JP2002264335A - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents
インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置Info
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- JP2002264335A JP2002264335A JP2001067687A JP2001067687A JP2002264335A JP 2002264335 A JP2002264335 A JP 2002264335A JP 2001067687 A JP2001067687 A JP 2001067687A JP 2001067687 A JP2001067687 A JP 2001067687A JP 2002264335 A JP2002264335 A JP 2002264335A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧電素子の電流を確実に供給でき、且つ小型
化できるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェッ
ト式記録装置を提供する。 【解決手段】 ノズル開口21に連通する圧力発生室1
2が画成された流路形成基板10と、該流路形成基板1
0の一方面側に振動板を介して下電極60、圧電体層7
0及び上電極80からなる圧電素子300とを具備する
インクジェット式記録ヘッドにおいて、前記流路形成基
板10には、前記圧電素子300へ駆動信号を送る信号
配線141に接続する信号接続部112と、前記圧電素
子300へ電流を供給する電流配線140に接続する電
流接続部111とを有し、前記信号接続部112には外
部からの前記信号配線141を異方性導電性接着剤を介
して接続し、且つ前記電流接続部111には基端部に外
部からの前記電流配線140を接続した接続ピン130
の先端を弾性力により付勢して当接させる。
化できるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェッ
ト式記録装置を提供する。 【解決手段】 ノズル開口21に連通する圧力発生室1
2が画成された流路形成基板10と、該流路形成基板1
0の一方面側に振動板を介して下電極60、圧電体層7
0及び上電極80からなる圧電素子300とを具備する
インクジェット式記録ヘッドにおいて、前記流路形成基
板10には、前記圧電素子300へ駆動信号を送る信号
配線141に接続する信号接続部112と、前記圧電素
子300へ電流を供給する電流配線140に接続する電
流接続部111とを有し、前記信号接続部112には外
部からの前記信号配線141を異方性導電性接着剤を介
して接続し、且つ前記電流接続部111には基端部に外
部からの前記電流配線140を接続した接続ピン130
の先端を弾性力により付勢して当接させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出す
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板を介して圧電素子を設けて、圧電素子
の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記
録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板を介して圧電素子を設けて、圧電素子
の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記
録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子が軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子が軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
【0003】前者は圧電素子の端面を振動板に当接させ
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
【0005】一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消す
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
【0006】これによれば圧電素子を振動板に貼付ける
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばか
りでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能
になるという利点がある。
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばか
りでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能
になるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなインクジェット式記録ヘッドでは、印刷動作前のク
リーニング時など、全てのノズル開口からインクを吐出
する場合がある。このとき、例えば、ノズル開口数が1
28個のインクジェット式記録ヘッドでは、圧電素子に
印加する電流が略20Aととても大きくなってしまい、
外部電流の接続された電流接続部は、通常、異方性導電
膜(ACF)等で形成されているため、大きな電流には
耐えられず、焼き切れてしまうという虞がある。
うなインクジェット式記録ヘッドでは、印刷動作前のク
リーニング時など、全てのノズル開口からインクを吐出
する場合がある。このとき、例えば、ノズル開口数が1
28個のインクジェット式記録ヘッドでは、圧電素子に
印加する電流が略20Aととても大きくなってしまい、
外部電流の接続された電流接続部は、通常、異方性導電
膜(ACF)等で形成されているため、大きな電流には
耐えられず、焼き切れてしまうという虞がある。
【0008】また、このような問題は、圧電素子を高速
駆動した場合にも同様に発生する虞がある。
駆動した場合にも同様に発生する虞がある。
【0009】さらに、このような問題は、幅広の電流接
続部を複数設けることにより解決することができるが、
電流接続部を設ける面積が広くなってしまい、インクジ
ェット式記録ヘッドが大型化してしまうという問題があ
る。
続部を複数設けることにより解決することができるが、
電流接続部を設ける面積が広くなってしまい、インクジ
ェット式記録ヘッドが大型化してしまうという問題があ
る。
【0010】本発明はこのような事情に鑑み、圧電素子
の電流を確実に供給でき、且つ小型化できるインクジェ
ット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置を提供
することを課題とする。
の電流を確実に供給でき、且つ小型化できるインクジェ
ット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置を提供
することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が
画成された流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側
に振動板を介して下電極、圧電体層及び上電極からなる
