JP2002265085A - 給紙装置 - Google Patents

給紙装置

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JP2002265085A
JP2002265085A JP2002011484A JP2002011484A JP2002265085A JP 2002265085 A JP2002265085 A JP 2002265085A JP 2002011484 A JP2002011484 A JP 2002011484A JP 2002011484 A JP2002011484 A JP 2002011484A JP 2002265085 A JP2002265085 A JP 2002265085A
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hopper
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pressing force
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JP2002011484A
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Takao Araki
孝夫 荒木
Hiroshi Matsumoto
浩 松本
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙のサイズや紙質に関係なくどのような条
件の組合せであっても重送をより一層確実に防止できる
給紙装置の提供。 【解決手段】 用紙を積層搭載するホッパ3bと給紙の
ためのピックアップローラ6との間の押圧力、及び重送
防止のための分離ローラ7とリタードローラ8との間の
押圧力をそれぞれ同時に調整できるようにし、ホッパ3
bからの用紙の単票給紙を図るとともに分離ローラ7と
リタードローラ8とによる重送を規制し、ホッパ3b側
から重送分離までのパスの間での用紙の送りを最適化し
て重送を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばイメージ
スキャナ等の画像読取り装置における給紙装置に係り、
特に原稿の大きさや紙質が様々にが変わっても給紙及び
分離性能を調整して確実な重送防止が得られるようにし
た給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばイメージスキャナ等のような画
像読取り装置には、ホッパ上にセットした用紙をライン
に送り込むための給紙装置が備えられる。この給紙装置
は、積層されている用紙を上から1枚ずつ繰り出すとい
うもので、重なり合った用紙どうしの摩擦によって2枚
以上が送り出される重送の防止機構を備えたものが殆ど
である。このような重送防止機構を持つ給紙装置とし
て、たとえば特開平4−286558号公報に記載され
たものがある。
【0003】図7は従来の重送防止機構の典型的な例を
示す概略図であり、先の公報に開示されたものもほぼ同
様の構成を持つ。
【0004】図7において、読み取るための原稿や各種
の書類等の用紙Pを搭載してセットするためのホッパ5
1が読取りラインの基端に配置され、一番上の用紙Pの
表面に接触して回転しながら摩擦力によって用紙Pを繰
り出すピックアップローラ52が配置されている。ホッ
パ51はバネ51aによってピックアップローラ52側
に付勢され、用紙Pをピックアップローラ52に押し付
けてその周面との摩擦によって一番上の用紙Pだけを繰
り出せるようにしている。また、用紙Pの積層厚さが変
わってもピックアップローラ52に対する押圧力はバネ
51aによってほぼ一定に保持される。
【0005】ホッパ51の出側のラインには、用紙Pを
画像読取り位置に送るための、たとえば3段の搬送ロー
ラ53,54,55を配列し、ホッパ51から繰り出さ
れた用紙Pをニップして引き出しながら下流に搬送す
る。そして、ホッパ51と第1段の搬送ローラ53との
間には、用紙Pの重送防止機構として分離ローラ56と
リタードローラ57とを備えている。
【0006】これらの分離ローラ56とリタードローラ
57とによる重送防止は、画像読取り装置や複写装置等
の分野で広く知られているもので、リタードローラ57
はその駆動モータ(図示せず)によって図中の矢印方向
に回転する主軸57a周りにトルクリミッタ57bを介
装したものである。すなわち、トルクリミッタ57bを
