリール基」が挙げられる。また、当該「置換
基を有していてもよいアリール基」は、アリール基を構
成する炭素原子が一つ以上の窒素原子、硫黄原子、リン
原子、ケイ素原子に置換されているものでもよい。
【0030】R3、R4が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアラルキル基」としては、例えば上記
1、R2、R10、R11が表すことのある「置換基を有し
ていてもよいアラルキル基」が挙げられる。また、当該
「置換基を有していてもよいアラルキル基」は、アラル
キル基を構成する炭素原子が一つ以上の窒素原子、硫黄
原子、リン原子、ケイ素原子に置換されているものでも
よい。
【0031】R3、R4が表すことのあるR3、R4が一緒
になって表す「置換基を有していてもよいアルキレン
基」としては、好ましくは炭素数2〜12個の直鎖状ま
たは分枝鎖状のアルキレン基が挙げられ、例えばエチレ
ン基、1−メチルエチレン基、トリメチレン基、1,1
−ジメチルエチレン基、テトラメチレン基、1−メチル
トリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,2−
ジメチルエチレン基、1−エチルエチレン基、ペンタメ
チレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテ
トラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメチレン基、
1,3−ジメチルテトラメチレン基、1,4−ジメチル
テトラメチレン基、2,3−ジメチルテトラメチレン
基、1−プロピルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、
1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレ
ン基、3−メチルペンタメチレン基、1,2−ジメチル
テトラメチレン基、1,3−ジメチルペンタメチレン
基、1,4−ジメチルペンタメチレン基、1,5−ペン
タメチレン基、ペプタメチレン基、1−メチルヘキサメ
チレン基、2−メチルヘキサメチレン基、3−メチルヘ
キサメチレン基、1,2−ジメチルヘキサメチレン基、
1,3−ジメチルヘキサメチレン基、1,4−ジメチル
ヘキサメチレン基、1,5−ジメチルヘキサメチレン
基、1,6−ジメチルヘキサメチレン基、オクタメチレ
ン基、1−イソプロピルヘキサメチレン基、2−イソプ
ロピルヘキサメチレン基、3−イソプロピルヘキサメチ
レン基、ノナメチレン基などが挙げられる。なかでも、
炭素数2〜9個の直鎖状または分枝鎖状のアルキレン基
が好ましい。
【0032】また、当該R3、R4が一緒になって表す
「置換基を有していてもよいアルキレン基」は、アルキ
レン基を構成する炭素原子が一つ以上の窒素原子、硫黄
原子、リン原子、ケイ素原子に置換されていてもよく、
この場合の−NR34が表すことのある具体的な基とし
ては、例えばピペラジニル基、イミダゾリジル基、ピペ
リジノ基、ピロリジノ基、モルホリル基などが挙げられ
る。
【0033】上記一般式中、m、nとしては、1〜6の
整数が好ましい。
【0034】上記R1、R2、R3、R4、R10、R11が表
すことのある置換基を有していてもよい基(アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラル
キル基、アルキレン基、アルキルカルボニル基、アルケ
ニルカルボニル基、アルキニルカルボニル基、アリール
カルボニル基、アラルキルカルボニル基、アルコキシ
基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリー
ルオキシ基、アラルキルオキシ基)における置換基によ
る置換とは、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、アラルキル基、アルキレン基、アルキ
ルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アルキニル
カルボニル基、アリールカルボニル基、アラルキルカル
ボニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキ
ニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基
を構成する一個以上の水素原子または一個以上の炭素原
子を、水素原子または炭素原子以外の原子、あるいは水
素原子または炭素原子を含んでいてもよい官能基に置き
換えることを表す。ここで使用される官能基とは、例え
ば第4版実験化学講座15分析、4.2官能基分析(1
991年)に記載されている官能基を表し、包接される
分子と反応しない官能基を表す。
【0035】上記置換基を有していてもよい基の置換基
としては、反応および包接の際に、反応および包接を妨
げなければいかなる置換基でもよいが、例えば、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン
原子;水酸基;カルボキシル基;メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、1
−メチルプロポキシ基、2−メチルプロポキシ基などの
好ましくは炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のア
ルコキシ基;アリルオキシ基、ブタン−2−エンオキシ
基、ブタン−3−エンオキシ基などの好ましくは炭素数
2〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルケニルオキシ
基;プロパルギルオキシ基、ブタン−2−インオキシ
基、ブタン−3−インオキシ基などの好ましくは炭素数
2〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキニルオキシ
基;フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチ
ルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジ
メチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、
2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェ
ノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジ
メチルフェノキシ基などの好ましくは炭素数6〜10個
のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、o−メチルベ
ンジルオキシ基、m−メチルベンジルオキシ基、p−メ
チルベンジルオキシ基などの好ましくは炭素数7〜10
個のアラルキルオキシ基;アミノ基;メチルアミノ基、
エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミ
ノ基、ブチルアミノ基などの好ましくは炭素数1〜6個
のアルキルアミノ基、イソプロペニルアミノ基、ブテニ
ルアミノ基などの好ましくは炭素数2〜6個のアルケニ
ルアミノ基、プロパルギルアミノ基などの好ましくは炭
素数2〜6個のアルキニルアミノ基などの一置換アミノ
基;ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチル
プロピルアミノ基、メチルイソプロピルアミノ基、メチ
ルブチルアミノ基、エチルプロピルアミノ基、エチルイ
ソプロピルアミノ基、エチルブチルアミノ基などの好ま
しくは炭素数2〜12個のジアルキルアミノ基、メチル
イソプロペニルアミノ基などの好ましくは炭素数4〜1
0個のN−アルキル−N−アルケニルアミノ基、メチル
プロパルギルアミノ基などの好ましくは炭素数4〜10
個のN−アルキル−N−アルキニルアミノ基などの二置
換アミノ基;アミノ基およびイミノ基がtert−ブト
キシカルボニル、アセチル、トリメチルシリル、ter
t−ブチルジメチルシリルなどの保護基を有していても
よいアミジノ基;メチルチオ基、エチルチオ基、プロピ
ルチオ基などの好ましくは炭素数1〜6個のアルキルチ
オ基などの含硫黄炭化水素基;ジメチルホスフィノ基、
ジエチルホスフィノ基などの好ましくは炭素数2〜12
個のジアルキルホスフィノ基、ジメチルホスホニル基、
ジエチルホスホニル基などの好ましくは炭素数2〜12
個のジアルキルホスホニル基などの含リン官能基;トリ
メチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、te
rt−ブチルジメチルシリル基、ジイソプロピルメチル
シリル基、ジエチルメチルシリル基、トリエチルシリル
基、tert−ブチルジエチルシリル基などの好ましく
は炭素数3〜12個のトリアルキルシリル基、tert
−ブチルジフェニルシリル基などの好ましくは炭素数1
2〜18個のアルキルジアリールシリル基などの三置換
シリル基などの含ケイ素炭化水素基などが挙げられる。
【0036】さらに、上記置換基を有していてもよい基
の置換基として、置換基を有していてもよいアルキルカ
ルボニル基、置換基を有していてもよいアルケニルカル
