JP2002259493A - 生産物情報提供方法、システム、生産者用端末、および生産物購入者用端末 - Google Patents

生産物情報提供方法、システム、生産者用端末、および生産物購入者用端末

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JP2002259493A
JP2002259493A JP2001054865A JP2001054865A JP2002259493A JP 2002259493 A JP2002259493 A JP 2002259493A JP 2001054865 A JP2001054865 A JP 2001054865A JP 2001054865 A JP2001054865 A JP 2001054865A JP 2002259493 A JP2002259493 A JP 2002259493A
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JP2001054865A
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Hiroshi Shibata
弘 柴田
Takanari Hoshiai
隆成 星合
Takamichi Sakai
隆道 酒井
Keiichi Koyanagi
恵一 小柳
Keiji Kanasugi
恵次 金杉
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Fujitsu Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ネットワークを介した生産物情報提供を、仲
介者無しに、リアルタイムに行う。 【解決手段】 生産者B1〜B3は生産者用端末21〜23
から生産物情報提供用アプリケーション51〜53を用い
て生産物識別情報をフィルタとして意味情報ネットワー
ク3に設定する。一方、生産物購入者Aは生産物購入者
用端末1に生産物識別情報を含む生産物問合せ要求を入
力すると、これが生産物情報問合せ用アプリケーション
4によってイベントとして意味情報ネットワーク3に送
信される。自己のフィルタに設定された生産物識別情報
が生産物問合せ要求に含まれる生産物識別情報と一致す
る生産者用端末は生産物情報を意味情報ネットワーク3
を介して生産物購入者用端末1に送信する。生産物購入
者用端末1では生産物情報を端末画面に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産物購入者用端
末がネットワークを介して生産物情報問合せ要求を出
し、不特定多数の生産者用端末のうち、該要求に合った
生産物情報を有する生産者用端末が生産物購入者用端末
にネットワークを介して生産物情報を送信する生産物情
報提供方法およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】図7はこの種の生産物情報提供システム
の従来例の構成図である。
【0003】この生産物情報提供システムは生産物購入
者用端末11と、生産者用端末12 1,122,12
3と、仲介者用端末16と、これらを接続する、インタ
ーネット等のネットワーク13で構成されている。生産
物購入者用端末11には生産物情報問合せ用アプリケー
ション14、生産者用端末121,122,123には生
産物情報提供用アプリケーション151,152,1
3、仲介者端末16に仲介用アプリケーション17が
それぞれインストールされている。
【0004】生産物購入者Aは生産物情報問合せ用アプ
リケーション14を用いて仲介者用端末16に対して、
生産物に付与されている識別情報を送信する(1)。仲
介者用端末16の生産物情報提供サービス仲介者Cは仲
介用アプリケーション17を用い、生産物情報の提供サ
ービスをしたい不特定の生産者B1〜B3から生産物情報
提供用アプリケーション151〜153によって事前登録
を受けた情報に基づき、生産物購入者Aからの生産物識
別情報を評価し、生産者B1〜B3の中から該当する生産
者を求め、識別情報を送信する(2)。該当する生産者
の生産者用端末はこの情報を受信し、対応する生産物情
報を求め、仲介者用端末16に送信する(3)。仲介者
用端末16は、生産者端末から返送されてきた生産物情
報を要求元の生産物購入者用端末11に送信する
(4)。この生産物情報提供時や生産物情報提供用の事
前登録時に生産者から仲介者Cに対して手数料等が発生
しうる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の生産物
情報提供システムは、 ・仲介者が存在することによる、リアルタイム性の低下 ・仲介料の発生 ・仲介者の運営するサーバにおける負荷の集中化 ・仲介者の存在を知らなければならない という問題がある。
【0006】本発明の目的は、生産物情報配送のリアル
タイム性を向上させ、仲介料の発生をなくし、負荷を分
散化し、仲介者の存在を知らなくても、不特定多数の生
産者と生産物購入者間で生産物情報の授受を行うことが
できる生産物情報提供方法およびシステムを提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ネットワークとして、情報に付与された
意味情報をもとに情報を配送する意味情報ネットワーク
を用い、生産者用端末および生産物購入者用端末として
意味情報ネットワークに接続されたコンピュータを用
い、以下の処理を行う。 (1)生産者用端末上の生産物情報提供用アプリケーシ
ョンと生産物購入者用端末上の生産物情報問合せ用アプ
リケーションを意味情報ネットワークに接続する。 (2)一人以上の生産者は、生産物情報提供用アプリケ
ーションを使用し、生産物識別情報(例えば、生産物名
とロット番号)および生産物情報(例えば、有機農法な
どの生産方法、産地の紹介、生産日、保存期間)を生産
者用端末に入力し、生産物情報問合せ要求の受付を開始
する。このとき生産物情報提供用アプリケーションは、
生産物情報問合せ要求を選択的に受け付けるための情報
(生産物識別情報)をフィルタとして意味情報ネットワ
ークに設定する。ここで、生産者とは、生産物を生産し
た者だけではなく、当該生産物に関わる出荷者や加工者
なども含めた用語とする。 (3)生産物購入者は、生産物情報問合せ用アプリケー
ションを使用し、生産物識別情報を生産物購入者用端末
に入力する。このとき生産物情報問合せ用アプリケーシ
ョンは、生産物識別情報を含む生産物情報問合せ要求を
イベントとして意味情報ネットワークに送信する。 (4)生産物情報問合せ要求イベントを受信し、自己の
フィルタに設定された生産物識別情報が生産物情報問合
せ要求に含まれる生産物識別情報に一致する生産者用端
末は、提供用アプリケーション画面において生産物購入
者用端末からの要求を確認し、生産者は生産物情報を入
力して生産物購入者用端末に返信する。または、生産物
情報提供用アプリケーションが自動的に生産物情報を設
定して生産物購入者用端末に返信する。 (5)生産物購入者用端末が使用する生産物情報問合せ
用アプリケーションは、生産物情報の返信を受けると、
アプリケーション画面に生産物情報を表示する。 (6)生産物に不具合が見つかり、リコールや注意情報
等を早急に伝えることになったなどに備えて、生産者用
端末からイベントを送信する情報提供形態もあり、この
場合、(3)の処理で、生産物購入者用端末側で当該イ
ベントを選択的に受け付けるための情報をフィルタとし
て意味情報ネットワークに設定する。なお、当該イベン
トによる通知が生産物購入者端末に伝わるのは、生産物
購入者用端末が生産物問合せ用アプリケーションを使用
中か再使用した時で、遅延がありうるので、当該情報提
供形態で扱う情報は、生産物問合せ要求に対する返信時
にすでに生成されているならば、本来の返信情報ととも
に送られる。
【0008】本発明の実施形態を説明する前に、本発明
の前提となる、発信する情報のメッセージ性を高めた分
散型ネットワークシステムについて説明する。
【0009】分散型指向のネットワークシステムとして
は、ナップスターを用いるものが知られ、さらに、分散
性を高めたネットワークシステムとしては、Gnute
llaを用いるものが知られている。
【0010】まず、ナップスターを用いるネットワーク
システムについて説明する。ナップスター利用者は、各
ナップスター利用者が公開するファイルの情報を格納し
たナップスター社のサーバに検索要求を送信し、ナップ
スター社のサーバは検索したファイルを所有するナップ
スター利用者に関するIPアドレス等の情報を返信す
る。実際のファイルのやり取りはナップスター社のサー
バを介することなく、IPアドレスを入手した利用者が
直接目的とするファイルを所有するナップスター利用者
にアクセスすることにより行われる。
【0011】Gnutellaを用いるネットワークシ
ステムの場合には、Gnutella利用者の端末は、
接続している相手端末の状態を定期的に確認し、メッセ
ージやファイルの検索要求を中継し合うことが行われ
