JP2002257857A - プローブカード - Google Patents

プローブカード

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JP2002257857A
JP2002257857A JP2001055021A JP2001055021A JP2002257857A JP 2002257857 A JP2002257857 A JP 2002257857A JP 2001055021 A JP2001055021 A JP 2001055021A JP 2001055021 A JP2001055021 A JP 2001055021A JP 2002257857 A JP2002257857 A JP 2002257857A
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probe card
ceramic substrate
ceramic
conductor
substrate
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JP2001055021A
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Yoshiyuki Ido
義幸 井戸
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α線に起因するソフトエラーが発生しないた
め、このプローブカードを用いた検査装置での判定に誤
りが発生することのないプローブカードを提供するこ
と。 【解決手段】 半導体ウエハに形成された集積回路の検
査に用いられるプローブカードであって、前記プローブ
カードは、表面から放射されるα線量が50c/cm2
・hr以下のセラミック基板からなることを特徴とする
プローブカード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウエハ等
に形成された集積回路等が正常に動作するか否かを判定
する検査装置に用いられるプローブカードに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】半導体チップ(半導体素子)は、単結晶
引き上げ装置を用いて形成されたシリコン単結晶等のイ
ンゴットを、薄くスライスして半導体ウエハを作製した
後、この半導体ウエハに、多数の単位からなる導体回路
を形成し、続いて、これを各単位に分割する工程を経て
製造される。
【0003】上記半導体チップの製造工程においては、
半導体ウエハ上に多数の単位からなる導体回路を形成し
た後、各単位の半導体素子(半導体チップ)に分割する
前に、これらの回路が正常に動作するか否かを調べる必
要がある。そこで、このような検査には、プローブとい
われる針状の金属をシリコンウエハの端子パッドに押し
当てて電流を流し、導体回路の導通や各回路間の絶縁等
を調べる検査装置が用いられている。
【0004】現在、半導体素子の高集積化に伴い、シリ
コンウエハ上に形成する回路の集積度も高まり、半導体
素子に形成される端子パッドのピッチも狭まっている。
従って、検査装置に用いるプローブの間隔も狭くする必
要があり、検査装置のヘッド(パフォーマンス基板)
に、プローブを直接取り付けることが困難になってい
る。かかる課題に対応するため、最近では、中継基板
(プローブカード)を介在させて、ヘッド(パフォーマ
ンス基板)に、プローブを配設したコンタクター基板を
取り付けた検査装置が用いられている。
【0005】上記した検査装置の構成について、特開平
4−152270号公報、特開平6−140484号公
報等に詳しく開示されているが、これらの検査装置の中
継基板として用いられるプローブカードは、一般的には
アルミナセラミック基板からなる。そして、このプロー
ブカードは、コンタクター基板の広ピッチの端子とパフ
ォーマンス基板の挟ピッチのプローブとを接続させる役
割を担っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなアルミナ製
のセラミック基板に導体回路が形成された構成のプロー
ブカードを検査装置に設置し、シリコンウエハに形成さ
れた導体回路が正常に動作するか否かを検査すると、ま
れに誤った判定がなされる場合があった。そこで、本発
明者がこの原因について検討を行ったところ、アルミナ
製のプローブカードからα線が出ており、このα線量が
多いと、誤った判定がなされる可能性が高いことを突き
止めた。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、誤っ
た判定がなされる原因についてさらに検討を行い、この
α線は、後述する所謂ソフトエラーを引き起こし、これ
に起因して誤った判定がなされること、および、このα
線を一定値以下とすることにより、誤った判定を防止す
ることができることを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0008】即ち、本発明は、半導体ウエハに形成され
た導体回路の検査に用いられるプローブカードであっ
て、上記プローブカードは、表面から放射されるα線量
が50c/cm2 ・hr以下のセラミック基板からなる
ことを特徴とするプローブカードである。
【0009】セラミック基板からのα線量が50c/c
2 ・hrを超えるプローブカードを上記検査装置に使
用した場合、セラミック基板から発生したα線は、昇降
装置やテスターなどの周辺機器中に付属するコンピュー
ターのメモリセルやCPUに衝突し、一時的なデータの
破壊を引き起こしたり、CPUの機能を阻害してしま
う。また、検査機器は、ヒータを備えており、ヒータに
は測温素子が配設されているが、発生したα線が検査の
対象である半導体ウエハに飛び込んで電子、正孔の対を
発生させ、これにより発生した静電気が該測温素子に電
気的なノイズを発生させ、測定された温度データが誤っ
て認識されることがある。このような測温素子の誤動作
により、ヒータの温度制御不可能となって、誤った検査
結果が生じてしまう。
【0010】しかしながら、本発明では、放射されるα
線量が50c/cm2 ・hr以下のセラミック基板を用
いているため、上記した検査装置を構成するコンピュー
タや測温素子の誤動作に起因して誤った検査結果が生じ
るのを防止することができる。なお、以下においては、
このような制御機器の誤動作をソフトエラーということ
にする。
【0011】上記セラミック基板の表面から放射される
α線量は、2c/cm2 ・hr以下であることが好まし
い。ソフトエラーが発生する可能性が少なくなり、その
結果、検査装置の判定の誤りがさらに減少するからであ
る。
【0012】上記プローブカードにおいて、上記セラミ
