JP2002248764A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその製造方法

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JP2002248764A
JP2002248764A JP2001052085A JP2001052085A JP2002248764A JP 2002248764 A JP2002248764 A JP 2002248764A JP 2001052085 A JP2001052085 A JP 2001052085A JP 2001052085 A JP2001052085 A JP 2001052085A JP 2002248764 A JP2002248764 A JP 2002248764A
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electrode
opening
diaphragm
jet head
ink jet
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Kiyoshi Yamaguchi
清 山口
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 インク滴を吐出するノズルを有するノズル板
と、ノズルが連通する液室と、液室の壁面を形成する振
動板と、振動板に対向する電極とを備え、振動板を静電
力で変形させて液室インクを加圧することによってノズ
ルからインク滴を吐出させる静電型インクジェットヘッ
ドにおいて、微細化の図れるインクジェットヘッドの提
供。 【解決手段】 振動板10と電極15とで形成されるギ
ャップ16の開口21を封止材22で封止し、封止材2
2を流路基板1の外端面1aよりも内側に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットヘッド及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリンタ、ファクシミリ、複写
装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置を含
む。)に用いられるインクジェットヘッドとして、イン
ク滴を吐出するノズルを有するノズル板と、ノズルが連
通する液室(インク流路、インク室、吐出室、圧力室、
加圧室、加圧液室等とも称される。)を有する流路基板
と、この液室の壁面を形成する振動板と、この振動板に
対向する電極とを有し、振動板と電極との間に電圧を印
加することで発生する静電力により振動板を変形させ
て、液室内の圧力/体積を変形させることによりノズル
からインク滴を吐出させる静電型インクジェットヘッド
が知られている。
【0003】このような静電型インクジェットヘッドに
おいては、アクチュエータ部の振動板と電極との間に微
小なギャップを形成することが必要である。この微小な
ギャップ内に水分や異物が混入すると、振動板の変位量
が変化して、インク滴吐出量やインク滴吐出速度が増加
或いは減少するなどインク滴吐出特性が変動し、或いは
振動板が変位しなくなって、インク滴吐出不能になるな
ど、画像品質が劣化することがある。
【0004】そのため、ギャップを外気から遮蔽するた
めにギャップの開口をエポキシ樹脂などの封止材を用い
て封止するようにしている。このようなインクジェット
ヘッドは、例えば図11に示すように、第1基板101
に液室102の壁面を形成する振動板103を設け、一
方第2基板104に設けた電極形成溝105の底面に振
動板103に対向する電極106を形成して、これらの
第1基板101と第2基板104とを接合し、振動板1
03と電極106との間に形成されるギャップ107の
開口108を封止するため、エポキシ樹脂からなる封止
材109をディスペンサーなどで開口108に充填塗布
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インクジェットヘッドにあっては、封止材109が振動
板を設けた第1基板101の外端面101aよりも外側
にも塗布されるため、ヘッドの小型化を図ることが困難
になるという課題がある。
【0006】すなわち、ギャップの開口へ樹脂材を充填
塗布して開口を封止する場合は、樹脂材の粘度や塗布条
件を調節して、樹脂材の塗布高さや開口部内へのしみ込
み量、電極上での広がり量を制御しなければならない。
【0007】この場合、塗布する樹脂材の粘度が高い