備えることで、ピックアップローラ52から1枚の用紙
Pが繰り出されたときには、リタードローラ57は分離
ローラ56の回転トルクを受けて用紙Pの搬送方向に回
転する。そして、用紙Pが2枚重送されてニップされた
ときには、リタードローラ57は矢印方向に回転を保
ち、重送している下側の用紙Pをホッパ51側に押し戻
す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ホッパ51に載せる原
稿の用紙Pの大きさはさまざまであり、たとえば最大が
A3判で最小がB5判の範囲またはこれよりも小さいサ
イズの用紙にも対応できるようにすることが必要であ
る。このように用紙Pの大きさに対応させるとき、用紙
Pの搭載枚数を同じとした場合ではサイズの大きい用紙
Pのときにはホッパ51に加わる重量は大きく、サイズ
が小さいときには重量負荷は小さくなる。一方、バネ5
1aのバネ定数は固定されたものなので、用紙Pのサイ
ズが大きいときにはその重量負荷が大きいことからピッ
クアップローラ52への押圧力は弱くなり、サイズが小
さくなるほど押圧力は強くなる。
【0008】このように用紙Pのサイズによりピックア
ップローラ52への押圧力が変わる場合でも、ピックア
ップローラ52との間の摩擦力が適度に得られるように
しないと、用紙Pの繰出し自体ができない。このため、
最大のサイズの用紙Pを最大枚数ホッパ51に載せたと
きでも、用紙Pとピックアップローラ52との間に繰出
しに必要な摩擦力が確保できる程度にバネ51aのバネ
定数を設定しなければならない。
【0009】ところが、用紙Pのサイズが大きい場合で
は、先のようなバネ51aのバネ定数の設定によって、
ピックアップローラ52の周面との間の摩擦を利用した
繰出しが可能であるが、用紙Pのサイズが小さいときに
はその重量負荷も小さいので、バネ51aの付勢力が強
すぎることになる。したがって、ピックアップローラ5
2による用紙P側への押し付け反力も大きくなり、一番
上の用紙Pだけでなくその下のものにも摩擦力が大きく
作用してしまい、用紙Pどうしの重送を発生しやすい。
【0010】一方、用紙Pの重送が発生しても、ホッパ
51の直ぐ近くに配置された分離ローラ56とリタード
ローラ57とによって阻止され、下側に重なり合ってい
る用紙Pをリタードローラ57が押し戻すはずである。
しかしながら、バネ51aによる押し付けが強くてピッ
クアップローラ52の用紙Pへの圧下反力がリタードロ
ーラ57による戻し力を上回ると、重送された用紙の戻
しができなくなる。このため、重送されている下側の用
紙Pはピックアップローラ52によって給紙方向へ押さ
れると同時に、リタードローラ57による逆向きの戻し
力を受けることになる。したがって、ピックアップロー
ラ52とリタードローラ57との間で、用紙Pはジャム
を起こしてしまい、用紙Pの繰出しができなくなる。
【0011】また、用紙Pが重送状態にあるとき、用紙
Pどうしの滑り摩擦力に対してトルクリミッタ57bの
臨界設定トルクが大きいことが用紙Pの分離に必要な条
件である。たとえば、特に用紙Pが粗い紙質でその滑り
摩擦係数が大きい場合に、用紙Pどうしの滑り摩擦力が
トルクリミッタ57bの臨界設定トルクを上回ってしま
うと、リタードローラ57は給紙方向に回転することに
なり、用紙Pの分離ができずに重送が発生してしまう。
【0012】更に、分離ローラ56に対してリタードロ
ーラ57の位置が固定されていると、これらの間を通過
する用紙Pに対する押圧力はほぼ一定である。そして、
重送時の重なり合った用紙Pどうしの接触面の摩擦力は
分離ローラ56とリタードローラ57とによる押圧力の
大きさにほぼ比例する。したがって、たとえば用紙Pの
紙質が粗くて押圧力も強いという条件では、用紙Pどう
しの間の滑り摩擦力がトルクリミッタ57bの臨界設定
トルクを越えてしまいやすく、重送を引き起す結果とな
る。
【0013】以上のように、用紙Pの重送は、ピックア
ップローラ52への押し付け力と、分離ローラ56とリ
タードローラ57との間での用紙Pに対するニップ力と
がいずれも適性でない場合に発生する。そして、これら
の押し付け力とニップ力の相互の関係によっても重送を
引き起こす可能性は十分に高く、ピックアップローラ5
2に対する用紙Pの押し付け及び分離ローラ56とリタ
ードローラ57との間でのニップ力の両方を最適化しな
ければ、用紙Pの重送の原因は一掃されることはない。
【0014】本発明において解決すべき課題は、用紙の
サイズや紙質に関係なくどのような条件の組合せであっ
