JP2002243218A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JP2002243218A
JP2002243218A JP2001036914A JP2001036914A JP2002243218A JP 2002243218 A JP2002243218 A JP 2002243218A JP 2001036914 A JP2001036914 A JP 2001036914A JP 2001036914 A JP2001036914 A JP 2001036914A JP 2002243218 A JP2002243218 A JP 2002243218A
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clathrate
heat transfer
heat
pressure
circuit
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JP2001036914A
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Tatsuya Yamaguchi
達也 山口
Koji Matsuoka
弘二 松岡
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラスレートの生成または分解に伴う温熱ま
たは冷熱を利用する冷凍装置において、クラスレートの
生成に必要な過冷却度の低減、クラスレートの生成速度
の向上等を達成する。 【解決手段】 主熱交換器(12)を介して接続された熱搬
送回路(10)と冷媒回路(20)とを備える。熱搬送回路(10)
には、水とHFC134aからなる熱搬送媒体が充填さ
れている。熱搬送回路(10)に接続された圧力タンク(14)
を備えている。圧力タンク(14)の内部には、窒素ガスが
封入されている。圧力タンク(14)によって熱搬送回路(1
0)の熱搬送媒体は加圧され、クラスレートの生成温度は
高くなり、生成速度は向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラスレートを利
用した冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開2000−161
724号公報等に開示されているように、クラスレート
を利用した冷凍装置が知られている。クラスレートは、
化合物の内部の空孔中に他の特定の原子または分子を取
り込んだ結晶構造をもつ物質であり、その生成過程にお
いては発熱反応を伴い、逆に、分解過程においては吸熱
反応を伴うものである。クラスレートは、蓄熱媒体の
他、熱搬送媒体としても優れた特性を有するものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、例えば水
とHFC134aなど、クラスレートを生成しうる複数
の媒体の混合物を熱搬送媒体とし、この熱搬送媒体を連
続的に循環させて空調等を行う冷凍装置を考案した。図
7に、そのような冷凍装置の一例を示す。この冷凍装置
は、水とHFC134aとからなる熱搬送媒体を充填し
た熱搬送回路(100)と、冷媒回路からなる熱源回路(101)
とを備えている。熱搬送回路(100)は、ポンプ(102)と主
熱交換器(103)と室内熱交換器(104)とが順に接続されて
構成されている。熱源回路(101)は、蒸気圧縮式の冷媒
回路であり、圧縮機(105)と凝縮器(106)と膨張弁(107)
と上記主熱交換器(103)とが順に接続されて構成されて
いる。熱搬送回路(100)では、主熱交換器(103)において
熱搬送媒体が冷却され、クラスレートが生成される。こ
のクラスレートは室内熱交換器(104)を介して室内空気
と熱交換を行って分解し、室内空気を冷却する。これに
より、室内の冷房が行われる。
【0004】ところで、上記冷凍装置では、以下のよう
な課題があった。第1に、クラスレートは過冷却した熱
搬送媒体の過冷却状態を解消することによって生成され
るため、クラスレートの生成に際しては、熱搬送媒体を
過冷却する必要がある。従来は熱搬送媒体を十分に過冷
却しなければ(つまり、過冷却度が大きくならなけれ
ば)、クラスレートは生成されなかった。そのため、主