と、ギャップの開口内へのしみ込み量や電極上での広が
り量が小さくなるが、その分振動板を設けた基板の外端
面におけるはみ出し量が多くなり、振動板を設けた基板
の高さが低いと、はみ出し部分の封止材がノズル板の表
面まで達する恐れがあるので、振動板を設けた基板の高
さ、即ち液室の高さを高くする必要がある。
【0008】ここで、シリコン基板を異方性エッチング
して液室を形成する場合、液室の(111)面が現れて
いるテーパー面は結晶軸方向によって決まるため角度を
変えることができない。そのため、液室の高さを高くす
ると、テーパー面が長くなってヘッド面積が増加し、ヘ
ッドの微細化やコンパクト化が困難になる。
【0009】一方、塗布する樹脂材の粘度が低いと、振
動板を設けた基板の外端面におけるはみ出し量は少なく
なり、振動板を設けた基板の高さ、即ち液室の高さを低
くすることができるが、ギャップの開口内へのしみ込み
量や電極上での広がり量が大きなり、ギャップの開口部
からギャップ内にまで樹脂材が侵入するおそれがある。
【0010】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、ヘッドの微細化を図ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るインクジェットヘッドは、振動板と電
極とで形成されるギャップの開口を封止材で封止し、こ
の封止材は振動板を設けた基板の外端面よりも内側に設
けられている構成としたものである。
【0012】ここで、封止材は感光性樹脂材料であるこ
とが好ましい。この場合、感光性樹脂材料はポリイミド
樹脂或いはノボラック系樹脂を主成分とする材料である
ことが好ましい。
【0013】また、振動板と電極とで形成されるギャッ
プを外部に連通する連通路を有し、この連通路の外部へ
の開口も封止材で封止していることが好ましい。さら
に、振動板と電極とで形成されるギャップの開口断面積
と前記ギャップの開口の開口断面積とを異ならせたり、
開口の部分に屈曲部を設けることができる。
【0014】本発明に係るインクジェットヘッドの製造
方法は、本発明に係るインクジェットヘッドを製造する
方法であって、振動板と電極とで形成されるギャップの
開口を感光性樹脂材料からなる封止材で封止した後、振
動板を設けた基板の外端面よりも外側部分の感光性樹脂
材料を除去するものである。
【0015】本発明に係るインクジェットヘッドの製造
方法は、本発明に係るインクジェットヘッドを製造する
方法であって、振動板と電極とで形成されるギャップの
開口を樹脂材料からなる封止材で封止した後、振動板を
設けた基板の外端面よりも外側部分の樹脂材料をエッチ
ングで除去するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明を適用した静電
型インクジェットヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘ
ッドの振動板長手方向の断面説明図、図3は同ヘッドの
振動板短手方向の断面説明図である。
【0017】このインクジェットヘッドは、結晶面方位
(110)の単結晶シリコン基板、SOI基板などのシ
リコン基板等を用いた第1基板である流路基板1と、こ
の流路基板1の下側に設けた結晶面方位(100)の単
結晶シリコン基板を用いた第2基板である電極基板2
と、流路基板1の上側に設けた第3基板であるノズル板
3とを備え、インク滴を吐出する複数のノズル4、各ノ
ズル4が連通するインク流路である加圧室6、各加圧室
6にインク供給路を兼ねた流体抵抗部7を介して連通す
る共通液室流路8などを形成している。
【0018】流路基板1には加圧室6及びこの加圧室6
の壁面である底部をなす第1電極を兼ねた振動板10を
形成する凹部及び共通液室流路8を形成する貫通部を形
成している。この流路基板1は、例えば単結晶シリコン
基板を用いた場合、予め振動板厚さにボロンを注入して
エッチングストップ層となる高濃度ボロン層を形成し、
電極基板2と接合した後、加圧室6となる凹部をKOH
水溶液などのエッチング液を用いて異方性エッチングす
ることにより、このとき高濃度ボロン層がエッチングス
トップ層となって振動板10が高精度に形成される。
【0019】また、シリコンのベース基板に酸化層を介
してシリコンの活性層を接合したSOI基板を用いる場
合には、活性層で振動板10を形成する。なお、このヘ
ッドでは、振動板10は第1電極を兼ねているが、振動
板10とは別に第1電極を振動板10と一体に形成する
こともできる。
【0020】また、電極基板2には導電性基板である結
