JP2002264197A - 板状ポリプロピレン系樹脂押出発泡体の製造方法および建築用防振緩衝材 - Google Patents

板状ポリプロピレン系樹脂押出発泡体の製造方法および建築用防振緩衝材

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JP2002264197A
JP2002264197A JP2001071533A JP2001071533A JP2002264197A JP 2002264197 A JP2002264197 A JP 2002264197A JP 2001071533 A JP2001071533 A JP 2001071533A JP 2001071533 A JP2001071533 A JP 2001071533A JP 2002264197 A JP2002264197 A JP 2002264197A
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foam
plate
polypropylene resin
extruded
compression
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Application number
JP2001071533A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Shibata
哲也 柴田
Osamu Miyama
治 三山
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防振性および遮音性に優れる建築用防振緩衝
材として好適に用いることができる板状発泡体の効率的
な製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂と発泡剤からなる
混合物を押出機内で溶融混練し、低圧領域に押し出す板
状ポリプロピレン系樹脂押出発泡体の製造方法であっ
て、押出機から押し出された発泡体を表面温度が50℃
以下となるように冷却したのちに、発泡体の厚さを50
%以上圧縮することにより、載荷質量250kg/m2
における動的ばね定数が0.8×106〜10×106
/m3である板状ポリプロピレン系樹脂押出発泡体を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は板状ポリプロピレン
系樹脂押出発泡体の製造方法および建築用防振緩衝材に
関する。さらに詳しくは、柔軟性、防振性、遮音性およ
び耐水性に優れることから、建築用防振緩衝材として好
適に使用することができる板状ポリプロピレン系樹脂押
出発泡体の製造方法および板状ポリプロピレン系樹脂押
出発泡体からなる建築用防振緩衝材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の建築用防振緩衝材では、固体伝播
音を防止するために、グラスウールやロックウールのよ
うな無機質繊維板が広く用いられ、無機質繊維板を敷き
込んだ上に浮き床層としてコンクリートを打設した浮き
床構造が広く採用されている。しかし、グラスウールや
ロックウールは、水分を含むことにより、遮音性能が悪
化するので、現場でコンクリートを打設する前に、防水
層を設ける必要があり、工程数が多く、工期が長くなる
という問題点があった。
【0003】そのため、プラスチック発泡体を緩衝材と
して用いた工法も行われており、30倍〜40倍に発泡
させたポリスチレンフォームを介在させて、地盤からの
振動を建築物に伝えにくくする地下緩衝構造が知られて
いる。しかし、上記構造におけるポリスチレンフォーム
は動的ばね定数が高く、固体伝播音を防止する効果が充
分ではないという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、建築用防振
緩衝材として好適に使用することができる板状ポリプロ
ピレン系樹脂押出発泡体の製造方法を提供することを課
題とする。本発明は、固体伝播音を防止する効果が良好
な建築用防振緩衝材を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリプロピレ
ン系樹脂と発泡剤からなる混合物を押出機内で溶融混練
し、低圧領域に吐出させ、板状発泡体として押し出し、
押し出された板状発泡体を表面温度が50℃以下となる
ように冷却したのちに、厚さが50%以下となるように
圧縮することにより、載荷質量250kg/m2におけ
る動的ばね定数を0.8×106〜10×106N/m3