熱交換器(103)における熱搬送媒体の冷却温度を低く設
定する必要があった。しかし、熱搬送媒体の冷却温度を
低く保つためには、熱源回路(101)の冷媒の蒸発温度を
低くすることが必要になるため、熱源回路(101)の運転
効率は低くなる。そこで、装置の効率を向上するため
に、クラスレートの生成に必要な過冷却度を小さくする
ことが望まれていた。
【0005】第2に、上記冷凍装置では、運転開始から
クラスレートが生成されるまでの間にある程度の時間が
必要であった。しかし、装置の立ち上がり特性を向上す
るために、運転開始から短時間の間にクラスレートを生
成することが望まれていた。
【0006】第3に、上記冷凍装置では、クラスレート
の分解温度は熱搬送媒体の特性によって一義的に定ま
り、添加剤を混入しなければ分解温度を変更することは
できなかった。上記冷凍装置を空調等の用途に利用する
場合には、室内熱交換器(104)におけるクラスレートの
分解温度は、当該用途に応じた所定温度でなければなら
ない。そのため、従来は添加剤の添加によって分解温度
を変更していたが、利用できる添加剤の種類は限られた
ものであったため、分解温度を広範囲に設定することは
できなかった。そのため、汎用性に乏しかった。また、
上記温度を運転中に変更することはできなかった。その
ため、負荷に応じて冷却温度を調整することが望まれる
空調等の用途に対しては、十分な活用を図ることは困難
であった。
【0007】なお、上記の課題は、熱搬送媒体を連続的
に循環させる循環回路を備えた冷凍装置に限らず、蓄熱
式の冷凍装置においても、解決することが望まれている
ものである。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、クラスレートの生成
に必要な過冷却度の低減、クラスレートの生成速度の向
上、生成温度や分解温度の調整等を可能にする新たな技
術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、熱搬送回路の熱搬送媒体を加圧または減
圧する手段を設け、熱搬送媒体の圧力を調整することに
より、クラスレートの生成に必要な過冷却度の低減、ク
ラスレートの生成の促進、生成温度または分解温度の調
整等を図ることとした。
【0010】第1の発明は、複数の熱媒体が混合されて
なり且つ冷却されることによってそれら熱媒体がクラス
レートを生成する熱搬送媒体を充填した熱搬送回路を備
えた冷凍装置であって、上記熱搬送回路は、上記熱搬送
媒体を搬送する搬送手段と、上記熱搬送媒体からクラス
レートを生成して該クラスレートの生成に伴う温熱を発
生させるクラスレート生成側熱交換器と、上記クラスレ
ートを分解させて該クラスレートの分解に伴う冷熱を発
生させるクラスレート分解側熱交換器と、上記熱搬送回
路の熱搬送媒体を加圧または減圧する加減圧手段とを備
えているものである。
【0011】第2の発明は、複数の熱媒体が混合されて
なり且つ冷却されることによってそれら熱媒体がクラス
レートを生成する熱搬送媒体を充填した熱搬送回路を備
えた冷凍装置であって、上記熱搬送回路は、上記熱搬送
媒体を冷却してクラスレートを生成する冷却手段が設け
られた蓄熱タンクと、上記蓄熱タンクのクラスレートを
搬送する搬送手段と、上記蓄熱タンクから搬送されたク
ラスレートを分解させ、該クラスレートの分解に伴う冷
熱を発生させる熱交換器と、上記熱搬送回路の熱搬送媒
体を加圧または減圧する加減圧手段とを備えているもの
である。
【0012】上記第1および第2の各発明では、加減圧
手段によって熱搬送回路の熱搬送媒体の圧力を高くする
ことにより、クラスレートの生成温度は高くなり、過冷
却度が小さくてもクラスレートが生成されるようにな
る。また、クラスレートの生成温度が高くなることによ
り、クラスレートは迅速に生成され、装置の立ち上がり
特性は向上する。また、熱搬送媒体の圧力を変更するこ
とにより、クラスレートの生成温度および分解温度の変
更が可能となる。
【0013】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、加減圧手段は、熱搬送回路に接続され且つ内部に
気体が充填された圧力タンクを備えているものである。
【0014】上記第3の発明では、圧力タンクの気体を
加圧または減圧することにより、熱搬送回路の熱搬送媒
体は加圧または減圧され、熱搬送媒体の圧力は変更され
