JP2002254014A - 塗工用ブレードおよびそれを用いた塗工紙の製造方法 - Google Patents

塗工用ブレードおよびそれを用いた塗工紙の製造方法

Info

Publication number
JP2002254014A
JP2002254014A JP2001059471A JP2001059471A JP2002254014A JP 2002254014 A JP2002254014 A JP 2002254014A JP 2001059471 A JP2001059471 A JP 2001059471A JP 2001059471 A JP2001059471 A JP 2001059471A JP 2002254014 A JP2002254014 A JP 2002254014A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
blade
base material
layer
coating blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001059471A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahito Shiraishi
雅人 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2001059471A priority Critical patent/JP2002254014A/ja
Publication of JP2002254014A publication Critical patent/JP2002254014A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】塗工用ブレードの寿命が長く、操業安定性に優
れ、均一な塗工層を持つ塗工紙を製造することのできる
塗工用ブレードおよびそれを用いた塗工紙の製造方法を
提供する。 【解決手段】ウェブ上に塗工液を塗工するブレードコー
ターに用いられる塗工用ブレードの塗工用ブレード母材
がクロムを含有する該母材またはクロムを表面加工した
該母材であって、該母材の表面または表面から内部に窒
化処理した窒化処理層を設けたことを特徴とする塗工用
ブレード、また、該窒化処理層上に蒸着被覆層を設けた
ことを特徴とする塗工用ブレード。さらに、その塗工用
ブレード用いて塗工することを特徴とする塗工紙の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗工用ブレードお
よびそれを用いた塗工紙の製造方法に関する。さらに詳
しくは、塗工用ブレードの寿命が長く、操業安定性に優
れ、均一な塗工紙を製造することのできる塗工用ブレー
ドおよびそれを用いた塗工紙の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】塗工紙の生産は、近年になり益々その生
産速度を増すことが重要となっており、塗工機の高速
化、紙幅の増大などや塗工液固形分の高濃度化がなされ
ている。このような状況の中、ブレードコーターは、塗
工量の均一な制御が容易であり、高固形分塗工液の塗工
性に優れ、高速化に対しても比較的容易に対応可能であ
ること、また、品質面に対して平滑性や光沢に優れた塗
工紙を得易いことなどからその果たすや役割は大きなも
のとなってきている。
【0003】ブレードコーターによるウェブへの塗工液
の塗工について、図1を参照しながら説明する。ブレー
ドコーター1は、バッキングロール2の回転により走行
するウェブ3と、ウェブ表面に塗工液6を供給する塗工
液供給手段4と、ウェブ表面の塗工液6を均一な厚みに
制御する塗工用ブレード5と、を具備して構成されてい
る。バッキングロール2、ウェブ3、塗工液供給手段4
および塗工用ブレード5は、図の表裏方向に幅を有する
長尺状となっている。
【0004】このような装置において、塗工用ブレード
5を点線で示したようにローディング角を与えて撓らせ
(塗工用ブレード5を変形させ)、塗工用ブレード5の
先端部のベベル面をウェブ面に接触させてこの部分にブ
レード線圧を生じさせ、走行ウェブ3の面において塗工
液供給手段4から供給させた塗工液6を均一な厚さとな
るように塗工量を制御する。
【0005】従って、ブレードコーター1における塗工
量制御は、主として塗工用ブレード5を機械的に変形さ
せることにより得られる該塗工用ブレード5の反力によ
り行われる。そのため、通常、塗工用ブレード5の材質
としては、高炭素鋼の板が使用される。これは、高炭素
鋼の加工のし易さ、価格、および素材自体が持つバネ力
(弾性)がブレードコーティングの塗工制御機構に適し
ているためである。
【0006】また、高炭素鋼の塗工用ブレードを使用し
た場合、ブレード自体の形状も塗工量を決定させる要因
となる。即ち、ブレードの厚さは、ブレードの剛性に大
きく関係し、目標塗工量を得るための必要線圧の主要素
となる。ブレードの先端の形状を特定するものとしては
ベベル角およびランド面があるが、ベベル角およびラン
ド面ともに大きく、長い方が塗工量を減らす効果があ
る。しかしながら、これらの関係は、ベベル面の長さお
よびベベル面の変形に対応する厚みによる断面係数など
が複雑に絡み、単純な関係ではない。
【0007】ところで、一般にブレードコーティングに
おける塗工量については、片面5〜20g/m2位が通常
であり、このとき均一な品質を得るためには、塗工量の
変動をウェブの幅方向、流れ方向(走行方向)にわたっ
て少なくしなければならない。塗工の均一性を確保する
上で必要なことは、アプリケートされた塗工液の不均一