とした板状ポリプロピレン系樹脂押出発泡体は、柔軟
性、防振性、遮音性および耐水性に優れることから、建
築用防振緩衝材として好適に使用することができること
を見出した。さらに、製造工程中に板状発泡体を冷却す
る工程と圧縮する工程とを連続的に有することにより、
製造工程の簡素化および効率化を達成することができる
ことを見出した。
【0006】本発明は、ポリプロピレン系樹脂と発泡剤
からなる混合物を押出機内で溶融混練し、低圧領域に吐
出させ、板状発泡体として押し出す板状ポリプロピレン
系樹脂押出発泡体の製造方法であって、押出機から押し
出された板状発泡体を表面温度が50℃以下となるよう
に冷却したのちに、厚さが50%以下となるように圧縮
することにより、載荷質量250kg/m2における動
的ばね定数が0.8×106〜10×106N/m3であ
る板状発泡体を得る板状ポリプロピレン系樹脂押出発泡
体の製造方法にかかわる。
【0007】本発明は、圧縮する前の板状発泡体の密度
が10〜50kg/m3であり、独立気泡率が50%未
満である前記の製造方法にかかわる。
【0008】本発明は、ロール式圧縮機を用いて板状発
泡体を圧縮する前記の製造方法にかかわる。
【0009】本発明は、ポリプロピレン系樹脂の230
℃でのメルトテンションが5g以上である前記の製造方
法にかかわる。
【0010】本発明は、前記の各製造方法によって得ら
れる圧縮後の独立気泡率が20%以下の板状ポリプロピ
レン系樹脂押出発泡体にかかわる。
【0011】本発明は、前記の各製造方法によって製造
した板状発泡体からなる建築用防振緩衝材にかかわる。
【0012】本発明の製造方法によって製造した板状ポ
リプロピレン系樹脂押出発泡体は、柔軟性、防振性、遮
音性および耐水性に優れることから、建築用防振緩衝材
として好適に使用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施の形
態を説明する。
【0014】本発明では、ポリプロピレン系樹脂と発泡
剤からなる混合物を押出機内で溶融混練し、低圧領域に
吐出させ、板状発泡体を押し出す。特に制限はないが、
230℃で測定したメルトテンションが5g以上、より
好ましくは7g以上であるポリプロピレン系樹脂を用い
ることにより、得られる板状発泡体の発泡倍率や気泡径
を容易に制御することができ、柔軟性、防振性および遮
音性に優れた板状発泡体を製造しやすくなる。
【0015】ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロ
ピレン樹脂、プロピレンと少なくとも1種のプロピレン
以外のモノマーとを重合原料として得られるランダム共
重合体、ブロック共重合体またはグラフト共重合体など
を用いることができる。プロピレン以外のモノマーとし
ては、たとえば、エチレン、イソプレン、スチレンなど
を挙げることができる。
【0016】ポリプロピレン系樹脂にポリプロピレン系
樹脂以外の樹脂を混合して用いることができる。ポリプ
ロピレン系樹脂は全樹脂の50重量%以上、とくに60
重量%以上含まれることが好ましい。ポリプロピレン系
樹脂の含有量が50重量%を下回ると、板状発泡体の柔
軟性、防振性および遮音性などが損なわれる場合があ
る。
【0017】ポリプロピレン系樹脂以外の樹脂として
は、ポリスチレン系樹脂を用いることができる。その場
合、ポリプロピレン系樹脂50〜95重量部に対して、
ポリスチレン系樹脂を50〜5重量部の範囲で混合する
ことが好ましい。ポリプロピレン系樹脂以外の樹脂とし
ては、ポリスチレン系樹脂のほかに、ポリプロピレン系
樹脂以外のポリオレフィン系樹脂、オレフィン系エラス
トマー、スチレン系エラストマーなどの樹脂またはゴム
の1種または2種以上を本発明の効果を損なわない範囲
で添加することができる。
【0018】ポリプロピレン系樹脂には、必要に応じて
そのの添加材料を添加することができる。その他の添
加材料としては、たとえば、酸化防止剤、金属不活性
剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍
光増白剤、金属石鹸などの安定剤、架橋剤、連鎖移動
剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填剤、強化剤、顔料、染
料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の効果を
損なわない範囲で添加することができる。
【0019】発泡剤としては、たとえば、プロパン、イ
ソブタン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素
