JP2002246656A - ガスアトマイズ粉末を用いた熱電材料焼結体、およびその製造方法 - Google Patents

ガスアトマイズ粉末を用いた熱電材料焼結体、およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002246656A
JP2002246656A JP2001045347A JP2001045347A JP2002246656A JP 2002246656 A JP2002246656 A JP 2002246656A JP 2001045347 A JP2001045347 A JP 2001045347A JP 2001045347 A JP2001045347 A JP 2001045347A JP 2002246656 A JP2002246656 A JP 2002246656A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered body
thermoelectric material
atomized powder
gas atomized
antimonide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001045347A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Tanahashi
浩之 棚橋
Junko Ota
順子 太田
Akio Kasama
昭夫 笠間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chokoon Zairyo Kenkyusho Kk
Japan Ultra High Temperature Materials Research Institute JUTEM
Original Assignee
Chokoon Zairyo Kenkyusho Kk
Japan Ultra High Temperature Materials Research Institute JUTEM
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chokoon Zairyo Kenkyusho Kk, Japan Ultra High Temperature Materials Research Institute JUTEM filed Critical Chokoon Zairyo Kenkyusho Kk
Priority to JP2001045347A priority Critical patent/JP2002246656A/ja
Publication of JP2002246656A publication Critical patent/JP2002246656A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクッテルダイト構造を有するアンチモナイ
ド熱電材料において、熱電変換性能と、熱履歴に対する
電極との接合性にともに優れた熱電材料を提供する。 【解決手段】 スクッテルダイト構造を有するアンチモ
ナイドに希土類元素を含有させた熱電材料焼結体で、ア
ンチモン含有量の異なるガスアトマイズ粉末を焼結し
て、焼結体の一部に所望の化学量論組成よりも過剰にア
ンチモンを含有した部分を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱電材料、および、
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱エネルギーを電気エネルギーに変換す
ることができる材料として多くの熱電材料が見出されて
いる。その中で、現在は未利用である中温度域(例えば
400〜600℃)の廃熱から効率よくエネルギーを回
収することを目的に、そうした温度域で高い熱電変換性
能を示す材料の開発が盛んに進められている。
【0003】スクッテルダイト構造を有するアンチモナ
イドはそうした材料の一つであり、化学成分や製造方法
について数々の提案がなされている。
【0004】例えば、特開平11−150307号公報
には、結晶粒界にキャリアの散乱を増大する元素を析出
させて高性能なコバルトアンチモナイドを得る方法が開
示されている。特開2000−252526号公報に
は、金属酸化物の結晶粒成長抑制効果を利用して微細な
結晶粒を有する希土類金属を含むコバルトアンチモナイ
ドを得る方法が述べられている。
【0005】また、一般的に熱電材料は、原料粉末を焼