ても重送をより一層確実に防止できる給紙装置を提供す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の給紙装置は、給
紙される用紙のラインの始端に配置されるピックアップ
ローラと、前記ピックアップローラの下方に配置されそ
の上面に積層搭載する用紙の最上層の表面を前記ピック
アップローラの周面に突き当てる向きに移動操作可能な
ホッパと、前記ピックアップローラの下流であって前記
用紙のパスラインの上下にそれぞれ配置される重送防止
用の分離ローラとリタードローラとを備え、前記ホッパ
とピックアップローラとの間の押圧力及び前記分離ロー
ラとリタードローラとの間の押圧力のそれぞれを、前記
用紙の単票給紙の条件及び2枚以上の用紙の重送規制の
条件を満たす関係に設定可能としてなることを特徴とす
る。
【0016】また、前記ホッパとピックアップローラと
の間の押圧力及び前記分離ローラとリタードローラとの
間の押圧力のそれぞれを調整する押圧力調整手段を備
え、この押圧力調整手段によって用紙をホッパから単票
給紙するとともに重送を規制する構成とすることもでき
る。
【0017】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、給紙さ
れる用紙のラインの始端に配置されるピックアップロー
ラと、前記ピックアップローラの下方に配置されその上
面に積層搭載する用紙の最上層の表面を前記ピックアッ
プローラの周面に突き当てる向きに移動操作可能なホッ
パと、前記ピックアップローラの下流であって前記用紙
のパスラインの上下にそれぞれ配置される重送防止用の
分離ローラとリタードローラとを備え、前記ホッパとピ
ックアップローラとの間の押圧力及び前記分離ローラと
リタードローラとの間の押圧力のそれぞれを、前記用紙
の単票給紙の条件及び2枚以上の用紙の重送規制の条件
を満たす関係に設定可能としてなる給紙装置であり、ホ
ッパ上に搭載する用紙のサイズや紙質がさまざまであっ
ても、ホッパとピックアップローラとの間の押圧力及び
分離ローラとリタードローラとの間の押圧力を適正に調
整することで、用紙の重送を防止するという作用を有す
る。
【0018】請求項2に記載の発明は、給紙される用紙
のラインの始端に配置されるピックアップローラと、前
記ピックアップローラの下方に配置されその上面に積層
搭載する用紙の最上層の表面を前記ピックアップローラ
の周面に突き当てる向きに移動操作可能なホッパと、前
記ピックアップローラの下流であって前記用紙のパスラ
インの上下にそれぞれ配置される重送防止用の分離ロー
ラとリタードローラとを備え、前記ホッパとピックアッ
プローラとの間の押圧力及び前記分離ローラとリタード
ローラとの間の押圧力のそれぞれを調整する押圧力調整
手段を備えてなる給紙装置であり、ホッパ上に搭載する
用紙のサイズや紙質がさまざまであっても、押圧力調整
手段によってホッパからの単票給紙及び分離ローラとリ
タードローラとによる重送防止ができるように各種の用
紙に応じて調整できるという作用を有する。
【0019】請求項3に記載の発明は、前記押圧力調整
手段は、前記ホッパとピックアップローラとの間の押圧
力及び前記分離ローラとリタードローラとの間の押圧力
のそれぞれを、前記用紙の単票給紙の条件及び2枚以上
の用紙の重送規制の条件を満たす関係に同時に設定可能
としてなる請求項2記載の給紙装置であり、ホッパ上に
搭載する用紙のサイズや紙質がさまざまであっても、ホ
ッパとピックアップローラとの間の押圧力及び分離ロー
ラとリタードローラとの間の押圧力を適正に調整するこ
とで、用紙の重送を防止するという作用を有する。
【0020】以下、本発明の実施の形態について図面に
基づき説明する。図1は本発明の給紙装置を備えたイメ
ージスキャナの外観図である。
【0021】図1において、イメージスキャナは正面か
ら見て右側に操作部1aを立ち上げて設けたハウジング
1と、この操作部1aの左側に位置して上下に開閉でき
るように連接したサブハウジング2とを外郭材として備
え、ハウジング1の正面側であってサブハウジング2の
下に用紙等の原稿を搭載する給紙ユニット3を取り付け
ている。ハウジング1とサブハウジング2には、用紙の
搬送機構及び光学系による画像読取り装置を備え、給紙
ユニット3から繰り出された用紙から画像を読み取った
後、サブハウジング2の上面に形成した回収トレイ2a
に用紙が排出される。
【0022】給紙ユニット3はハウジング1に対して固
定されるフレーム3aとこのフレーム3aの中に含まれ
て用紙を搭載するためのホッパ3bとを備え、このホッ