ることになる。
【0015】第4の発明は、第1または第2の発明にお
いて、加減圧手段は、熱搬送回路の熱搬送媒体の圧力を
所定圧力にするように加圧量または減圧量を調整する圧
力調整手段を備えているものである。
【0016】上記第4の発明では、熱搬送媒体の圧力を
調整することにより、クラスレートの生成温度または分
解温度は空調等の用途に適した所定温度に調整される。
また、生成温度または分解温度を負荷に応じて運転中に
変更することが可能となる。
【0017】第5の発明は、第4の発明において、加減
圧手段は、熱搬送回路に接続され且つ内部に気体が充填
された圧力タンクを備え、圧力調整手段は、上記圧力タ
ンクの気体を加熱または冷却する熱交換手段を備えてい
るものである。
【0018】上記第5の発明では、熱交換手段が圧力タ
ンクの気体を加熱すると、圧力タンクの圧力は上昇し、
熱搬送回路の熱搬送媒体は加圧されることになる。一
方、熱交換手段が圧力タンクの気体を冷却すると、圧力
タンクの圧力は低下し、熱搬送回路の熱搬送媒体は減圧
されることになる。
【0019】第6の発明は、第1の発明において、熱搬
送回路におけるクラスレート生成側熱交換器とクラスレ
ート分解側熱交換器との間には、減圧手段が設けられて
いるものである。
【0020】上記第6の発明では、減圧手段が熱搬送媒
体を減圧することにより、クラスレート分解側熱交換器
の内部圧力は、クラスレート生成側熱交換器の内部圧力
よりも低くなる。そのため、クラスレートの生成温度と
分解温度とをそれぞれ独立に調整することが可能とな
る。
【0021】第7の発明は、第1または第6の発明にお
いて、冷媒が循環する冷媒回路を備え、クラスレート生
成側熱交換器は、熱搬送回路の熱搬送媒体と上記冷媒回
路の冷媒とを熱交換させるように形成されているもので
ある。
【0022】上記第7の発明では、熱源側回路として冷
媒回路を備え、利用側回路として熱搬送媒体の循環回路
を備えたいわゆる2次冷媒システムの装置において、上
述の作用効果が発揮される。
【0023】第8の発明は、第1〜第7のいずれか一の
発明において、熱搬送媒体は、水とHFC134aとを
含んでいるものである。
【0024】上記第8の発明では、空調等の用途に対し
て好適な温度範囲でクラスレートが生成または分解され
ることになる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、熱搬送
回路の熱搬送媒体の圧力を変更することにより、クラス
レートの生成に必要な過冷却度の低減、クラスレートの
生成速度の向上、生成温度や分解温度の変更等が可能と
なり、空調等の用途に対してクラスレートをより効果的
に利用することが可能となる。
【0026】特に第4の発明によれば、圧力調整手段に
よって熱搬送媒体の圧力を調整することができるので、
クラスレートの生成温度または分解温度を負荷に応じて
調整することができ、負荷変動に機動的に対応した運転
が可能となる。
【0027】第5の発明によれば、簡易な構成によって
圧力調整手段を具現化することができる。
【0028】第6の発明によれば、クラスレートの生成
温度と分解温度とを互いに独立に調整することが可能と
なり、生成温度を高めることによって小さな過冷却度で
クラスレートの生成を可能にする一方、分解温度を低く
することによって効果的な冷却を実行する等、空調等の
用途に対して特に効率的な運転が可能となる。
【0029】第7の発明によれば、いわゆる2次冷媒シ
ステムにおいて上記効果を得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0031】<実施形態1>図1に示すように、実施形
態1に係る冷凍装置(1)は、水およびHFC134a
(R134a)の混合物からなる熱搬送媒体を循環させ
る熱搬送回路(10)と、冷媒回路(20)とを備えており、室
内の冷房を実行する空気調和装置である。熱搬送回路(1
0)と冷媒回路(20)とは、主熱交換器(12)を介して接続さ
れている。主熱交換器(12)は、プレート式熱交換器等の
液−液熱交換器によって構成されている。
【0032】冷媒回路(20)は、熱搬送回路(10)に冷熱を
供給する熱源であって、圧縮機(21)と室外熱交換器(22)
と膨張弁(23)と主熱交換器(12)の低温側熱交換部とが順
に接続されて構成されている。
