JP2002256241A - 澱粉糊 - Google Patents
澱粉糊Info
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Abstract
るか又は硝酸以外の鉱酸で中和された澱粉糊において安
定剤としてハロゲン化有機酸塩を添加することなく、安
定性に優れ、太陽光にも変色せず、長期保存後において
も、製造当初の初期接着力(粘着力)が減退しない澱粉
糊を提供する。 【解決手段】 澱粉を水に懸濁させ、アルカリを加えて
糊化させた後、中和剤で前記アルカリを中和させてなる
澱粉糊において、前記中和剤が、硝酸以外の酸であり、
前記中和させてなる澱粉糊のpHが4.5以上、5.5
以下に保持されてなるもの。
Description
務用糊、紙袋、紙箱などの紙工用接着剤、壁紙施工用糊
等に使用される澱粉糊に関するものである。
られている。第1の方法は、古くから行われて来た加熱
による糊化方法である。澱粉を水に懸濁し、撹拌しなが
ら熱を加えるもので煮糊とも言われている。
たアルカリ糊化の方法である。熱を加える代りにアルカ
リを加えることで糊化するため、冷糊法と言われてい
る。
粉、小麦澱粉、コンスターチ、ポテトスターチ、タピオ
カスターチ、甘藷澱粉などの天然澱粉とそれらを化学
的、物理的に処理した加工澱粉が単独であるいは混合し
て使用される。
熱による製造方法については、比較的、小資本で製造で
き、製造コストが安価であり、特殊な薬剤及び技術を要
しない。また、特殊な製造設備がいらない等の長所を有
しているが、一定の品質の製品を製造しようとすると高
度の熟練が必要となり、1バッチあたりの製造量が少な
く、多くすると昇温及び冷却に時間がかかる問題があ
り、現在では、工業的に有利なアルカリ糊化による澱粉
糊のが主流となっている。
の製造方法を述べると、先ず、澱粉を水に懸濁し、次に
10〜50%のアルカリ水溶液を撹拌しながら加え、糊
化し、糊化後中和剤として無機酸を加え、中和調整し、
次に防腐剤、防徽剤その他公知の添加剤を加えて製造す
る。アルカリとしては一般的にはカセイソーダが使用さ
れる。中和に使用する無機酸としては、安定性の点から
硝酸が主として使用される。このため製品中には、硝酸
ナトリウムが1〜数%含まれている。
澱粉糊では、中和剤は硝酸が他の酸、例えば塩酸、硫
酸、リン酸より安定性に格段に優れており、一般的に使
用されてきた。
では製品の澱粉糊中に硝酸ナトリウムが残ることにな
り、この硝酸ナトリウムが太陽光に晒されると化学変化
を引き起こし黄変する欠点があった。特に近年壁紙施工
用として澱粉糊が使用されているが、この欠点から施工
後1〜2年して問題が発生している。
め、施工後のハミ出し部分が劣化して着色するというこ
とはないが、施工中及び施工後の接着性能が低いためと
一定の品質のものを大規模に製造できないため、使用さ
れることが少ない。また、硝酸に換えて、塩酸、硫酸等
を中和剤として使用した場合には前記の施工後、ハミ出
した部分が劣化着色することはないが、糊の安定性が著
しく悪くなり、実際の製品としては全く用いられていな
い。
ゲン化有機酸で中和した澱粉糊が、特公平6−4357
8号に記載されている。その特許においては、澱粉糊の
安定性と太陽光による変色を防止するため、中和剤にハ
ロゲン化有機酸を用いるか、又は中和剤が硝酸以外の酸
を使用した場合には、これにハロゲン化有機酸を安定剤
として添加する澱粉糊が記載されている。しかしなが
ら、ハロゲン化有機酸を用いた澱粉糊は、黄変のない優
れた物であるが、製造コストが高い課題を有している。
281号公報に記載の通り、硝酸以外の酸で、澱粉糊の
pHを7.2以上、11.5以下に保持することによ
り、アルカリで糊化しハロゲン化有機酸で中和するか又
は硝酸以外の鉱酸で中和された澱粉糊において安定剤と
してハロゲン化有機酸塩を添加することなく、安定性に
優れ、太陽光にも変色しない澱粉糊を提供するに至っ
た。
間の室温での貯蔵安定性試験は問題ないものの、更に貯
蔵期間を延ばすと、室温放置後における初期接着力が製
造当初の初期接着力ほど得られないとの問題が生じた。
ゲン化有機酸で中和するか又は硝酸以外の鉱酸で中和さ
れた澱粉糊において安定剤としてハロゲン化有機酸塩を
添加することなく、安定性に優れ、太陽光にも変色せ
ず、長期保存後においても、製造当初の初期接着力(粘
着力)が減退しない澱粉糊を提供することにある。
明に係る澱粉糊は、澱粉を水に懸濁させ、アルカリを加
えて糊化させた後、中和剤で前記アルカリを中和させて
なる澱粉糊において、前記中和剤が、硝酸以外の酸であ
り、前記中和させてなる澱粉糊のpHが4.5以上、
5.5以下に保持されてなることを特徴とするものであ
る。
は、請求項1に記載の中和剤が、塩酸、リン酸、硫酸に
代表される鉱酸又は有機酸の単独又は1種以上を混ぜ合
わせた酸であることを特徴とするものである。
は、請求項1に記載の中和させてなる澱粉糊のpHが
4.5以上、5.5以下に保持されてなることを特徴と
するものである。
は、請求項1〜3の何れかに記載された澱粉糊におい
て、老化防止剤として界面活性剤が、澱粉糊の全量に対
して、0.1%以上、0.5%以下添加されていること
を特徴とするものである。
は、請求項1〜4の何れかに記載された澱粉糊におい
て、防腐・防カビ剤が、澱粉糊の全量に対して、0.0
5%以上、1.5%以下添加されていることを特徴とす
るものである。
水に懸濁し、アルカリを加えて糊化させた後、硝酸以外
の酸を中和剤として、pHが4.5以上、5.5以下と
することにより、得られる。このようにして得られた澱
粉糊は、太陽光に晒されても黄変しない。また、安定剤
としてハロゲン化有機酸塩を添加することなく、硝酸以
外の酸であっても、安定性が優れたものとなる。
粉、コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカスター
チ、甘藷澱粉などの生澱粉であれば何を用いても良い。
更に、各種天然澱粉を化学的に処理した加工澱粉、例え
ばエーテル化澱粉、エステル化澱粉、酸処理澱粉、酸化
澱粉、加水分解された澱粉等も、ここでいう澱粉の定義
