JP2002255508A - 水素製造方法及び水素製造装置 - Google Patents

水素製造方法及び水素製造装置

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JP2002255508A
JP2002255508A JP2001372748A JP2001372748A JP2002255508A JP 2002255508 A JP2002255508 A JP 2002255508A JP 2001372748 A JP2001372748 A JP 2001372748A JP 2001372748 A JP2001372748 A JP 2001372748A JP 2002255508 A JP2002255508 A JP 2002255508A
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gas
hydrogen
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reaction layer
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JP2001372748A
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Koji Yokota
幸治 横田
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Toyota Central R&D Labs Inc
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    • Y02P20/151Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions, e.g. CO2

Abstract

(57)【要約】 【課題】一つの反応器でより低温域での水素製造を可能
とし、かつ改質燃料ガス中のCO濃度を100ppm以下、より
好ましくは 10ppm以下と低くすることができるようにす
る。 【解決手段】燃料と水蒸気とからなる混合ガスを改質触
媒及び炭酸ガス吸脱助剤とを含む反応層に接触させH2
得るとともに副生する炭酸ガスを炭酸ガス吸脱助剤に固
定する水素転換工程と、炭酸ガス吸脱助剤を加熱して固
定されていた炭酸ガスを脱離させ炭酸ガス吸脱助剤の炭
酸ガス吸収能を再生する再生工程と、を交互に行う。生
成したCOはさらにH2と CO2に転換され、 CO2は炭酸ガス
吸脱助剤に吸収されて平衡系外に固定されるので、メタ
ンの副生が抑制され、改質燃料ガスはほとんどH2のみと
なる。またメタンが生成しないので、反応温度が 700〜
900℃以上という制約が解除される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、副生するCO量を大
きく低減できる水素製造方法及び水素製造装置に関す
る。本発明により製造された水素は、アンモニア合成用
の原料としての水素、あるいは自動車用の燃料電池など
に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来の水素製造方法として、石油などの
炭化水素と水蒸気とを反応させる水蒸気改質反応を利用
する方法が知られている。この水蒸気改質反応は平衡反
応であり、高温ほどあるいは水蒸気濃度が低いほど水素
の生成率が低くなり、低温ほどメタンの生成率が高くな
る。
【0003】このことを例えばオクタンの水蒸気改質反
応で説明する。オクタンの水蒸気改質反応は、以下の3
種の反応に分解して考えられる。
【0004】 C8H18 +8H2O → 8CO+17H2 (1) CO + H2O ⇔ CO2 + H2 (2) CO + 3H2 ⇔ CH4 + H2O (3) (2)式及び(3)式の反応は平衡反応であり、低温ほ
ど右に進行する発熱反応である。すなわち温度が低い
と、(2)式の反応のみであれば水素は増加するが、同
時に(3)式の反応によってCOの3倍の水素が消費さ
れ、結果的にメタンの生成が主となる。一方温度が高い
と(2),(3)式の反応は左に進み、COが増加する。
つまり、どのような温度に調整してもメタンあるいはCO
が生成し、メタンとCOの両方が生成しない温度は存在し
ない。
【0005】そこで従来は、メタンがほとんど生成しな
い 700℃以上で(1)式の水蒸気改質反応を進行させ、
その後(3)式の反応を抑制しながら(2)式のCOシフ
ト反応によってCOを水素に転換している。このCOシフト
反応によれば、CO濃度の低減とH2濃度の増加とが同時に
達成できるので、燃料電池にとっては特に好ましい方法
である。
【0006】このCOシフト反応は平衡反応であり、水蒸
気濃度が高いほど、CO濃度が高いほど、あるいは温度が
低いほど反応は右に進行する。しかし反応温度が低すぎ
ると反応速度が小さくなり、また水蒸気濃度を高めるこ
とは水の気化に要する熱エネルギーを供給する必要上エ
ネルギー損失が大きくなる。したがって実用的には、H2