る。検索結果は検索要求を行った相手に戻され、その後
のファイル転送はナップスターと同様に利用者間で直接
行われる。これにより、サーバを用いることなくネット
ワークが構築されることとなる。
【0012】これらの各ネットワークシステムのうち、
ナップスターを用いるものにおいては、本発明が問題点
とする仲介者に相当するサーバを必要とするため、本発
明の目的を達成するものではない。
【0013】Gnuetellaを用いるネットワーク
システムにおいては、サーバを用いることなくメッセー
ジやファイルの検索要求が行われるものの、発信する情
報が単なるファイルの検索要求であり、この応答を確認
した利用者によるファイルの転送が利用者間で行われる
ものであるため、オークションや逆オークション等の1
対複数でのやり取りが必要となる形態にはそぐわない。
【0014】発信する情報のメッセージ性を高めた分散
型ネットワークシステムとして以下に説明する意味情報
ネットワークシステムがあり、本発明は、このような意
味情報ネットワークシステムを用いることを前提とす
る。
【0015】まず、意味情報ネットワーク(Semantic I
nformation-Oriented Network、以下、SIONと称す
る)について概要を説明する。SIONは、意味情報に
基づいて、イベントを目的地まで配送することが可能な
ネットワークである。図8に、SIONの概念モデルを
示す。図8において、各端末22は、意味情報(Semant
ic Information:SI)をSION21に対して登録す
る。一方、イベントを送信する端末22は、図9に示す
意味情報(Senmantic information)とデータ(Data)
から構成されるイベントをSION21に送出する。こ
こでいう、意味情報とは、イベントに含まれるデータの
特性を記述したものであり、データのメタ情報として位
置づけられる。例えば、意味情報は、 ・データを“東京在住者”に配送する。 ・データを“クラシックに興味のある人”に配送する。 ・データを“1Mbps以上の通信環境を有する人”に
配送する。 ・データを“目白通りを通行中の人”に配送する。 ・データを“キーワード(例えば旅行)に合致するコン
テンツを有するコンテンツプロバイダ”に配送する。 等の表現が用いられる。
【0016】SION21は、上述したような意味情報
に基づいて、データを配送すべき対象(端末、人、ソフ
トウエアなど)を動的に決定し、特定された対象者に対
して、データの配送および通知を行うことが可能な自律
分散型のメタネットワークである。このSION21を
用いることにより、ブローカを介することなく、情報提
供者が提供するに相応しいユーザに対してのみ、自身の
情報を直接提案することが可能になる。このような、ブ
ローカ非介在型(非ブローカモデル)でpeer-to-peerの
情報提案が可能なビジネスモデルを、ここでは、御用聞
きモデル(または、御用聞き型情報提案モデル、非ブロ
ーカモデル)と呼ぶ。同様に、検索サービス(ブロー
カ)を介することなく、ユーザが希望する情報を直接探
索可能な、リアルタイム情報検索も可能である。なお、
御用聞き型情報提案サービスとして、以下のサービス等
に適用することが可能である。 (1)製造会社:自社製品に興味を持ってくれそうなお
客様を中心に製品案内を送りたい。 (2)広告主:お客様ごとにパーソナライズされた広告
を送りたい。 (3)物々交換:ユーザ間の合意に基づいて、製品を売
買したり、交換したい。
【0017】なお、イベントのデータ部にどのような情
報を設定するかは、サービス依存である。例えば情報の
実体、情報へのリファレンス(URL、分散オブジェク
ト識別子等)、プロキシ(Jiniプロキシ等)、モバ
イルエージェントなど様々な利用形態が可能である。
【0018】次に、SIONの詳細について説明する。
【0019】<SIONアーキテクチャ>まず、SIO
N21のネットワークアーキテクチャについて説明す
る。図10にSION21のネットワークモデルを示
す。ここで、説明の便宜上、端末22を、イベント送信
者の送信端末31とイベント受信者の受信端末32とに
区別して表記する。イベント受信者は、受信端末32を
用いて自身が受信することを希望するイベントの意味情
報(受信するイベントのタイプと取得条件)をメタデー
タとしてSION21に登録する。これをフィルタ(Fi
lter)と呼ぶ。一方、イベント送信者は、送信端末31
を用いてSION21にイベントを送出することによ
り、SION21に刺激(Incentive)を与える。この
イベントは、図9に示すようにイベントの特性を記述し
た意味情報とデータから構成される。意味情報の定義を
図11に示す。意味情報は、イベントのメタデータであ
り、かつ、意味情報タイプ(イベントタイプ)のインス
タンスである。
【0020】SION21は、イベント受信者が登録し
たフィルタに対して、イベント送信者が送出したイベン
トを照合(フィルターリング)させるための自律分散型
の照合ネットワークである。照合の結果、イベントが通
過した(イベントに反応した)フィルタは発火(Igniti
on)し、対応するイベント受信者の受信端末32が自律
起動する。この仕組みにより、不特定多数の端末2の中
から、対象となる端末22をスケーラブルかつリアルタ
イムに探索・発見することが可能になる。
【0021】次に、イベントタイプについて説明する。
図12に、イベントのテンプレートであるイベントタイ
プの定義例を示す。図12に示すように、イベントタイ
プは、イベントタイプ名(Event type name)と条件名
(図12においては、”Service”や”CPU power”が相
当する)、およびそれぞれの条件名に対するデータ型
(StringやLongが相当する)と条件式(==や>=が相
当する)が定義されたものである。イベントタイプ名
は、イベントタイプを一意に識別するための名称であ
る。
【0022】なお、イベントタイプの親タイプを継承可
能である。
【0023】図13に示すように、イベントタイプのデ
ータ構造に従って、イベントを作成する。イベントは、
イベントタイプ名、条件名と条件値の組み合せ、およ
び、データ部から構成される。イベントの中で定義され
た条件名、条件式、条件値が、イベントタイプと一致し
ない場合は、エラーになる。但し、イベントの中で使用
される条件名は、イベントタイプのサブセットでも良
い。
【0024】図14にフィルタの定義例を示す。フィル
タは、受け付けるイベントタイプ名(Event type nam
e)、属性名(図14においては、”CPU power”や”Ag
e”が相当する)と属性値(図14においては、200
や25が相当する)のペアーから成る。受け付けるイベ
ントタイプ名で定義されたイベントタイプに属するイベ
ントのみが、フィルタリングの対象となる。ここには、
複数のイベントタイプ名を定義することができ、さら
に、ワイルドカード(*.*)を指定することにより、
全てのイベントを対象とすることも可能である。なお、
フィルタで定義された属性名が、受け付けるイベントタ
イプ名で定義されたイベントタイプの条件名の中に存在
しない場合には、エラーとなる。但し、イベントタイプ
のサブセットでも良い。
【0025】次に、SION21の構成を説明する。図
15は、SION21の構成を示す図である。図15に
示すようにSION21は、意味情報スイッチ(Semant
ic Information-Switch、図面ではSI−SWと図示す
る)、意味情報ルータ(Semantic Information -Route
r、図面ではSI−Rと図示する)、意味情報ゲートウ
ェイ(Semantic Information-Gateway、図面ではSI−
GWと図示する)から構成される。
【0026】意味情報スイッチ(SI−SW)は、フィ
ルタとして登録された意味情報と、イベントに付与され
た意味情報を照合し、その結果、発火したイベント受信
者の端末2を起動するスイッチング機構を提供する。意
味情報スイッチ(SI−SW)と各端末2はスター型で
結合される。
【0027】意味情報ルータ(SI−R)は、意味情報
スイッチ間のイベント経路選択を行うとともに、端末2
2から意味情報スイッチに対して送出されたイベントを
他の意味情報スイッチに転送する役割を担う。これは、
意味情報に基づく動的なイべントルーティングにより達
成される。
【0028】意味情報ゲートウェイ(SI−GW)は、
イベントプレース(Event place)間でのイベントの転
送を行う。ここで、イベントプレースは、共通の意味情
報空間を保証する最小単位(オントロジードメイン)で
ある。イベントプレース内では、イベントタイプの名
称、概念、語彙、意味、関連などのオントロジー体系の
一意性が保証され、共通のオントロジーに基づいて意味
情報が記述されることになる。基本的には、イベント送
信者の端末22から送出したイベントは、イベントプレ
ース内のみで流通するが、意味情報ゲートウェイ(SI
−GW)を介することにより、異なるオントロジー体系
を有するイベントプレース間でのイベントの相互流通が
可能になる。このとき、意味情報ゲートウェイ(SI−