パ3bには用紙のサイズに応じて互いの間の距離を変え
る一対のサイドガイド3cを配置したものである。そし
て、ホッパ3bはその先端側の両端をピン3dによって
フレーム3aに回転自在に枢着され、基端側を自由端と
して上下方向に回動できるようにしている。すなわち、
フレーム3aはハウジング1に対して図1に示す固定さ
れたままの姿勢に保たれるが、このフレーム3aの中で
ホッパ3bはその基端側が自由に上下できるようにハウ
ジング1に対してアセンブリされる。
【0023】図2はホッパ3bのハウジング1側への連
接構造をピックアップローラ及び重送防止機構とともに
示す要部の縦断面図、図3は図2の要部であって分離ロ
ーラを除いて示す平面図である。
【0024】ハウジング1内に固定した第1支軸4aの
周りに2本のア−ム5が回動自在に取り付けられ、これ
らのア−ム5の先端どうしの間を連結する保持軸5aに
ホッパ3bの基端側の底面を受載する支持ローラ5bを
回転自在に取り付けている。一方、ホッパ3bはその先
端をピン3dを介してフレーム3aに対して上下方向に
回転自在に連接されている。したがって、ア−ム5を図
2において一点鎖線の位置から実線で示す姿勢まで回動
させると、ホッパ3bの基端を受載している支持ローラ
5bが回転しながらホッパ3bを持ち上げる。また、ア
−ム5を反時計方向に回すと、ホッパ3bの基端側が下
がって図中の一点鎖線の姿勢に設定される。
【0025】サブハウジング2には、ホッパ3bの基端
側の上面に被さる位置にピックアップローラ6を配置す
るとともにホッパ3bから少し離れた位置に分離ローラ
7を設ける。これらのピックアップローラ6及び分離ロ
ーラ7はホッパ3bの幅方向の中央部分に1個ずつ配置
され、分離ローラ7に通した駆動軸7aが駆動モータ
(図示せず)の出力軸に連接されている。そして、分離
ローラ7とピックアップローラ6との間はたとえば歯車
列によって駆動系が連接され、これらの分離ローラ7及
びピックアップローラ6は同じ周速で回転する。
【0026】更に、分離ローラ7の下側にはホッパ3b
から繰り出される用紙のパスラインを挟んで下側に重送
防止用のリタードローラ8を配置する。このリタードロ
ーラ8はトルクリミッタを付帯したものであり、従来周
知のように、トルクリミッタの臨界設定トルク以下すな
わち用紙の重送があるときは、リタードローラ8は用紙
をホッパ3b側に押し戻す方向に回転を継続し、用紙の
重送がなく臨界設定トルク以上の負荷が加わるときには
給紙方向に逆回転する。
【0027】ここで、ホッパ3bはその上に搭載した用
紙の最上層のものがピックアップローラ6に接触してそ
の摩擦力によって繰り出されるようにするため、第1支
軸4a周りとア−ム5との間にトーションスプリング9
を介装する。このトーションスプリング9は捩じりコイ
ルバネを利用したものである。
【0028】トーションスプリング9は、図2に示すよ
うに、巻き線方向の両端をつる巻きの周面から接線方向
に突き出した2本のフック9a,9bを持たせたもの
で、一端側のフック9aをア−ム5に設けた係合孔5c
に差し込み、他端側のフック9bは自由端としている。
そして、この自由端となっているフック9bには、トー
ションスプリング9の弾性付勢力を調整するためのホッ
パ用カム10を接触させて配置している。
【0029】ホッパ用カム10はハウジング1の幅方向
に架設した調整軸11に固定されたもので、この調整軸
11の一端には図1に示すように調整ダイヤル11aを
取り付けてハウジング1の側面に臨ませている。ホッパ
用カム10の外郭は図2に示すように調整軸11に対し
て偏心した円状であり、フック9bをトーションスプリ
ング9の巻き方向に締め上げる方向に押しつけている。
そして、調整ダイヤル11aを回すことで、フック9b
に突き当たるホッパ用カム10の周面の位置を変え、こ
れによってトーションスプリング9の巻き方向の締め上
げ度を調整する。
【0030】一方、トーションスプリング9によるアー
ム5の上向きの回動付勢に対して、ア−ム5を下に押し
下げるための操作軸5dをハウジング1内に設ける。こ
の操作軸5dは第1支軸4aと平行な軸線として配置さ
れるとともにハウジング1の内部に配置した駆動モータ
(図示せず)によって回駆可能としたものである。そし
て、操作軸5dの軸線方向の両端には図3に示すように
一対のアーム5のそれぞれに対向する円板状のフランジ
5eを設け、これらのフランジ5eにはその回転姿勢に
よってア−ム5の上面に突き当たるボス5fを備えてい
る。
【0031】このような操作軸5dを備えることによっ