【0033】熱搬送回路(10)は、ポンプ(11)と主熱交換
器(12)の高温側熱交換部と室内熱交換器(13)とが順に接
続されて構成されている。室内熱交換器(13)は、熱搬送
媒体と室内空気とを熱交換させて室内空気を冷却する熱
交換器である。熱搬送回路(10)における室内熱交換器(1
3)とポンプ(11)の吸入側との間には、窒素ガスを封入し
た圧力タンク(14)が接続されている。圧力タンク(14)の
内部圧力は、熱搬送回路(10)の熱搬送媒体を加圧するよ
うな所定圧力に設定されている。その結果、熱搬送回路
(10)の熱搬送媒体は、圧力タンク(14)によって加圧され
ている。
【0034】本冷凍装置(1)による室内の冷房は、以下
のようにして行われる。まず、冷媒回路(20)にあって
は、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(2
2)で凝縮し、膨張弁(23)により減圧され、主熱交換器(1
2)の低温側熱交換部で蒸発し、圧縮機(21)に吸入され
る。
【0035】熱搬送回路(10)にあっては、ポンプ(11)か
ら吐出された熱搬送媒体は、主熱交換器(12)において冷
媒回路(20)の冷媒と熱交換を行って冷却され、水とHF
C134aとのクラスレートが生成される。主熱交換器
(12)で生成されたクラスレートは、室内熱交換器(13)に
流入し、この室内熱交換器(13)において室内空気と熱交
換を行って分解する。このクラスレートの分解反応によ
って冷熱が発生し、室内空気は冷却される。室内熱交換
器(13)を流出した熱搬送媒体は、ポンプ(11)に吸入され
る。ポンプ(11)に吸入された熱搬送媒体は、再び当該ポ
ンプ(11)から吐出され、上記循環動作を繰り返す。
【0036】本実施形態によれば、熱搬送回路(10)の熱
搬送媒体を加圧するので、熱搬送媒体の過冷却度が比較
的小さくてもクラスレートを生成することができる。つ
まり、クラスレートを生成するために必要な過冷却度を
低減することができる。また、運転開始から比較的短時
間の間にクラスレートを生成することができる。また、
圧力タンク(14)の窒素ガスの圧力を調整することによ
り、クラスレートの生成温度および分解温度を所望の温
度に設定することが可能となる。
【0037】なお、本実施形態では、圧力タンク(14)を
室内熱交換器(13)とポンプ(11)との間に設けていたが、
圧力タンク(14)の位置は特に限定されるものではない。
【0038】本実施形態の効果を確認するために、以下
のような実験を行い、クラスレートの生成および分解と
圧力との関係について調べた。本実験では、圧力容器内
に水とHFC134aとを充填し、それらを撹拌しなが
ら冷却し、クラスレートが発生するまでの時間と発生す
る温度とを調べた。また、クラスレートが発生した後
は、それらを撹拌しながら加熱し、クラスレートが分解
するまでの時間と分解する温度とを調べた。実験は、圧
力容器に窒素ガスを充填して圧力容器を加圧した場合
と、圧力容器を加圧しない場合とについて行った。図2
は、それらの実験結果を示している。
【0039】水とHFC134aとが反応してクラスレ
ートが生成すると、その生成熱によって熱搬送媒体の温
度は上昇する。したがって、熱搬送媒体の温度が上昇す
る点は、クラスレートが発生し始める点(以下、生成開
始点という)である。図2から明らかなように、熱搬送
媒体を加圧した場合の生成開始点Aは、加圧しない場合
の生成開始点A’よりも高温になっている。つまり、加
圧によってクラスレートの生成温度は上昇している。こ
のことにより、熱搬送回路(10)の熱搬送媒体を加圧する
本実施形態では、熱搬送媒体の過冷却度が比較的小さく
てもクラスレートを生成することができることを確認し
た。
【0040】また、図2から分かるように、加圧した場
合の生成開始点Aは、加圧しない場合の生成開始点A’
よりも、短時間の間に出現している。具体的には、加圧
した場合には、加圧しない場合に比べて約半分の時間で
クラスレートが生成されている。このことにより、本実
施形態では従来よりも短時間の間にクラスレートを生成
することができることを確認した。
【0041】一方、生成されたクラスレートを加熱し始
めると、クラスレートの温度は徐々に上昇していき、ク
ラスレートが分解し始めるとその温度上昇は穏やかにな
る。そのため、クラスレートが分解を開始する点(以
