JP2000136365A - 澱粉糊 - Google Patents
澱粉糊Info
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Abstract
あり、凍結安定性、貯蔵安定性が良好であり、接着性能
が良く、製品の被膜が紫外線に当っても劣化着色しない
澱粉糊を得る。 【解決手段】 澱粉を水に懸濁させ、アルカリを加えて
糊化させた後、中和剤で中和させてなる澱粉糊におい
て、前記澱粉糊に脂肪族オキシ酸、脂肪族オキシ酸塩、
脂肪族ジカルボン酸、又は脂肪族ジカルボン酸塩を添加
してなるもの。
Description
用糊、紙袋、紙箱などの紙工用接着剤、壁紙施工用糊等
に使用される澱粉糊に関するものである。
られている。第一の方法は、古くから行われて来た加熱
による糊化方法である。澱粉を水に懸濁し、撹拌しなが
ら熱を加えるもので煮糊とも言われている。第2の方法
は、近年製造されるようになったアルカリ糊化の方法で
ある。熱を加える代わりにアルカリを加える代わりにア
ルカリを加えることで糊化するため、冷糊法と言われて
いる。
粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ポテトスターチ、タピ
オカスターチ、甘藷澱粉などの天然澱粉とそれらを化学
的、物理的に処理した加工澱粉が単独であるいは混合し
て使用される。
熱による製造方法については、比較的、小資本で製造で
き、製造コストが安価であり、特殊な薬剤及び技術を要
しない。また、特殊な製造設備がいらない等の長所を有
しているが、一定の品質の製品を製造しようとすると高
度の熟練が必要となり、1バッチあたりの製造量が少な
く、多くすると昇温及び冷却に時間がかかる問題があ
り、現在では、工業的に有利なアルカリ糊化による澱粉
糊が主流となっている。
の製造方法を述べると、先ず、澱粉を水に懸濁し、次に
10〜50%のアルカリ水溶液を撹拌しながら加え、糊
化し、糊化後中和剤として無機酸を加え、pH5〜8に
調整し、次に防腐剤、防黴剤その他公知の添加剤を加え
て製造する。
ダが使用される。中和に使用する無機酸としては、塩
酸、硝酸、硫酸などが使用されているが、安定性の点か
ら硝酸が一般的に使用される。このため製品中には、硝
酸ソーダが1〜数%含まれているのが一般的である。
た澱粉糊は、酸に硝酸を使用した場合、接着剤がハミ出
た皮膜の表面が経年し、紫外線により劣化着色する欠点
を有している。特に近年壁紙施工用として澱粉糊が使用
されているが、この欠点から施工後1〜2年して問題が
発生している。
め、施工後のハミ出し部分が劣化して着色するというこ
とはないが、施工中及び施工後の接着性能が低いためと
一定の品質のものを大規模に製造できないため、使用さ
れることが少ない。
剤として使用した場合には前記の施工後、ハミ出した部
分が劣化着色することはないが、糊の安定性が著しく悪
くなり、実際の製品にはなり難い。
は、中和剤について、各種無機酸及び有機酸を鋭意検討
したところ、カルボン酸、特に脂肪族オキシ酸又は脂肪
族ジカルボン酸を用いることが優れた澱粉糊を作るのに
効果があることを突き止め、本発明に至った。
のであり、アルカリ糊化による製造で得られる澱粉糊で
あり、特別な設備を必要とせず、一定した品質のものを
容易に安定的に供給でき、1バッチ当たりの製造量が多
く、製造時間に多くを必要とせず、凍結安定性、貯蔵安
定性が良好であり、接着性能が良く、製品の被膜が紫外
線に当っても劣化着色しない澱粉糊を得ることを目的と
する。
発明に係る澱粉糊は、澱粉を水に懸濁させ、アルカリを
加えて糊化させた後、中和剤で中和させてなる澱粉糊に
おいて、前記澱粉糊に脂肪族オキシ酸、脂肪族オキシ酸
塩、脂肪族ジカルボン酸、又は脂肪族ジカルボン酸塩を
添加してなるものである。
は、請求項1に記載された前記脂肪族オキシ酸又は脂肪
族オキシ酸塩が、乳酸又は乳酸塩であるものである。
は、請求項1に記載された脂肪族ジカルボン酸又は脂肪
族ジカルボン酸塩が、1分子中の炭素数が2〜6の脂肪
族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸塩であるもので
ある。
は、請求項1に記載された脂肪族オキシ酸、脂肪族オキ
シ酸塩、脂肪族ジカルボン酸、又は脂肪族ジカルボン酸
が、乳酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸、マレイン
酸、フマル酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸及びそ
れらの塩から選ばれた1つ以上のものである。
は、請求項1に記載された澱粉に加えるアルカリは、Na
OH,KOH,Ca(OH)2などのアルカリ金属又はアルカリ土
類金属に属する水酸化アルカリの水溶液、または水溶液