結して作製される。ここで言う原料粉末とは、所定の化
学成分に配合した構成元素を一旦、溶解、凝固させた塊
を粉砕したものであることが多い。これに対して、簡便
な工程で原料粉末を得る方法の一つとしてガスアトマイ
ズ法が提案されている。特開平11−40862号公報
はその一例であり、塊の粉砕工程で起こり易い酸素や容
器材料からの不純物の混入を抑制でき、熱処理や焼結時
間の短縮が可能であると記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らもガスアト
マイズ法が熱電材料用の原料粉末作製方法として優れた
ものであると考えて、幾つかのスクッテルダイト構造を
有するアンチモナイドについてガスアトマイズによる原
料の作製とそれらの焼結によるP型熱電材料の創製を行
った。創製した材料の熱電変換性能を調査するととも
に、熱電発電モジュールへの応用を想定した電極との接
合、並びに、熱履歴試験による接合性の評価も行った。
その結果、熱電変換性能に優れる化学成分を選択すると
接合性が十分ではなく、一方、接合性を満足させ得る材
料では熱電変換性能が必ずしも十分ではないことが明ら
かとなった。
【0007】熱電変換は、図1に模式的に示すようなN
型熱電材料12aとP型熱電材料12bの一対を電極1
1、13で結合したもの(以下、熱電ユニットと記す)
を最小単位とし、それらを複数個連結した熱電モジュー
ルと呼ばれるセルを用いて行われる。熱電ユニットの一
端(以下、高温端)には廃熱などの熱源からの熱が加わ
り、もう一端(以下、低温端)からは熱電材料内を移動
した熱が排出される。
【0008】このように、高温端は廃熱の温度域にさら
されるが、常時そうした温度域に置かれる訳ではなく、
そうした温度と、例えば室温のような低温度域の間で熱
履歴を受ける。また高温端ほどではないが、低温端もや
はり熱履歴を受ける。
【0009】一般に電極には電気抵抗の小さい金属材料
が用いられるが、金属の熱膨張率は、半導体である熱電
材料に比べて大きく、その差が、上記の温度履歴に対し
て、熱電材料と電極間の接合に剥離などの不具合を生じ
させることが考えられる。
【0010】従って、熱電材料には高い熱電変換性能と
ともに、電極との接合性に優れていることも求められる
が、これらを両立させることは容易ではなく、またそう
した技術に言及した例も見当たらない。
【0011】本発明の目的は、電極との接合性の良好な
高い熱電変換性能を有する熱電材料を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこうした状
況に鑑み、材料の化学成分、ガスアトマイズ法によって
作製した粉末とその焼結体の性状、および電極との接合
性を詳細に鋭意検討して、熱電変換性能と電極との接合
性を両立し得る材料とその製造方法を見出し、本発明に
至った。
【0013】すなわち、本発明のガスアトマイズ粉末を
用いた熱電材料焼結体は、スクッテルダイト構造を有す
るアンチモナイドに希土類元素を含有させた熱電材料焼
結体であって、前記焼結体はガスアトマイズ粉末を焼結
して形成され、かつ、前記焼結体の一部に前記アンチモ
ナイドの化学量論組成よりも過剰にアンチモンを含有す
る部分を有することを特徴とする。
【0014】前記希土類元素をLnとし、遷移金属元素
をTとして、スクッテルダイト構造を有する前記アンチ
モナイドをLn13Sb12+Xの化学式で標記した場合、
Xが0.12以上であることを特徴とする。前記化学量
論組成よりも過剰にアンチモンを含有する部分の、熱電
変換ユニットとして用いる場合の両電極を結ぶ方向の厚
さが0.1mm以上であることを特徴とする。
【0015】前記アンチモナイドが、Fe、Ru、O
s、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Ptから選択され
る少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする。
前記アンチモナイドが、La、Ce、Pr、Nd、S
m、Eu、Gd、Th、Uから選択される少なくとも1
種の元素を含有することを特徴とする。
【0016】以上のいずれかの構成を有するガスアトマ
イズ粉末を用いた熱電材料焼結体において、前記熱電材
料焼結体は、化学量論組成の粉末とそれよりもアンチモ
ンを過剰に含む粉末とが積層された後、焼結されて形成
されていることを特徴とする。
【0017】他の本発明のガスアトマイズ粉末を用いた
熱電材料焼結体の製造方法は、スクッテルダイト構造を
有するアンチモナイドに希土類元素を含有させた熱電材
料焼結体の製造方法であって、前記アンチモナイドの化
