JPH06158085A - 金属加工用皮膜剤 - Google Patents

金属加工用皮膜剤

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JPH06158085A
JPH06158085A JP34151692A JP34151692A JPH06158085A JP H06158085 A JPH06158085 A JP H06158085A JP 34151692 A JP34151692 A JP 34151692A JP 34151692 A JP34151692 A JP 34151692A JP H06158085 A JPH06158085 A JP H06158085A
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JP
Japan
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coating agent
weight
treatment
test
metalworking
Prior art date
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Pending
Application number
JP34151692A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromi Ogawa
浩洋 小川
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】加工性、脱脂性が良好で、公害の発生、侵リン
がなく、かつ取り扱いの容易な金属加工用皮膜剤を得
る。 【構成】ケイ酸カリウム30〜95重量%、モリブデン
酸のアルカリ金属塩1〜10重量%、メラミンシアヌレ
ート2〜20重量%の混合物を水系溶媒中に溶解または
分散してなる金属加工用皮膜剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属加工用皮膜剤に関
するものであり、特に金属を加工する際に、金属表面に
塗布して潤滑作用と防錆作用を示す皮膜剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属の圧延、引抜き、押出し、深
絞りなどの冷間塑性加工の分野では、摩擦の低減、焼付
防止、工具の摩耗の低減、被加工材の表面仕上げの制
御、防錆などの目的で、鉱物油、動植物油、金属石け
ん、グラファイト、二硫化モリブデン、塩素化パラフィ
ン、塩素化ポリオレフィン、塩化ゴム、石灰、鉛など種
々の潤滑皮膜剤が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の潤滑剤のうち、
ホウ酸(ボラックス)系等の無機質皮膜剤は吸湿性が大
きいという問題点があり、また、リン酸塩系の潤滑剤お
よび皮膜剤を使用する場合には、リンの拡散(侵リン)
による遅れ破壊が、例えば建築用ボルトにおいて生じる
という問題点があった。さらに、従来は、銅、鉄、ステ
ンレス、チタンおよびその他の合金の種類に応じて、そ
れぞれ適合した潤滑剤を使用する必要があった。本発明
はこれらの課題を解決し、加工性、脱脂性が良好で、公
害の発生がなく、かつ取り扱いの容易な金属加工用皮膜
剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケイ酸カリウ
ム、モリブデン酸のアルカリ金属塩およびメラミンシア
ヌレートの混合物を水系溶媒中に溶解または分散してな
る金属加工用皮膜剤を提供するものである。
【0005】本発明は、ケイ酸カリウムを使用する点に
特徴を有する。ケイ酸ナトリウムを使用する場合は、吸
湿性が大きいため、防錆性、金属加工性がなく不適当で
ある。K2 O・nSiO2 の一般式で表した場合のn
は、2〜4程度のものが好ましく使用できる。ケイ酸カ
リウムは、固形成分の30〜95重量%配合するのが好
ましい。
【0006】モリブデン酸のアルカリ金属塩としては、
ナトリウム塩も使用できるがカリウム塩を使用すること
がより好ましい。モリブデン酸のアルカリ金属塩は、固
形成分の1〜10重量%配合するのが好ましい。
【0007】本発明では、メラミンシアヌレートを添加
する必要がある。メラミンシアヌレートがない場合は吸
湿性があり不適当である。実験例としては、鉄線にコー
ティングして野外に放置したところ14日間錆を防ぐこ
とができた。屋内であればさらに3〜6カ月錆びない。
メラミンシアヌレートは、固形成分の2〜20重量%配
合するのが好ましい。
【0008】本発明において、さらにセバシン酸カリウ
ムを添加する場合は、潤滑力が向上する。伸線加工の場
合、減面率40%の加工も可能であり、パイプの場合
も、減面率40%の加工が可能である。セバシン酸カリ
ウムを添加したものは、水きれが良く均質の被膜が得ら
れる。セバシン酸カリウムの代わりに、ステアリン酸ナ
トリウム、オレイン酸ナトリウムを使用する場合は、粘
度が上昇しゲル状態となり使用上不便である。セバシン
酸カリウムを使用する場合、その使用量は固形成分の
0.5〜5重量%であることが好ましい。
【0009】本発明の皮膜剤においては、その効果を損
なわない範囲でさらに他の成分を添加することも可能
で、例えば、ポリエチレングリコール(好ましくは分子
量6000以上)を添加する場合は、潤滑性がさらに向
上する。
【0010】本発明の金属加工用皮膜剤は、上記成分を
混合し水系の溶媒に溶解して濃厚な溶液あるいはスラリ
ーとして使用する。金属に塗布する際の固形分濃度とし
ては、3〜20重量%程度が好ましい。
【0011】
【実施例】
実施例1 ケイ酸カリウム(K2 O・nSiO2 ;n=3.1)9
2重量部、メラミンシアヌレート5重量部、モリブデン
酸ナトリウム3重量部および水500重量部の混合物
を、よく撹拌して金属加工用皮膜剤を得た。21mmφ
の試供材(SCM435)を酸洗(HCl)により脱ス
ケールし、水洗、中和後、この皮膜剤を用い、処理温度
80℃、処理時間6分で処理し、自然乾燥して試供材の
表面に皮膜を形成した。
【0012】この試供材について、ハイテンションボル
ト(F−10T)の冷間鍛造試験を実施した。皮膜処理