晶面方位(100)に単結晶シリコン基板を用いて、こ
のシリコン基板に熱酸化法などで絶縁層であるシリコン
酸化膜層12を形成し、この酸化膜層12の部分に電極
形成用溝14を形成して、この溝14底面に振動板10
に対向する第2電極である電極15を設け、振動板10
と対向電極15との間に所要の長さ(ここでは、0.1
μm以下としている。)のギャップ16を形成し、これ
らの振動板10と電極15とによって静電アクチュエー
タ部を構成している。
【0021】ここで、電極15は、振動板10に対向す
る対向領域15Aと、この対向領域15Aを外部に延設
するための引き出し領域15Bと、この引き出し領域1
5Bを介して駆動波形を印加するための外部駆動回路
(ドライバIC)に接続したFPCケーブルなどの接続
手段19と接続するためのパッド領域15Cとを有して
いる。
【0022】さらに、この電極15の表面にはSiO
膜などの酸化膜系絶縁膜、Si3膜などの窒化膜系絶
縁膜からなる電極保護膜17を成膜しているが、対向電
極15の表面に電極保護膜57を形成しないで、振動板
10側に絶縁膜を形成することもできる。また、電極基
板2には、共通液室流路8に連通するインク供給口18
を形成している。
【0023】また、電極基板2の電極15の材料として
は、TiNを用いているが、この他、通常半導体素子の
形成プロセスで一般的に用いられるAl、Cr、Ni等
の金属材料や、Ti、W等の高融点金属、または不純物
により低抵抗化した多結晶シリコン材料などを用いるこ
とができる。また、電極基板2にシリコン基板を用いる
場合、電極15としては、不純物拡散領域を用いること
ができる。この場合、拡散に用いる不純物は基板シリコ
ンの導電型と反対の導電型を示す不純物を用い、拡散領
域周辺にpn接合を形成し、電極15と電極基板2とを
電気的に絶縁する。
【0024】これらの流路基板1と電極基板2との接合
は、接着剤による接合も可能であるが、より信頼性の高
い物理的な接合、例えば電極基板2がシリコン基板で形
成される場合、酸化膜を介した直接接合法を用いること
ができる。この直接接合は1000℃程度の高温化で実
施する。また、電極基板2をシリコン基板で形成して、
電極基板2と流路基板1との間にパイレックス(登録商
標)ガラスを成膜し、この膜を介して陽極接合を行うこ
ともできる。さらに、流路基板1と電極基板2にシリコ
ン基板を使用して金等のバインダーを接合面に介在させ
た共晶接合で接合することもできる。
【0025】ノズル板3は多数のノズル4を二列配置し
て形成するとともに、共通液室流路8と加圧室6とを連
通する流体抵抗部7となる溝を形成し、また、吐出面に
は撥水処理を施している。このノズル板3としては、例
えば、Ni電鋳工法で製作しためっき膜、シリコン基
板、SUSなどの金属、樹脂とジルコニアなどの金属層
の複層構造のものなども用いることができる。ここで
は、ノズル板3は流路基板41に接着剤にて接合してい
る。
【0026】そして、このインクジェットヘッドにおい
ては、流路基板1と電極基板2の溝14及び電極15の
引き出し領域15B(正確には絶縁膜17)との間で形
成されるギャップ16の開口21を封止材22で封止し
てギャップ16内と外部との間を遮断し、この封止材2
2は電極15の引き出し領域15Bの上側にのみ設ける
ことによって流路基板1の外端面1aよりも内側に設け
ている。
【0027】このように、ギャップ16の開口21を封
止材22で封止し、この封止材22を流路基板1の外端
面1aよりも内側に設けることで、流路基板1の外端面
1aにおける封止材22のはみ出しがなくなり、流路基
板1の高さ、すなわち液室高さに対する制約がなくな
り、また、封止材22のはみ出しに対応するために電極
15のパッド領域15Cを確保する、つまり電極15の
長さを長くする必要がなくなり、ヘッドの微細化を図れ
る。
【0028】封止材22としては樹脂材料、特に感光性
樹脂材料を用いることで、簡単で安定的に流路基板1の
外端面よりも内側に封止材22を配設することができる
ようになる。そして、感光性樹脂材料としては、ポリイ
ミド樹脂材料或いはノボラック系樹脂を主成分とする材
料を挙げることができ、これらの樹脂材料を用いること
で特に簡便で安定的な封止が可能になる。
【0029】上記のように構成したインクジェットヘッ
ドにおいては、個別の電極15に対して、駆動回路によ
り0V〜35Vのパルス電位を印加することにより、電
極15の表面がプラスに帯電すると対応する振動板10
の下面がマイナス電位に帯電するので、振動板10は静