O/CO比が2〜3程度、反応温度を 200〜 300℃程度と
することが一般的である。
【0007】またCOシフト反応は一般に遅く、低温ほど
さらに遅くなるため、使用される触媒の容積と温度との
兼ね合いで、低減できるCO濃度レベルが決まる。
【0008】COシフト反応を促進させる触媒としては、
例えば1960年代に Girdler社や duPont社からCu−Zn系
触媒が発表され、現在まで主として工場におけるプラン
ト用などに幅広く利用されている。また、W.Hongli et
al, China-Jpn.-U.S. Symp.Hetero. Catal. Relat. Ene
rgy Probl.,B09C,213(1982)には、アナターゼ型チタニ
アよりなる担体にPtを担持した触媒を 500℃付近で還元
処理した触媒がさらに高いCOシフト反応活性を示すこと
が報告されている。
【0009】また特開平11−130405号公報には、COシフ
ト反応用の触媒として Al2O3,SiO2,TiO2,ZrO2, MgO
などの担体にPt,Pd,Rhなどの貴金属を担持したものが
用いられ、COシフト反応熱を所定の範囲に制御するため
に、触媒体に通電発熱可能なヒーターユニットを設けて
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記触媒
を用いて反応させても、COが1体積%内外残留する。ま
た副生成物として CO2も含まれている。 CO2は、例えば
加圧して水などに吸収させることで容易に取り除くこと
ができるが、COはこのような手段がない。特に燃料電池
の電極においては、COは被毒の原因となり、COを含む改
質燃料ガスが接触するとCO被毒によって電池性能が低下
するので、改質燃料ガス中のCO濃度は100ppm以下、好ま
しくは 10ppm以下に抑制する必要がある。
【0011】そこでCO濃度を低減する方法として、水素
選択透過膜の利用や、COのメタン化などの手段が考えら
れるが、このような手段は温度管理も含めてきわめて複
雑かつ大規模となり、高価となってしまう。したがって
コジェネとしての都市ガス利用の燃料電池といった小規
模の目的には合致しない。
【0012】そのためさらにCO濃度レベルを下げるため
に、(4)式に示すようなメタン化反応、あるいは
(5)式に示すようなCO選択酸化反応などが利用されて
いる。
【0013】 CO + 3H2→ CH4+ H2O (4) CO + 1/2O2→ CO2 (5) ところが(4)式においては、H2の無駄な消費を伴うの
で、多くのH2を得るためには好ましくない。
【0014】またCOシフト反応後に(5)式の反応を利
用してCOを選択的に酸化させるに当たっては、COシフト
反応後の改質燃料ガス中のCO濃度を正確に検出し、それ
に見合った量の酸素を供給する必要がある。酸素量が少
ないと有害なCOが改質燃料とともに燃料電池に供給され
てしまい、電極のCO被毒によって電池性能が低下する。
また酸素量が多いと、余剰の酸素によって改質燃料ガス
中のH2まで消費されてしまい、燃料電池に供給されるH2
量が少なくなってしまうからである。
【0015】しかし現在のところ、改質燃料ガス中のCO
濃度を正確に検出できるセンサは開発されていないた
め、予め測定されたCO濃度を用いて供給する酸素量を決
定しているのが現状である。ところがこのような方法で
は、改質触媒の劣化状態などによって改質燃料ガス中の
CO濃度が変化してもそれを検出することができず、酸素
量をCO濃度に対応して変化させることが困難である。そ
して燃料電池の電極のCO被毒の抑制を優先するために、
酸素量を過剰としてCOを酸化しているので、余剰の酸素
によるH2の無駄な消費が避けられなかった。
【0016】そして従来の水素製造方法においては、水
蒸気改質反応は 700〜 900℃という高温で行わなれ、CO
シフト反応は 200〜 400℃程度で行われるから、(1)
〜(3)式と、(4)式又は(5)式の反応を行わせる
ためには3段階以上の反応器が必要である。さらにFe−
Cr系などの高温型改質触媒とCu−Zn系などの低温型改質
触媒の両方を用いる必要があり、またそれぞれの反応条
件を微妙に制御する必要がある。このため、車載型燃料
電池のように小型化するという目的、あるいは要求水素
量の変動に対応するという目的には、多段の水素製造プ
ロセスは合致しない。
【0017】また 700〜 900℃まで昇温するには時間が
かかるため、その間は水素の製造が困難であり、例えば
自動車用の燃料電池には不向きである。
【0018】さらに改質触媒を 700〜 900℃以上の高温
下で使用すると、このような温度領域では反応は十分に
速いため化学平衡に達し、例えば図7に示すようにCOを
低減できなくなる。したがって、一つの反応器で水蒸気
改質反応とCOシフト反応を同一温度環境で進行させるこ
とは困難とされている。
【0019】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、一つの反応器でより低温域での水素製造を
可能とし、かつ改質燃料ガス中のCO濃度を100ppm以下、
より好ましくは 10ppm以下と低くすることができるよう
にすることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の水素製造方法の特徴は、少なくとも炭素を含む燃料
と水蒸気とからなる混合ガスを改質触媒及び炭酸ガス吸
脱助剤を含む反応層に接触させ、水素ガスを得るととも
に副生する炭酸ガスを炭酸ガス吸脱助剤に固定する水素
転換工程と、炭酸ガス吸脱助剤を加熱して固定されてい
た炭酸ガスを脱離させ炭酸ガス吸脱助剤の炭酸ガス吸収
能を再生する再生工程と、を行うことにある。
【0021】再生工程は反応層を直接加熱して行うこと
が好ましく、高温ガスを用いて加熱することが望まし
い。高温ガスは燃料と酸素とを混合した燃焼用ガスを完
全に燃焼して得られるガスであることが望ましい。また
再生工程は電磁気によって急速に加熱することも好まし
い。さらに再生工程は、反応層における触媒反応により
燃料を燃焼させた高温ガスを用いることが特に望まし
い。
【0022】燃料が炭化水素、アルコールなどの有機化
合物を含み水蒸気改質反応によって水素を生成する場合
には、改質触媒はRh及びRuの少なくとも一種を含むこと
が望ましい。また燃料が一酸化炭素を含みCOシフト反応
によって水素を生成するむ場合には、改質触媒はPt及び
Pdの少なくとも一種を含むことが望ましい。一方、炭酸
ガス吸脱助剤はアルカリ金属及びアルカリ土類金属の中
から選ばれる少なくとも一種であることが望ましい。そ
して、反応層において改質触媒と炭酸ガス吸脱助剤は30
nmレベル以下で均一に分散混合していることがさらに望
ましい。
【0023】また本発明の水素製造装置の特徴は、改質
触媒及び炭酸ガス吸脱助剤を含む反応層と、少なくとも
炭素を含む燃料と水蒸気とからなる混合ガスを反応層に
供給する原料ガス供給部と、反応層を加熱する加熱手段
と、混合ガスを反応層に接触させ改質触媒による水蒸気
改質反応で水素ガスを得るとともに副生する炭酸ガスを
炭酸ガス吸脱助剤に固定する水素転換工程と、反応層を
加熱して固定されていた炭酸ガスを脱離させ炭酸ガス吸
脱助剤の炭酸ガス吸収能を再生する再生工程とを行うに
あたり、水素転換工程及び再生工程における反応層の温
度をそれぞれ制御する温度制御部と、からなることにあ
る。
【0024】反応層に燃料と酸素を含むガスとを供給す
る燃焼用ガス供給部と、原料ガス供給部と燃焼用ガス供
給部の供給を交互に切り換える切り換え手段と、をさら
に備え、加熱手段は燃焼用ガスの燃焼によって反応層を
加熱することが望ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の水素製造方法の一例の概
念図を図1に示す。
【0026】本発明の水素製造方法では、先ず水素転換
工程において、改質触媒及び炭酸ガス吸脱助剤とを含む
反応層1に炭化水素(HC)と水蒸気( H2O)を含む混合
ガスを接触させる。この水素転換工程においては、
(1)〜(3)式のような反応が生じる。そして副生し
た炭酸ガスは、生成とほとんど同時に反応層1に含まれ
る炭酸ガス吸脱助剤に吸収される。
【0027】例えば有機化合物としてオクタンを用いた
場合には、 800℃において(1)〜(3)式はおよそ
(6)式のようになる。
【0028】C8H18+16H2O→ 18.88H2+6.05H2O +5.91
CO+2.05CO2+0.04CH4 (6)しかし本発明のように炭
酸ガス吸脱助剤として例えば酸化カルシウムなどの酸化
物(MOx )を反応層に含む場合には、(6)式は(7)
式のように表され、炭酸ガスは平衡系外に固定される。
【0029】 C8H18+16H2O+8/xMOx→25H2+ 8M1/xCO3 (7) (7)式の反応は、理由は不明であるが(6)式に比べ
て低い反応温度でも生じる。
【0030】すなわち水素転換工程では、副生した CO2
が速やかに炭酸ガス吸脱助剤に吸収されて除去されるた
め、(2)式の反応は右に進み結果的にCO濃度が低下す
る。そしてCO濃度が低下すれば、(3)式の反応は左に
進んでメタン濃度も低下するため、総合すると、反応層
を通過する混合ガスは水素と水とでほぼ 100体積%から
なるガスを生成することになる。
【0031】つまりこの水素転換工程は、メタンが生成
しないので反応温度が 700〜 900℃以上という制約が解
除され、温度依存性が小さい。また 700℃以下の温度を
実用とすることができるので、触媒の劣化が抑制され、
選択の自由度が高まることで性能を飛躍的に高めること
ができ、 300〜 600℃の温度も実用域とすることができ
る。
【0032】ただし、炭酸ガス吸脱助剤は無限に炭酸ガ
スを吸収できず、吸収量が飽和するとそれ以降の吸収が
困難となる。そこで本発明では、炭酸ガス吸脱助剤を加
熱して固定されていた炭酸ガスを脱離させ、炭酸ガス吸
脱助剤の炭酸ガス吸収能を再生する再生工程を行う。
【0033】すなわち炭酸ガスが固定されて形成された
炭酸塩は、再生工程において(8)式のように分解して
炭酸ガスを放出し、酸化物に戻るとともに炭酸ガス吸収
能を回復する。
【0034】 M1/xCO3+熱 → MOx + CO2 (8) したがって水素転換工程と再生工程のサイクルを繰り返