ボニル基、置換基を有していてもよいアルキニルカルボ
ニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル
基、置換基を有していてもよいアラルキルカルボニル
基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル
基、置換基を有していてもよいアルケニルオキシカルボ
ニル基、置換基を有していてもよいアルキニルオキシカ
ルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ
カルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオ
キシカルボニル基、−CO−NR56(式中、R5、R6
はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい
アルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、
置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有し
ていてもよいアリール基、置換基を有していてもよいア
ラルキル基を表すか、または一緒になって置換基を有し
ていてもよいアルキレン基を表し、該アルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基お
よびアルキレン基を構成する炭素原子は一つ以上の窒素
原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子に置換されてい
てもよい。)で表される基を挙げることもできる。当該
置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換
基を有していてもよいアルケニルカルボニル基、置換基
を有していてもよいアルキニルカルボニル基、置換基を
有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有し
ていてもよいアラルキルカルボニル基としては、例えば
10、R11が表すことのある各々の基が挙げられる。ま
た、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル
基、置換基を有していてもよいアルケニルオキシカルボ
ニル基、置換基を有していてもよいアルキニルオキシカ
ルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ
カルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオ
キシカルボニル基における置換基を有していてもよいア
ルコキシ基、置換基を有していてもよいアルケニルオキ
シ基、置換基を有していてもよいアルキニルオキシ基、
置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を
有していてもよいアラルキルオキシ基としては、例えば
1、R2が表すことのある各々の基が挙げられる。さら
に、R5、R6が表すことのある置換基を有していてもよ
いアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル
基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を
有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよ
いアラルキル基、またはR5、R6が一緒になって表す置
換基を有していてもよいアルキレン基としては、例えば
3、R4が表すことのある各々の基が挙げられる。な
お、これらの置換基を有していてもよい基における置換
基としては、例えばR1、R2、R3、R4、R10、R11
表すことのある置換基を有していてもよい基における置
換基が挙げられる。
【0037】以下、テトラデカエン誘導体(I)の好ま
しい具体的な化合物を示す。 メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9R,
10S,10aS,11as,12aR)−1,10−
ビス(2−フェナントリル)−オクタデカヒドロナフタ
セン−2,9−ジオール ビス[3−(2−トリメチル
シリルエトキシカルボニル)プロピオナート メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9R,
10S,10aS,11as,12aR)−1,10−
ビス(2−フェナントリル)−オクタデカヒドロナフタ
セン−2,9−ジオール ビス(スクシナートモノエス
テル) メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9R,
10S,10aS,11as,12aR)−1,10−
ビス(2−フェナントリル)−オクタデカヒドロナフタ
セン−2,9−ジオール ビス[4−[4−[N,N’
−ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミジノ]−
ピペラジン−1−イル]−4−オキソブタナート] メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9R,
10S,10aS,11as,12aR)−1,10−
ビス(2−フェナントリル)−オクタデカヒドロナフタ
セン−2,9−ジオール ビス[4−(4−アミジノ−
ピペラジン−1−イル)−4−オキソブタナート]
【0038】上記テトラデカエン誘導体(I)の塩は、
テトラデカエン誘導体(I)と、カチオン性イオン種、
アニオン性イオン種および/または中性分子とが構成す
る塩を表す。
【0039】テトラデカエン誘導体(I)と塩を構成す
るカチオン性イオン種としては、例えばナトリウム、カ
リウムなどのアルカリ金属原子、カルシウムなどのアル
カリ土類金属原子などのカチオン性金属原子;アンモニ
ウムなどが挙げられる。
【0040】テトラデカエン誘導体(I)と塩を構成す
るアニオン性イオン種としては、例えばフッ素、塩素、
臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;硫酸イオン、リン酸
イオン、過塩素酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオンなど
の無機酸イオン;酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオ
ン、トリクロロ酢酸イオンなどの置換酢酸イオン;ニト
リルアニオン;アセチルアセトナートなどが挙げられ
る。
【0041】テトラデカエン誘導体(I)と塩を構成す
る中性分子としては、例えばアセトニトリル、ベンゾニ
トリルなどの有機ニトリル化合物;トリブチルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィンなどの三置換ホスフィン化
合物が挙げられる。
【0042】また、本発明のテトラデカエン誘導体
(I)またはその塩には、その水和物、溶媒和物なども
包含される。さらに、幾何異性体、光学異性体、ジアス
テレオ異性体などの各種の立体異性体、それらの混合物
も本発明のテトラデカエン誘導体(I)またはその塩に
包含される。
【0043】上記テトラデカエン誘導体(I)は、いか
なる方法により製造されてもよいが、例えば下記一般式
【0044】
【化5】
【0045】で表される1,10−ビス(3−(2−フ
ェニルエテニル)フェニル)−オクタデカヒドロテトラ
デカエン誘導体(以下、ナフタセン誘導体(II)と略
称する。式中、R10、R11は、上記と同義である。)に
対して、光反応させる方法が挙げられる。
【0046】
【化6】
【0047】(式中、R10、R11は、上記と同義であ
る。)
【0048】光反応の光源として使用する光源は、どの
ような光源でもよいが、例えば高圧水銀灯、低圧水銀
灯、レーザー光などが挙げられ、高圧水銀灯が好適であ
る。
【0049】反応は通常、反応に悪影響を与えない溶媒
中で行われる。溶媒としては、例えばテトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテ
ル系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
石油エーテル、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭
化水素系溶媒またはこれらの混合溶媒などが使用され
る。
【0050】溶媒の使用量は、ナフタセン誘導体(I
I)に対し、通常1〜5000倍重量の範囲が好まし
い。
【0051】反応は、光増感剤を添加して行ってもよ
く、光増感剤としてはどのような光増感剤でもよいが、
例えば、ヨウ素、メチレンブルーなどが挙げられる。
【0052】光増感剤の添加量は、ナフタセン誘導体
(II)に対し、0.01モル当量以上が好ましく、1
から10モル当量の範囲がより好ましい。
【0053】さらに反応は、水素補足剤を添加して行っ
てもよく、水素補足剤としてはどのような水素補足剤で
もよいが、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シド、ブテンオキシド、ペンテンオキシドなどのエポキ
