JP2002243884A - 原子炉格納容器のハッチ追設工法 - Google Patents
原子炉格納容器のハッチ追設工法Info
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Abstract
なハッチを容易に追設できる新規な原子炉格納容器のハ
ッチ追設工法の提供。 【解決手段】 鋼製容器1と生体遮蔽壁8とを部分的に
切除して開口部10を形成した後、この開口部10内にこれ
を内外に連通するように筒状のハッチ7を挿入してから
そのハッチ7周囲に鉄筋10を配筋し、しかる後、そのハ
ッチ7回りにコンクリートCを打設すると共にそのハッ
チ7と鋼製容器1側とを環状の補強板1aで溶接する。こ
れによって、既設の原子炉格納容器に新たなハッチ7を
容易に追設でき、大掛かりな作業を容易に実施すること
ができる。
Description
中)の原子力発電所の原子炉格納容器にハッチを新たに
追設するための工法に関するものである。
成する従来の格納容器の一例を示したものであり、鉄筋
コンクリート製の建屋内に吊鐘状をした鋼製の容器1が
収容されると共に、その格納容器1内に縦長の原子炉圧
力容器2が円筒状のペデスタル3上に支持立設された状
態で収容されている。
の頂部付近から水平に延びるドーナツ円板状のダイヤフ
ラムフロア4によって上下に区画されており、その上部
空間にドライウェル5が区画形成されると共に、その下
部空間に冷却水Wが溜められたサプレッションチャンバ
(圧力抑制室)6が区画形成されている。
連通する開閉自在なアクセス用ハッチ7が所定の位置に
複数設けられており、例えば定期実施が義務付けられて
いる供用期間中検査時等に所定のハッチ7を開いて、そ
の内部、すなわちドライウェル5やサプレッションチャ
ンバ6内に作業員や検査機器等の搬出入が行われるよう
になっている。
格納容器は、建設当初30〜50年程度で新たに立て替
えられる予定で建設されているが、諸般の事情により最
近ではこの既存の原子炉格納容器の寿命を当初予定より
も大幅に延ばそうとする動きが活発となってきており、
これに伴い、大掛かりなメンテナンス作業や老朽化した
内部機器の交換作業等が必要となってきた。
を実施するに際して上述したような主に検査用に使用さ
れる既設のハッチ7のみを用いたのでは、例えば、その
作業位置と既設のハッチの位置が離れている場合や大型
の機器を搬出入する場合等にはその搬出入作業自体が困
難となったり、作業が効率的に実施できないといった不
都合が懸念される。
しては最適な位置、例えば図中A部に示すような位置等
に新たにハッチを追設する必要性が生じるが、この鋼製
容器の周囲はその周囲が分厚い鉄筋コンクリート製の生
体遮蔽壁8で覆われている等の都合により、容易に追設
することができず、その具体的な工法については何ら提
案されていないのが現状である。
解決するために案出されたものであり、その目的は、既
設の原子力発電所の原子炉格納容器に新たなハッチを容
易に追設できる新規な原子炉格納容器のハッチ追設工法
を提供するものである。
に本発明は、請求項1に示すように、鋼製容器の周囲に
鉄筋コンクリート製の生体遮蔽壁を備えた原子炉格納容
器にハッチを追設する工法において、上記鋼製容器と生
体遮蔽壁とを部分的に切除して開口部を形成した後、こ
の開口部内にこれを内外に連通するように筒状のハッチ
を挿入してからそのハッチ周囲に鉄筋を配筋し、しかる
後、そのハッチ回りにコンクリートを打設すると共に、
そのハッチと上記鋼製格納容器側とを環状の補強板で溶
接するようにしたものである。これによって、容易かつ
確実に新たなハッチを追設することができるため、内部
機器の交換等といった大掛かりな搬出入作業を容易かつ
効率的に実施できる。
蔽壁に開口部を形成するに際しては、その生体遮蔽壁に
小径の貫通孔を所定の間隔を隔てて複数穿孔した後、そ
の貫通孔間をカッターで細かくブロック状に切断し、こ
のブロックを順次取り除いて形成するようにすること
で、重量構造物である生体遮蔽壁に対して所望口径の開
口部を容易に形成することができる。
補強板を、予めそのハッチ側に備え付けておくようにす
れば、現場での据え付け作業が省略され、その分現地で