て、図2において実線で示すボス5fはア−ム5上面か
ら離れていて、ア−ム5の下向きへの拘束はなく、ア−
ム5はトーションスプリング9の付勢力によって第1支
軸4a周りに時計方向に回動し、ホッパ3bの基端の上
面をピックアップローラ6に最も接近させる。一方、駆
動モータによって操作軸5dを回転させると、ボス5f
がア−ム5の上面に突き当たるようになり、ア−ム5は
このボス5fによって下に押される。そして、ボス5f
が最も下まで回動して移動したときに、アーム5はほぼ
水平となり、ホッパ3bは図2において一点鎖線で示す
傾斜した姿勢を取る。
【0032】リタードローラ8はハウジング1内に配置
され第1支軸4aと平行に配置された第2支軸4bの周
りに回転自在に連接したベース12に支持されたもの
で、ベース12のリム12aに設けた軸受12bに支持
された主軸8aとこの主軸8aとの間に介装して連接し
たトルクリミッタ8bとから構成されたものである。そ
して、主軸8aにはリタードローラ8を回転駆動するた
めのモータ(図示せず)に連接するための伝達軸8cを
可撓接手8dによって連結している。この可撓接手8d
は、たとえば合成樹脂を用いたチューブ状のものであ
り、その位置を固定された伝達軸8cに対して主軸8a
が上下に位置変動してもこれに追従して回転を伝達す
る。
【0033】ベース12の一端側にはハウジング1の底
部側との間に介装した引張りのコイルスプリング12c
を連接し、このコイルスプリング12cによってベース
12は図2において第2支軸4bの周りに時計方向に付
勢される。したがって、リタードローラ8はコイルスプ
リング12cの引張り力に相当する一定の押圧力で分離
ローラ7に押し付けられた状態に保持される。
【0034】リタードローラ8と主軸8aとの間に連接
するトルクリミッタ8bの機能は従来例で説明したとお
りであり、主軸8aは図2において常に反時計方向に回
転している。そして、トルクリミッタ8bの臨界設定ト
ルク以下すなわち用紙の重送があるときは、リタードロ
ーラ8は主軸8aと一体に回転して用紙をホッパ3b側
に押し戻し、用紙の重送がなく臨界設定トルク以上の負
荷が加わるときには図2において時計方向に逆回転す
る。
【0035】リタードローラ8を保持したベース12に
は第2支軸4b周りに外挿した2個のねじりコイルバネ
のトーションスプリング13を連接し、これらのトーシ
ョンスプリング13によってベース12を図2において
時計方向に付勢する。トーションスプリング13は、第
1支軸4a周りに設けるトーションスプリング9と同様
に2本のフック13a,13bを持ち、一端側のフック
13aを図2に示すようにベース12のリム12aに開
けた係合孔12a−1に差し込み、他端側のフック13
bは自由端としている。そして、この自由端となってい
るフック13bには、トーションスプリング13の勢力
を調整するための分離用カム14を接触させて配置して
いる。
【0036】分離用カム14は調整軸11と平行に配置
されてその軸線周りに回転自在とした回転支軸15に固
定されたもので、その外郭は回転支軸15に対して偏心
したほぼ長円状であり、フック13bをトーションスプ
リング13の巻き方向に締め上げる向きに押し付けてい
る。そして、調整軸11と回転支軸15には図4に示す
ように平歯の歯車16a,16bを取り付けるとともに
これらの間に中間歯16cを介装し、調整ダイヤル11
aを回転操作したときに調整軸11の回転と同時に回転
支軸15を同じ向きに回せるようにする。したがって、
調整ダイヤル11aを操作するとフック13bに突き当
たる分離用カム14の姿勢が変わり、トーションスプリ
ング13の巻き方向の締め上げ度が調節される。
【0037】図5はホッパ用カム10及び分離用カム1
4の姿勢による、トーションスプリング9,13の付勢
力の調整を説明するための概略図である。
【0038】同図の(a)はホッパ3bのピックアップ
ローラ6に対する押圧力及びリタードローラ8の分離ロ
ーラ7への押圧力がそれぞれ最大に設定された状態であ
り、ホッパ用カム10と分離用カム14はいずれも調整
軸11及び回転支軸15の回転中心に対して最も離れた
外周面がトーションスプリング9,13のフック9b,
13bに突き当たっている。このとき、トーションスプ
リング9,13の調整軸11及び回転支軸15周りの巻
き方向の締め上げ度は最大となり、アーム5及びベース
12はそれぞれ第1,第2支軸4a,4bの周りの時計
方向に強く付勢されることになる。
【0039】同図の(b)は、同図の(a)の最大に設
定した状態から調整ダイヤル11aによって調整軸11