シ化合物が挙げられる。
【0054】水素補足剤の添加量は、ナフタセン誘導体
(II)に対し、1モル当量以上が好ましく、1から1
000モル当量の範囲がより好ましい。
【0055】反応は、通常、アルゴンなどの不活性ガス
雰囲気下、ナフタセン誘導体(II)に対し、光を照射
する。光を照射する際に、上記溶媒、光増感剤、水素補
足剤を共存させてもよい。
【0056】反応温度は、−100℃〜200℃の範囲
が好ましく、−20℃〜150℃の範囲がより好まし
い。また、反応時間は使用する光源、溶媒などによって
異なるが通常0.01〜24時間、好ましくは1〜12
時間である。
【0057】このようにして得られたテトラデカエン誘
導体(I)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いら
れる方法により単離・精製することができる。例えば、
反応混合物を食塩水または水にあけ、ジエチルエーテ
ル、酢酸エチル、塩化メチレンなどの有機溶媒で抽出
し、必要に応じて抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液などで洗浄することにより酸性物質を除去し、希塩
酸、水、食塩水などで洗浄することにより塩基性物質、
水溶性物質を除去し、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸
ナトリウムなどで乾燥したのちに濃縮し、得られる粗生
成物を必要に応じて蒸留、クロマトグラフィー、再結晶
などにより精製することができる。
【0058】必要に応じて、R1、R2、R10、R11を異
なる置換基に置換してもよい。例えば、R1、R2
10、R11が保護基である場合、プロテクティブ・グル
ープス・イン・オルガニック・シンセシーズ第3版(Pr
otective Groups in Organic Synthesis, Third Editio
n)に記載の公知な方法により保護基を脱保護し、さらに
水溶性、包接選択性等を付与するためにR1、R2
10、R11に所望の分子を結合させてもよい。
【0059】さらに必要に応じて、テトラデカエン誘導
体(I)に対し、カチオン性イオン種、アニオン性イオ
ン種および/または中性分子とを混合させることにより
塩を構成させてもよい。
【0060】なお、ナフタセン誘導体(II)は、例え
ば、公知物質[(1α,4aβ,5aβ,6aβ,10
α,10aα,11aα,12aα)−テトラデカヒド
ロ−1,10−ビス(3−メチルフェニル)−2,9
(1H,3H)−ナフタセンジオン[オルガニック・レ
ターズ(Organic Letters)、2巻、1015頁(200
0年)参照]]より、参考例5〜10に記載の方法など
により合成することができる。
【0061】上記の製造方法により得られるテトラデカ
エン誘導体(I)は、包接作用を有し、したがって物質
の吸着、分離を可能とする化合物として有用である。以
下、テトラデカエン誘導体(I)が有する分子の包接作
用について説明する。
【0062】テトラデカエン誘導体(I)は、分子をい
かなる形状で包接してもよいが、例えばテトラデカエン
誘導体(I)1分子に対し、分子を0.1分子から10
分子の比率であるのが好ましい。
【0063】包接される分子としては、テトラデカエン
誘導体(I)に相互作用を有し、テトラデカエン誘導体
(I)に包接され得る分子であれば、有機物、無機物、
イオン性分子、イオン性原子を問わないが、テトラデカ
エン誘導体(I)のフェナントレン部分と相互作用を有
する分子が好ましく、なかでもパイ結合を有する分子が
より好ましい。また、このような分子の具体例として
は、例えば、4−メトキシフェノール、フェノール、ベ
ンゼン、ナフタレン、1−ナフトールなどが挙げられ
る。
【0064】包接は通常、包接に悪影響を与えない溶媒
中で行われる。溶媒としては、例えばテトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテ
ル系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
石油エーテルなどの炭化水素系溶媒;水;メタノール、
エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶
媒;またはこれらの混合溶媒などが使用される。
【0065】溶媒の使用量は、テトラデカエン誘導体
(I)に対し、通常1〜100万倍重量の範囲が好まし
い。
【0066】包接の温度は、−100℃〜200℃の範
囲が好ましく、−20℃〜150℃の範囲がより好まし
い。
【0067】包接は通常、包接される分子の存在する溶
媒中にテトラデカエン誘導体(I)を添加するか、ある
いは包接される分子の存在する溶媒をテトラデカエン誘
導体(I)に添加することにより、テトラデカエン誘導
体(I)と、該テトラデカエン誘導体(I)に包接され
得る分子とを接触させることで行うことができる。その
結果、テトラデカエン誘導体(I)と、該テトラデカエ
ン誘導体(I)に包接された分子とからなる包接化合物
が形成される。
【0068】テトラデカエン誘導体(I)に包接した分
子は、必要に応じ、加熱、より包接しやすい分子を添加
するなどの包接状態を解く操作により遊離させ、蒸留、
抽出、再結晶などの通常の単離操作で精製することがで
きる。
【0069】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。
【0070】参考例1 [N−メトキシ−N−メチル−(3−メチルフェニル)
アセトアミドの合成]3−メチルフェニル酢酸1.00
g(6.66mmol)をチオニルクロリド11mlに
添加し、加熱還流下3時間撹拌し、減圧下濃縮し、3−
メチルフェニル酢酸クロリドとした。この3−メチルフ
ェニル酢酸クロリドを塩化メチレン20mlに溶解さ
せ、室温下N,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩7
14mg(7.32mmol)を添加し、30分撹拌し
た。この混合溶液に0℃でピリジン1.19ml(1
4.65mmol)を滴下し、滴下完了後0℃で1時間
撹拌した。反応混合物を3%−塩酸に展開し、塩化メチ
レンで抽出した。水層分離後、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液で有機層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、濾過した後、減圧下濃縮した。得られた濃縮物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:酢酸エチ
ル/ヘキサン=1/4(容量比))で精製することによ
り、下記の物性を有するN−メトキシ−N−メチル−
(3−メチルフェニル)アセトアミド1.10gを得た
(収率85%)。
【0071】1H−NMRスペクトル(200MHz,
CDCl3,TMS基準,ppm) δ: 7.24−
7.03(m,4H),3.73(s,2H),3.6
1(s,3H),3.19(s,3H),2.33
(s,3H).13 C-NMRスペクトル(100MHz,CDCl3,T
MS基準,ppm) δ: 172.5,138.1,
134.8,130.0,128.4,127.5,1
26.3,61.3,39.3,32.2,21.4. IR (neat;cm-1):1662,1381. HRMS:分子式 C1115NO2
【0072】参考例2 [1−(3−メチルフェニル)ブタン−3−エン−2−
オンの合成]N−メトキシ−N−メチル−(3−メチル
フェニル)アセトアミド40,00g(206.96m
mol)をテトラヒドロフラン520mlに溶解させ、
−15℃でビニルマグネシウムブロミド248.4ml
(1mol/l溶液、248.40mmol)を滴下し
た。滴下完了後、−15℃で30分間撹拌した後に、6
%−塩酸に反応液を展開し、酢酸エチルで生成物を抽出
した。抽出有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食
塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾
過した後、減圧下濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開液:酢酸エチル/ヘ
キサン=1/4(容量比))で精製することにより、下
記の物性を有する1−(3−メチルフェニル)ブタン−
3−エン−2−オン27.50gを得た(収率83
%)。
【0073】1H−NMRスペクトル(300MHz,
CDCl3,TMS基準,ppm) δ: 7.21
(t,J=7.5Hz,1H),7.06(d,J=
7.5Hz,1H),7.02(s,1H),7.00
(d,J=7.5Hz,1H),6.40(dd,J=
10.0,17.5Hz,1H),6.28(t,J=
1.2,17.5Hz,1H),5.80(dd,J=
1.2,10.0Hz,1H),3.82(s,2
H),2.33(s,3H).13 C-NMRスペクトル(75MHz,CDCl3,TM
S基準,ppm) δ:197.8,138.4,13
5.6,134.0,130.2,128.9,12
8.6,127.8,126.5,47.2,21.