な流動に起因する塗工用ブレードにかかる圧力ムラを広
く幅方向で消去することであり、このためには塗工用ブ
レード全体にそれに打ち勝つだけのバネ力(弾性に依
存)が必要となる。これは、圧力ムラに対する変形を少
なくするために、塗工用ブレードにある厚みが必要であ
ることを意味している。
【0008】一方、塗工量は塗工紙品質の観点より決め
られている。塗工用ブレードの厚みは、塗工量の点より
ある制約を受けるが、紙との接触するベベル面の長さお
よび塗工液と接する点での塗工用ブレードの外部圧力に
対する変形量とのバランスから決められる。
【0009】また、たとえ塗工用ブレードの厚みと塗工
量とがバランスする塗工用ブレードを選択した場合にお
いても、ベベル面における経時的な変形の存在が塗工紙
品質に影響を及ぼすことが知られている。
【0010】すなわち、高炭素鋼塗工用ブレードを用い
た実際の塗工においては、塗工量に合わせて最適のブレ
ードが選択され、このブレードにより走行ウェブ上に塗
工液が均一な厚さで塗工される。この場合、塗工開始か
ら一定時間内では良好な塗工結果が与えられるが、長時
間の塗工により急速な摩耗を受け、その塗工条件は断続
的に変化する。このブレード摩耗は、一般に用いられて
いる塗工液が粘土の顔料分散液であるために生じるもの
である。
【0011】塗工用ブレード摩耗に伴う変化は、通常塗
工量の減少として現れ、これを制御するために、操業現
場では塗工用ブレード線圧を低下させなければならない
ため、結果として塗工用ブレードの変形量の減少を伴っ
てくる。この塗工用ブレードの変形量の減少が進むと、
これと並行する形でウェブの幅方向の塗工液のアプリケ
ートムラ、塗工用ブレードのクランプ時の幅方向ムラ、
熱による変形ムラが現れ、塗工紙の塗工量幅方向プロフ
ァイルが悪化する。この原因は、アプリケートされた塗
工液の幅方向不均一性に対して、塗工用ブレードによる
塗工量制御が対処不可能になるためや、塗工用ブレード
自体の形状が有する幅方向の不均一性によると考えられ
る。
【0012】従って、高炭素鋼塗工用ブレードを使用し
た場合、前記したプロファイルの悪化のためにわずか数
時間使用の後に塗工用ブレードを交換しなければなら
ず、操業上の観点から問題があった。
【0013】最近このような問題に対し、ブレード形状
の改良、耐磨耗性を有する材料のブレード表面への被覆
などが提案されている(例えば、特開昭59−8899
5号公報)。高炭素鋼ブレード表面に耐摩耗性材料を被
覆する方法としては、プラズマ熔射法やセラミック板を
貼り付ける方法などが提案されている。
【0014】プラズマ熔射法により高炭素鋼ブレードに
耐摩耗性材料を吹き付ける方法の場合、ブレード表面に
おける熔射後の耐摩耗性材料は、その製法故に、熔射セ
ラミック粒子の集合体状態が粗となり、見掛け体積に占
めるセラミック部体積が少なく、塗工時のセン段力によ
り、粒子の脱落が生じ易く、スクラッチ、ストリークと
言った塗工欠陥が発生し易いものとなっている。
【0015】また、高炭素鋼の塗工用ブレードに比べて
コストが数倍高いので、一部分の粒子脱落により塗工用
ブレード全てを交換するのは、経済的な負担が大きいと
いう欠点がある。
【0016】また、プラズマ熔射法による塗工用ブレー
ドを使用した場合、操業条件においては、高炭素鋼ブレ
ードが摩耗して、塗工量制御を行うためにブレード線圧
を下げざるを得ない状況に似た問題に対面する。
【0017】すなわち、塗工におけるブレード変形量の
低下を生じさせる。これは、プラズマ熔射法によるセラ
ミック素材が高炭素鋼よりも脆く、堅い素材で弾性に乏
しいため、セラミック素材を被覆し、複合材料の塗工用
ブレードとして使用した場合、高炭素鋼塗工用ブレード
よりも高炭素鋼とセラミックとの複合部が堅くなり剛性
が局部的に増大することと、ブレード先端部の作用面で
は、走行ウェブに沿っての変形が殆ど無く、ウェブに対
しフィット性が乏しくなり、接触面積が低下することに
起因し、塗工量が付き難くなり、ブレード線圧を下げる
方向、即ちブレード変形量を小さくせざるを得なくなる
現象が生じる。
【0018】ブレードコーティングは、塗工用ブレード
全体を機械的に変形させることにより、得られる塗工用
ブレードの反力(バネ力であり、弾性に依存する。)に
よって塗工量制御を行うため、この反力が弱いとブレー
ド先端の押さえが効かず、塗工液の液圧を押さえきれ
ず、幅方向プロファイルを乱す原因となり、ストリーク
増加を招く。従って、高炭素鋼塗工用ブレードに比べ、
プラズマ熔射法ブレードは反力を弱くして使用せざるを
得ないために、幅方向プロファイル、ストリークの点で
問題が生じ易くなる。
【0019】この問題は、プラズマ熔射法によるセラミ
ック素材が高炭素鋼よりも脆く堅い素材であり、弾性が
少ないがために生じる問題で、耐摩耗性材料を被覆し、
複合材料としてブレードに使用する場合、避けられない
現象である。
【0020】一方、高炭素鋼ブレードにセラミック板を
貼り付ける方法(以下、貼り付け法と呼ぶ。)では、耐
摩耗性の点で優れたセラミック、例えば、燒結体セラミ
ック、が使用可能となるため、粒子の結合が密で欠落と
いった心配は無くなる。しかし、ブレードにおける高炭
素鋼とセラミックとの複合部が堅くなることによりブレ
ード線圧を弱くし、ブレード変形量を小さくして使用せ
ざるを得ないために生じるという問題、すなわち幅方向
プロファイルの制御が難しくなるという問題、およびス
トリークが発生し易くなるという問題がより顕著とな
る。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、走行
ウェブ上に塗工液を均一な厚みに塗工するためのブレー
