JP2002264487A - インクジェットプリンタ出力用ペーパークラフト用紙及びそれを用いたペーパークラフト作製方法 - Google Patents

インクジェットプリンタ出力用ペーパークラフト用紙及びそれを用いたペーパークラフト作製方法

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JP2002264487A
JP2002264487A JP2001071648A JP2001071648A JP2002264487A JP 2002264487 A JP2002264487 A JP 2002264487A JP 2001071648 A JP2001071648 A JP 2001071648A JP 2001071648 A JP2001071648 A JP 2001071648A JP 2002264487 A JP2002264487 A JP 2002264487A
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Yuji Takagami
裕二 高上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、糊付けが不要で、簡便にしか
も高品質なペーパークラフトが得られる、コンピュータ
上で作製したペーパークラフトのデザインをプリンタか
ら出力するペーパークラフト用紙及びそれを用いたペー
パークラフトの作製方法を提供する。 【解決手段】少なくともその最表層が実質的に熱可塑性
有機高分子微粒子からなる第一のインク受容層と、支持
体を挟んで裏側に粘着層及び剥離層及び第二のインク受
容層を順に設けてなるペーパークラフト用紙の、第一の
インク受容層にペーパークラフトデザインを印字し、第
二のインク受容層には、第一のインク受容層に印字した
ペーパークラフトデザインに対応する少なくとも糊しろ
部分を含む作製情報を印字し、少なくとも第一のインク
受容層の印字後に該熱可塑性有機高分子微粒子からなる
層を溶解または融解して、該熱可塑性有機高分子微粒子
が融着した層とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータから
の画像データを用いたインクジェットプリンタ出力用の
ペーパークラフト用紙およびそれを用いたペーパークラ
フトの作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ペーパークラフトは、シート状の厚紙か
ら所望の形状に切り抜き、張り合わせ、切り目差し込み
等の工作により立体的な例えば、電車、自動車等の模型
を作製するものである。近年パーソナルコンピュータの
普及により、形状や彩色等のデザインをコンピュータ上
で処理しプリンタで出力して作製することが容易に行え
るようになって来た。さらにインターネットの発達に伴
い、このようなペーパークラフトのデザインをWeb上
に掲載されていることが多く、手軽に所望のデザインを
家庭のコンピュータにダウンロードし、プリンタで出力
して作製することが行われている。
【0003】このような用途では、従来から坪量100
g/m2以上の普通紙の厚紙が多く使われてきたが、最
近普及しているプリンタ、特に手軽に高精細なフルカラ
ー画像が出力できるインクジェットプリンタではインク
の吸収性が悪く、また滲みも激しく、良好な画像を得る
ことが難しい。
【0004】そのためインクジェット専用紙を用いるこ
とも行われているが、糊付けを行う場合にはプリンタ印
字面に糊を付けることで専用紙の表面の加工状況によっ
てはうまく接着しないかあるいは一時的に接着したとし
ても極めて接着力が弱く経時で剥がれる場合もあった。
また糊が糊しろから印字画像部に逸脱して印字された画
像を悪化させる場合があった。
【0005】あるいは印字面裏面に接着層を有する例え
ばラベル用途のインクジェット専用紙を用いることもで
きるが、糊付けの煩雑さは解消されるものの、接着する
際には、糊しろ部分を明確に規定して剥離紙を剥がず必
要があり、表面の印字から相当する糊しろ部分を決定す
るため、何度も表裏を反転させて確認する作業が必要と
なり効率は良くなかった。
【0006】一方、ペーパークラフトを組立る際に紙厚
がある場合に一般に、仕上がりの綺麗さと共に折り曲げ
易くするため、ナイフで弱く紙の表面を切る手法が用い
られている。ところがインクジェット専用紙のインク受
容層は傷はもちろんのこと、折り曲げにも弱く、上述の
如くナイフ傷を入れた場合には亀裂の発生や層の剥離が
生じて印字された画像の品質が低下し、ペーパークラフ
トとしての価値、質感を著しく損ねる恐れがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、糊付
けが不要で、簡便にしかも高品質なペーパークラフトが
得られる、コンピュータ上で作製したペーパークラフト
のデザインをプリンタから出力するペーパークラフト用
紙及びそれを用いたペーパークラフトの作製方法を提供
することにある。特に折り曲げ部分についても強度を有
するペーパークラフト用紙及びそれを用いたペーパーク
