JP2002263134A - 吸収性物品 - Google Patents
吸収性物品Info
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Abstract
を充分に発揮させることが困難であり、手を汚すことな
く便を容易に処理できない。 【解決手段】 液不透過性のバックシート11と、この
バックシート11に重ね合わされて前身頃部11Fから
股下部11Bに亙って延在する液透過性のトップシート
13C,13Sと、このトップシート13C,13Sと
バックシート11との間に介装され、尿を吸収保持する
第1吸収体14と、バックシート11に重ね合わされて
股下部11Bから後身頃部11Rに亙って延在する便分
離シート15と、この便分離シート15とバックシート
11との間に介装され、便を保持する第2吸収体17
と、この第2吸収体17をバックシート11と便分離シ
ート15との間から外部に取り出すための取り出し手段
と、バックシート11に接合されて第2吸収体17と第
1吸収体14とを仕切る仕切り部材12とを具える。
Description
が直接付着しないように配慮して臀部のスキントラブル
の減少を企図した吸収性物品に関し、特にこの吸収性物
品から便のみを取り出して容易に廃棄できるようにした
ものである。 なお、本発明における「吸収性物品」と
は、乳幼児または介護用のおむつや、成人用失禁用品な
どを表す。
し、皮膚臨床30の第949ページ〜第956ページ
(1998年)に記載された山本一哉氏の「いわゆるお
むつかぶれ」によると、尿と便とが混ざるとアンモニ
アが発生し、このアンモニアが環境をアルカリ性に
し、便中の酵素がアルカリ性雰囲気で強く活性化し、
この酵素およびアンモニアによって皮膚の弱った部分
が炎症を起こし、おむつかぶれが発生することを述べて
いる。皮膚の弱った部分が作り出される原因として、皮
膚と接触するおむつ構成材料の肌触りなどの機械的刺激
や、おむつ内の湿度が高いために皮膚がふやけた状態と
なるようなおむつ内側の環境なども指摘されている。
し、吸水性高分子材料の技術進歩に伴う性能向上によっ
て、例えば排尿後にこれを速やかに吸収してその浸透拡
散を少なくすることで、排便があった場合でもこれと混
ざりにくくすることが可能となっている。また、おむつ
内側の環境に関しては、例えば通気性シートをおむつに
使用することによって、おむつ内の蒸れ対策が可能とな
り、皮膚をふやけさせない効果をあげている。おむつか
ぶれに対する対策がこのように進んできたため、いわゆ
る使い捨ておむつなどの使用によって発生していたかぶ
れなどのスキントラブルも減少している。
された場合や、軟便に対するかぶれ防止については、ま
だ対策が十分ではなかった。軟便の場合、尿と混ざらな
くてもこれを放置すれば、皮膚への負担が大きくなる。
軟便は、皮膚に当接するおむつのトップシートをほとん
ど通過しないので、水分の一部が吸収体に移行する以
外、トップシートに残って着用者の臀部に付着すること
となる。このため、皮膚にトラブルが発生しないとして
も、おむつ替えの際に臀部に対する払拭作業が煩雑にな
る。
便が臀部に付着するのを防止するため、例えばおむつの
トップシートまたはスキンコンタクトシートに便を落と
し込むための開口部を設け、尿と便とを分離できるよう
にした構造のおむつが提案されている。しかしながら、
トップシートやスキンコンタクトシート自体は、おむつ
の着用状態においてその形状を維持する機能を有してい
ないため、この開口部を解放状態に維持することが困難
である。
04号公報,実用新案登録第2559050号公報,特
表平10−513072号,実開平6−5614号公
報,実開平6−11723号公報などにおいて尿と便と
を分離できるおむつが提案されている。
たおむつは、トップシートの中央に長さ方向に長い開口
部を設け、その開口部の周縁部に沿って弾性部材を取り
付けることにより、トップシートにいわゆるコシを持た
せて開口部が塞がれないように配慮したものである。実
用新案登録第2559050号公報に開示された使い捨
ておむつは、透液性内面シートと不透液性外面シートと