学量論組成に合ったアンチモン含有量のガスアトマイズ
粉末の層と、前記化学量論組成より過剰のアンチモン含
有量のガスアトマイズ粉末の層とを、積層させて焼結す
ることを特徴とする。
【0018】前記化学量論組成に合ったアンチモン含有
量のガスアトマイズ粉末の層と、前記化学量論組成より
過剰のアンチモン含有量のガスアトマイズ粉末の層とを
積層させるに際しては、両ガスアトマイズ粉末のいずれ
か一方のガスアトマイズ粉末を焼結型に層状に入れ、そ
の上に他方のガスアトマイズ粉末を層状に入れることを
特徴とする。
【0019】本発明は、P型熱電材料焼結体に適用して
効果が得られるが、勿論、N型熱電材料焼結体に適用し
ても構わない。
【0020】本発明者らは、スクッテルダイト構造を有
する鉄アンチモナイド(Fe4Sb1 2)を基本に、鉄の
一部をコバルトで置換し、更に希土類元素としてセリウ
ム(Ce)を含有させた材料を対象に研究を進めた。
【0021】まず化学成分について検討し、Ce1Fe3
Co1Sb12の化学式で記述できるものが熱電変換性能
に優れているとの結論に達した。総量が3.5kgとな
るように構成成分の純金属を秤量し、これをグラファイ
ト製坩堝で溶解し、溶湯をアルゴンガスを用いてガスア
トマイズして焼結原料用の粉末を作製した。この粉末の
うち106μm未満の部分を分級採取して焼結体を作製
した。
【0022】得られた熱電材料の熱電変換性能指数(以
下、Zと記す)を室温〜600℃の範囲で調べたとこ
ろ、その値は国内外で学術報告されているものと遜色の
ないものであった。なお、Zは、単位温度差当たりの熱
起電力(ゼーベック係数、α)、電気伝導率(σ)、お
よび、熱伝導率(κ)を用いて Z=α2・σ/κ の関係式から得られるもので、α、σ、および、κの測
定を別々に行いZを求めた。
【0023】次に電極の接合を行った。電極には銅を用
いた。ただし、上記のように銅とアンチモナイド熱電材
料の熱膨張率は大きく異なっており、一般に電気伝導性
が要求される部位の接合に用いられるようなハンダ付け
などでは到底熱履歴に耐え切れないことが予想されたの
で、まず、アンチモナイド上にモリブデン(Mo)を溶
射形成し、モリブデンと銅の間を銀ロウを用いて接合す
る方式で電極を取り付けた。
【0024】このようにして作製した、両端に銅電極を
有するアンチモナイドを、図2に模式的に示すように、
ヒーターなどの発熱体22を内蔵した発熱板21と、冷
却水水路27を流す冷却水によって温度制御可能な吸熱
板26の間に挟み、低温端を75±10℃に制御した上
で、高温端を100〜600℃の範囲を往復させる熱履
歴を与え(以下、熱履歴試験と記す)、所定回数毎に取
り外して詳細に観察した。その結果、100回を超える
辺りから、モリブデンとアンチモナイドの間に微小な亀
裂や隙間の発生が認められ、更に熱履歴を与えると完全
に剥離に到るものが散見されることがわかった。モリブ
デンと銅の間には全く問題はなかった。
【0025】この現象を解決すべく、材料の化学成分や
アトマイズした粉末、および、その焼結体の性状を少し
ずつ、かつ、広範囲に変化させて熱履歴試験を行ったと
ころ、アンチモナイドのアンチモン(Sb)濃度が化学
量論組成よりも過剰であるアンチモナイド焼結体では、
亀裂の発生や剥離といった電極の不具合の発生が皆無で
あることがわかった。
【0026】しかし、アンチモン濃度を化学量論組成よ
り過剰とすると、Zの値が小さくなることもわかった。
【0027】そこで、Zの悪化を最小限にし、かつ、電
極の不具合発生を抑制する手段を鋭意研究した結果、ア
ンチモナイドの大部分は化学量論組成を有し、高温端近
傍のみ過剰にアンチモンを含有する焼結体であれば、優
れたZと電極との接合性を同時に満足する熱電材料の得
られることを見出した。
【0028】過剰なアンチモンを含有していると熱履歴
試験に対して優れた特性を示す理由は必ずしも明らかで
はないが、アンチモナイドに比べて低強度であるアンチ
モンがモリブデンとアンチモナイドの熱膨張率差から生
じる熱応力を緩和する働きをしているものと考えられ
る。
【0029】また、アンチモン濃度が異なるアンチモナ
イド同士を積層しても、両者の格子定数の差は極めて小
さく、他の物理的、化学的性質もほとんど同じであるこ
とから、積層界面での不具合発生は認められなかったも
のと考えられる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の技術について、実施例、
並びに、比較例を用いて説明する。
【0031】
【実施例】(実施例1)Ce1Fe3Co1Sb12を化学
