JP2002249714A - フィルムコーティング剤 - Google Patents

フィルムコーティング剤

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JP2002249714A JP2001052096A JP2001052096A JP2002249714A JP 2002249714 A JP2002249714 A JP 2002249714A JP 2001052096 A JP2001052096 A JP 2001052096A JP 2001052096 A JP2001052096 A JP 2001052096A JP 2002249714 A JP2002249714 A JP 2002249714A
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    • AHUMAN NECESSITIES
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    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水100%でもコーティングが可能で、べと
つきがなく、コーティング後の粒子同士の付着がなく、
さらに溶出時間を制御できる機能を有するコーティング
剤や、このコーティング剤から形成される、高湿度条件
下においても酸素透過係数が極めて低いパッケージ材と
して有用なフィルムを提供すること。 【解決手段】 酵素処理した酵母から可溶性菌体内成分
を除去した菌体残さからなる酵母細胞壁画分やこれを酸
性水溶液で処理した酸処理酵母細胞壁画分に、グルコー
ス、マンノース、マルトース、トレハロース、フルクト
ース、アラビノース、ニゲロオリゴ糖、ラクト−ス、D
−グルコノ−1.5−ラクトン、塩酸アルギニン、硫酸
第一鉄、リン酸二水素ナトリウム、パラチニット、ビタ
ミンC等の酸素バリア性改良剤を添加してコーティング
剤をつくる。該コーティング剤から作ったフィルムは、
相対湿度60%における酸素透過係数が0.1未満であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特開2000−4
4878号公報記載の発明の改良に係り、酵母細胞壁画
分に酸素バリア性改良剤を添加・配合したコーティング
剤、詳しくは、水100%でもコーティングが可能で、
粘性の割に仕上がりにべとつきがなく、コーティング後
の粒子同士の付着がないコーティング剤や、さらに溶出
時間を制御できる機能を有するコーティング剤や、これ
らコーティング剤を用いたコーティング処理物や、前記
コーティング剤から形成される、高湿度条件下において
も酸素透過係数が極めて低いフィルムや、該フィルムか
らなるパッケージ材や、該パッケージ材を用いて包装し
た包装品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、無色及び有色染料、医薬品、
農薬、香料、飼料素材及び食品素材など、様々な状態の
有用物質や、種々の特性をもつ有用物質をコーティング
した微粒子、マイクロカプセル、顆粒、錠剤等が工業的
に製品化されている。そして、香料、飼料素材、食品素
材などをコーティングする基材、すなわちコーティング
剤としては、ワックス等の油脂類、天然多糖類、蛋白
質、シェラック(豆科等の植物に寄生するラック貝殻虫
の分泌する天然樹脂)等の樹脂類などが知られており、
また医薬品の場合には医薬品添加剤に指定される化学合
成コーティング基材があることも知られている。また、
パッケージ用フィルムにおいては、ナイロン系、PVD
C、アルミ蒸着フィルムなどの化成品が主に用いられ、
天然物由来ではプルランが僅かに生産されている程度で
ある。
【0003】ところが、従来から知られているこれらコ
ーティング剤は、コーティング液を作製する際にべとつ
きや難分散性により、ハンドリングが悪いという欠点を
有するものが多く、また、シェラックやツェイン(トウ
モロコシタンパク質)、エチルセルロースなどの医薬品
添加剤の多くは、エタノールなどの溶媒を使用するた
め、コストが高くなり且つ環境に悪影響を及ぼす問題も
指摘されていた。最近、水分散型のエチルセルロース系
コーティング剤も市販されているが、これらは保存の際
の温度条件により溶液の性質が変化し、多種の溶媒を含
