JP2002249861A - フラックスおよびそれを用いた溶融Snめっき鋼管の製造方法 - Google Patents

フラックスおよびそれを用いた溶融Snめっき鋼管の製造方法

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JP2002249861A
JP2002249861A JP2001046957A JP2001046957A JP2002249861A JP 2002249861 A JP2002249861 A JP 2002249861A JP 2001046957 A JP2001046957 A JP 2001046957A JP 2001046957 A JP2001046957 A JP 2001046957A JP 2002249861 A JP2002249861 A JP 2002249861A
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hot
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Shinichi Funatsu
真一 船津
Yoshihisa Kayazono
義久 仮屋園
Yasuhiro Sueuchi
康博 末内
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性に優れた溶融Snめっき鋼管を溶融S
n浴浸漬法により簡単に製造する方法を提供する。 【解決手段】 重量%で、(1)ZnCl2:60〜8
0%、(2)NH4Cl:5〜20%、(3)アルカリ
金属元素またはアルカリ土類金属元素の塩化物、フッ化
物ないしはケイフッ化物のうち1種類以上を合計で:5
〜15%、および(4)Sn、Pb、In、Tl、Sb
またはBiの塩化物のうち1種類以上を合計で:0.0
1〜5%を含有することを特徴とする溶融Snめっき用
フラックス。さらに、鋼管表面を脱脂、酸洗した後に、
上記の溶融Snめっき用フラックスの水性処理液に浸漬
し、鋼管表面に付着した上記水性処理液を乾燥させ、つ
いで、溶融Sn浴に浸漬させてめっきすることを特徴と
する溶融Snめっき鋼管の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融Snめっき鋼
管に関するものである。さらに詳しくは、溶融Snめっ
き用のフラックスと、これを用いた溶融Snのめっき方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、都市生活環境の向上で、ビルから
一戸建て家屋まで給湯施設の普及が進んでいる。また、
省エネルギーの観点から地域冷暖房システムの普及も進
められている。そのため、熱水等の高温流体の輸送配管
の耐久性が重要視されている。水等を輸送する配管材料
としては鍛接鋼管や電縫鋼管等の鋼管の他に、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンやポリブテン等
の熱可塑性の樹脂管が単体で使用されている。鋼管はこ
れらの樹脂管に比較して機械的強度が大きいので施工時
の耐衝撃性や交通の激しい道路下の埋設等でも耐圧縮性
が優れ、輸送する流体の温度が高い場合でも樹脂管に比
較すると耐圧強度は十分大きく優れ、樹脂管のように燃
焼し難いので屋内の用途に使用しても火災で延焼するこ
ともなく優れる。
【0003】しかし、鋼の腐食による流体の濁り防止や
管路の閉塞防止が必要な用途では、腐食が起こらない樹
脂管が使用される。両者の良い点を合わせ持つ管路とし
ては、鋼管の内面に樹脂管を挿入して防食した樹脂と鋼
の複合管が知られている。例えば給水管としては安価な
ポリ塩化ビニルを活用した鋼と軟質ポリ塩化ビニルの複
合管が、給湯管としては鋼と硬質ポリ塩化ビニルの複合
管が各々広く使用されている。
【0004】しかしながら、ポリ塩化ビニルは生物の生
殖機能に影響を与えるといわれる環境ホルモンの溶出が
認められ、近年給水管や給湯管への使用が危ぶまれてい
る。さらに、現地配管工事で発生した複合管残材の焼却
廃棄処理時にダイオキシンが発生するという問題もあ
る。従って、給水管や給湯管に使用される複合管として
はポリ塩化ビニルを使用しないものが望まれていた。
【0005】そこで、食器類のめっきに用いられ、環境
ホルモン溶出やダイオキシン発生という問題がないSn
を活用し、溶融Snめっき鋼管を製造することを試み
た。しかし、従来のフラックスを用いると不めっき、ピ
ンホール、ドロス付着、凹凸等の欠陥が発生し、長期の
耐食性を実現することは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐食性に優
れた溶融Snめっき鋼管を提供するものである。併せ
て、この溶融Snめっき鋼管を溶融Sn浴浸漬法により
簡単に製造する方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、特定の組成
のフラックスを用いることによって、耐食性に優れた溶
融Snめっき鋼管を溶融Sn浴浸漬法により簡単に製造
が可能なことを見出し、本発明に至ったもので、その要
旨とするところは、 (1)重量%で、ZnCl2:60〜80%、NH4
l:5〜20%、アルカリ金属元素またはアルカリ土類
金属元素の塩化物、フッ化物ないしはケイフッ化物のう
ち1種類以上を合計で:5〜15%、Sn、Pb、I
n、Tl、SbまたはBiの塩化物のうち1種類以上を
合計で:0.01〜5%を含有することを特徴とする溶
融Snめっき用フラックス。
【0008】(2)鋼管表面を脱脂、酸洗した後に、前
記(1)に記載の溶融Snめっき用フラックスの水性処
理液に浸漬し、鋼管表面に付着した上記水性処理液を乾
燥させ、ついで、溶融Sn浴に浸漬させてめっきするこ
とを特徴とする溶融Snめっき鋼管の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の溶融Snめっき鋼管は、
まず、鋼管表面を脱脂、酸洗して清浄にした後、重量%
で、 (1)ZnCl2:60〜80% (2)NH4Cl:5〜20% (3)アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の
塩化物、フッ化物ないしはケイフッ化物のうち1種類以
上を合計で:5〜15% (4)Sn、Pb、In、Tl、SbまたはBiの塩化