量論組成とし、かかる化学量論組成に合わせたアンチモ
ンを含有するアトマイズ粉末S1と、それよりも過剰に
アンチモンを含有する複数のガスアトマイズ粉末を作製
した。アンチモン過剰量がそれぞれ異なる6種のガスア
トマイズ粉末S1、S2、S3、S4、S5、S6を作
製した。
【0032】まず総質量が約3.5Kgとなるように原
料を秤量配合し、それをグラファイト製坩堝内で溶解し
た。溶解雰囲気は室温から200℃までは真空、それ以
上では高純度アルゴンとした。溶湯の粘性が十分に低下
したところで坩堝上部から2.0kgf/cm2の圧力で
アルゴンガスを流すとともに、坩堝下部に設けたノズル
先端の細孔を開放して溶湯を勢いよく落下させた。ノズ
ルの周囲にはアルゴンガスを用いた高速のガス流が発生
させてあり、溶湯は微細な球状粒子(粉末)として凝
固、落下した。回収した粉末を分級して106μm未満
を焼結体用の原料とした。
【0033】焼結は放電プラズマ法によって行った。内
径50mmφのグラファイト製焼結型を用い、180g
を充填して焼結を行った。圧力は30MPa、加熱速度
は20℃/分とし、600℃を焼結温度として30分保
持した。焼結雰囲気はアルゴンガスとし、焼結時間終了
後、直ちに圧力を解除し、約60℃まで自然に冷却し
た。
【0034】このようにして得られたS1〜S6の焼結
体の一部を採取して化学成分分析を行った。その結果を
原子比に換算して示すと表1の通りである。
【0035】
【表1】
【0036】次ぎに、S1と、S2からS7までのうち
の一つを積層した焼結体(以下、複合焼結体)を作製し
た。グラファイト製の焼結型に、まず、S2からS7ま
でのうちの一つの粉末18.0gを充填して平坦に均し
た後、その上部にS1の粉末162.0gを静かに充填
した。これを上記と同じ条件で放電プラズマ焼結した。
【0037】作製した焼結体の一部を採取して縦断面を
研磨し、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用
いてアンチモンの線分析を焼結軸方向に行い、S1と、
S1に積層するS2からS7までのうちの一つとの境界
線を決定した。それによれば、S1と、S2からS7ま
でのうちの一つとの厚さの比は9:1に限りなく近いも
のであった。
【0038】複合焼結体の残り(50mmφの円板状の
一部を除いたもの)の上下面を研磨してS1の厚みが
5.8mm、もう一方が0.2mmである焼結体を作製し
た。これを切断して底辺が4mm×4mmの直方体を採
取した。これらの直方体を所定の枠に収め、両方の底面
に、約0.2mmの厚さになるようにモリブデンを溶射
した。溶射はアルゴンガスを作動ガスとするプラズマ溶
射法で行った。
【0039】モリブデンを形成した焼結体に銅電極を銀
ロウ付けした。銅のサイズは8mm×8mmとした。
【0040】このようにして作製した試料を熱履歴試験
に供した。複合焼結体の6種類と比較のための、S1の
みの焼結体のそれぞれについて各10体を試験した。試
験条件は既に述べた通りである。ただし、発熱板、試
料、および、吸熱板の全体をヘリウムガス雰囲気のチャ
ンバー内に収納して試験は行った。
【0041】熱履歴50回毎に試料を取り出して概観を
目視で観察し、必要に応じて実態顕微鏡で観察を行っ
た。亀裂や剥離が認められた場合には試験を中止し、そ
れまでの履歴数をその試料の熱履歴寿命とした。問題の
ないものについては試験を続けた。
【0042】これとは別に両端の銅電極にリード線を付
けた試料を用い、アンチモン過剰側(高温端)を600
℃、S1側(冷温端)を75℃に保持したときの最大出
力を測定して、これからZを逆算した。
【0043】以上の結果を、試料の化学成分をCe1
3Co1Sb12+Xと表記した時のXをアンチモン過剰量
の指標として図3に示す。ただし、熱履歴寿命は10体
の平均値であり、試験は1000回の履歴を以って終了
とした。また、ZはS1のみの焼結体の値を1とした時
の相対値(Z/ZS1)で示した。
【0044】図から明らかなように、本発明の焼結体
は、Zの減少も10%以下と小さく、かつ、優れた熱履
歴寿命を有し、繰り返し使用に対して高い信頼性が期待
できる。
【0045】Xの上限は熱履歴寿命上は特に考慮しなく
とも良いが、Zの低下を考慮して1以下とすることが望
ましい。
【0046】(実施例2)粉末S1と粉末S4を用いて
複合焼結体を作製した。まず前例と同様の方法で、S
1:S4の厚さの比が9:1である焼結体を得た。次ぎ
にS1側、および、S4側を制御して研削してそれぞれ
の厚さの異なる直方体を作製した。ただし、立方体の高