むため排水から河川への放出ができないなど、その取り
扱い上の問題があった。さらに、食品分野で使用可能な
上記ツェインにおいては、腸内での溶出率が悪く、溶出
スピードも極めて遅いという問題があった。
【0004】また、昨今の環境問題で酸素バリア性、水
蒸気バリア性の両方に優れているPVDCはダイオキシ
ンなどの発生から、メーカーサイドではアルミ蒸着フィ
ルムなどを使用しているが、さらなるコストダウン、利
便性、イメージ、環境配慮を目指した動きが出ており、
その一環として生分解性プラスチック、可食性フィルム
の応用研究を進めざるを得ない状況になってきている。
【0005】一方、酵母からフィルム素材を開発しよう
とする試みもなされており、例えば、特公昭56−19
971号公報には、脱核酸酵母から酵母細胞膜成分を除
去して、水に可溶性のタンパク質を主成分とする可食性
タンパク質フィルムが開示され、特開昭53−4538
5号公報には、酵母などの微生物菌体を熱アルカリ処理
後、酸を加えて等電点沈殿処理を施し、生成した沈殿物
のpHを6〜8に調節して得られるゲル形成性微生物菌
体に可塑剤を配合してなる組成物を製膜するフィルムの
製造方法が開示されている。
【0006】また、特開2000−44878号公報に
は、酵素処理した酵母から可溶性菌体内成分を除去した
菌体残さからなる酵母細胞壁画分を主成分とするコーテ
ィング剤や、酵素処理した酵母から可溶性菌体内成分を
除去した菌体残さを酸性水溶液で処理してさらに可溶化
分を除去した残さからなる酸処理酵母細胞壁画分を主成
分とするコーティング剤や、可塑剤を含むこれらコーテ
ィング剤が記載され、これらは、上記従来の可食性コー
ティング剤が有していた欠点、例えば、アラビアガムな
どのガム類、シェラックなどの樹脂類、ツェインやオイ
ドラギットなどと比べて粘性の割に仕上がりにべとつき
がなく、コーティング後の粒子同士の付着がない上に、
酸素透過係数が極めて低いコーティング剤や、さらに溶
出開始時間を制御することができる腸溶性コーティング
剤としても使用できる優れたコーティング剤であるとさ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、特開2
000−44878号公報記載のコーティング剤はきわ
めて完成度の高いものといえるが、該公報記載の酵母細
胞壁画分を主成分とするコーティング剤や酵母細胞壁画
分に可塑剤としてグリセリンを加えたコーティング剤を
用いてフィルムを作った場合、RH0%の低湿度下では
酸素バリア性を充分発揮するが、RH60%の高湿度下
ではその値が60倍ほど上がってしまうことがわかっ
た。本発明の課題は、水100%でもコーティングが可
能で、粘性の割に仕上がりにべとつきがなく、コーティ
ング後の粒子同士の付着がないコーティング剤や、さら
に溶出時間を制御できる機能を有するコーティング剤
や、これらコーティング剤を用いたコーティング処理物
や、前記コーティング剤から形成される、高湿度条件下
においても酸素透過係数が極めて低いフィルムや、該フ
ィルムからなるパッケージ材や、該パッケージ材を用い
て包装した包装品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特開20
00−44878号公報記載の優れた特性を有するコー
ティング剤を用いて、各種応用製品を開発する過程で、
コーティング剤から作ったフィルムのパッケージフィル
ムとしての実用化研究を行っていたところ、かかるパッ
ケージングフィルムは高湿度下(RH60%)では急激
に酸素バリア性が低下することがわかった。パッケージ
ングフィルムが実用的な汎用性のあるパッケージ材とし
て機能するには、低湿度下のみならず、高湿度下におい
ても高度な酸素バリア性が要求されることから、酵母細
胞壁画分の調製条件の再検討、成膜方法の再検討、各種
添加・配合成分の再検討等が余儀なくされた。これらの
中で、各種添加・配合成分の再検討の過程で、数多くの
添加・配合成分を酸素バリア性改良剤の候補物質として
検討したところ、酵母細胞壁画分に特定の酸素バリア性
改良剤を添加したコーティング剤を用いて形成したフィ
ルムが、高湿度下(RH60%、23℃)においても酸
素透過係数(cm3・mm/m2・atm・24hr)
0.1未満を達成することができ、実用的な汎用性のあ
るパッケージ材として機能することを見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、酵素処理した酵母から
