JP2002254027A - 水性塗膜形成方法 - Google Patents

水性塗膜形成方法

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JP2002254027A
JP2002254027A JP2001053724A JP2001053724A JP2002254027A JP 2002254027 A JP2002254027 A JP 2002254027A JP 2001053724 A JP2001053724 A JP 2001053724A JP 2001053724 A JP2001053724 A JP 2001053724A JP 2002254027 A JP2002254027 A JP 2002254027A
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coating
forming
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Sakao Taira
坂男 平
Ryuichi Shiraga
隆一 白髪
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Abstract

(57)【要約】 【課題】温度・湿度等の塗装環境条件に左右されない
で、良好な塗装作業性および形成された塗膜の仕上り外
観が得られる水性塗膜形成方法を提供すること。 【解決手段】水性塗料を塗装するに際して、塗装環境で
ある相対湿度の高低にかかわらず、上記水性塗料のビヒ
クルの塗着粘度が、10000〜100000mPa・
sである塗料により水性塗膜を形成する水性塗膜形成方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性塗膜形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】水性塗料の塗装は、温度や相対湿度等の
塗装環境によって、塗装作業性や形成された水性塗膜の
仕上り状態が大きく左右されることが知られている。例
えば特開平5−309332号公報には、温度(℃)を
X軸とするとともに相対湿度(%)をY軸としたXY座
標上で、(20,70)、(20,80)、(32,8
0)および(32,95)の4座標点で定まる範囲を塗
装環境条件として、チクソトロピック性を有する水性塗
料を塗装する塗装方法が記載されている。
【0003】上記塗装方法は、上記4座標点で定まる範
囲での塗装では良好な塗装を行うことができるが、その
ためには温度・湿度を一定範囲に管理できる設備が必要
になり、そのような設備には、導入に多額の投資が必要
となる。また、このような設備のない塗装ラインでは、
上記4座標点で定まる範囲から外れることがあり、この
場合には、水性塗料を十分に塗装することができないこ
とがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、塗装環境条件である温湿度に左右されないで、良好
な塗装作業性および形成された塗膜の仕上り外観が得ら
れる水性塗膜形成方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。 1.水性塗料を塗装するに際して、塗装環境である相対
湿度の高低にかかわらず、上記水性塗料のビヒクルの塗
着粘度が、10000〜100000mPa・sである
塗料により水性塗膜を形成する水性塗膜形成方法。 2.上記水性塗料のビヒクルの塗着粘度が、20000
〜75000mPa・sである上記の水性塗膜形成方
法。 3.上記水性塗料について、適用相対湿度における最も
高い相対湿度用塗料(HP)と最も低い相対湿度用塗料
(LP)を用意し、上記最も高い相対湿度と最も低い相
対湿度との間の相対湿度で水性塗膜を形成する際には、
上記最も高い相対湿度用塗料(HP)と最も低い相対湿
度用塗料(LP)を、事前に得た検量線に基づく混合比
率で混合する上記の水性塗膜形成方法。 4.上記最も高い相対湿度用塗料(HP)および上記最
も低い相対湿度用塗料(LP)の塗膜形成樹脂は、アミ
ド基含有アクリルモノマーを含有するアクリル樹脂であ
る上記の水性塗膜形成方法。 5.上記最も高い相対湿度用塗料(HP)に用いるアク
リル樹脂中のアミド基のモル数(AAm)および上記最
も低い相対湿度用塗料(LP)に用いるアクリル樹脂中
のアミド基のモル数(AAm)含有質量比率が、AAm
(HP)/AAm(LP)=1.2〜3である上記の水
性塗膜形成方法。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0007】水性塗膜形成方法 本発明の水性塗膜形成方法は、水性塗料を塗装するに際
して、塗装環境である相対湿度の高低にかかわらず、上
記水性塗料のビヒクルの塗着粘度が、10000〜10
0000mPa・sである塗料により水性塗膜を形成す
る方法である。
【0008】水性塗料のビヒクルの塗着粘度と水性塗料
塗装時の相対湿度との関係は、相対湿度が高いときには
高塗着粘度にし、形成された塗膜のタレ性を向上させな