すことで、全体として効率よく水素を製造することがで
きる。さらに効率を上げる方法として、反応層を複数個
用意し、一方で炭酸ガスを吸収させながら水素を製造
し、他方を加熱して炭酸ガスを放出させることも考えら
れる。しかしこの方法では、反応層が複数個必要である
ばかりでなく、再生用加熱装置も複数個必要となるた
め、水素製造装置全体が大がかりで高価となってしま
う。
【0035】そこで再生工程は、極力短時間で行うこと
が望ましい。したがって反応容器内に入れられた反応層
を反応容器の外部から加熱することは避け、反応層を直
接加熱することが望ましい。このように反応層を直接加
熱すれば、反応層自体の熱容量は小さいので、炭酸ガス
脱離温度まで短時間で加熱することができる。そして加
熱を停止して混合ガスを流通させれば、(1)式の反応
は吸熱反応であるため、反応の進行により反応層を急速
に冷却することができ、速やかに炭酸ガスを吸収できる
ようになる。
【0036】このように反応層を短時間で加熱するに
は、高温ガスを用いる方法と、電磁気を用いる方法が好
ましく用いられる。
【0037】前者の例として、反応層へ供給される混合
ガス流中にヒーターを設置して混合ガスを加熱する方法
が考えられるが、加熱時には炭酸ガスの吸収が困難であ
るので、混合ガスを供給したのでは反応層でCOが副生し
てしまう。したがって水蒸気、空気、不活性ガスなど他
のガスを供給するのが好ましい。
【0038】中でも、混合ガス中の燃料を完全燃焼させ
るに十分な量の空気を供給し、反応層における改質触媒
の貴金属による触媒作用によって燃焼させ、その燃焼熱
によって反応層を加熱することが望ましい。このように
すれば、炭酸ガス吸脱助剤と近接した部位で燃焼するの
で、発熱を最も効率よく炭酸ガス吸脱助剤の加熱に利用
でき、その結果炭酸ガス吸脱助剤の再生がきわめて速や
かに行われる。なお燃料を完全燃焼させた場合には、理
論上COやメタンの生成は皆無であり、反応層から排出さ
れるガスは窒素ガス、炭酸ガス、水蒸気のみとなるの
で、燃料電池などに供給されても悪影響が極めて少なく
なる。また、反応層における発熱量を制御するために、
混合ガスの供給量を適切に制御する必要があるが、それ
が決まればその中の燃料量から完全酸化するに必要な空
気量は一義的に決定される。
【0039】完全燃焼に足る酸素が供給されない場合に
は炭素の析出やCOの発生があるため好ましくなく、酸素
が過剰に供給されると、次の水素転換工程で水素中に酸
素及び窒素が混入することになるので好ましくない。例
えば水素を燃料電池に用いる場合には、燃料を完全燃焼
させるのに必要な酸素量を1とした場合、 0.9〜 1.2の
範囲が好ましく、0.97〜 1.1の範囲がさらに好ましい。
酸素量が1に満たなくても、水蒸気が共存する場合には
上記範囲内ではCOとメタンはほとんど生成せず、また上
記範囲内での過剰な酸素は、水素転換工程において生成
する炭素やスラッジなどを酸化除去するのに利用でき
る。
【0040】さらに、このようにして燃料と酸素とを反
応させる再生工程は、反応層全体を加熱することなく直
接的に炭酸ガス吸脱助剤を加熱できるので、より効率的
に炭酸塩を分解することができる、さらには反応層全体
が高温にならないので、次に続く水素転換工程に速やか
に移行することができる。
【0041】また後者の電磁気を用いる方法としては、
反応層を構成する構造体を導電体とし通電することによ
る加熱方法、電磁波を照射することによる加熱方法、誘
導加熱あるいは誘電加熱による方法などが例示される。
この場合も、混合ガスを供給したのでは反応層でCOが副
生してしまうので、水蒸気、空気、不活性ガスなど他の
ガスを供給するのが好ましい。
【0042】なお、高温ガスを用いる方法と電磁気を用
いる方法を併用することも好ましい。例えば電磁気を用
いて反応層を直接加熱しながら、混合ガスとその燃料を
完全燃焼させるに足る空気を供給する。このようにすれ
ば、電磁気による加熱と燃焼熱による加熱とで反応層を
瞬時に加熱することができ、炭酸ガス吸脱助剤を速やか
に再生することができる。この方法は、水素製造時の温
度が低いときに特に効果的である。
【0043】水素転換工程と再生工程とは、交互に連続
して行うことができる。また再生工程においては、水蒸
気の供給を停止あるいは低減することもできる。さらに
燃料の供給量は、水素転換工程と再生工程とで異ならせ
ることが望ましい。再生工程で供給される燃料量が多く
その燃焼に必要な空気を供給して燃焼させると、発熱量
が大きくなって高温となり改質触媒が劣化するおそれが
ある。したがって再生工程では、生成している炭酸塩を
分解するに必要十分な熱を発生するだけの燃料と、それ
を燃焼させるに必要十分な量の空気を供給することが望
ましい。これにより発熱量を制御して改質触媒の劣化を
抑制でき、燃料使用量を低減することができる。
【0044】上記したように、酸素(空気)を供給すれ
ば炭酸ガス吸脱助剤の再生をきわめて速やかに行うこと
ができる。したがって水素転換工程と再生工程を交互に
行う場合、再生工程の時間は数秒程度と短くすることが
でき、水素転換工程の時間を長くすることができるの
で、効率よく水素を製造することが可能となる。