さは全て6mmで統一し、底面も4mm×4mmとし
た。S4の厚さは、同じ条件で研削した直方体のグルー
プの中から無作為に抽出した試料をEPMAによるアン
チモンの線分析にかけて決定した。
【0047】このようにして準備したS4の厚さの異な
る試料に、前例と同様の方法で、モリブデン溶射と銅電
極の接合を行い、それらに対して、熱履歴試験と、Zの
逆算を行った。試料作製条件、並びに試験条件は全て前
例と同じである。
【0048】その結果を図4に示す。なお、S4の厚
さ、t=0は前例の結果をプロットしたものである。
【0049】図から明らかなように、本発明の焼結体
は、Zの減少も10%以下と小さく、かつ、優れた熱履
歴寿命を有し、繰り返し使用に対して高い信頼性が期待
できる。
【0050】アンチモン過剰層の厚さtの上限は熱履歴
寿命上は特に考慮しなくとも良いが、Zの低下を考慮し
て2mm以下とすることが望ましい。
【0051】本発明は、上記実施の形態の説明に限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、
種々変更しても構わない。
【0052】例えば、低温端については温度変動の幅が
高温端に比べて小さいのでアンチモン過剰層を設ける効
果はそれほど大きくはないが、低温端側にも設けること
は本発明に何ら反するものではない。
【0053】また、アンチモナイド直方体の高さが低い
モジュールの場合であって、熱履歴に対する信頼性の要
求が特に高い場合には、直方体全体をアンチモン過剰な
アンチモナイドとすることも本発明に反するものではな
い。
【0054】本発明の効果はアンチモナイド中の化学量
論組成に対して過剰なアンチモンによってもたらされる
ものであり、実施例で述べた以外の希土類元素、遷移金
属元素の組み合わせから成るアンチモナイドに対しても
当然有効である。
【0055】
【発明の効果】本発明の熱電材料焼結体は、高い熱電変
換性能を有し、電極との優れた接合性を有する。そのた
め、本発明の熱電材料焼結体を使用することにより、熱
電変換性能に優れ、更に、熱源温度の変動などに伴う熱
履歴に対する熱電材料と電極の間の接合に関して高い信
頼性を有する熱電変換セルを提供することができる。
【0056】本発明の製造方法によれば、化学量論組成
に合ったアンチモンを含有するアトマイズ粉末と、化学
量論組成より過剰量のアンチモンを含有するアトマイズ
粉末とを積層して焼結するという簡単な手段で、高い熱
電変換性能を有し、電極との優れた接合性を有する熱電
材料焼結体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱電変換のための熱電ユニットを示す模式図で
ある。
【図2】熱履歴試験を示す模式図である。
【図3】アンチモン過剰量と熱履歴寿命、および熱電変
換性能指数の関係を示すグラフである。
【図4】アンチモン過剰層の厚さと熱履歴寿命、および
熱電変換性能指数の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11 電極 12a N型熱電材料 12b P型熱電材料 13 電極 21 発熱板 22 発熱体 23 電極 24 モリブデン層 25 熱電材料 26 吸熱板 27 冷却水水路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠間 昭夫 山口県宇部市大字沖宇部573番地の3 株 式会社超高温材料研究所内 Fターム(参考) 4K018 AA40 CA50 KA32

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクッテルダイト構造を有するアンチモ
    ナイドに希土類元素を含有させた熱電材料焼結体であっ
    て、 前記焼結体はガスアトマイズ粉末を焼結して形成され、
    かつ、前記焼結体の一部に前記アンチモナイドの化学量
    論組成よりも過剰にアンチモンを含有する部分を有する
    ことを特徴とするガスアトマイズ粉末を用いた熱電材料
    焼結体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガスアトマイズ粉末を用
    いた熱電材料焼結体において、 前記希土類元素をLnとし、遷移金属元素をTとして、 スクッテルダイト構造を有する前記アンチモナイドをL
    13Sb12+Xの化学式で標記した場合、Xが0.12
    以上であることを特徴とするガスアトマイズ粉末を用い
    た熱電材料焼結体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のガスアトマイズ