ック基板は、窒化物セラミックまたは炭化物セラミック
からなることが望ましい。本発明のプローブカードの材
質は、セラミックであれば、特に限定されるものではな
く、窒化物セラミック、炭化物セラミックのほかに、ア
ルミナ等の酸化物セラミックも含まれるが、窒化物セラ
ミック、炭化物セラミックの方が熱膨張率もシリコンウ
エハ等に近いため、高温での検査においてプローブの位
置ずれが生じにくいため、接触不良がより発生しにく
く、また、セラミック基板の熱伝導率も高いため、昇
温、降温が迅速に行われ、温度マッチングにより優れる
からである。
【0013】上記セラミック基板は、少なくとも内部に
スルーホールが設けられていることが好ましい。
【0014】図1に示すような検査装置では、ヘッド
(パフォーマンス基板)とコンタクター基板との間にプ
ローブカードを介装するため、一方の面から他方の面へ
の導通を図るためのスルーホールが必要となるからであ
る。
【0015】検査ピッチを拡大するためには、図2に示
したように、セラミック基板の表面に、プローブカード
のピッチを拡大する導体回路を設ける方法が比較的容易
であるため望ましいが、図3に示すように、セラミック
基板の内部にプローブのピッチを拡大するための導体回
路を設けてもよい。
【0016】上記プローブカードにおいて、上記セラミ
ック基板には、一主面に導体回路が形成されていること
が望ましい。プローブカードによっては、スルーホール
を必要としないものもあり、この場合には、一主面のみ
に導体回路が形成されるからである。また、検査ピッチ
を拡大するためには、図2に示したように、セラミック
基板の表面に、プローブカードのピッチを拡大する導体
回路を設ける方法が比較的容易であるからである。
【0017】なお、上記セラミック基板の材料の1種で
ある窒化アルミニウムのα線量については、「ニューセ
ラミックス」Vol.11、No.9 1998 「A
LNセラミックスの最近の進歩と応用」に記載が見られ
るが、半導体製造・検査装置として使用することは記載
も、示唆もされていない。従って、そのこと自体により
本発明の新規性、進歩性が阻却されることはない。
【0018】また、本発明では、α線量を低減させるこ
とにより、上記した電気的な誤動作とα線量の因果関係
という誰も予想しなかった関連を新規に知見し、以下に
示す方法を用いて実際にα線量を低減させてその効果を
確認しており、このため、発明の構成は単純であるが、
本発明は充分に進歩性を有するものである。
【0019】α線の発生要因は、窒化物や炭化物の原料
となるアルミナやシリカ中の放射性核種UやThであ
る。そこで、本発明では、アルミナやシリカからUやT
hを除去し、アルミナ等をセラミック基板の主成分とす
る場合にはそのまま使用し、窒化物セラミックや炭化物
セラミックとする場合には、U等を除去後、還元窒化法
などで窒化物セラミックスや炭化物セラミックを合成す
る。
【0020】UやThの除去方法は、例えば「粉体粉末
冶金協会講演概要集 p114 Spring 198
0年」に記載されているように、平均粒子径2〜3μm
の多孔質γ−Fe23 の粒子にチタニウムイソプロポ
キシドのアルコール溶液を含浸させて、アルコキシドを
加水分解してこれをU吸着剤とし、これを原料溶液中に
分散させるのである。
【0021】例えば、ボーキサイトから得られたアルミ
ン酸ソーダ水溶液中にU吸着剤を分散させて塩基性条件
でUを吸着させ、吸着剤を分離後、アルミン酸ソーダを
水酸化アルミニウムにして沈澱させ、乾燥、焼成してア
ルミナとするのである。なお、文献中ではUにのみ着目
しているが、発明者はThでも同様の効果を確認してい
る。また、市販品でα線量の低いものが存在しており、
それらを入手することもできる。
【0022】このようにして得られたアルミナ等を、例
えば、還元窒化法で窒化する。還元窒化法とは、SiO
2 やAl23 をカーボンブラック等の炭素により還元
しつつ、窒素ガスと反応させる方法である。
【0023】なお、特開平9−48668号公報で直接
窒化法や間接窒化法で製造した半導体製造装置用窒化ア
ルミニウム焼結体を開示するが、原料アルミナについて
は言及しておらず、またボーキサイトからUやThが混
入するので単に直接窒化法で製造してもUやTh量を減
らすことができない
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプローブカードを
図面に基づいて説明する。図1は、本発明のプローブカ
ードが用いられた半導体ウエハの検査装置を模式的に示
す概念図であり、図2(a)は、本発明のプローブカー
ドを模式的に示す断面図であり、(b)は、その平面図
である。
【0025】この検査装置10は、検査用の端子の配設
されたパフォーマンス基板24と、パフォーマンス基板
24のX、Y、Z方向に位置調整を行う昇降装置22
と、パフォーマンス基板24を経てシリコンウエハ60
に電流を印加して適否を判断するテスター20とを備え
ている。
【0026】また、パフォーマンス基板24の下方に
は、順次、プローブ基板30およびプローブカード40
が配設されており、プローブ基板30およびプローブカ
ード40を経ることにより、配線のピッチが縮小されて
いる。そして、さらにプローブカード40の下に配設さ
れたコンタクター基板50のプローブ52を介して、シ
リコンウエハ60上に形成された端子パッド61との接
続が図られるようになっている。
【0027】なお、コンタクター基板50には、このコ
ンタクター基板50を貫通し、上面および下面から突出
するようにプローブ52が配設されており、上面から突
出したプローブがプローブカードの端子パッドと接触
し、一方の底面から突出したプローブがシリコンウエハ
に設けられた端子パッドと接触するようになっている。
【0028】また、この検査装置10は、導体回路が形
成されたシリコンウエハ60を載置するためのテーブル
26を備えており、このテーブル26は、X、Y、Z方
向に位置調整を行うことができるようになっている。さ
らに、テーブル26の下方には、シリコンウエハ60を
加熱するヒータ28と、シリコンウエハ60を冷却する
ためにぺルチェ機構等を用いる冷却装置29とが配設さ
れ、ヒータ28には図示しない電源から電力が供給され
るようになっている。
【0029】次に、この検査装置10を用いたシリコン
ウエハ60の検査について説明する。先ず、テーブル2
6にシリコンウエハ60を載置し、シリコンウエハ60
上に形成された位置決めマークを図示しない光学装置で
読み取り、テーブル26の位置調整を行う。その後、昇
降装置22により、パフォーマンス基板24等を押し下
げ、コンタクター基板50のプローブ52を、シリコン
ウエハ60の所定の端子パッドに押し当てる。なお、図
1では、端子パッドが盛り上がったように記載されてい