ドコーターに用いられ、クロムを含有する塗工用ブレー
ド母材に窒化処理した塗工用ブレードであって、該塗工
用ブレードの寿命が長く、操業安定性に優れ、均一な塗
工紙を製造することのできる塗工用ブレードおよびそれ
を用いた塗工紙の製造方法を提供するものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に鑑
み鋭意研究した結果、本発明の塗工用ブレードおよびそ
れを用いた塗工紙の製造方法を発明するに至った。
【0023】即ち、本発明における第1の発明の塗工用
ブレードは、ウェブ上に塗工液を塗工するブレードコー
ターに用いられる塗工用ブレードの塗工用ブレード母材
がクロムを含有する該母材またはクロムを表面加工した
該母材であって、該母材の表面または表面から内部に窒
化処理した窒化処理層を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0024】また、本発明における第2発明の塗工用ブ
レードは、ウェブ上に塗工液を塗工するブレードコータ
ーに用いられる塗工用ブレードの塗工用ブレード母材が
クロムを含有する該母材またはクロムを表面加工した該
母材であって、該母材の表面または表面から内部に窒化
処理した窒化処理層を設け、さらに該窒化処理層上に蒸
着被覆層を設けたことを特徴とするものである。
【0025】上記第2の発明において、蒸着被覆層が、
窒化クロム、窒化チタン、窒化アルミニウムチタンから
選ばれるいずれか1種の蒸着被覆層であることを特徴と
する。
【0026】上記第1および第2の発明において、塗工
用ブレード母材が、クロムを10〜30重量%含有する
ことを特徴とする。
【0027】また、クロムを含有する塗工用ブレード母
材としては、ステンレス鋼であることが好ましい。
【0028】さらに、窒化処理層としては、800〜1
700Hvのビッカース硬度を有することが好ましい。
【0029】また、本発明の塗工紙の製造方法は、上記
第1および第2の発明における塗工用ブレードを用いて
ウェブ上に塗工液を塗工することを特徴とするものであ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明は、ウェブ上に塗工液を塗
工するブレードコーターに用いられる塗工用ブレードの
塗工用ブレード母材(以下、単に母材と称することもあ
る。)が、クロムを含有する該母材またはクロムを表面
加工した該母材であり、これらの該母材に対して、窒化
処理を施すこと、または窒化処理した上に蒸着被膜処理
を施すことによって、表面硬度を高めた塗工用ブレード
とするものであり、さらには、それらの塗工用ブレード
を用いた塗工紙の製造方法である。
【0031】本発明において、塗工用ブレード母材に対
する窒化処理する方法としては、減圧炉による窒素原子
の拡散原理を利用した減圧ガス窒化処理方法を使用する
ものである。
【0032】窒化処理する方法は、塗工用ブレード母材
を減圧炉内に装填し、減圧した炉内にアンモニアガスと
窒化促進ガスを導入し、炉内温度を480〜550℃に
加熱し、3〜5時間保持して、該母材に窒素を拡散させ
ることで、クロムとの反応によって窒化処理層を生成さ
せる方法である。
【0033】また、本発明に使用する窒化処理する方法
は、塗工用ブレード母材の表面から内部に向かい、窒素
が浸透、拡散しながら、該母材中のクロムと結合し、窒
素拡散層を形成するものであるため、該母材表面および
該母材自体に、反りや、膨張などの寸法変化を生ずるこ
とがほとんどない。
【0034】この窒化処理する方法を行うことにより、
窒化処理層が生成されるが、ここで、「窒化処理層」と
は、母材表面で生成される窒素化合物による窒素化合物
層と、表面から内部に向かって生成される窒素拡散層と
を意味するものである。
【0035】本発明において、窒化処理する方法では、
処理温度、処理時間を制御することによって硬化層、即
ち窒素拡散層の深さを制御することができる。また、紙
の幅方向に均一さを要求される塗工用ブレード表面を均
一に硬化することができる。また、上記窒化処理する方
法によれば、表面から内部への硬度低下がなだらかなた
め、表面層の剥離や欠損を生ずることもないという利点
も有する。
【0036】上述のように、窒化処理する方法は、母材
中に存在するクロムと、導入されるアンモニアとの反応
により、窒化クロムを形成させるものであるため、加工
に供される該母材は、クロムを含有するかクロムを表面
加工することが必要であり、窒化処理層を設ける母材部
位に、クロムが10〜30重量%含有することが好まし
い。
【0037】ここで、クロム含有量が10重量%未満で
あると、窒化処理する方法に寄与するクロム含有量が少
ないために顕著な表面強度の向上効果が十分には得られ
にくい。また、クロムが30重量%を超えて多く含有さ
れると表面硬度は高くなるが、その反面脆くなり実用に
耐えられなくなる。
【0038】一般的に、紙の幅方向に均一な塗工層を持
つ塗工紙を安定して製造するには、塗工用ブレードに弾
性があり、ブレード変形量が多い状態での使用が必要と
なることから、それらの母材には、炭素鋼やステンレス
鋼などが用いられることが多い。しかし、弾性のある炭
素鋼やステンレス綱の塗工用ブレードでは、磨耗による
ブレード変形量の低下が避けられず、セラミック溶射や
セラミック貼り付けをしたブレードでは先端の弾性不足
により塗工開始時からブレード変形量が低い状態での塗
工となり、充分な操業安定性が得られない。
【0039】一方、本発明においては、比較的弾性を持
つクロムを含有する塗工用ブレードの母材表面を、ビッ
カーズ硬度が800〜1700Hvの範囲内に入るよう
に窒化処理を施すことにより、充分なブレード変形量を