電引力により電極15側に変形する。次に、電極15へ
のパルス電位の印加をオフにすると、電極15の表面に
蓄積された電荷の放電に伴い吐出室側へ振動板10が復
元し、その際、液室6内に急激な体積変化/圧力変化が
生じ、充填されたインク滴がノズル5から吐出される。
【0030】そこで、このインクジェットヘッドを製造
する本発明に係る製造方法の第1実施形態について図4
を参照して説明する。先ず、同図(a)に示すように、
接合された電極基板2及び流路基板1に対して流路基板
1の液室6側全面にポジ型の感光性ポリイミド、或いは
ノボラック系樹脂を主成分とする材料などの感光性樹脂
材料31を塗布する。この感光性樹脂材料31の塗布方
法として、ここではスピンコート方法を用いたが、スプ
レー塗布方法などの他の塗布方法を用いることも可能で
ある。
【0031】このとき、ギャップ16及びその開口21
は間隔が1μm程度と極めて狭い隙間であるため、塗布
された感光性樹脂材料31は毛細管力によって開口21
内に侵入し、開口21を封止した状態になる。この場
合、感光性樹脂材料31の粘性や塗布量を制御すること
によって、この開口21内への侵入量を制御することが
できるので、感光性樹脂材料31が引き出し領域15B
で止まり、対向領域15Aまで侵入しないように粘性や
塗布量を制御する。
【0032】その後、同図(b)に示すように、流路基
板1の液室6側から全面に紫外線(UV)光を照射する
ことで、外部に露出している感光性樹脂材料31の部分
はすべて露光されるが、電極15の引き出し領域15B
上の開口21内に侵入している感光性樹脂材料31の部
分は流路基板1がマスクとなるために露光されない。
【0033】そこで、同図(c)に示すように、現像を
行うことによって、感光性樹脂材料31は、ポジ型の感
光性樹脂材料であるので、引き出し領域15B内に侵入
したものを除いてすべて除去され、つまり、流路基板1
の外端面1aよりも外側の部分にある感光性樹脂材料3
1が除去されて、ギャップ16の開口21に対応する引
き出し領域15Bの部分のみ残存し、封止材22となっ
て開口21を封止する。
【0034】このように、感光性樹脂材料を塗布して感
光する際にフォトマスクなどを用いず自己整合的なパタ
ーニングを行うことにより、ギャップ16の開口21に
対応する電極15の引き出し領域15Bの部分にのみ精
密に感光性樹脂材料を残すことができるようになる。こ
れにより、液室の高さの確保やパッド領域15Cの長さ
に対する制約がなくなり、ヘッドの微細化を図れる。
【0035】なお、ここでは全面露光を行って液室6を
含めて感光性樹脂材料31を除去するようにしている
が、例えばマスクを用いて露光することで液室6の壁面
部分の感光性樹脂材料31を残すこともでき、この場合
感光性樹脂材料31が耐インクを持つことで液室6の壁
面(振動板10面を含めて)の耐インク性が向上する。
【0036】次に、このインクジェットヘッドを製造す
る本発明に係る製造方法の第2実施形態について図5を
参照して説明する。先ず、同図(a)に示すように、接
合された電極基板2及び流路基板1に対して流路基板1
の液室6側全面に熱硬化性エポキシ樹脂などの樹脂材料
32を塗布する。樹脂材料32の種類は特に限定される
ものではなく、また、塗布方法としてはスピンコート方
法、スプレー塗布方法、その他の塗布方法を用いること
ができる。
【0037】このとき、ギャップ16及びその開口21
は間隔が1μm程度と極めて狭い隙間であるため、塗布
された樹脂材料32は毛細管力によって開口21内に侵
入し、開口21を封止した状態になる。この場合、樹脂
材料32の粘性や塗布量を制御することによって、この
開口21内への侵入量を制御することができるので、樹
脂材料32が引き出し領域15Bで止まり、対向領域1
5Aまで侵入しないように粘性や塗布量を制御する。
【0038】その後、同図(b)に示すように、流路基
板1の液室6側からRIEを用いてドライエッチングを
行うことによって、流路基板1がマスクとなるので、樹
脂材料32は引き出し領域15B内(開口21内)に侵
入したものを除いてすべて除去され、つまり、流路基板
1の外端面1aよりも外側の部分にある樹脂材料32が
除去されて、ギャップ16の開口21に対応する引き出
し領域15Bの部分のみ残存し、封止材22となって開
口21を封止する。
【0039】このように、樹脂材料を塗布した後フォト
リソ工程などを用いず自己整合的なパターニングを行う
ことにより、ギャップ16の開口21に対応する電極1
5の引き出し領域15Bの部分にのみ精密に樹脂材料を
残すことができるようになる。これにより、液室の高さ