を図において反時計方向に回して、ホッパ3b及びリタ
ードローラ8の押圧力を最小に設定した状態である。こ
の状態では、ホッパ用カム10及び分離用カム14はそ
れぞ偏心量が短くなる周面がフック9b,13bに突き
当たり、トーションスプリング9,13の巻き方向の締
め上げ度は小さくなり、ホッパ3bのピックアップロー
ラ6に対する押圧力及びリタードローラ8の分離ローラ
7への押圧力はともに緩められる。
【0040】このように調整ダイヤル11aを回転操作
すると、調整軸11に連動して回転支軸15が同じ方向
に回転するので、トーションスプリング9,13による
ホッパ3b及びリタードローラ8に設定される押圧力を
同時に変えることができる。そして、この押圧力の調整
では、ホッパ3b側及びリタードローラ8側のそれぞれ
の押圧力が共に緩むか強められるかのいずれかであり、
トーションスプリング9,13の付勢力は無段階に調整
される。
【0041】以上の構成において、ピックアップローラ
6及び分離ローラ7が回転駆動されると、従来例と同様
に、ホッパ3b上に搭載された最上層の用紙がピックア
ップローラ6との摩擦によって繰り出される。そして、
分離ローラ7とリタードローラ8がペアを組み、先に説
明したように、トルクリミッタ8bの機能によって用紙
の搬送または重送分の押し戻しが行われる。
【0042】ここで、ホッパ3bから用紙を給紙すると
き、ピックアップローラ6に対する用紙の押し付け力が
強過ぎると、用紙が重送状態で繰り出されやすいだけで
なく、リタードローラ8による重送防止機能も損なわれ
ることは既に説明した。また、特に用紙の紙質毎に摩擦
係数が異なるので、トルクリミッタ8bの臨界設定トル
クが適正に作用するように分離ローラ7とリタードロー
ラ8どうしの間のニップ力すなわち両者の間の押圧力を
設定しなければならない。
【0043】これに対し、本発明では、図5で説明した
ように、調整ダイヤル11aを回転操作すれば、ホッパ
用カム10,分離用カム14の姿勢を同時に変えてホッ
パ3bとピックアップローラ6との間及び分離ローラ7
とリタードローラ8との間の押圧力を調節できる。そし
て、この調節において、ピックアップローラ6による給
紙から分離ローラ7とリタードローラ8による用紙の分
離機能を最適化するためには、次のような条件を満たせ
ばよい。
【0044】ここで、分離ローラ7とリタードローラ8
とによって用紙Pの分離機能を正しく動作させるための
条件は次のとおりであり、図6を用いて説明する。以下
の条件式において、Pr:リタードローラ8の押圧力,
T:トルクリミッタ8bの臨界設定トルク,r:リター
ドローラ8の半径,μ0:分離ローラ7とリタードロー
ラ8との間の摩擦係数,m:用紙P1枚の質量とする。
このとき、T,r,μ 0,mは定数である。
【0045】(1)分離ローラ7とリタードローラ8と
の間に用紙Pが無いとき:リタードローラ8は分離ロー
ラ7と接触して連れ回り、すなわち図6の(a)におい
て実線で示す方向とは反対の反時計方向に回転する。こ
のための条件は、分離ローラ7とリタードローラ8との
接触による搬送力をFとするときF=μ0・Pr>T/
rである。よって、次の式(1)を得る。
【0046】 Pr>(1/μ0)×(T/r)・・・・(1) (2)分離ローラ7とリタードローラ8との間に用紙P
が1枚だけあるとき:分離ローラ7と用紙Pとの間には
スリップがなくて用紙Pに送りを与え、同時にリタード
ローラ8と用紙Pとの間にはスリップがなく用紙Pの送
りのためにリタードローラ8は分離ローラ7と連れ回り
する。このための条件は、リタードローラ8と用紙Pと
の間の摩擦係数をμ2とするとき、μ2・Pr>T/rで
ある。よって、次の式(2)を得る。
【0047】 Pr>(1/μ2)×(T/r)・・・・(2) そして、分離ローラ7は用紙Pを搬送できるための搬送
力の条件として、F1:分離ローラ7の搬送力,Fp:
ピックアップローラ6の搬送力,F2:リタードローラ
8の戻し力,F3:ホッパ3bの押圧力による用紙Pど
うしの間の摩擦力,F4:1枚目の用紙Pの自重による
用紙Pどうしの間の摩擦力とするとき、図6の(b)か
ら次式が得られる。
【0048】F1+Fp>F2+F3+F4 ここで、μ1:分離ローラ7と用紙Pとの摩擦係数 μ4:ピックアップローラ6と用紙Pとの摩擦係数 μp:用紙Pどうしの間の摩擦係数 m :用紙P1枚の自重 Pp:ホッパ3bの押圧力 とすると、上記の不等式は次の式(3)として書き換え
られる。
