JP2002257990A - 放射性物質収納容器 - Google Patents

放射性物質収納容器

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JP2002257990A
JP2002257990A JP2001053745A JP2001053745A JP2002257990A JP 2002257990 A JP2002257990 A JP 2002257990A JP 2001053745 A JP2001053745 A JP 2001053745A JP 2001053745 A JP2001053745 A JP 2001053745A JP 2002257990 A JP2002257990 A JP 2002257990A
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Kiminori Iga
公紀 伊賀
Hitoshi Shimizu
清水  仁
Tadahiro Hoshikawa
忠洋 星川
Naoki Kumagai
直己 熊谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射性物質収納容器の内部構成部材の表面に
金属、金属酸化物、金属炭化物溶射を施すことにより、
間隙部の長期間の耐食性と熱放射による除熱性能向上を
維持する。 【解決手段】 放射性物質を収納する容器において、放
射性物質(ガラス固化体7)とバスケット5間の間隙部
6、バスケット5と内筒1間の間隙部6に面する部材面
に、金属、金属酸化物、金属炭化物溶射などの溶射処理
16施した。これにより、長期間の耐食性と熱放射によ
る除熱性能を向上が維持され、局所的な高温部分の発生
が抑制された。そのため、長期間の耐食性と熱放射によ
る除熱性能の向上を維持できるので、間隙部での温度上
昇を低減でき、収納体数の増加が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放射性物質収納容器に係
り、特に、使用済燃料再処理施設から発生する高レベル
放射性廃棄物ガラス固化体、または原子力発電所から発
生する使用済燃料集合体等の放射性物質を収納する容器
に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電施設の炉心で一定期間使用さ
れた燃料は、炉心より取出されて使用済燃料プール等に
一時保管される。この所定の冷却期間が終了した燃料
は、最終的に再処理工場に搬出され、再処理されてウラ
ンとプルトニウムを再資源として取出し、再利用するこ
とになっている。
【0003】発電所から再処理工場に搬出するまでの
間、使用済燃料集合体は40〜60年間中間貯蔵施設で
貯蔵される。また、再処理に伴い発生する高レベル放射
性廃棄物はガラス固化され、中間貯蔵施設で30〜50
年貯蔵冷却された後、最終処分地で地中埋設されること
になっている。
【0004】現在、使用済燃料集合体や高レベル放射性
廃棄物ガラス固化体(以下、ガラス固化体ともいう)を
中間貯蔵する方法として、ボールト方式、サイロ方式、
コンクリートキャスク方式、金属キャスク方式等の乾式
貯蔵方式がある。これらの貯蔵方式において、使用済燃
料集合体やガラス固化体の貯蔵密度は、発生する崩壊熱
の除熱性能やガンマ線および中性子線のしゃへい性能に
依存する。
【0005】使用済燃料集合体やガラス固化体の貯蔵部
あるいは収納部の構成部材の温度には制限があり、使用
済燃料は390℃以下、ガラス固化体は500℃以下、
炭素鋼やステンレス鋼等の鉄鋼材料は約300℃以下で
あることから、容器へ収納できる使用済燃料集合体やガ
ラス固化体の数量は、特に収納容器の除熱性能に大きく
制限される。
【0006】使用済燃料集合体やガラス固化体の温度
は、これを収納した容器から大気への伝熱が優れている
ほど温度の低減を図ることができ、収納密度を上げるこ
とが可能となる。また、使用済燃料集合体やガラス固化
体の中間貯蔵施設への輸送に使用される輸送容器におい
ても、その収納体数は除熱性能への要求が制限となって
いる。
【0007】使用済燃料集合体やガラス固化体から大気
に至る熱の伝達経路上で、最も熱が伝わりにくく、使用
済燃料集合体またはガラス固化体の温度上昇に影響を与
える部分は間隙部である。間隙部の伝熱は間隙間の気体
の熱伝導と放射による伝熱により行われる。これまでの
貯蔵施設および輸送容器では、間隙部雰囲気をヘリウム
に置換し伝熱性能を上げている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記使用済燃料集合体