類;シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンな
どの脂環式炭化水素類;二酸化炭素、窒素、空気などの
無機ガス;水などの1種または2種以上を用いることが
できる。発泡剤の添加量は、発泡剤の種類により異なる
が、改質ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、2
〜50重量部の範囲内にあることが望ましい。
【0020】押出機としては、ポリプロピレン系樹脂を
溶融状態に加熱することができ、適宜の剪断応力を与え
ながら混練することができる装置であれば制限はなく、
単軸または2軸押出機のいずれでもよい。また、これら
の押出機を直列に二段、三段と組み合せて使用すること
もできる。とくにポリプピレン系樹脂と発泡剤の混合組
成を均一にし、かつ生産性の点を考慮すると、攪拌混合
機が併設された二段のタンデム型押出機がより好まし
い。
【0021】タンデム型押出機としては、特に制限はな
いが、(1)樹脂を溶融させたのちに揮発性発泡剤を混
合する単軸の第一段押出機、(2)溶融樹脂の温度を冷
却する同じく単軸の第二段押出機、および、(3)スク
リューのように溶融樹脂に推進力を与えるものではなく
撹拌翼がシリンダー内で回転して溶融樹脂を撹拌・混合
する撹拌混合機の3台の装置が継続管により順に連結さ
れたものを用いることが好ましい。
【0022】前記のような撹拌混合機が併設されたタン
デム型押出機を用いる場合、ポリプロピレン系樹脂と必
要に応じて添加されるその他の添加材料とを混合し、押
出機に投入することができる。たとえば、液体の揮発性
発泡剤は、第一段押出機のシリンダー中間付近に取り付
けられた圧入口よりポンプによって直接押出機内に圧入
することができる。発泡剤を混合した溶融樹脂を、開口
部を有する押出金型より、低圧領域に、押し出して、発
泡させ、成形する。前記押出金型の形状に、特に制限は
なく、たとえば、矩形や小判型などであることができ
る。
【0023】本発明では、押出機から押し出された板状
発泡体を冷却したのちに圧縮する。たとえば、押し出さ
れた板状発泡体を、自然放冷しながら工程内を押出方向
に進行させる。該冷却工程を経ることで板状発泡体の表
面および内部を冷却し、非接触型温度計によって測定さ
れる表面温度が50℃以下となるようにする。板状発泡
体を冷却することにより、発泡体内部におけるセル構造
の形成過程が終了し、発泡体内部のセル形状を含む発泡
体の形状が安定状態となる。前記冷却工程における冷却
方法については、自然放冷に限定するものではなく、空
気噴射、水噴霧などの強制的に冷却する方法を選定する
こともできる。
【0024】本発明では、冷却工程ののちに、押出機か
ら押し出された板状発泡体を、厚さ方向に圧縮する工程
に至るまでの間に、裁断する工程、裁断のために発泡体
を滞留させる工程などの他の工程を含んでもよい。
【0025】本発明では、冷却した板状発泡体を圧縮す
ることにより、載荷質量250kg/m2における動的
ばね定数が0.8×106〜10×106N/m3である
板状発泡体を得る。載荷質量250kg/m2における
動的ばね定数が0.8×106〜10×106N/m3
ある板状ポリプロピレン系樹脂押出発泡体は、防振性能
および遮音性能の点から、建築用防振緩衝材として好適
に使用することができる。
【0026】通常、未圧縮の板状ポリプロピレン系樹脂
押出発泡体では、載荷質量250kg/m2における動
的ばね定数が前記範囲内となりにくい。すなわち、冷却
した板状発泡体を圧縮することにより、発泡体内部にお
けるセル形状の扁平化および座屈、セル壁破泡による独
立気泡率の低下などの複合的な効果が得られ、動的ばね
定数を前記範囲とすることにより、建築用防振緩衝材と
して好適に使用することができるポリプロピレン系樹脂
押出発泡体を安定的に製造することができる。
【0027】圧縮する前の板状発泡体の密度は10〜5
0kg/m3、とくには10〜40kg/m3であること
が好ましい。圧縮する前の板状発泡体の密度は、たとえ
ば、発泡剤量を少なくすることにより大きくすることが
でき、また、ダイ構造を変更することなどにより調節す
ることができる。圧縮する前の板状発泡体の密度が50
kg/m3を超えると圧縮が困難となり、10kg/m3
未満であると、運搬、保管の際の加重から変形したり、
千切れるなどの不具合が生じる。
【0028】圧縮する前の板状発泡体の独立気泡率は5
0%未満であることが好ましい。圧縮する前の板状発泡
体の独立気泡率は、たとえば、押出機温度を低下させる