に包含される。特に生澱粉では、硝酸以外の酸を用いて
pH4.5以上、5.5以下に保持することにより、安
定性のよい澱粉糊が得られることは特筆すべきことであ
る。
属、アルカリ土類の水酸化物のいずれかを添加する。実
用的には、カセイソーダの10〜50%濃度のものが用
いられる。もちろんこの濃度は、一般的なものであっ
て、この範囲を越えたとしても何等問題はなく単に工業
的な取扱い上の点から言っているにすぎない。アルカリ
の添加量は、固形分として1〜5%であり、これも一般
的な範囲である、澱粉の濃度、種類によっては、この範
囲を越えたとしても本発明に対して影響は無い。
原因となる硝酸を含まなければよい。例えば、塩酸、リ
ン酸、硫酸等の無機酸若しくは酢酸等の有機酸を単独又
は1種以上を混ぜ合わせた酸を使用することができる。
これら、硝酸以外の酸を用いた場合には、得られた澱粉
糊の安定性は著しく悪くなる。
なる中和剤によって、澱粉糊のpHをpH4.5以上、
5.5以下に保持する。pHが4.5を下回ったり5.
5を上回ると、長期間放置後の澱粉糊の粘着性が著しく
悪くなる。より好ましくは、pHを4.5以上更にはp
Hを5.5以下に保持すると硝酸で中和した糊に勝ると
も劣らない安定性と粘着性が得られる。
面活性剤を澱粉糊の全量に対して、0.1%以上、0.
5%以下を添加してもよい。また、防腐・防かび剤を澱
粉糊の全量に対して、0.05%以上、1.5%以下を
添加しても良い。
00gに水750gを入れ、充分撹拌し、懸濁させた。
これにカセイソーダ50%水溶液を20gを撹拌しなが
ら室温で添加し糊化させた。添加終了後、引続き撹拌し
て充分に糊化を促し、次に中和剤として硫酸及び塩酸を
使用し、pH3.5、4.0、4.5、5.0、5.
5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.
5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0に
調整した澱粉糊を得た中和終了後、界面活性剤及び防徽
剤を添加した。
〜20℃のサイクルを3回繰り返す凍結解凍安定性試験
と、室温での貯蔵安定性試験と、皮膜の紫外線照射によ
る変色性試験と、製造直後に実施した接着性試験と、6
ヶ月の室温放置後に実施した接着性試験とを行い比較し
た。結果を表1に示す。
中和された澱粉糊であっても、pHを4.5以上、5.
5以下とすることにより、凍結安定性、貯蔵安定性及び
粘着性に優れた澱粉糊を得ることができ、特に製造後長
期間放置された後であっても、粘着性能の減退が殆どな
い澱粉糊が得られた。
糊化しハロゲン化有機酸で中和するか又は硝酸以外の鉱
酸で中和された澱粉糊において安定性に優れ、太陽光に
も変色しない澱粉糊を得ることができ、更に、優れた粘
着性を有する澱粉糊を得ることができるという効果があ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 澱粉を水に懸濁させ、アルカリを加えて
糊化させた後、中和剤で前記アルカリを中和させてなる
澱粉糊において、 前記中和剤が、硝酸以外の酸であり、 前記中和させてなる澱粉糊のpHが4.5以上、5.5
以下に保持されてなることを特徴とする澱粉糊。 - 【請求項2】 前記中和剤が、塩酸、リン酸、硫酸に代
表される鉱酸又は有機酸の単独又は1種以上を混ぜ合わ
せた酸であることを特徴とする請求項1に記載された澱
粉糊。 - 【請求項3】 前記中和させてなる澱粉糊のpHが4.
5以上、5.5以下に保持されてなることを特徴とする
請求項1に記載された澱粉糊。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載された澱粉
糊において、 老化防止剤として界面活性剤が、澱粉糊の全量に対し
て、0.1%以上、0.5%以下添加されていることを
特徴とする澱粉糊。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載された澱粉
糊において、 防腐・防カビ剤が、澱粉糊の全量に対して、0.05%
以上、1.5%以下添加されていることを特徴とする澱
粉糊。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001057892A JP2002256241A (ja) | 2001-03-02 | 2001-03-02 | 澱粉糊 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001057892A JP2002256241A (ja) | 2001-03-02 | 2001-03-02 | 澱粉糊 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002256241A true JP2002256241A (ja) | 2002-09-11 |
Family
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---|---|---|---|
JP2001057892A Pending JP2002256241A (ja) | 2001-03-02 | 2001-03-02 | 澱粉糊 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002256241A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5962682A (ja) * | 1982-09-30 | 1984-04-10 | Sanwa Shoji Kk | 澱粉糊の製造法 |
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-
2001
- 2001-03-02 JP JP2001057892A patent/JP2002256241A/ja active Pending
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