の作業を省略でき、工期短縮を図ることができる。
の周囲にこれを囲繞するようにスリーブを据え付け、こ
のスリーブの周囲に鉄筋を配筋するようにすれば、生体
遮蔽壁の荷重や圧力が直接ハッチに掛からなくなるた
め、ハッチの薄肉軽量化及び健全性を確保することがで
きる。
設位置の外側に、さらに新たな遮蔽壁を追設すれば、そ
の部分の放射線遮蔽機能を維持することができる。
態を添付図面を参照しながら説明する。
されたハッチ7の実施の一形態を示したものであり、図
中1は、前述したように原子炉圧力容器2を収容すると
共に、その周囲にドライウェル5を区画形成するための
鋼製容器、8はこの鋼製容器1の周囲に僅かな間隔を隔
てて設けられる鉄筋コンクリート製の生体遮蔽壁,2a
はこの原子炉圧力容器2からハッチ7側に延びる作業フ
ロアである。
ッチ7は、端部にハッチ蓋7aを備えた円筒状に形成さ
れており、鋼製容器1及び生体遮蔽壁8を水平に貫通し
て内外を連通するように設けられている。
端部が環状の補強板1aによって鋼製容器1側に溶接し
て支持されるようになっている。
な鉄筋10が縦横に配筋されており、メカニカルジョイ
ント等の結合具11を介して生体遮蔽壁8側の鉄筋と相
互に連結されている。
覆うように鉄筋コンクリート製の遮蔽壁12が新たに付
設されており、そのハッチ7部分からの放射線漏れ等を
遮蔽するようになっている。尚、この遮蔽壁12及び作
業フロア2a上には、ハッチ7とほぼ同じレベルに位置
する仮設フロア12a,12aがそれぞれ設けられてお
り、内部機器g等を載置した台車R等をハッチ7内を通
過させて内外にスムーズに走行させることができるよう
になっている。
する工法の具体的実施例について説明する。
ハッチ7を追設する部分の鋼製容器1をガス溶断トーチ
等を用いてドライウェル5側から溶断してほぼ円形に除
去する。この除去方法としては、特に限定するものでは
ないが、同図に示すように作業安全性を確保する観点か
ら溶断箇所の下方から狭い範囲で除去していき、徐々に
上方に向かって除去する方法が最適である。また、この
格納容器1の除去片Pを除去するに際しては溶断前に予
めワイヤ等を溶接し、このワイヤによって吊下げるよう
に支持しておけば、溶断時における除去片Pの不慮の落
下事故等を確実に防止することができる。
7追設部分をほぼ円形に溶断し、その外側の生体遮蔽壁
8が露出した状態になったならば、同図(3),(4)
に示すように、その生体遮蔽壁8の外側からドリル等の
穿孔器具Dを用いてその生体遮蔽壁8に対し、小径の穿
孔hを複数,所定の間隔を隔てて形成した後、その穿孔
hを利用し、ダイヤモンドカッター等の切断器具を用い
てその穿孔h間の生体遮蔽壁8を複数のブロック状に切
断する。尚、この作業に際してはコンクリート屑等が生
体遮蔽壁8と鋼製容器1との間に落下しないように、そ
の間に異物落下防止治具13等を設けておくことが好ま
しい。
ら各ブロックB,B…を除去して生体遮蔽壁8に開口部
Hを形成すると共に、その開口縁のコンクリートを除去
して生体遮蔽壁8側の鉄筋10を剥き出し状態とする。
すなわち、一気に開口部Hを形成するのではなく、細か
なブロックB単位でコンクリートを除去して開口するこ
とによって、重量物である生体遮蔽壁8に対して大口径
の開口部Hを形成することができる。尚、この開口作業
及び鉄筋10を剥き出し作業に際しては、生体遮蔽壁8
の外側に仮設架台S等を設置しておき、仮設架台Sを利
用して作業することになる。
製容器1を一気に連通する開口部Hが形成されたなら
ば、同図(2)に示すように、予めその端部に環状の補
強板7aが備えられたハッチ7をその開口部H内に挿入
し、その補強板7aを鋼製容器1の開口縁に溶接して鋼
製容器1側に仮設する。これによって、開口による鋼製
容器1の強度低下を防止できると共に、ハッチ7と鋼製
容器1との連結部における応力集中に十分耐え得ること
が可能となる。
たならば、同図(3)に示すように、さらにそのハッチ
7に高剛性なスリーブ9を挿入すると共に、その周囲に
新たな鉄筋10を配筋し、スリーブ9を生体遮蔽壁8側
の鉄筋10に固定する。これによって生体遮蔽壁8側の
荷重をスリーブ9側で受けることができるため、ハッチ
7の健全性が確保されると共に、薄肉・軽量化が可能と