【0049】 Pr>(1/μ1)×(T/r)+ (1/μ1)×{(μp−μ4)×Pp+μp×m}・・(3) (3)分離ローラ7とリタードローラ8との間に用紙P
が2枚あるとき:用紙Pどうしの間に働く摩擦力に逆ら
ってリタードローラ8によってこれに接触している用紙
Pをホッパ3b側に戻す。このための条件は、F5:分
離ローラ7の押圧力による用紙P間の摩擦力,F6:ホ
ッパ3bの押圧力による用紙P間の摩擦力,F7:1枚
目の用紙Pの自重による用紙P間の摩擦力,F8:リタ
ードローラ8の戻し力,F9:ホッパ3bの押圧力によ
る用紙P間の摩擦力,F10:1〜2枚目の用紙Pの自重
による用紙P間の摩擦力とするとき、図6の(c)から
次式が得られる。
【0050】F8>F5+F6+F7+F8+F9+F10 そして、式(3)で導入したPr,μp,Pp,mを用
いてこの式を書き換えると、次の式(4)が得られる。
【0051】 Pr<(1/μp)×(T/r)−(2×Pp+3×m)・・・(4) 以上の各条件式から、リタードローラ8の分離ローラ7
への押圧力Prは、式(1)または式(2)のいずれか
大きいほうを下限値として決められる。また、式(3)
と式(4)はPrとPpを変数とする不等式なので、こ
れらの式(3),(4)にトルクリミッタ8bの臨界設
定トルクや使用する用紙Pの摩擦係数等の数値を代入す
ることによって、PrとPpとの間の大小の関係が決ま
る。そして、先に式(1)または式(2)によって特定
されるPrの下限値以上の値を特定してしまえば、Pp
はこのPrとの大小関係の範囲で最大となる値を最適値
としてとる。
【0052】このように、ピックアップローラ6による
用紙の給紙から分離ローラ7とリタードローラ8とによ
る用紙の分離について最適化できる条件は、リタードロ
ーラ8の押圧力Prとホッパ3bの押圧力Ppとして表
せる。そして、これらの押圧力Pr,Ppはそれぞれト
ーションスプリング13,9の付勢力によって決まるの
で、この付勢力を調整する分離用カム14とホッパ用カ
ム10を回動操作することで、給紙と用紙の分離機能に
ついての最適化が可能となる。
【0053】ここで、ホッパ用カム10と分離用カム1
4は調整ダイヤル11aによって同時に回転してその姿
勢を変えるが、Pr,Ppについて先の条件を満たすよ
うに各部材がそれぞれの作用を果たすような構成とすれ
ばよい。すなわち、ホッパ用カム10と分離用カム14
によるトーションスプリング9,13の付勢力は、ホッ
パ用及び分離用のカム10,14の周面の形状及びその
回転方向と回転角度,トーションスプリング9,13の
バネ定数,歯車16a〜16cのそれぞれの歯数比等の
各要素によってさまざまに変えて調節できる。したがっ
て、用紙の最大,最小の搭載重量や紙質ごとの摩擦係数
を予め予測した設計条件としさえすれば、給紙と用紙分
離に最適なPrとPpの条件を満たす給紙装置が得られ
る。
【0054】たとえば、用紙のサイズが大きい場合に
は、ホッパ3bへの搭載負荷も大きくなるので、このホ
ッパ3bをピン3d周りに押し下げる力が強い。したが
って、この押し下げ力に対抗してホッパ3bを上向きに
付勢しピックアップローラ6への押圧力を補償するた
め、ホッパ用カム10を図5の(a)の姿勢としてトー
ションスプリング9の付勢力を大きく設定する。これに
より、用紙の搭載負荷が大きくても、トーションスプリ
ング9の付勢力がア−ム5を介してホッパ3bに伝わ
り、このホッパ3b上の用紙を適度な押圧力でピックア
ップローラ6に突き当てることができる。逆に、用紙の
サイズが小さくてその搭載負荷も軽いときには、図5の
(b)のようにホッパ用カム10を回転させれば、トー
ションスプリング9の付勢力は低減される。したがっ
て、大判の用紙から小さい用紙に交換するとき、図5の
(a)のままのホッパ用カム10の姿勢では付勢力が過
大になるのに対し、小さい用紙の搭載負荷に見合った付
勢力が得られる。
【0055】また、ホッパ3bの押圧力の調節と同時に
リタードローラ8の分離ローラ7に対する押圧力も同時
に最適化される。この押圧力の調節は主として用紙の紙
質に基づく摩擦係数の相違による重送を防止することを
目的としたものであるから、使用する用紙の大きさと紙
質の関係に対応するように分離用カム14がその機能を
果たせるようにしておけば、用紙の重送を確実に防止で
きる。
【0056】このように、本発明では、用紙のサイズに
よる重量差や紙質による摩擦係数の相違があっても、各
種の用紙のそれぞれに対応できるようにホッパ用カム1
0と分離用カム14をそれぞれトーションスプリング
9,13に対して回転姿勢を調節することで、良好な給