【0045】水素転換工程と再生工程の時間割合は目的
により異なるが、水素転換工程の時間間隔は炭酸ガス吸
脱助剤の能力の70%以下の範囲とするのが好ましい。炭
酸ガス吸脱助剤の能力が飽和するに従いその炭酸ガス吸
収速度が低下するためである。また、上記時間範囲内で
あっても、水素転換工程は吸熱反応であるため、反応層
の温度は次第に低下することになる。温度が低下すると
反応速度が低下し、水素の生成効率が低下するため未反
応の有機物が水素に混入することになる。したがって少
なくとも 300℃以上、より好ましくは 500℃以上となる
ように、再生工程に切り換えて加熱する必要がある。
【0046】また再生工程は、炭酸塩の分解と炭酸ガス
の放出に十分な時間実施すればよく、それ以上の加熱
は、酸素を添加する場合には燃料の無駄につながる。し
たがってより短い周期の切り換えが好ましいが、著しく
頻繁な切り換えは、部分酸化状態を引き起こしてCOが生
成するようになるため好ましくない。切り換えの周期は
1秒〜10分の範囲が実用的である。
【0047】混合ガスは、少なくとも炭素を含む燃料と
水蒸気とから構成される。燃料としては各種炭化水素の
単体あるいは混合物を用いることができ、それに見合っ
た水蒸気が混合される。例えば自動車用燃料電池への水
素供給に用いる場合には、ガソリン、メタノールなど自
動車燃料を水蒸気とともに混合して用いることが望まし
い。このようにすれば、水素転換工程と再生工程ともに
自動車燃料を用いることができ、燃料の供給を停止する
必要がない。また一つの反応器で水素転換工程と再生工
程を交互に行うようにすることが容易である改質触媒と
しては、従来用いられているFe−Cr系触媒、Cu−Zn系触
媒、Ni,Coなども用いることができるが、再生工程で酸
化あるいは加水分解によって失活する場合があるので、
容易に酸化されない貴金属を用いることが望ましい。例
えば燃料に炭化水素やアルコールなどの有機化合物を含
む場合には、(1)式の水蒸気改質反応に適するRh及び
Ruの少なくとも一方が好ましい。水蒸気改質反応の場合
には、Rhに加えてPtを用いた場合、Rhに対してPtの量が
相対的に多くなると反応の進行が阻害されることが明ら
かとなっている。したがってPtを含む場合にはその量を
少なくすることが望ましく、Ptを含まなくてもよい。一
方燃料に一酸化炭素を含む場合には、(2)式のCOシフ
ト反応に適するPt及びPdの少なくとも一方が好ましく、
Ptが特に好ましいがRhは必須ではない。したがってRh及
びRuの少なくとも一種と、Pt及びPdの少なくとも一種と
を用いることが望ましい。
【0048】改質触媒は、Al2O3,CeO2,ZrO2,TiO2,S
iO2,SiO2-Al2O3、 MgAl2O4などの一種類あるいは二種
類以上を組み合わせた混合物や化合物などの多孔質酸化
物担体に貴金属を担持した形態とすることができる。中
でも MgAl2O4又はZrO2に貴金属を担持したものが好適で
ある。
【0049】この改質触媒では、担体の塩基性水酸基に
より H2Oが活性化され、かつ貴金属によりHCが活性化さ
れると考えられており、水蒸気改質反応が円滑に進行す
る。なお、貴金属の担持量は特に制限されないが、多孔
質酸化物担体 100重量部に対して 0.008〜 4.0重量部の
範囲が好ましい。
【0050】炭酸ガス吸脱助剤としては、アルカリ金属
及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含む材料が好
適である。これらの成分は、炭酸ガスを炭酸塩の形で安
定に吸収・保持することができる。さらには、これらの
成分が無機多孔質体中に保持された形態とすることが好
ましい。なぜならば、アルカリ金属あるいはアルカリ土
類金属は、炭酸塩と酸化物の変換時の体積変化が大きい
ため、これら単独では安定な構造体とすることが困難で
あるからである。炭酸塩の分解温度が 500℃以上である
安定なものが望ましく、マグネシウム、カルシウム、ス
トロンチウムなどのアルカリ土類金属の酸化物、あるい
はナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属
の酸化物などが推奨される。
【0051】上記無機多孔質体としては、アルカリ金属
あるいはアルカリ土類金属との相互作用が少ないものが
望ましい。例えば Al2O3やSiO2は高温でアルカリ金属あ
るいはアルカリ土類金属と反応し、炭酸ガス吸収作用が
次第に失われる結果となる。したがって炭酸ガス吸脱助
剤と反応しない物質、あるいは反応しても容易に炭酸ガ
スの存在により炭酸ガス吸収能を回復する物質が好まし
く、再生工程における熱によって変質しない耐熱性を有
する物質が好ましい。このような無機多孔質体として
は、例えばMgAl2O4、ZrO2などを主成分とするものが好
適である。
【0052】反応層は、上記した改質触媒と炭酸ガス吸
脱助剤を混合して形成してもよいし、共通の多孔質酸化
物担体に貴金属と炭酸ガス吸脱助剤を担持してなる反応
層を用いることもできる。なお反応層の形状には特に制
限がなく、ペレット形状の構造体の表面を反応層として
もよいし、ハニカム形状のモノリス基材表面にコートし