可能とする弾性と寿命の両方を満足させることが可能に
なったのである。
【0040】以上の理由により、本発明に用いられる塗
工用ブレードを表面加工する上で、表面加工の指標とさ
れるビッカース硬度を800〜1700Hvの範囲内に
することが好ましい。ここで、ビッカーズ硬度が800
Hv未満の場合には、磨耗により塗工用ブレードの寿命
が短くなり、ブレード変形量の低下により塗工層の紙の
幅方向の均一さが損なわれることがある。また、170
0Hvを超える場合には、塗工用ブレード自体が堅くな
るが、逆に脆くなる傾向にあり、また寿命も短くなる傾
向にあり、経済性の面でも低下する方向である。
【0041】本発明におけるビッカーズ硬度は、窒化処
理層を設けた塗工用ブレード表面についてのビッカース
硬度であり、JIS Z 2244に準拠して測定した
値である。
【0042】本発明の塗工用ブレードの窒化処理層の厚
さは、10〜150μmであることが好ましい。さらに
好ましくは、20〜100μmである。窒化処理層が1
0μm未満の場合には、表面加工が非常に難しく、かつ
目的の表面硬度を均一に得ることも難しく、表面硬度に
ムラが発生することにより、窒化処理層が脆弱になり、
摩耗による叩解品質および操業性の両方を維持すること
が難しく実用的ではない。
【0043】また、表面からの窒化処理層が150μm
を超えて厚いと、塗工用ブレード自体の弾性が低下し、
硬度はあるものの塗工用ブレード自体は逆に脆くなる。
【0044】また、本発明における第2の発明は、クロ
ムを含有する塗工用ブレード母材に上述の窒化処理する
方法によって窒化処理層を施した上に、蒸着被膜層を設
けた塗工用ブレードである。
【0045】蒸着被膜層は、好ましくは窒化クロム、窒
化チタン、窒化アルミニウムチタンから選ばれるいずれ
か1種の窒化処理層である。
【0046】蒸着被膜層を設ける方法としては、塗工用
ブレード母材に窒化処理層を施した上に、蒸着被膜層を
施す方法である。直接、塗工用ブレード母材に蒸着被膜
層を施す場合、塗工用ブレード母材と蒸着被膜層の表面
硬さの差が大きいために、塗工用ブレード母材に直接蒸
着被膜層を加工しても剥離などを生じやすく、蒸着被膜
層の有する高い表面硬さを充分に生かすことができな
い。そこで、窒化処理層を予め塗工用ブレードに施すこ
とにより、該母材の表面硬さを高めることができ、それ
によって、窒化処理層を施した該母材と蒸着被膜層の剥
離を防止することができる。
【0047】本発明において、蒸着被膜を施す方法とし
ては、特に限定されるものではなく、慣用の種々の方
法、例えば、CVD法、PVD法、イオンプレーティン
グ法などを使用することができる。これらの中で、イオ
ンプレーティング法は、CVD法に比べて、低温で成膜
でき、塗工用ブレード母材への密着性にも優れているた
めに特に好ましい。
【0048】本発明において、蒸着被膜層の厚さは、2
〜10μm、好ましくは、3〜6μmである。ここで、
蒸着被膜層の厚さが2μm未満であると、実用耐久性に
劣るために好ましくなく、また、厚さが10μmを超え
ると後述するように、蒸着被膜層を施した後の窒化処理
の際に、窒素原子の浸透性に問題を生ずることがあるた
めに好ましくない。
【0049】本発明の他の実施態様によれば、塗工用ブ
レード母材の表面に、先ず蒸着被膜層を設け、次に窒化
処理を行うこともできる。この方法によれば、塗工用ブ
レードの仕上がり方法が、塗工用ブレード母材+蒸着被
膜層の寸法となり、窒化処理を施す前に仕上がり寸法と
は異なる不良品を予め除くことができる。
【0050】また、表面に存在する蒸着被膜層を介し
て、塗工用ブレード母材を窒化処理することにより、一
体的に窒化処理を行うことができ、蒸着被膜層の該母材
への付着をより強固なものとすることができる。この方
法は、正確な寸法が要求される塗工用ブレードの表面強
化に適した方法である。
【0051】本発明においては、塗工用ブレード母材と
しては、クロムを含有するものと、クロムを含有しない
ものとがあり、クロムを含有する場合は、上記窒化処理
する方法を用いて、窒化処理層を設けることができる。
また、クロムを含有しないものでは、適宜、母材表面に
窒化処理層を所望の塗工用ブレード部位に、メッキ、溶
射などで表面処理を行ってクロムを表面加工したクロム
加工層を設けることでよい。このクロム加工層をターゲ
ットにして、窒化処理を施し、窒化処理層を設けること
も可能である。
【0052】本発明のクロムを含有する塗工用ブレード
母材としては、クロムを含有しているステンレス鋼が好
ましい。本発明に使用できるステンレス鋼には、例え
ば、オーステナイト質(Cr−Ni系,300系列)、
フェライト質(17〜27Cr,400系列)、マルテ
ンサイト質(12〜17Cr,400系列)の他、Ni
の一部をMnで置換したオーステナイト質(Cr−Ni
−Mn系,200系)および析出硬化型(Cr−Ni−
Cu系とCr−Ni−Al系,600系列)とが挙げら
れる。
【0053】特に好ましいステンレス鋼としては、30
0系列のオーステナイト質であり、オーステナイト質で
は、高い炭素溶解度とCrの強い炭化物生成能力のため
に侵炭に対する抵抗が小さく、初期に形成する薄い窒化
層がその後の窒素侵入を阻止することから、窒素化への
抵抗が大きくなり、本発明では、炭素溶解度の低いオー
ステナイト質のステンレス鋼が好ましく使用される。
【0054】また、クロムを含有しない塗工用ブレード
母材としては、例えば、鋳鋼、セラミック、耐熱性プラ
スチック、アルミニウム、銅などが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0055】上記塗工用ブレードを使用したブレードコ
