JP2002256011A - 水分散体およびその製造方法 - Google Patents

水分散体およびその製造方法

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JP2002256011A JP2001059436A JP2001059436A JP2002256011A JP 2002256011 A JP2002256011 A JP 2002256011A JP 2001059436 A JP2001059436 A JP 2001059436A JP 2001059436 A JP2001059436 A JP 2001059436A JP 2002256011 A JP2002256011 A JP 2002256011A
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unsaturated monomer
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Tomio Hashimoto
富雄 橋本
Yoshiyuki Sakai
禎之 酒井
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶液重合、塊状重合などから得られた高分子乳
化剤を使用して乳化重合を行う水分散体および製造方法
でありながら、重合時に凝集物の発生しない安定な水分
散体である。さらに、コーティング剤に使用した場合
に、ロールコート適性に優れ、光沢、耐ブロッキング
性、密着性の良好な塗膜を形成することのできる水分散
体およびその製造方法を提供することを課題とする。 【解決手段】1次重合体(a')ならびにロジン(b)の存在
下、芳香族系単量体を含むラジカル重合可能な不飽和単
量体(Y)を乳化重合させる水分散体(c)の製造方法で
あって、1次重合体(a')が、カルボキシル基含有単量体
と芳香族系単量体とを含むラジカル重合可能な不飽和単
量体(X)を重合してなる1次重合体(a)を、塩基性物質
で中和したものである水分散体(c)の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合安定性、保存
安定性、成膜性の良好な粒子径の細かい水分散体および
その製造方法に関し、さらに詳しくは、紙、フィルム、
金属、ガラス、木材、皮革などの各種基材に使用するこ
とのできるコーティング用、インキ用水分散体であり、
ロールコート適性に優れ、光沢、耐水性、耐溶剤性、耐
ブロッキング性、密着性の良好な塗膜を形成する水分散
体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ラジカル重合可能な不飽和単
量体を重合してなる水分散体の重合方法として、乳化重
合法は多岐にわたり利用されている。一般的な乳化重合
法としては、水媒体中で界面活性剤を使用し、そのミセ
ル中でラジカル重合を行う方法がある。この方法で作ら
れた水分散体は分子量が高く、コーティング用樹脂とし
て使用した場合には優れた物性をもつ塗膜が得られる。
反面、高分子量であるため成膜性が悪く光沢のよい塗膜
を得るのが難しい。また得られた水分散体の粘性はチキ
ソ性が強く、スプレーコートには適しているがロールコ
ートには適していない。
【0003】一方、上記に示した乳化重合法に対して、
水溶性の樹脂を高分子乳化剤として使用する乳化重合法
が知られている。この方法で作られた水分散体は、水溶
性樹脂が比較的多く存在するために成膜性がよく、ある
程度の高光沢な塗膜が得られる。また、粘性もニュート
ニアンに近くロールコートに適しているという特徴があ
る。しかし、インキに対する密着性、光沢、耐ブロッキ
ング性などのバランスがとれにくく、光沢は良好である
が耐ブロッキング性が悪い。また、耐ブロッキング性は
良好であるが光沢が不十分であるといった問題をかかえ
ている。その理由として必ずしも明確ではないが、高酸
価の樹脂はインキ面への密着性、乾燥工程における塗膜
からの水の離脱性が悪く、塗膜中に残存する水分による
可塑効果などが考えられる。この問題を解決するために
酸含有モノマーの使用量を減らすことが考えられるが、
重合安定性、得られた水分散体の経時安定性が悪くな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、溶
液重合、塊状重合などから得られた高分子乳化剤を使用
した乳化重合体でありながら、重合時に凝集物の発生し
ない安定な水分散体である。さらに、コーティング剤に
使用した場合に、ロールコート適性に優れ、光沢、耐ブ
ロッキング性、密着性の良好な塗膜を形成することので
きる水分散体およびその製造方法を提供することを課題
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、1
次重合体(a')ならびにロジン(b)の存在下、芳香族系単
量体を含むラジカル重合可能な不飽和単量体(Y)を乳
化重合させる水分散体(c)の製造方法であって、1次
重合体(a')が、カルボキシル基含有単量体と芳香族系単