るが、実際の端子パッドの厚さは、1〜50μmであ
る。
【0030】この後、引き続き、テスター20が、パフ
ォーマンス基板24−プローブ基板30−プローブカー
ド40−コンタクター基板50を介して、シリコンウエ
ハ60の所定のパッド61に電流を印加し、シリコンウ
エハに形成された導体回路の導通や絶縁が必要な部分で
絶縁が保たれているか等の特性試験を行う。この際、冷
却装置29やヒータ28を用いることにより、シリコン
ウエハを冷却したり、加熱したりしながら検査を行うこ
とができる。
【0031】次に、プローブカードについて説明する。
図2に示したように、プローブカード40を構成するセ
ラミック基板41の内部には、スルーホール42が設け
られ、底面41bには、コンタクター基板50のプロー
ブと接触させるための端子パッド43が設けられるとと
もに、上面には、ピッチを拡大するための導体回路44
と端子パッド45とが設けられている。
【0032】従って、このプローブカード40を用いる
ことにより、パフォーマンス基板24に形成された比較
的広いピッチの端子パッドと、シリコンウエハ60上に
形成された狭ピッチの端子パッド61との接続を、確実
に行うことができる(図1参照)。
【0033】本発明のプローブカードを構成するセラミ
ック基板は、その表面から放射されるα線量が50c/
cm2 ・hr以下と少ないため、このプローブカードを
用いて半導体ウエハに形成された導体回路の検査を行う
際に、ソフトエラーによる検査の誤りが発生することは
ない。
【0034】このような放射されるα線量の少ないセラ
ミックは、上述したように、アルミナ等を一旦溶液化に
した後、吸着剤を用いてUやThを吸着剤に吸着させ、
その含有量を低減させることにより、製造することがで
きる。
【0035】また、本発明のプローブカード40は、セ
ラミック基板41からなるので、樹脂製の基板と比べる
と、常温や高温における機械的特性(強度)に優れ、高
温においても反りや変形がなく、プローブとの接触不良
が発生しにくい。
【0036】図2では、セラミック基板41の表面に導
体回路が形成されたプローブカード40を示したが、導
体回路は、セラミック基板の内部に形成されていてもよ
い。図3(a)は、このような内部に導体回路が形成さ
れたウエハプローバを模式的に示した断面図であり、
(b)は、その平面図である。
【0037】このプローブカード70では、底面71b
から上面71aに抜けるスルーホール76が形成されて
いるほか、底面71bからセラミック基板71の途中ま
での長さのスルーホール72aが形成されており、この
スルーホール72aの上部から水平方向に図2(b)に
示したパターンとほぼ同様のパターンの導体回路74が
形成されることにより、ピッチを拡大している。そし
て、導体回路74の端部に接続されるように形成された
スルーホール72bがさらに上面71aに達し、図3
(b)に示すような端子パッド75のパターンとなって
いる。
【0038】従って、このプローブカード70を用いる
ことにより、図2に示したプローブカード40の場合と
同様に、パフォーマンス基板24に形成された比較的広
いピッチの端子パッドと、シリコンウエハ60上に形成
された狭ピッチの端子パッドとの接続を、確実に行うこ
とができる。
【0039】次に、このようなプローブカード40を構
成するセラミック基板や導体回路の材質や特性等につい
て、さらに詳しく説明する。
【0040】上記セラミック基板の材料は、上述したよ
うに、セラミックであれば特に限定されるものではない
が、熱伝導性に優れた炭化物セラミックまたは窒化物セ
ラミックが望ましい。
【0041】窒化物セラミックとしては、例えば、窒化
アルミニウム、窒化珪素、窒化チタン、窒化硼素等から
選ばれる少なくとも1種以上が望ましい。また、炭化物
セラミックとしては、例えば、炭化珪素、炭化タングス
テン、炭化タンタル、炭化チタン、炭化ジルコニウム等
から選ばれる少なくとも1種以上が望ましい。なかで
も、窒化アルミニウムは、特に熱伝導率が高く、シリコ
ンウエハの温度変化に迅速に追従することから特に好ま
しい。
【0042】上記セラミック基板は、焼結助剤を含有し
ていてもよい。上記焼結助剤としては、例えば、アルカ
リ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類酸化物
等が挙げられる。これらの焼結助剤のなかでは、Ca
O、Y23 、Na2 O、Li2O、Rb2 Oが好まし
い。これらの含有量としては、0.1〜20重量%が好
ましい。また、アルミナを含有していてもよい。
【0043】上記非酸化物セラミック中には、5重量%
以下の酸素が含有されていてもよい。5重量%程度の酸
素量であれば、焼結を促進させるとともに、耐電圧を確
保でき、高温での反り量を小さくすることができるから
である。
【0044】上記セラミック基板では、表面のJIS
B 0601に基づく面粗度Rmaxは、0.01μm
<Rmax<100μmであることが望ましく、Ra
は、0.001<Ra<10μmであることが望まし
い。
【0045】前記セラミック基板は、その面粗度がJI
S B 0601 Ra=0.01〜10μmが最適で
ある。表面の導体回路との密着性を考慮すると大きい方
がよいのであるが、大き過ぎると表皮効果(高周波数の
信号電流は導体回路の表面に局在化して流れる)によ
り、高周波数での測定が困難であり、また、小さい場合
は密着性に問題が発生するからである。
【0046】セラミック基板の形状は特に限定されない
が、方形、多角形状、円板形状が好ましく、その直径、
最長対角線の長さは、10〜350mmが好ましい。セ
ラミック基板の厚さは、50mm以下が好ましく、10
mm以下がより好ましい。セラミック基板の厚さが厚す
ぎると、装置の小型化を図ることができず、また、熱容
量が大きくなって、昇温・降温速度が低下し、温度マッ
チング特性が劣化するからである。また、セラミック基
板の厚さを薄くすることにより、プローブカードの電気
抵抗を小さくすることができ、誤った判断の発生を防止
することができる。
【0047】セラミック基板の平面度は、直径−10m
m、または、最長対角線長さ−10mmの測定距離で5
00μm以下が好ましい。500μmを超えると測定時
の押圧でも反りを矯正できないからである。
【0048】上記セラミック基板の熱伝導率κは、10
W/m・k<κ<300W/m・kが好ましく、160
〜220W/m・kがより好ましい。熱伝導率を上げる
ことにより、昇温・降温速度が早くなり、温度マッチン
グが良好になるからである。
【0049】セラミック基板のヤング率Eは、25〜6
00℃で60GPa<E<450GPaが望ましい。高
温におけるセラミック基板の反りを防止するためであ
る。セラミック基板の曲げ強度σf は、25〜600℃