GW)はイベントのオントロジー変換を行った後、異な
るイベントプレースヘイベントを転送する。
【0029】<動作メカニズムとインタフェース仕様>
SION21の実現方法の一例として、分散オブジェク
ト技術を用いた実装方法を示す。ここで、SI−SW,
SI−R,SI−GWは、それぞれ、イベントプレース
オブジェクト(EPO)、シェアードリンクオブジェク
ト(SLO)、フェデレーションエージェント(FA)
と呼ばれる分散オブジェクトとして実装される。図16
を用いて、SION1の動作メカニズムと制御インタフ
ェースを詳述する。また、SION−MT(Manag
ement Tool)やSIONインタフェーサを用
いることにより、SION1のネットワークインタフェ
ースを使用することができる。また、MTを用いて、E
POの撤収・増減設、物理リンク情報の動的変更、PO
マイグレーション(POのバインド先EPOの動的変
更)、発火率の収集、人気の高い惰報や流行している情
報の統計情報収集などを簡単に行うことができる。
【0030】・イべントプレースファクトリの起動&初
期化(図16の(1)) まず、SION運営者は、任意のホスト上にイベントプ
レースファクトリ(EPF)を起動し、続いて、EPF
の初期化を行う。この時、EPFに対して、イべントプ
レース(EP)を生成可能なホスト名、およびEPの実
行ファイルの格納先を与える。これらを、EP生成情報
と呼ぶ。
【0031】・イべントプレースの生成要求(図16の
(2)) 次に、EP運営者は、EPFに対して、EPの生成を要
求する。このとき、EP名、およびEP属性を与える。
ここで、EP属性とは、生成されたEPが、御用聞きモ
デルもしくは問い合せモデルのどちらの目的で使用され
るかを表したものであり、イべントの流れの方向性を表
すものである。
【0032】・イべントプレースの生成(図16の
(3)) 次に、EP生成要求を受け取ったEPFは、EPを生成
する。具体的には、このとき、EPの管理を司るイべン
トプレースマネージメントオブジェクト(EPMO)が
生成される。すなわち、EPへの処理要求は、EPMO
への処理要求と同義である。EPFは、生成要求元に生
成したEP(すなわち、EPMO)の識別子を返却す
る。なお、EPMOは、図16の(1)において指定さ
れた、EPを生成可能なホストの中から、動的に決定さ
れたホストに対して生成される。EPMOの起動先ホス
トの決定方法として、サイクリックに起動先を決定す
る、トラヒックに応じて決定する、起動先ホストを明示
的に指定する、等の方法を選択できる。
【0033】・イべントプレースの初期化要求(図16
の(4)) 次に、EP運営者は、EPの初期化をEPMOに依頼す
る。このとき、シングルイべントプレースオブジェクト
もしくは、マルチプルイべントプレースオブジェクトの
指定を行う。マルチプルイべントプレースオブジェクト
を指定した場合には、イべントプレースオブジェクト
(EPO)の物理リンク情報(トポロジ)も併せて与え
る必要がある。ここで、EPOの物理リンク情報は、任
意のEPOが他のどのEPOの存在を知っているかを表
現したものである。
【0034】例えば、図17に示すように、EPO2・
42は、EPO1・41、EPO3・43、EPO4・
44の存在を知っているが、EPO3・43はEPO2
・42の存在しか知らないことを表現している。このよ
うに、マルチプルEPOは、EP内でのイべント照合処
理の負荷分散によるスケラビリティ向上を目的としたも
のである。
【0035】EPMOは、図16の(1)において指定
された、EPを生成可能なホストリストの中から、EP
Oを生成するホストを動的に決定し、そこにEPOを生
成する。このとき、各EPOには、それぞれ一つのフィ
ルタファクトリ(FF)と統計情報収集オブジェクト
(SO)が常に付随して生成され、これらが、SI−S
Wに相当する。さらに、物理リンク数に応じて、シェア
ードリンクオブジェクト(SLO)が各EPOに付随し
て生成される。例えば、EPO2・32に対しては3個
のSLOが生成され(図中のSLO2,1、SLO2,3、S
LO2,4に対応する)、これらが、SI−Rに相当す
る。EPOの起動先の決定方法は、EPMOのそれと同
様であるが、イべントタイプ毎に使用するEPOを固定
化することも可能である。なお、EPMOは、EP内に
イべントタイプファクトリ(ETF)を生成する。EP
内では一元的なイベントタイプの名前空間がETFによ
り保証される。
【0036】・イべントプレースに対するイべント送信
のためのセッション確立要求(図16の(5)) 次に、EPにセッションの確立を要求する。EPMO
は、セッション要求毎にプロキシオブジェクト(PO)
を生成する。要求元へは、POの識別子であるセッショ
ン識別子を返却する。
【0037】なお、EPMOは、POの生成時に、PO
に対して、どのEPOを使用する(どのEPOとバイン
ドする)かを指示する。この指示は、マルチプルEPO
において必要となるが、バインドするEPOの決定方法
は、EPMOのそれと同様である。EPへのセッション
確立要求時に、イべント送信のためのセッションである
か、イべント受信のためのセッションであるかを指定す
る必要がある。本例においては、イべント送信のための
セッションを指定する。
【0038】・イべントタイプの登録(図16の
(6)) 次に、POに対して、イべントタイプの登録を要求す
る。このとき、POは、ETFにイべントタイプオブジ
ェクト(ETO)の生成を要求する。さらに生成された
ETOにイべントタイプを格納する。一方、EPに、イ
べントタイプ登録を要求することができる。このとき、
EPMOは、ETFにETOの生成を要求し、生成され
たETOにイべントタイプを格納する。一般的に、イべ
ント送信者がイべントタイプを登録する場合は、PO経
由で行う。一方、EP運営者は、EPに、イべントタイ
プ登録を行う。なお、同じ名前のイベントタイプを登録
するとエラーになる。
【0039】・イべントプレースに対するイべント受信
のためのセッション確立要求(図16の(7)) 次に、EPに対してイベント受信のためのセッションの
確立を要求する。このとき、セッション確立の要求者
(イべント受信オブジェクト)は、イべントの通知先で
あるイべント受信オブジェクトの識別子、および、イべ
ントの通知方法(発火型、ルックイン型)をパラメータ
として与える。
【0040】続いて、EPMOは、セッション要求毎に
POを生成する。要求元へは、セッション識別子を返却
する。なお、EPMOは、POの生成時に、POに対し
て、使用するEPOを指示する。この指示は、マルチプ
ルEPOにおいて必要となるが、バインドするEPOの
決定方法は、EPMOのそれと同様である。
【0041】・フィルタオブジェクトの生成要求(図1
6の(8)) 次に、POに対して、フィルタオブジェクト(FO)の
生成を依頼する。このとき、POは、FFにFOの生成
を要求する。このとき、POとバインドされたEPOに
付随したFFが使用される。なお、FOの生成要求元に
は、生成されたFOの識別子がPO経由で返却される。
【0042】・フィルタ値の設定(図16の(9)) 次に、FO識別子をパラメータとして、FOへのフィル
タ値の設定を、POへ依頼する。なお、フィルタオブジ
ェクトの中に格納されているイべントタイプ名(すなわ
ち、フィルターリングの対象とするイべントタイプ名)
をキーに、FOのデータ構造(フィルタ値)が正しいか
どうかのチェックをETOに依頼することが選択的に可
能である。正しくない場合は、エラーとなる。但し、ワ
イルドカードが指定された場合には、このチェック処理
を一切行わない。
【0043】・フィルタ登録(図16の(10)) 次に、FOにフィルタ値を設定した後、Fのフィルタ識
別子をパラメータとして、POに対しフィルタの登録を
依頼する。このとき、登録要求元にフィルタ識別子が返
却される。これを契機に、イべントの受信が可能にな
る。なお、一つのPOを介して、複数のフィルタ登録が
可能であるが(これには、一つのPOを介して異なる複
数のFOをフィルタとして登録する、もしくは、同一の
FOを複数回、フィルタとして登録する場合が考えられ
るが)、一つのPOに対して登録されたすべてのフィル
タは、“ORの関係”を持つ。
【0044】・イべント送信(図16の(A)) 次に、イベント送信者は、POに対して、イべントを送
信する。このとき、POは、イべントの中に格納されて
いるイべントタイプ名をキーに、イべントのデータ構造
が正しいかどうかのチェックをETOに依頼することが
選択的に可能である。このチェック処理を選択したと
き、正しい場合は、次の処理(図16の(B))へ、正
しくない場合は、エラーとなる。
【0045】・イベントの照合依頼(図16の(B)) 次に、POはイベントをEPOに転送する。このとき、
EPOがスレッドを生成する。なお、スレッドはイベン
ト毎に生成され、各スレッドはイベントの多重処理を行
う。
【0046】・フィルタとの照合(図16の(C)) 次に、スレッド(EPO)は、イベントとフィルタを照
合することにより、フィルターリング処理を行う。これ