ことおよび吐出量を増加させることにより高くすること
ができる。独立気泡率が50%以上であると、圧縮に、
より多くの時間を要するので、生産性が低下する場合が
ある。
【0029】板状発泡体を厚さ方向に圧縮する工程にお
いては、上面もしくは下面のどちらか一面、または上下
両面を押圧することにより、圧縮時の板状発泡体の厚さ
が圧縮前の厚さの50%以下、好ましくは40%以下
(圧縮50%以上、好ましくは60%以上)となるよう
に圧縮することが好ましい。圧縮時の圧力、圧縮時間、
圧縮回数などの圧縮の条件は、板状発泡体の圧縮前の特
性および圧縮後の所望の特性(たとえば、厚さ、独立気
泡率、動的ばね定数など)を考慮して、調節することが
好ましい。とくに制限しないが、たとえば、圧縮時間は
0.1秒〜1時間とすることができ、圧縮回数は1回も
しくは2回以上とすることができる。
【0030】圧縮の方法は、特に制限しないが、たとえ
ば、一つまたは複数の円柱状ロールが回転しながら、直
接発泡体を押圧する方法、回転ベルトを複数のロールの
外側に配置し、発泡体に接する押圧面積を大きくして押
圧する方法などがある。しかし、一つ以上のロールを利
用したロール式圧縮機を使用する圧縮工程を採用するこ
とにより、工程内で一旦任意のサイズに裁断し、バッチ
式にプレスなどを利用して押圧する方法と比較して、製
造工程全体を効率化および簡素化し、生産性を向上させ
ることができる。圧縮後の発泡体の厚さは、圧縮時の形
状を保持する必要はなく、所望の防振性能および遮音性
能を達成することができれば、形状は回復していてもよ
い。
【0031】圧縮した後の板状発泡体の独立気泡率は、
通常は30%以下、より好ましくは20%以下である。
圧縮後の板状発泡体の独立気泡率は、たとえば、圧縮時
間を延長すること、圧縮時の圧力をより強くすること、
圧縮回数を増やすことにより、小さくすることができ
る。圧縮後の板状発泡体の独立気泡率が大きいと、動的
ばね定数が大きくなりやすく、防振性に劣る建築用防振
緩衝材となる。
【0032】本発明によれば、ポリプロピレン系樹脂と
発泡剤からなる混合物を押出機内で溶融混練し、低圧領
域に吐出させ、押出機から押し出された板状発泡体を表
面温度が50℃以下となるように冷却する冷却工程と、
冷却した発泡体を厚さが50%以下となるように圧縮す
る圧縮工程により、載荷質量250kg/m2における
動的ばね定数が0.8×106〜10×106N/m3
ある板状ポリプロピレン系樹脂押出発泡体を製造するこ
とができる。
【0033】載荷質量250kg/m2における動的ば
ね定数が0.8×106〜10×10 6N/m3である板
状ポリプロピレン系樹脂押出発泡体は、柔軟性、防振
性、遮音性および耐水性に優れるので、建築用防振緩衝
材として好適に使用することができ、さらに上記冷却工
程と上記圧縮工程を連続式に有することで製造工程の簡
素化および効率化を達成することができる。
【0034】本発明の板状ポリプロピレン系樹脂押出発
泡体は、たとえば、コンクリート建築物のコンクリート
スラブと床層の間に敷設することにより、浮床構造の防
振緩衝材として使用することができる。
【0035】
【実施例】つぎに実施例および比較例に基づいて本発明
について説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定
されるものではない。
【0036】各実施例および比較例におけるポリプロピ
レン系樹脂のメルトテンション、板状発泡体の圧縮前の
密度、圧縮前および圧縮後の独立気泡率、ならびに、圧
縮後の動的ばね定数を次の方法により評価した。
【0037】<メルトテンション>口径1mm、長さ1
0mm、流入角45°のオリフィスから230℃に加熱
した樹脂を速度1m/分で押し出し、該押出物を、張力
検出用プーリーを通過させて速度1m/分から加速させ
て巻き取り、該押出物が切断されるまでの引き取りに要
する張力を測定した。この破断時の張力をもってメルト
テンションとした。
【0038】<密度>20mm×20mm×20mmの
成形体を切り出し、重量を測定し算出した。
【0039】<独立気泡率>ASTM D−2856記
載の方法に準じエアピクノメーターにより測定した。
【0040】<動的ばね定数>JIS A6322で規
定される測定法に基づいて、発泡体を2枚重ねたのち
に、厚さ50mmに切り出し、減衰振動波形を測定し、
自由振動になった減衰振動波形の隣り合う3個のピーク
から周期を読みとり、その平均値から固有振動数を求め
た。但し、載荷質量は250kg/m2とした。動的ば
ね定数は前記固有振動数から算出した。