ーターで用いられるウェブは、紙が主として用いられる
が、不織布、プラスチックフィルム、合成紙、金属箔な
ど、あるいは、これに顔料などを塗設したシート、ある
いは、これらを組み合わせた複合シートを任意に用いる
ことが可能である。さらに、ウェブとして、樹脂、金
属、木材などの板状体を用い、これらの表面に塗工液を
塗工することも可能である。
【0056】なお、ウェブとして用いられる紙は、LB
KP、NBKP、などの化学パルプ、GP、PGW、R
MP、TMP、CTMP、CMP、CGP、などの機械
パルプ、DIPなどの古紙パルプなどのパルプを含み、
軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、ク
レー、カオリンなどの各種の填料、サイズ剤、定着剤、
歩留まり剤、カチオン化剤、紙力増強剤、などの各種添
加剤を含み、酸性、中性、アルカリ性で抄造されても良
い。また、ノーサイズプレス紙、澱粉、ポリビニルアル
コールなどでサイズプレスされた紙、もしくは顔料塗工
液を下塗りした紙などを用いても良い。
【0057】本発明の塗工液に用いる顔料は、特に限定
されず、通常使用されるものを使用することが可能であ
り、具体的には、カオリン、炭酸カルシウム、クレー、
サチンホワイト、タルク、酸化チタン、焼成カオリン、
水酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛、活性白土、酸
性白土、珪素土、レーキ、プラスチックピグメントなど
が挙げられる。
【0058】本発明の塗工液に用いるバインダーとして
は、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、
酢ビ系・アクリル系、エチレン・酢ビ系・ブタジエン・
メチルメタクリル系、酢ビ・ブチルアクリレート系など
の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレ
イン酸・スチレン共重合体、イソブテン・無水マレイン
酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重
合体などの合成バインダー、酸化澱粉、エーテル化澱
粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシ
ュドライして得られる冷水可溶性澱粉、カゼイン、大豆
蛋白などの天然系バインダーなどの一般に知られたバイ
ンダーが挙げられる。
【0059】また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保
水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤などの通常用いられて
いる各種助剤を適宜使用することもできる。
【0060】上記構造の塗工用ブレードが装着されたブ
レードコーターとしては、各種ブレードコーターが使用
でき、ロールアプリケーション方式、ファウンテンアプ
リケーション方式、ショートドウェル方式、ロングドウ
ェル方式、プレブレード方式、ソリッドクランプ方式、
チューブクランプ方式などを組み合わせて使用する。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、本発明は実施例に限定されるものではない。また、
実施例記載中の「部」および「%」はそれぞれ「重量
部」および「重量%」を示す。
【0062】[クロム含有塗工用ブレードの母材に窒化
処理] 実施例1 オーステナイト質のステンレス鋼製(300系列)から
なる塗工用ブレード母材(クロム含有量10%、ビッカ
ース硬度370Hv)を用いて、該母材表面に窒化処理
を行った。窒化処理に当たっては、塗工用ブレードを減
圧炉に装填し、10-3mmHg程度の圧力に減圧し、ア
ンモニア20〜40体積%、水素5〜15体積%、酸素
2〜8体積%、残部が窒素よりなる混合ガスを導入し、
炉内温度480〜550℃で、3〜5時間適宜調節して
保持することにより塗工用ブレード母材表面に窒化処理
層を形成させた。得られた塗工用ブレードには窒化処理
層が強固に付着、形成されていた。なお、塗工用ブレー
ドの断面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、塗
工用ブレードの表面から内部に10μmの範囲に渡って
窒化処理層が形成されていることが確認された。また、
塗工用ブレード表面のビッカース硬度は、900Hvで
あった。
【0063】実施例2 実施例1でクロム含有量を20%とした以外は実施例1
と同様にして塗工用ブレード母材に窒化処理層を形成
し、塗工用ブレードを作製した。窒化処理層の厚さは2
0μm、ビッカース硬度は1100Hvであった。
【0064】実施例3 実施例1によるクロム含有量を25%とした以外は実施
例1と同様にして塗工用ブレード母材に窒化処理層を形
成し、塗工用ブレードを作製した。窒化処理層の厚さは
25μm、ビッカース硬度は1300Hvであった。
【0065】実施例4 実施例1によるオーステナイト質のステンレス鋼製(3
00系列)の代わりにフェライト質ステンレス鋼を用
い、クロム含有量を30%とした以外は実施例1と同様
にして塗工用ブレード母材に窒化処理層を形成し、塗工
用ブレードを作製した。窒化処理層の厚さは35μm、
ビッカース硬度は1500Hvであった。
【0066】比較例1 [クロム含有塗工用ブレードの母材に炭化サーメット処
理]実施例1の塗工用ブレード母材に窒化処理する代わ
りに、炭化サーメット加工を施して塗工用ブレードとし
た。炭化サーメット層の厚さは90μm、ビッカース硬
度は1100Hvであった。