には、完全一致、部分一致、重みづけ一致などがあり、
フィルタ値の設定時に指定することができる。
【0047】・プロキシオブジェクトの起動(図16の
(D)) 次に、フィルタとの照合の結果、イベントがフィルタを
通過すると、対応するPOが起動されこのイベントを受
け取る。このとき、POは、受信したイベントのタイ
プ、値、イベントID等をSOに登録することが選択的
に可能である。これらの情報から、SOはイベントの発
火率(イベントタイプ毎、イベント毎)や、EP内で流
行している評判の高いイベントを測定することが可能に
なる。
【0048】・イベント受信オブジェクトの起動(図1
6の(E)) 次に、POは、イベント受信オブジェクトを起動すると
ともに、イベント受信オブジェクトに対してこのイベン
トを渡す。これが、発火型(割り込み型)のイベント通
知に対応する。
【0049】・ルックイン型のイベント通知(図16の
(F)) 一方、POがイベント受信オブジェクトを起動するので
はなく、イベント受信オブジェクト自身が、イベント受
信オブジェクトに対応するPOにスプールされているイ
ベントを、取り出すことも可能である。これがルックイ
ン型のイベント通知に対応する。イベント受信オブジェ
クトの起動契機は、サービス形態に依存して種々存在す
るが、典型的な例として、エンドユーザがイベント受信
オブジェクトにコンテンツの提案要求を行った場合が考
えられる。
【0050】<フィルタの管理方法>次に、各EPOに
おけるフィルタの管理方法を説明する。
【0051】まず、イベント受信のためのセッションを
確立する。このとき、セッション要求毎に一つのPOが
生成され、このPOは任意の一つのEPOにバインドさ
れる。このEPOには、それぞれ、一つのFFが付随し
ている。これにより、POが使用するEPOが一意に決
定され、以降の処理はすべて、PO(イベント受信用セ
ッション)を介して行われる。
【0052】次に、FOを生成し、FOに対してフィル
タ値(受信するイベントのタイプとその取得条件)を設
定する。続いて、FO識別子をパラメータとして、フィ
ルタの登録を行う。このとき、各フィルタには、FO識
別子が格納される。各EPOは、POを介して登録され
たフィルタを以下に示す規則に基づいて管理する。
【0053】まず、フィルタに格納されているFO識別
子を用いて、FOに設定されている“受信するイベント
のタイプ”を参照する。続いて、受信するイベントのタ
イプ毎にフィルタを分類し、イベントタイプ毎に分類さ
れたフィルタを、さらにPO毎に細分類し、管理する。
【0054】この管理規則について図18を参照して、
PO1を介して、フィルタを登録する場合について説明
する。ここでは、フィルタ登録時に指定するFOの中
に、受信するイベントのタイプとして、“イベントタイ
プX”が設定されているものとする。このとき、EPO
に登録されるフィルタは、図18のフィルタ1が相当
し、同様に、PO2を介して登録されたフィルタにはフ
ィルタ2が相当する。また、各POにおいて、複数のフ
ィルタを登録することが可能であるが、登録されたフィ
ルタは“OR関係”を有するものとする。
【0055】まず、イベントタイプXのイベントがEP
Oに到着したとき、フィルタ1との照合が行われる。そ
の結果、フィルタ1が発火するとPO1が起動される。
次に、フィルタ2との照合が行われ、その結果、フィル
タ2が発火するとPO2が起動される。このとき、フィ
ルタ2とフィルタ3は“OR関係”を有するため、フィ
ルタ3との照合は行われない。このようなフィルタ管理
方法を用いることにより、一つのイベントに対する各E
POでの照合処理回数を、基本的にPO数(受信用セッ
ション数)以下にすることができる。
【0056】<イベントルーティング方法>次に、イベ
ントルーティング方法について説明する。
【0057】EPO(SI−SW)は、イベントの送受
信者(端末などのエンティティ)をセッションを介して
スター型で収容する。さらに、EPO(SI−SW)
は、イベント受信者(イベント受信オブジェクト)が登
録したフィルタと、イベント送信者が送出したイベント
を照合し、その結果、発火したフィルタに対応するイベ
ント受信者のみにイベントを通知する(合致するイベン
ト受信者にのみイベントを配送する)照合スイッチであ
る。
【0058】そのため、イベントの送信者数(イベント
数)やイベントの受信者数(フィルタ数)が増加する
と、それに比例してEPOの処理能力が飽和する。そこ
で、SIONアーキテクチャでは、スケラビリティの高
いEPを実現する手段として、マルチプルEPOを提供
する。マルチプルEPOとは、EPO数に比して、EP
のトータル処理能力をスケーラブルに向上させることを
目的とし、具体的には、以下の2つの観点からEPの高
いスケラビリティを達成する。
【0059】第一点は、負荷分散と自律分散である。こ
れは、複数のEPOに、イベントの送受信者を分散させ
ることにより、イベントのフィルターリング処理の負荷
分散を行い、処理の集中に伴うボトルネック要因を作ら
ないようにするものである。。さらに、各EPOが他の
EPOの影響を受けることなく、自律的に動作可能な機
構による分散協調を達成する。
【0060】第二点は、ネットワークトラヒックの削減
とフィルターリング処理の最適化である。これは、EP
O間で不要なイベントを転送しないことによる通信量の
最小化と、それに伴う無駄なフィルタリング処理の削減
を行うものである。
【0061】図17において、EPO3・43に対し、
受信するイベントのタイプとして、イベントタイプXの
フィルタが登録される場合を考える。ここで、イベント
タイプXのイベントがEPO4・44に対して送出され
たとき、EPO2・42経由でこのイベントをEPO3
・43に転送する必要がある。このとき、イベントタイ
プXのフィルタが登録されていないEPO1・41に対
して、当該イベントが転送されてはならない。このよう
なEPO間のイベントのルーティング制御を行うもの
が、シェアードリンクオブジェクト(SLO)であり、
前述したSI−Rに相当する。
【0062】以下にSI−Rについて詳細を説明する。
【0063】まず、EPの初期化時に、物理リンク情報
(EPOのトポロジ)に基づいて、SLOが各EPOに
付随して生成される。例えば、図16において、EPO
2に対して3個のSLOが生成される。これらは、図中
のSLO2,1、SLO2,3、SLO2,4に対応する。この
SLOi,jは、EPOjからEPOjへのイベント転送を
行うシェアードリンク(SLi,j)を確立する。すなわ
ち、図17および図19に示すように、SLOi,jは、
EPOjに対してイベント受信のセッションを確立し、
一方、EPOiに対してイベント送信のセッションを確
立することにより、イベント転送のための論理リンクで
あるシェアードリンクSLi,jを確立する(シェアード
リンクとは、EPの初期化時における、SLOによるセ
ッションの確立を意味し、フィルタ登録処理を含まな
い)。
【0064】EPの初期化後に、イベント受信者は、E
Pへのセッションを確立し、セッションを介してフィル
タを登録することが可能になる。このとき、確立済みの
シェアードリンクに従って、イベントパスが設定され
る。例えば、図19において、イベント受信者(Event
Receiver)3がPO3を介して、“イベントタイプXの
イベント受信を行うフィルタを、EPO3へ登録した場
合において、PO3は、EPO3ヘイベントタイプXの
フィルタを登録するとともに、その旨をSLO3,j(こ
こでは、SLO3,2)に通知する。SLO3,2はSL3,2
を用いて、EPO2に対してイベントタイプXのフィル
タを登録する。これは、前述したように、SLO3,2に
対して割り当てられた受信用セッションのPOを介して
行われる。同様に、このPOは、その旨を、SLO2,3
を除くその他のSLO2,jに対して通知する。SLO2,j
(j≠3)は、SL2,jを用いて、EPOヘフィルタを
登録する。順次同様に、すべてのEPOにイベントXに
対するパスが設定されるまで、繰り返される。
【0065】このように、イベントタイプXに対して確
立された一連のパスを、イベントパスと呼ぶ。これは、
PO3を介したフィルタ登録がトリガとなって、すべて
のEPOへ、イベントタイプ毎のイベントパス設定要求
が順次、自律的に波及していくものである。すなわち、
個々のEPOは隣接するEPOのみを認識すれば良い。
そのため、イベントパスの集中管理やブロードキャスト
によるイベントパスの設定・管理方法に比べて、簡単か
つ一元的な自律ロジックでイベントパスを確立すること
が可能になる。
【0066】この時点でのEPO1におけるフィルタの
登録状況を図20に示す。イベント受信者3がPO3を
介してフィルタを登録した結果、フィルタ1がEPO1
に登録されることになる。イベントパスの設定とは、シ
ェアードリンク情報に基づいて、一連のEPOにイベン
ト転送のためのフィルタを登録することを指す。また、
SLOが登録するフィルタには、受信するイベントタイ
プ名が設定されるのみであり、取得条件は設定されず、
イベントタイプ名のみのフィルターリングを行う。