物のうち1種類以上を合計で:0.01〜5%を含有す
る水性フラックス処理液に浸漬する。
【0010】従来の溶融Znめっき等において一般的に
用いられる、ZnCl2とNH4Clからなるフラックス
で前処理した鋼管を溶融Snめっき浴に浸漬すると、溶
融Snめっき浴温度が低いためNH4Clが鋼管表面に
残存し、外観の著しく不良なめっきになる。NH4Cl
の鋼管表面残存を防ぐためには、NH4Clと反応性が
高い成分を添加する必要がある。
【0011】発明者らは、このような見地から、ZnC
2とNH4Clを主成分とする従来のフラックスの改善
努力を行ってきた結果、NH4Clの鋼管表面残存を有
効に防止できるフラックスを見出し本発明を完成したも
のである。すなわち、ZnCl2/NH4Cl系フラック
スにNH4Clと反応性が高いアルカリ金属元素または
アルカリ土類金属元素の塩化物、フッ化物ないしはケイ
フッ化物のうち、少なくとも1種類を添加することによ
って、NH4Clの鋼管表面残存を効果的に防ぐことが
できる。
【0012】そして、不めっき、ピンホール、ドロス付
着、凹凸等の欠陥のない溶融Snめっきを行うには、上
記のように、成分(1)ZnCl2:60〜80%、成
分(2)NH4Cl:5〜20%、成分(3)アルカリ
金属元素またはアルカリ土類金属元素の塩化物、フッ化
物ないしはケイフッ化物のうち1種類以上を合計で:5
〜15%とする。この範囲を外れると、欠陥が発生しや
すくなる。
【0013】また、これら3成分に加え、成分(4)S
n、Pb、In、Tl、SbまたはBiの塩化物のうち
1種類以上を合計で:0.01〜5%を添加することに
よって、溶融Snめっき表面の光沢や平滑性を改善する
ことができる。量的には0.01%以上の添加で効果が
ある。また、上限は高々5重量%あれば十分であり、こ
れ以上添加しても効果は変わらない。
【0014】次に、上述のようにしてフラックス処理し
た鋼管に溶融Snめっきを行うのであるが、溶融Snめ
っきの付着量は、鋼管に期待される長期耐食性のほか
に、きず付き等のめっきへの機械的なダメージを考慮し
て、Sn換算で100g/m2以上とすることが好まし
い。また、必要以上に厚目付にすると、溶融Snめっき
表面の平滑性が損なわれることがあるので、600g/
2 を上限とすることが好ましい。
【0015】
【実施例】本発明を実施例にもとづいて詳細に説明す
る。外径20A、厚さ2.8mm、長さ50mmの鋼管
を市販のオルトケイ酸塩系アルカリ液で脱脂を行い、つ
づいて、40℃の15%塩酸で酸洗した後、フラックス
処理を行った。フラックス処理は、表1の組成の10〜
40重量%水溶液(50℃)に5分間浸漬した。つい
で、この鋼管を180℃の電気オーブン中に6分間保定
して、フラックスを完全に乾燥させ、めっきに供した。
めっきは、溶融Snめっき浴(260℃)を用いて、こ
れに上述のフラックス処理を施した鋼管を1分間浸漬し
て溶融Snめっきを行った。溶融Snめっき後の外観
を、不めっき、ピンホール、ドロス付着、凹凸等の欠陥
の有無により判定した。その結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1から明らかなように、本発明のフラッ
クスを用いると、不めっき、ピンホール、ドロス付着、
凹凸等の欠陥がなく、表面の平滑な溶融Snめっきが得
られるが、本発明の範囲を外れたフラックスを用いる
と、欠陥の発生ないしは溶融Snめっき面の平滑性の低
下が起こる。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明を用いること
によって、淡水環境から塩水環境にわたる広い腐食環境
で、優れた耐食性を有し、外観も良好な溶融Snめっき
鋼管が、溶融Sn浴浸漬法により、簡単に製造すること
ができる極めて優れた効果を奏するものである。
フロントページの続き (72)発明者 末内 康博 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 Fターム(参考) 4K027 AA03 AA07 AA22 AB05 AB14 AB46 AC03 AC15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 ZnCl2:60〜80%、 NH4Cl:5〜20%、 アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の塩化
    物、フッ化物ないしはケイフッ化物のうち1種類以上を
    合計で:5〜15%、Sn、Pb、In、Tl、Sbま
    たはBiの塩化物のうち1種類以上を合計で:0.01
    〜5%を含有することを特徴とする溶融Snめっき用フ
    ラックス。
  2. 【請求項2】 鋼管表面を脱脂、酸洗した後に、請求項
    1に記載の溶融Snめっき用フラックスの水性処理液に
    浸漬し、鋼管表面に付着した上記水性処理液を乾燥さ
    せ、ついで、溶融Sn浴に浸漬させてめっきすることを
    特徴とする溶融Snめっき鋼管の製造方法。
JP2001046957A 2001-02-22 2001-02-22 フラックスおよびそれを用いた溶融Snめっき鋼管の製造方法 Withdrawn JP2002249861A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014088615A (ja) * 2012-10-25 2014-05-15 Fontaine Holdings Nv 鋼の亜鉛めっき用フラックス組成物
CN112226751A (zh) * 2020-09-03 2021-01-15 余姚市永林机械科技有限公司 一种助镀液及其使用该种助镀液的热镀锌工艺

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JP2014088615A (ja) * 2012-10-25 2014-05-15 Fontaine Holdings Nv 鋼の亜鉛めっき用フラックス組成物
CN112226751A (zh) * 2020-09-03 2021-01-15 余姚市永林机械科技有限公司 一种助镀液及其使用该种助镀液的热镀锌工艺
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