の間に吸液性パネルを介在させ、さらに透液性内面シー
トの上面に着用者の泌尿器および肛門に対向する開孔を
設けた第2の透液性内面シートを重ね合わせ、これら2
つの内面シートの間に隙間を形成したものである。ま
た、特表平10−513072号に開示された使い捨て
吸収物品は、着用者の肛門および/または尿道開口と対
向する穴と、この穴に連通して糞便および/または尿を
受けるための吸収性材料が配されたポケットとを形成し
たものである。実開平6−5614号公報に開示された
おむつは、表面シートに設けた開口部の下に延在する凹
部と、この開口部の周囲から中央部に表面シートを延在
させてなる弁部とを設け、開口部によって分離される便
が逆戻りしないように配慮したものである。さらに、実
開平6−11723号公報に開示されたおむつは、第1
の表面シートに第2の表面シートを重ね、この第2の表
面シートの長さ方向中央領域に形成した開口部を横方向
に拡開させるための複数の弾性部材を配置したものであ
る。
4号公報および実開平6−5614号公報に開示された
おむつの場合、これを実際に着用した様子を観察する
と、おむつの股下部が着用者の両脚の太股によってその
中央側に寄せられ、肌に密着せずに下方に垂れ下がった
ような状態となることが判明した。すなわち、これらの
おむつはトップシートまたは表面シート(以下、これら
をトップシートと総称する)の股下部が着用者の股下に
密着していないので、トップシートに設けられた開口部
が意味をなさず、便がトップシートの上に広がってしま
う不具合が生ずる。仮に、トップシートの開口部の位置
と着用者の肛門の位置とが合致していたとしても、トッ
プシートが着用者の股下に密着していないので、開口部
が塞がった状態となり、開口部を介して便をトップシー
トとバックシートとの間に導くことができないことが予
想される。
おむつも同様な不具合を有し、開口部が幅方向にのみ拡
開されているだけであり、着用状態によっては開口部が
つぶされてしまい、開口部の機能を充分に発揮させるこ
とが基本的にできない。
報に開示された使い捨ておむつの場合、尿および便が臀
部に付着することが少なくなるものの、尿と便とが混ざ
り合うのを防ぐことができず、これにより臀部の汚染を
なくすことができない。
示された使い捨て吸収物品にて糞便を処理する場合、こ
の使い捨て吸収物品全体も廃棄する必要があり、尿が排
泄されていないような場合には尿の吸収機能を有効に利
用することなく、廃棄することとなる。かかる不具合
は、上述した従来のおむつすべてに該当する。
などのスキントラブルを減らしつつ、手を汚すことなく
便のみを取り出して容易に廃棄し得る吸収性物品を提供
することにある。
下部および後身頃部を有するバックシートと、このバッ
クシートの前記前身頃部から前記股下部に亙って配置さ
れ、主として尿を吸収保持するための第1吸収体と、前
記バックシートに重ね合わされ、前記バックシートの前
記股下部から前記後身頃部に亙って延在する便分離シー
トと、この便分離シートと前記バックシートとの間に配
置され、主として便を保持するための第2吸収体とを少
なくとも具えた吸収性物品であって、前記便分離シート
と前記バックシートとの間から前記第2吸収体を取り出
すための取り出し手段と、前記バックシートの前記股下
部に設けられて前記第1吸収体と前記第2吸収体とを仕
切る仕切り部とをさらに具えたことを特徴とするもので
ある。
収体に吸収保持され、便は便分離シートを通過して第2
吸収体に保持される。第1吸収体と第2吸収体とは仕切
り部材によって仕切られているため、尿と便との混ざり
合いが防止される。第2吸収体に保持された便は、必要
に応じて取り出し手段により第2吸収体と共に外部に取
り出される。
トから第1吸収体を着脱するための着脱手段をさらに設
けることが可能である。この場合、着脱手段は、バック
シートに形成された着脱口を有するものであってよい。
わされる液透過性のトップシートをバックシートの前身
頃部から股下部に亙って配置することも可能である。こ
の場合、バックシートとトップシートとの間から第1吸
収体を着脱するための着脱手段をさらに設け、この着脱
手段がトップシートに形成された着脱口を有するもので