【0067】この状況において、イベント受信者2がP
O2を介して、イベントタイプXのフィルタを、EPO
2へ登録したとき、前述と同様に新たなイベントパスの
設定がすべてのEPOへ波及し、その結果として、フィ
ルタ2がEPO1へ登録されることになり、イベントパ
ス設定の要求毎にフィルタが登録されることになる。
【0068】このとき、EPO1にイベントタイプXの
イベントが送出されると、フィルタ1が発火し、SLO
2,1が起動される。SLO2,1が、このイベントをEPO
2へ送出することにより、SLO3,2が起動される。さ
らに、SLO3,2を介して、当該イベントがEPO3へ
も転送されることになる。また、SL2,3とSL3,2間で
のイベントの無限転送を防止するために、イベントは、
制御情報の一つとして、通過したEPOの識別子を、最
新順に最大2つ保持する。
【0069】なお、前述したように、フィルタ1とフィ
ルタ2は、OR関係を有するため、フィルタ1が発火し
た場合にはフィルタ2との照合は行われない。そのた
め、フィルタ1が存在するにも関わらず、新たにフィル
タ2を登録したことに伴う、フィルターリング処理の冗
長オーバヘッドを全く生じないようにすることができ
る。これは、イベントパスを設定したときに、既設のイ
ベントパスを含めた全イベントパスの再構築を全く必要
としないことを意味し、簡単かつ一元的なイベントパス
の自律的な設定が可能になる。
【0070】また、EPO1内に、イベント受信者が確
立したセッションおよびそれを介したフィルタ登録があ
る場合には(POnのフィルタ3に対応)、SLO対応
のフィルタリング処理がすべて完了した後に、POn対
応のフィルターリング処理が行われる。すなわち、他の
EPOへのイベント転送処理を優先して行い、その後、
自EPOでの照合処理が開始される。
【0071】以上説明した、イベントルーチング方法の
更なる効果として、フィルタ登録解除時に、イベントパ
スの再構築が必要ない点が挙げられる。例えば、イベン
ト受信者3がPO3を介して、登録したフィルタの登録
解除を行った場合、登録の場合と同様に、解除要求が順
次、自律的に波及する。その結果、EPO1において、
フィルタ1の登録のみが解除されることになるが、フィ
ルタ2は存命する(これ以降は、フィルタ2がフィルタ
1の代わりにイベントを転送する)ため、イベントパス
の再構築なしに、すべての既設イベントパスの一貫性が
保証される。
【0072】このような自律分散型のルーティング制御
方法を用いることによって、EPOの相互接続と分散協
調を容易に実現することが可能になる。これに伴い、小
規模なネットワークから大規模なネットワークヘの移
行、ローカルなネットワークからグローバルなネットワ
ークヘの移行等をスムーズに行うことができる。また、
ボトムアップアプローチによるグローバルネットワーク
化を、共通のロジックで容易に達成することができる。
【0073】図21ないし図24はリング型結合を持つ
物理リンクにおけるSI−Rについて説明するために図
である。
【0074】例えば、図22に示すように、リング型結
合を持つ物理リンクにおいて、EPO2は、EPO1、
EPO3の存在を知っていることを表現している。この
ように、マルチプルEPOは、EP内でのイべント照合
処理の負荷分散によるスケラビリティ向上を目的とした
ものである。
【0075】EPMOは、図21の(1)において指定
された、EPを生成可能なホストリストの中から、EP
Oを生成するホストを動的に決定し、そこにEPOを生
成する。このとき、各EPOには、それぞれ一つのフィ
ルタファクトリ(FF)と統計情報収集オブジェクト
(SO)が常に付随して生成され、これらが、SI−S
Wに相当する。さらに、物理リンクに応じて、シェアー
ドリンクオブジェクト(SLO)が各EPOに付随して
一つ生成される。たとえば、EPO2に対しては、図中
のSLO2,3が生成される。これが、SI−Rに相当
する。EPOの起動先の決定方法は、EPMOのそれと
同様であるが、イベントタイプ毎に使用するEPOを固
定化することも可能である。なお、EPMOは、EP内
にイベントタイプファクトリ(ETF)を生成する。E
P内では一元的なイベントタイプの名前空間がETFに
より保証される。
【0076】以下にSI−Rについて詳細を説明する。
【0077】まず、EPの初期化時に、物理リンク情報
(EPOのトポロジ)に基づいて、SLOが各EPOに
付随して生成される。たとえば、図22において、EP
O2に対してSLO2,3が生成される。このSLOi,j
は、EPOjからEPOiへのイベント転送を行うシェア
ードリンク(SLi,j)を確立する。すなわち、図22
および図24に示すように、SLOi,jは、EPOjに対
してイベント受信のセッションを確立し、一方、EPO
iに対してイベント送信のセッションを確立することに
より、イベント転送のための論理リンクであるシェアー
ドリンクSLi,jを確立する(シェアードリンクとは、
EPの初期化時における、SLOによるセッションの確
立を意味し、フィルタ登録処理を含まない)。これによ
って、片方向のリング状のシェアードリンクSLi,jが
確立される。
【0078】EPの初期化後に、イベント受信者は、E
Pへのセッションを確立し、セッションを介してフィル
タを登録することが可能になる。このとき、確立済みの
シェアードリンクに従って、イベントパスが設定され
る。例えば、図23において、イベント受信者(Event
Receiver)3がPO3を介して、イベントタイプXのイ
ベント受信を行うフィルタを、EPO3へ登録した場合
を考える。このとき、PO3は、EPO3ヘイベントタ
イプXのフィルタを登録するとともに、その旨をSLO
3,1に通知する。このとき、SLO3,1には、フィルタ登
録の要求発生元がEPO3である旨がパラメータとして
与えられる。SLO3,1はSL3,1を用いて、EPO1に
対してイベントタイプXのフィルタを登録する。これ
は、前述したように、SLO3,1に対して割り当てられ
た受信用セッションのPOを介して行われる。同様に、
このPOは、その旨を、SLO1,2に対して通知する。
SLO1,2は、SL1,2を用いて、EPO2ヘフィルタを
登録する。順次同様に、すべてのEPOにイベントXに
対するパスが設定されるまで、繰り返される。なお、こ
の処理は、フィルタ登録の要求発生元(ここでは、EP
O3)の直前まで繰り返される。すなわち、SLO2,3
は、EPO3にフィルタを登録しない。
【0079】この時点でのEPO1におけるフィルタの
登録状況を図24に示す。イベント受信者3がPO3を
介してフィルタを登録した結果、フィルタ1がEPO1
に登録されることになる。イベントパスの設定とは、シ
ェアードリンク情報に基づいて、一連のEPOにイベン
ト転送のためのフィルタを登録することを指す。なお、
SLOが登録するフィルタには、受信するイベントタイ
プ名が設定されるのみであり、取得条件は設定されず、
イベントタイプ名のみのフィルターリングを行う。
【0080】この状況において、イベント受信者2がP
O2を介して、イベントタイプXのフィルタを、EPO
2へ登録したとき、前述と同様に新たなイベントパスの
設定がすべてのEPOへ波及し、その結果として、フィ
ルタ2がEPO1へ登録されることになり、イベントパ
ス設定の要求毎にフィルタが登録されることになる。
【0081】このとき、EPO1にイベントタイプXの
イベントが送出されると、フィルタ1が発火し、SLO
3,1が起動される。SLO3,1が、当該イベントEPO
3へ送出することにより、SLO2,3が起動される。さ
らに、SLO2,3を介して、当該イベントがEPO2へ
も転送されることになる。なお、イベントの無限巡回を
防止するために、イベントは、制御情報の一つとして、
イベントが生起したEPOの識別子を保持し、イベント
の生起元EPO(SLO)に当該イベントが巡回して戻
って来たときに、当該イベントを破棄する。
【0082】次に、前述したイベントルーティング方法
とは異なるイベントルーティング方法を説明する。この
ルーティング方法は、シェアードリンク(論理リンク)
を確立するまでの手順は、前述した方法と同様である。
このイベントルーティング方法が前述した方法と異なる
のは、イベントパスを確立しない点であり、SLOi,j
がシェアードリンクSLi,jを確立する時に同時に、唯
一のフィルタを登録するようにするものである。このと
き、登録されるフィルタには、受信するイベントのタイ
プとしてワイルドカードを指定する。これによって、す
べてのイベントを転送の対象とし、イベントタイプ毎の
イベントパスを確立しないようにする。
【0083】このように意味情報にワイルドカードを指
定することによって、リング状のシェアードリンクSL
i,j内をイベントが巡回するため、全てのEPOに対し
てイベントを配送することが可能となる。
【0084】<フェデレーション方法>次に、図25を
参照してフェデレーション方法について説明する。フェ
デレーションエージェント(FA)とは、イベントプレ
ース間のフェデレーションを確立するエージェントであ