の確保やパッド領域15Cの長さに対する制約がなくな
り、ヘッドの微細化を図れる。
【0040】なお、ここでは、樹脂材料としてエポキシ
樹脂を、エッチング方法としてドライエッチングを用い
たが、例えばポリイミド樹脂を塗布した後、仮硬化させ
た状態でアルカリ系のエッチャントでウェットエッチン
グすることでも同様の効果が得られる。
【0041】また、上記各実施形態において、感光性樹
脂材料や樹脂材料を塗布する前に、ギャップ16の気体
を窒素やアルゴンなどの不活性ガス、又は、表面を活性
化させる作用のあるガス(例えばHMDS)で置換する
ことにより、信頼性をより高めることができる。
【0042】次に、本発明の第2実施形態に係るインク
ジェットヘッドついて図6乃至図8を参照して説明す
る。なお、図6は同ヘッドのノズル板を除く分解斜視説
明図、図7は同ヘッドのノズル板を除く振動板長手方向
の断面説明図、図8は同ヘッドの要部断面説明図であ
る。このインクジェットヘッドは、電極基板2に各電極
形成用溝14に連通する連通路41を形成するとともに
各連通路41に連通する共通連通路42を形成し、この
共通連通路42の少なくともノズル配列方向の一端部に
大気開放口接続部43を形成している。そして、この電
極基板2の大気開放口接続部43に対応して流路基板1
には大気開放口44を形成している。
【0043】このように構成したので、流路基板1と電
極基板2とを接合した状態で、振動板10と電極15と
の間のギャップ16は、連通路41、共通連通路42、
大気開放口接続部43及び大気開放口44を通じて大気
に開放されている。したがって、樹脂材料として揮発性
の高いものを用いた場合に生じるギャップ16内での圧
力上昇や、樹脂材料の硬化収縮率が大きい場合のギャッ
プ16内での圧力の減少をキャンセルして、ギャップ1
6内を大気に維持することができる。
【0044】このように樹脂材料の揮発性や硬化収縮率
といった特性によるギャップ内での圧力変動をキャンセ
ルできることから、封止材として用いる樹脂材料の選定
の自由度が広がる。
【0045】なお、流路基板41の大気開放口44は、
ギャップ16の開口21を封止した後に封止材を用いて
封止する。これにより、ギャップ16の圧力を制御した
状態で封止することができる。この場合、大気開放口4
4を封止するときにもギャップ16内の圧力の変化が生
じるものの、この内部圧力の変化は内部体積に対して封
止エリアが十分に小さく、パターンの自由度が大きいた
め、実質上無視することができる。また、流路基板1の
大気開放口44は流路基板1上にノズル板3を接着接合
することでも封止することができるので、別途大気開放
口44のみの封止工程を行わなくても良い。
【0046】次に、本発明の第3実施形態に係るインク
ジェットヘッドについて図9を参照して説明する。な
お、同図は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図であ
る。このインクジェットヘッドは、電極基板2の電極形
成用溝14の底面のうちの電極引き出し領域15Bに対
応する部分に凸部14aを形成することで、ギャップ1
6の開口21を形成する電極引き出し領域15Bに対応
する部分の開口断面積をギャップ16の開口断面積より
狭くしている。そして、前記各実施形態と同様に、この
狭くなっているこのギャップ16の開口21を封止材2
2で封止している。
【0047】このようにギャップ16の開口断面積より
も開口21の開口断面積を狭くすることによって、毛管
力が高くなり、粘度の高い封止材22となる樹脂材料で
も電極引き出し領域15Bの部分まで侵入させることが
できるようになる。
【0048】逆に、電極基板2の電極形成用溝14の底
面のうちの電極引き出し領域15Bに対応する部分に凹
部を形成することで、ギャップ16の開口21を形成す
る電極引き出し領域15Bに対応する部分の開口断面積
をギャップ16の開口断面積より広くすることもでき
る。
【0049】このようにギャップ16の開口断面積より
も開口21の開口断面積を広くすることによって、毛管
力が低くなり、粘度の低い封止材22となる樹脂材料で
も電極引き出し領域15Bの部分を越えてギャップ16
内まで樹脂材料が侵入しないようにすることができるよ
うになる。
【0050】すなわち、ギャップ16と開口21の各開
口断面積を異ならせることによって、封止材を電極引き
出し領域の部分に引き込む毛管力(あるいはコンダクタ
ンス)を設定できるので、樹脂材料の粘度に対する制約
が緩和され、樹脂材料の選定の自由が大きくなる。