可溶性菌体内成分を除去した菌体残さからなる酵母細胞
壁画分に酸素バリア性改良剤を添加したコーティング剤
であって、該コーティング剤を用いて酸素透過試験用フ
ィルムを形成したとき、該フィルムの相対湿度60%、
23℃における酸素透過係数(cm3・mm/m2・at
m・24hr)が0.1未満であることを特徴とするコ
ーティング剤(請求項1)や、酵素処理した酵母から可
溶性菌体内成分を除去した菌体残さを酸性水溶液で処理
してさらに可溶化分を除去した残さからなる酸処理酵母
細胞壁画分に酸素バリア性改良剤を添加したコーティン
グ剤であって、該コーティング剤を用いて酸素透過試験
用フィルムを形成したとき、該フィルムの相対湿度60
%、23℃における酸素透過係数(cm3・mm/m2
atm・24hr)が0.1未満であることを特徴とす
るコーティング剤(請求項2)や、酸素バリア性改良剤
が可食性の物質からなることを特徴とする請求項1又は
2記載のコーティング剤(請求項3)や、可食性の酸素
バリア性改良剤が、単糖類、オリゴ糖類、低級質性のア
ミノ酸類、多水和物を形成する無機塩類、低吸湿性の糖
アルコール類から選ばれる群の1種若しくは2種以上の
化合物であることを特徴とする請求項3記載のコーティ
ング剤(請求項4)や、可食性の酸素バリア性改良剤と
して、グルコース、マンノース、マルトース、トレハロ
ース、フルクトース、アラビノース、ニゲロオリゴ糖、
ラクト−ス、D−グルコノ−1.5−ラクトン、塩酸ア
ルギニン、硫酸第一鉄、リン酸二水素ナトリウム、パラ
チニット、ビタミンCから選ばれる1種若しくは2種以
上の化合物を用いることを特徴とする請求項4記載のコ
ーティング剤(請求項5)に関する。
【0010】また本発明は、請求項1〜5のいずれか記
載のコーティング剤を用いてコーティング処理が施され
たコーティング処理物(請求項6)や、コーティング処
理物が、微粒子、顆粒若しくは錠剤などの造粒物である
ことを特徴とする請求項6記載のコーティング処理物
(請求項7)や、コーティング処理物が、食品、食品素
材、医薬製剤、酵素、微生物、種子、農薬、肥料、香料
又は顔料であることを特徴とする請求項6又は7記載の
コーティング処理物(請求項8)や、請求項1〜5のい
ずれか記載のコーティング剤から形成されるフィルム
(請求項9)や、請求項9記載のフィルムからなること
を特徴とするパッケージ材(請求項10)や、請求項1
0記載のパッケージ材を用いて包装されている食品、食
品素材、医薬製剤、酵素、微生物、種子、農薬、肥料、
香料又は顔料からなることを特徴とする包装品(請求項
11)に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】(原料酵母)本発明のコーティン
グ剤の原料となる酵母としては、分類学上酵母に属する
ものであればどのような酵母を用いてもよく、例えば、
ビール酵母、ワイン酵母、パン酵母、トルラ酵母等を挙
げることができ、より具体的には、サッカロマイセス属
のサッカロマイセス・セレビッシェ(Saccharomyces ce
revisiae)、サッカロマイセス・ルーキシ(Saccharomy
ces rouxii)、サッカロマイセス・カールスバーゲンシ
ス(Saccharomyces carlsbergensis)、キャンディダ・
ウティリス(Candida utilis)、キャンディダ・トロピ
カリス(Candida tropicalis)、キャンディダ・リポリ
ティカ(Candida lipolytica)、キャンディダ・フレー
ベリ(Candida flaveri)等を例示することができる。
【0012】そして、これら酵母は、単独あるいは組み
合わせて使用することができる。また、酵母としては生
酵母を用いることが好ましいが、乾燥酵母等の生酵母以
外の形態の酵母を用いる場合であっても、例えば水中等
に懸濁して生酵母同様に処理することもできる。さら
に、使用する酵母の形状や大きさに特に制限はないが、
形状としてはなるべく球形に近い形状のものが好まし
く、また、その大きさは1〜20μmの範囲のものが好
ましい。
【0013】(酵母細胞壁画分)酵母には、水もしくは
極性溶剤に可溶性の菌体内成分、例えば蛋白質、アミノ
酸、糖質、核酸、有機酸などの成分が存在しており、こ
れらの菌体内成分は水に容易に可溶化し、これらの可溶
性菌体内成分を除去することなくコーティング剤として