て反応層を形成することも好ましい。
【0053】また改質触媒と炭酸ガス吸脱助剤とは、で
きるだけ近接していることが望ましく、反応層中に30nm
以下の粒子として均一に分散混合していることが望まし
い。このようにするには、改質触媒と炭酸ガス吸脱助剤
とをそれぞれ水溶液として無機多孔質体に担持すること
で容易に行うことができる。
【0054】そして本発明の水素製造装置は、改質触媒
及び炭酸ガス吸脱助剤を含む反応層と、少なくとも炭素
を含む燃料と水蒸気とからなる混合ガスを反応層に供給
する原料ガス供給部と、反応層を加熱する加熱手段と、
混合ガスを反応層に接触させ改質触媒による水蒸気改質
反応で水素ガスを得るとともに副生する炭酸ガスを炭酸
ガス吸脱助剤に固定する水素転換工程と、反応層を加熱
して固定されていた炭酸ガスを脱離させ炭酸ガス吸脱助
剤の炭酸ガス吸収能を再生する再生工程とを行うにあた
り、水素転換工程及び再生工程における反応層の温度を
それぞれ制御する温度制御部と、から構成されている。
【0055】改質触媒、炭酸ガス吸脱助剤、反応層、燃
料、混合ガス、加熱手段、水素転換工程及び再生工程は
上記した本発明の水素製造方法で例示したとおりであ
る。また原料ガス供給部は、水と燃料をそれぞれ気化し
て反応層に供給するものであれば、特に制限がない。
【0056】温度制御部は、反応層の温度を検出しそれ
に応じて加熱手段や原料ガス供給部を制御することで、
水素転換工程及び再生工程における反応層の温度をそれ
ぞれ制御する。
【0057】本発明の水素製造装置は、反応層に燃料と
酸素を含むガスとを供給する燃焼用ガス供給部と、原料
ガス供給部と燃焼用ガス供給部の供給を交互に切り換え
る切り換え手段と、をさらに備え、加熱手段は燃焼用ガ
スの燃焼によって反応層を加熱することが望ましい。こ
のように構成することにより、本発明の水素製造方法で
説明したように、炭酸ガス吸脱助剤と近接した部位で燃
焼するので、発熱を最も効率よく炭酸ガス吸脱助剤の加
熱に利用でき、その結果、炭酸ガス吸脱助剤の炭酸ガス
吸収能の再生がきわめて速やかに行われる。
【0058】燃焼用ガス供給部は、水蒸気を除いた燃料
に空気など酸素を含むガスを供給してもよいし、水蒸気
を含む混合ガスに酸素を含むガスを供給してもよい。
【0059】また再生工程における反応容器からの排ガ
スを反応容器に外部から供給する手段をもつことも好ま
しい。このようにすれば排ガスの熱によって反応層を間
接的に加熱することができるので、反応層の昇温をより
速めることができ、再生工程に要する時間を短縮するこ
とが可能である。
【0060】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。
【0061】図2に本実施例に用いた水素製造装置の構
成を示す。この水素製造装置は、気化器2と、反応容器
3と、間欠添加装置4とから主として構成されている。
気化器2は、供給された炭化水素と水を加圧下で加熱し
て気化させ、生成した混合ガスを所定温度で反応容器3
に供給する。間欠添加装置4は、パルスタイミングジェ
ネレータ40によって駆動され、気化器2から反応容器3
へ供給された混合ガスの流量が所定量となった時に、空
気を間欠的に気化器2へ供給する。
【0062】反応容器3には反応層が配置され、水素転
換工程では、気化器2から供給された混合ガスが反応層
上で改質されてH2が生成するとともに、副生した炭酸ガ
スは反応層の炭酸ガス吸脱助剤に固定される。
【0063】そして炭酸ガス吸脱助剤の70%が炭酸塩と
なる量の混合ガスが供給されると再生工程となり、パル
スタイミングジェネレータ40が作動して間欠添加装置4
が駆動され、空気が気化器2に所定流量で供給される。
また同時に、発熱量を制御するために混合ガスの流量も
制御される。すなわち混合ガス中の炭化水素を完全燃焼
する量の空気が混合されたガスが反応容器3に供給され
る。
【0064】反応容器3では、反応層に担持されている
貴金属の触媒作用によって、燃料ガスが空気中の酸素に
よって燃焼し、その発熱によって反応層の炭酸ガス吸脱
助剤の炭酸塩が加熱される。これにより炭酸塩が分解
し、炭酸ガス吸脱助剤は酸化物となって炭酸ガス吸収能
が再生される。なお反応容器3からの排ガスは、水素転
換工程における流路とは別の流路から排出される。炭酸
ガス吸脱助剤の全体が再生された後、間欠添加装置4は
停止され、再び水素転換工程が行われる。
【0065】一方、コーディエライト製のハニカム状基
材に、アルミナ・マグネシアスピネル( MgAl2O4)を 2
40g/Lになるようにコートし、さらにPtとRhを水溶液
を用いてそれぞれ 0.1g/L及び2g/Lになるように
担持した。これを 400℃で焼成後、硝酸カルシウム水溶
液を用いてCaを 0.3モル/Lとなるように担持し、 500
℃で焼成した。これにより基材表面に改質触媒と炭酸ガ
ス吸脱助剤を含む反応層を形成した。以下の比較例及び
実施例では、この反応層をもつハニカム基材を用いてい
る。
【0066】(比較例1)反応層をもつハニカム基材を
反応容器3に配置し、スチームモル数と炭素原子数の比
( H2O/C)が 2.5の条件でプロピレン(燃料)とスチー