圧電素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにお
いて、前記流路形成基板には、前記圧電素子へ駆動信号
を送る信号配線に接続する信号接続部と、前記圧電素子
へ電流を供給する電流配線に接続する電流接続部とを有
し、前記信号接続部には外部からの前記信号配線が異方
性導電性接着剤を介して接続され、且つ前記電流接続部
には基端部が外部からの前記電流配線と接続された接続
ピンの先端が弾性力により付勢されて当接されているこ
とを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が
画成された流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側
に振動板を介して下電極、圧電体層及び上電極からなる
圧電素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにお
いて、前記流路形成基板には、前記圧電素子へ駆動信号
を送る信号配線に接続する信号接続部と、前記圧電素子
へ電流を供給する電流配線に接続する電流接続部とを有
し、前記信号接続部には外部からの前記信号配線が異方
性導電性接着剤を介して接続され、且つ前記電流接続部
には基端部が外部からの前記電流配線と接続された接続
ピンの先端が弾性力により付勢されて当接されているこ
とを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0012】かかる第1の態様では、電流接続部に接続
ピンで電流を供給することで狭い面積の電流接続部で大
きな電流を確実に供給することができ電流接続部の焼き
切れ等の破壊を防止することができる。また、信号接続
部の接続に異方性導電接着剤を使用することで小型化す
ることができる。
ピンで電流を供給することで狭い面積の電流接続部で大
きな電流を確実に供給することができ電流接続部の焼き
切れ等の破壊を防止することができる。また、信号接続
部の接続に異方性導電接着剤を使用することで小型化す
ることができる。
【0013】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記圧電素子近傍には、当該圧電素子を駆動する駆
動ICが設けられており、該駆動ICの端子が前記信号
接続部に接続されていることを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッドにある。
て、前記圧電素子近傍には、当該圧電素子を駆動する駆
動ICが設けられており、該駆動ICの端子が前記信号
接続部に接続されていることを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッドにある。
【0014】かかる第2の態様では、駆動ICを搭載す
ることにより小型化できる。
ることにより小型化できる。
【0015】本発明の第3の態様は、第1又は2の態様
において、前記接続ピンが、筒状のハウジング内に軸方
向に移動自在に設けられ、当該ハウジングと前記接続ピ
ンとの間に付勢されたバネ部材により軸方向に付勢され
ていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドに
ある。
において、前記接続ピンが、筒状のハウジング内に軸方
向に移動自在に設けられ、当該ハウジングと前記接続ピ
ンとの間に付勢されたバネ部材により軸方向に付勢され
ていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドに
ある。
【0016】かかる第3の態様では、接続ピンにより確
実に電流を供給できると共に小型化することができる。
実に電流を供給できると共に小型化することができる。
【0017】本発明の第4の態様は、第1又は2の態様
において、前記接続ピンが撓み変形する部材であり、こ
の撓み変形を利用して先端が当接されていることを特徴
とするインクジェット式記録ヘッドにある。
において、前記接続ピンが撓み変形する部材であり、こ
の撓み変形を利用して先端が当接されていることを特徴
とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0018】かかる第4の態様では、接続ピンにより確
実に電流を供給できると共に小型化することができる。
実に電流を供給できると共に小型化することができる。
【0019】本発明の第5の態様は、第1〜4の何れか
の態様において、前記流路形成基板の前記圧電素子側に
は、当該流路形成基板を保持する保持部材を有し、該保
持部材に前記接続ピンが設けられていることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
の態様において、前記流路形成基板の前記圧電素子側に
は、当該流路形成基板を保持する保持部材を有し、該保
持部材に前記接続ピンが設けられていることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
【0020】かかる第5の態様では、保持部材に接続ピ
ンを設けることによって確実に電流を供給できる。
ンを設けることによって確実に電流を供給できる。
【0021】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様において、前記接続ピンの先端が、前記電流接続
部に少なくとも二点以上で接触していることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
の態様において、前記接続ピンの先端が、前記電流接続
部に少なくとも二点以上で接触していることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
【0022】かかる第6の態様では、二点以上で接触さ
せることで、さらに確実に電流を供給することができ
る。
せることで、さらに確実に電流を供給することができ
る。
【0023】本発明の第7の態様は、第1〜6の何れか
の態様において、前記流路形成基板がシリコン単結晶基
板からなると共に前記圧力発生室が異方性エッチングに
より形成されていることを特徴とするインクジェット式
記録ヘッドにある。
の態様において、前記流路形成基板がシリコン単結晶基
板からなると共に前記圧力発生室が異方性エッチングに
より形成されていることを特徴とするインクジェット式
記録ヘッドにある。
【0024】かかる第7の態様では、圧力発生室を容易
に且つ高精度に形成することができる。
に且つ高精度に形成することができる。
【0025】本発明の第8の態様は、第1〜7の何れか
の態様のインクジェット式記録ヘッドを具備することを
特徴とするインクジェット式記録装置にある。
の態様のインクジェット式記録ヘッドを具備することを
特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0026】かかる第8の態様では、高速印刷を可能と
したインクジェット式記録装置を実現できる。
したインクジェット式記録装置を実現できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
て詳細に説明する。
【0028】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、リザーバ形成基板の上面図、図3は、
図2のA−A′断面図及びB−B′断面図である。
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、リザーバ形成基板の上面図、図3は、