やガラス固化体などの放射性物質の貯蔵部あるいは収納
部では、バスケットやキャニスタなどの構成部材の温度
は、各部分に流入する熱量と流出する熱量の差により決
まり、局所的な温度の上昇は熱の流入量に対し流出量が
相対的に少ない場合に起きる。
【0009】特に温度が上昇するのは間隙部であり、間
隙部での伝熱性能を上げるために、間隙の間隔を狭く
し、かつ、ヘリウムガス等の熱伝導の大きい気体を充填
するといった方法が取られるている。
【0010】しかしながら、間隙部の間隔は製作公差お
よびハンドリング時の裕度などから決定されるため、間
隔を狭くすることには限界がある。また、ヘリウムガス
を充填する方法においても、使用済燃料集合体やガラス
固化体を収納する際のハンドリング時には、空気雰囲気
もしくは真空となる場合があり、このときの除熱性能を
考慮して収納体数を決定する必要がある。
【0011】加えて、中間貯蔵施設などで放射能の閉じ
込め方式として負圧維持管理とする場合、収納容器内部
の気体を常に排気するため、収納容器内へ空気の流入流
出が起こり、間隙部にヘリウムガス等を充填しつづける
ことは、技術的、コスト的に問題となる。そのため、収
納容器内部は空気雰囲気にされることとなり、間隙部で
の温度が上昇し、使用済燃料集合体やガラス固化体の温
度が上昇し、収納密度を増加させることが困難となって
いた。
【0012】特に、使用済燃料集合体やガラス固化体を
収容するバスケットの伝熱性能を上げるために、アルミ
合金製のバスケットを用いたり、あるいはバスケット表
面に伝熱材としてアルミ合金などを貼りつけた場合に
は、アルミ合金の熱放射率の低さのため、間隙部で温度
が上昇する。
【0013】放射による伝熱を促進し、間隙部での除熱
性能を図るために、間隙部の内面を表面処理し放射率を
上げることが考えられが、長期間にわたり使用する放射
性物質収納容器では、間隙部表面の再処理を行うことが
できないため、長期間にわたり耐食性と放射による除熱
性能向上が維持できる表面処理が必要となる。
【0014】例えば、特開平4−58119号公報に
は、表面処理として金属メッキを施す例が記載されてい
るが、金属メッキは比較的付着力が弱いため、取扱時の
摩擦や容器同士の摩擦によって損傷する可能性が大き
く、短期間の輸送用容器であればともかく、保存用とし
て長期間使用するためには耐用性に問題があった。
【0015】本発明の目的は、間隙部の長期間にわたる
耐食性と、熱放射による除熱性能向上を維持し、使用済
燃料集合体や高レベル廃棄物ガラス固化体等の放射性物
質の収納密度が向上する放射性物質貯蔵容器を提供する
ことである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の放射性物質収納容器は、放射性物質とバス
ケット間の間隙部、バスケットとキャニスタ間の間隙
部、あるいは、バスケットまたはキャニスタと容器内壁
間の間隙部などの間隙部に面する部材面に、金属、金属
酸化物、または金属炭化物のうちのいずれかによる溶射
処理を施した。
【0017】なお、放射性物質の一つである高レベル廃
棄物ガラス固化体は、金属(ステンレス)製収容部材内
に放射能を有するガラスを流し込んで固化させたもの
で、本発明では、少なくとも側面に金属製部材面が一体
的に形成されているものを単にガラス固化体と称する。
【0018】本発明によれば、耐食性のあるアルミ等の
金属溶射、アルミナ等の金属酸化物溶射、あるいは金属
炭化物溶射によって、上記間隙部に面するアルミ合金部
や鋼材部などの部材面に表面処理を行うことにより、表
面の熱放射率が向上して間隙部での除熱性能が向上す
る。
【0019】また、溶射はメッキなどに比較して付着力
が大きいので、取扱時の摩擦などによる損傷が防止さ
れ、長期間にわたり使用済燃料集合体やガラス固化体な
どの温度の低減を図ることができ、そのため、収納容器
の密度を向上できる。
【0020】一例として、バスケットとキャニスタ間、
およびキャニスタと容器内壁間に、伝熱部材としてアル
ミ合金を使用した放射性物質収納容器では、アルミ合金
部の熱放射率が、およそ0.04〜0.06であった。一
方、本発明により、アルミ溶射を行った場合の熱放射率
は、およそ0.5〜0.7であり、アルミナ溶射を行った
場合の熱放射率も、およそ0.5〜0.7であった。この
ように、金属溶射、金属酸化物溶射、金属炭化物溶射等
の表面処理を行うことにより、除熱性能が向上した。
【0021】また、アルミ溶射、アルミナ溶射等の表面
処理による熱放射率向上策は、膜厚が数10μm〜10
0μm程度であるため、構造強度変化、伝熱性能変化、