ければならないが、この高塗着粘度のビヒクルを相対湿
度が低いときに適用すると、塗膜形成時に、ワキが発生
してしまう。塗着粘度を低くするために、水性塗料を希
釈する方法がある。しかしながら、この方法によるとワ
キ性は、改善されるが、形成された塗膜のタレ性が、不
十分となってしまう。
【0009】そこで本発明の水性塗膜の形成方法では、
塗装環境である相対湿度の高低にかかわらず、上記水性
塗料のビヒクルの塗着粘度が、10000〜10000
0mPa・sである水性塗料を用いることが第1のポイ
ントである。すなわち上記水性塗料のビヒクルの塗着粘
度を、相対湿度の高低にかかわらず、10000〜10
0000mPa・sとする。上記水性塗料のビヒクルの
塗着粘度が、10000mPa・s未満ではタレ性が不
十分となり、100000mPa・sを超えるとワキ性
が不十分となる。より好ましくは、20000〜750
00mPa・sである。上記ビヒクルの塗着粘度は、水
性塗料中のビヒクルにより塗膜を形成し、塗着直後の粘
度をRE500型粘度計(東機産業社製)を用いて測定
する。
【0010】さらに本発明の水性塗膜の形成方法では、
上記水性塗料について、適用相対湿度における最も高い
相対湿度用塗料(HP)と最も低い相対湿度用塗料(L
P)を用意し、上記最も高い相対湿度と最も低い相対湿
度との間の相対湿度で水性塗膜を形成する際には、上記
最も高い相対湿度用塗料(HP)と最も低い相対湿度用
塗料(LP)を、事前に得た混合比率の検量線に基づい
て混合することが第2のポイントである。すなわち相対
湿度が変わっても、ビヒクルの塗着粘度が、相対湿度の
高低にかかわらず、10000〜100000mPa・
sとなる混合比率を、予め求めておくことである。
【0011】上記水性塗膜の形成方法に用いる水性塗料
において、ビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂として用
いる水性樹脂は、その酸価を調整し、カルボキシル基を
塩基性物質で中和(例えば、50%以上)することで容
易に水性化可能である。ここで用いられる塩基性物質と
しては、例えばアンモニア、メチルアミン、エチルアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミンなどがあり、
このうち、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールア
ミン、トリエタノールアミンなどが好適である。溶媒と
しては、水を主体とするが親水性有機溶剤を併用するこ
とができる。
【0012】上記ビヒクルを構成する上記塗膜形成用樹
脂としては、好ましくはアクリル樹脂、ポリエステル樹
脂に、架橋剤としてアミノ樹脂またはブロックポリイソ
シアネートを用いることができる。さらに水性塗料を上
塗りベース塗膜として用いる場合には、上記塗膜形成用
樹脂として、アクリル樹脂がより好ましい。
【0013】上記ポリエステル樹脂(ウレタン変性ポリ
エステル樹脂を除く)としては、多価アルコール成分と
多塩基酸成分とを縮合してなるオイルフリーポリエステ
ル樹脂、または多価アルコール成分および多塩基酸成分
に加えてヒマシ油、脱水ヒマシ油、桐油、サフラワー
油、大豆油、アマニ油、トール油、ヤシ油など、および
それらの脂肪酸のうち1種、または2種以上の混合物で
ある油成分を、上記酸成分およびアルコール成分に加え
て、三者を反応させて得られる油変性ポリエステル樹脂
などが挙げられる。
【0014】上記アクリル樹脂としては、アクリル系モ
ノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体を
挙げることができる。上記共重合に使用し得るアクリル
系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸の
メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、
t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニ
ル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ
プロピル等のエステル化物、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−
ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジブチルアクリル
アミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド等のアミド
基含有アクリルモノマー、アクリル酸またはメタクリル
酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加
物、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が
挙げられる。これらと共重合可能な上記他のエチレン性