4. IR (neat;cm-1):1709,1609,1
039.HRMS:分子式 C1112
【0074】参考例3 [(4aα,5aα,6aα,11aβ)−4,4a,
5,5a,6,6a,7,8,11a,12−デカヒド
ロ−1,10−ビス(3−メチルフェニル)−2,9
(3H,11H)−ナフタセンジオンの合成]tran
s−2,7(1H,3H)−ヘキサヒドロナフタレンジ
オン30.25g(182.0mmol)、ピロリジン
46.0ml(551mmol)をベンゼン320ml
に溶解させ、21時間加熱還流した。反応混合物を減圧
下濃縮し、未反応のピロリジンを除去した。濃縮残滓に
ベンゼン500mlを加え、1−(3−メチルフェニ
ル)ブタン−3−エン−2−オン64.20g(40
0.7mmol)のベンゼン溶液700mlを室温下滴
下し、滴下終了後さらに3時間撹拌した。反応液を水に
展開し、酢酸エチルを加えて生成物を抽出し、抽出した
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥濾過後、濃縮した。濃縮物にベンゼン200ml、
p−トルエンスルホン酸一水和物(14.70g、7
4.12mmol)を加え、24時間加熱還流させた。
この反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に展開
し、酢酸エチルを加え、生成物を抽出し、抽出した有機
層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
濾過後、減圧下濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開液:酢酸エチル/ヘキ
サン=3/2(容量比))で精製することにより、下記
の物性を有する(4aα,5aα,6aα,11aβ)
−4,4a,5,5a,6,6a,7,8,11a,1
2−デカヒドロ−1,10−ビス(3−メチルフェニ
ル)−2,9(3H,11H)−ナフタセンジオン4
1.09gを得た(収率50%)。
【0075】1H−NMRスペクトル(300MHz,
CDCl3,TMS基準,ppm) δ: 7.19
(t,J=7.7Hz,2H),7.06(d,J=
7.7Hz,2H),6.77(s,2H),6.76
(d,J=7.7Hz,2H),2.59−2.45
(m,6H),2.41−2.33(m,2H),2.
29(s,6H),2.23−2.13(m,2H),
2.03−1.96(m,2H),1.81−1.55
(m,5H),1.30−1.11(m,3H).13 C-NMRスペクトル(75MHz,CDCl3,TM
S基準,ppm) δ:198.2(2),159.3
(2),137.5(2),136.4(2),13
5.7(2),130.4(2),128.0(2),
127.9(2),126.8(2),44.2
(2),41.1(2),41.1,39.2(2),
38.5,36.9(2),28.4(2),21.4
(2). IR (KBr;cm-1):2917,2858,16
70,701. HRMS:分子式 C32342
【0076】参考例4 [(1α,4aβ,5aβ,6aβ,10α,10a
α,11aα,12aα)−テトラデカヒドロ−1,1
0−ビス(3−メチルフェニル)−2,9(1H,3
H)−ナフタセンジオン(略称:NUA24)の合成]
液体アンモニア10mLに金属リチウム100mg
(0.220mmol)を−78℃で添加し、さらに
(4aα,5aα,6aα,11aβ)−4,4a,
5,5a,6,6a,7,8,11a,12−デカヒド
ロ−1,10−ビス(3−メチルフェニル)−2,9
(3H,11H)−ナフタセンジオン100mg(0.
220mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液
2.5mlを−78℃で滴下した。滴下後−78℃で3
0分間撹拌した後に、亜硝酸ナトリウムを反応溶液の青
色が消えるまで添加した。室温下で反応液中のアンモニ
アを揮発させた後に、水を添加し、さらに酢酸エチルを
添加して生成物を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥濾過後、減圧下濃縮し
た。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開液:酢酸エチル/ヘキサン=1/2(容量
比))で精製することにより、下記の物性を有するNU
A24 54mgを得た(収率54%)。
【0077】1H−NMRスペクトル(300MHz,
CDCl3,TMS基準,ppm) δ: 7.15
(t,J=7.6Hz,1H×2),7.01(d,J
=7.6Hz,1H×2),6.76(s,1H×
2),6.75(d,J=7.6Hz,1H×2),
3.13(d,J=11.2Hz,1H×2),2.5
2−2.46(m,4H),2.29(s,3H×
2),2.04−2.00(m,2H),1.78−
1.50(m,8H),1.13−0.56(m,8
H).13 C-NMRスペクトル(75MHz,CDCl3,TM
S基準,ppm) δ:209.6(2),137.6
(2),137.0(2),130.2(2),12
8.0(2),127.7(2),126.3(2),
63.3(2),48.8(2),42.1(2),4
2.1,41.8(2),41.1,39.9(2),
38.9(2),33.5(2),21.5(2). IR (KBr;cm-1):2900,2856,17
09,704. HRMS:分子式 C32382
【0078】参考例5 [メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9
R,10S,10aS,11as,12aR)−2,9
−ジヒドロキシ−1,10−ビス(3−メチルフェニ
ル)−オクタデカヒドロナフタセン(略称:NUA2
9)の合成]NUA24 2.50g(5.50mmo
l)の無水THF溶液300mlに、0℃で水素化アル
ミニウム 45.8ml(0.60M THF溶液,2
7.5mmol)をゆっくりと加え、同温度で5分間撹
拌した。反応溶液を2N−水酸化ナトリウム水溶液に注
いだ後、塩化メチレンを用いて抽出した。有機層を飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥
し、濾過した。溶媒を減圧下で留去し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル
=4/11(容量比))を用いて残滓を精製し、水酸基
の立体化学に因るジアステレオマーの分離精製を行い、
エクァトリアル位に水酸基を持つ単一のジアステレオマ
ーとして下記の物性を有するNUA29 1.53g
(3.34mmol,収率61%)を白色固体として得
た。
【0079】1H−NMRスペクトル(300MHz,
CDCl3,TMS基準,ppm) δ: 7.15
(t,J=7.3Hz,1H×2),6.99(d,J
=7.3Hz,1H×2),6.91(s,1H×
2),6.90(d,J=7.3Hz,1H×2),
3.61(ddd,J=10.2,10.2,4.2H
z,1H×2),2.30(s,3H×2),2.14
−1.97(m,4H),1.77−1.34(m,8
H),1.28−1.07(m,6H),1.02−
0.61(m,6H),0.53−0.37(m,2
H).13 C-NMRスペクトル(75MHz,CDCl3,TM
S基準,ppm) δ:141.5(2),138.3
(2),128.6(4),127.7(4),75.