で200MPa<σf <500MPaが望ましい。押圧
時にセラミック基板が破損するのを防止するためであ
る。なお、押圧時には、セラミック基板に、0.1〜1
0kg/cm2 程度の圧力がかかる。
【0050】前記セラミック基板の気孔率は、5%以下
が望ましい。また、最大気孔の気孔径が50μm以下で
あることが望ましい。100℃以上の温度での耐電圧を
確保し、機械的な強度が大きくなり、押圧時等における
反り量を小さくすることができるからである。また、こ
のようなセラミック基板は、熱伝導率が高くなり、迅速
に昇温・降温するため、温度マッチングに優れる。
【0051】なお、最大気孔とは、任意の10箇所を電
子顕微鏡で撮影し、その視野の中で最も大きな気孔を選
び、その最大気孔の平均値を最大気孔の気孔径として定
義したものである。また、気孔率は0%であってもよ
い。気孔は存在しないことが理想的である。
【0052】気孔径が50μmを超えると高温、特に高
温での耐電圧特性を確保するのが難しくなり、短絡等が
発生するおそれがある。最大気孔の気孔径は、10μm
以下が望ましい。高温(例えば、100℃以上)での反
り量が小さくなるからである。
【0053】上記気孔率はアルキメデス法により測定す
る。焼結体を粉砕して有機溶媒中あるいは水銀中に粉砕
物を入れて体積を測定し、粉砕物の重量と体積から真比
重を求め、真比重と見かけの比重から気孔率を計算する
のである。
【0054】気孔率や最大気孔の気孔径は、焼結時の加
圧時間、圧力、温度、SiCやBNなどの添加物で調整
することができる。上述のように、SiCやBNは焼結
を阻害するため、気孔を導入させることができる。気孔
が存在すると、靱性値が上昇する。従って、余り強度が
下がらない程度に、気孔を存在させてもよい。
【0055】上記セラミック基板の内部に気孔が存在す
る場合には、この気孔は、閉気孔であることが望まし
い。また、セラミック基板を通過するヘリウムの量(ヘ
リウムリーク量)は、10-7Pa・m3 /sec以下で
あることが望ましい。ヘリームリーク量の小さい緻密な
セラミック基板とすることにより、内部に形成されたス
ルーホール等が空気中の酸素等により腐食されるのを防
止することができるからである。
【0056】セラミック基板の厚さのばらつきは、±3
%以内が好ましい。コンタクター基板のプローブとの接
触不良をなくすためには、セラミック基板の表面が平坦
である必要があるからである。
【0057】また、熱伝導率のばらつきは±10%以内
が好ましい。温度の不均一等に起因する反り等を防止す
ることができるからである。なお、本発明のプローブカ
ードは、100℃以上で使用することが望ましい。
【0058】セラミック基板の体積抵抗率ρは、1013
Ω・cm<ρ<1016Ω・cmであることが望ましい。
高温でのリーク電流の発生やスルーホール間の絶縁破壊
を防止するためである。
【0059】上記セラミック基板は、明度がJIS Z
8721の規定に基づく値でN6以下のものであるこ
とが望ましい。このような明度を有するものが隠蔽性を
有するため外観がよく、また、輻射熱量が大きく、迅速
に昇温するからである。
【0060】ここで、明度のNは、理想的な黒の明度を
0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明
度と白の明度との間で、その色の明るさの知覚が等歩度
となるように各色を10分割し、N0〜N10の記号で
表示したものである。そして、実際の測定は、N0〜N
10に対応する色票と比較して行う。この場合の小数点
1位は0または5とする。
【0061】このような特性を有するセラミック基板
は、セラミック基板中にカーボンを100〜5000p
pm含有させることにより得られる。カーボンには、非
晶質のものと結晶質のものとがあり、非晶質のカーボン
は、セラミック基板の高温における体積抵抗率の低下を
抑制することでき、結晶質のカーボンは、セラミック基
板の高温における熱伝導率の低下を抑制することができ
るため、その製造する基板の目的等に応じて適宜カーボ
ンの種類を選択することができる。
【0062】非晶質のカーボンは、例えば、C、H、O
だけからなる炭化水素、好ましくは、糖類を、空気中で
焼成することにより得ることができ、結晶質のカーボン
としては、グラファイト粉末等を用いることができる。
また、アクリル系樹脂を不活性雰囲気下で熱分解させた
後、加熱加圧することによりカーボンを得ることができ
るが、このアクリル系樹脂の酸価を変化させることによ
り、結晶性(非晶性)の程度を調整することもできる。
【0063】本発明では、図2、3に示したように、セ
ラミック基板の内部にスルーホールや導体回路が形成さ
れているが、このスルーホールや導体回路は、タングス
テン、モリブデンなどの高融点金属、タングステンカー
バイド、モリブデンカーバイドなどの導電性セラミック
等により形成さている。
【0064】スルーホールの直径は、0.1〜10mm
が望ましい。断線を防止しつつ、クラックや歪みを防止
できるからである。スルーホールの形状としては特に限
定されないが、例えば、円柱状、角柱状(四角柱、円柱
等)が挙げられる。
【0065】また、セラミック基板の表面にも、配線の
ピッチを拡大するための導体回路や、上方に配設される
プローブ基板や下方に配設されるコンタクター基板との
接続を図るための端子パッドを形成する必要があるが、
これらスルーホール、導体回路、端子パッド等は、通
常、タングステン、モリブデンなどの高融点金属、タン
グステンカーバイド、モリブデンカーバイドなどの導電
性セラミック等からなることが望ましい。
【0066】ただし、場合によっては、これらの導体層
は、金、銀、白金等の貴金属やニッケル等の金属からな
るものであってもよい。これらスルーホール、導体回
路、端子パッド等の体積抵抗率は、1〜50μΩ・cm
が好ましい。体積抵抗率が、50μΩを超えると、スル
ーホール等が発熱したりして検査装置が誤った判断を下
す場合がある。
【0067】セラミック基板の表面または内部にスルー
ホールや導体回路を形成するためには、金属や導電性セ
ラミックからなる導体ペーストを用いることが好まし
い。即ち、セラミック基板の内部にスルーホールや導体
回路を形成する場合には、グリーンシートに形成した貫
通孔に導体ペーストを充填したり、グリーンシート上に
上記導体ペースト層を形成した後、グリーンシートを積
層、焼成することにより、内部にスルーホールや導体回
路を形成する。
【0068】また、最上層や最下層となるグリーンシー
トの上に導体ペースト層を形成して焼成することによ
り、セラミック基板の表面に導体回路や端子パッドを形
成することができる。
【0069】一方、セラミック基板を製造した後、その
表面に上記導体ペースト層を形成し、焼成することよっ