がアルカリ性を呈する化合物を単独或いは混合して使用
するものである。
は、請求項1に記載された澱粉糊に防腐剤、防黴剤或い
はその他公知の添加剤を添加したものである。
を水に懸濁させ、アルカリを加えて糊化させた後、中和
剤で中和させてなる澱粉糊において、前記中和剤として
オキシ酸又はジカルボン酸を使用してなるものである。
このため、特別な設備を必要とせず、一定した品質のも
のを容易に安定的に供給でき、凍結安定性、貯蔵安定性
が良好であり、接着性能が良く、製品の被膜が紫外線に
当っても劣化着色しない特徴を持つアルカリ糊化による
製造で得られる澱粉糊を得ることができる。
は、澱粉を水に懸濁させ、アルカリを加えて糊化させた
後、オキシ酸又はジカルボン酸を用いて中和させてなる
澱粉糊である。本発明における澱粉糊は、澱粉を水に懸
濁し、攪拌しながらアルカリを加え、オキシ酸又はジカ
ルボン酸を中和剤として使用することによって目的が達
成される。
は、脂肪族オキシ酸が住環境の観点から芳香族オキシ酸
よりも好適である。更に、グリコール酸、ヒドロアクリ
ル酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リン
ゴ酸、クエン酸等よりも、乳酸、酒石酸又はグルコン
酸、より好適には乳酸が粘着性、凍結安定性、貯蔵安定
性の点で良好である。
しては、脂肪族(飽和、不飽和)ジカルボン酸が住環境
の観点から芳香族ジカルボン酸よりも好適である。更
に、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸
のうち、1分子中の炭素数が2〜6の脂肪族ジカルボン
酸が粘着性、凍結安定性、貯蔵安定性の点で良好であ
る。
酸又はジカルボン酸を使用するのであって、常温で加え
られたオキシ酸又はジカルボン酸は、単に先に添加され
たアルカリの中和剤として働いており、系中では、オキ
シ酸塩又はジカルボン酸塩となって存在する。
して他の酸を用いた上で、脂肪族オキシ酸塩又は脂肪族
ジカルボン酸塩を添加することを行った。その結果、脂
肪族オキシ酸塩又は脂肪族ジカルボン酸塩が澱粉糊中に
添加された場合に、凍結安定性、貯蔵安定性が良好であ
り、接着性能が良く、製品の被膜が紫外線に当っても劣
化着色しないことが確認された。尚、中和剤として用い
る酸は、酸性を呈する化合物でよく、例えば、硫酸、塩
酸、酢酸、有機酸等が挙げられる。
アルカリを加えて糊化させた後、中和剤で中和させてな
る澱粉糊において、前記澱粉糊に脂肪族オキシ酸、脂肪
族オキシ酸塩、脂肪族ジカルボン酸、又は脂肪族ジカル
ボン酸塩を添加してなるものである。
硫酸他のみならず、現在一般的に安定性が良い糊を供給
する目的で使用されている硝酸と同等の優れた安定性を
有することは全く新規なことである。オキシ酸塩又はジ
カルボン酸塩が澱粉糊の安定性を良くする理由として
は、まだ明確ではないが、糊化した澱粉粒子の水和を増
大させているためであると思われる。
族ジカルボン酸、又は脂肪族ジカルボン酸塩を添加して
なる澱粉糊は次のような特徴がある。 (1)凍結安定性及び貯蔵安定性に優れている。 (2)接着剤の被膜が紫外線により劣化着色しない。 (3)接着性能に優れている。 以上のように、本発明の澱粉糊は、従来工業的に製造さ
れていた澱粉糊の問題を一挙に解決した全く新しい澱粉
糊といえる。
コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカスターチ、
甘藷澱粉などの澱粉であれば何を用いても良い。更に、
各種天然澱粉を化学的に処理した加工澱粉、例えばエー
テル化澱粉、エステル化澱粉、酸処理澱粉、酸化澱粉、
加水分解された澱粉等も、ここでいう澱粉の定義に包合
される。
ーダの10〜50%濃度のものが用いられる。もちろん
この濃度は、一般的なものであって、この範囲を越えた
としても何等問題はなく単に工業的な取扱い上の点から
入っているにすぎない。アルカリの添加量は、固形分と
して1〜5%であり、これも一般的な範囲であり、澱粉
の濃度、種類によっては、この範囲を越えたとしても本
発明に対して影響は無い。
750g入れ、充分撹拌し、懸濁させる。これにカセイ
ソーダ50%水溶液を20gを撹拌しながら室温で添加
し糊化させた。添加終了後、引続き撹拌して充分に糊化
を促し、次にオキシ酸又はジカルボン酸を添加して、中
和し、pH6〜7に調整した。中和終了後、ホルマリン
及び防黴剤を添加した。
酸、酒石酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク
酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、シュウ酸、マ
ロン酸を使用した。また、比較例として、硝酸、塩酸、
硫酸、酢酸を使用し、中和する酸以外はすべて実施例と