図2のA−A′断面図及びB−B′断面図である。
【0029】図示するように、流路形成基板10は、本
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。流路形成基板10としては、通常、150〜3
00μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは18
0〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の
厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室
間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるから
である。
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。流路形成基板10としては、通常、150〜3
00μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは18
0〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の
厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室
間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるから
である。
【0030】流路形成基板10の一方の面は開口面とな
り、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリ
コンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成され
ている。
り、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリ
コンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成され
ている。
【0031】一方、流路形成基板10の開口面には、シ
リコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、
複数の隔壁11により区画された圧力発生室12が幅方
向に並設され、その長手方向外側には、後述するリザー
バ形成基板のリザーバ部に連通して各圧力発生室12の
共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する
連通部13が形成され、各圧力発生室12の長手方向一
端部とそれぞれインク供給路14を介して連通されてい
る。なお、このインク供給路14も圧力発生室12と同
様に隔壁11によって区画されている。
リコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、
複数の隔壁11により区画された圧力発生室12が幅方
向に並設され、その長手方向外側には、後述するリザー
バ形成基板のリザーバ部に連通して各圧力発生室12の
共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する
連通部13が形成され、各圧力発生室12の長手方向一
端部とそれぞれインク供給路14を介して連通されてい
る。なお、このインク供給路14も圧力発生室12と同
様に隔壁11によって区画されている。
【0032】ここで、異方性エッチングは、シリコン単
結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々
に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面
と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且
つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(1
11)面とが出現し、(110)面のエッチングレート
と比較して(111)面のエッチングレートが約1/1
80であるという性質を利用して行われるものである。
かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(11
1)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成され
る平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行う
ことができ、圧力発生室12を高密度に配列することが
できる。
結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々
に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面
と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且
つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(1
11)面とが出現し、(110)面のエッチングレート
と比較して(111)面のエッチングレートが約1/1
80であるという性質を利用して行われるものである。
かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(11
1)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成され
る平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行う
ことができ、圧力発生室12を高密度に配列することが
できる。
【0033】本実施形態では、各圧力発生室12の長辺
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、
シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵
される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一
端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12よ
り浅く形成されており、圧力発生室12に流入するイン
クの流路抵抗を一定に保持している。すなわち、インク
供給路14は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中ま
でエッチング(ハーフエッチング)することにより形成
されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時
間の調整により行われる。
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、
シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵
される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一
端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12よ
り浅く形成されており、圧力発生室12に流入するイン
クの流路抵抗を一定に保持している。すなわち、インク