【0067】[クロム含有塗工用ブレードの母材に窒化
ホウ素処理] 比較例2 実施例1の塗工用ブレード母材に窒化処理する代わり
に、窒化ホウ素を表面加工して塗工用ブレードとした。
窒化ホウ素層の厚さは110μm、ビッカース硬度は1
100Hvであった。
【0068】[クロムモリブデン鋼塗工用ブレードの母
材に高周波焼き入れ処理] 比較例3 クロムモリブデン鋼製からなる塗工用ブレードの母材を
用いて該母材表面に高周波焼き入れ処理を行った。表面
処理層の厚さは300μm、ビッカース硬度は1000
Hvであった。
【0069】[クロム加工層を設けた塗工用ブレードの
母材に窒化処理] 実施例5 表面硬度がビッカース硬度が400Hvの炭素鋼からな
る塗工用ブレード母材の表面に、クロムメッキ法により
メッキ厚み90μmとなるようにクロム加工層を設け
た。続いて、クロム加工層上に、実施例1と同様の窒化
処理条件とし、窒化処理層を形成させ、塗工用ブレード
を作製した。ここで、クロムメッキ層のクロム含有量は
100%であった。また、窒化処理層の厚さは60μ
m、ビッカース硬度は1000Hvであった。
【0070】[窒化処理層を設けたクロム含有塗工用ブ
レード母材に蒸着被膜処理] 実施例6 実施例4の条件により窒化処理層を形成させた。得られ
た塗工用ブレード母材の窒化処理層の厚みは35μm、
ビッカース硬度は1500Hvであった。この塗工用ブ
レードに、蒸着被膜層を次のようにして設けた。金属チ
タンをターゲットとする真空アーク放電型インオプレー
ティング装置にて、バイアス電圧−40〜−60V、ア
ーク電流80〜120A、窒素圧力20mmToorの
条件で適宜調整し、加工することにより厚さ2〜3μm
の蒸着被膜層を窒化処理層を設けた塗工用ブレード表面
に形成した。蒸着被膜層は、塗工用ブレードに強固に付
着していた。得られた塗工用ブレードの断面を走査型電
子顕微鏡により観察したところ、塗工用ブレードの表面
から3μmの範囲に窒化チタンの蒸着被膜層が形成され
ていることが確認された。
【0071】実施例7 実施例3の条件により窒化処理層を形成させた。得られ
た塗工用ブレード母材の窒化処理層の厚みは25μm、
ビッカース硬度は1300Hvであった。この塗工用ブ
レードに、蒸着被膜層を次のようにして設けた。金属チ
タンをターゲットとする真空アーク放電型インオプレー
ティング装置にて、バイアス電圧−40〜−60V、ア
ーク電流80〜120A、窒素圧力20mmToorの
条件で適宜調整し、加工することにより厚さ2〜3μm
の蒸着被膜層を窒化処理層を設けた塗工用ブレード表面
に形成した。蒸着被膜層は、塗工用ブレードに強固に付
着していた。得られた塗工用ブレードの断面を走査型電
子顕微鏡により観察したところ、塗工用ブレードの表面
から3μmの範囲に窒化チタンの蒸着被膜層が形成され
ていることが確認された。
【0072】上記実施例1〜9および比較例1〜3によ
り作製した塗工用ブレードについて、下記の評価方法に
より評価し、その結果を表1に掲げた。また、各々の塗
工用ブレードの特性値を表1に併せて掲げた。
【0073】<塗工用ブレードの寿命>塗工用ブレード
をブレードコーターに装着し、塗工速度1000m/分
にて連続操業した後の寿命について、評価した。評価に
当たっては、塗工用ブレードの刃先の摩耗状態を目視観
察し、使用可能状態を通算時間で表した。
【0074】
【表1】
【0075】評価:上記表1より、本発明による実施例
1〜7の塗工用ブレードは、寿命が長いことが明らかで
ある。特に、窒化処理層を施した実施例1〜4の塗工用
ブレードではビッカース硬度が900Hv以上であり、
寿命が長いことがわかる。また、窒化処理層に蒸着被覆
層を施した実施例6〜7の塗工用ブレードについては、
1000Hv以上であり、寿命が長かった。一方、比較
例1および比較例2の塗工用ブレードは、それぞれ、炭
化サーメット、窒化ホウ素処理を施したものであるが、
ビッカース硬度が1100Hvと高いにもかかわらず、
寿命が短いことがわかる。また、比較例3のクロムモリ
ブデン鋼製の塗工用ブレードは、ビッカース硬度100
0Hvであるが、寿命が短かった。
【0076】続いて、本発明の塗工用ブレードを装着し
たブレードコーターにより、塗工紙を製造した。使用し
た原紙および塗工液は下記のとおりである。
【0077】<原紙>リファイナー処理により、カナダ
標準濾水度で350mlに叩解したLBKP25部、4
20mlに叩解したNBKP75部からなるパルプスラ
リーを調製した。このパルプスラリーに、軽質炭酸カル
シウムを紙配分で10%になるように添加し、次いでア
ルキルケテンダイマー0.03部、カチオン化デンプン
0.2部、カチオン系ポリアクリルアマイド歩留まり向
上剤0.03部を添加して紙料スラリーを調製した。こ
の紙料スラリーを用い、長網抄紙機により抄造し、坪量
60g/m2の原紙を製造した。
【0078】<塗工液>以下の配合からなる全固形分濃
度63%の塗工液を調製した。 湿式粉砕重質炭酸カルシウム :15部 2級カオリン :85部 ポリアクリル酸系分散剤 :0.1部 燐酸エステル化澱粉 :1部 スチレンブタジエンラテックス :18部 ステアリン酸カルシウム :0.3部 水酸化ナトリウム :0.15部
【0079】実施例8〜10および比較例4〜6 上記実施例1、3、6による塗工用ブレードを用いてそ
れぞれ実施例8、9、10とし、比較例1、3による塗
工用ブレードを用いてそれぞれ比較例4、5とし、これ
らをブレードコーターに装着して、塗工速度1000m
/分にて上記の原紙に塗工液を塗工し、塗工用ブレード
の10時間経過時点での塗工紙の評価を行った。塗工紙
の評価方法は、下記のとおりである。 <幅方向における塗工量プロファイル>通常の高炭素鋼