用いると、溶出開始時間の遅延効果が阻害されるばかり
でなく、コーティング力も劣化させる。従って、溶出開
始時間の遅延効果を有するコーティング剤を得るために
は、酵母からこれら可溶性菌体内成分を除去した後の酵
母細胞壁画分を使用することが必須である。
【0014】酵母からこれら可溶性菌体内成分を除去し
て酵母細胞壁画分を得るためには、酵素処理によりこれ
らの菌体内成分を可溶化して菌体外に除去することが必
要である。そして、酵素処理としては、酵母菌体内の酵
素を使用するいわゆる自己消化法や、外部からプロテア
ーゼ、ヌクレアーゼ、β−グルカナーゼ、エステラー
ゼ、リパーゼ等の酵素を添加する酵素添加方法や、それ
らを併用する方法等、いずれも酵母菌体内成分を酵母エ
キスとして製造する際に用いられている方法であれば、
どのような酵素処理法をも用いることができる。このこ
とからして、本発明における酵母細胞壁画分として、公
知の酵母エキスの製造における酵母エキス抽出残さを有
利に用いることができる。なお、酵素処理を速やかに行
うなどの目的で、酵母の酵素処理の前に、高圧ホモジナ
イザーなどにより細胞壁の物理的な破壊を伴う前処理を
行ってもよく、この高圧ホモジナイザーを用いる場合
は、例えば100〜1000kg/cm2の圧力下で分
散することが好ましい。
【0015】酵素処理を終えた酵母は、例えば遠心分離
等の可溶性菌体内成分の除去処理を施すことによって、
その菌体残さとして酵母細胞壁画分が得られる。このよ
うに、化学的処理を特に施すことなく得られる酵母細胞
壁画分は、グルカン、マンナン、キチン層からなる物理
的、化学的に比較的丈夫な皮膜からなることから、内包
物質の保護機能を損なうことなく、より多量の物質を内
包することができ、優れたコーティング剤として用いる
ことができるが、必要に応じて、酵母の洗浄処理、pH
・温度・圧力の調整処理等を組み入れて、酵母細胞壁画
分を調製することもできる。
【0016】(酸処理酵母細胞壁画分)次に、酸処理酵
母細胞壁画分は、酵母の酵素処理により可溶性菌体内成
分を除去することによって得られた上記酵母細胞壁画分
を酸性水溶液で処理し、さらに可溶化分を除去した酵母
菌体残さとして調製することができ、より具体的には上
記酵母細胞壁画分を0.01〜2N、好ましくは0.1
〜0.5Nの例えば塩酸、硫酸、硝酸等の酸で処理した
後、その懸濁液を遠心分離等により上清と酵母菌体残さ
に分離し、この酵母菌体残さを採取することにより調製
することができる。また、酸処理に際しては80℃前後
に加熱することが好ましい。
【0017】かかる酸処理酵母細胞壁画分も、グルカ
ン、マンナン、キチン層からなる物理的、化学的に比較
的丈夫な皮膜からなることから、内包物質の保護機能を
損なうことなく、より多量の物質を内包することができ
る上に、使用する酸性水の濃度を変化させることにより
溶出開始時間を制御することができる優れた腸溶性コー
ティング剤等として使用することができる。
【0018】(酸素バリア性改良剤)本発明のコーティ
ング剤は、これら酵母細胞壁画分や酸処理酵母細胞壁画
分に酸素バリア性改良剤が添加・配合されたものであ
る。かかる酸素バリア性改良剤としては、前記酵母細胞
壁画分や酸処理酵母細胞壁画分に添加することにより調
製したコーティング剤から形成したフィルムが、相対湿
度60%(RH60%)、23℃)においても酸素透過
係数(cm3・mm/m2・atm・24hr)0.1未
満を達成することができるものであれば特に制限されな
いが、可食性の物質からなるものが好ましく、具体的に
は、単糖類(例えばグルコース、マンノース等)やオリ
ゴ糖類(例えばマルトース、トレハロース、フルクトー
ス、アラビノース、ニゲロオリゴ糖、ラクト−ス、D−
グルコノ−1.5−ラクトン等)のような鎖長の短い糖
類、吸湿性の低いアミノ酸類(例えば塩酸アルギニン
等)、多水和物を形成する無機塩類(例えば硫酸第一
鉄、リン酸二水素ナトリウム等)、吸湿性が低い糖アル
コール類(例えばパラチニット、ビタミンC等)などを
挙げることができる。これら酸素バリア性改良剤は2種
以上を併用してもよい。また、酸素バリア性改良剤の添
加量は、本発明のコーティング剤、該コーティング剤か
ら形成されるフィルム、該フィルムからなるパッケージ
材の特性、特に高湿度下(RH60%、23℃)におけ
る酸素透過係数(cm3・mm/m2・atm・24h