不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニルなどがある。
【0015】より好ましい上記塗膜形成用樹脂として、
アクリル樹脂を用いる場合には、ビヒクルの塗着粘度を
上記の特性を発現するためには、上記最も高い相対湿度
用塗料(HP)および上記最も低い相対湿度用塗料(L
P)の塗膜形成用樹脂ともに上記のアミド基含有アクリ
ルモノマーを含有することであり、さらに好ましくは上
記最も高い相対湿度用塗料(HP)に用いるアクリル樹
脂中のアミド基のモル数(AAm)および上記最も低い
相対湿度用塗料(LP)に用いるアクリル樹脂中のアミ
ド基のモル数(AAm)含有質量比率をAAm(HP)
/AAm(LP)=1.2〜3の範囲とすることであ
る。上記AAm(HP)/AAm(LP)が、1.2未
満であるとタレ性が不十分の恐れがあり、上記AAm
(HP)/AAm(LP)が、3を超えるとワキ性が不
十分の恐れがある。より好ましくは、AAm(HP)/
AAm(LP)=1.5〜2.5の範囲である。
【0016】また上記架橋剤としては、アミノ樹脂また
はブロックポリイソシアネートを用いるが、好ましくは
アミノ樹脂であり、具体的にはジ−、トリ−、テトラ
−、ペンタ−、ヘキサ−メチロールメラミンおよびそれ
らのアルキルエーテル化物(アルキルはメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル
等)、尿素−ホルムアルデヒド縮合物、尿素−メラミン
共縮合物などを挙げることができる。上記のうちメラミ
ン樹脂がより好ましい。
【0017】上記塗膜形成用樹脂と架橋剤との割合とし
ては、塗膜形成用樹脂が90〜50質量%、架橋剤が1
0〜50質量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が8
5〜60質量%であり、架橋剤が15〜40質量%であ
る。架橋剤が10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が9
0質量%を超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一
方、架橋剤が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が
50質量%未満では)、塗料組成物の貯蔵安定性が低下
するとともに硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪
くなる。
【0018】また上記水性塗料には、必要により配合す
る顔料としては、光輝性顔料および/または着色顔料、
さらに必要に応じて体質顔料を用いることができる。上
記光輝性顔料としては、好ましくはアルミニウムフレー
ク顔料、金属酸化物被覆アルミニウムフレーク顔料、金
属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シ
リカフレーク顔料、グラファイト顔料、干渉マイカ顔
料、着色マイカ顔料、金属チタンフレーク顔料、ステン
レスフレーク顔料、板状酸化鉄顔料、フタロシアニンフ
レーク顔料、金属めっきガラスフレーク顔料、金属酸化
物被覆ガラスフレーク顔料、ホログラム顔料等が挙げら
れる。また上記着色顔料として、有機系としてはアゾレ
ーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタ
ロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、
ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系顔
料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金
属錯体顔料等が挙げることができ、また無機系としては
黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタ
ン等が挙げられる。また上記体質顔料としてはタルク、
炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、シリカ等が挙げ
られる。
【0019】上記水性塗料は、上記成分の他に、沈降防
止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリン
グ剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止
め剤、増粘剤、消泡剤、滑剤、架橋性重合体粒子(ミク
ロゲル)等の添加剤を適宜添加して含有することができ
る。
【0020】上記水性塗膜形成方法は、被塗基材に、上
記の水性塗料を、中塗り塗膜および/または上塗り塗膜
として形成する。
【0021】上記被塗基材としては、限定されるもので
なく、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金等の金
属類;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリ
ル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のF
RP等のプラスチック材料に導電処理した物等が挙げら
れる。上記被塗基材に形成された塗装物が、自動車車体
および部品の場合は、予め上記被塗基材に脱脂処理や化
成処理等を施し、さらに、カチオン電着塗料により電着
塗膜を形成し焼付硬化させ、その上に水性塗料により上
塗り塗膜、または中塗り塗膜と上塗り塗膜を形成する。
【0022】上記水性塗膜の形成は、好適にはスプレー
塗装で行うが、形成した塗膜は、室温でセッティングを
行い、中塗り塗膜では好ましくは焼き付け乾燥後、上塗
り塗膜を形成し、また上塗りベース塗膜では好ましくは
ウェットオンウェットで上塗りクリヤー塗膜を形成し、
焼き付け硬化させる。また上塗りソリッド塗膜は、電着
塗膜上または中塗り塗膜上に形成し、室温でセッティン
グ後、焼き付け乾燥を行う。
【0023】上記中塗り塗膜の乾燥膜厚は、5〜100
μmが好ましい。5μm未満では目的とする中塗り塗膜
の塗膜性能が十分に発現できず、100μmを超えると
塗膜外観が、不十分となる恐れがある。より好ましくは
10〜80μmである。
【0024】上記上塗り塗膜の乾燥膜厚は、20〜50
μmが好ましい。20μm未満では目的とする上塗り塗
膜の塗膜性能が十分に発現できず、50μmを超えると
塗膜外観が、不十分となる恐れがある。より好ましくは
20〜40μmである。
【0025】上記スプレー塗装を行うスプレーガンとし
て好ましくは、回転霧化型のベル型塗装機またはエア霧
化型としてREAガン(ABBインダストリー社製)を
挙げることができる。上記回転霧化型における回転速度
は(3〜4)×104rpm、吐出量は、150〜25
0cc/minが好ましい。また上記エア霧化型におけ
る霧化エア圧力は、2.0〜3.5kg/cm2、パタ
ーンエア圧力は、2.0〜3.5kg/cm2、吐出量
は、150〜250cc/minが好ましい。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断り
のないかぎり質量部を表す。また原材料、塗料、機器の
名称は、特に断りのない限り商品名を表す。
【0027】実施例1〜5、比較例1〜2 被塗基材の調製 ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ
0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(「サーフダインSD2
000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した
後、カチオン電着塗料(「パワートップU−50」、日
本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電
着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付けた
後、中塗り塗料(「オルガS−90シーラー」、日本ペ
イント社製)を乾燥膜厚が40μmとなるようにエアー
スプレー塗装し、140℃で30分間焼き付け、中塗り
塗膜層を形成し被塗基材とした。
【0028】低湿度用水性塗料(LP)の調製 水性アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/
エチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレー
ト/メタクリル酸/アクリルアミド/メタクリルアミ
ド)を表1の塗着粘度となるような共重合体を調製し、
数平均分子量約10000、水酸基価50、酸価50、
固形分50質量%)と、メラミン樹脂(商品名、「ユー
バン20N−60」、三井化学社製、固形分60質量
%)とを80:20の固形分質量比で配合して得たビヒ
クルに対し、アルミニウムフレーク顔料(「アルペース
ト60−600」、東洋アルミニウム社製)をPWCで
10%配合した。次いで、溶剤(水/ブチセロ/ブチル
ジグリコール=50/10/3)とともに攪拌機により
塗装適正粘度になるように攪拌混合し、低湿度用水性塗
料(LP)を調製した。
【0029】高湿度用水性塗料(HP)の調製 水性アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/
エチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレー
ト/メタクリル酸/アクリルアミド/メタクリルアミ
ド、ただし上記高湿度用水性塗料(HP)に用いるアク
リル樹脂中のアミド基のモル数(AAm)および上記低
湿度用の塗料(LP)に用いるアクリル樹脂中のアミド
基のモル数(AAm)含有質量比率は、AAm(HP)
/AAm(LP)=2である)を表1の塗着粘度となる
ような共重合体を調製し、数平均分子量約10000、
水酸基価50、酸価50、固形分50質量%)と、メラ
ミン樹脂(商品名、「ユーバン20N−60」、三井化
学社製、固形分60質量%)とを80:20の固形分質
量比で配合して得たビヒクルに対し、アルミニウムフレ
ーク顔料(「アルペースト60−600」、東洋アルミ