塗工用ブレード使用状態を基本にし、その状態を基準と
して、その状態よりも極めて良好な場合を◎、良好な場
合を○、同等な場合を△、劣る場合を×として4段階で
比較評価を行った。
【0080】<塗工紙面質>製造された塗工紙につい
て、以下の条件でスーパーカレンダー仕上を行い、塗工
紙の不均一な微少光沢ムラを評価した。許容限度は○以
上である。 ・ニップ数 :10(塗工紙の表裏各面に5回づつ剛性
ロール面が当たるようにニップを形成する。) ・剛性ロール:チルドロール、外径400mm ・弾性ロール:コットンロール、外径420mm ・処理速度 :600m/分 ・線圧 :250kg/cm ・ホローロール温度:65℃
【0081】
【表2】
【0082】評価:上記表2から明らかなように、実施
例8〜10では窒化処理を施した塗工用ブレードである
ことから、塗工量プロファイル、塗工紙面質ともに良好
な結果であった。一方、比較例4、5の塗工用ブレード
は、それぞれ炭化サーメット、高周波焼入れを施したも
のであり、塗工量プロファイル、塗工紙面質共に劣っ
た。
【0083】
【発明の効果】本発明の塗工用ブレードは、クロムを含
有するステンレス鋼などの塗工用ブレードの母材または
クロム加工層を設けた塗工用ブレードの母材に、窒化処
理層を設けた塗工用ブレード、また該窒化処理層上に蒸
着被覆層を設けた塗工用ブレードであり、硬質な表面を
有するもので寿命が長く、また、塗工用ブレードを用い
た場合には操業安定性に優れ、均一な塗工紙を製造する
ことができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月21日(2001.3.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレードコーターの概略図である。
【符号の説明】 1 ブレードコーター 2 バッキングロール 3 ウェブ 4 塗工液供給手段 5 塗工用ブレード 6 塗工液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AC02 AC05 AC53 AC72 AC80 CA48 DA04 DA06 DB01 DB18 DB20 DB21 DB31 EB07 EB12 EB13 EB14 EB19 EB20 EB22 4F041 AA11 AB02 BA05 BA56 CA02 CA12 CA22 4F042 AA22 DD02 DD07 DD46 4L055 AG11 AG27 AG63 AG76 AG89 AJ04 BE08 CH12 CH30 EA27 EA32 FA22 GA19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェブ上に塗工液を塗工するブレードコ
    ーターに用いられる塗工用ブレードの塗工用ブレード母
    材がクロムを含有する該母材またはクロムを表面加工し
    た該母材であって、該母材の表面または表面から内部に
    窒化処理した窒化処理層を設けたことを特徴とする塗工
    用ブレード。
  2. 【請求項2】 ウェブ上に塗工液を塗工するブレードコ
    ーターに用いられる塗工用ブレードの塗工用ブレード母
    材がクロムを含有する該母材またはクロムを表面加工し
    た該母材であって、該母材の表面または表面から内部に
    窒化処理した窒化処理層を設け、さらに該窒化処理層上
    に蒸着被覆層を設けたことを特徴とする塗工用ブレー
    ド。
  3. 【請求項3】 蒸着被覆層が、窒化クロム、窒化チタ
    ン、窒化アルミニウムチタンから選ばれるいずれか1種
    の蒸着被覆層であることを特徴とする請求項2記載の塗
    工用ブレード。
  4. 【請求項4】 塗工用ブレード母材が、クロムを10〜
    30重量%含有することを特徴とする請求項1、2また
    は3記載の塗工用ブレード。
  5. 【請求項5】 クロムを含有する塗工用ブレード母材
    が、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1、
    2、3、または4記載の塗工用ブレード。
  6. 【請求項6】 窒化処理層が、800〜1700Hvの
    ビッカース硬度を有することを特徴とする請求項1、
    2、3、4、または5記載の塗工用ブレード。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の塗工用ブレード
    を用いてウェブ上に塗工液を塗工することを特徴とする
    塗工紙の製造方法。
JP2001059471A 2001-03-05 2001-03-05 塗工用ブレードおよびそれを用いた塗工紙の製造方法 Pending JP2002254014A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001059471A JP2002254014A (ja) 2001-03-05 2001-03-05 塗工用ブレードおよびそれを用いた塗工紙の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001059471A JP2002254014A (ja) 2001-03-05 2001-03-05 塗工用ブレードおよびそれを用いた塗工紙の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002254014A true JP2002254014A (ja) 2002-09-10

Family