紙と重送の防止とが可能となる。
【0057】
【発明の効果】本発明では、用紙のサイズや紙質が様々
に変わっても、ホッパとピックアップローラとの間の押
圧力を確実な給紙ができるように調整するとともに、分
離ローラとリタードローラとの間の押圧力も用紙の重送
を規制するように調整できるので、用紙の種類に関係な
く確実な単票給紙と重送防止が可能となる。また、ホッ
パとピックアップローラとの間及び分離ローラとリター
ドローラとの間のそれぞれ押圧力を同時に設定できるよ
うにすると、用紙毎の調整作業も簡単に済み、汎用機と
して最適利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給紙装置を備えるイメージスキャナの
外観斜視図
【図2】給紙装置の要部を示す縦断面図
【図3】図2の要部であって分離ローラを除いて示す平
面図
【図4】調整軸と回転支軸との間の歯車列による連接を
示す概略図
【図5】ホッパ用カム及び分離用カムによるトーション
スプリングの付勢力の設定を示す図であって、同図の
(a)は付勢力を最大にしたとき、同図の(b)は付勢
力を最小にしたときを示す図
【図6】ホッパのピックアップローラに対する押圧力及
びリタードローラの分離ローラの押圧力の最適条件を見
い出すための説明図
【図7】従来例の要部を示す概略図
【符号の説明】 1 ハウジング 1a 操作部 2 サブハウジング 2a 回収トレイ 3 給紙ユニット 3a フレーム 3b ホッパ 3c サイドガイド 3d ピン 4a 第1支軸 4b 第2支軸 5 ア−ム 5a 保持軸 5b 支持ローラ 5c 係合孔 5d 操作軸 5e フランジ 5f ボス 6 ピックアップローラ 7 分離ローラ 7a 駆動軸 8 リタードローラ 8a 主軸 8b トルクリミッタ 8c 伝達軸 8d 可撓接手 9 トーションスプリング 9a,9b フック 10 ホッパ用カム 11 調整軸 11a 調整ダイヤル 12 ベース 12a リム 12a−1 係合孔 12b 軸受 12c コイルスプリング 13 トーションスプリング 13a,13b フック 14 分離用カム 15 回転支軸 16a,16b 歯車 16c 中間歯
フロントページの続き Fターム(参考) 3F343 FA03 FB02 FB03 FC01 FC03 GA01 GB01 GC01 GD01 HD09 HD10 JA01 JD09 JD33 KB04 KB05 LA02 LA03 LB08 LC06 LC07 LD04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】給紙される用紙のラインの始端に配置され
    るピックアップローラと、前記ピックアップローラの下
    方に配置されその上面に積層搭載する用紙の最上層の表
    面を前記ピックアップローラの周面に突き当てる向きに
    移動操作可能なホッパと、前記ピックアップローラの下
    流であって前記用紙のパスラインの上下にそれぞれ配置
    される重送防止用の分離ローラとリタードローラとを備
    え、前記ホッパとピックアップローラとの間の押圧力及
    び前記分離ローラとリタードローラとの間の押圧力のそ
    れぞれを、前記用紙の単票給紙の条件及び2枚以上の用
    紙の重送規制の条件を満たす関係に設定可能としてなる
    給紙装置。
  2. 【請求項2】給紙される用紙のラインの始端に配置され
    るピックアップローラと、前記ピックアップローラの下
    方に配置されその上面に積層搭載する用紙の最上層の表
    面を前記ピックアップローラの周面に突き当てる向きに
    移動操作可能なホッパと、前記ピックアップローラの下
    流であって前記用紙のパスラインの上下にそれぞれ配置
    される重送防止用の分離ローラとリタードローラとを備
    え、前記ホッパとピックアップローラとの間の押圧力及
    び前記分離ローラとリタードローラとの間の押圧力のそ
    れぞれを調整する押圧力調整手段を備えてなる給紙装
    置。
  3. 【請求項3】前記押圧力調整手段は、前記ホッパとピッ
    クアップローラとの間の押圧力及び前記分離ローラとリ
    タードローラとの間の押圧力のそれぞれを、前記用紙の
    単票給紙の条件及び2枚以上の用紙の重送規制の条件を
    満たす関係に同時に設定可能としてなる請求項2記載の
    給紙装置。
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