JP2002248160A

JP2002248160A - 薬剤供給容器

Info

Publication number: JP2002248160A
Application number: JP2001047606A
Authority: JP
Inventors: Rihachi Kitamura; 利八北村; Hiromi Yanai; 宏美谷内
Original assignee: T Hasegawa Co Ltd
Current assignee: T Hasegawa Co Ltd
Priority date: 2001-02-23
Filing date: 2001-02-23
Publication date: 2002-09-03

Abstract

(57)【要約】【課題】薬剤の揮散量、容器内への流入水量等を所望
する量に設定することができ、薬剤の効果持続性、均一
拡散性に優れ、また、宝飾的美観を呈して高いインテリ
ア性を有し、さらに、構成が簡単で製造も容易である薬
剤供給容器のの提供を目的とする。【解決手段】粒状素材を焼結成形して得られる焼結体
部分を有する薬剤供給容器とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、芳香剤、消臭剤等
の薬剤を収納して、外部に供給するための薬剤供給容器
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、室内、車内、トイレ等に置かれる
芳香剤、消臭剤等は、薬剤供給容器に収納した状態で使
用される。この薬剤供給容器には、種々のものが知られ
ており、例えば、容器内部に芯材を垂らし、この芯材に
液状薬剤を毛細管現象によって吸い上げ含浸させ、該芯
材の上端を容器の上部開口部に位置するようにして、薬
剤を揮散させる薬剤供給容器のほか、薬剤支持体、傘様
部材等からなり、固形薬剤を薬剤支持体に載せ、使用時
に傘様部材を上方に動かし、固形薬剤を下部の開口部か
ら揮散させる薬剤供給容器、固形薬剤あるいはゲル状薬
剤を収納し、薬剤を揮散させるための開口部を容器の上
面、側面等に設けた立方体、直方体、円筒形等の形状を
もつ薬剤供給容器が知られている。また、水洗トイレの
貯水タンクの受水面上に取り付けて使用する、いわゆる
オンタンク型の薬剤供給容器も知られている。オンタン
ク型の薬剤供給容器の場合は、該容器内に芳香洗浄固形
薬剤等が収納され、手洗い用蛇口からの水を該容器内に
通水させると共に、該薬剤の芳香成分を大気中に揮散さ
せるための開口部が設けられている。これら従来の薬剤
供給容器は、耐久性、耐薬品性、製造容易性、製造コス
ト等の点から、一般には、合成樹脂によって一体成形さ
れている。また、容器の美観を増して商品価値を高める
ために、高級な陶磁器製としたり、容器形状を貝殻型、
花様の形状とするほか、表面に花柄模様等の装飾模様を
印刷した薬剤供給容器も知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
薬剤供給容器では、薬剤を大気中に揮散させるため、あ
るいは水を容器内に通水させるために、ある程度以上の
大きな開口部を設ける必要性があった。そのため、芳香
剤、消臭剤等が過度に放出されて、逆に不快感を感じた
り、また、使用するにつれて薬剤の揮散量が低下した
り、開口部の周辺空間のみ、薬剤の揮散量が特に多いな
ど、薬剤の効果持続性、均一拡散性等の点で十分とはい
えなかった。このような不都合を解消するために、小さ
な通気孔（通水孔）を多数設けることも考えられるが、
そうした場合、薬剤供給容器のインテリア性が著しく損
なわれ、商品価値が低下すると共に、製造コストが上昇
するという問題があった。また、従来の薬剤供給容器の
うち、液状薬剤を毛細管現象によって吸い上げ、容器本
体の芯材に含浸させるタイプのもの等は、使用するにつ
れて芯材に目詰まりが生じ、薬剤の揮散性が低下すると
いう問題がある。目詰まりが生じた場合、結局、該容器
全体を取り替えなければならず、使用者にとって非常に
不経済であった。さらに、従来の薬剤供給容器は、射出
成形によって得られたありふれた形状のものが多く、容
器の表面が平滑面であるため、美観の点で十分とはいえ
なかった。美観を向上させるために、着色したり、表面
に花柄模様等の装飾模様を印刷したり、容器の形状、構
成を複雑にした場合、そのための特別の工程が必要とな
り、製造コストの点で問題があった。そこで、本発明
は、薬剤の揮散量、容器内への流入水量等を所望する量
に設定することができ、薬剤の効果持続性、均一拡散性
に優れ、また、宝飾的美観を呈して高いインテリア性を
有し、さらに、構成が簡単で製造も容易である薬剤供給
容器の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、粒状素材を焼結成
形することにより上記課題を解決できることを見出し、
かかる知見に基づき、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明は、粒状素材を焼結成形して得られる焼結
体部分を有する薬剤供給容器である。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。本発明の薬剤供給容器は、
前記したように、粒状素材を焼結成形することにより得
られる焼結体部分を有するものであるが、その１態様を
図１に示す。図１は、ドーム形状を有する薬剤供給容器
の外観図であり、カバー部１が粒状素材を焼結成形する
ことにより得られた焼結体部分である。このカバー部１
と薬剤支持部２は、着脱可能となっており、薬剤支持部
２には芳香剤等の薬剤が配置される。粒状素材を焼結成
形することにより得られる焼結体部分は、図１に示した
ように、粒状素材同士が複雑に絡み合って、その配列、
配向、重なり等が不規則となり、表面が凹凸状で立体的
である場合のほか、表面の全部又は一部が平滑である場
合も含まれる。焼結体部分の表面、特に外面を凹凸状と
することにより、薬剤の効果持続性、及び宝飾的美観を
高めることができる。その理由は必ずしも明らかではな
いが、凹凸状であることによる薬剤の吸着面積の増大、
及び自然光や照明光等の入射光が複雑に反射する光学的
作用によるものと考えられる。本発明の薬剤供給容器
は、粒状素材を焼結成形することにより得られた焼結体
部分を有するものであればよく、焼結体部分が容器全体
であっても、カバー部１等の外包容器のみのように、容
器の一部であってもよい。また、本発明の薬剤供給容器
の形状は、特に限定されるものではなく、ドーム形のほ
か、立方体、直方体、円筒体、円錐体、球体、星形、花
形、建物形、貝殻形、菓子形、果物形、動物形、魚類形
等が例示される。