あってよい。
不透過性であってよい。
ロフィブリルセルロースと、これら吸水性高分子材料お
よびミクロフィブリルセルロースを保持する不織布基材
とを有するものであってよい。本発明におけるミクロフ
ィブリルセルロースとは、木材パルプを高シェア化で開
繊して得られる平均繊維長が0.1mm以下の極微細繊維
のことを称する。
分子材料を有するものであってよい。
形成することが好ましい。
シートに形成された取り出し口を有するものであってよ
い。この場合、取り出し手段は、取り出し口を開閉する
ための開閉手段をさらに有するものであってよい。
これを引っ張るための把持部をさらに有するものであっ
てよい。
に位置する端部が仕切り部材に接合されていてもよい。
子材料を含むか、またはこれを含まないものであってよ
い。
よい。
ては、液不透過性のポリエチレンシートを用いることが
好ましく、より好ましくは微孔を設けたポリエチレンシ
ートや熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸したシート
のように透湿性を持たせたものを用いることにより、蒸
れを少なくして快適にすることができる。さらに、この
シートの外側に手触りを良好にして合成樹脂シート独特
の擦れ音を緩和するため、不織布を貼り付けてバックシ
ートを構成するようにしてもよい。この不織布として
は、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステルなど
の熱可塑性樹脂を原料とする合成繊維を採用することが
でき、液不透過性および液透過性の何れでもよい。
しては、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステ
ル,その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維などか
らなる不織布や穴あき不織布またはメッシュシートなど
が用いられる。
便分離シートを通過するような開口構造を有するもので
あり、その開口率は10〜90%の範囲で任意に設定す
ることが可能である。開口率が10%未満の場合には便
を通過させることが困難となり、逆に90%を超えると
便が逆に通過して臀部を汚し易くなってしまう。この便
分離シートの開口の形態としては、例えば切欠やメッシ
ュまたは網目などを採用することができる。より具体的
には、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステル,
その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維などからな
る不織布に切欠を形成したものや、この不織布に熱針や
吸引処理によって穴を形成したもの採用することができ
る。この他に網目状シート,メッシュシート,穴あきフ
ィルム,発泡樹脂を原料する穴あきシートまたは網目状
シートを用いてもよい。発泡樹脂を用いた便分離シート
としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレ
ンに発泡剤を加えてシート状に押出し成型した発泡樹脂
シートに熱針や吸引処理によって複数の開口部を形成し
たものや、この発泡樹脂シートを網目状に押し出し成型
したネットを用いることができる。
衝材として良く知られており、例えば無架橋法による発
泡ポリエチレンからなるミラネット(商品名:株式会社
JSP製)などが市販され、臀部を包むような変形が容
易な特徴を有するので本発明における便分離シートの構
成材料として好適である。
ては、ポリエチレンを原料とした発泡ポリエチレンシー
ト、例えばミラマット(商品名:株式会社JSP製),
ハイエチレンS(商品名:日立化成工業株式会社製),
ソフトロン(商品名:積水化学工業株式会社製)や、ポ
リプロピレンを原料とした発泡ポリプロピレンシート、
例えばハイエチレンPP(商品名:日立化成工業株式会
社製),ピーマット(商品名:株式会社JSP製)、ま
たはポリスチレンを原料とした発泡ポリスチレンシー
ト、例えばポススチレンペーパー(商品名:株式会社J
SP製),ミラボード(商品名:株式会社JSP製)な