0 (2),59.2(2),46.0(2),42.
7(2),42.7,42.5,40.8(2),3
7.9(2),34.0(2),31.6(2),2
1.5(2). IR (KBr;cm-1):3423,2920,28
52,1075,778,705. FAB−MS:m/z 481 ([M+Na]+) FAB−HRMS:分子式 C32422Na m/z([M+Na]+) 計算値: 481.3093. 測定値: 481.3083.
【0080】参考例6 [メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9
R,10S,10aS,11as,12aR)−1,1
0−ビス(3−メチルフェニル)−オクタデカヒドロナ
フタセン−2,9−ジオール ジアセテート(略称:N
UA30)の合成]NUA29 300mg(0.65
mmol)の無水塩化メチレン溶液40mlに、室温で
無水酢酸8ml、4−ジメチルアミノピリジン15.9
mg(0.13mmol)、ピリジン4mlを順次加
え、同温度で13時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル
を加え、蒸留水、1N−塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムを用いて乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で留
去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:
ヘキサン/酢酸エチル=7/1(容量比))を用いて残
滓を精製し、下記の物性を有するNUA30 312.
8mg(0.58mmol,収率88%)を白色固体と
して得た。
【0081】1H−NMRスペクトル(300MHz,
CDCl3,TMS基準,ppm) δ: 7.07
(t,J=7.5Hz,1H×2),6.92(d,J
=7.5Hz,1H×2),6.84(s,1H×
2),6.83(d,J=7.5Hz,1H×2),
4.88(ddd,J=10.7,10.7,4.4H
z,1H×2),2.26(s,3H×2),2.30
−2.17(m,2H),2.22−2.02(m,2
H),1.76−1.56(m,5H),1.66
(s,3H×2),1.51−0.92(m,11
H),0.86−0.65(m,2H),0.54−
0.38(m,2H).13 C-NMRスペクトル(75MHz,CDCl3,TM
S基準,ppm) δ:170.0(2),141.2
(2),137.5(2),127.9(4),12
7.1(4),76.9(2),55.6(2),4
6.2(2),42.8,42.5(2),42.3,
40.6(2),37.8(2),32.0(2),3
1.4(2),21.4(2),20.8(2). IR (KBr;cm-1):2927,2853,17
34,1245,1029. FAB−MS:m/z 565 ([M+Na]+) FAB−HRMS:分子式 C36464Na m/z([M+Na]+) 計算値: 565.3294. 測定値: 565.3274.
【0082】参考例7 [メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9
R,10S,10aS,11as,12aR)−1,1
0−ビス(3−ホルミルフェニル)−オクタデカヒドロ
ナフタセン−2,9−ジオール ジアセテート(略称:
NUA35)の合成]NUA30 250mg(0.4
6mmol)の無水四塩化炭素溶液40mlに、室温で
N−ブロモスクシンイミド180mg(1.01mmo
l)、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル13mg
(0.08mmol)を順次加え、40分還流した。反
応溶液を濾過し、溶媒を減圧下で留去することによっ
て、白色固体のジブロマイドを得た。本品は精製するこ
となく直ちに次の反応に付した。ジブロマイドの1,4
−ジオキサン溶液25mlに、室温で蒸留水25ml、
炭酸カルシウム461mg(4.61mmol)を順次
加え、12時間還流した。反応溶液を1N−塩酸水溶液
中に注いだ後、エーテルを用いて抽出した。有機層を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄
後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過した。
溶媒を減圧下で留去することによって、白色固体のジオ
ールを得た。本品は精製することなく直ちに次の反応に
付した。ジオールの無水塩化メチレン溶液20mlに、
室温でクロロクロム酸ピリジニウム300mg(1.3
9mmol)を加え、同温度で16時間撹拌した。反応
溶液をエーテルで希釈し、セライトを通して濾過した
後、溶媒を減圧下で留去し、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1
(容量比))を用いて残滓を精製し、下記の物性を有す
るNUA35 145.8mg(0.26mmol,収
率55%)を白色固体として得た。
【0083】1H−NMRスペクトル(300MHz,
CDCl3,TMS基準,ppm) δ:9.93
(s,1H×2),7.67−7.60(m,1H×
2),7.56(s,2H),7.42−7.30
(m,2H×2),4.93(ddd,J=10.7,
10.7,4.4Hz,1H×2),2.38(t,J
=10.7Hz,2H),2.15−2.03(m,2
H),1.80−1.70(m,2H),1.63
(s,3H×2),1.70−1.55(m,3H),
1.55−1.39(m,2H),1.36−1.09
(m,6H),1.05−0.65(m,5H),0.
48(q,J=11.9Hz,2H).13 C-NMRスペクトル(75MHz,CDCl3,TM
S基準,ppm) δ:192.3(2),169.9
(2),142.6(2),136.5(2),12
9.0(4),128.3(4),76.4(2),5
5.4(2),46.1(2),42.6,42.4
(2),42.1,40.3(2),37.7(2),
31.9(2),31.3(2),20.7(2). IR (KBr;cm-1):2924,2854,17
32,1698,1245,1029,698. FAB−MS:m/z 593 ([M+Na]+) FAB−HRMS:分子式 C36426Na m/z([M+Na]+) 計算値: 593.2879. 測定値: 593.2881.