供給路14は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中ま
でエッチング(ハーフエッチング)することにより形成
されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時
間の調整により行われる。
【0034】この流路形成基板10の開口面側には、各
圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通す
るノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接
着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。な
お、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1
mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜
4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又
は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の
面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン
単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果
たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10
と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよ
い。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート
20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の
接着剤等を用いて容易に接合することができる。
圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通す
るノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接
着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。な
お、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1
mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜
4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又
は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の
面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン
単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果
たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10
と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよ
い。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート
20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の
接着剤等を用いて容易に接合することができる。
【0035】ここで、インク滴吐出圧力をインクに与え
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要
がある。
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要
がある。
【0036】一方、流路形成基板10の開口面とは反対
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極
膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分を
いう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極
を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力
発生室12毎にパターニングして構成する。そして、こ
こではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体
層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電
歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態で
は、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上
電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、
駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。
何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部
が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素
子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じ
る振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極
膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分を
いう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極
を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力
発生室12毎にパターニングして構成する。そして、こ
こではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体
層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電
歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態で
は、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上
電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、
駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。
何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部
が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素
子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じ
る振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
【0037】また、流路形成基板10の圧電素子300
側には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリ
ザーバ部31を有するリザーバ形成基板30が接合され
ている。このリザーバ部31は、本実施形態では、リザ
ーバ形成基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12
の幅方向に亘って形成されている。そして、上述のよう
に流路形成基板10の連通部13と弾性膜50に形成さ
れた貫通孔51とを介して連通されて各圧力発生室12
の共通のインク室となるリザーバ100を構成してい
る。
側には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリ
ザーバ部31を有するリザーバ形成基板30が接合され
ている。このリザーバ部31は、本実施形態では、リザ
ーバ形成基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12
の幅方向に亘って形成されている。そして、上述のよう
に流路形成基板10の連通部13と弾性膜50に形成さ
れた貫通孔51とを介して連通されて各圧力発生室12
の共通のインク室となるリザーバ100を構成してい
る。
【0038】このリザーバ形成基板30としては、例え
ば、ガラス、セラミック材料等の流路形成基板10の熱
膨張率と略同一の材料を用いることが好ましく、本実施
形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結
晶基板を用いて形成した。これにより、上述のノズルプ
レート20の場合と同様に、両者を熱硬化性の接着剤を
用いた高温での接着であっても両者を確実に接着するこ
とができる。したがって、製造工程を簡略化することが
できる。
ば、ガラス、セラミック材料等の流路形成基板10の熱
膨張率と略同一の材料を用いることが好ましく、本実施
形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結
晶基板を用いて形成した。これにより、上述のノズルプ
レート20の場合と同様に、両者を熱硬化性の接着剤を
用いた高温での接着であっても両者を確実に接着するこ
とができる。したがって、製造工程を簡略化することが
できる。
【0039】さらに、このリザーバ形成基板30には、
封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス
基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛
性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmの
ポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルム)からな
り、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が
封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の
材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SU
S)等)で形成される。この固定板42のリザーバ10
0に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口
部43となっているため、リザーバ100の一方面は可
撓性を有する封止膜41のみで封止され、内部圧力の変
化によって変形可能な可撓部32となっている。
封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス
基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛
性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmの
ポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルム)からな
り、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が
封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の
材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SU
S)等)で形成される。この固定板42のリザーバ10
0に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口
部43となっているため、リザーバ100の一方面は可
撓性を有する封止膜41のみで封止され、内部圧力の変
化によって変形可能な可撓部32となっている。
【0040】また、このリザーバ100の長手方向略中
央部外側のコンプライアンス基板40上には、リザーバ
100にインクを供給するためのインク導入口35が形
成されている。さらに、リザーバ形成基板30には、イ
ンク導入口35とリザーバ100の側壁とを連通するイ
ンク導入路36が設けられている。なお、本実施形態で
は、一つのインク導入口35及びインク導入路36によ
って、リザーバ100にインクを供給するようにしてい
るが、これに限定されず、例えば、所望のインク供給量
に応じて、複数のインク導入口及びインク導入路を設け
るようにしてもよいし、あるいはインク導入口の開口面
積を大きくしてインク流路を拡大するようにようにして
もよい。
央部外側のコンプライアンス基板40上には、リザーバ
100にインクを供給するためのインク導入口35が形
成されている。さらに、リザーバ形成基板30には、イ
ンク導入口35とリザーバ100の側壁とを連通するイ
ンク導入路36が設けられている。なお、本実施形態で
は、一つのインク導入口35及びインク導入路36によ
って、リザーバ100にインクを供給するようにしてい
るが、これに限定されず、例えば、所望のインク供給量
に応じて、複数のインク導入口及びインク導入路を設け
るようにしてもよいし、あるいはインク導入口の開口面
積を大きくしてインク流路を拡大するようにようにして
もよい。
【0041】また、リザーバ形成基板30は、圧電素子
300を外部環境と遮断する封止板を兼ねており、圧電
素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動
を阻害しない程度の空間を確保した状態でその空間を密
封可能な圧電素子保持部33が設けられている。本実施
形態では、圧電素子保持部33は、圧電素子300の並
設方向に亘って設けられているが、これに限定されず、
例えば、各圧電素子300のそれぞれを密封するように
してもよく、圧電素子300の2列を一つの空間で密封
するようにしてもよい。
300を外部環境と遮断する封止板を兼ねており、圧電
素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動
を阻害しない程度の空間を確保した状態でその空間を密
封可能な圧電素子保持部33が設けられている。本実施
形態では、圧電素子保持部33は、圧電素子300の並
設方向に亘って設けられているが、これに限定されず、
例えば、各圧電素子300のそれぞれを密封するように
してもよく、圧電素子300の2列を一つの空間で密封