なり、その製造及び搬出入が容易となる。尚、この新た
な鉄筋10と生体遮蔽壁8側及びスリーブ9との鉄筋1
0との連結は、メカニカルジョイント等の結合器具11
を用いて結合する。
遮蔽壁8側に固定したならば、その鉄筋10を利用して
その外側に新たな鉄筋10を配筋して遮蔽壁12用の骨
格を形成した後、その剥き出しとなった鉄筋10の周囲
にコンクリートCを打設してスリーブ9周囲の隙間を塞
ぐと共に、その外側に遮蔽壁12を構築することで、ハ
ッチ7を鋼製容器1側に確実に固定し、据え付けると共
に、このハッチ7部分の放射線遮蔽能を担保することが
できる。
8に開口部Hを形成するに際しては、小さなブロックB
単位でコンクリートを除去して形成するようにしていた
が、シールドマシン等のような大口径穿孔装置等を用い
たり、開口部Hに沿って小径の穿孔hを複数環状に繋が
るように形成することで一気に形成するようにしても良
い。
子力格納容器に対して新たなハッチを容易かつ確実に追
設することができる。この結果、内部機器の搬出入や補
修・メンテナンス等といった大掛かりな作業を実施する
に際してこの追設されたハッチ7を有効利用することが
可能となるため、これら作業を容易に実施することがで
きると共にその作業効率を大幅に向上することができる
等といった優れた効果を発揮する。
を示す縦断面図である。
る。
る。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 鋼製容器の周囲に鉄筋コンクリート製の
生体遮蔽壁を備えた原子炉格納容器にハッチを追設する
工法において、上記鋼製容器と生体遮蔽壁とを部分的に
切除して開口部を形成した後、この開口部内にこれを内
外に連通するように筒状のハッチを挿入してからそのハ
ッチ周囲に鉄筋を配筋し、しかる後、そのハッチ回りに
コンクリートを打設すると共に、そのハッチと上記鋼製
格納容器側とを環状の補強板で溶接するようにしたこと
を特徴とする原子炉格納容器のハッチ追設工法。 - 【請求項2】 上記生体遮蔽壁に開口部を形成するに際
しては、その生体遮蔽壁に小径の貫通孔を所定の間隔を
隔てて複数穿孔した後、その貫通孔間をカッターで細か
くブロック状に切断し、このブロックを順次取り除いて
形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の
原子炉格納容器のハッチ追設工法。 - 【請求項3】 上記環状の補強板を、予めそのハッチ側
に備え付けておくようにしたことを特徴とする請求項1
又は2に記載の原子炉格納容器のハッチ追設工法。 - 【請求項4】 上記ハッチの周囲にこれを囲繞するよう
にスリーブを据え付け、このスリーブの周囲に鉄筋を配
筋するようにしたことを特徴する請求項1〜3のいずれ
かに記載の原子炉格納容器のハッチ追設工法。 - 【請求項5】 上記ハッチの追設位置の外側に、さらに
新たな遮蔽壁を追設するようにしたことを特徴とする請
求項1〜4のいずれかに記載の原子炉格納容器のハッチ
追設工法。
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JP2006038730A (ja) * | 2004-07-29 | 2006-02-09 | Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd | 原子炉圧力容器の解体工法 |
JP2010281795A (ja) * | 2009-06-08 | 2010-12-16 | Ihi Corp | 大口径ハッチの構造 |
JP2011149704A (ja) * | 2010-01-19 | 2011-08-04 | Japan Atomic Energy Agency | 原子力施設における放射線管理区域貫通処理方法 |
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- 2001-02-16 JP JP2001040624A patent/JP4423793B2/ja not_active Expired - Fee Related
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