JP2002252107A - 冷間加工性に優れた軟質磁性材料の製造方法 - Google Patents
冷間加工性に優れた軟質磁性材料の製造方法Info
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- JP2002252107A JP2002252107A JP2001048356A JP2001048356A JP2002252107A JP 2002252107 A JP2002252107 A JP 2002252107A JP 2001048356 A JP2001048356 A JP 2001048356A JP 2001048356 A JP2001048356 A JP 2001048356A JP 2002252107 A JP2002252107 A JP 2002252107A
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Abstract
ー、磁気シールド等に使用される冷間加工性に優れた軟
質磁性材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:≦0.03%、Si:
0.1〜3.0%、Mn:≦0.5%、P:≦0.1
%、Cr:4.0〜20.0%、Al:0.1〜4.0
%、N:≦0.02%、O:≦0.01%、残部Feお
よび不可避的不純物からなる成分組成の大断面ブルーム
や鋼塊を分塊圧延後、傾斜圧延した鋼片を熱間穿孔型圧
延または2重式圧延することを特徴とする冷間加工性に
優れた軟質磁性材料の製造方法。さらに加えて、Zr,
Ti,Nb,Vの1種以上を合計で2.0%以下、さら
に、Mo,Cu,Niの1種以上を合計で2.0%以
下、さらにS,Pb,Bi,Se,Te,Caの1種以
上を合計で0.3%以下としたことを特徴とする冷間加
工性に優れた軟質磁性材料の製造方法。
Description
ソレノイドや各種センサー、磁気シールド等に使用され
る冷間加工性に優れた軟質磁性材料の製造方法に関する
ものである。
は、磁気特性を改善させるためAlおよびSiが添加さ
れている。これら元素の作用により通常の2重式圧延で
棒鋼および線材を製造した場合、[100]方向の結晶
粒が優位となるため結晶粒異方性が強くなり磁気特性は
向上するが、冷間加工性は著しく低下する。このためフ
ェライト系ステンレス鋼においては、鋼板では冷間での
クロス圧延と熱処理を繰り返すことにより結晶粒を均一
化することができ[CAMP ISIJ Vol.6
(1993)−742]、打抜き性等の冷間加工性を向
上させることができるとされているが、棒鋼や線材には
適用が困難であった。一方、低炭素の軟質磁性材料にお
いては、冷間加工性を向上させるため、更なる極低炭素
化、圧延加熱温度の低下や伸線−熱処理を施すことによ
り、結晶粒の微細化や均一化が行われていた。しかしな
がら、上記の方法で製造された棒鋼や線材ではコストの
上昇を招く。
びSiが添加された低炭素の軟質磁性材料は、分塊圧延
−2重式圧延若しくは鍛造−分塊圧延等による2重式圧
延の繰返しにより製造されていた。これらの場合、圧延
方向と同じ[100]方向の結晶粒が優位となるため異
方性が顕著となり、磁気特性に優れるが冷間加工性に劣
るという欠点があった。そこで、炭素量の極低下や冷間
引抜きによる結晶粒の微細化等の方法による冷間加工性
の改善が図られていた。しかしながら、これらの方法は
製造コストの上昇を招くため経済的ではなかった。そこ
で、磁気特性および冷間加工性という相反する特性を極
めて高いレベルで兼ね備えた安価な軟質磁性材料の開発
が望まれていた。
本発明においては、磁気特性確保の点からAlおよびS
iを添加する場合においても、その添加量を適量に制御
し、かつ傾斜圧延と2重式圧延を組み合せて製造するこ
とにより、磁気特性を損なうことなく、良好な冷間加工
性を有する軟質磁性材料が得られることを見出した。そ
の発明の要旨とするところは、 (1)質量%で、C:≦0.03%、Si:0.1〜
3.0%、Mn:≦0.5%、P:≦0.1%、Cr:
4.0〜20.0%、Al:0.1〜4.0%、N:≦
0.02%、O:≦0.01%、残部Feおよび不可避
的不純物からなる成分組成の大断面ブルームや鋼塊を分
塊圧延後、傾斜圧延した鋼片を熱間穿孔型圧延または2
重式圧延することを特徴とする冷間加工性に優れた軟質
磁性材料の製造方法。
b,Vの1種以上を合計で2.0%以下としたことを特
徴とする冷間加工性に優れた軟質磁性材料の製造方法。 (3)前記(1)または(2)に加え、Mo,Cu,N
iの1種以上を合計で2.0%以下としたことを特徴と
する冷間加工性に優れた軟質磁性材料の製造方法。 (4)前記(1)〜(3)に加え、S,Pb,Bi,S
e,Te,Caの1種以上を合計で0.3%以下とした