ラフトの作製方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、以下の発明を見出
した。
【0009】第1の発明は、少なくともその最表層が実
質的に熱可塑性有機高分子微粒子からなる第一のインク
受容層と、支持体を挟んで裏側に粘着層及び剥離層及び
第二のインク受容層を順に設けてなることを特徴とする
インクジェットプリンタ出力用ペーパークラフト用紙で
ある。
【0010】第2の発明は、少なくともその最表層が実
質的に熱可塑性有機高分子微粒子からなる第一のインク
受容層と、支持体を挟んで裏側に粘着層及び剥離層及び
第二のインク受容層を順に設けてなるペーパークラフト
用紙の、第一のインク受容層にペーパークラフトデザイ
ンを印字し、第二のインク受容層には、第一のインク受
容層に印字したペーパークラフトデザインに対応する少
なくとも糊しろ部分を含む作製情報を印字し、少なくと
も第一のインク受容層の印字後に該熱可塑性有機高分子
微粒子からなる層を溶解または融解して、該熱可塑性有
機高分子微粒子が融着した層とすることを特徴とたペー
パークラフト作製方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のペーパークラフト用紙及
びそれを用いたペーパークラフト作製方法は、表面プリ
ンタ印字適性を有し、裏面側に粘着層及び剥離層があり
必要な部分の剥離層を剥離することで別途糊付けなしに
張り合わせることができ、また剥離層外面に第二のイン
ク受容層を有しており、裏面も良好な画像をプリンタ印
字することができるものであり、さらに第一のインク受
容層の印字後に熱可塑性有機高分子微粒子を融着するこ
とで、表面に樹脂皮膜が形成され、折り曲げに伴うイン
ク受容層の剥離や脱落、亀裂等の画像に対する悪影響を
防止できると共に作成したペーパークラフトの強度も増
加するものである。
【0012】さらには、裏面に糊しろやデザインの形状
を表面と相対して印字することで、裁断や糊しろ部分の
剥離紙の剥離が極めて簡便に行うことができる。また裏
面であるので、折り方や作製時における注意事項を記載
できるため、作製の効率向上や出来映えが良化するもの
である。以下、図面を使って、本発明の実施の形態をさ
らに説明する。
【0013】図1は本発明のペーパークラフト用紙の一
例を表す断面概略図である。構成としては、支持体1上
に第一のインク受容層2、及びその最表層に熱可塑性有
機高分子微粒子層21、支持体1を挟んで裏側に粘着層
3、剥離層4及び第二のインク受容層5から成ってい
る。
【0014】次に、本発明の作製方法の一例について説
明する。図2は本発明のペーパークラフト用紙をインク
ジェットプリンタによってペーパークラフトデザインが
印字された表裏の状態を示す概略図である。表面(熱可
塑性有機高分子微粒子層面)にはコンピュータ上でデザ
インされたペーパークラフトデザインの電子データに従
ってインクジェットプリンタから印字を行う。次いで裏
面(第二のインク受容層面)には、表面の電子データか
ら抽出した糊しろ位置枠と外形の縁取り線が表裏で重な
るように印字され、さらに折り線についてそれぞれ山折
り、谷折りについての作製情報が記載される。次に、こ
の用紙を例えば熱ラミネーターやホットプレス機等によ
り150℃前後に加熱して最表層の熱可塑性有機高分子
微粒子層を融着させる。その後に上述の作製情報に従っ
て、糊しろ部分の剥離層と第二のプリンタ印字層を剥離
し、折り線に従って折って行き、目的のペーパークラフ
トを作製する。
【0015】本発明に於ける作製情報とは、シート状の
用紙にペーパークラフトデザインが出力された状態から
切り抜き、折り曲げ、糊付け、挟み込み等の工作手段に
よって立体造形するにあたって、各工作位置及び順序や
方法詳細、作業上の注意事項などを線や文字情報等で記
載したもので、作業効率の向上を意図するものである。
【0016】本発明に於けるインク受容層は、コンピュ
ータに接続されたインクジェット方式のプリンタから吐
出されるインク中の溶媒や色材を浸透させたり、透過さ
せたり、あるいは吸着、吸収又は保持するような空隙を
構成する主として無機或は有機の微粒子とバインダーか
らなる層を指す。更にインク受容層が1層の場合はその
層が、多層の場合はその最表層が、実質的に熱可塑性有
機高分子微粒子とバインダーからなる。
【0017】インク受容層に用いられる無機微粒子とし
ては、例えば合成シリカ(コロイダルシリカ、湿式法非
晶質シリカ、気相法非晶質シリカ)、アルミナ(気相法
アルミナ、γアルミナ)或いはアルミナ水和物(アルミ
ナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム
酸化物又はその水和物、擬ベーマイト等)等の、超微粒
の一次粒子或いはこれらが凝集した粒子径0.01μm
〜20μmの二次粒子が塗工層を形成したとき一次粒子
間あるいは二次粒子間の空隙が多数形成されて多孔性と
なるものが挙げられる。これらの無機微粒子を1種以上
用いることができるし、さらに他の無機顔料も併用する
ことが出来る。
【0018】無機顔料としては、従来公知の各種顔料を