【０００６】本発明の薬剤供給容器において、粒状素材
を焼結成形することにより得られた焼結体部分の表面の
気孔率は、薬剤の効果持続性、均一拡散性、宝飾的美観
等を考慮して適宜決定すればよいが、一般には、０．１
〜２０％である。気孔率が０．１％未満であると、通水
性や通気揮散性が十分得られず、製品の最重要特性であ
る溶解溶出量や揮散性等の低レベル化を招くことにな
り、２０％を超えると、通水性や通気揮散性が大過剰と
なり、完全開放されたのと同等となる。なお、気孔率と
は、焼結体部分の表面積に対して気孔が占める面積の割
合をいう。

【０００７】粒状素材としては、エチレン・酢酸ビニル
共重合体、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ＡＢＳ樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
等の透明性のある各種合成樹脂やガラスが例示される。
特にエチレン・酢酸ビニル共重合体は、香料との親和
性、相溶性が高いので、香料を配合したり、あるいは、
香料を自然吸着することにより、香気成分の揮散性、即
効性、持続性等を高めることができる。

【０００８】粒状素材を構成する合成樹脂に香料を配合
することにより、薬剤供給容器自体に芳香性を付与し
て、芳香性を増強することができる。香料としては、ヒ
ノキ油、アニス油、ベルガモット油、シトロネラ油、レ
モン油、ユーカリ油、ゲラニウム油、ラベンダー油、バ
ラ油、ジャスミン油、ライラック油、オレンジ油、ネロ
リー油、ローズマリー油、ゼラニウム油、グレープフル
ーツ油、マンダリン油、はっか油、じゃ香、竜延香、霊
猫香等の天然香料、ピネン、リモネン、リナロール、ゲ
ラニオール、アネトール、樟脳、アセトフェノン、ベン
ズアルデヒド、ブチルアルデヒド、安息香酸エチル、安
息香酸ベンジル、桂皮酸メチル、ラウリン酸メチル、ミ
リスチン酸エチル、プロピオン酸ブチル等の合成香料及
びこれらの２種以上を混合した調合香料が例示される。
なお、香料の配合量は、適宜決定すればよい。

【０００９】粒状素材を構成する合成樹脂に反射物質を
配合することにより、光輝性を増加させ、宝飾的美観を
さらに高めることができる。反射物質としては、蒸着フ
ィルム、金属箔類、ガラス球体、パール化顔料が例示さ
れる。なお、反射物質の配合量は、適宜決定すればよ
い。また、焼結体部分に蒸着処理を施すことにより、光
輝性を増加させ、宝飾的美観をさらに高めることができ
る。さらに、焼結体部分に金属箔類を貼着処理すること
によっても、光輝性を増加させ、宝飾的美観をさらに高
めることができる。