ても、導体回路や端子パッドを形成することができる。
また、めっきやスパッタリング等によって端子パッドを
形成してもよい。
【0070】上記導体ペーストとしては特に限定されな
いが、導電性を確保するため金属粒子または導電性セラ
ミック粒子のほかに、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むも
のが好ましい。
【0071】上記金属粒子や導電性セラミック粒子の材
料としては、上述したものが挙げられる。これら金属粒
子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜10
0μmが好ましい。0.1μm未満と微細すぎると、酸
化されやすく、一方、100μmを超えると、焼結しに
くくなり、抵抗値が大きくなるからである。
【0072】上記金属粒子の形状は、球状であっても、
リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場
合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよ
い。上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン
片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を
保持しやすくなり、導体回路等とセラミック基板との密
着性を確実にすることができるため有利である。
【0073】上記導体ペーストに使用される樹脂として
は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げら
れる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアル
コール等が挙げられる。増粘剤としては、セルロース等
が挙げられる。
【0074】導体ペースト層をセラミック基板の表面に
形成する際には、上記導体ペースト中に上記金属粒子の
ほかに金属酸化物を添加し、上記金属粒子および上記金
属酸化物を焼結させたものとすることが好ましい。この
ように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結させること
により、セラミック基板と金属粒子等とをより密着させ
ることができる。
【0075】上記金属酸化物を混合することにより、セ
ラミック基板との密着性が改善される理由は明確ではな
いが、金属粒子表面や非酸化物からなるセラミック基板
の表面は、その表面がわずかに酸化されて酸化膜が形成
されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結
して一体化し、金属粒子とセラミックとが密着するので
はないかと考えられる。また、セラミック基板を構成す
るセラミックが酸化物の場合は、当然に表面が酸化物か
らなるので、密着性に優れた導体層が形成される。
【0076】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。これらの酸化物は、金属
粒子等とセラミック基板との密着性を改善することがで
きるからである。
【0077】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重
量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホ
ウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1
〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50で
あって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整
されていることが好ましい。これらの範囲で、これらの
酸化物の量を調整することにより、特にセラミック基板
との密着性を改善することができる。
【0078】本発明においては、これまで説明してきた
セラミック基板の少なくとも一方の面に樹脂層を介して
導体回路が形成されていてもよい。樹脂層を介すること
で検査時の押圧に追従でき、セラミックに比べて破損な
どが発生しにくい。さらに、樹脂の方が微細配線を引き
回すことができるため、高密度のプローブカードが得ら
れる。さらに、樹脂の方がセラミックより誘電率が小さ
く、伝搬遅延がない。
【0079】セラミック基板には、スルーホールが形成
されていてもよく、また、導体回路が形成されていても
よい。樹脂層は2層以上あってもよく、その場合が、各
樹脂層上の導体回路同士はバイアホールで接続される。
【0080】樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド
樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂から選ばれる少
なくとも1種以上を使用できる。また、樹脂は感光化さ
れていることが望ましい。フォトリソグラフィーにより
開口を形成できるからである。樹脂層の厚さは、5〜1
00μmが望ましい。高温での絶縁性を確保するためで
ある。
【0081】次に、図4に基づき、本発明のプローブカ
ードの製造方法(製法A)について説明する。 (1)原料粉末の製造 α線の発生要因は、酸化物(アルミナ、シリカ)、また
は、炭化物や窒化物の原料となる酸化物(アルミナ、シ
リカ)中の放射性核種UやThである。そこで、アルミ
ナやシリカから上述の方法でUやThを除去した後、還
元窒化法などで窒化物セラミックス等を製造する。ま
た、市販品でα線の低いものが存在しており、それらを
入手することもできる。
【0082】(2)グリーンシートの作製工程 まず、酸化物、窒化物セラミック、炭化物セラミック等
の粉末をバインダ、溶媒等と混合してペーストを調製
し、これを用いてグリーンシートを作製する。上述した
セラミック粉末としては、窒化アルミニウム等を使用す
ることができ、必要に応じて、イットリア等の焼結助剤
を加えてもよい。また、グリーンシートを作製する際、
結晶質や非晶質のカーボンを添加してもよい。
【0083】また、バインダとしては、アクリル系バイ
ンダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニ
ルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに溶媒としては、α−テルピネオール、グリコール
から選ばれる少なくとも1種が望ましい。
【0084】これらを混合して得られるペーストをドク
ターブレード法でシート状に成形してグリーンシート4
00を作製する。グリーンシート400の厚さは、0.