するようにしてもよい。
【0042】圧電素子保持部33内には、上電極膜80
に対向する領域に配線パターン90が形成され、この配
線パターン90の一端部には、異方性導電膜91を介し
てそれぞれ上電極膜80の一端部が接合されている。
に対向する領域に配線パターン90が形成され、この配
線パターン90の一端部には、異方性導電膜91を介し
てそれぞれ上電極膜80の一端部が接合されている。
【0043】また、配線パターン90の他端部は、リザ
ーバ形成基板30を厚さ方向に貫通してリザーバ形成基
板30の表面まで延設されており、この延設された他端
部がIC接続部92となっている。
ーバ形成基板30を厚さ方向に貫通してリザーバ形成基
板30の表面まで延設されており、この延設された他端
部がIC接続部92となっている。
【0044】さらに、リザーバ形成基板30のIC接続
部92側には、IC接続部92とボンディングワイヤ9
3により各端子が接続された駆動IC110が実装され
ている。
部92側には、IC接続部92とボンディングワイヤ9
3により各端子が接続された駆動IC110が実装され
ている。
【0045】また、リザーバ形成基板30上には、図示
しない配線パターンが形成されている。この配線パター
ンは、電流用及び信号用からなり、配線パターンの一端
はそれぞれ駆動IC110に接続されている。また、配
線パターンの他端は、リザーバ形成基板30の一端まで
延設されており、延設された配線パターンの内、電源用
の配線パターンの端部が外部から電流を供給する配線に
接続される電流接続部111となっており、信号用の配
線パターンが外部から駆動信号を送る配線に接続される
信号接続部112となっている。本実施形態では、複数
の信号接続部112を並設し、その両側に電流接続部1
11を設けた。
しない配線パターンが形成されている。この配線パター
ンは、電流用及び信号用からなり、配線パターンの一端
はそれぞれ駆動IC110に接続されている。また、配
線パターンの他端は、リザーバ形成基板30の一端まで
延設されており、延設された配線パターンの内、電源用
の配線パターンの端部が外部から電流を供給する配線に
接続される電流接続部111となっており、信号用の配
線パターンが外部から駆動信号を送る配線に接続される
信号接続部112となっている。本実施形態では、複数
の信号接続部112を並設し、その両側に電流接続部1
11を設けた。
【0046】このリザーバ形成基板30上に設けられた
信号接続部112には、フレキシブルケーブル等の外部
からの信号配線141が異方性導電接着剤を介して接続
されている。
信号接続部112には、フレキシブルケーブル等の外部
からの信号配線141が異方性導電接着剤を介して接続
されている。
【0047】また、コンプライアンス基板40上には、
図1及び図3に示すように、流路形成基板10を保持す
る保持部材120が設けられている。この保持部材12
0には、流路形成基板10の外周を覆う大きさの凹部1
21が設けられており、凹部121に流路形成基板10
を嵌合することで流路形成基板10を保持している。
図1及び図3に示すように、流路形成基板10を保持す
る保持部材120が設けられている。この保持部材12
0には、流路形成基板10の外周を覆う大きさの凹部1
21が設けられており、凹部121に流路形成基板10
を嵌合することで流路形成基板10を保持している。
【0048】この保持部材120には、リザーバ形成基
板30に設けられたインク導入口35に連通して外部か
らのインクを供給する貫通孔122が設けられており、
インク導入口35と貫通孔122とを連通する流路シー
ル材150が、保持部材120とコンプライアンス基板
40との間に設けられている。
板30に設けられたインク導入口35に連通して外部か
らのインクを供給する貫通孔122が設けられており、
インク導入口35と貫通孔122とを連通する流路シー
ル材150が、保持部材120とコンプライアンス基板
40との間に設けられている。
【0049】また、保持部材120には、リザーバ形成
基板30上に設けられた電流接続部111に先端が弾性
力により付勢されて当接する接続ピン130が設けられ
ている。
基板30上に設けられた電流接続部111に先端が弾性
力により付勢されて当接する接続ピン130が設けられ
ている。
【0050】ここで、本実施形態の接続ピンの一例につ
いて詳細に説明する。なお、図4(a)は、接続ピンの
断面図である。
いて詳細に説明する。なお、図4(a)は、接続ピンの
断面図である。
【0051】図示するように、接続ピン130は、保持
部材120に固定されるハウジング135に対して軸方
向移動自在に設けられている。また、ハウジング135
と接続ピン130との間には、接続ピン130を先端方
向に付勢するバネ部材131が設けられている。
部材120に固定されるハウジング135に対して軸方
向移動自在に設けられている。また、ハウジング135
と接続ピン130との間には、接続ピン130を先端方
向に付勢するバネ部材131が設けられている。
【0052】接続ピン130の基端部130aは、ハウ
ジング135の後端から突出するように設けられてお
り、この基端部130aには外部からの電流を供給する
電流配線140の接続されたコネクタ132が嵌合され
ている。
ジング135の後端から突出するように設けられてお
り、この基端部130aには外部からの電流を供給する
電流配線140の接続されたコネクタ132が嵌合され
ている。
【0053】また、接続ピン130の先端部130bは
略0.3〜1.0mmの外径を有する円柱状となってい
る。この先端部130bの先端形状は、電流接続部11
1と当接して電流を確実に供給できれば特に限定され
ず、尖状、球状及び半球状等が挙げられる。本実施形態
では、先端に尖状の2つの突起を設けた。
略0.3〜1.0mmの外径を有する円柱状となってい
る。この先端部130bの先端形状は、電流接続部11
1と当接して電流を確実に供給できれば特に限定され
ず、尖状、球状及び半球状等が挙げられる。本実施形態
では、先端に尖状の2つの突起を設けた。
【0054】なお、接続ピン130の先端は、接続ピン
130の先端が電流接続部111に当接して確実に電流
を供給できれば、特に限定されず、少なくとも二点以上
で当接するのが好ましい。
130の先端が電流接続部111に当接して確実に電流
を供給できれば、特に限定されず、少なくとも二点以上
で当接するのが好ましい。
【0055】また、接続ピン130の先端部130bの
材料は、特に限定されないが、例えば、タングステン等
が好ましく、接続ピン130の先端部130b以外の部
分は、銅や鋼等で形成すればよい。
材料は、特に限定されないが、例えば、タングステン等
が好ましく、接続ピン130の先端部130b以外の部
分は、銅や鋼等で形成すればよい。
【0056】また、このような接続ピン130を付勢保
持したハウジング135は、保持部材120の電流接続
部111に対向する位置に設けられた保持孔123に圧
入されている。
持したハウジング135は、保持部材120の電流接続
部111に対向する位置に設けられた保持孔123に圧
入されている。
【0057】また、接続ピンの形状は、特に限定され
ず、接続ピン自体の撓み変形による弾性力で先端を電流
接続部に当接させるようにしてもよい。ここで、このよ
うな接続ピンの他の例を図4(b)に示す。なお、図4
(b)は、接続ピン及び保持部材の断面図である。
ず、接続ピン自体の撓み変形による弾性力で先端を電流
接続部に当接させるようにしてもよい。ここで、このよ
うな接続ピンの他の例を図4(b)に示す。なお、図4