【0084】参考例8 [メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9
R,10S,10aS,11as,12aR)−1,1
0−ビス(3−(2−フェニルエテニル)フェニル)−
オクタデカヒドロナフタセン−2,9−ジオール(略
称:NUA37)の合成]水素化ナトリウム199.7
4mg(60%,8.32mmol)の無水エチレング
リコールジメチルエーテル溶液15mlに、室温でベン
ジルホスホン酸ジエチル1.1ml(5.28mmo
l)を加え、3時間撹拌した後、NUA35100mg
(0.18mmol)の無水エチレングリコールジメチ
ルエーテル溶液30mlを滴下し、同温度で39時間撹
拌した。反応溶液を蒸留水中に注いだ後、酢酸エチルを
用いて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過した。溶媒を減圧
下で留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1(容量比))を用
いて残滓を精製し、下記の物性を有するNUA37 9
0.8mg(0.14mmol,収率82%)を白色固
体として得た。
【0085】
【化7】
【0086】1H−NMRスペクトル(300MHz,
CDCl3,TMS基準,ppm) δ: 7.46
(brd,J=7.3Hz,2H×2),7.37−
7.20(m,7H×2),7.10−6.98(m,
2H×2),3.66(br,1H×2),2.19−
2.00(m,4H),1.79−1.35(m,9
H),1.30−0.61(m,11H),0.56−
0.39(m,2H).13 C-NMRスペクトル(75MHz,CDCl3,TM
S基準,ppm) δ:141.9(2),138.3
(2),137.2(2),128.9(2),12
8.7(8),127.6(2),126.5(8),
125.1(2),74.9(2),59.0(2),
45.9(2),42.5(3),42.3,40.6
(2),37.7(2),33.8(2),31.4
(2). IR (KBr;cm-1):3448,2851,10
72,963,765,692. FAB−MS:m/z 657 ([M+Na]+) FAB−HRMS:分子式 C46502Na m/z([M+Na]+) 計算値: 657.3709. 測定値: 657.3739.
【0087】参考例9 [メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9
R,10S,10aS,11as,12aR)−1,1
0−ビス(3−(2−フェニルエテニル)フェニル)−
オクタデカヒドロナフタセン−2,9−ジオール ビス
(スクシナートモノエステル)(略称:NUA45)の
合成]NUA37 100mg(0.16mmol)の
無水2,6−ルチジン溶液50mlに、室温で無水コハ
ク酸595mg(5.95mmol)、4−ジメチルア
ミノピリジン87mg(0.71mmol)を順次加
え、35時間還流した。反応溶液を2N−塩酸水溶液に
注いだ後、クロロホルムを用いて抽出した。有機層を飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥
し、濾過した。溶媒を減圧下で留去し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム/メタノ
ール=20/1(容量比))を用いて残滓を精製し、下
記の物性を有するNUA45 120.3mg(0.1
4mmol,収率91%)を白色固体として得た。
【0088】1H−NMRスペクトル(300MHz,
CDCl3,TMS基準,ppm) δ: 7.44
(brd,J=7.0Hz,2H×2),7.35−
7.08(m,7H×2),7.08−6.88(m,
2H×2),4.93(br,1H×2),2.35−
1.99(m,12H),1.80−0.63(m,2
0H),0.54−0.37(m,2H).13 C-NMRスペクトル(75MHz,CDCl3,TM
S基準,ppm) δ:176.4(2),171.0
(2),141.5(2),137.5(2),13
7.3(2),129.0(2),128.7(2),
128.6(6),127.5(2),126.6
(8),124.7(2),77.3(2),55.7
(2),46.3(2),42.7,42.5(2),
42.3,40.5(2),37.7(2),31.8
(2),31.4(2),29.1(2),28.8
(2). IR (KBr;cm-1):3448,2924,28
54,1734,1719,1168,960,69
9. FAB−MS:m/z 835 ([M+H]+) FAB−HRMS:分子式 C54598 m/z([M+H]+) 計算値: 835.4211. 測定値: 835.4282.
【0089】参考例10 [メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9
R,10S,10aS,11as,12aR)−1,1
0−ビス(3−(2−フェニルエテニル)フェニル)−
オクタデカヒドロナフタセン−2,9−ジオール ビス
(3−(2−トリメチルシリルエトキシカルボニル)プ
ロピオナート)(略称:TKB20)の合成]NUA4
5 290mg(0.35mmol)の塩化メチレン溶
液10mlに、0℃で2−(トリメチルシリル)エタノー
ル0.2ml(1.39mmol)、1−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
200mg(1.04mmol)、4−ジメチルアミノ
ピリジン255mg(2.08mmol)を順次加え、
室温で3時間撹拌した。反応溶液を飽和塩化アンモニウ
ム水溶液に注いだ後、塩化メチレンを用いて抽出した。
有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で
順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾
過した。溶媒を減圧下で留去し、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=4/
1(容量比))を用いて残滓を精製し、下記の物性を有
するTKB20 255mg(0.25mmol,収率
71%)を白色固体として得た。
【0090】
【化8】
【0091】1H−NMRスペクトル(400MHz,
CDCl3,TMS基準,ppm) δ: 7.47
(d,J=7.6Hz,2H×2),7.34−7.1
6(m,7H×2),7.02−6.95(m,2H×
2),4.94(br,1H×2),4.05(t,J
=8.6Hz,2H×2),2.35−2.10(m,
12H),1.80−0.69(m,22H),0.5
3−0.44(m,2H),−0.01(s,9H×
2).13 C-NMRスペクトル(75MHz,CDCl3,55
℃,TMS基準,ppm) δ: 172.1(2),
171.2(2),141.6(2),137.6
(2),137.2(2),129.0(2),12
8.7(2),128.7(2),128.6(4),
127.5(2),126.6(8),124.7
(2),77.1(2),62.6(2),55.8
(2),46.3(2),42.7,42.5(2),
42.2,40.5(2),37.7(2),31.9
(2),31.4(2),29.4(2),29.4
(2),17.4(2),−1.5(6). IR (KBr;cm-1):2924,1733,16
02,1250,1159,838,698. FAB−MS:m/z 1035 ([M+H]+) FAB−HRMS:分子式 C64838Si2 m/z([M+H]+) 計算値: 1035.5627. 測定値: 1035.5667.