【００１０】粒状素材の形状は、特に限定されるもので
はなく、球状、あるいは楕円体等の不規則形状のいずれ
でもよい。粒状素材の色彩は、特に限定されるものでは
なく、無色、着色のいずれでも問わない。すべての粒状
素材を単一色にしても、複数の色彩からなるものとして
もよい。また、粒状素材の色調が異なっていてもよい。
粒状素材の粒径は、特に限定されるものではないが、薬
剤供給容器の容積が１リットル以下である場合は、通
常、０．５〜１０．０ｍｍの範囲である。なお、粒状素
材が不規則形状の場合は、短軸と長軸の長さを平均した
二軸平均径を粒状素材の粒径とする。粒状素材は、従来
公知の各種機械的方法、電気的方法、化学的方法、噴霧
法等により製造される。

【００１１】本発明の薬剤供給容器に収納される薬剤
は、該容器に収納することができる固形状、ゲル状又は
液状の各種溶出型薬剤あるいは揮散型薬剤であればよ
く、具体的には、芳香剤、消臭剤、殺菌剤、殺虫剤、衣
類用防虫剤、忌避剤、除草剤、防カビ剤、殺ダニ剤、植
物生長調節剤等が挙げられる。これらは１種でも２種以
上でもよい。

【００１２】本発明の薬剤供給容器は、例えば、粒状素
材を冷間又は温間で予備成形した後、予備成形品を炉内
に入れ、一定温度で一定時間焼結成形することにより得
られる。焼結強度、焼結部位、金型寸法等を調節するこ
とにより、気孔を含む多孔層と気孔を含まない連続層と
の位置及び分布を調整することができる。例えば、焼結
強度を上げて粒状素材を完全融着することにより、粒状
素材間の気孔が存在しない連続層を形成することがで
き、逆に、焼結強度を低くして粒状素材を部分融着する
ことにより、粒状素材間に気孔を生じさせ、通気性（通
水性）のある多孔層を形成することができる。また、金
型の加熱面を選択することにより、外面焼結、内面焼
結、両面焼結の選択が可能となり、粒状素材の配列、配
向、平坦度等の設計が自在となる。

【００１３】

【発明の効果】本発明の薬剤供給容器は、気孔率を適宜
調節することにより、薬剤の揮散量、容器内への流入水
量等を所望する量に設定することができる。また、本発
明の薬剤供給容器は、粒状素材が焼結して複雑な形状を
形成するため、薬剤の効果持続性、均一拡散性に優れ
る。さらに、本発明の薬剤供給容器は、粒状素材の色、
透明度、形状、表面反射率、屈折率、光透過率等によ
り、光の入射状況や見る角度等により、クリスタルな宝
飾的外観を呈して高いインテリア性を有し、従来の薬剤
供給容器に比べ、光輝性、美観を格段に向上させること
ができる。その上、構成が簡単で製造も容易であるた
め、製造コストの点でも優れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の薬剤供給容器の外観図である。

【符号の説明】

１…カバー部２…薬剤支持部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】粒状素材を焼結成形して得られる焼結体
部分を有する薬剤供給容器。
【請求項２】粒状素材の粒径が０．５〜１０．０ｍｍ
である請求項１記載の薬剤供給容器。
【請求項３】焼結体部分の表面の全部又は一部が平滑
である請求項１又は２記載の薬剤供給容器。
【請求項４】焼結体部分の表面を構成する粒子の配
列、配向及び重なり等が不規則であって、該表面が凹凸
状である請求項１又は２記載の薬剤供給容器。
【請求項５】粒状素材が合成樹脂からなる請求項１〜
４のいずれか１項記載の薬剤供給容器。
【請求項６】合成樹脂に香料を配合してなる請求項５
記載の薬剤供給容器。
【請求項７】合成樹脂に反射物質を配合してなる請求
項５又は６記載の薬剤供給容器。
【請求項８】合成樹脂が、エチレン・酢酸ビニル共重
合体である請求項５〜７のいずれか１項記載の薬剤供給
容器。
【請求項９】蒸着処理した焼結体部分を有する請求項
１〜８のいずれか１項記載の薬剤供給容器。
【請求項１０】蒸着処理した焼結体部分を有する請求
項１〜９のいずれか１項記載の薬剤供給容器。
【請求項１１】金属箔類を貼着処理した焼結体部分を
有する請求項１〜１０のいずれか１項記載の薬剤供給容
器。
【請求項１２】粒状素材を焼結成形して得られる焼結
体部分からなる、薬剤供給容器を構成する外包容器。