    粉末を用いた熱電材料焼結体において、 前記化学量論組成よりも過剰にアンチモンを含有する部
    分の、熱電変換ユニットとして用いる場合の両電極を結
    ぶ方向の厚さが0.1mm以上であることを特徴とする
    ガスアトマイズ粉末を用いた熱電材料焼結体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    のアトマイズ粉末を用いた熱電材料焼結体において、 前記アンチモナイドが、Fe、Ru、Os、Co、R
    h、Ir、Ni、Pd、Ptから選択される少なくとも
    1種の元素を含有することを特徴とするガスアトマイズ
    粉末を用いた熱電材料焼結体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    のガスアトマイズ粉末を用いた熱電材料焼結体におい
    て、 前記アンチモナイドが、La、Ce、Pr、Nd、S
    m、Eu、Gd、Th、Uから選択される少なくとも1
    種の元素を含有することを特徴とするガスアトマイズ粉
    末を用いた熱電材料焼結体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    のガスアトマイズ粉末を用いた熱電材料焼結体におい
    て、 前記熱電材料焼結体は、化学量論組成の粉末とそれより
    もアンチモンを過剰に含む粉末とが積層された後、焼結
    されて形成されていることを特徴とするガスアトマイズ
    粉末を用いた熱電材料焼結体。
  7. 【請求項7】 スクッテルダイト構造を有するアンチモ
    ナイドに希土類元素を含有させた熱電材料焼結体の製造
    方法であって、 前記アンチモナイドの化学量論組成に合ったアンチモン
    含有量のガスアトマイズ粉末の層と、前記化学量論組成
    より過剰のアンチモン含有量のガスアトマイズ粉末の層
    とを、積層させて焼結することを特徴とするガスアトマ
    イズ粉末を用いた熱電材料焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のガスアトマイズ粉末を用
    いた熱電材料焼結体の製造方法において、 前記化学量論組成に合ったアンチモン含有量のガスアト
    マイズ粉末の層と、前記化学量論組成より過剰のアンチ
    モン含有量のガスアトマイズ粉末の層とを積層させるに
    際しては、 両ガスアトマイズ粉末のいずれか一方のガスアトマイズ
    粉末を焼結型に層状に入れ、その上に他方のガスアトマ
    イズ粉末を層状に入れることを特徴とするガスアトマイ
    ズ粉末を用いた熱電材料焼結体の製造方法。
JP2001045347A 2001-02-21 2001-02-21 ガスアトマイズ粉末を用いた熱電材料焼結体、およびその製造方法 Pending JP2002246656A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001045347A JP2002246656A (ja) 2001-02-21 2001-02-21 ガスアトマイズ粉末を用いた熱電材料焼結体、およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001045347A JP2002246656A (ja) 2001-02-21 2001-02-21 ガスアトマイズ粉末を用いた熱電材料焼結体、およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002246656A true JP2002246656A (ja) 2002-08-30

Family

ID=18907157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001045347A Pending JP2002246656A (ja) 2001-02-21 2001-02-21 ガスアトマイズ粉末を用いた熱電材料焼結体、およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002246656A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2242121B1 (en) Thermoelectric conversion material and thermoelectric conversion module