r)0.1未満を達成しうる範囲で適宜選択することが
できる。さらに、酸素バリア性改良剤の種類の選択、使
用濃度等を適宜選択することにより、酸素透過係数を制
御することが可能となる。
【0019】(コーティング剤)本発明のコーティング
剤としては、酵素処理した酵母から可溶性菌体内成分を
除去した菌体残さからなる酵母細胞壁画分に酸素バリア
性改良剤を添加したコーティング剤や酵素処理した酵母
から可溶性菌体内成分を除去した菌体残さを酸性水溶液
で処理してさらに可溶化分を除去した残さからなる酸処
理酵母細胞壁画分に酸素バリア性改良剤を添加したコー
ティング剤であって、かかるコーティング剤を用いて酸
素透過試験用フィルムを形成したとき、該フィルムの相
対湿度60%、23℃における酸素透過係数(cm3
mm/m2・atm・24hr)が0.1未満であるコ
ーティング剤であれば特に制限されるものではなく、例
えば、上記酵母細胞壁画分や酸処理酵母細胞壁画分の2
〜20重量%、好ましくは4〜15重量%の水懸濁液
に、上記酸素バリア性改良剤を酵母細胞壁画分や酸処理
酵母細胞壁画分の固形分の5〜150重量%、好ましく
は20〜100重量%となるように添加することにより
製造することができる。
【0020】また、本発明のコーティング剤には、本発
明のコーティング剤、該コーティング剤から形成される
フィルム、該フィルムからなるパッケージ材の特性、特
に高湿度下(RH60%、23℃)における酸素透過係
数(cm3・mm/m2・atm・24hr)0.1未満
を達成しうる範囲で、各種添加剤を適宜配合することが
できる。本発明のコーティング剤は、従来の可食性コー
ティング剤と比べて、粘性の割に仕上がりにべとつきが
なく、コーティング後の粒子同士の付着がない上に、さ
らに溶出開始時間を制御することができる腸溶性コーテ
ィング剤や苦味マスキング剤としても使用できる優れた
物性を有する。また、従来のコーティング剤溶液は、高
分子ポリマーが溶解した準粘性流動体のものや、澱粉の
水性懸濁液のようなダイラタント流動体が用いられてい
るが、本発明のコーティング剤は塑性流動体であり、物
性面においても従来のものとは異なる。
【0021】(コーティング処理物)本発明のコーティ
ング剤で内包物質をコーティングすることにより、本発
明のコーティング処理物を得ることができる。本発明の
コーティング剤によりコーティングされる内包物質とし
ては、常温固体で存在する物質であればどのようなもの
でもよく、例えば食品、食品素材、酵素、微生物、医薬
品、種子、農薬、肥料、香料、顔料等を挙げることがで
きる。上記食品、食品素材としては、澱粉質食品、錠剤
型食品、洋菓子類(キャンディ、あめ類、チョコレー
ト、チュウインガム等)、和菓子類(せんべい等)、焼
菓子類(カステラ、クッキー、クラッカー等)、グミ製
剤、油菓子(ポテト等チップス類、スナック類)、各種
ソース・しょうゆ・みそ・マヨネーズ・ドレッシング類
を粉末・固形化したもの、各種飲料(果汁飲料、ネクタ
ー飲料、清涼飲料、スポーツ飲料、茶、コーヒー、ココ
ア、スープ類、アルコール飲料類等)を粉末・固形化し
たもの、各種エキス粉末(ビーフ・ポーク・チキン等畜
産、エビ・ホタテ・シジミ・昆布等水産、野菜・果樹
類、植物、酵母等)、油脂類・香料類(バニラ、かんき
つ類、かつお等)を粉末・固形化したもの、粉末スパイ
ス・ハーブ類(唐辛子、コショウ、サンショ、ユズ、バ
ジル等)、粉末飲食品(インスタントコーヒー、インス
タント紅茶、インスタントミルク、インスタントスープ
・味噌汁等)、各種乳製品類(チーズ等)、各種栄養・
栄養補助食品素材類(ビタミンA・B群・C・D・E等
ビタミン類、ビフィズス菌・乳酸菌・酪酸菌等有用菌
類、クロレラ、Ca・Mgミネラル類、プロポリス
等)、ふりかけ、フレーク類、トッピング類(クルトン
等)、豆類加工食品(豆腐・おから等)を固形化したも
の、生鮮食品・調理加工(カレー、シチュー類)食品を
固形化したもの・冷凍食品(具材・ころも類)、各種加
工食品を具体的に例示することができる。また、内包物
質が、微粒子、顆粒もしくは錠剤などの造粒物形状の場
合や種子等内包物質自体が造粒物と類似した形状の場
合、本発明のコーティング剤を有利に適用することがで
きる。
【0022】(コーティング工程)本発明のコーティン
グ剤によるコーティングは、上記内包物質を単独である
いは組み合わせて、微粒子、顆粒もしくは錠剤などの適
宜粒径の造粒物とし、これに、前記本発明のコーティン