どが上げられる。これらの中でも、柔軟であることと架
橋されていないという特徴から、ミラマットが本発明に
おける便分離シートの構成材料として好適である。
形成するため、便分離シート自体に伸縮弾性を持たせた
り、便分離シートが接合されるバックシートの接合部分
に伸縮弾性を持たせるなどの方法がある。便分離シート
に伸縮弾性を持たせる場合には、便分離シートをその長
手方向に沿って伸長状態でその両端部をバックシート側
に接合することにより、この便分離シートの収縮力を利
用してこれを着用者の肌に密着させる。この場合、便分
離シートの側端縁部もバックシートに接合することによ
り、袋状の空隙がバックシートと便分離シートとの間に
形成される。また、便分離シートが接合されるバックシ
ートの接合部分に伸縮弾性を持たせる場合には、伸縮弾
性シートを介して便分離シートとバックシートとを接合
し、この伸縮弾性シートを伸長させることによって便分
離シートを着用者の肌に密着させ、バックシートに保持
された第2吸収体との間に空隙を形成する。
や非木材パルプを綿状にしたフラッフパルプを主材とし
たものに吸水性高分子材料(SAP)を併用したものが
好ましく、その他に吸収紙単独または熱融着繊維などの
混合物や積層物が用いられる。また、SAPの飛び出し
防止のために全体をティシュで包み込んだ積層構造とし
てもよい。具体的には、SAPおよびミクロフィブリル
セルロースをプロピレングリコールまたはメタノールと
水との混合溶液に分散した塗工液をトップシートに直接
塗工するか、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエス
テル,その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維から
なる不織布に塗工したSAPを主成分とするシート状を
なす。
面に液不透過性のシートを積層した構成のものを用いる
と、バックシートとして液透過性の材料を用いることが
可能となり、通気性が良好となって蒸れを防止すること
ができる。
接面に粘着テープや面ファスナなどを取り付け、バック
シートに対して第1吸収体を着脱可能に固定できる構成
にすることも可能である。
層にレーヨン,パルプ,CMC−Caなどを用いた水解
紙シートを用い、吸収コアにフラッフパルプ,カーリー
ファイバなどを用い、裏面層にティシュにPVAをラミ
ネートした難透水性シートなどを用いたものを採用する
ことができる。この場合、吸収コアとして木材パルプや
非木材パルプを綿状にしたフラッフパルプを主材とした
ものにSAPを併用したものが好ましい。SAPを10
重量%以下にすることによって、第2吸収体自体に水解
性を持たせることができる。
持部としては、紙,PVAフィルム,これらの複合物な
ど、通常に使われる水解性の素材を用いることができ、
引っ張り出しやすく、手を汚さないようにひもやテープ
の形態であることが好ましい。
手方向一端部がバックシートに接合され、他端部がトッ
プシートまたは便分離シートに接合される。尿と便との
分離をさらに確実にするため、この仕切り部材を2つ配
置し、これらの長手方向一端部を股下部にてバックシー
トに接合し、一方の他端部をトップシートに接合すると
共に他方の他端部を便分離シートに接合するようにして
もよい。この仕切り部材としては、ポリエチレン,ポリ
プロピレン,ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を原料と
したフィルムや不織布などが用いられる。不織布を用い
る場合、例えばスパンボンド(S)およびメルトブロー
(M)を複合したSMS構造やSMMS構造のものが好
適である。
離シートに第2吸収体を取り出すための取り出し口を形
成することが有効である。この取り出し口の位置は、股
下部から後身頃部までの間で任意に選択可能であり、こ
こから第2吸収体を取り出すことが可能であれば、形態
を選ばない。例えば、バックシートまたは便分離シート
にミシン目を入れておき、第2吸収体を取り出す際にこ
のミシン目を破って取り出し口を形成するようにしても
よい。あるいは、あらかじめ開閉可能な切欠を取り出し
