JP2002261382A - 発光素子駆動回路 - Google Patents

発光素子駆動回路

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動電流のレベル変動を抑制可能な発光素子
駆動回路を提供する。 【解決手段】 この回路は、第2カレントミラー回路2
を流れる高周波電流I4(I5)の直流電流成分I6’
を検出する検出回路4と、検出回路4によって検出され
た直流電流成分I6’を、第1カレントミラー回路1の
ライン1Bを流れる直流電流I1(I7)から減じる調
整回路5とを備えており、直流と高周波が重畳されてな
る駆動電流IL’のレベル変動を抑制することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光素子駆動回路
に関する。
【0002】
【従来の技術】光ピックアップは、CDやDVD等の記
憶媒体にレーザダイオードからレーザ光を照射し、その
反射光をモニタすることによって、記憶媒体に記憶され
た情報を読み出すことが可能な装置である。また、レー
ザダイオードは記憶媒体への情報の書き込みに用いられ
る場合もある。従来、かかるレーザダイオードの駆動回
路が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光ピックアップにおい
ては、装置内で反射した不要な光や背景光が光検出器に
入射し、必要な情報に含まれるノイズとなる。また、記
憶媒体で反射した光が発光素子に戻って入射すると、発
光素子の発光が不安定となり、ノイズの原因となる。
【0004】したがって、ノイズ耐性を向上させるた
め、発光素子を高周波駆動する手法が考えられる。高周
波電流は直流電流成分に重畳され、駆動電流として発光
素子に供給される。現在のCDプレーヤーに適用できる
高周波の好適な周波数は300乃至500MHzであ
る。
【0005】消費電力を抑制するため、かかる高周波電
流を発光素子に供給しない場合も考えられる。また、高
周波電流自体の平均値も温度や経年劣化によって変化す
る。このように高周波電流の平均値が変わると、駆動電
流のレベルが変動する。高速の読み出しを行うと、単位
時間当たりの受光量が低下するので、小さなレベル変動
によって誤検出の発生確率が増加する。したがって、レ
ベル変動は小さい方が好ましい。
【0006】本発明は、かかる問題に鑑みてなされたも
のであり、直流電流成分に高周波電流成分を重畳して駆
動電流とし、これを発光素子に供給する発光素子駆動回
路において、当該駆動電流のレベル変動を抑制可能な発
光素子駆動回路を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明の発光素子駆動回路は、それぞれが並列ライ
ンを有する第1及び第2カレントミラー回路における前
記ラインの一方を共に前記発光素子に接続し、前記第1
及び第2カレントミラー回路における前記ラインの他方
にそれぞれ直流電流及び高周波電流を流し、直流電流に
高周波電流が重畳してなる駆動電流を前記接続の節点を
介し前記発光素子に供給する発光素子駆動回路におい
て、前記第2カレントミラー回路を流れる高周波電流の
直流電流成分を検出し、検出された直流電流成分が、前
記第1カレントミラー回路の前記ラインの前記他方を流
れる直流電流から減じられるようにしたことを特徴とす
る。
【0008】すなわち、第2カレントミラー回路におけ
る高周波電流の直流電流成分が増加すると、第1及び第
2カレントミラー回路の一方のラインの双方を流れる電
流の和として与えられる駆動電流の平均値が増加する。
【0009】第2カレントミラー回路を流れる高周波電
流の直流電流成分が増加した場合には、この増分が第1
カレントミラー回路の他方のラインを流れる直流電流か
ら減じられる。駆動電流は、第1カレントミラー回路の
他方を流れる直流電流に一致又は比例した直流電流が、
高周波電流に重畳されたものなので、駆動電流から上記
増分が減じられることにより、駆動電流の平均値の変動
を抑制することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に係る発光素子
駆動回路について説明する。同一要素には同一符号を用
い、重複する説明は省略する。この発光素子駆動回路は
直流電流成分に高周波電流を重畳する主要回路と、駆動
電流の安定化を図る補助回路からなる。まず、主要回路
について説明する。
【0011】図1は発光素子駆動回路における主要回路
の回路図である。なお、図3は以下の説明中における電
流I1,I2,I3,I4,I5,I6,I7,IL,
I3’,IL’の波形を示すグラフである。
【0012】この主要回路は、それぞれが並列ライン
(1Aと1B,2Aと2B)を有する第1及び第2カレ
ントミラー回路1,2における前記ラインの一方(1
A,2A)を共に発光素子Zに接続し(接続の節点をX
とする)、第1及び第2カレントミラー回路1,2にお
ける前記ラインの他方(1B,2B)にそれぞれ直流電
流I1及び高周波電流I4(パルス電流)を流す回路で
ある。
【0013】カレントミラー回路1,2は、それぞれ、