グ剤を水もしくは水と溶媒の混合液に懸濁したものをコ
ーティングすることにより行うことができ、具体的に
は、例えばドリアコーター(株式会社パウレック製)な
どのコーティング機を用いて、内包すべき物質に本発明
のコーティング剤の懸濁液をスプレーコーティングする
ことにより行われるが、公知のコーティング方法や公知
のコーティング装置であればどのような方法や装置も用
いることができる。コーティング工程における乾燥温
度、すなわち本発明のコーティング剤の懸濁液により内
包物質をコーティングした後の乾燥温度は特に限定され
るものでないが、通常60〜90℃の温度で乾燥するこ
とが好ましく、また内包物質の温度安定性に応じて乾燥
温度を設定することもできる。さらに、乾燥時間を延ば
してやることで、医薬品添加剤で用いられるラテックス
系のコーティング剤におけるキュアリング効果と同様の
効果を得ることができる。そして、コーティング量につ
いても、用いられる内包物質の量、求められる用途など
に応じて適宜設定することができる。
【0023】(フィルム)本発明のコーティング剤を用
いて、内包物質をコーティングすることなく、成膜する
と、高湿度下においても酸素透過係数が極めて低い本発
明のフィルムを形成することができる。かかるフィルム
の成膜条件としては特に制限されないが、例えば、前記
本発明のコーティング剤を5〜200g/m2、好まし
くは6〜100g/m2の厚みで、例えば平板上にコー
ティング、あるいは平板をディッピングし、室温〜60
℃で乾燥することにより調製することができる。
【0024】本発明において「酸素透過試験用フィル
ム」とは、酵母細胞壁画分又は酸処理酵母細胞壁画分の
固形分換算で1gの量の本発明のコーティング剤を、1
1cm×11cmのプラスチックシャーレに入れて40
℃で24hr乾燥させて、さらに3日間23℃、RH5
0%下に保存することにより調製したフィルムをいい、
また、本発明において「酸素透過試験用フィルムの相対
湿度60%における酸素透過係数(cm3・mm/m2
atm・24hr)が0.1未満」とは、酸素透過試験
用フィルムを用い、JIS K7126B法に準拠して
酸素透過試験を、温度23℃、相対湿度60%、試験面
積50cm2、酸素濃度100%の測定条件下で行った
ときの酸素透過係数(cm3・mm/m2・atm・24
hr)が0.1未満であることをいう。上記酸素透過試
験には、例えば、モコン(MOCON:Modern Control
s社)製のOX−TRAN 10/50を用いることが
できる。
【0025】(パッケージ材)本発明のパッケージ材は
上記フィルムからなり、高湿度下(RH60%、温度2
3℃)においても優れた酸素バリア性を有する等、ガス
透過率や透湿度が極めて低い上に、誤って食しても安全
な可食性フィルムであり、また環境に優しい生分解性を
備えていることから、実用的かつ汎用性のあるパッケー
ジフィルムとして有用であり、食品、医薬品、飼料、農
業など幅広い分野に適用することができる。また、本発
明の包装品としては、本発明のパッケージ材を用いて包
装されているものであればどのようなものでもよく、例
えば、上述の食品や食品素材の他、医薬製剤、酵素、微
生物、種子、農薬、肥料、香料、顔料の包装品を例示す
ることができる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定され
るものではない。なお、実施例中に示された酵母菌体重
量は、すべて実状態での重量(ドライウエイト)であ
る。 実施例1 ビール工場より副生物としてのビール酵母スラリ―を入
手し、4500rpm、10分の条件で遠心分離して得
られた泥状生酵母を固形分が5重量%になるように水に
懸濁した。この懸濁物を50℃、17時間の反応条件で
自己消化させた後、再度遠心分離して、可溶性菌体内成
分を除去した自己消化残さを酵母細胞壁画分とした。次
に、この酵母細胞壁画分の固形分が10重量%となるよ
うに、また酸素バリア性改良剤としてのトレハロースが
酵母細胞壁画分の固形分の25重量%とになるように、
水に分散させコーティング液を調製した。
【0027】次に内包物質として、アセトアミノフェン
3.6mg、乳糖112.8mg、HPC−L3.0m
g、ステアリン酸マグネシウム0.6mg(トータル1
20mg/錠)からなる錠剤をあらかじめ作製してお
き、この錠剤に上記コーティング液をドリアコーター