同様にして製造した。結果を次の表1に示す。
肪族ジカルボン酸によって中和された澱粉糊は、従来の
アルカリ糊化による澱粉糊寄りも接着性能の優れた、貯
蔵安定性の良い、被膜が紫外線の暴露により劣化変色し
ない澱粉糊が得られた。
イン酸、フマル酸、アジピン酸について、予め水酸化ナ
トリウムで中和したナトリウム塩を作製し、各塩を硫酸
で中和した澱粉糊に添加して、貯蔵安定性、凍結安定性
を比較検討した。その結果、全ての澱粉糊について、硫
酸で中和したのみの澱粉糊よりも高い貯蔵安定性、凍結
安定性が得られた。
塩が澱粉糊の安定性を良くする理由としては、まだ明確
ではないが、糊化した澱粉粒子の水和を増大させている
ためではないかと思われた。
キシ酸塩、脂肪族ジカルボン酸、又は脂肪族ジカルボン
酸塩を添加してなる澱粉糊は、凍結安定性及び貯蔵安定
性に優れ、接着剤の被膜が紫外線により劣化着色せず、
接着性能に優れた等の特徴を有し、しかも工業的に大規
模に一定の品質を容易に供給でき、製造工程が簡便・容
易であり、製造コストも大幅なアップにはならない澱粉
糊を得ることが出来る。
化による製造で得られる澱粉糊であり、特別な設備を必
要とせず、一定した品質のものを容易に安定的に供給で
き、1バッチ当たりの製造量が多く、製造時間に多くを
必要とせず、凍結安定性、貯蔵安定性が良好であり、接
着性能が良く、製品の被膜が紫外線に当っても劣化着色
しない澱粉糊を得ることができるという効果がある。
Claims (6)
- 【請求項1】 澱粉を水に懸濁させ、アルカリを加えて
糊化させた後、中和剤で中和させてなる澱粉糊におい
て、 前記澱粉糊に脂肪族オキシ酸、脂肪族オキシ酸塩、脂肪
族ジカルボン酸、又は脂肪族ジカルボン酸塩を添加して
なることを特徴とする澱粉糊。 - 【請求項2】 前記脂肪族オキシ酸又は脂肪族オキシ酸
塩が、乳酸又は乳酸塩であることを特徴とする請求項1
に記載の澱粉糊。 - 【請求項3】 前記脂肪族ジカルボン酸又は脂肪族ジカ
ルボン酸塩が、1分子中の炭素数が2〜6の脂肪族ジカ
ルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸塩であることを特徴と
する請求項1に記載の澱粉糊。 - 【請求項4】 前記脂肪族オキシ酸、脂肪族オキシ酸
塩、脂肪族ジカルボン酸、又は脂肪族ジカルボン酸が、
乳酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸、マレイン酸、フ
マル酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸及びそれらの
塩から選ばれた1つ以上のものであることを特徴とする
請求項1に記載の澱粉糊。 - 【請求項5】 前記澱粉に加えるアルカリは、NaOH,KO
H,Ca(OH)2などのアルカリ金属又はアルカリ土類金属
に属する水酸化アルカリの水溶液、または水溶液がアル
カリ性を呈する化合物を単独或いは混合して使用するこ
とを特徴とする請求項1に記載の澱粉糊。 - 【請求項6】 前記澱粉糊に防腐剤、防黴剤或いはその
他公知の添加剤を添加したことを特徴とする請求項1に
記載の澱粉糊。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP30992298A JP3712546B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 澱粉糊 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30992298A JP3712546B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 澱粉糊 |
Publications (2)
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JP3712546B2 JP3712546B2 (ja) | 2005-11-02 |
Family
ID=17998964
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP3712546B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002256241A (ja) * | 2001-03-02 | 2002-09-11 | Yayoi Chemical Industry Co Ltd | 澱粉糊 |
-
1998
- 1998-10-30 JP JP30992298A patent/JP3712546B2/ja not_active Expired - Fee Related
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