しゃへい能力変化等を考慮する必要がないことに加え、
溶射金属表面が化学的に安定なため、長期間耐食性を持
ち続け、長期間にわたり除熱性能が維持できるため、放
射性物質収納容器の表面処理方法として特に有効であ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。第1および第2の例は、放
射性物質を輸送もしくは貯蔵するためのキャスクと称す
る放射性物質収納容器の例である。
【0023】第1の例は、再処理工場で発生した高レベ
ル放射性廃棄物ガラス固化体をバスケットと称する収容
部材に収容し、このバスケットをキャスクに収納して輸
送もしくは中間貯蔵施設で貯蔵する。また、第2の例
は、原子力発電所から搬出される使用済燃料集合体を収
容したバスケットを、キャスクに収納して輸送もしくは
貯蔵する。
【0024】第3および第4の例は、あらかじめ中間貯
蔵施設に設置されている放射性物質収納容器の例であ
る。第3の例は、高レベル廃棄物ガラス固化体のバスケ
ットを貯蔵する収納容器で、また、第4の例は、使用済
燃料集合体を収容したバスケットを収納し貯蔵する中間
貯蔵施設の収納容器である。
【0025】(第1の実施形態)図1および図2に、本
発明の一実施形態である高レベル廃棄物ガラス固化体の
輸送もしくは貯蔵に使用するキャスクを示す。図1は横
断面図、図2は縦断面図である。
【0026】これらの図に示すように、ガラス固化体用
キャスク31は、ガラス固化体7から発生するガンマ線
のしゃへい機能および構造強度を有する内筒1および外
筒2からなり、内筒1および外筒2の間には中性子しゃ
へい体3が充填され、内筒1と外筒2は伝熱フィン4に
て結合されている。伝熱フィン4は内筒1から外筒2へ
キャスク内部の熱を伝熱し、この熱が外筒2の表面から
大気中へ放熱される。
【0027】放射性物質であるガラス固化体7はバスケ
ット5の中に収容され、臨界を防止するための幾何学形
状管理が行なわれている。ガラス固化体7とバスケット
5の間、およびバスケット5と内筒1の間には間隙部6
があり、この部分での温度上昇によりガラス固化体の温
度が決定される。
【0028】また、キャスク31の底部には中性子しゃ
へい体8が、底板9および底板カバー10の間に充填さ
れており、一次蓋11に充填されている中性子しゃへい
体13とともに、作業員への被曝を低減できるようにな
っている。キャスク31の内部の密封性能は、一時蓋1
1により二重に担保されている。本キャスクのハンドリ
ングは上部トラニオン14および下部トラニオン15を
用いて行われる。
【0029】本発明のガラス固化体用キャスク31で
は、バスケット5と内筒1との間の間隙に面する面、お
よび、ガラス固化体7とバスケット5の間の間隙に面す
る面に、図示するように、アルミ溶射またはアルミナ溶
射等の表面処理16を施した。
【0030】バスケット5がアルミ合金製である場合の
熱放射率は、およそ0.04〜0.06程度であるのに比
べ、アルミ溶射もしくはアルミナ溶射を行なった場合、
放射率がおよそ0.6〜0.7程度となるため、間隙間の
伝熱性能が向上し、概略50℃程度の温度低減が図れ
た。そのため、収納体数の増加が可能となり、また、各
構成部材の耐食性も向上した。
【0031】したがって、本実施形態によれば、大容量
キャスクが実現できるために、ガラス固化体輸送または
貯蔵に必要なキャスク数の削減ができ、それに応じてキ
ャスクハンドリング回数の低減も行なうことができ、高
経済性のキャスクを提供できる。
【0032】(第2の実施形態)図3および図4に、本
発明の第2の実施形態として、使用済燃料集合体の輸送
もしくは貯蔵に使用するキャスクを示す。図3は横断面
図、図4は縦断面図である。
【0033】使用済燃料集合体用キャスク32は、横断
面では図に示すように、使用済燃料集合体から発生する
ガンマ線のしゃへい機能および構造強度を有する内筒1
および外筒2からなり、内筒1および外筒2の間には中
性子しゃへい体3が充填され、また、内筒1と外筒2は
伝熱フィン4にて結合されている。伝熱フィン4は内筒
1から外筒2へキャスク内部の熱を伝熱し、外筒2の表
面から熱は大気中へ放熱される。
【0034】使用済燃料集合体18はバスケット5の中
に収納され、臨界を防止する幾何学形状が維持されてい
る。さらに、バスケット5はキャニスタ17に納められ
ており、中間貯蔵施設ではキャニスタごとハンドリング
が行われ、キャスク32に収納される。
【0035】使用済燃料集合体18とバスケット5の
間、バスケット5とキャニスタ17の間、およびキャニ
スタ17と内筒1の間には間隙部6があり、この部分で
の温度上昇により使用済燃料集合体の温度が決定され