ニウム社製)をPWCで10%配合した。次いで、溶剤
(水/ブチセロ/ブチルジグリコール=50/10/
3)とともに攪拌機により塗装適正粘度になるように攪
拌混合し、高湿度用水性塗料(HP)を調製した。
【0030】
【表1】
【0031】水性塗膜の形成 上記被塗基材の被塗面に、表2に示す塗装中のブースの
雰囲気温度および相対湿度にて乾燥膜厚が15μmにな
るように、先に得た低湿度用水性塗料および高湿度用水
性塗料を表2に示す組み合わせで塗装した。塗装は霧化
型静電塗装機(「Auto REA」、ABBインダス
トリー社製)を用い、霧化エア圧力は、3kg/c
2、パターンエア圧力は、3kg/cm2、吐出量は、
170cc/minで行った。塗装後3分間セッティン
グし、80℃で3分間プレヒートし、室温まで冷却後、
クリヤートップコートを回転霧化型静電塗装機(「マイ
クロマイクロベル」、ABBインダストリー社製)を用
い、35000rpmで吐出量200ccにて塗装し、
7分間セッティングし、140℃の温度で30分間焼き
付けた。また塗膜形成直後の塗着粘度を、RE500型
粘度計(東機産業社製)を用いて測定した。得られた塗
膜のワキ性およびタレ性を下記評価方法で評価し、結果
を表2に示す。
【0032】評価方法 ワキ性:乾燥後塗膜におけるワキの発生の状態を目視で
評価した。 3…ワキの発生なく塗膜外観良好 2…ワキの発生が僅かに認められる 1…ワキの発生が顕著に認められ塗膜外観不良 タレ性:乾燥後における塗膜のタレ発生の状態を目視で
評価した。 3…タレの発生なく塗膜外観良好 2…タレの発生が僅かに認められる 1…タレの発生が顕著に認められ塗膜外観不良
【0033】
【表2】
【0034】表2の結果から明らかのように、本実施例
は、本発明の塗膜形成方法で得た塗装物であり、ワキ、
タレの発生がともになく塗膜の仕上り外観が良好であっ
た。一方、比較例では、ワキまたはタレが発生し、仕上
り外観が十分ではなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明においては、水性塗料を塗装する
に際して、塗装環境である相対湿度の高低にかかわら
ず、上記水性塗料のビヒクルの塗着粘度を、10000
〜100000mPa・sである塗料により水性塗膜を
形成することにより、塗装環境条件に左右されないで、
良好な塗装作業性および形成された塗膜の仕上り外観が
得られる。
【0036】なお、本発明により得られる塗膜は上記良
好な仕上り外観を呈するため、自動車、二輪車等の乗物
外板、部品、容器外面、コイルコーティング、家電業界
等の高仕上り性が要求される分野において好ましく使用
される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 BB91Y CA47 EB22 4J038 CG141 CG171 CH031 CH041 CH121 CH161 CJ031 CJ101 CJ131 FA092 HA036 HA066 HA146 HA266 HA456 HA486 HA546 KA08 MA08 NA01 NA23 PB07 PC02 PC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性塗料を塗装するに際して、塗装環境で
    ある相対湿度の高低にかかわらず、前記水性塗料のビヒ
    クルの塗着粘度が、10000〜100000mPa・
    sである塗料により水性塗膜を形成する水性塗膜形成方
    法。
  2. 【請求項2】前記水性塗料のビヒクルの塗着粘度が、2
    0000〜75000mPa・sである請求項1記載の
    水性塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】前記水性塗料について、適用相対湿度にお
    ける最も高い相対湿度用塗料(HP)と最も低い相対湿
    度用塗料(LP)を用意し、前記最も高い相対湿度と最
    も低い相対湿度との間の相対湿度で水性塗膜を形成する
    際には、前記最も高い相対湿度用塗料(HP)と最も低
    い相対湿度用塗料(LP)を、事前に得た検量線に基づ
    く混合比率で混合する請求項1または2記載の水性塗膜
    形成方法。
  4. 【請求項4】前記最も高い相対湿度用塗料(HP)およ
    び前記最も低い相対湿度用塗料(LP)の塗膜形成樹脂
    は、アミド基含有アクリルモノマーを含有するアクリル
    樹脂である請求項1から3いずれか1項記載の水性塗膜
    形成方法。
  5. 【請求項5】前記最も高い相対湿度用塗料(HP)に用
    いるアクリル樹脂中のアミド基のモル数(AAm)およ
    び前記最も低い相対湿度用塗料(LP)に用いるアクリ
    ル樹脂中のアミド基のモル数(AAm)含有質量比率
    が、AAm(HP)/AAm(LP)=1.2〜3であ
    る請求項1から4いずれか1項記載の水性塗膜形成方
    法。
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