JP5480258B2 (ja) 熱電材料およびカルコゲナイド化合物
KR101087355B1 (ko) 휴슬러 합금, 반-휴슬러 합금, 채워진 스커테루다이트계합금의 제조 방법, 및 이것을 사용하는 열전변환 시스템
JP4876501B2 (ja) 熱電変換材料及びその製造方法
JP5636419B2 (ja) 自己組織化熱電材料
JP5386239B2 (ja) 熱電変換モジュール
EP2913857B1 (en) Mg-Si THERMOELECTRIC CONVERSION MATERIAL, METHOD FOR PRODUCING SAME, SINTERED BODY FOR THERMOELECTRIC CONVERSION, THERMOELECTRIC CONVERSION ELEMENT, AND THERMOELECTRIC CONVERSION MODULE
EP2461383A1 (en) Magnesium-silicon composite material and process for producing same, and thermoelectric conversion material, thermoelectric conversion element, and thermoelectric conversion module each comprising or including the composite material
EP2461384A1 (en) Aluminum/magnesium/silicon composite material and method for producing same, thermoelectric conversion member utilizing said composite material, thermoelectric conversion element, and thermoelectric conversion module
EP3070181A1 (en) Thermoelectric conversion material, thermoelectric conversion element, thermoelectric conversion module, thermoelectric generator, thermoelectric conversion system, and method of manufacturing thermoelectric conversion material
CN111435698A (zh) 一种碲化铋基热电材料及其制备方法
JP2000252526A (ja) スカッテルダイト系熱電材料及び熱電カップル並びにその製造方法
JP3550390B2 (ja) 熱電変換素子及び熱電モジュール
JP2006310361A (ja) 熱電材料とその製造方法
JP5686417B2 (ja) 熱電変換モジュールの製造方法及び熱電変換モジュール
WO2013047474A1 (ja) 焼結体、熱電変換素子用焼結体、熱電変換素子及び熱電変換モジュール
Choi et al. Thermoelectric properties of higher manganese silicide consolidated by flash spark plasma sintering technique
US9960335B2 (en) Thermoelectric element, thermoelectric module and method of manufacturing thermoelectric element
US20230284532A1 (en) Alloy, sintered article, thermoelectric module and method for the production of a sintered article
EP3375548B1 (en) Thermoelectric conversion material
WO2013047475A1 (ja) マグネシウムシリサイド、熱電変換材料、焼結体、熱電変換素子用焼結体、熱電変換素子、及び熱電変換モジュール
JP2002246656A (ja) ガスアトマイズ粉末を用いた熱電材料焼結体、およびその製造方法
CN114402445A (zh) 热电转换元件、热电转换组件、接合材料、制造热电转换元件的方法
WO2023145340A1 (ja) 熱電変換モジュール及び熱電変換システム
JP2002246657A (ja) ガスアトマイズ粉末を用いた熱電材料焼結体、およびその製造方法