【0051】なお、この実施形態では封止材22が凸部
14a上にのみ存在する状態で図示しているが、電極引
き出し領域の部分にのみ存在すれば、凸部14aから外
れてもよい。また、ここでは、電極形成用溝の底面に凸
部或いは凹部を形成することによってギャップと開口と
の各開口断面積を異ならせているが、例えば、電極形成
用溝の幅を電極引き出し領域に対応する部分で狭く又は
広くすることでも同様に各開口断面積を異ならせること
ができる。
【0052】次に、本発明の第4実施形態に係るインク
ジェットヘッドについて図10を参照して説明する。な
お、同図は同ヘッドの電極基板の概略平面説明図であ
る。このインクジェットヘッドは、前記第2実施形態の
電極基板と同様な構成に加えて、電極基板2の電極形成
用溝14として電極引き出し領域15Bに対応する部
分、すなわちギャップの開口に対応する部分に屈曲部1
4bを形成している。なお、流路基板1の構成は前記第
2実施形態と同様である。そこで、電極形成用溝14の
屈曲部14bの近傍でギャップの開口を封止材で封止す
る。
【0053】このようにギャップの開口に屈曲部を設け
ることにより、開口を樹脂材料で封止するときのコンダ
クタンスを変化させることができ、前記第3実施形態と
同様に樹脂材料の選定の自由度が広がる。
【0054】なお、上記各実施形態においては、本発明
を振動板変位方向とインク滴吐出方向が同じになるサイ
ドシュータ方式のインクジェットヘッドに適用したが、
振動板変位方向とインク滴吐出方向と直交するエッジシ
ュータ方式のインクジェットヘッドにも同様に適用する
ことができる。さらに、インクジェットヘッドだけでな
く液体レジスト等を吐出させるインクジェットヘッドな
どにも適用できる。また、振動板と流路基板とを同一基
板から形成したが、振動板と流路基板とを別体にして接
合することもできる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェットヘッドによれば、振動板と電極とで形成され
るギャップの開口を封止材で封止し、この封止材は振動
板を設けた基板の外端面よりも内側に設けたので、液室
高さや電極パッド領域の長さに対する制約がなくなり、
ヘッドの微細化を図れる。
【0056】ここで、封止材として感光性樹脂材料を用
いることで簡便で安定的な封止を行うことができる。こ
の場合、感光性樹脂材料としてポリイミド樹脂、或いは
ノボラック系樹脂を主成分とする材料を用いることで、
特に簡便で安定的な封止を行うことができる。
【0057】また、振動板と電極とで形成されるギャッ
プを外部に連通する連通路を有し、この連通路の外部へ
の開口も封止材で封止することにより、封止材として用
いる樹脂材料の揮発性、硬化収縮率などによるギャップ
内圧力変動を防止することができ、封止材の選定の自由
度が広がる。
【0058】さらに、振動板と電極とで形成されるギャ
ップの開口断面積とギャップの開口の開口断面積とを異
ならせたり、或いは開口の部分に屈曲部を設けること
で、毛管力或いはコンダクタンスを変化させることがで
き、封止材の粘度に対する制約を緩和することができ
て、封止材の選定の自由度が広がる。
【0059】本発明に係るインクジェットヘッドの製造
方法によれば、振動板と電極とで形成される空間の開口
を感光性樹脂材料からなる封止材で封止した後、振動板
を設けた基板の外端面よりも外側部分の感光性樹脂材料
を除去するので、容易に振動板を設けた基板の外端面よ
りも内側に封止材を設けることができ、液室高さや電極
パッド領域の長さに対する制約がなくなり、ヘッドの微
細化を図れる。
【0060】本発明に係るインクジェットヘッドの製造
方法によれば、振動板と電極とで形成される空間の開口
を樹脂材料からなる封止材で封止した後、振動板を設け
た基板の外端面よりも外側部分の樹脂材料をエッチング
で除去するので、容易に振動板を設けた基板の外端面よ
りも内側に封止材を設けることができ、液室高さや電極
パッド領域の長さに対する制約がなくなり、ヘッドの微
細化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの分解斜視説明図
【図2】同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図3】同ヘッドの振動板短手方向の断面説明図
【図4】同実施形態のインクジェットヘッドを製造する
本発明の第1実施形態に係る製造方法を説明する説明図
【図5】同実施形態のインクジェットヘッドを製造する
本発明の第2実施形態に係る製造方法を説明する説明図
【図6】本発明の第2実施形態に係るインクジェットヘ