ムを供給して 200〜 400℃の各種温度で改質反応させ、
反応容器3の出口ガス中のHC量を測定してHC残存率を算
出した。間欠添加装置4は停止状態としている。結果を
図3に示す。
【0067】(実施例1)反応層をもつハニカム基材を
反応容器3に配置し、H2O/C = 2.5の条件でプロピレン
とスチームを10秒間供給する水素転換工程を行い、その
後間欠添加装置4を駆動してプロピレンを完全燃焼させ
るに必要な当量の空気を10秒間供給する再生工程を行
う。これを交互に繰り返しながら、反応容器3の出口ガ
ス中のHC量を各温度でそれぞれ測定してHC残存率を算出
した。測定は 200〜 400℃の各種温度でそれぞれ行い、
結果を図3に示す。
【0068】<評価>図3では、HC残存率が低いほど燃
料改質反応が進んでいることを示している。したがって
比較例1よりも実施例1の方が低温域における反応性に
優れ、約50%反応した点で比較すると実施例1の方が反
応温度が約 100℃低下していることがわかる。すなわち
空気を10秒間供給する再生工程を行うことで、低温での
燃料改質が可能となっていることが明らかである。
【0069】なお反応温度が 450℃近辺における反応を
詳細に観察した結果、実施例1の方法では空気を供給す
るまでは CO2の存在は確認されなかったが、空気を供給
した直後に CO2が生成することが明らかとなった。これ
は、空気が供給されるまでは水蒸気改質反応とCOシフト
反応が進行し、生成した CO2は CaOに速やかに吸収され
たこと、そして空気の供給によってプロピレンが燃焼
し、その熱で CaCO3が分解して CO2が生成したことを示
している。すなわち実施例1の方法によれば、改質燃料
ガスは大部分がH2となる。
【0070】一方比較例1では、初期には CO2の生成は
確認されなかったが、数10秒後にはCO2が大量に生成
し、それによってメタンの生成も確認された。
【0071】(実施例2)反応層をもつハニカム基材を
反応容器3に配置し、図4に示すようにH2O/C =2.0の
条件でプロピレンとスチームを10秒間供給し、その後プ
ロピレンとスチームに加えて、プロピレンを完全燃焼さ
せるに必要な当量の空気を10秒間供給するのを 350℃で
交互に繰り返しながら、反応容器3の出口ガス中の CO
濃度と CO2濃度を連続的に測定した。結果を図5に示
す。
【0072】(比較例2)反応層をもつハニカム基材を
反応容器に配置し、H2O/C = 2.0の条件でプロピレンと
スチームを供給して 350℃で反応させ、反応容器3の出
口ガス中の CO濃度と CO2濃度を連続的に測定した。間
欠添加装置4は停止している。結果を図5に示す。
【0073】<評価>図5より、比較例2の方法では C
O及び CO2はほぼ一定の比較的高濃度で生成している。
一方実施例2の方法では、空気を供給していない時期に
COが生成しているものの、その量は比較例2に比べてき
わめて少ない。また空気を供給した直後に CO2が発生
し、空気の供給を停止すると CO2濃度が大きく低減しそ
の後徐々に CO2濃度が高くなっている。これは、水素転
換工程において CO2が CaOに吸収され、再生工程におい
て CaCO3の分解によって CO2が生成したことを意味して
いる。
【0074】(実施例3)上記した実施例2の方法で
は、スチームとプロピレンの供給量は一定としていた
が、再生工程を行っている際にはスチームは不要であ
る。また再生工程においては、プロピレンは CaCO3を分
解できるだけの熱量を供給するだけの量で十分であり、
水素転換工程よりも低減することが可能である。
【0075】そこで本実施例では、図6に示すように、
空気を供給する際にはスチームの供給量を半減し、燃料
の供給量は空気を供給している時間に伴って低減し10秒
後には半減させている。
【0076】したがって本実施例の方法によれば、実施
例2と同様の効果を得つつ、スチームと燃料の使用量を
低減することができ、より安価にH2を生成することがで
きる。また再生工程における燃料量が低減されているた
め、発生する熱量も低減され、改質触媒の劣化をさらに
抑制することができる。
【0077】なお空気を供給する際には、実施例2〜3
のように矩形パルス状に急激に供給するのが好ましい。
鋸歯形状のようなパルスで供給すると、部分酸化反応
(HC+O2→CO+H2)が促進され、かえってCOが増加する
結果となる。
【0078】
【発明の効果】すなわち本発明の水素製造方法及び水素
製造装置によれば、一つの反応器で水素転換工程と再生
工程を行うことができ、しかも従来より低温の 300〜 7
00℃で反応させることができる。したがって改質触媒の
劣化が防止でき、その選択の自由度が格段に向上する。
【0079】そして得られる改質燃料ガス中にはCO及び
メタンがほとんど存在せず、ほぼ 100%の水素となるの
で、燃料電池用の燃料としてきわめて有用である。さら
に反応器は一つでコンパクトとすることができるので、
自動車用燃料電池に用いて最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を示す概念図である。