用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重
質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タル
ク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化
亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アル
ミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシ
ウム、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加
水ハロイサイト、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔
料が挙げられる。
【0019】また、上述の無機微粒子や無機顔料を結着
するために、バインダーを用いることが望ましい。用い
られるバインダーとしては、酸化澱粉、エーテル化澱
粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど
のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、
ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポリビニルピ
ロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン
共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体
などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エ
ステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重
合体などのアクリル系重合体などのアクリル系重合体ラ
テックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系
重合体ラテックス、或はこれら各種重合体のカルボキシ
基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテ
ックス、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂
などの水性接着剤、ポリメチルメタクリレートなどのア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体また
は共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニ
ルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂系接着剤
などを挙げることができる。
【0020】バインダーの配合量としては、無機微粒子
及び必要ならその他の顔料との総和100重量部に対し
て、3〜70重量部、好ましくは、5〜50重量部であ
る。更に、インク受容層には、添加剤として、染料定着
剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡
剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙
力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合することもで
きる。
【0021】特に、水性インクの染料分である水溶性直
接染料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基などと不溶な塩を形成する2級アミン、
3級アミン、4級アンモニウム塩からなるカチオン性染
料定着剤を配合すると、インク受容層にて染料が捕獲さ
れるために、色彩性の向上や不溶な塩の形成により水の
滴下や吸湿によるインクの流れだしや滲みだしを抑制す
るので好ましい。
【0022】また、本発明に使用出来る熱可塑性有機高
分子微粒子の組成としては、例えばポリスチレン、ポリ
メチルスチレン、ポリメトキシスチレン、ポリクロルス
チレン等のポリモノビニリデン芳香族、ポリ塩化ビニ
ル、ポリビニル−シクロヘキサン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニリデン等のポリオレフィン及
びポリハロオレフィン類、ポリメタクリレート、ポリク
ロルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のα、
β−エチレン性不飽和酸のエステル類の重合体等及びこ
れらの共重合体等が挙げられる。
【0023】熱可塑性有機高分子微粒子は、例えば一種
またはそれ以上のビニル単量体からエマルジョン重合し
てつくった、スラリー状のプラスチックピグメントやラ
テックス、及びその乾燥物や固体状のプラスチックを各
種手段によって粉砕した微粉末や微粒状に成型した粉末
等として得られる。これら熱可塑性有機高分子微粒子の