【0041】実施例1 エチレンランダムポリプロピレン(三井石油化学(株)
製、ハイポールB230、230℃でのMI=0.5、
エチレン含量:3重量%、プロピレン含量:97重量
%)100重量部に対して、ラジカル発生剤として1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーブチル3
M、1分間半減期温度147℃)0.5重量部を配合
し、リボンブレンダーを用いて10分間混合攪拌した。
【0042】この混合物を(株)日本製鋼所製の2軸押
出機(TEX44)のホッパーから50kg/時の供給
速度で供給し、途中に設けた導入部より、イソプレンモ
ノマー(和光純薬(株)製、特級)2.5重量部を定量
ポンプを用いて1.25kg/時の速度(エチレンラン
ダムポリプロピレン100重量部に対して2.5重量部
となる割合)で供給した。得られた直径約4mmのロッ
ド状の改質ポリプロピレン系樹脂を水冷し、3mmの厚
さに細断することにより改質ポリプロピレン系樹脂のペ
レットを得た。
【0043】得られた改質ポリプロピレン系樹脂80重
量部、ポリスチレン樹脂(旭化成(株)製、スタイロンG
9305、MFR1.5)20重量部およびスチレン・
エチレンプロピレンブロック共重合体(クラレ(株)製、
セプトン2104、MFR0.4)5重量部の混合樹脂
を115mm−150mmタンデム型押出機に供給し、
第一段押出機(115mm)中にて220℃で可塑化し
たのち、発泡剤としてイソブタンを改質ポリプロピレン
系樹脂100重量部に対して13重量部圧入し、第二段
押出機(150mm)中にて樹脂温度が140℃になる
ように冷却し、さらに125℃に温度調節された長さ5
mの冷却混合機(150mm)にて30分間滞留させ
た。
【0044】つぎに吐出量240kg/時にてスリット
幅150mm、スリット厚10.5mmの矩形ダイから
厚さ42mmの発泡体を吐出させた。押し出された発泡
体を裁断することなく5分間自然放冷させることで、非
接触型温度計によって測定される発泡体表面温度を50
℃以下(42℃)としつつ押出方向に進行させ、線速度
5m/分で回転する上下面ロール式圧縮機(図1)にて
7mm(圧縮前の17%の厚さ:83%圧縮)まで圧縮
したのちに開放し、発泡体(1)を得た。
【0045】比較例1 押し出された発泡体を圧縮しなかったことを除いて実施
例1と同様の操作を行い、発泡体(4)を得た。
【0046】比較例2 圧縮工程において25mm(40%圧縮)まで圧縮した
ことを除いて実施例1と同様の操作を行い、発泡体
(5)を得た。
【0047】比較例3 実施例1の混合樹脂の代わりに前記改質ポリプロピレン
系樹脂のみを使用し、発泡体表面温度が75℃で圧縮工
程に導入されたことを除いて実施例1と同様の操作を行
い、発泡体(6)を得た。
【0048】比較例4 冷却混合機の温度が120℃に設定されたことを除いて
実施例1と同様の操作を行い、発泡体(7)を得た。
【0049】実施例2 前記改質ポリプロピレン系樹脂80重量部、ポリスチレ
ン樹脂(旭化成(株)製、スタイロンG9305、MFR
1.5)20重量部およびスチレン・エチレンプロピレ
ンブロック共重合体(クラレ(株)製、セプトン210
4、MFR0.4)5重量部の混合樹脂を使用した他は
実施例1と同様に、スリット幅150mm、スリット厚
9.5mmの矩形ダイから得られた厚さ35mmの発泡
体を冷却工程において2分間水を噴霧させつつ押出方向
に進行させたのち、発泡体表面温度を50℃以下(47
℃)としたのち、線速度5m/分で回転する上下面ロー
ル式圧縮機(図1)にて15mm(57%圧縮)まで圧
縮する工程を2回経たのちに開放し、発泡体(2)を得
た。
【0050】比較例5 前記混合樹脂の代わりにエチレンランダムポリプロピレ
ン(三井石油化学(株)製、ハイポールB230、23
0℃でのMI=0.5、エチレン含量:3重量%)10
0重量部を用いたことを除いて実施例2と同様の操作を
行い、発泡体(8)を得た。
【0051】実施例3 前記改質ポリプロピレン系樹脂70重量部、ポリスチレ
ン樹脂(旭化成(株)製、スタイロンG9305、MFR
1.5)30重量部およびスチレン・エチレンプロピレ
ンブロック共重合体(クラレ(株)製、セプトン210
4、MFR0.4)5重量部の混合樹脂を使用したほか
は実施例1と同様に、スリット幅150mm、スリット
厚10.5mmの矩形ダイから得られた厚さ40mmの
発泡体を冷却工程において2分間水を噴霧させつつ押出
方向に進行させ、上下面ステンレス製ベルトと2つのロ
ール(中心間距離5m、直径1.2m)で構成されるロ
ール式圧縮機(図2)によって線速度5m/分で15m