口として形成しておき、ここに粘着テープ,ジッパー,
面ファスナなどを装着し、不必要な時に取り出し口が開
かないように配慮することも有効である。取り出し口を
設けない場合、便分離シートをバックシートから剥離可
能とする構成を採用することにより、バックシートの第
2吸収体を取り出すことができる。
ックシートまたはトップシートに第1吸収体を取り出す
ための取り出し口を形成することができる。この取り出
し口の位置および形態は、上記のごとく第2吸収体を取
り出すためにバックシートまたは便分離シートに形成し
た取り出し口の場合と同様にすればよい。
および第2吸収体以外の部分の材料としてすべて布製の
材料を用い、これを縫製して吸収性物品の本体部分を形
成した場合には、吸収体のみを廃棄し、汚れた本体部分
は洗濯して再使用することが可能となる。
応用した実施例について、図1〜図11を参照しながら
詳細に説明するが、本発明はこのような実施例に限ら
ず、これらをさらに組み合わせたり、この明細書の特許
請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるべき
他の技術にも応用することができる。
し、その展開形状を図2に示し、おむつの前身頃部から
後身頃部に至る中央断面形状を図3に示す。すなわち、
本実施例におけるおむつ10は全体としてパンツ型をな
し、いわゆるおむつカバーを構成する液不透過性のバッ
クシート11と、このバックシート11の股下部11B
を横切るように基端部がバックシート11に接合される
本発明の仕切り部材としてのセパレータ12と、前身頃
部11F側でバックシート11の幅方向中央部に重ね合
わされる液透過性のセンタートップシート13Cと、一
定幅を有するこのセンタートップシート13Cの幅方向
両側縁部に内側縁部が重なるように、バックシート11
の幅方向両側縁側に重ね合わされる左右一対のサイドト
ップシート13Sと、これらバックシート11とセンタ
ーおよび左右一対のサイドトップシート13C,13S
(以下、これらを一括してトップシート13と略記す
る)との間に配置されてバックシート11の前身頃部1
1Fから股下部11Bに亙って延在するシート状をなす
第1吸収体14と、後身頃部11R側でバックシート1
1の幅方向中央部に重ね合わされる液不透過性の伸縮可
能な便分離シート15と、一定幅を有するこの便分離シ
ート15の幅方向両側縁部に内側縁部が重なるように、
バックシート11の幅方向両側縁側に重ね合わされる左
右一対の補助シート16と、これらバックシート11と
便分離シート15および左右一対の補助シート16との
間に配置されてバックシート11の股下部11Bから後
身頃部11Rに亙って延在するシート状をなす第2吸収
体17と、おむつ10のウエスト周り開口部18に沿っ
て伸長状態でバックシート11の折り返し部11T(ウ
エスト周り開口部18)に保持される伸縮可能な複数本
のウエスト周り弾性部材19と、おむつ10の脚周り開
口部20に沿って伸長状態でバックシート11とトップ
シート13および補助シート16との間に保持される伸
縮可能な複数本の脚周り弾性部材21とを具えている。
13の端部はバックシート11に対して一体的に接合さ
れ、股下部11B側の端部はセパレータ12の基端部側
に接合されている。
11B側に形成された本実施例における便分離シート1
5は、伸縮弾性ネット15Eを伸長状態のまま不織布1
5Nで挟んだ構造を有し、その股下部11B側の端部が
セパレータ12の先端部側に接合され、ウエスト周り開
口部18側の端部がバックシート11の折り返し部11
Tに挟持された状態で接合されている。この場合、便分
離シート15の長手方向寸法は、収縮した状態において
バックシート11の後身頃部11Rの展張寸法よりも短
く設定してあるため、バックシート11に対して吊り下
げられた状態となり、第2吸収体17との間に空隙23
が形成される。従って、おむつ10の着用時には便分離
シート15が伸長状態となって着用者の臀部に当接し、
たるみが生ずるバックシート11の後身頃部11R側と
の間に空隙23が形成され、開口部22を通過した便が
第2吸収体17の上に保持され、臀部との直接的な接触