大きさとしては通常直径0.01μm〜50μmが好ま
しく、0.01μmより小さいと形成される空隙が小さ
くなりすぎ、インクの吸収性を遅くするため好ましくな
い。また50μmより大きいと、インクのドットより大
きな面積を占める粒子が表面に存在することになり、画
質が低下するので好ましくない。
【0024】最表層の実質的に熱可塑性有機高分子微粒
子とバインダーからなる層は塗工量(乾燥固形分)とし
て、0.5g/m2〜50g/m2が好ましい。又該層の
下に別のインク受容層を設ける場合には、その塗工量
(乾燥固形分)として、0.5g/m2〜50g/m2
好ましい。
【0025】本発明において用いられる支持体として
は、透明な支持体も不透明な支持体も用いることができ
る。透明な支持体としては、従来公知のものがいずれも
使用でき、例えばポリエステル樹脂、ジアセテート樹
脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハ
ン、セルロイド等のフィルム等が挙げられる。不透明な
支持体としては、紙、塗工紙、合成紙、樹脂被覆紙、顔
料入り不透明フィルム、発泡フィルム等の従来公知のも
のがいずれも使用できる。これら支持体の厚みとして
は、ペーパークラフトとしての強度や質感から、素材の
剛性にもよるが50〜300μmの範囲であることが好
ましい。また支持体表面にプリンタ印字層や粘着層を塗
設する場合に塗設しやすいように、易接着処理や表面加
工することも出来る。さらに粘着層を設ける側では粘着
剤に含まれる可塑剤の浸透による影響を避けるために樹
脂フィルムによる被覆を行うことも出来る。
【0026】本発明において用いられる粘着層は、アク
リル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン
−酢酸ビニル供重合体等の樹脂を主体とする公知の粘着
剤を用いて、支持体に塗設することで形成することが出
来る。あるいは剥離層上に塗布して支持体と張り合わせ
て形成しても良い。また粘着層の厚みは0.5〜10μ
mの範囲であれば良い。
【0027】本発明において用いられる剥離層は、紙等
の基材にフッ素化合物及びシリコン化合物のような撥水
撥油性の物質を含浸または塗布し作製したものや、ポリ
エチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂による被覆紙やフ
ッ素樹脂及びシリコン樹脂の薄いフィルム状に形成した
ものを用いることができるが、片面に第二のプリンタ印
字層を設けるため、片面は上記インク受容層等の塗液を
容易に塗設できるように易接着面であることが望まし
い。例えば片側のみポリエチレンで被覆したラミネート
紙等が好ましく用いることが出来る。また剥離層の厚み
は特に規定されないが、ペーパークラフトとしての形成
のしやすさ等を考慮して10〜100μmの範囲が好ま
しい。
【0028】本発明のペーパークラフト用紙は、少なく
ともインクジェットプリンタでの印字後に、最表層の熱
可塑性有機高分子微粒子を、溶解、又は融解して被膜化
させる工程が必要である。印字後直ちに行っても良い
し、あるいはペーパークラフトとして組立た後に被膜化
させることも出来る。
【0029】最表層を被膜化する方法としては、熱可塑
性有機高分子の溶媒を付与して溶解させたり、熱を加え
て融解被膜化する方法等がある。熱を加えるに際して熱
可塑性有機高分子の軟化点を下げる物質、特に可塑剤を
あらかじめ付与してから加熱することは被膜形成に有利
である。
【0030】更に、通常熱可塑性有機高分子に使われる
ような紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、光安定剤等
を付与することは、形成された熱可塑性有機高分子被膜
の劣化を防ぎ、更にインクジェット画像の染料の耐光性
を向上させるために望ましい。
【0031】
【実施例】以下本発明を実施例により詳説するが、本発
明はその趣旨を逸脱しない限り、下記実施例に限定され
るものではない。
【0032】実施例1 支持体として広葉樹漂白クラフトパルプを主体とする坪
量177g/m2の紙を用いて、プリンタ印字層組成物
として、BET比表面積270g/m2の合成非晶質シ
リカ(ファインシールX−37B:トクヤマ社製)50
部、アルミナゾル(アルミナゾル−520:日産化学工
業製)30部、ポリビニルアルコール(PVA117:
クラレ製)30部、カチオン性染料定着剤(スミレッズ
レジン1001:住友化学製)20部に水を加えてから
なる塗工液を調製し、バーコーターにより乾燥塗工量1
5g/m2になるように第一のインク受容層を塗設し
た。次いでこの上に、熱可塑性有機高分子微粒子の水分
散物であるポリオレフィン系ラテックス(ケミパールM
200:三井化学社製)25部(固形分)、ポリビニル
ピロリドン3.0部からなる固形分約30%の塗工液を
カーテンコータにより乾燥塗工量5g/m2になるよう
に塗設した。
【0033】次に片面ポリエチレンラミネート紙の非ラ
ミネート面に、コロイダルシリカ(日産化学製スノーテ
ックス20)100部とポリビニルアルコール(クラレ