2つのトランジスタ(1QAと1QB,2QAと2Q
B)からなり、2つの並列ライン(1Aと1B,2Aと
2B)を有する。一方のライン1A,2Aを流れる電流
I3,I5の大きさは、他方のライン1B,2Bを流れ
る電流I1,I4の大きさにそれぞれ一致又は比例す
る。
【0014】したがって、他方のライン1B,2Bに流
れる電流I1,I4の大きさを制御すると、一方のライ
ン1A,2Aに接続された発光素子Zを流れる駆動電流
ILの大きさが制御できる。
【0015】なお、カレントミラー回路において、トラ
ンジスタサイズが同じであれば、双方のラインを流れる
電流の大きさは同じであり、異なればサイズ比に比例す
る。
【0016】パルス状の駆動電流ILは、直流電流I3
と高周波電流(パルス電流)I5の和となるが、これら
の電流は、それぞれが流れるライン1A,2Aに対して
対となるライン1B,2Bに流れる電流I1,I4に一
致又は比例するので、駆動電流ILは直流電流I1と高
周波電流I4の和又はこの和に比例した値となる。
【0017】本発光素子駆動回路の主要回路は、直流電
流I3に高周波電流I5が重畳してなる駆動電流IL
を、前述の接続の節点Xを介し発光素子Zに供給する。
【0018】ライン1Aに直流電流I3を流すために
は、ライン1Bに直流電流I1を流す必要がある。した
がって、トランジスタ1QBのソースは電源電位に、ド
レインは定電流源45を介してグランドに接続されてい
る。なお、本例におけるトランジスタ1QBは、pチャ
ネル型の電界効果トランジスタであり、ゲートとドレイ
ンは短絡されている。
【0019】ライン2Aに高周波電流I5を流すために
は、ライン2Bに高周波電流I4を流す必要がある。し
たがって、トランジスタ2QBのソースは電源電位に接
続され、ソースとゲートには高周波電圧が印加される。
なお、本例におけるトランジスタ2QBは、pチャネル
型の電界効果トランジスタであり、ゲートとドレインは
短絡されているので、ドレインの電位が周期的に変動す
れば上記高周波電圧が印加されることとなる。このドレ
インの電位は、当該ドレインに接続された高周波発生回
路3によって変動させられる。
【0020】高周波発生回路3は、nチャネル型の電界
効果トランジスタM5,M6を備えた電流チョッパ回路
であり、トランジスタM5のドレインが、トランジスタ
2QBのドレインに接続されている。これらのトランジ
スタM5,M6における双方のチャネルを流れる電流の
総和は定電流源56によって一定とされている。
【0021】トランジスタM5,M6のゲート間には発
振器OSCが介在しているので、当該ゲートの電位が周
期的に変動し、トランジスタM5,M6の双方におい
て、ゲートとソースの間の電位が相補的に変動する。ト
ランジスタM5のゲートに正の電圧を印加すれば、電圧
の大きさに応じて電流I4が変動するので、そのドレイ
ン電位が変動し、電流I4が発振器OSCの発振に同期
にして変動する。
【0022】光ピックアップにおいては、装置内で反射
した不要な光や背景光が光検出器に入射し、必要な情報
に含まれるノイズとなる。また、記憶媒体で反射した光
が発光素子に戻って入射すると、発光素子の発光が不安
定となり、ノイズの原因となる。したがって、ノイズ耐
性を向上させるため、主要回路においては、高周波電流
に直流電流を重畳し、これを駆動電流として発光素子Z
に供給している。現在のCDプレーヤーに適用できる高
周波の好適な周波数は300乃至500MHzである。
【0023】しかしながら、高周波電流の平均値が変わ
ると、駆動電流のレベルが変動する。高速の読み出しを
行うと、単位時間当たりの受光量が低下するので、小さ
なレベル変動によって誤検出の発生確率が増加する。し
たがって、レベル変動は小さい方が好ましい。そこで、
本発光素子駆動回路においては、主要回路に補助回路を
設ける。
【0024】図2は主要回路に加えて補助回路を備えて
なる発光素子駆動回路の回路図である。補助回路は、第
2カレントミラー回路2を流れる高周波電流I4(I
5)の直流電流成分I6’を検出する検出回路4と、検
出回路4によって検出された直流電流成分I6’を、第
1カレントミラー回路1の前記ラインの他方1Bを流れ
る直流電流I1(図2においては電流I7)から減じる
調整回路5とを備えている。以下、詳説する。
【0025】検出回路4は、電源電位とグランドとの間
に容量素子(交流カット用)Cを介在させて設けられた
トランジスタM7を備えている。トランジスタM7のゲ
ートは、第2カレントミラー回路2におけるトランジス
タ2QBのゲートに接続されており、トランジスタM7
のゲートと電源電位との間には上記高周波電流I4に同
期及び比例した電圧が印加される。すなわち、トランジ
スタM7のソースとドレイン間には、上記高周波電流I
4に繰り返し周波数が一致し、振幅が比例した高周波電
流I6が流れる。
【0026】なお、トランジスタ2QBとトランジスタ
M7はカレントミラー回路を構成している。
【0027】高周波電流I6に含まれる交流電流成分は
容量素子Cを介してグランドに流れるので、高周波電流
I6に含まれる直流電流成分I6’のみが、定電流源4