1〜5mmが好ましい。次に、得られたグリーンシート
に、必要に応じて、スルーホールを形成する貫通孔とな
る部分等を形成する。後述するグリーンシート積層体を
形成した後に、上記加工を行ってもよい。
【0085】(3)グリーンシート上に導体ペーストを
印刷する工程 最上層となるグリーンシート400上および最下層とな
るグリーンシート上に、上述した導体ペーストを用い、
導体ペーストからなる導体ペースト層430、440を
形成する。また、スルーホールとなる部分に導体ペース
トを充填し、充填層420とする。
【0086】なお、内部に導体回路を形成する場合に
は、内層となるグリーンシート上に導体ペースト層を形
成すればよい。
【0087】これらの導電ペースト中には、金属粒子ま
たは導電性セラミック粒子が含まれている。金属粒子の
材料としては、例えば、タングステンまたはモリブデン
等が挙げられ、導電性セラミックとしては、例えば、タ
ングステンカーバイドまたはモリブデンカーバイドが挙
げられる。
【0088】上記金属粒子であるタングステン粒子また
はモリブデン粒子等の平均粒子径は、0.1〜5μmが
好ましい。平均粒子が0.1μm未満であるか、5μm
を超えると、導体ペーストを印刷しにくいからである。
【0089】このような導体ペーストとしては、例え
ば、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜87重
量部;アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソル
ブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種
のバインダ1.5〜10重量部;および、α−テルピネ
オール、グリコールから選ばれる少なくとも1種の溶媒
を1.5〜10重量部を混合した組成物(ペースト)が
挙げられる。
【0090】(4)グリーンシートの積層工程 導体ペースト層430、440等を有する、最上層とな
るグリーンシート400と最下層となるグリーンシート
との間に、充填層420のみを有するグリーンシート4
00を複数枚積層し、圧着して、積層体を作製する(図
4参照)。
【0091】(5)グリーンシート積層体の焼成工程 次に、グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリ
ーンシート400および内部や外部の導体ペーストを焼
結させ、スルーホール42等を有するセラミック基板4
1を作製する(図2参照)。加熱温度は、1000〜2
000℃が好ましく、加圧の圧力は、10〜20MPa
が好ましい。加熱は、不活性ガス雰囲気中で行う。不活
性ガスとしては、例えば、アルゴン、窒素などを使用す
ることができる。
【0092】得られたセラミック基板41に、必要によ
り、加工処理を施し、プローブカードの製造を終了す
る。セラミック基板の内部に導体回路を設ける場合に
は、グリーンシート上に導体ペースト層を形成し、この
グリーンシートの上下に他のグリーンシート積層した
後、焼成すればよい。また、セラミック基板の表面に導
体層を形成する場合には、セラミック基板を製造した
後、スパッタリング法やめっき法を用いることにより導
体層を形成してもよい。
【0093】また、このような製造方法の他に、以下の
ような製造方法(製法B)を採用してもよい。即ち、 (1)製法A(1)で得られた酸化物セラミック、窒化
物セラミック、炭化物セラミックの粉末に必要に応じて
イットリア等の焼結助剤やバインダ等を配合してスラリ
ーを調製した後、このスラリーをスプレードライ等の方
法で顆粒状にし、この顆粒を金型などに入れて加圧する
ことにより板状などに成形し、生成形体(グリーン)を
作製する。次に、生成形体を600〜1600℃までの
温度で仮焼し、ドリルなどでスルーホールとなる貫通孔
を形成する。
【0094】(2)基板に導体ペーストを印刷する工程 導体ペーストは、一般に、金属粒子または導電性ペース
トもしくはこれらの混合物、樹脂、溶剤からなる粘度の
高い流動物である。この導体ペーストをスクリーン印刷
などを用い、導体回路やスルーホール部分に印刷を行う
ことにより、導体ペースト層、スルーホールを形成す
る。なお、導体回路形成は、下記する(3)の焼結工程
の終了後であってもよい。
【0095】(3)次に、この仮焼体を加熱、焼成して
焼結させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、
所定の形状に加工することにより、基板を作製するが、
焼成後にそのまま使用することができる形状としてもよ
い。加圧しながら加熱、焼成を行うことにより、気孔の
ない基板を製造することが可能となる。加熱、焼成は、
焼結温度以上であればよいが、窒化物セラミックまたは
炭化物セラミックでは、1000〜2500℃である。
【0096】さらに、セラミック基板に樹脂層を介して
導体回路を形成する場合について説明する。 (1)まず、セラミック基板を製造する。このセラミッ
ク基板には、スルーホールが形成されていてもよく、ま
た、表面または内部に導体回路が形成されていてもよ
い。このようなセラミック基板は、上記製法A、Bの方
法で製造することができる。以下は、製法Aで得られ、
表面にスルーホールが形成されたもので説明する。
【0097】(2)得られたセラミック基板の両面にチ
タン、モリブデン、ニッケル、クロムなどの金属をスパ
ッタリング、めっき等により導体層を設け、さらに、フ
ォトリソグラフィーにより、エッチングレジストを形成
する。次に、エッチング液で導体層の一部を溶解させ、
エッチングレジストを剥離して導体回路を形成する。導
体回路の厚さは、1〜10μmが好ましい。
【0098】樹脂層を形成しない側の導体回路表面に
は、無電解めっきにより、ニッケルや貴金属(金、白
金,銀、パラジウム)層などの非酸化性金属層を設けて
おく。非酸化性金属層の厚さは、1〜10μmがよい。
【0099】(3)少なくとも一方の面に樹脂層を形成
する。樹脂は感光性樹脂が望ましく、アクリル化された
エポキシ樹脂、アクリル化されたポリイミド樹脂がよ
い。樹脂層は、樹脂フィルムを積層してもよく、液状の
樹脂をスピンコートして形成してもよい。
【0100】(4)樹脂層を形成した後、加熱乾燥さ
せ、ついで露光、現像処理を行い、開口を形成する。さ
らに、樹脂液を再びスピンコートし、加熱乾燥させ、つ
いで露光、現像処理を行い、開口を形成する。このよう
に、1つの層間樹脂絶縁層を2回に分けて形成する理由
は、どちらか一方の樹脂層にピンホールが形成されてし
まっても、もう一方の樹脂層で絶縁性を確保できるから
である。なお、セラミック基板の表面に形成された導体
回路間に樹脂を充填しておき、導体回路に起因する凹凸
をなくし、平坦化しておいてもよい。また、レーザ光に
より開口を設けてもよい。
【0101】(5)次に、樹脂層表面を酸素プラズマ処
理などで改質処理を実施する。表面に水酸基が形成され
るため、金属との密着性が改善される。次に、クロム、
銅などのスパッタリングを実施する。スパッタリング層
の厚さは、0.1〜5μmが好ましい。つぎにめっきレ
ジストをフォトリソグラフィーで形成し、電解めっきに