量体とを含むラジカル重合可能な不飽和単量体(X)を
重合してなる1次重合体(a) を、塩基性物質で中和した
ものである水分散体(c)の製造方法に関する。また、本
発明は、ラジカル重合可能な不飽和単量体(X)に由来
する部分と、ラジカル重合可能な不飽和単量体(Y)に
由来する部分との重量比が1:9〜5:5であることを
特徴とする上記水分散体(c)の製造方法に関する。ま
た、本発明は、ロジン(b)が、ラジカル重合可能な不
飽和単量体(Y)に対し1〜15重量%含有することを
特徴とする上記水分散体(c)の製造方法に関する。ま
た、本発明は、上記水分散体(c)の製造方法で製造され
てなる水分散体(c)に関する。また、本発明は、水分散
体(c)の平均粒子径が20〜200nmであることを
特徴とする上記水分散体に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい実施形
態を説明するが、本発明は以下の説明に限定されるもの
ではない。
【0007】本発明では、目的とする水分散体(c)を
製造するために2回(1次重合体(a)の合成、および水
分散体(c)の合成)の重合を行う。1次重合体(a)を
得るためには、例えば、カルボキシル基含有単量体と芳
香族系単量体とを含むラジカル重合可能な不飽和単量体
(X)を溶液重合または、塊状重合を行う。
【0008】本発明でいう、ラジカル重合可能な不飽和
単量体(X)は、カルボキシル基含有単量体、芳香族系
単量体、および、必要に応じてその他のラジカル重合可
能な不飽和単量体からなる。
【0009】本発明でいうカルボキシル基含有単量体と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマール酸、クロトン酸などの重合性不飽和カ
ルボン酸およびそれらの無水物などから1種または2種
以上を選択することができる。
【0010】カルボキシル基含有単量体は、ラジカル重
合可能な不飽和単量体(X)中の5〜35重量%である
ことが望ましい。カルボキシル基含有単量体が5重量%
より少ないと、後からの高分子乳化剤としての効果が著
しく悪い。一方、35重量%より多いと、高分子乳化剤
としての効果は良好であるがコーティング剤に使用した
場合、塗膜の耐水性が悪くなる。
【0011】本発明に使用する芳香族系単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ベンジルア
クリレート、ベンジルメタクリレート、ビニルトルエン
等から1種または2種以上を選択することができる。
【0012】芳香族系単量体は、ラジカル重合可能な不
飽和単量体(X)中の65〜95重量%であることが望
ましい。芳香族系不飽和単量体は屈折率が高いため、こ
れを多く含む分散体を用いたコーティング剤の塗膜は高
い光沢をもつ。そのため、高光沢を得るには1次重合体
(a)についても芳香族系単量体をできるだけ多量に使
用した方が有利である。
【0013】本発明でいうその他のラジカル重合可能な
不飽和単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、ア
クリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、ア
クリル酸デシル、アクリル酸ドデシルなどのアクリル酸
アルキルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イ
ソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−
ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸n−オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸
ドデシルなどのメタクリル酸アルキルエステル類;アク
リル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒド
ロキシプロピルなどのヒドロキシ基含有モノマー;N−
メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリ
ルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド、N−ブ
トキシメチルメタアクリルアミドなどのN−置換アクリ
ル、メタクリル系モノマー;アクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有モノマー;
並びにアクリロニトリルなどから1種または2種以上を
選択することができる。
【0014】本発明において、1次重合体(a')は、1
次重合体(a)を塩基性物質で中和してなる。この操作
により1次重合体(a')は高分子乳化剤としての機能を
十分発揮できるようになる。中和する際の塩基性物質と
しては、アンモニア;トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類;2−ジメチ
ルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、アミノメチルプロパノール等のアルコール
アミン類;モルホリン等の塩基で中和することができ
る。本発明では、中和とは、カルボキシル基含有単量体
のカルボキシル基と、塩基性物質の塩基とを反応させる
ことを意味し、必ずしも、中和後のpHが7付近である
必要はない。従って、中和の程度は特に制限はなく、1
次重合体(a')が高分子乳化剤として機能する範囲で行
うことができる。
【0015】1次重合体(a)は、市販されている重合
体を使用しても良い。例えば、スチレン・マレイン酸重
合体((株)岐阜セラック製GSM151、301、6
01〜605、1001〜1005、3001、600
1、10001、elf atochem製SMA1000、200
0、3000、1440、17352、2625等)が
ある。また、スチレン・アクリル共重合体(東亜合成
(株)製UC-3900等)がある。さらにアクリル重合
体(東亜合成(株)製UC-3000等)がある。これら
の重合体を塩基性物質で中和して1次重合体(a)とし
ても良い。またこれらの1種または2種以上を混合して
用いても良い。
【0016】本発明の製造工程では、1次重合体(a')な
らびにロジン(b)の存在下、芳香族系単量体を含むラジ
カル重合可能な不飽和単量体(Y)を乳化重合して水分
散体(c)とする。
【0017】ラジカル重合可能な不飽和単量体(Y)
は、芳香族系単量体、および、必要に応じて、芳香族系
単量体以外のラジカル重合可能な不飽和単量体からな
る。
【0018】本発明の製造工程で用いる芳香族系単量体
は、前記芳香族系単量体から1種または2種以上を選択
することができる。1次重合体(a)中の芳香族系単量
体と、水分散体(c)の合成で用いる芳香族単量体とは、
同じであっても異なっていてもよい。本発明の製造工程
で用いる芳香族系単量体は、ラジカル重合可能な不飽和
単量体(Y)中の1〜80重量%であることが望まし
い。前述したように芳香族系不飽和単量体を多く含む化
合物を用いたコーティング剤の塗膜は高い光沢をもつた
めには、水分散体(c)全体の20重量%以上が芳香族
系不飽和単量体由来のものであることが好ましい。
【0019】芳香族系単量体以外のラジカル重合可能な
不飽和単量体としては、1次重合体(a)の説明で説明
したカルボキシル基含有単量体、およびその他のラジカ
ル重合可能な不飽和単量体の中から1種または2種以上
から選択することができる。1次重合体(a)のラジカ
ル重合可能な不飽和単量体(X)と、本発明の製造工程
で用いるラジカル重合可能な不飽和単量体(Y)とは、
同じであっても異なっていてもよい。カルボキシル基含
有単量体は、本発明の製造工程では、必ずしも必要では
ない。
【0020】ロジン(b)は、低分子量であるため高固形
分にすることが可能で、高光沢の塗膜が作成できるが、
低分子量であるためにブロッキングが発生しやすい。こ
れに対して、本発明では、ロジンをラジカル重合可能な
不飽和単量体(Y)に前もって溶解し乳化重合することに
より、粒子内に存在させロジンの耐ブロッキング性を改
良するとともに、インキ面への密着性、光沢が良好にな
る。ロジンを単なるブレンドまたは、乳化物をブレンド
することも考えられるが、耐ブロッキング性の悪化およ
び経時安定性において分離してくるという問題がある。
【0021】使用されるロジンとしては、ガムロジン、
重合ロジン、トール油ロジン、ウッドロジンや強化ロジ
ン、水添ロジン、ロジンエステル、ロジンフェノール、
ロジン(メタ)アクリルエステルなどが挙げられる。ロ
ジンには、脂環族飽和炭化水素樹脂、石油樹脂、テルペ
ン系樹脂、キシレン系樹脂などを併用しても差し支えな
い。
【0022】本発明は、本発明の製造工程で乳化重合を
行い、水分散体(c)を作成することを特徴とする。こ
の工程における水分散体(c)の重合安定性は、塩基性
物質により中和された1次重合体(a')の高分子乳化剤
としての性能に大きく依存する。1次重合体(a')には
その水溶化のためにカルボキシル基含有単量体を使用し
ているが、本発明では耐水性の良好な水分散体とするた
めその使用量をできるだけ少なくしている。これにより
耐水性は向上するが、1次重合体(a)を中和して水溶化
した1次重合体(a')の水溶性が充分ではないまま、水
分散体(c)を作成すると、凝集物が多量に発生する。
この場合、1次重合体(a')の量をある程度多くするこ
とで凝集物の量を減らすことはできるが、高分子乳化剤
とほとんど同じ物性の樹脂溶液が得られるだけとなる。
このような不具合を解消するため、ラジカル重合可能な
不飽和単量体(X)に由来する部分と、ラジカル重合可
能な不飽和単量体(Y)に由来する部分との重量比が重
要である。1:9〜5:5が良好である。好ましくは
2:8〜4:6である。その結果、第2の工程で行う乳
化重合の安定化が図れ、目的とする水分散体(c)を得
ることができる。
【0023】1次重合体(a)および水分散体(c)の
乳化重合時に使用する開始剤としては、アンモニウムパ
ーオキサイド、ソディウムパーオキサイド等の無機系過
酸化物重合開始剤や水溶性アゾ系開始剤を使用する。場
合によればベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブ
チロニトリルなどの油溶性の開始剤を併用することもで
きる。これら開始剤は単独で使用することもできるが、
ロンガリット等の還元剤との併用によるレドックス型で
使用してもよい。
【0024】また分子量調整のために連鎖移動剤とし
て、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メト
キシブチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカ
プトプロピオン酸メトキシブチル、ステアリルメルカプ
タン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー
などを使用することができる。連鎖移動剤は、特に1次
重合体(a)の重合での使用が重要であり、1次重合体
(a)の分子量によりその高分子乳化剤としての性能も
左右される。1次重合体(a)の重量平均分子量につい
ては5000〜50000が適当であり、この調整には
連鎖移動剤を用いるのが最も有効である。さらに水分散
体(c)の分子量を調整するために水分散体(c)の乳
化重合時にも使用することができる。
【0025】本発明で製造された水分散体(c)の平均
粒子径は、20〜200nmであることが好ましい。水
分散体(c)の平均粒子径は、コーティング剤として用
いた場合の成膜性に大きな影響を与える。平均粒子径が
200nmより大きい場合であると得られた塗膜の光沢
が低く、また塗膜の割れなどの塗膜欠陥にもつながる。
また、通常の手法では、平均粒子径が20nmより小さ
い水分散体は得られにくい。なお、平均粒子径はレーザ
ー光散乱法で測定できる。
【0026】本発明で製造された水分散体は、各種コー
ティング剤に使用することができる。このコーティング
剤は保存安定性、成膜性が良好であり、ロールコート適
性に優れ、光沢、耐ブロッキング性、密着性の良好な塗
膜を形成する。コーティング剤の具体例としては紙、フ
ィルム、金属、ガラス、木材、皮革などの各種基材に使
用することのできる塗料やインキが挙げられる。またこ
れらのコーティング剤には顔料、染料等の着色剤やフィ
ラー、微粉末シリカ等のチキソ性調整剤、コロイダルシ
リカ、アルミナゾル、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルアルコール、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性または
水分散性ポリウレタン樹脂、乳化剤、消泡剤、レベリン
グ剤、滑り剤、粘着性付与剤、防腐剤、防黴剤、造膜助
剤としての有機溶剤などを必要に応じて配合してもよ
い。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量
%」を示す。なお、平均粒子径は日機装(株)MICROTRA
C UPA で測定した。
【0028】(実施例1)「溶液重合」 温度計、滴下ロート、還流冷却管を備え窒素ガスで置換
した反応容器に、表1に示すイソプロピルアルコールと
重合開始剤アゾビスイソブチロニトリルを全量仕込ん
だ。内温を80℃に昇温した後、表1の不飽和単量体
(X)と連鎖移動剤を2時間かけて滴下した。内温を80
℃に保ちながら、さらにその温度で4時間反応した。次
に内温50℃以下で25%アンモニア水、イオン交換水
を添加して20分間撹拌を続けた。次に内温を80〜8
5℃に昇温しイソプロピルアルコールを脱アルコールし
た。規定量抜いた後、冷却、調整水で調整を行い固形分
42%、粘度1240mPa・s、 pH8.4の1次重合体
(a’)を得た。
【0029】(実施例2)「塊状重合」 温度計を備え窒素ガスで置換した加圧反応容器に、表1
に示す全量を仕込んだ。内温を280℃に昇温した後、
内温を保ちながら1時間反応した。次に撹拌機を止めて
内温50℃以下まで冷却をし、25%アンモニア水、イ
オン交換水を添加して1時間撹拌を続け固形分39%、
粘度820mPa・s、pH8.2の1次重合体(a’)を
得た。
【0030】
【表1】
【0031】(実施例3)次に、上記重合体(a‘)を
温度計、滴下ロート、還流冷却管を備え窒素ガスで置換
した反応容器に、表2に示す実施例1の1次重合体
(a’)を仕込み80℃に昇温した。次に不飽和単量体
(Y)にロジン(b)を溶解したものを3時間かけて滴下
した。初期及び途中6回重合開始剤を添加し、さらに2
時間反応した。固形分45%、粘度2400mPa.s、pH
8.4、平均粒子径83nmの安定な水分散体(c)が得ら
れた。
【0032】(実施例4〜9)表2に示す組成を実施例
3と同様の方法で重合して、それぞれの水分散体を得
た。実施例3〜9の固形分、pH、粘度、平均粒子径は表
2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】(比較例1〜4)表3に示す組成を実施例
1と同様の方法で重合して、それぞれの水分散体を得
た。比較例1は重合途中でゲル化した。比較例4は凝集