り、前述したSI−GWに相当する。例えば、イベント
プレース(Event Place)Aがイベントプレース(Event
Place)Bに対してフェデレーションを確立する場合を
考える。まず、イベントプレースAに属するFAが、イ
ベントプレースBに対して、フィルタを登録する。この
とき、イベントプレースBに属するイベント送信者がイ
ベントを送出し、その結果、このフィルタが発火する
と、FAが自律起動する。これは、FAをイベントプレ
ースBに属する一つのイベント受信者として見なすこと
ができる。次に、FAは取得したイベントを、自身が属
するイベントプレースAに対して再送出する。これは、
FAを、イベントプレースAに属する一つのイベント送
信者として見なすことができる。
【0085】このように両者の役割を併せ持つFAを用
いて、イベントプレース間のフェデレーションを容易に
実現できる。すなわち、単一イべントプレースと同じ制
御論理で、イベントプレース間のフェデレーションを実
現することが可能である。この機構を用いて、SION
1の基本構成単位であるイベントプレースを相互接続す
ることにより、グローバルな照合ネットワークをボトム
アップアプローチで構築することが可能となり、イベン
トプレース間に跨るイベントの共有を実現することがで
きる。なお、イベントプレースAとイベントプレースB
がそれぞれ異なるオントロジーを持つ場合、イベントプ
レースAに属するFAは、イベントプレースBから取得
したイベントを、イベントプレースAのオントロジーに
変換した後、イベントプレースAに送出する。
【0086】異なるオントロジー体系に跨ってイベント
転送を行う場合には、オントロジー変換が必要になる。
この変換を行う従来技術として、標準オントロジーを規
定し、他のイベントプレースにイベントを転送する場合
には、一旦、標準オントロジーに準拠した形式に変換し
た後に、イベントの転送を行う方法や、イベントプレー
スの組み合わせの数だけオントロジー変換テーブルを事
前に用意しておくなどの方法がある。
【0087】しかしながら、イベントプレースの動的な
フェデレーション(フェデレーションの動的な開始、開
始解除)に対応するためには、従来の方法は柔軟性に欠
ける。そこで、本発明では、図25に示すように、FA
が隣接するイベントプレースのオントロジー情報との差
分(変換情報)のみを、オントロジー変換テーブルに保
持するようにしている。すなわち、これは、各FAが変
換情報をそれぞれ分散して保有し、全体でオントロジー
体系の一貫性を保証する方法である。これは、イベント
プレース間の動的なフェデレーションに容易に対応する
ことが可能になるが、その反面、イベントがイベントプ
レースを跨る毎に、オントロジー変換処理が発生するた
め、従来方法に比べて、変換処理オーバヘッドが増大す
るという特徴を有している。
【0088】<コミュニティと進化型ネットワーク>次
に、SION1のキラーサービスの一つであるコミュニ
ティサービスについて説明する。コミュニティサービス
におけるエンティティは、自身のポリシに基づいて、学
習・進化・退化・消滅等を繰り返すことにより、その活
動様式を動的に決定することが可能な自立分散型の動作
主体である。コミュニティは、このようなエンティティ
に対して効率的なコミュニケーションの場を提供するも
のである。すなわち、コミュニティ内のエンティティ
は、自身とコミュニケートすべきエンティティや、自身
の振る舞いに影響を与えるエンティティを動的に探索・
発見・特定し、特定されたエンティティとインタラクシ
ョンを行うことが可能である。
【0089】このコミュニティは、特に以下の特徴を持
つエンティティを取り扱うことができる。
【0090】(1)極小粒度で、膨大な数のエンティテ
ィがコミュニティに存在する(不特定多数のエンティテ
ィ)。
【0091】(2)エンティティの属性がリアルタイム
に変化する。典型的なエンティティの属性として、位置
情報、時刻等がある。
【0092】(3)コミュニティ内のエンティティの振
る舞いに規則性がなく、行動予測が困難である。
【0093】(4)コミュニティヘの参加、コミュニテ
ィからの退去、消滅、複製等が頻繁かつ不規則に発生す
る。
【0094】(5)コミュニティ内のエンティティは、
ポリシ、属性、シナリオ等に基づいて相互にリアルタイ
ムに出会う必要がある。
【0095】このような特性を持つエンティティをサー
バやメディエータ(ブローカ)で管理し、相互にリアル
タイムに探索・発見することは性能上、容易でない。S
ION1のEPは、このような特徴を持つコミュニティ
の実行環境として位置づけられる。すなわち、コミュニ
ティはEPのメタ実行環境であり、EPを直接用いるこ
とに比して、抽象度の高いコミュニケーションの場を提
供するものである。コミュニティの実行環境にEPを用
いることにより、コミュニティ内のすべてのエンティテ
ィは、ブローカを介することなく、コミュニケーション
すべきエンティティを直接発見することができる。これ
は、コミュニティ内のエンティティのコミュニケーショ
ンは、EP内のイベントの送受信として実装されるため
である。
【0096】図26にコミュニティの概念モデルを示
す。ユーザエージェント(UA)、情報・サービス提供
エージェント(ISA)がコミュニティ内のエンティテ
ィに相当する。UAはユーザの代理人として自律的に振
る舞うエージェントであり、ユーザの嗜好、動作環境、
位置情報、状況、傾向などに応じて、自身の振る舞いを
動的に決定し、インタラクションすべきISAや他のU
Aを探索し、それらとインタラクションする。ISAは
情報提供者やサービス提供者の代理人として自律的に振
る舞うエージェントであり、提供者の意図に基づいて、
インタラクションすべきUAや他のISAを探索する。
すなわち、自身の情報を提供するのに相応しいユーザを
探索して特定する。
【0097】一方、コミュニティエージェント(Com
A)は、コミュニティの運営を司るエージェントであ
る。EP運営者は、運営ポリシに基づいて、SION−
MTを介したSIONの制御・運営を行う。従って、C
omAは、EP運営者をエージェント化したものと見な
すことができる。基本的に、コミュニティの運営ポリシ
はComAによって規定される。例えば、UA、ISA
などのエンティティに対するコミュニティヘの参加、退
去、消滅、複製などの認可、コミュニティ内に流通させ
る情報の把握と統制(相応しくないイベントの削除な
ど)、コミュニティ内の統計情報(トレンド情報、評判
の高い情報など)の管理などを自身の運営ポリシに基づ
いて司る。
【0098】また、コミュニティの高いスケーラビリテ
ィやリライアビリティの保証を達成するため、負荷状況
や障害状況に応じて、EPおよびEPOの増減設、撤
収、マイグレーション等のSION制御を実行する。す
なわち、SION21とComAを組み合わせることに
より、SION21は自律分散型ネットワークから、学
習、成長、進化が可能な進化型ネットワークヘと発展す
る。このように、ComAはコミュニティ内のエンティ
ティの振る舞いを統制するとともに、SION1を自己
組織化するための役割を担う。さらに、コミュニティ間
のコラボレーションにより、コミュニティ間での情報の
共有が可能である。例えば、コミュニティAにおいて流
通している情報の中で、人気が高いトップ10のみを、
コミュニティBに流通させることができる。以下に処理
の流れを示す。
【0099】まず、コミュニティBのComAが、イベ
ントプレースBのFAに対して、“コミュニティAにお
いて流通している情報の中で、人気が高いトップ10の
みを、コミュニティBに流通させる”旨を指示する。
【0100】次にFAは、イベントプレースAに対し
て、トップ10のイベントタイプを問い合わせる。これ
を受けて、イベントプレースAは、配下の統計情報収集
オブジェクト(SO)に問い合わせ、その結果を、FA
に返却する。
【0101】次に、FAは取得したイベントタイプを基
に、オントロジー変換テーブルを作成するとともに、イ
ベントプレースAに対しフィルタを設定する。以降、F
Aは、イベントプレースAから、当該イベントを受信可
能になる。
【0102】次にFAは、イベントプレースAから取得
したイベントを、オントロジー変換テーブルに基づいて
オントロジー変換し、それをイベントプレースBへと送
出する。
【0103】以上説明したような形態によれば、以下の
2点の効果を得ることができる。
【0104】第1に、分散オブジェクト環境上にSIO
Nのネットワーク環境を容易に構築できる。
【0105】第2に、サービスアプリケーションをエン
ティティとしてコミュニティに参加させることにより、
簡単にイベントを送出したり、必要なイベントをピック
アップすることが可能になり、相互にコミュニケション
を図ることが可能になる。
【0106】以上説明したように、SIONでは、以下
の効果を得ることができる。
【0107】FAを介したイベントプレース間のフェデ
レーション機構により、他のイベントプレースのみで流
通していたイベントを、自イベントプレース内に取り込
むことができる。逆に、他のイベントプレースにイベン