る。
【0036】また、縦断面ではキャスク底部および蓋部
には、中性子しゃへい体8および13が充填され、作業
員への被曝を低減できるようになっている。キャスク内
部の密封性能は二重の蓋11および12により担保さ
れ、ハンドリングは上下のトラニオン14および15を
用いて行われるのは、第1実施形態と同様である。
【0037】本発明の使用済燃料集合体用キャスク32
では、キャニスタ17と内筒1の間の間隙部6に面する
面と、バスケット5とキャニスタ17の間の間隙部に面
する面と、使用済燃料集合体18とバスケット5の間の
間隙部に面する面に、図示するように、アルミ溶射もし
くはアルミナ溶射等の表面処理16を施した。
【0038】前述のように、バスケット5がアルミ合金
製である場合の熱放射率はおよそ0.04〜0.06程度
であるのに比べ、アルミ溶射もしくはアルミナ溶射を行
なった場合の熱放射率がおよそ0.6〜0.7程度となる
ため、間隙部における伝熱性能が向上し、概略50℃程
度の温度低減が図られた。そのため、収納体数の増加が
可能となり、各構成部材の耐食性も向上した。
【0039】したがって、本実施形態によれば、大容量
キャスクが実現できるために、使用済燃料集合体輸送ま
たは貯蔵に必要なキャスク数の削減ができ、それに応じ
てキャスクハンドリング回数も低減し、高経済性のキャ
スクを提供できる。
【0040】(第3の実施形態)図5および図6に、本
発明の第3の実施形態として、高レベル廃棄物ガラス固
化体を中間貯蔵施設に貯蔵するための放射性物質収納容
器を示す。図5は横断面図、図6は縦断面図である。
【0041】ボールト方式、サイロ方式、コンクリート
キャスク方式等の中間貯蔵施設では、ガラス固化体7を
収納したバスケット5を、放射能閉じ込め機能を持った
収納容器33に収納し貯蔵する。収納容器33の外側を
外気で冷却することによりガラス固化体を除熱する。
【0042】本実施形態の収納容器33では、ガラス固
化体7とバスケット5の間の間隙部に面する面、および
バスケット5と収納容器33の間の間隙部に面する面
に、図示するように、アルミ溶射もしくはアルミナ溶射
などの表面処理16を施した。
【0043】本実施形態によれば、第1および第2の実
施形態と同様に、間隙部における伝熱性能が向上し、概
略50℃程度の温度低減が図られ、収納体数が増加し、
各構成部材の耐食性も向上した。したがって、大容量貯
蔵施設が実現可能となり、ガラス固化体中間貯蔵施設の
建屋が縮小でき、高経済性の貯蔵施設を提供できる。
【0044】(第4の実施形態)図7および図8に、本
発明の第4の実施形態として、中間貯蔵施設における使
用済燃料集合体の貯蔵用の収納容器を示す。図7は横断
面図、図8は縦断面図である。
【0045】ボールト方式、サイロ方式、コンクリート
キャスク方式等の中間貯蔵施設では、使用済燃料集合体
18を収納したバスケット5を放射能閉じ込め機能を持
った収納容器34に収納し貯蔵する。収納容器34の外
側を外気で冷却することにより使用済燃料集合体を除熱
する。
【0046】本実施形態の収納容器34では使用済燃料
集合体18とバスケット5の間の間隙部6に面する面、
およびバスケット5と収納容器34の間の間隙部6に面
する面に、図示するように、アルミ溶射もしくはアルミ
ナ溶射等の表面処理16を施した。
【0047】これにより、前述の実施形態と同様に、熱
放射率が向上し、間隙部における伝熱性能が向上するた
め、概略50℃程度の温度低減を図ることができ、収納
体数の増加が可能となり、また、各構成部材の耐食性も
向上する。したがって、大容量貯蔵が可能となり、その
ため、使用済燃料集合体中間貯蔵施設の建屋を縮小で
き、経済性の高い貯蔵施設を提供できる。
【0048】なお、上記各実施形態では、放射性物質に
溶射処理が可能な場合とできない場合がある。すなわ
ち、放射性物質がガラス固化体の場合、ステンレスなど
の金属容器に高レベル廃棄物ガラスを流し込んで固化さ
せる。そのため、固化したガラスの側面に容器が一体化
して密着した状態になっている。これを放射性物質ある
いはガラス固化体と称しており、その表面に溶射処理を
施すことができる。
【0049】一方、放射性物質が使用済燃料集合体の場
合は、放射性使用済燃料を入れた数本の管を束ねて集合
体としている。そのため、上記実施形態では溶射処理を
施していないが、本発明はこれに限定されない。例え
ば、数本をさらに容器に入れるような場合は、その容器
に溶射処理が可能である。
【0050】また、上記実施形態では、原則として、間
隙部に面する部材面全面に溶射したが、必ずしも全面で
なくてもよい。高温間隙部に面する部材の所定部位に、