(b)は、接続ピン及び保持部材の断面図である。
【0058】図示するように、接続ピン130Aは、例
えば、タングステン、パラジウム合金等からなる棒状部
材で形成されている。この接続ピン130Aは、保持部
材120に斜めに設けられた保持孔123Aに熱溶解樹
脂(ワックス)又は接着剤等を充填することで形成され
た保持層136により斜めに保持されており、先端部1
30bと基端部130aとはそれぞれ屈曲部130cを
介して略直交する方向に突出している。また、接続ピン
130Aは、本実施形態では、保持部材120の底面に
設けられた保持層136と同様の材料で形成されたバン
プ137によっても固定されているが、このバンプ13
7は、特に設けなくてもよい。
えば、タングステン、パラジウム合金等からなる棒状部
材で形成されている。この接続ピン130Aは、保持部
材120に斜めに設けられた保持孔123Aに熱溶解樹
脂(ワックス)又は接着剤等を充填することで形成され
た保持層136により斜めに保持されており、先端部1
30bと基端部130aとはそれぞれ屈曲部130cを
介して略直交する方向に突出している。また、接続ピン
130Aは、本実施形態では、保持部材120の底面に
設けられた保持層136と同様の材料で形成されたバン
プ137によっても固定されているが、このバンプ13
7は、特に設けなくてもよい。
【0059】このような接続ピン130Aは、先端部1
30a側が撓み変形することによる弾性力で付勢されて
先端を所定の圧力で電流接続部111に当接することが
できる。
30a側が撓み変形することによる弾性力で付勢されて
先端を所定の圧力で電流接続部111に当接することが
できる。
【0060】このような接続ピン130Aとしても、弾
性力により先端を電流接続部111に当接させて確実に
圧電素子300に外部からの電流を供給することができ
る。また、何れの接続ピン130、130Aを用いて
も、先端と電流接続部111との当接する領域に大きな
電流を流すことができ、電流接続部111等の配線が焼
き切れるのを確実に防止することができる。
性力により先端を電流接続部111に当接させて確実に
圧電素子300に外部からの電流を供給することができ
る。また、何れの接続ピン130、130Aを用いて
も、先端と電流接続部111との当接する領域に大きな
電流を流すことができ、電流接続部111等の配線が焼
き切れるのを確実に防止することができる。
【0061】ここで、外部からの電流は、接続ピン13
0、電流接続部111及び電流用の配線パターンを介し
て駆動IC110に供給される。一方、外部からの駆動
信号は、信号接続部112及び信号用の配線パターンを
介して駆動IC110に送られる。駆動IC110は、
外部からの駆動信号に基づいて電流接続部111を介し
て供給された電流を上電極膜80に供給するためのスイ
ッチングを行い圧電素子300を選択的に駆動させて所
望のノズル開口21からインクを吐出させている。
0、電流接続部111及び電流用の配線パターンを介し
て駆動IC110に供給される。一方、外部からの駆動
信号は、信号接続部112及び信号用の配線パターンを
介して駆動IC110に送られる。駆動IC110は、
外部からの駆動信号に基づいて電流接続部111を介し
て供給された電流を上電極膜80に供給するためのスイ
ッチングを行い圧電素子300を選択的に駆動させて所
望のノズル開口21からインクを吐出させている。
【0062】なお、駆動IC110は必ずしも各インク
ジェット式記録ヘッドに搭載する必要はなく、駆動IC
を外部に設けるようにしてもよい。
ジェット式記録ヘッドに搭載する必要はなく、駆動IC
を外部に設けるようにしてもよい。
【0063】このように信号接続部112には、異方性
導電接着剤を介して駆動IC110の信号配線141を
接合するようにしたため、確実に接合することができる
と共に信号接続部112を狭い面積で形成することがで
き、インクジェット式記録ヘッドの小型化を図ることが
できる。
導電接着剤を介して駆動IC110の信号配線141を
接合するようにしたため、確実に接合することができる
と共に信号接続部112を狭い面積で形成することがで
き、インクジェット式記録ヘッドの小型化を図ることが
できる。
【0064】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
【0065】これら各実施形態のインクジェット式記録
ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路
を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、イン
クジェット式記録装置に搭載される。図5は、そのイン
クジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路
を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、イン
クジェット式記録装置に搭載される。図5は、そのイン
クジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
【0066】図5に示すように、インクジェット式記録
ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、イ
ンク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着
脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1
Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けら
れたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、イ
ンク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着
脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1
Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けら
れたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
【0067】そして、駆動モータ6の駆動力が図示しな
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるように
なっている。
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるように
なっている。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、圧
電素子に外部電流を供給する電流接続部に基端部が外部
電流と接続された接続ピンの先端が弾性力により当接す
るようにしたため、電流接続部の面積を小さくしても電
流の許容値を大きくすることができ、配線の焼き切れ等
を防止して確実に電流を供給することができると共に小
型化することができる。また、許容電流値を大きくでき
ることから高速駆動及び高速印刷を実行することができ
る。
電素子に外部電流を供給する電流接続部に基端部が外部
電流と接続された接続ピンの先端が弾性力により当接す
るようにしたため、電流接続部の面積を小さくしても電
流の許容値を大きくすることができ、配線の焼き切れ等
を防止して確実に電流を供給することができると共に小
型化することができる。また、許容電流値を大きくでき