m(63%圧縮)まで圧縮したのちに開放し、発泡体
(3)を得た。
【0052】表1は実施例および比較例において発泡体
の製造に使用したポリプロピレン系樹脂のメルトテンシ
ョン、冷却工程の有無、圧縮量、圧縮前の発泡体密度、
回復後の厚さ、圧縮前後の発泡体の独立気泡率および圧
縮後の発泡体の動的ばね定数を示したものである。
【0053】
【表1】
【0054】実施例によって得られた発泡体は動的ばね
定数が低く、防振性および遮音性に優れた建築用防振緩
衝材に適しているのに対し、比較例によって得られた発
泡体は動的ばね定数が高く、防振性および遮音性に劣る
発泡体であることがわかる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、防振性および遮音性に
優れる建築用防振緩衝材として好適に用いることができ
る板状発泡体を効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリプロピレン系樹脂押出発泡体を圧縮する上
下面ロール式圧縮機の概略図
【図2】ポリプロピレン系樹脂押出発泡体を圧縮するス
テンレス製ベルトを使用した上下面ロール式圧縮機の概
略図
【符号の説明】
1 発泡体 2 ロール 3 ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 15/02 F16F 15/02 Q 15/08 15/08 D B29K 23:00 B29K 23:00 105:04 105:04 B29L 7:00 B29L 7:00 31:10 31:10 C08L 23:10 C08L 23:10 Fターム(参考) 3J048 BD02 BD07 EA38 3J066 AA26 BA03 BB01 BC03 BD05 4F074 AA17A AA17B AA24A AA24B AA24N AA32 AA32B AA98 AB02 AB05 BA38 CA22 CD20 DA02 DA08 DA23 DA40 4F207 AA11C AB02 AE07 AG01 AG20 AH46 KA01 KA11 KK11 KK52 KM06 KM16 KW26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂と発泡剤からなる
    混合物を押出機内で溶融混練し、低圧領域に吐出させ
    て、板状発泡体として押し出す板状ポリプロピレン系樹
    脂押出発泡体の製造方法であって、押出機から押し出さ
    れた板状発泡体を表面温度が50℃以下となるように冷
    却したのちに、厚さが50%以下となるように圧縮する
    ことにより、載荷質量250kg/m2における動的ば
    ね定数が0.8×106〜10×106N/m3である板
    状発泡体を得る板状ポリプロピレン系樹脂押出発泡体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 圧縮する前の板状発泡体の密度が10〜
    50kg/m3であり、独立気泡率が50%未満である
    請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ロール式圧縮機を用いて板状発泡体を圧
    縮する請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリプロピレン系樹脂の230℃でのメ
    ルトテンションが5g以上である請求項1記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の製造方
    法によって得られる圧縮後の独立気泡率が20%以下の
    板状ポリプロピレン系樹脂押出発泡体。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3または4記載の製造方
    法によって製造した板状発泡体からなる建築用防振緩衝
    材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006316907A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Yokohama Rubber Co Ltd:The 免震ゴム積層体
WO2021258609A1 (zh) * 2020-06-22 2021-12-30 浙江润阳新材料科技股份有限公司 一种连续发泡材料的定厚装置

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