溶射処理を施すことによっても、上記実施形態と同様の
効果がある。また、いくつかある間隙部のうち必要な間
隙部のみを対象として溶射処理を施してもよい。
【0051】
【発明の効果】上述のとおり、本発明によれば、使用済
燃料集合体や高レベル廃棄物ガラス固化体等の放射性物
質を収納する収納容器において、容器内の間隙部に面す
る部材面に、金属、金属酸化物、金属炭化物などの溶射
処理を施すことにより、熱放射による除熱性能や、長期
間にわたる耐食性能が向上する。そのため、放射性物質
の収納密度が向上した放射性物質貯蔵容器を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す横断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す縦断面図。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す横断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す縦断面図。
【図5】本発明の第3の実施形態を示す横断面図。
【図6】本発明の第3の実施形態を示す縦断面図。
【図7】本発明の第4の実施形態を示す横断面図。
【図8】本発明の第4の実施形態を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 内筒 2 外筒 4 伝熱フィン 5 バスケット 6 間隙部 7 ガラス固化体 16 金属溶射表面処理部 17 キャニスタ 18 使用済燃料集合体 31 高レベル廃棄物ガラス固化体用キャスク 32 使用済燃料集合体用キャスク 33 高レベル廃棄物ガラス固化体用収納容器 34 使用済燃料集合体用収納容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21F 5/10 G21F 5/00 N (72)発明者 星川 忠洋 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 熊谷 直己 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性物質とこれを支持する構成部材と
    の間の間隙部と、前記構成部材と容器内壁部材との間の
    間隙部と、を有する放射性物質収納容器において、前記
    間隙部のうち少なくともいずれかの間隙部に面する部材
    表面に、金属、金属酸化物、または金属炭化物のうちの
    いずれかによる溶射処理が施されていることを特徴とす
    る放射性物質収納容器。
  2. 【請求項2】 前記放射性物質は、使用済燃料集合体、
    または収容部材に一体的に収容されたガラス固化体であ
    る請求項1に記載の放射性物質収納容器。
  3. 【請求項3】 前記ガラス固化体の表面を形成する収容
    部材面に、前記溶射処理が施されている請求項2に記載
    の放射性物質収納容器。
  4. 【請求項4】 前記構成部材として、前記放射性物質を
    支持するバスケットと、前記バスケットの周囲に設置さ
    れるキャニスタとを備え、前記バスケットと前記キャニ
    スタとの間に間隙部を有し、前記間隙部に面するバスケ
    ットまたはキャニスタのいずれか一方もしくは双方の表
    面に、前記溶射処理が施されている請求項1に記載の放
    射性物質収納容器。
  5. 【請求項5】 前記容器内の高温間隙部に面する部材の
    所定部位に、前記溶射処理が施されている請求項1に記
    載の放射性物質収納容器。
  6. 【請求項6】 前記溶射処理に用いる金属として、アル
    ミ、亜鉛、銅、ニッケル、クロム、コバルト、モリブデ
    ン、チタン、タンタル、タングステン、およびそれらの
    合金、またはステンレスのうちのいずれかが溶射されて
    いる請求項1に記載の放射性物質収納容器。
  7. 【請求項7】 前記溶射処理に用いる金属酸化物とし
    て、アルミ、ジルコニウム、クロム、チタンのうちのい
    ずれかの酸化物が溶射されている請求項1に記載の放射
    性物質収納容器。
  8. 【請求項8】 前記溶射処理に用いる金属炭化物とし
    て、クロム、チタン、タングステンのうちのいずれかの
    炭化物が溶射されている請求項1に記載の放射性物質収
    納容器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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