が生じないようになっている。
の端部は、セパレータ12の先端部側に接合され、その
ウエスト周り開口部18側の端部はバックシート11の
折り返し部11Tに挟持された状態で接合されている。
ウエスト周り開口部18に沿ってミシン目24が形成さ
れ、このミシン目24を破って図4に示すように取り出
し口25を形成することにより、ここから第2吸収体1
7を取り出すことができるようになっている。本実施例
においては、上述したミシン目24が本発明の取り出し
手段の一部として機能する。
造を図5に示す。すなわち、本実施例における第2吸収
体17は、レーヨンとパルプとを用いた水解性の表面層
17Tと、ティシュにPVAをラミネートした難透水性
の裏面層17Bとの間に、カーリーファイバを用いた吸
収コア17Cを保持したものであり、一端側が第2吸収
体17の長手方向一端部から引き出される紐26の他端
側は、この第2吸収体17の長手方向に沿って裏面層1
7Bに接合されている。この紐26の一端部を掴んで引
っ張ることにより、手を汚すことなく第2吸収体17を
ミシン目24の部分から取り出すことが可能であり、本
発明の取り出し手段の一部としても機能する。この紐2
6に代えて、テープやリボンなどを採用することも可能
である。
センタートップシート13Cと左右一対のサイドトップ
シート13Sとに分けているが、これらを単一のシート
で構成することも当然可能である。また、取り出し口2
5をバックシート11側に形成したが、図6に示すよう
にこの取り出し口25を便分離シート15側に形成して
もよい。便分離シート15側に取り出し口25を形成す
る場合においても、これをミシン目にしておき、必要な
時にミシン目を破って取り出し口25とすることが可能
である。
にしておけば、新たな第2吸収体17を装着する場合
に、取り出し口25を塞いで置くことも可能となる。こ
のような本発明による吸収性物品の他の実施例をバック
シートの後身頃部側から見た外観を図7に示し、その前
身頃部から後身頃部に至る中央断面形状を図8に示す
が、先の実施例と同一機能の部材にはこれと同一符号を
記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すな
わち、バックシート11の後身頃部11Rをウエスト周
り開口部18に沿って切り欠くことにより形成された取
り出し口25の近傍のバックシート11には、この取り
出し口25を跨ぐように配される粘着性の開閉テープ2
7の基端部が接合されており、この開閉テープ27の先
端側は、繰り返し剥離可能にバックシート11に接合さ
れて取り出し口25を開閉し得るようになっている。ま
た、取り出し口25には第2吸収体17と一体の紐26
の一端部が引き出されており、これも開閉テープ27に
よってバックシート11に係止され、第2吸収体17を
取り出し口25から取り出す際に、指をバックシート1
1の中に入れずとも第2吸収体17を外側に引き出すこ
とが可能である。
第2吸収体17との間に空隙23を形成するようにした
が、便分離シート15として発泡樹脂を使用した場合に
は、その厚みを利用して先の実施例と同じような効果を
得ることも可能である。このような本発明による吸収性
物品の別な実施例における展開形状を図9に示すが、先
の実施例と同一機能の部材にはこれと同一符号を記すに
止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、
本実施例における便分離シート15は、発泡樹脂の線材
を網目状に成形したものであり、便が通過する多数の開
口部22を有している。ウエスト周り開口部18側の便
分離シート15の端部は、接続用テープ28を介してバ
ックシート11の折り返し部11Tに接合されている。
便分離シート15は、これを構成する発泡樹脂の線材の
太さにより、着用者の臀部と第2吸収体17との間に開
口部22を含む空隙を形成し、ここに便が保持されるよ
うになっている。
ックシート11およびトップシート13に対して一体化
した構造を採用しているが、これを必要に応じて着脱で
きるようにすることも可能である。
実施例における前身頃から後身頃に至る中央断面形状を