ることから高速駆動及び高速印刷を実行することができ
る。
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの概略斜視図である。
録ヘッドの概略斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
憶ヘッドのリザーバ形成基板の上面図である。
憶ヘッドのリザーバ形成基板の上面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの断面図であり、図2のA−A′断面図及びB
−B′断面図である。
録ヘッドの断面図であり、図2のA−A′断面図及びB
−B′断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る接続ピンの断面図で
ある。
ある。
【図5】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記
録装置の概略図である。
録装置の概略図である。
10 流路形成基板 11 隔壁 12 圧力発生室 13 連通部 14 インク供給路 20 ノズルプレート 21 ノズル開口 30 リザーバ形成基板 33 圧電素子保持部 40 コンプライアンス基板 50 弾性膜 60 下電極膜 70 圧電体層 80 上電極膜 100 リザーバ 110 駆動IC 111 電流接続部 112 信号接続部 120 保持部材 130、130A 接続ピン 140 電流配線 141 信号配線 150 流路シール材 300 圧電素子
Claims (8)
- 【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室が画成
された流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振
動板を介して下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電
素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおい
て、 前記流路形成基板には、前記圧電素子へ駆動信号を送る
信号配線に接続する信号接続部と、前記圧電素子へ電流
を供給する電流配線に接続する電流接続部とを有し、前
記信号接続部には外部からの前記信号配線が異方性導電
性接着剤を介して接続され、且つ前記電流接続部には基
端部が外部からの前記電流配線と接続された接続ピンの
先端が弾性力により付勢されて当接されていることを特
徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項2】 請求項1において、前記圧電素子近傍に
は、当該圧電素子を駆動する駆動ICが設けられてお
り、該駆動ICの端子が前記信号接続部に接続されてい
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、前記接続ピン
が、筒状のハウジング内に軸方向に移動自在に設けら
れ、当該ハウジングと前記接続ピンとの間に付勢された
バネ部材により軸方向に付勢されていることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項4】 請求項1又は2において、前記接続ピン
が撓み変形する部材であり、この撓み変形を利用して先
端が当接されていることを特徴とするインクジェット式
記録ヘッド。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記流
路形成基板の前記圧電素子側には、当該流路形成基板を
保持する保持部材を有し、該保持部材に前記接続ピンが
設けられていることを特徴とするインクジェット式記録
ヘッド。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記接
続ピンの先端が、前記電流接続部に少なくとも二点以上
で接触していることを特徴とするインクジェット式記録
ヘッド。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記流
路形成基板がシリコン単結晶基板からなると共に前記圧
力発生室が異方性エッチングにより形成されていること
を特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項8】 請求項1〜7の何れかのインクジェット
式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェッ
ト式記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001067687A JP2002264335A (ja) | 2001-03-09 | 2001-03-09 | インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001067687A JP2002264335A (ja) | 2001-03-09 | 2001-03-09 | インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002264335A true JP2002264335A (ja) | 2002-09-18 |
Family
ID=18925996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001067687A Withdrawn JP2002264335A (ja) | 2001-03-09 | 2001-03-09 | インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002264335A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006192583A (ja) * | 2005-01-11 | 2006-07-27 | Fuji Xerox Co Ltd | インクジェット記録ヘッド、及びインクジェット記録装置 |
JP2007230060A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Fujifilm Corp | 液体吐出ヘッド及びこれを備えた画像形成装置 |
JP2007268867A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Brother Ind Ltd | インクジェットヘッド |
-
2001
- 2001-03-09 JP JP2001067687A patent/JP2002264335A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006192583A (ja) * | 2005-01-11 | 2006-07-27 | Fuji Xerox Co Ltd | インクジェット記録ヘッド、及びインクジェット記録装置 |
JP2007230060A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Fujifilm Corp | 液体吐出ヘッド及びこれを備えた画像形成装置 |
JP2007268867A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Brother Ind Ltd | インクジェットヘッド |
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