JPH11106726A - 色相安定性に優れた壁紙用デンプン糊組成物 - Google Patents

色相安定性に優れた壁紙用デンプン糊組成物

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JPH11106726A
JPH11106726A JP26623097A JP26623097A JPH11106726A JP H11106726 A JPH11106726 A JP H11106726A JP 26623097 A JP26623097 A JP 26623097A JP 26623097 A JP26623097 A JP 26623097A JP H11106726 A JPH11106726 A JP H11106726A
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JP
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acid
starch
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starch paste
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Application number
JP26623097A
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English (en)
Inventor
Shuichi Kanao
修一 金尾
Sumio Itamura
純生 板村
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用期間が長期にわたる壁紙の糊として使用
した場合、長期間にわたり色相が安定し変色しない糊を
得ること。 【解決手段】 糊化デンプンを酸によりpH=3〜5.
5の範囲に調整したことを特徴とする、壁紙用デンプン
糊組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色相の安定性に優
れたデンプン糊組成物に関する。本発明のデンプン糊
は、使用中の色相の安定性に優れており、糊による接着
の際に接着面以外への糊付着の可能性のある用途、特に
その製品寿命が長い壁紙の施工などの用途に有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】デンプン糊は、安価で安全性と接着性に
優れた接着材料として壁紙、ふすま紙などの施工から、
工芸品の作成、文房具あるいは学童の工作などの接着に
広く用いられている。しかし、デンプン糊はこれらの材
料に対する接着性が優れているために、往々にしてその
少量が目的とする接着面以外の部分に付着、残留してし
まう。また、デンプン糊は微生物の栄養源としても優れ
ているため、接着品のおかれた条件によっては、非着材
料表面に残ったデンプン糊に微生物が発生し、その一部
を分解し糖を生成する現象が見られる。また、接着品の
置かれた条件によっては微生物によらずして、直接デン
プンから糖への分解が起こることもある。
【0003】かかるデンプンから糖への分解が起こる
と、生成した糖と糊中に含まれるタンパク質等との間で
アミノ−カルボニル反応が進行、有色物質を生成し、デ
ンプン糊の変色原因となる場合があることが知られてい
る。そして、かかる変色はしばしば接着品の美観の低下
をもたらす。
【0004】なかでも、その製品寿命が長く、かつ、審
美性をその主目的の一つとする壁紙においては、このよ
うな美観の低下は大きな問題とされている。特に、熱可
塑性樹脂フィルム、中でも、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体のフィルムを外表面に積層した壁紙(かかる
壁紙はポリ塩化ビニル樹脂の含む可塑剤のブリードアウ
ト防止性、表面強度、汚染物の不浸透性及び除去性など
に優れていることから、市場において非常に高い評価を
得ている)においては、かかる美観低下が顕在化しやす
く、その解決が望まれている。また、かかる課題は、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体等の熱可塑性樹脂の
フィルムを外表面に積層した壁紙をデンプン糊で壁面に
添付する際、デンプン糊がフィルム表面に付着すること
で生起する。
【0005】この課題の解決法として、例えば、抗菌剤
の配合などが検討されているが、これは、デンプン糊の
長所の一つである安全性を損なうこと、また、長期にわ
たる繰り返しの微生物汚染に対しては効果が不十分であ
ることなどから実用化には至っておらず、現在実施され
ている対策としては、接着時に接着面以外の部分へ糊が
付着しないよう注意することと、変色が発生したものに
ついては製品を交換するといった極めて消極的な方法の
みであり、色相が安定し変色しないデンプン糊の開発が
待ち望まれていた。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上
記の問題点を解決し、色相の安定性に優れ、使用時に周
囲に付着した場合でも変色による美観の低下を起こさな
いようなデンプン糊組成物を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するべく検討した結果、デンプン糊組成物のpH
を特定の範囲内にコントロールするならば、その色相安
定性が顕著に向上することを見いだし、更に検討を加え
た結果、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の目的は糊化デンプンを
酸によりpH=3〜5.5の範囲に調整したことを特徴
とする壁紙用デンプン糊組成物を提供することによって
達成される。このとき、酸として常温常圧にて実質的に
不揮発性の弱酸を用いることが好適である。また、壁紙
が熱可塑性プラスチック、特にエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体のフイルムを外表面に積層した壁紙である
ことが好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。本発明における糊化デンプンとは、小麦デン
プン、トウモロコシデンプンなど、任意の植物のデンプ
ンを炊き糊法、アルカリ糊化法など、既知の任意の方法
により糊化したものをいう。
【0010】さらに、本発明における糊化デンプンに
は、既知の各種接着剤、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ
塩化ビニル等のエマルジョン、ポリビニルアルコール、
にかわ等と糊化デンプンの混合物も含まれる。
【0011】本発明におけるpHとは、蒸発残分が10
%となるように純水で希釈したデンプン糊をJIS K
6833 の6.2(pH)記載の方法で測定した値を
言う。
【0012】本発明では、前記のデンプン糊を、任意の
酸でpH3〜5.5、好ましくは4〜5.0の範囲に調
整する。pHが5.5よりも大きいと色相の安定性が十
分ではなく、変色を起こし易い。また、pH3以下で
は、糊自身の腐食性が大きくなるため、万一金属などに
付着した場合錆の原因となるなど、安全性に問題がでて
くる。