図10に示すが、先の実施例と同一機能の部材にはこれ
と同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するもの
とする。すなわち、本実施例における第1吸収体14
は、表面層14Tと、裏面層14Bと、表面層14Tと
裏面層14Bの間に配置された吸収コア14Cとで構成
されている。裏面層14Bはバックシート11に対して
粘着性を有しており、この粘着力によって第1吸収体1
4がバックシート11に保持される。逆に、この粘着力
に抗して図11に示すように、第1吸収体14をバック
シート11から引き剥がすことにより、第1吸収体14
をバックシート11から取り外すことができる。つま
り、上述した裏面層14Bが本発明による第1吸収体1
4の着脱手段を構成しており、必要に応じて新たな第1
吸収体14と交換することが可能である。
めに先の実施例の如き液透過性のトップシート13を設
けていないが、第1吸収体14の表面層14Tをこれと
同じ素材で形成することが可能である。また、バックシ
ート11に第1吸収体11の着脱口を設けた場合には、
先の実施例のようなトップシート13をバックシート1
1の前身頃部11Fから股下部11Bに亙って設けるこ
とも可能である。バックシート11を液不透過性の材料
で形成した場合、裏面層14Bを液不透過性の材料で形
成する必用はなく、任意の素材を使用可能である。しか
しながら、裏面層14Bを液不透過性の材料で形成した
場合には、バックシート11を液透過性の材料で形成す
ることができるため、蒸れを軽減することができる点で
好ましいと言える。
ートとバックシートとの間に主として便を保持するため
の第2吸収体を介装し、この第2吸収体をバックシート
と便分離シートとの間から外部に取り出す取り出し手段
を設け、さらに第2吸収体と第1吸収体とを仕切る仕切
り部材をバックシートに接合したので、排便後に便のみ
を第2吸収体と共に容易に廃棄することが可能となる。
しかも、第1吸収体と第2吸収体とが仕切り部材によっ
て仕切られているため、尿と便との混ざり合いを防止す
ることができ、結果としてアンモニアの発生を抑制して
スキントラブルを軽減することが可能となる。
けた場合には、第1吸収体の交換が可能となり、吸収性
物品を反復利用することができる。
クシートまたはトップシートに形成した場合には、第1
吸収体の交換を容易に行うことができる。
不透過性にした場合には、バックシートとして液透過性
の材料を用いることが可能となり、通気性が良好となっ
て蒸れを防止することができる。
フィブリルセルロースと、これら吸水性高分子材料およ
びミクロフィブリルセルロースを保持する不織布基材と
を有する場合には、第一吸収体を極めて薄くすることが
可能であり、着用性を良好にすることができる。
子材料を有する場合には、多量の尿を第1吸収体に保持
させることができる。
形成した場合には、第2吸収体に保持される便と着用者
の臀部とを隔離し、臀部を清浄に保つことができる。
バックシートまたは便分離シートに形成した場合には、
第2吸収体の取り出しを容易に行うことができる。
けた場合には、第2吸収体の非交換時には取り出し口を
塞いでおくことができ、臭気などが外部に漏洩するのを
防止することができる。
2吸収体を取り出すための把持部を第2吸収体に設けた
場合には、第2吸収体に便が付着した状態でも把持部を
つかむことによって手を汚すことなく第2吸収体を便と
共に取り出し、廃棄することができる。
シートの一端部を仕切り部材に接合した場合には、着用
中に第2吸収体が前身頃部側へずれるのを確実に防止す
ることができる。
子材料を含む場合には、軟便であっても吸水性高分子材
料によって水分の吸収保持がなされることにより、その
流動を抑制して第2吸収体の上に便を確実に保持するこ
とができる。
と共に第2吸収体を水に流して廃棄することが可能とな
り、例えば水洗式の便所を利用して第2吸収体を容易に
廃棄することができ、臭気などのトラブルを最小限に抑
えることができる。
実施例の外観を表す斜視図である。
見た正面図である。
縦断面図である。
出し状態を表す断面図である。
る。
取り出し状態を表す断面図である。