ことを特徴とする冷間加工性に優れた軟質磁性材料の製
造方法。 (5)前記(1)の傾斜圧延において、その減面率を2
0%以上としたことを特徴とする冷間加工性に優れた軟
質磁性材料の製造方法にある。
び製造方法を定めた限定理由を説明する。 C:≦0.03% Cは、磁気特性、冷間加工性および耐食性等を低下させ
るため、低いほど望ましい。しかしながら、製造時に必
然的に導入されてしまい、低下させるには製造コストの
上昇を招く。一方、冷間加工性については、該製造方法
を適用することにより、0.03%以下であれば著しい
低下は認められなかったため、その上限を0.03%と
した。
あり多いほど望ましい。磁気特性の確保には0.1%以
上必要であるが、過剰な添加は冷間加工性の低下を招い
てしまう。しかし、3.0%以下であれば、傾斜圧延に
よる冷間加工性の改善効果は有効となるため、その上限
を3.0%とした。 Mn:≦0.5% Mnは、溶製時に必然的に導入されるが、多量の存在は
冷間加工性および磁気特性を損なうため、0.5%以下
とした。
の上限を0.1%とした。 Cr:4.0〜20.0% Crは、耐食性の改善および固有抵抗の増加に有効であ
るが、多量の添加は磁気特性の低下および冷間加工性を
損なうため、その範囲を4.0〜20.0%とした。
あり多いほど望ましい。磁気特性の確保には0.1%以
上必要であるが、過剰な添加は冷間加工性の低下を招い
てしまう。この際、4.0%以下であれば、傾斜圧延に
よる冷間加工性の改善効果は有効となるため、その上限
を4.0%とした。 N:≦0.02% Nは、磁気特性および冷間加工性の改善には低いほど望
ましいが、C同様に溶製時に導入されてしまう。これら
の特性を低下させないように、その上限を0.02%と
した。
わないよう、その上限を0.01%とした。 Zr,Ti,Nb,Vの1種以上を合計で2.0%以下 Zr,Ti,Nb,Vは、さらに冷間加工性を向上させ
る場合に効果的な元素であるが、過剰な添加は磁気特性
の低下を招く。このため、これら元素1種以上の添加を
合計で2%以下とした。
0%以下 Mo,Cu,Niは、さらに耐食性を向上させるために
有効な元素であるが、過剰な添加はコスト上昇を招く。
従って、これら元素1種以上の合計量を2.0%以下と
するのが有効である。 S,Pb,Bi,Se,Te,Caの1種以上を合計で
0.3%以下 S,Pb,Bi,Se,Te,Caは、さらに切削性が
必要とされる場合に添加することは有効であるが、過剰
な添加は冷間加工性や磁気特性を損なう。このため、各
元素およびそれらの組合せの合計量を0.3%以下とし
た。
はAlおよびSiの添加並びに2重式圧延を繰り返すこ
とにより結晶粒の異方性を高めることが有効である。し
かしながら、それらの方法では、冷間加工性を著しく低
下させてしまう。これに対し、分塊圧延後に傾斜圧延
(PSW)−2重式圧延もしくは傾斜圧延(PSW)−
熱間穿孔圧延を行うことにより、結晶粒のランダム化が
促進し、磁性特性を損なうことなく冷間加工性を向上さ
せることが出来る。また、この傾斜圧延(PSW)の圧
延時に、減面率を20%以上とすることで、さらに冷間
加工性が改善される。
に説明する。供試材には、大断面ブルームまたは鋼塊よ
り分塊圧延−傾斜圧延(PSW)−2重式圧延を行った
φ20mm棒鋼を用いた。また、比較には従来通りの製
造方法である大断面ブルームまたは鋼塊より分塊圧延−
2重式圧延を繰返し行ったものを用いた。特に傾斜圧延
にはPSWを用いた。PSWとは、遊星型傾斜ロール圧
延機のことであり、パスラインを中心に120度の角度
で配置された3個の遊星円錐ロールと、それらロールを
組み込んだロールハウジング本体が複数回転(ローター
が回転することによりロールが公転しながら自転する)
することにより、高圧下率で圧延を行う装置である。ま
た、2重式圧延とは、パスライン方向に対し、天地或い
は左右の2方向からのみによる圧延方法である。これら
の特性評価は、冷間加工性については切欠限界据込率と
シャルピー遷移温度で、磁気特性については固有抵抗、
磁束密度(B25)で評価を行った。その結果を表1に示
す。
欠入りのφ14×L21の試験片を用い、10個中5個
のTPで割れが発生する据込率で評価を行った。その結
果、60%以上を合格とした。シャルピー遷移温度
(℃)は、JIS4号−Vノッチ試験片を用い行った。
評価は、A:≦0℃、B:0〜15℃、C:15〜30
℃、D:30〜50℃、E≧50℃とし、常温での冷鍛
性を考慮して、A〜Cを合格とした。
φ20mm×L500mmの棒状試験片を用い、直流四
端子法にて測定を行った。固有抵抗が大きい程消費電力
を小さくすることもできるため、0.70μΩ・m以上
を合格とした。磁束密度(KG)は、外径φ20×L5
00mmの棒状試験片にホルマン線を巻き、直流磁化特
性自動記録装置にてヒステリシスループから求めた。磁