【0013】本発明において、pHの調整に用いる酸と
しては、既存の酸、例えば硝酸、塩酸、酢酸、プロピオ
ン酸などのいずれもが使用可能であるが、特に耐久性の
面から常温、常圧にて実質的に不揮発性の弱酸であるこ
とが好ましい。すなわち、20℃における単体の蒸気圧
が1Pa以下であることが好ましく、また20℃におけ
る酸解離定数(Ka)が0.1以下、より好適には0.
01以下であることが好ましい。かかる酸としてはリン
酸、クエン酸、リンゴ酸、ソルビン酸などが挙げられ
る。これらのなかでも、有機酸、特にクエン酸、リンゴ
酸、ソルビン酸などの有機カルボン酸が好ましい。ま
た、これらの酸を2種以上併用してもかまわない。
【0014】本発明におけるpHの調整方法としては特
に限定する必要はないが、たとえば、あらかじめ糊化し
た糊のpHを酸により調整する方法、あるいは、あらか
じめpHを調整した酸水溶液により糊を糊化するなどの
方法が採用される。特に、あらかじめ糊化した糊のpH
を酸により調整する方法が、本発明の効果を十分奏する
点、および、pHの調整が容易かつ正確に行いやすい
点、量産する際の生産性に優れる点などから好ましい。
なお、本発明においては遊離の酸以外に中和反応などに
より各種の酸と塩基の間の反応で生成した、あるいは粘
度調整その他の目的で後から加えた種々の塩類、例えば
塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢
酸ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリ
ウム、硫酸カリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウ
ム、塩化アルムニウム、硝酸アルムニウム、硫酸アルミ
ニウムなどが単独、あるいは複合して存在していても差
し支えない。
【0015】本発明におけるデンプン糊組成物は、その
特性を損なわない範囲で、前記の添加剤以外に、所望の
性能を付与するために、防腐剤、架橋剤、乾燥剤、着色
剤などの既知の添加剤を適宜配合しても良い。
【0016】本発明におけるデンプン糊組成物は、熱可
塑性樹脂フィルム、特にエチレン−ビニルアルコール共
重合体フィルムを外表面に積層した壁紙用の糊として特
に有用である。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定される
ものではない。
【0018】なお、本実施例において用いたサンプル壁
紙は、紙100重量部に対し、スルファミン酸グアニジ
ン系難燃剤を24部含浸させた裏打ち用難燃紙に、ポリ
塩化ビニル樹脂100重量部、充填剤(重質炭酸カルシ
ウム)50重量部、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘ
キシル)55重量部、顔料(酸化チタン)20重量部、
難燃剤(トリオクチルフォスフェート)3重量部、安定
剤(ステアリン酸カルシウム/ステアリン酸亜鉛/エポ
キシ化大豆油=1:1:1)2重量部、及び発泡剤(ア
ゾビスホルムアミド)2重量部の配合物を積層した後、
ポリ塩化ビニル樹脂を発泡させ、さらに、その上に、ウ
レタン系接着剤を用いて、エチレン含量32モル%、け
ん化度99、9%のエチレン−ビニルアルコール共重合
体からなる厚さ15μmのフィルムを積層したものであ
る。
【0019】実施例1 市販糊(矢沢化学社製ニュークロスノールA)を硝酸で
pH3.0、3.5、4.0、4,5、5.0、5.
5、6.0、6.5、7.0、8.0に調整し、サンプ
ル壁紙に20g/mmの割合で塗布後、室内に2月より
6ヶ月間放置し、塗布前の壁紙との色相差(ΔE)を色
差計により測定した。結果を図1に示す。
【0020】実施例2 糊のpH調整をリン酸を用いたほかは実施例1と同様に
して試験を行い、色相変化を調べた。結果を図2に示
す。
【0021】実施例3 糊のpH調整をリンゴ酸を用いたほかは実施例1と同様
にして試験を行い、色相変化を調べた。結果を図3に示
す。
【0022】図1〜3より糊pHが5.5以下の場合、
糊の変色が著しく抑制され、色相安定性に優れた糊とな
ることが分かる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、使用期間が長期にわた
る壁紙の糊として使用した場合、長期間にわたり色相が
安定し変色しないという効果が得られる。かかる効果
は、熱可塑性プラスチックフィルム、とりわけ、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体のフィルムを外表面とし
た壁紙において顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】硝酸によりpH調整を行った糊のpHと6ヶ月
放置後の色相変化を表したグラフである。
【図2】リン酸によりpH調整を行った糊のpHと6ヶ
月放置後の色相変化を表したグラフである。
【図3】リンゴ酸によりpH調整を行った糊のpHと6
ヶ月放置後の色相変化を表したグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糊化デンプンを酸によりpH=3〜5.
    5の範囲に調整したことを特徴とする壁紙用デンプン糊
    組成物。
  2. 【請求項2】 酸として常温常圧にて実質的に不揮発性
    の弱酸を用いることを特徴とする請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 壁紙が熱可塑性プラスチックのフイルム
    を外表面に積層した壁紙である請求項1または2に記載
    の組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性プラスチックがエチレン−ビニ
    ルアルコール共重合体である請求項3記載の組成物
JP26623097A 1997-09-30 1997-09-30 色相安定性に優れた壁紙用デンプン糊組成物 Pending JPH11106726A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256241A (ja) * 2001-03-02 2002-09-11 Yayoi Chemical Industry Co Ltd 澱粉糊
JP2016068059A (ja) * 2014-10-01 2016-05-09 頼興 松本 エチレンガス吸着材、エチレンガス吸着材の製造方法、エチレンガス吸着材の廃棄方法、食品保存部材および食品保存方法
JP2018027664A (ja) * 2016-08-19 2018-02-22 凸版印刷株式会社 壁紙用原反、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法
JP2019177674A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 大日本印刷株式会社 積層シート、発泡積層シート及び発泡積層シートの製造方法
JP2019179008A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 大日本印刷株式会社 発泡積層シートの変色促進試験方法

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