の実施例における後身頃部側の外観を表す斜視図であ
る。
縦断面図である。
な実施例を展開状態でその内側から見た正面図である。
さらに他の実施例における前後方向中央部に沿った縦断
面図である。
をバックシートから取り外した状態を表す縦断面図であ
る。
Claims (16)
- 【請求項1】 前身頃部,股下部および後身頃部を有す
るバックシートと、このバックシートの前記前身頃部か
ら前記股下部に亙って配置され、主として尿を吸収保持
するための第1吸収体と、 前記バックシートに重ね合わされ、前記バックシートの
前記股下部から前記後身頃部に亙って延在する便分離シ
ートと、 この便分離シートと前記バックシートとの間に配置さ
れ、主として便を保持するための第2吸収体と を少なくとも具えた吸収性物品であって、 前記便分離シートと前記バックシートとの間から前記第
2吸収体を取り出すための取り出し手段と、 前記バックシートの前記股下部に設けられて前記第1吸
収体と前記第2吸収体とを仕切る仕切り部とをさらに具
えたことを特徴とする吸収性物品。 - 【請求項2】 前記バックシートから前記第1吸収体を
着脱するための着脱手段をさらに具えたことを特徴とす
る請求項1に記載の吸収性物品。 - 【請求項3】 前記着脱手段は、前記バックシートに形
成された着脱口を有することを特徴とする請求項2に記
載の吸収性物品。 - 【請求項4】 前記バックシートの前記前身頃部から前
記股下部に亙って配置され、前記第1吸収体の上から前
記バックシートに重ね合わされる液透過性のトップシー
トをさらに具えたことを特徴とする請求項1から請求項
3の何れかに記載の吸収性物品。 - 【請求項5】 前記バックシートと前記トップシートと
の間から前記第1吸収体を着脱するための着脱手段をさ
らに具え、この着脱手段は、前記トップシートに形成さ
れた着脱口を有することを特徴とする請求項4に記載の
吸収性物品。 - 【請求項6】 前記バックシートに接する前記第1吸収
体の面が液不透過性であることを特徴とする請求項1か
ら請求項5の何れかに記載の吸収性物品。 - 【請求項7】 前記第1吸収体は、吸水性高分子材料
と、ミクロフィブリルセルロースと、これら吸水性高分
子材料およびミクロフィブリルセルロースを保持する不
織布基材とを有することを特徴とする請求項1から請求
項6の何れかに記載の吸収性物品。 - 【請求項8】 前記第1吸収体は、50重量%以上の吸
水性高分子材料を有することを特徴とする請求項1から
請求項7の何れかに記載の吸収性物品。 - 【請求項9】 前記バックシートが液不透過性であるこ
とを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の
吸収性物品。 - 【請求項10】 前記便分離シートと前記第2吸収体と
の間に空隙が形成されていることを特徴とする請求項1
から請求項9の何れかに記載の吸収性物品。 - 【請求項11】 前記取り出し手段は、前記バックシー
トまたは前記便分離シートに形成された取り出し口を有
することを特徴とする請求項1から請求項10の何れか
に記載の吸収性物品。 - 【請求項12】 前記取り出し手段は、前記取り出し口
を開閉するための開閉手段をさらに有することを特徴と
する請求項11に記載の吸収性物品。 - 【請求項13】 前記取り出し手段は、前記第2吸収体
に設けられてこれを引っ張るための把持部をさらに有す
ることを特徴とする請求項1から請求項12の何れかに
記載の吸収性物品。 - 【請求項14】 前記便分離シートは、前記バックシー
トの股下部側に位置する端部が前記仕切り部材に接合さ
れていることを特徴とする請求項1から請求項13の何
れかに記載の吸収性物品。 - 【請求項15】 前記第2吸収体は、10重量%以下の
吸水性高分子材料を含むか、またはこれを含まないこと
を特徴とする請求項1から請求項14の何れかに記載の
吸収性物品。 - 【請求項16】 前記第2吸収体は、水解性を有するこ
とを特徴とする請求項1から請求項15の何れかに記載
の吸収性物品。
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