束密度が大きいほど部品の軽量化に適するため、1.0
0(T)以上を合格基準とした。
例であり、No.4〜8は比較例である。本発明例1と
比較例4、本発明例2と比較例5、本発明例3と比較例
6は同一組成であるが、比較例4、5、6は60%以下
の低い限界据込率であるに対し、傾斜圧延を行った本発
明例1、2、3は限界据込率(冷間加工性)が改善され
ており、磁気特性も良好な値を示している。本発明例1
−AとB、2−AとB、3−AとBは同一成分である
が、いずれもPSWでの減面率を多くとることにより
(A→B)、冷間加工性が向上する。比較例7は本発明
外の組成であり、限界据込率、磁気特性ともに良くな
い。
磁気特性により電子機器、電磁弁鉄芯やカーエレクトロ
ニクス関連部品等の幅広い用途に適し、優れた冷間加工
性を有することにより過酷な冷間加工条件に適した材料
を提供することができるため、材料から加工までのトー
タルでのコストダウンが可能となる極めて優れた効果を
奏するものである。
Claims (5)
- 【請求項1】 質量%で、 C:≦0.03%、 Si:0.1〜3.0%、 Mn:≦0.5%、 P:≦0.1%、 Cr:4.0〜20.0%、 Al:0.1〜4.0%、 N:≦0.02%、 O:≦0.01% 残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成の大断
面ブルームや鋼塊を分塊圧延後、傾斜圧延した鋼片を熱
間穿孔型圧延または2重式圧延することを特徴とする冷
間加工性に優れた軟質磁性材料の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に加え、Zr,Ti,Nb,V
の1種以上を合計で2.0%以下としたことを特徴とす
る冷間加工性に優れた軟質磁性材料の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に加え、Mo,Cu,
Niの1種以上を合計で2.0%以下としたことを特徴
とする冷間加工性に優れた軟質磁性材料の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3に加え、S,Pb,Bi,
Se,Te,Caの1種以上を合計で0.3%以下とし
たことを特徴とする冷間加工性に優れた軟質磁性材料の
製造方法。 - 【請求項5】 請求項1の傾斜圧延において、その減面
率を20%以上としたことを特徴とする冷間加工性に優
れた軟質磁性材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001048356A JP2002252107A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | 冷間加工性に優れた軟質磁性材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001048356A JP2002252107A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | 冷間加工性に優れた軟質磁性材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002252107A true JP2002252107A (ja) | 2002-09-06 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001048356A Pending JP2002252107A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | 冷間加工性に優れた軟質磁性材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002252107A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100915199B1 (ko) * | 2007-09-07 | 2009-09-02 | 하미란 | 열간 단조를 이용한 연자성 스테인리스 부품의 제조방법 및이에 의해 제조된 하우징 및 코어 |
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RU2650353C1 (ru) * | 2017-09-18 | 2018-04-11 | Юлия Алексеевна Щепочкина | Сталь |
-
2001
- 2001-02-23 JP JP2001048356A patent/JP2002252107A/ja active Pending
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