トを送出することにより、自イベントプレース内で流通
しているイベントをアドバタイズできる。このように、
異なるイベントプレース間で、イベントの共有が可能に
なるとともに、オントロジーを考慮したイベントプレー
ス間の相互運用により、ボトムアップアプローチによる
グローバルな自律分散型の照合ネットワークを構築する
ことが可能になる。
【0108】マルチプルEPOの機構により、フィルタ
リング処理を複数のEPOに負荷分散させることが可能
になるとともに、自律的に動作するEPO間のイベント
ルーチング機構により、ネットワークトラヒックを最小
限に抑えることが可能になる。これにより、結果的にE
Pのトータルスループットをスケーラブルに向上させる
ことが可能となる。
【0109】ブローカを介することなく、自身に相応し
いエンティティを直接探索・発見することが可能とな
る。例えば、情報提供者は、ユーザの存在を知ることな
く、自身が提供する情報に相応しいユーザを特定するこ
とができる。同様に、ユーザは情報提供者の存在を知る
ことなく、自身の嗜好に相応しい情報提供者を探索・発
見することができる。すなわち、ユーザと情報提供者は
互いに等価的である。これにより、特定のブローカに頼
ることなく、自身のポリシに従って、リアルタイムに情
報を発信することが可能になる。また、探索対象となる
エンティティの数が膨大な場合やエンティティが探索対
象ドメインに頻繁に出入りする場合において、非ブロー
カモデルに基づく探索技術が特に有効となる。
【0110】SIONにおいては、意味情報の終端点が
ネットワークとなる。一方、端末間でpeer-to-peer接続
を行う方法においては、意味情報の終端点が端末になる
ため、端末の中身を外部に公開することになる。従っ
て、SIONは後者の方法と比べて、高いセキュリティ
とプライバシ保護を実現することが可能である。
【0111】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0112】図1は本発明の一実施形態の生産物情報提
供システムの構成図である。
【0113】本実施形態の生産物情報提供システムは生
産物購入者用端末1と生産者用端末21,22,23と意
味情報ネットワーク3で構成されている。
【0114】生産物購入者用端末1には生産物情報問合
せ用アプリケーション4がインストールされ、生産者用
端末21,22,23には生産物情報提供用アプリケーシ
ョン51,52,53がインストールされている。各端末
1,21〜23にCORBA(Common Object Resource B
roken Architecture)準拠のORB(Object ResourceB
roken)等ミドルウェアと、イベントプレースファクト
リ生成機構をインストールして自身の端末においてイベ
ントプレースを生成してそれを使用するか、あるいは他
のネットワークシステム上にあるイベントプレースへア
クセスしてセッションを確立する等して、意味情報ネッ
トワーク3に接続されている。
【0115】本実施形態では、生産物として枝豆(農産
物)の例を示す。
【0116】次に、本実施形態の動作を説明する。 (1)農産物等の生産物に関する情報の提供サービスを
実施したい生産者B1、生産者B2、生産者B3は、それ
ぞれ生産物情報提供用アプリケーション51,52,53
を使用し、図2のようなアプリケーション画面に生産物
の情報を入力し、生産物情報問い合わせへの受付を開始
する。例として、生産者B1はじゃがいも、生産者B2
枝豆の生産者、生産者B3は枝豆の出荷者(生産者B2
枝豆も扱う)の情報をそれぞれ設定したとする。図2の
入力内容は、生産者B2が入力した例を示すものであ
る。ここで、生産物出荷IDは、生産者が生産物の出荷
単位にその商品に付与する識別コードで、同じ商品でも
生産日など生産状況が異なる個々の製品を特定するもの
で、工場生産物のロット番号などに対応する。このとき
生産物情報提供用アプリケーション51〜53は、イベン
トプレースに対して、図4のようなイベントタイプを登
録し、イベント受信のためのセションを確立すると、フ
ィルタオブジェクトの生成を行い、このフィルタオブジ
ェクトに図5のようなフィルタ値を設定する。図5の入
力内容は、生産者B2の生産物情報提供用アプリケーシ
ョン52が設定した例を示すものである。 (2)生産物購入者Aは、自身の端末1において生産物
情報問合せ用アプリケーション4を使用し、図3のよう
な端末上のアプリケーション画面から、生産物識別情
報、例えば「ビールの友」という名前の枝豆の農産物情
報を知るためにこれらの情報と商品に付与されていた生
産物出荷IDを入力する。このとき、生産物購入者Aの
使用した生産物情報問合せ用アプリケーションプログラ
ム4は、図6のようなイベントを生成し、イベントプレ
ースに送信する。
【0117】イベントプレースにおいて、前記イベント
とフィルタとの照合が行われ、フィルタ値に示される条
件に合致したイベントは、当該フィルタを設定した生産
者の生産者用端末に転送される。生産物情報提供用アプ
リケーション51〜53が使用したイベントプレースと、
生産物情報問合せ用アプリケーション4が使用したイベ
ントプレース間は、イベントプレースのフェデレーショ
ン機能により、情報の相互流通が可能であるため、前記
イベントはいくつかのイベントプレースを経由して、目
的の生産物情報提供用アプリケーションが使用している
イベントプレースへ最終的に転送される。図では、最終
的には、生産者B2と生産者B3が前記イベントを受信す
る。ここで、例えば、生産物購入者B1が生産物名を意
図的にあるいは誤って部分的に投入したり、他の生産者
が似た生産物名を用いていたりした場合、イベントプレ
ースにおけるイベントとフィルタの照合によっては、他
の生産者も前記イベントを受信しうる。 (3)前記生産物情報問合せ要求イベントを受信した生
産者用端末では、生産物情報提供用アプリケーション
が、前記イベント中にある農産物の商品名と出荷IDを
もとに図2ですでに生産者が投入済みの農産物情報を求
め、前記イベント中にある返信先情報をもとに前記農産
物情報を生産物購入者Aに返信する。 (4)生産物情報問合せ用アプリケーション4は、予め
定められた期間、情報の返信を待ち、その期間に受信し
た情報(生産者B2と生産者B3からの返信)を、生産物
購入者Aに対して端末1のディスプレイ上に表示し、生
産物購入者Aは、要求した生産物情報を確認する。これ
により、生産物情報を知りたい人が、不特定多数の生産
物情報を提供したい人の中から、生産物に関わる特定の
生産者に向けて、ただし前記生産者を認識することな
く、生産物情報問合せ要求をリアルタイムに送信するこ
とができ、またその結果を受信し生産物情報を知ること
ができる。
【0118】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、 ・生産物情報問合せ要求と応答のリアルタイム性が向上
し、 ・仲介料の発生がなくなり、 ・負荷が仲介者に集中することがなくなり、 ・仲介者の存在を知らなくても、不特定多数の生産者と
生産物購入者同士で生産物情報の送受を行うことがで
き、 ・仲介者を介さないことで、生産物購入者・生産者のプ
ライバシ・機密情報の安全性が向上する、 ・生産物販売者および生産者は、生産物に関する緊急情
報等を、購入者に対してリアルタイムに提供するサポー
ト体制をとることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の生産物情報提供システム
の構成図である。
【図2】生産物購入者Aからの生産物情報問合せ要求の
受付を生産者B1〜B3側で開始する際の、生産者用端末
1〜23におけるアプリケーション画面を示す図であ
る。
【図3】生産物購入者Aから生産物情報問合せ要求を発
信する際の、生産物購入者用端末1におけるアプリケー
ション画面を示す図である。
【図4】農産物情報の送受を行うため、意味情報ネット
ワーク3において定義されるイベントタイプの一例を示
す図である。
【図5】生産者B1〜B3が農産物情報問い合わせ要求を
受け付けるため、意味情報ネットワーク3に設定される
フィルタ条件の一例を示す図である。
【図6】農産物購入者Aが農産物情報問い合わせ要求を
農産物の生産者に送信するため、意味情報ネットワーク
3に発信するイベントの一例を示す図である。
【図7】従来の生産物情報提供システムの構成図であ
る。
【図8】意味情報ネットワークの概念モデルを示す図で
ある。
【図9】イベントの構成を示す説明図である。
【図10】意味情報ネットワークのモデルを示す図であ
る。
【図11】意味情報の定義を示す説明図である。
【図12】イベントタイプの定義例を示す説明図であ
る。
【図13】イベントの一例を示す説明図である。
【図14】フィルタの定義例を示す説明図である。
【図15】意味情報ネットワークの構成を示す図であ
る。
【図16】意味情報ネットワークの動作メカニズムと制
御インタフェースを示す説明図である。
【図17】物理リンクを示す説明図である。
【図18】フィルタの管理方法を示す説明図である。
【図19】イベントルーティング方法を示す説明図であ