【図2】実施例で用いた水素製造装置のブロックダイア
グラムである。
【図3】本発明の一実施例及び比較例における反応温度
とHC残存率との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例2の方法を説明するタイムチャ
ートである。
【図5】実施例2と比較例2の方法により得られた改質
燃料ガス中のCO濃度と CO2濃度のタイムチャートであ
る。
【図6】本発明の実施例3の方法を説明するタイムチャ
ートである。
【図7】オクタン( C8H18)を各温度で改質反応させた
後の各ガス種とその分圧を示すグラフである。
【符号の説明】
1:反応層 2:気化器(原料ガス供給
部) 3:反応容器 4:間欠添加装置(切り換え
手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D020 AA03 BA01 BA02 BA03 BB01 BC01 CA03 DA01 DB06 4G040 EA01 EA03 EA06 EB14 EB18 EB32 EB43 EC03 4G066 AA13B AA16B AA17B BA07 CA35 DA04 FA22 FA37 GA01 GA03 GA07 5H027 AA02 BA01 BA17

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも炭素を含む燃料と水蒸気とか
    らなる混合ガスを改質触媒及び炭酸ガス吸脱助剤を含む
    反応層に接触させ、水素ガスを得るとともに副生する炭
    酸ガスを該炭酸ガス吸脱助剤に固定する水素転換工程
    と、 該炭酸ガス吸脱助剤を加熱して固定されていた炭酸ガス
    を脱離させ該炭酸ガス吸脱助剤の炭酸ガス吸収能を再生
    する再生工程と、を行うことを特徴とする水素製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記再生工程は前記反応層を直接加熱し
    て行うことを特徴とする請求項1に記載の水素製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記再生工程は高温ガスを用いて加熱す
    ることを特徴とする請求項2に記載の水素製造方法。
  4. 【請求項4】 前記高温ガスは前記燃料と酸素とを混合
    した燃焼用ガスを完全に燃焼して得られるガスであるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の水素製造方法。
  5. 【請求項5】 前記再生工程は電磁気によって急速に加
    熱することを特徴とする請求項2に記載の水素製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記燃料が有機化合物を含む場合には、
    前記改質触媒はRh及びRuの少なくとも一種を含むことを
    特徴とする請求項1に記載の水素製造方法。
  7. 【請求項7】 前記燃料が一酸化炭素を含む場合には、
    前記改質触媒はPt及びPdの少なくとも一種を含むことを
    特徴とする請求項1に記載の水素製造方法。
  8. 【請求項8】 前記炭酸ガス吸脱助剤はアルカリ金属及
    びアルカリ土類金属の中から選ばれる少なくとも一種で
    あることを特徴とする請求項1に記載の水素製造方法。
  9. 【請求項9】 前記反応層において前記改質触媒と前記
    炭酸ガス吸脱助剤は30nmレベル以下で分散混合している
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素製造方法。
  10. 【請求項10】 前記再生工程は前記反応層における触媒
    反応により前記燃焼用ガスを燃焼させた前記高温ガスを
    用いることを特徴とする請求項4に記載の水素製造方
    法。
  11. 【請求項11】 改質触媒及び炭酸ガス吸脱助剤を含む反
    応層と、 少なくとも炭素を含む燃料と水蒸気とからなる混合ガス
    を該反応層に供給する原料ガス供給部と、 該反応層を加熱する加熱手段と、 該混合ガスを該反応層に接触させ該改質触媒による水蒸
    気改質反応で水素ガスを得るとともに副生する炭酸ガス
    を該炭酸ガス吸脱助剤に固定する水素転換工程と、該反
    応層を加熱して固定されていた炭酸ガスを脱離させ該炭
    酸ガス吸脱助剤の炭酸ガス吸収能を再生する再生工程と
    を行うにあたり、該水素転換工程及び該再生工程におけ
    る該反応層の温度をそれぞれ制御する温度制御部と、か
    らなることを特徴とする水素製造装置。
  12. 【請求項12】 前記反応層に前記燃料と酸素を含むガス
    とを供給する燃焼用ガス供給部と、前記原料ガス供給部
    と該燃焼用ガス供給部の供給を交互に切り換える切り換
    え手段と、をさらに備え、前記加熱手段は該燃焼用ガス
    の燃焼によって前記反応層を加熱することを特徴とする
    請求項11に記載の水素製造装置。
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