【0092】実施例1 [メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9
R,10S,10aS,11as,12aR)−1,1
0−ビス(2−フェナントリル)−オクタデカヒドロナ
フタセン−2,9−ジオール ビス[3−(2−トリメ
チルシリルエトキシカルボニル)プロピオナート](略
称:TKB21)の合成]TKB20 123mg
(0.119mmol)の脱気した無水ベンゼン溶液3
00mlに、室温でヨウ素60.3mg(0.238m
mol)、1,2−エポキシブタン2.6ml(30.
18mmol)を順次加え、アルゴン雰囲気下4時間、
400W高圧水銀ランプで光照射した。溶媒を減圧下で
留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
液:ベンゼン/酢酸エチル=20/1(容量比))を用
いて残滓を精製し、下記の物性を有するTKB21 5
4mg(0.052mmol,収率44%)を白色固体
として得た。
【0093】
【化9】
【0094】1H−NMRスペクトル(300MHz,
CDCl3,55℃,TMS基準,ppm) δ:8.
47(d,J=8.2Hz,1H×2),8.42
(d,J=8.2Hz,1H×2),7.72(d,J
=7.7Hz,1H×2),7.61−7.54(m,
2H×2),7.51−7.40(m,3H×2),
7.26(d,J=8.2Hz,1H×2),4.99
(ddd,J=11.0,11.0,4.2Hz,1H
×2),3.95(t,J=7.9Hz,2H×2),
2.34−2.32(m,2H),2.25−1.94
(m,10H),1.68−0.50(m,22H),
0.14−0.03(m,2H),−0.06(s,9
H×2).13 C-NMRスペクトル(75MHz,CDCl3,55
℃,TMS基準,ppm) δ:172.0(2),1
71.2(2),139.7(2),131.9
(4),130.3(2),129.0(2),12
8.4(2),126.9,126.9,126.5
and 126.2(12),122.7(2),12
2.6(2),77.2(2),62.6(2),5
5.7(2),46.2(2),42.3(2),4
2.3,41.6,40.2(2),37.4(2),
32.0(2),31.4(2),29.3(4),1
7.3(2),−1.5(6). IR (KBr;cm-1):2925,1733,12
50,1158,837. FAB−MS:m/z 1030 ([M+H]+) FAB−HRMS:分子式 C64788Si2 m/z([M+H]+) 計算値: 1030.5235. 測定値: 1030.5281.
【0095】実施例2 [メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9
R,10S,10aS,11as,12aR)−1,1
0−ビス(2−フェナントリル)−オクタデカヒドロナ
フタセン−2,9−ジオール ビス(スクシナートモノ
エステル)(略称:NUA43)の合成]TKB21
52mg(0.050mmol)のジメチルホルムアミ
ド溶液5mlに、0℃でテトラ−n−ブチルアンモニウ
ムフルオリド0.111ml(1.00M THF溶
液,0.111mmol)を加え、室温で2.5時間撹
拌した。反応溶液を蒸留水に注いだ後、塩化メチレンを
用いて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過した。溶媒を減圧
下で留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開液:クロロホルム/メタノール=10/1(容量
比))を用いて残滓を精製し、白色固体のNUA43
36mg(0.043mmol,収率86%)を得た。
【0096】
【化10】
【0097】1H−NMRスペクトル(300MHz,
CDCl3:CD3COOD=3:1,TMS基準,pp
m) δ: 8.48(d,J=8.2Hz,1H×
2),8.43(d,J=8.2Hz,1H×2),
7.73(d,J=6.6Hz,1H×2),7.62
−7.54(m,2H×2),7.53−7.40
(m,3H×2),7.38−7.25(m,1H×
2),5.06(br,1H×2),2.31−1.9
7(m,4H×2),2.50−0.40(m,26
H).13C-NMRスペクトル(75MHz,CDC
3:CD3COOD=3:1,TMS基準,ppm)
δ: 178.1(2),171.7(2),139.
9(2),132.2(2),132.1(2),13
0.6(2),129.3(2),128.7(2),
127.3,127.2,126.7 and 12
6.5(12),123.0(2),122.9
(2),77.6(2),55.9(2),46.1
(2),42.3(2),42.0,41.1,40.
0(2),37.3(2),32.0(2),31.4
(2),29.2(2),29.0(2). IR (KBr;cm-1):3446,2923,28
53,1733,1717,1161,1044,74
7,717. FAB−MS:m/z 853 ([M+Na]+) FAB−HRMS:分子式 C54548Na m/z([M+Na]+) 計算値: 853.3716. 測定値: 853.3665.
【0098】参考例11 [1−[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニ
ル)アミジノ]−ピペラジンの合成]N,N’−ジ−t
ert−ブトキシカルボニル−N”−トリフルオロメタ
ンスルホニルグアニジン900mg(2.30mmo
l)のクロロホルム溶液15mlに、室温でトリエチル
アミン0.32ml(2.30mmol)、ピペラジン
330mg(3.83mmol)を順次加え、室温で1
3時間撹拌した。反応溶液を蒸留水に注いだ後、クロロ
ホルムを用いて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウ
ムを用いて乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で留去し、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロ
ホルム/メタノール=5/1(容量比))を用いて残滓
を精製し、下記の物性を有する1−[N,N’−ビス
(tert−ブトキシカルボニル)アミジノ]−ピペラ
ジン 549mg(1.67mmol,収率44%)を
白色固体として得た。
【0099】1H−NMRスペクトル(300MHz,
CDCl3,55℃,TMS基準,ppm) δ:
3.58−3.54(m,4H),2.94−2.91
(m,4H),1.48(s,18H).13 C-NMRスペクトル(75MHz,CDCl3,55
℃,TMS基準,ppm) δ: 155.1(3),
80.7(2),48.4(2),45.9(2),2
8.3(6). IR (KBr;cm-1):2977,1743,16
10,1366,1313,1236,1148,10
55,1020,754. FAB−MS:m/z 329 ([M+H]+) FAB−HRMS:分子式 C152944 m/z([M+H]+) 計算値: 329.2189. 測定値: 329.2164.