よりCu、Ni層を形成する。厚さは、2〜10μmが
望ましい。この後、めっきレジストを剥離し、エッチン
グを行うことにより、スパッタリングのみにより導体層
が形成されている部分を溶解させ、導体回路を形成す
る。
【0102】この後、上記(3)〜(5)の工程を繰り
返すことにより、セラミック基板の上に、樹脂と導体回
路とが複数層積層形成されたプローブカードが製造され
る。セラミック基板の上に導体回路と樹脂層とを形成す
る場合、形成する導体回路(樹脂層)は、一層であって
もよく、2層以上であってもよい。
【0103】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。
【0104】(合成例) 窒化アルミニウム合成例 (1)平均粒子径3μmの多孔質のγ−Fe23 に、
0.5重量%の塩酸を含む10重量%のチタニウムイソ
プロポキシドのエチルアルコール水溶液を含浸させ、2
5℃で24時間放置して加水分解させてU、Th吸着剤
を得た。 (2)ボーキサイト粉末1000重量部を10%水酸化
ナトリウム水溶液とテフロン(登録商標)容器に入れ、
これをオートクレーブ中で190℃、5時間処理して赤
泥とろ別し、アルミン酸ソーダ水溶液を得た。
【0105】(3)このアルミン酸ソーダ水溶液を1N
塩酸でpH=12に調整し、吸着剤を分散させて50℃
で、3時間、30分間、および、10分間振動放置させ
た。 (4)吸着剤をろ過分離し、ろ過液を塩酸でpH=8.
5に調整し、水酸化アルミニウムの沈澱を析出沈澱させ
て、蒸留水で洗浄して80℃で5時間乾燥させた。さら
に空気中で1000℃にて焼成させ、粉砕することによ
りアルミナ粉末とした。 (5)上記(4)で得た2種類のアルミナ粉末1000
重量部と353重量部のグラファイトとをそれぞれ混合
し、窒素気流中、1950℃で5時間反応させ、その後
未反応のCを350℃で酸化除去して窒化アルミニウム
とした。
【0106】(6)得られた窒化アルミニウムをボール
ミルで砕いて風力分級機で分級し、平均粒子径1.1μ
mとした。なお、吸着剤分散後、3時間振動放置した
後、得られたアルミナ(以下、アルミナ粉末Aという)
を原料として製造された窒化アルミニウム粉末を窒化ア
ルミニウム粉末Aといい、30分間振動放置した後、得
られたアルミナ(以下、アルミナ粉末Bという)を原料
として製造された窒化アルミニウム粉末を窒化アルミニ
ウム粉末Bといい、10分間振動放置した後、得られた
アルミナ(以下、アルミナ粉末Cという)を原料として
製造された窒化アルミニウム粉末を窒化アルミニウム粉
末Cということにする。窒化アルミニウム粉末AのU含
有量は、67ppb、Thの含有量は、20ppbであ
り、窒化アルミニウム粉末BのUの含有量は、650p
pbであり、Thの含有量は、30ppbであり、窒化
アルミニウム粉末CのUの含有量は、1800ppbで
あり、Thの含有量は、90ppbであった。なお、測
定はICP−MS法により行った。
【0107】(実施例1) プローブカードの製造(図
2、4参照) (1)前述の方法により得た平均粒径1.1μmの窒化
アルミニウム粉末B100重量部、イットリア(Y2
3 、平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバイン
ダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタ
ノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を
混合したペーストを用い、ドクターブレード法により成
形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシート400
を作製した。なお、窒化アルミニウム粉末BのUの含有
量は、650ppbであり、Thの含有量は、30pp
bである。
【0108】(2)次に、このグリーンシート400を
80℃で5時間乾燥させた後、スルーホール58となる
貫通孔等をパンチングにより形成した。
【0109】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分
散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製し
た。
【0110】平均粒子径3μmのタングステン粒子10
0重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テル
ピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部
を混合して導体ペーストBを調製した。
【0111】この導体ペーストAを最上層および最下層
となるグリーンシート上にスクリーン印刷で印刷し、導
体回路44や端子パッド45用の導体ペースト層440
を形成した。印刷パターンは、図2に示したようなパタ
ーンとし、導体ペースト層の幅を75μm、その厚さを
3μmとした。また、スルーホールとなる部分に導体ペ
ーストBを充填し、充填層420を形成した。
【0112】上記処理の終わった2枚のグリーンシート
400の間に、充填層420のみを形成したグリーンシ
ート400を25枚、130℃、8MPaの圧力で積
層、圧着した。
【0113】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15M
Paで10時間ホットプレスし、厚さ5mmの窒化アル
ミニウム焼結体を得た。これを一辺が、60mmの正方
形に切り出し、内部に直径200μmの円柱状のスルー
ホール42、厚さが3μm、幅が75μmの導体回路4
4および500μm□の端子パッド43を有するプロー
ブカード40の製造を終了した。
【0114】(実施例2) プローブカードの製造(図
2、4参照) (1)平均粒径1.1μmの窒化アルミニウム粉末A1
00重量部、イットリア(Y23 平均粒径0.4μ
m)4重量部、アクリル系樹脂バインダ12重量部およ
びアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、
顆粒状の粉末を作製した。窒化アルミニウム粉末AのU
含有量は、67ppb、Thの含有量は、20ppbで
ある。
【0115】(2)次に、この顆粒状の粉末を金型に入
れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。こ
の生成形体を1400℃で仮焼し、処理の終わった成形
体にドリルにより、スルーホール42用の貫通孔を形成
し、その内部に、実施例1で用いた導体ペーストBを充
填した。
【0116】(3)上記工程を経た成形体から一辺が、
60mmの正方形を切り出しセラミック製の板状体(セ
ラミック基板41)とした。
【0117】(4)次に、平均粒子径3μmのタングス
テンカーバイド粒子100重量部、、アクリル系バイン
ダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部
および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストCを
調製した。セラミック基板41の上面41aおよび底面