(株式会社パウレック製)を用いて、錠剤:コーティン
グ剤=80:20(重量比)になるまでスプレーコーテ
ィングを行ったところ、コーティング剤の剥がれもなく
良好なコーティング錠剤が得られた。
【0028】実施例2 実施例1におけるビール酵母をトルラ酵母に代える他は
実施例1と同様にコーティング錠剤の調製を試みたとこ
ろ、実施例1と同様に良好なコーティング錠剤が得られ
た。
【0029】実施例3 実施例1で自己消化酵母残さとして得られた酵母細胞壁
画分を、その固形分が5%重量になるように0.5N塩
酸に懸濁して、80℃、20分間酸処理した後、450
0rpm、15分の条件で遠心分離し、可溶化分を除去
して得られた残さを酸処理酵母細胞壁画分とした。次
に、この酸処理酵母細胞壁画分の固形分が7重量%とな
るように、また酸素バリア性改良剤としてのトレハロー
スが酸処理酵母細胞壁画分の固形分の25重量%となる
ように、水に分散させコーティング液を調製した。次
に、あらかじめ作製しておいた前記錠剤に、このコーテ
ィング液をドリアコーター(株式会社パウレック製)を
用いて、錠剤:コーティング剤の重量比が、それぞれ8
0:20になるまでスプレーコーティングを行ったとこ
ろ、良好なコーティング錠剤が得られた。
【0030】実施例4(酸素透過試験) 実施例1で自己消化酵母残さとして得られた酵母細胞壁
画分を、その固形分が5重量%になるように0.5N塩
酸に懸濁して、80℃、20分間酸処理した後、450
0rpm、15分の条件で遠心分離し、可溶化分を除去
した残さからなる酸処理酵母細胞壁画分を得た。この酸
処理酵母細胞壁画分の収率は41.4%、またその固形
分は9.8重量%であった。かかる酸処理酵母細胞壁画
分の固形分が8.5重量%溶液に、各種酸素バリア性改
良剤を酸処理酵母細胞壁画分の固形分の10、25、5
0、100重量%となるように水に分散させ均一化した
液を調製した後、この液を酸処理固形分で1gになるよ
うに11cm×11cmのプラスチックシャーレに入れ
て40℃で24hr乾燥させて、さらに3日間23℃、
RH50%下に保存したものを、酸素透過試験用フィル
ムとして測定に使用した。酸素透過試験は、JIS K
7126B法に準拠して行った。試験装置は、モコン
(MOCON:Modern Controls社)製のOX−TRA
N 10/50を用い、測定条件は温度23℃、相対湿
度60%、試験面積50cm2、酸素濃度100%で行
った。結果を表1に示す。また対照としてHPMC、プ
ルラン、吸湿性の高い物質を添加した場合のデータを表
2に示す。表1から、酸処理酵母細胞壁画分に酸素バリ
ア性改良剤を添加すると、本発明のコーティング剤、す
なわちそれを用いて形成した酸素透過試験用フィルムの
相対湿度60%、23℃における酸素透過係数(cm3
・mm/m2・atm・24hr)が0.1未満である
コーティング剤が得られることが分かる。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明によると、乳化剤等を用いなくと
も水に容易に分散し、水100%でもコーティングが可
能で、また少量の溶媒を混ぜて使用することもでき、ア
ラビアガムなどのガム類、シェラックなどの樹脂類、ツ
ェインやオイドラギットなどと比べて粘性の割に仕上が
りにべとつきがなく、コーティング後の粒子同士の付着
がなく、直接手に触れても無害で且つ可食性なので安全
性も高いコーティング剤や、さらにコーティング量に応
じて、また酸処理条件に応じて溶出時間を制御できる機
能を有する腸溶性コーティング剤としても有用なコーテ
ィング剤や、これらコーティング剤を用いたコーティン
グ処理物や、前記コーティング剤から形成される、高湿
度条件下においても酸素透過係数が極めて低いフィルム
や、該フィルムからなるパッケージ材や、該パッケージ
材を用いて包装した包装品を提供することができる。特
に、上記パッケージ材は、高湿度下(RH60%、温度
23℃)においても優れた酸素バリア性を有する等、ガ
ス透過率や透湿度が極めて低い上に、誤って食しても安
全な可食性フィルムであり、また環境に優しい生分解性
を備えていることから、実用的かつ汎用性のあるパッケ
ージフィルムとして有用であり、食品、医薬品、飼料、
農業など幅広い分野に適用することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月26日(2001.10.