ッドのノズル板を除く分解斜視説明図
【図7】同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図8】同ヘッドの大気開放口部分における振動板長手
方向の断面説明図
【図9】本発明の第3実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの振動板長手方向の断面説明図
【図10】本発明の第4実施形態に係るインクジェット
ヘッドの電極基板の平面説明図
【図11】従来のインクジェットヘッドを説明する要部
断面説明図
【符号の説明】
1…流路基板、2…電極基板、3…ノズル板、6…液
室、8…共通液室流路、10…振動板、14…電極形成
用溝、14a…凸部、14b…屈曲部、15…電極、1
5A…対向領域、15B…電極引き出し領域、15C…
電極パッド領域、16…ギャップ、17…保護膜、21
…ギャップの開口、22…封止材、31…感光性樹脂材
料、32…樹脂材料。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通する液室と、液室の壁面を形成する振動板と、
    この振動板に対向する電極とを備え、前記振動板を静電
    力で変形させて前記ノズルからインク滴を吐出させるイ
    ンクジェットヘッドにおいて、前記振動板と電極とで形
    成されるギャップの開口を封止材で封止し、この封止材
    は前記振動板を設けた基板の外端面よりも内側に設けら
    れていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記封止材が感光性樹脂材料であることを特
    徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のインクジェットヘッド
    において、前記感光性樹脂材料がポリイミド樹脂である
    ことを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のインクジェットヘッド
    において、前記感光性樹脂材料がノボラック系樹脂を主
    成分とすることを特徴とするインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記振動板と電極とで形成
    されるギャップ内を外部に連通する連通路を有し、この
    連通路の外部への開口も封止材で封止していることを特
    徴とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載にイン
    クジェットヘッドにおいて、前記振動板と電極とで形成
    されるギャップの開口断面積と前記ギャップの開口の開
    口断面積が異なっていることを特徴とするインクジェッ
    トヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれかに記載にイン
    クジェットヘッドにおいて、前記振動板と電極とで形成
    されるギャップの開口部分に屈曲部を有することを特徴
    とするインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドを製造するインクジェットヘッドの製
    造方法であって、前記振動板と電極とで形成されるギャ
    ップの開口を感光性樹脂材料からなる封止材で封止した
    後、前記振動板を設けた基板の外端面よりも外側部分の
    感光性樹脂材料を除去することを特徴とするインクジェ
    ットヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至7のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドを製造するインクジェットヘッドの製
    造方法であって、前記振動板と電極とで形成されるギャ
    ップの開口を樹脂材料からなる封止材で封止した後、前
    記振動板を設けた基板の外端面よりも外側部分の樹脂材
    料をエッチングで除去することを特徴とするインクジェ
    ットヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007508163A (ja) * 2003-10-10 2007-04-05 ディマティクス インコーポレーテッド 薄膜を有するプリントヘッド

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