【0100】実施例3 [メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9
R,10S,10aS,11as,12aR)−1,1
0−ビス(2−フェナントリル)−オクタデカヒドロナ
フタセン−2,9−ジオール ビス[4−[4−[N,
N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミジ
ノ]−ピペラジン−1−イル]−4−オキソブタナー
ト](略称:TKB22)の合成]NUA43 24m
g(0.029mmol)の塩化メチレン溶液5ml
に、0℃で1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エ
チルカルボジイミド塩酸塩17mg(0.087mmo
l)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール16mg
(0.116mmol)、1−[N,N’−ビス(te
rt−ブトキシカルボニル)カルボキサミド]−ピペラ
ジン 23mg(0.069mmol)を順次加え、室
温で13時間撹拌した。反応溶液を飽和塩化アンモニウ
ム水溶液に注いだ後、塩化メチレンを用いて抽出した。
有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で
順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾
過した。溶媒を減圧下で留去し、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開液:クロロホルム/メタノール=
4/1(容量比))を用いて残滓を精製し、下記の物性
を有するTKB22 39mg(0.027mmol,
収率93%)を白色固体として得た。
【0101】
【化11】
【0102】1H−NMRスペクトル(300MHz,
CDCl3,55℃,TMS基準,ppm) δ:
8.46(d,J=8.4Hz,1H×2),8.42
(d,J=8.4Hz,1H×2),7.75(d,J
=7.6Hz,1H×2),7.60(d,J=8.8
Hz,1H×2),7.56(d,J=8.8Hz,1
H×2),7.54−7.43(m,3H×2),7.
29(d,J=8.4Hz,1H×2),5.04(d
dd,J=11.2,11.0,4.4Hz,1H×
2),3.42−3.30(m,8H),3.04(b
r,4H),2.76(br,4H),2.42−2.
23(m,4H),2.14−2.00(m,4H),
1.92−1.82(m,2H),1.71−0.60
(m,56H),0.24(br,2H).13 C-NMRスペクトル(75MHz,CDCl3,55
℃,TMS基準,ppm) δ: 172.1(2),
169.7(2),154.7(6),139.9
(2),131.8(4),130.1(2),12
8.9(2),128.6(2),127.1,12
6.9,126.8 and 126.5(12),1
22.6(2),122.4(2),81.4(4),
77.2(2),55.9(2),46.8(4),4
6.2(2),44.0(4),42.3(2),4
1.6,40.9,40.1(2),37.3(2),
32.0(2),31.4(2),29.8(2),2
8.2(12),28.0(2).IR(KBr;cm
-1):2925,1734,1608,1420,13
67,1301,1232,1150,1010,75
1. FAB−MS:m/z 1451 ([M+H]+) FAB−HRMS:分子式 C84107148 m/z([M+H]+) 計算値: 1451.7907. 測定値: 1451.7870.
【0103】実施例4 [メソ−(1R,2S,4aR,5as,6aS,9
R,10S,10aS,11as,12aR)−1,1
0−ビス(2−フェナントリル)−オクタデカヒドロナ
フタセン−2,9−ジオール ビス[4−(4−アミジ
ノ−ピペラジン−1−イル)−4−オキソブタナート]
ビストリフルオロアセテート塩(略称:TKB23)
の合成]TKB22 19mg(0.013mmol)
の塩化メチレン溶液4mlに、室温でトリフルオロ酢酸
1mlを加え、室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧下で
留去し、下記の物性を有する、TKB23 16mg
(0.013mmol,収率100%)を白色固体とし
て得た。
【0104】
【化12】
【0105】1H−NMRスペクトル(300MHz,
CDCl3:CD3OD=1:1,50℃,TMS基準,
ppm) δ: 8.52(d,J=8.1Hz,1H
×2),8.45(d,J=8.1Hz,1H×2),
7.77(d,J=7.5Hz,1H×2),7.62
−7.45(m,10H),7.34(d,J=8.1
Hz,1H×2),5.03(br,1H×2),3.
52−3.06(m,16H),2.50−2.42
(m,2H),2.34−2.28(m,2H),2.
17−0.71(m,26H),0.34(br,2
H). IR(KBr;cm-1):2921,1655,143
9,1202,1131,720. FAB−MS:m/z 1051 ([M+H]+) FAB−HRMS:分子式 C647568 m/z([M+H]+) 計算値: 1051.5810. 測定値: 1051.5876.
【0106】実施例5 TKB23と4−メトキシフェノールとの包接試験 TKB23の2.0×10-5M 水−メタノール(4:
1)混合溶液(混合溶液A)および4−メトキシフェノ
ールの1.2×10-3M 溶液を調製した。1cm角の
石英セルにTKB23の溶液を3.0ml入れ、分光光
度計により、TKB23の最大吸収波長(λmax)の
吸光度を測定した。4−メトキシフェノールの混合溶液
Aを10μlづつ加えていき、それぞれの濃度でのTK
B23の最大吸収波長の吸光度を記録していった。加え
た4−メトキシフェノールの総溶液量が100μl(〜
1.9eq)になるまで同様の操作を行った後、それぞ
れの4−メトキシフェノールの濃度におけるTKB23
の最大吸収波長の吸光度の減少度を計算した。4−メト
キシフェノールの濃度に対するTKB23の最大吸収波
長の吸光度の減少度をプロットし、none−line
ar curvefitting analysisに
より結合定数(K=4.0×104-1)が得られた。
【0107】
【発明の効果】本発明のテトラデカエン誘導体(I)
は、包接性を有し、物質の吸着、分離を可能とする化合
物として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07C 41/44 C07C 41/44 43/23 43/23 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R10、R11はそれぞれ独立に水素原子、置換基
    を有していてもよいアルキル基、置換基を有していても
    よいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニ
    ル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を
    有していてもよいアラルキル基、置換基を有していても
    よいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい
    アルケニルカルボニル基、置換基を有していてもよいア
    ルキニルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリ
    ールカルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキ
    ルカルボニル基を表す。)で示されるテトラデカエン誘
    導体またはその塩。
  2. 【請求項2】 一般式(I−1) 【化2】 [式中、R1、R2はそれぞれ独立に水酸基、置換基を有
    していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい
    アルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル
    基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有
    していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよ
    いアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルケニル
    オキシ基、置換基を有していてもよいアルキニルオキシ
    基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換
    基を有していてもよいアラルキルオキシ基、−NR34
    (式中、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、置換基を
    有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよ
    いアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル
    基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有
    していてもよいアラルキル基を表すか、または一緒にな
    って置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、該
    アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール
    基、アラルキル基およびアルキレン基を構成する炭素原
    子は一つ以上の窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素
    原子に置換されていてもよい。)を表し、m、nはそれ
    ぞれ独立に1〜6の整数を表す。]で示される請求項1
    記載のテトラデカエン誘導体またはその塩。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のテトラデカエン
    誘導体またはその塩と、該テトラデカエン誘導体に包接
    された分子とからなる包接化合物。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のテトラデカエン
    誘導体またはその塩と、該テトラデカエン誘導体に包接
    され得る分子とを接触させることを特徴とする請求項3
    記載の包接化合物の形成方法。
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