26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】すなわち本発明は、酵素処理した酵母から
可溶性菌体内成分を除去した菌体残さからなる酵母細胞
壁画分に酸素バリア性改良剤を添加したコーティング剤
であって、該コーティング剤を用いて酸素透過試験用フ
ィルムを形成したとき、該フィルムの相対湿度60%、
23℃における酸素透過係数(cm3・mm/m2・at
m・24hr)が0.1未満であることを特徴とするコ
ーティング剤(請求項1)や、酵素処理した酵母から可
溶性菌体内成分を除去した菌体残さを酸性水溶液で処理
してさらに可溶化分を除去した残さからなる酸処理酵母
細胞壁画分に酸素バリア性改良剤を添加したコーティン
グ剤であって、該コーティング剤を用いて酸素透過試験
用フィルムを形成したとき、該フィルムの相対湿度60
%、23℃における酸素透過係数(cm3・mm/m2
atm・24hr)が0.1未満であることを特徴とす
るコーティング剤(請求項2)や、酸素バリア性改良剤
が可食性の物質からなることを特徴とする請求項1又は
2記載のコーティング剤(請求項3)や、可食性の酸素
バリア性改良剤が、単糖類、オリゴ糖類、低吸湿性のア
ミノ酸類、多水和物を形成する無機塩類、低吸湿性の糖
アルコール類から選ばれる群の1種若しくは2種以上の
化合物であることを特徴とする請求項3記載のコーティ
ング剤(請求項4)や、可食性の酸素バリア性改良剤と
して、グルコース、マンノース、マルトース、トレハロ
ース、フルクトース、アラビノース、ニゲロオリゴ糖、
ラクト−ス、D−グルコノ−1.5−ラクトン、塩酸ア
ルギニン、硫酸第一鉄、リン酸二水素ナトリウム、パラ
チニット、ビタミンCから選ばれる1種若しくは2種以
上の化合物を用いることを特徴とする請求項4記載のコ
ーティング剤(請求項5)に関する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B035 LC05 LE01 LE07 LG16 LG17 LG19 LG50 LP21 LP22 LP41 4B048 PE02 PE03 PE09 PN02 PN04 4C076 AA44 BB01 CC04 DD24 DD38 DD51 DD59 DD67 EE58 FF26 4J038 BA012 BA172 BA191 HA376 HA416 JB10 JC43 KA02 NA08 PB04

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素処理した酵母から可溶性菌体内成分
    を除去した菌体残さからなる酵母細胞壁画分に酸素バリ
    ア性改良剤を添加したコーティング剤であって、該コー
    ティング剤を用いて酸素透過試験用フィルムを形成した
    とき、該フィルムの相対湿度60%、23℃における酸
    素透過係数(cm3・mm/m2・atm・24hr)が
    0.1未満であることを特徴とするコーティング剤。
  2. 【請求項2】 酵素処理した酵母から可溶性菌体内成分
    を除去した菌体残さを酸性水溶液で処理してさらに可溶
    化分を除去した残さからなる酸処理酵母細胞壁画分に酸
    素バリア性改良剤を添加したコーティング剤であって、
    該コーティング剤を用いて酸素透過試験用フィルムを形
    成したとき、該フィルムの相対湿度60%、23℃にお
    ける酸素透過係数(cm3・mm/m2・atm・24h
    r)が0.1未満であることを特徴とするコーティング
    剤。
  3. 【請求項3】 酸素バリア性改良剤が可食性の物質から
    なることを特徴とする請求項1又は2記載のコーティン
    グ剤。
  4. 【請求項4】 可食性の酸素バリア性改良剤が、単糖
    類、オリゴ糖類、低級質性のアミノ酸類、多水和物を形
    成する無機塩類、低吸湿性の糖アルコール類から選ばれ
    る群の1種若しくは2種以上の化合物であることを特徴
    とする請求項3記載のコーティング剤。
  5. 【請求項5】 可食性の酸素バリア性改良剤として、グ
    ルコース、マンノース、マルトース、トレハロース、フ
    ルクトース、アラビノース、ニゲロオリゴ糖、ラクト−
    ス、D−グルコノ−1.5−ラクトン、塩酸アルギニ
    ン、硫酸第一鉄、リン酸二水素ナトリウム、パラチニッ
    ト、ビタミンCから選ばれる1種若しくは2種以上の化
    合物を用いることを特徴とする請求項4記載のコーティ
    ング剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか記載のコーティ
    ング剤を用いてコーティング処理が施されたコーティン
    グ処理物。
  7. 【請求項7】 コーティング処理物が、微粒子、顆粒若
    しくは錠剤などの造粒物であることを特徴とする請求項
    6記載のコーティング処理物。
  8. 【請求項8】 コーティング処理物が、食品、食品素
    材、医薬製剤、酵素、微生物、種子、農薬、肥料、香料
    又は顔料であることを特徴とする請求項6又は7記載の
    コーティング処理物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれか記載のコーティ
    ング剤から形成されるフィルム。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のフィルムからなること
    を特徴とするパッケージ材。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のパッケージ材を用い
    て包装されている食品、食品素材、医薬製剤、酵素、微
    生物、種子、農薬、肥料、香料又は顔料からなることを
    特徴とする包装品。
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