41bに、この導体ペーストCを用い、スクリーン印刷
により導体回路44用および端子パッド43用の導体ペ
ースト層を形成した。
【0118】(5)次に、導体ペーストを印刷した基板
を1800℃、20MPaでホットプレスし、導体ペー
スト中のタングステン、タングステンカーバイド等を焼
結させるとともに焼結体に焼き付けて導体回路44を形
成し、内部に直径200μmの円柱状のスルーホール4
2、厚さが3μm、幅が75μmの導体回路44および
500μm□の端子パッド43を有するプローブカード
40の製造を終了した。
【0119】(実施例3)実施例2と同様であるが、以
下の工程を変更した。(1)に代えて、SiC粉末(平
均粒径:0.3μm 屋久島電工社製 ダイヤシックス
スーパーファイン GC−15)100重量部、焼結
助剤のB 4Cを0.5重量部、アクリル系樹脂バインダ
12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレー
ドライを行い、顆粒状の粉末を作製した。なお、このS
iC粉末のUの含有量は、800ppb程度であり、T
hの含有量は、50ppb程度である。
【0120】(2)に代えて、顆粒状の粉末を金型に入
れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。こ
の生成形体を1900℃で20MPaで加圧焼結させ
た。つぎに、表面にガラスペスート(昭栄化学工業社製
G−5177)を塗布し、700℃で焼成し、表面に
厚さ2μmのコート層を設けた。その後、(4)では、
一主面のみに導体ペースト層を形成し、(5)のホット
プレスは行なわなかった。この実施例ではスルーホール
を持たないプローブカードとなる。
【0121】(実施例4)プローブカードの製造 アルミナ粉末B(平均粒径1.0μm)100重量部、
アクリルバインダ11.5重量部、分離剤0.5重量部
および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコー
ル53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレ
ード法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリー
ンシードを作製し、成形体のホットプレスを1600
℃、圧力180kg/cm2 で行ったほかは、実施例1
と同様にしてプローブカードを製造した。
【0122】(実施例5) プローブカードの製造 平均粒径1.1μmの窒化アルミニウム粉末C100重
量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてプローブカ
ードを製造した。
【0123】(比較例1)実施例1と同様であるが、多
孔質のγ−Fe23 処理を実施しなかった。
【0124】上記実施例1〜5および比較例1で得られ
たプローブカードについて、放射されるα線量を測定し
た。また、実施例1〜5および比較例1に係るプローブ
カードを、図1に示した検査装置のセットし、予め合格
品であるとわかっている100個のシリコンウエハを用
い、シリコンウエハを130℃まで昇温した後、回路の
動作状態を検査した。これらの試験の結果を表1に示し
た。
【0125】 α線量の測定条件 測定装置 低レベルα線測定装置 ACS−4000M 印加電圧 1.9kV 計数ガス PR−10ガス(Ar90%、メタン10%) 試料面積 387cm2 全計数時間 99時間 係数効率 80% 誤差範囲 ±0.003c/cm2 ・hr
【0126】
【表1】
【0127】上記表1より明らかなように、実施例1〜
5に係るプローブカードから放射されるα線量は、50
c/cm2 ・hr以下であり、このプローブカードを用
いた検査装置による検査では、100回の検査で、全て
製品が合格であるとの判断を下した。
【0128】一方、比較例1では、プローブカードから
放射されるα線量が50c/cm2 ・hrを超え、この
プローブカードを用いた検査装置による検査では、50
%の製品は、不合格品であるとの判断を下した。これ
は、上述したソフトエラーに起因すると考えられる。こ
のようにα線量が、50c/cm2 ・hrより大きい
と、ソフトエラーが起こり易くなり、検査装置での検査
に誤りが発生しやすくなる。
【0129】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、プロー
ブカードを構成するセラミック基板より放射されるα線
量が、50c/cm2 ・hr以下であるので、ソフトエ
ラーによる検査装置の誤作動を生じることがなく、その
結果、シリコンウエハに形成された導体回路の動作状態
について、正確な判断を下すことができる。また、上記
プローブカードは、セラミック基板よりなるので、常
温、高温での機械的強度に優れ、高温においてもプロー
ブとの接触不良や反り、変形等が生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプローブカードを用いたた検査装置の
構成を示す説明図である。
【図2】(a)は、プローブカードの一例を模式的に示
す断面図であり、(b)は、その平面図である。
【図3】(a)は、プローブカードの他の一例を模式的
に示す断面図であり、(b)は、その平面図である。
【図4】プローブカードを製造する際のグリーンシート
の積層工程を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
10 検査装置 20 テスター 22 昇温装置 24 パフォーマンス基板 28 ヒータ 29 冷却装置 30 プローブ 40、70 プローブカード 41、71 セラミック基板 41a、71a 上面 41b、71b 底面 42、72a、72b、76 スルーホール 43、45、73、75 端子パッド 44、74 導体回路 50 コンタクター基板 60 シリコンウエハ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウエハに形成された集積回路の検
    査に用いられるプローブカードであって、前記プローブ
    カードは、表面から放射されるα線量が50c/cm2
    ・hr以下のセラミック基板からなることを特徴とする
    プローブカード。
  2. 【請求項2】 前記セラミック基板の表面から放射され
    るα線量は、2c/cm 2 ・hr以下である請求項1に
    記載のプローブカード。
  3. 【請求項3】 前記セラミック基板は、窒化物セラミッ
    クまたは炭化物セラミックからなる請求項1または2に
    記載のプローブカード。
  4. 【請求項4】 前記セラミック基板は、少なくとも内部
    にスルーホールが設けられている請求項1〜3のいずれ
    か1に記載のプローブカード。
  5. 【請求項5】 前記セラミック基板は、一主面に導体回
    路が形成されている請求項1〜4のいずれか1に記載の
    プローブカード。
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