る。
【図20】フィルタの登録状況を示す説明図である。
【図21】意味情報ネットワークの動作メカニズムと制
御インタフェースを示す説明図である。
【図22】物理リンクを示す説明図である。
【図23】イベントルーティング方法を示す説明図であ
る。
【図24】フィルタの登録状況を示す説明図である。
【図25】フェデレーション方法を示す説明図である。
【図26】コミュニティモデルを示す説明図である。
【符号の説明】
1 生産物購入者用端末 21〜23 生産者用端末 3 意味情報ネットワーク 4 生産物情報問合せ用アプリケーション 51〜53 生産用情報提供用アプリケーション 11 生産物購入者用端末 121〜123 生産者用端末 13 ネットワーク(インターネット) 14 生産物情報問合せ用アプリケーション 151〜153 生産物情報提供用アプリケーション 16 アンケート仲介端末 17 アンケート仲介用アプリケーション 21 意味情報ネットワーク(SION) 22 端末 SI−SW 意味情報スイッチ SI−R 意味情報ルータ SI−GW 意味情報ゲートウェイ EPO イベントプレースオブジェクト SLO シェアードリンクオブジェクト FA フェデレーションエージェント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星合 隆成 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 酒井 隆道 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 小柳 恵一 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 金杉 恵次 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生産物購入者用端末がネットワークを介
    して生産物情報問合せ要求を出し、不特定多数の生産者
    用端末のうち、該要求に合った生産物情報を有する生産
    者用端末が前記生産物購入者用端末に前記ネットワーク
    を介して生産物情報を送信する生産物情報提供方法であ
    って、 前記生産者用端末上の生産物情報提供用アプリケーショ
    ンと前記生産物購入者用端末上の生産物情報問合せ用ア
    プリケーションを前記ネットワークである意味情報ネッ
    トワークに接続し、 各生産者用端末に生産者によって入力された、該生産者
    に関わる生産物の生産物識別情報をフィルタとして前記
    意味情報ネットワークに設定し、 生産物購入者用端末に生産物購入者によって入力され
    た、生産物識別情報を含む生産物情報問合せ要求をイベ
    ントとして前記意味情報ネットワークに送信し、 自己のフィルタに設定された生産物識別情報が前記生産
    物情報問合せ要求に含まれる生産物識別情報に一致する
    生産者用端末が生産物情報を前記意味情報ネットワーク
    を介して前記生産物購入者用端末に送信し、 前記生産物購入者用端末に送信された生産物情報を生産
    物購入者に提示する生産物情報提供方法。
  2. 【請求項2】 前記生産物情報を前記生産物識別情報と
    ともに前記フィルタとして前記意味情報ネットワークに
    設定する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記生産者用端末から前記生産物購入者
    用端末に伝えられる緊急情報を前記生産物購入者用端末
    が選択的に受け付けるためのフィルタを前記意味情報ネ
    ットワークに設定し、前記生産者用端末が前記緊急情報
    をイベントとして前記意味情報ネットワークに送信す
    る、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 生産者用端末が、生産物購入者用端末が
    ネットワークを介して出した生産物情報問合せ要求に対
    し前記ネットワークを介して生産物情報を前記生産物購
    入者用端末に送信する生産物情報提供方法であって、 前記生産者用端末上の生産物情報提供用アプリケーショ
    ンを前記ネットワークである意味情報ネットワークに接
    続し、 生産者によって入力された、該生産者に関わる生産物の
    生産物識別情報をフィルタとして前記意味情報ネットワ
    ークに設定し、 前記フィルタに設定された生産物識別情報が、前記生産
    物購入者用端末から前記意味情報ネットワークに送信さ
    れた、生産物情報問合せ要求であるイベントに含まれる
    生産物識別情報と一致すると、当該生産物の生産物情報
    を前記意味情報ネットワークを介して前記生産物購入者
    用端末に送信する生産物情報提供方法。
  5. 【請求項5】 生産物購入者用端末が、ネットワークを
    介して不特定多数の生産者用端末に生産物情報問合せ要
    求を出し、該要求に合った生産物情報を有する生産者用
    端末から前記ネットワークを介して該生産物情報の送信
    を受ける生産物情報提供方法であって、 前記生産物購入者用端末上の生産物購入用アプリケーシ
    ョンを前記ネットワークである意味情報ネットワークに
    接続し、 生産物購入者によって入力された、生産物識別情報を含
    む生産物情報問合せ要求をイベントとして前記意味情報
    ネットワークに送信し、 前記生産者用端末から前記生産物情報問合せ要求に応答
    して前記意味情報ネットワークを介して送信されてきた
    生産物情報を生産物購入者に提示する生産物情報提供方
    法。
  6. 【請求項6】 生産物情報提供用アプリケーションを含
    む少なくとも1台の生産者用端末と、 生産物情報問合せ用アプリケーションを含む少なくとも
    1台の生産物購入者用端末と、 前記生産物情報問合せ用アプリケーションと前記生産物
    情報提供用アプリケーションを接続する意味情報ネット
    ワークを有し、 前記生産物情報提供用アプリケーションは、当該生産者
    用端末に生産者によって入力された、該生産者に関わる
    生産物の生産物識別情報をフィルタとして前記意味情報
    ネットワークに設定する処理と、前記フィルタに設定さ
    れた生産物識別情報が、前記生産物購入者用端末から前
    記意味情報ネットワークに送信された、生産物情報問合
    せ要求であるイベントに含まれる生産物識別情報と一致
    すると、当該生産物の生産物情報を前記意味情報ネット
    ワークを介して前記生産物購入者用端末に送信する処理
    を含み、 前記生産物情報問合せ用アプリケーションは、当該生産
    物購入者用端末に生産物購入者によって入力された、生
    産物識別情報を含む生産物情報問合せ要求を前記イベン
    トとして前記意味情報ネットワークに送信する処理と、
    前記生産者用端末から前記生産物情報問合せ要求に応答
    して前記意味情報ネットワークを介して送信されてきた
    生産物情報を生産物購入者に提示する処理を含む生産物
    情報提供システム。
  7. 【請求項7】 生産物購入者用端末がネットワークを介
    して出した生産物情報問合せ要求に対して生産物情報を
    前記ネットワークを介して前記生産物購入者用端末に送
    信する生産者用端末であって、 前記生産者用端末に生産者によって入力された、該生産
    者に関わる生産物の生産物識別情報をフィルタとして前
    記ネットワークである意味情報ネットワークに設定する
    処理と、前記フィルタに設定された生産物識別情報が、
    前記生産物購入者用端末から前記意味情報ネットワーク
    に送信された、生産物情報問合せ要求であるイベントに
    含まれる生産物識別情報と一致すると、当該生産物の生
    産物情報を前記生産物購入者用端末に前記意味情報ネッ
    トワークを介して送信する処理を含み、前記意味情報ネ
    ットワークに接続される生産物情報提供用アプリケーシ
    ョンを有する生産者用端末。
  8. 【請求項8】 ネットワークを介して不特定多数の生産
    者用端末に生産物情報問合せ要求を出し、該要求に合っ
    た生産物情報を有する生産者用端末から前記ネットワー
    クを介して該生産物情報の送信を受ける生産物購入者用
    端末であって、 該生産物購入者用端末に生産物購入者によって入力され
    た、生産物識別情報を含む生産物情報問合せ要求をイベ
    ントとして前記ネットワークである意味情報ネットワー
    クに送信する処理と、前記生産者用端末から前記生産物
    情報問合せ要求に応答して前記意味情報ネットワークを
    介して送信されてきた生産物情報を生産物購入者に提示
    する処理を含み、前記意味情報ネットワークに接続され
    る生産物情報問合せ用アプリケーションを有する生産物
    購入者用端末。
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