直後、処理20日後のいずれも良好な結果が得られた。
さらに、冷間鍛造によるヘッダー加工試験を実施した
が、皮膜処理直後、処理20日後のいずれも良好な結果
が得られた。また、焼き入れ後に侵リンの現象は見られ
なかった。
【0013】実施例2 実施例1の混合物の水500重量部に代えて水1000
重量部を使用し、同様に金属加工用皮膜剤を得た。この
皮膜剤について、実施例1と同様にして冷間鍛造試験、
ヘッダー加工試験、焼き入れ試験を実施したところ、実
施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0014】実施例3 ケイ酸カリウム89重量部、メラミンシアヌレート10
重量部、モリブデン酸ナトリウム1重量部および水50
0重量部の混合物を、よく撹拌して金属加工用皮膜剤を
得た。この皮膜剤について、実施例1と同様にして冷間
鍛造試験、ヘッダー加工試験、焼き入れ試験を実施した
ところ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0015】実施例4 実施例3の混合物の水500重量部に代えて水1000
重量部を使用して、同様に金属加工用皮膜剤を得た。こ
の皮膜剤について、実施例1と同様にして冷間鍛造試
験、ヘッダー加工試験、焼き入れ試験を実施したとこ
ろ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0016】比較例1 実施例1の皮膜処理に代えて、リン酸亜鉛処理および金
属石けん処理を行った試供材について、冷間鍛造試験、
ヘッダー加工試験を行った。処理直後には良好な結果が
得られたが、処理20日後では吸湿により満足する加工
性が達成されなかった。また、焼き入れ試験を実施した
ところ、侵リンの現象が見られた。
【0017】比較例2 実施例1の皮膜処理に代えて、ボラックス処理を行った
試供材について、冷間鍛造試験、ヘッダー加工試験を行
った。処理直後には良好な結果が得られたが、処理20
日後では吸湿により満足する加工性が達成されなかっ
た。
【0018】比較例3 実施例1の皮膜処理に代えて、石灰石けん処理を行った
試供材について、冷間鍛造試験、ヘッダー加工試験を行
った。処理直後には良好な結果が得られたが、処理20
日後では吸湿により満足する加工性が達成されなかっ
た。
【0019】実施例5 5.5mmφの試供材(SUS304)について、実施
例1と同じ組成を有する皮膜剤を用い、処理温度80
℃、処理時間6分で処理し、自然乾燥して試供材の表面
に皮膜を形成した。この試供材について、ステアリン酸
ナトリウムおよびステアリン酸カルシウムで補助潤滑を
行いながら、多段のダイスを使用して伸線加工テストを
行った。伸線加工前の線材および伸線加工中の各段ごと
の皮膜剤付着量(補助潤滑剤を含む)を図1に示す。い
ずれの段においても一定の量の皮膜剤が付着しているこ
とがわかる。伸線加工後に、アルカリ洗浄剤で脱脂洗浄
した後の皮膜剤付着量も図1に示す。
【0020】比較例4 実施例5の皮膜処理の代わりに、1,1,1−トリクロ
ロエタンに塩素化ポリエチレンを溶解させた潤滑剤で処
理を行ったものについて、実施例5と同様に伸線加工テ
ストおよび伸線加工後のアルカリ洗浄性の評価を行っ
た。結果を図1に示す。各段ごとの皮膜剤付着量は一定
しているが、洗浄後にも皮膜が多量に付着している。
【0021】実施例6 5.5mmφの試供材(軟鋼材0.08C)について、
実施例1と同じ組成を有する金属加工用皮膜剤を用い、
機械的脱錆により、インラインによる皮膜処理を施し
た。この試供材について、伸線加工テストを行った結果
を表2に示す。
【0022】比較例5および6 実施例6の皮膜処理の代わりに、同様にして比較例5と
してボラックス処理、比較例6として石灰石けん処理で
処理を行った。実施例6と同様に伸線加工テストを行っ
た結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明の金属加工用皮膜剤は、金属加工
に必要な潤滑性、あるいは防錆性を有し、その効果が長
期間保たれる。また、リンを使用していないので、侵リ
ンによる遅れ破壊のおそれがまったくない。本発明の金
属加工用皮膜剤は、アルミニウムを除くすべての金属に
適合する。特に、ステンレスまたは鉄の伸線加工あるい
はボルト加工、鉄板塗装の下地処理、コンクリート中の
ようなアルカリ性雰囲気における金網や鉄筋の防錆処理
に特に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5および比較例4における伸線加工テス
ト中および洗浄後の皮膜剤付着量を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 105:70) C10N 10:02 10:12 30:12 30:20 40:20 Z 8217−4H 50:02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケイ酸カリウム、モリブデン酸のアルカリ
    金属塩およびメラミンシアヌレートの混合物を水系溶媒
    中に溶解または分散してなる金属加工用皮膜剤。
  2. 【請求項2】固形成分全体に対して、ケイ酸カリウム3
    0〜95重量%、モリブデン酸のアルカリ金属塩1〜1
    0重量%、メラミンシアヌレート2〜20重量%である
    請求項1の金属加工用皮膜剤。
JP34151692A 1992-11-27 1992-11-27 金属加工用皮膜剤 Pending JPH06158085A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004045841A1 (ja) * 2002-11-21 2004-06-03 Mitsubishi Materials Corporation 粉末成形体の成形方法及び粉末成形金型装置
WO2011001653A1 (ja) * 2009-06-29 2011-01-06 日本パーカライジング株式会社 耐食性に優れる塑性加工用水系潤滑剤および塑性加工性に優れる金属材料
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