5に流れ込む。したがって、検出回路4は、第2カレン
トミラー回路2を流れる高周波電流I4(I5)の直流
電流成分I6’を間接的に検出している。なお、容量素
子Cは、トランジスタ1QA,1QBのゲート容量で代
用できる場合がある。
【0028】調整回路5は、電流I7に直流電流成分I
6’を重畳する電流重畳部Yと、電流重畳部Yの出力電
流が入力される定電流源45とを備えている。すなわ
ち、定電流源45には、一定の電流I1が流れるので、
検出された直流電流成分I6’が増加すれば、第1カレ
ントミラー回路1の他方のライン1Bを流れる電流I7
は減少する。
【0029】すなわち、(電流I7の大きさ)=(電流
I1の大きさ)−(電流I6’の大きさ)である。この
ように、調整回路5は検出回路4によって検出された直
流電流成分I6’を、第1カレントミラー回路1の前記
ラインの他方1Bを流れる直流電流I7から減じてい
る。
【0030】電流I6’が増加すると、電流I7が減少
し、第1カレントミラー回路1の一方のライン1Aを流
れる電流I3が減少する(減少したものをI3’とす
る)。したがって、発光素子Zに供給される駆動電流I
Lの直流成分が減少する(減少したものをIL’とす
る)。
【0031】以上、説明したように、第2カレントミラ
ー回路2における高周波電流I4の直流電流成分I6’
が増加すると、第1及び第2カレントミラー回路1,2
の一方のライン1A,2Aの双方を流れる電流の和とし
て与えられる駆動電流ILの平均値(レベル)が増加す
るが、第2カレントミラー回路2を流れる高周波電流I
4の直流電流成分I6’が増加した場合には、この増分
(I6’)が第1カレントミラー回路1の他方のライン
1Bを流れる直流電流I1から減じられる(I7=I1
−I6’)。
【0032】駆動電流IL(IL’)は、第1カレント
ミラー回路1の他方のライン1Bを流れる直流電流I7
に一致又は比例した直流電流I3’が高周波電流I5に
重畳されたものなので、駆動電流ILから上記増分(I
6’)が減じられることにより、駆動電流IL’の平均
値(レベル)の変動を抑制することができる。
【0033】なお、上記では、トランジスタ1QA,1
QB,2QA,2QB,M7としてpチャネル型の電界
効果トランジスタを用い、それぞれのソースを電源電位
に接続したが、これらは例えばPNP型のバイポーラト
ランジスタに置換することができる。
【0034】また、上記では、トランジスタM5,M6
にnチャネル型の電界効果トランジスタを用い、ドレイ
ンを電源電位側に接続したが、これは例えばNPN型の
バイポーラトランジスタに置換することができる。な
お、電界効果トランジスタにおけるソース、ゲート及び
ドレインは、バイポーラトランジスタにおいてはエミッ
タ、ベース及びコレクタに読み替えることができる。
【0035】また、電流の流れる方向は、トランジスタ
の極性を適当に設定すれば、上記とは逆にすることがで
きる。
【0036】更に、トランジスタ1QBと節点(電流重
畳部)Yとの間に、外部入力のない適当な回路を設ける
こととしてもよい
【0037】上述の発光素子駆動回路においては、駆動
電流IL(IL’)の平均値の変化が抑制されるので、
発光素子Zをレーザダイオードとして、これを駆動した
場合、高周波重畳の有無によってもレーザ光の強度が変
化せず、これは特に、光学系にホログラムを使用する場
合に有効である。
【0038】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の発光素
子駆動回路によれば、駆動電流のレベル変動を抑制する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発光素子駆動回路の主要回路を示す回路図。
【図2】発光素子駆動回路を示す回路図。
【図3】電流波形を示すグラフ。
【符号の説明】
1,2…カレントミラー回路、1QA,1QB,2Q
A,2QB,M5,M6,M7…トランジスタ、1A,
2A…一方のライン、1B,2B…他方のライン、3…
高周波発生回路、4…検出回路、5…調整回路、45…
定電流源、56…定電流源、C…容量素子、OSC…発
振器、X…節点、Y…電流重畳部、Z…発光素子。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれが並列ラインを有する第1及び
    第2カレントミラー回路における前記ラインの一方を共
    に前記発光素子に接続し、前記第1及び第2カレントミ
    ラー回路における前記ラインの他方にそれぞれ直流電流
    及び高周波電流を流し、直流電流に高周波電流が重畳し
    てなる駆動電流を前記接続の節点を介し前記発光素子に
    供給する発光素子駆動回路において、前記第2カレント
    ミラー回路を流れる高周波電流の直流電流成分を検出
    し、検出された直流電流成分が、前記第1カレントミラ
    ー回路の前記ラインの前記他方を流れる直流電流から減
    じられるようにしたことを特徴とする発光素子駆動回
    路。
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