PVA117)10部を均一に混合して塗工液を調整
し、バーコーターにより乾燥塗布量が10g/m2とな
るように第二のインク受容層を塗設した。
【0034】引き続いて、上記ラミネート紙のラミネー
ト面に酢酸ビニルを主体とする粘着剤を塗布し、前述の
支持体の第一のインク受容層とは逆側面に貼付し、実施
例1のペーパークラフト用紙Aを作成した。
【0035】上記Aを市販のインクジェットプリンタ
(エプソンPM−900C)にセットし、第一のインク
受容層面側をコンピュータ上でデザインされたペーパー
クラフトのデータをカラー印字した。
【0036】次いで、上記ペーパークラフトのデータか
ら外形枠線と糊しろとなる部分及び折り線を抽出し、鏡
像として前記Aの裏面(第二のインク受容層面)に互い
の位置が合致するように印字した。また折り順について
該当する折り線に折り順番号を付与し印字データに含め
た。尚、このときに山折り線を青で、谷折り線を赤で、
その他の線を黒で印字した。印字された品質は良好で、
線や数字は明確に判読出来た。
【0037】次に、表面から折り曲げ線に従ってカッタ
ーナイフで弱く切れ目を入れた。引き続いて市販のドラ
イヤーを用いて表面を加熱し、最表層の熱可塑性有機高
分子微粒子を融解して被膜化させた。
【0038】印字されたAの裏面を上にして、カッター
ナイフで外形枠線に沿って切り抜き、さらに、糊しろ部
分について剥離層と第二のインク受容層を剥離した。
【0039】次いで、折り順番号線に従って、折り線を
折り曲げて、糊しろ部分で露出している粘着層と相対す
る第一のインク受容層とを接着し、ペーパークラフトを
完成させた。折り曲げ部分には割れやインク受容層の剥
離や脱落も見られず、光沢のある優れた質感のペーパー
クラフトとなった。
【0040】また、3ヶ月間、日中は日光が照射される
室内に静置したものを、それと同時に印字し最表層の熱
可塑性有機高分子微粒子を融解していないペーパークラ
フト用紙の画像と比べると退色に関して明らかに良好で
あった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明によれば、
インクジェットプリンタで良好な画像記録が可能で、裏
面側に粘着層及び剥離層があり必要な部分の剥離層を剥
離することで別途糊付けなしに張り合わせることがで
き、また従来印字不能か劣悪な品質でしか印字できなか
った裏面も極めて良好にインクジェットプリンタによる
印字ができ、表面が有機高分子被膜で保護され折り曲げ
部が強くかつ長期に渡り良好で高画質な画像が保持でき
るペーパークラフト用紙が得られる。また裏面に糊しろ
やデザインの形状を表面と相対して印字することで、裁
断や糊しろ部分の剥離紙の剥離が極めて簡便に行うこと
ができる。また裏面であるので、折り方や作製時におけ
る注意事項を記載できるため、作製の効率向上や出来映
えの良化が期待できるといった秀逸な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペーパークラフト用紙の一例を示す断
面概略図である。
【図2】本発明の作製方法の一例を表す概略図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 第一のインク受容層 21 熱可塑性有機高分子微粒子層 3 粘着層 4 剥離層 5 第二のインク受容層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともその最表層が実質的に熱可塑
    性有機高分子微粒子からなる第一のインク受容層と、支
    持体を挟んで裏側に粘着層及び剥離層及び第二のインク
    受容層を順に設けてなることを特徴とするインクジェッ
    トプリンタ出力用ペーパークラフト用紙。
  2. 【請求項2】 少なくともその最表層が実質的に熱可塑
    性有機高分子微粒子からなる第一のインク受容層と、支
    持体を挟んで裏側に粘着層及び剥離層及び第二のインク
    受容層を順に設けてなるペーパークラフト用紙の、第一
    のインク受容層にペーパークラフトデザインを印字し、
    第二のインク受容層には、第一のインク受容層に印字し
    たペーパークラフトデザインに対応する少なくとも糊し
    ろ部分を含む作製情報を印字し、少なくとも第一のイン
    ク受容層の印字後に該熱可塑性有機高分子微粒子からな
    る層を溶解または融解して、該熱可塑性有機高分子微粒
    子が融着した層とすることを特徴とするペーパークラフ
    ト作製方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3122516U (ja) * 2006-04-03 2006-06-15 清水産業株式会社 ペーパークラフト

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3122516U (ja) * 2006-04-03 2006-06-15 清水産業株式会社 ペーパークラフト

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