ID=18919029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001059471A Pending JP2002254014A (ja) 2001-03-05 2001-03-05 塗工用ブレードおよびそれを用いた塗工紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002254014A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006015340A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Metso Paper Inc カーテンコーター
JP2006118078A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Daio Paper Corp 塗工紙の製造方法及び製造設備
JP2006124864A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Daio Paper Corp 印刷用塗工紙の製造方法
JP2006124863A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Daio Paper Corp 印刷用塗工紙の製造方法
JP2006132018A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Daio Paper Corp 塗工紙の製造方法及び製造設備

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006015340A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Metso Paper Inc カーテンコーター
JP2006118078A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Daio Paper Corp 塗工紙の製造方法及び製造設備
JP2006124864A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Daio Paper Corp 印刷用塗工紙の製造方法
JP2006124863A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Daio Paper Corp 印刷用塗工紙の製造方法
JP2006132018A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Daio Paper Corp 塗工紙の製造方法及び製造設備

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0383466B1 (en) A Yankee cylinder and a method for coating a Yankee cylinder
JP4057138B2 (ja) 抄紙機/板紙抄紙機もしくは仕上げ機のロール、その製造方法、およびそのコーティング組成
GB2130924A (en) Doctor blade
EP0696648B2 (en) Corrugating roll and manufacturing method thereof
US6681692B2 (en) Self-adjusting blade
CA1314164C (en) Roll for use in fabrication of coated paper
JP2002254014A (ja) 塗工用ブレードおよびそれを用いた塗工紙の製造方法
JP2008207219A (ja) プレス用金型
WO2023025438A1 (en) A method of applying a wear-resistant coating on a yankee drying cylinder
JPH10315011A (ja) 硬質膜被覆工具及び硬質膜被覆ロール並びに硬質膜被覆金型
JP2571849B2 (ja) 耐アルカリ性に優れた塗工紙用ロール
JP2010018918A (ja) 印刷用塗工紙の製造方法
JP4745639B2 (ja) 印刷用塗工紙の製造方法
JP2002283284A (ja) フォーム印刷機用ミシン刃
JP2011127171A (ja) 溶融金属めっき浴用ロール
JP4745640B2 (ja) 印刷用塗工紙の製造方法
WO2020194899A1 (ja) 被覆切削工具
JP2001073290A (ja) 製紙用ドクター
US20050100673A1 (en) Method for the surface treatment of a doctor element
US6059881A (en) Coater blades and their manufacturing methods
JPH09173943A (ja) ドクターブレード、ブレードコーター及び塗工紙の製造方法
JP2001247954A (ja) コアチャックノーズおよびそれを用いたロールコアの支持方法
JP2987194B2 (ja) 耐摩耗性チルド鋳鉄
JP7410385B2 (ja) 被覆切削工具
JP5232902B2 (ja) コーターブレードおよびコーターブレードの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070913

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071030