ブツが多量に発生し濾過不可能であった。
【0035】
【表3】
【0036】次に得られた実施例1〜9および比較例1
〜4の水分散体の物性を評価した。評価試験方法は下記
に示した方法で行った。各試験で得られた試料の物性結
果を表4に示した。
【0037】得られた水分散体を用いて、下記の処方で
水性ワニスを調整し、耐ブロッキング性、光沢、密着性
を評価した。結果を表4に示す。 水性ワニス処方 水性樹脂組成物 85.0 重量部 消泡剤 0.1 重量部 ブチルセロソルブ 4.0 重量部 ワックス 0.5 重量部 レベリング剤 0.4 重量部 イオン交換水 5.0 重量部 イソプロピルアルコール 5.0 重量部 100.0 重量部
【0038】評価方法 平版印刷を施したコート紙に、バーコーターを用いて乾
燥塗膜厚が3〜4μmとなるように塗布し、直ちに10
0℃の熱風循環式乾燥機に30秒入れて乾燥させた。
【0039】耐ブロッキング性 上記試料を塗布面同士を重ね、500g/cm2の荷重をか
けて、湿度80%で24時間放置し、ブロッキングが発
生しなかった最高の温度を調べた。なお、40℃以上の
ものが実用レベルである。
【0040】光沢値 上記で作成した評価試料を用いて、60度の鏡面反射率
をグロスメーターで測定した。(日本電色(株)社製グ
ロスメーター)なお、80以上のものが実用レベルであ
る。
【0041】密着性 上記で作成した評価試料を用いて、セロテープ(登録商
標)を貼りつけ指でコスリ付け一気に剥がす。良好なも
のは下の紙が着いて剥がれる。下記のように目視で5段
階評価をした。 ◎:下地の紙が前面着いて剥がれる。 〇:下地の紙が約10〜50%程度着いて剥がれる。 ×:下地の紙が0%である。 なお、〇以上が実用レベルである。
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】本発明により重合安定性、成膜性の良好
な粒子径の細かい水分散体を製造することができ、その
分散体を紙、フィルム、金属、ガラス、木材、皮革など
の各種基材に使用することのできるコーティング用、イ
ンキ用塗装剤に用いると、ロールコート適性に優れ、光
沢、耐ブロッキング性、密着性の良好な塗膜を形成する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 151/00 C09D 151/00 Fターム(参考) 4J011 KA02 KB19 PA60 PA65 PC02 PC06 4J026 AA08 AA17 AA45 AA50 AC18 BA05 BA06 BA25 BA27 BA32 GA06 4J038 CP011 CP031 CP061 MA08 MA10 MA14 NA01 NA04 NA12 NA26 PA18 PC02 PC03 PC06 PC08 PC09 PC10 4J039 AB08 AD03 AD09 CA06 EA12 EA33

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1次重合体(a')ならびにロジン(b)の存在
    下、芳香族系単量体を含むラジカル重合可能な不飽和単
    量体(Y)を乳化重合させる水分散体(c)の製造方法で
    あって、1次重合体(a')が、カルボキシル基含有単量体
    と芳香族系単量体とを含むラジカル重合可能な不飽和単
    量体(X)を重合してなる1次重合体(a) を、塩基性物
    質で中和したものである水分散体(c)の製造方法。
  2. 【請求項2】ラジカル重合可能な不飽和単量体(X)に
    由来する部分と、ラジカル重合可能な不飽和単量体
    (Y)に由来する部分との重量比が1:9〜5:5であ
    ることを特徴とする請求項1記載の水分散体(c)の製造
    方法。
  3. 【請求項3】ロジン(b)が、ラジカル重合可能な不飽
    和単量体(Y)に対し1〜15重量%含有することを特
    徴とする請求項1または2記載の水分散体(c)の製造
    方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3いずれか記載の水分散体(c)
    の製造方法で製造されてなる水分散体(c)。
  5. 【請求項5】水分散体(c)の平均粒子径が20〜20
    0nmであることを特徴とする請求項4の水分散体。
JP2001059436A 2001-03-05 2001-03-05 水分散体およびその製造方法 Pending JP2002256011A (ja)

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JP2020045461A (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 星光Pmc株式会社 コアシェル型水性バイオマスエマルション、ならびにコアシェル型水性バイオマスエマルションを含む印刷インキ用水性バインダー樹脂および水性コーティングニス

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