下、分解開始点という)は、温度上昇曲線の勾配が緩や
かになった点で表される。図2から分かるように、分解
開始点についても、生成開始点と同様の傾向が見られ
る。すなわち、加圧した場合の分解開始点Bは、加圧し
ない場合の分解開始点B’よりも高温になっている。こ
のことから、クラスレートの分解温度も圧力によって変
更されることが分かる。
【0042】<実施形態2>実施形態2は、クラスレー
トの分解温度の調整が可能なように、圧力タンク(14)の
内部圧力を調整する圧力調整用熱交換器(31)を設けたも
のである。
【0043】室内空気は、室内熱交換器(13)におけるク
ラスレートの分解によって生じる冷熱によって冷却され
る。そのため、クラスレートの分解温度は、室内熱交換
器(13)における室内空気の冷却温度となる。ところで、
空気調和装置としては、冷房負荷の大きなときには冷却
温度を低くする一方、冷房負荷の小さなときには冷却温
度を高くする等、負荷に応じて冷却温度を調整すること
が好ましい。そこで、本実施形態では、クラスレートの
分解温度が圧力によって変更されることに着目し、室内
熱交換器(13)におけるクラスレートの分解温度を調整自
在なように、圧力タンク(14)の圧力を調整することとし
た。
【0044】本実施形態では、圧力タンク(14)の周りに
圧力調整用熱交換器(31)が設けられている。圧力調整用
熱交換器(31)によって圧力タンク(14)を加熱すると、そ
の内部圧力は上昇する。一方、圧力タンク(14)を冷却す
ると、その内部圧力は減少する。したがって、圧力調整
用熱交換器(31)の加熱量または冷却量を調整することに
より、圧力タンク(14)の内部圧力を調整することがで
き、ひいては熱搬送回路(10)の圧力を自由に調整するこ
とが可能となる。
【0045】室内熱交換器(13)の下流側配管には、圧力
センサ(30)が設けられている。この圧力センサ(30)は、
熱搬送回路(10)の圧力を検出する圧力検出手段である。
本実施形態では、冷房負荷が小さい場合には、熱交換器
(31)によって圧力タンク(14)を加熱し、熱搬送回路(10)
の圧力を上昇させる。これにより、クラスレートの分解
温度は高くなり、室内空気は比較的高い温度で冷却され
ることになる。一方、冷房負荷が大きい場合には、熱交
換器(31)によって圧力タンク(14)を冷却し、熱搬送回路
(10)の圧力を低下させる。これにより、クラスレートの
分解温度は低くなり、室内空気は比較的低い温度で冷却
されることになる。熱搬送媒体の圧力とクラスレートの
分解温度との間には一定の相関関係があるので、圧力セ
ンサ(30)の検出圧力が所定圧力になるように熱交換器(3
1)の加熱量または冷却量を調整することにより、クラス
レートの分解温度を所定温度に設定することができる。
したがって、冷房負荷に応じて室内空気の冷却温度を自
由に調整することが可能となる。
【0046】なお、圧力調整手段は、熱交換器(31)に限
定されるものではない。例えば、圧力調整手段として圧
力タンク(14)を加熱するヒータを設け、当該ヒータのO
N/OFF制御や加熱量の制御により、圧力タンク(14)
の圧力を調整するようにしてもよい。
【0047】また、圧力タンク(14)は、封入したガスの
圧力を調整することによって熱搬送回路(10)の圧力を調
整するものに限定されない。例えば図4に示すように、
圧力タンク(14)の内部に、モータ(15)によって駆動され
るピストン(16)を設け、このピストン(16)の移動により
圧力タンク(14)の熱搬送媒体に直接圧力を加えて、熱搬
送回路(10)の圧力を調整するようにしてもよい。
【0048】圧力センサ(30)の代わりに、室内熱交換器
(13)にクラスレートの分解温度を検出するための温度セ
ンサを設け、分解温度を直接検出するようにしてもよ
い。
【0049】上記実施形態はクラスレートの分解温度を
調整するものであったが、圧力タンク(14)の圧力を変更
することにより、クラスレートの生成温度を調整しても
よいことは勿論である。
【0050】<実施形態3>図5に示すように、実施形
態3は、熱搬送回路(10)における主熱交換器(12)と室内
熱交換器(13)との間に、減圧弁(17)を設けたものであ
る。
【0051】図2を参照しながら説明したように、熱搬
送媒体を加圧すると、クラスレートの生成温度および分
解温度は高くなる。クラスレートの生成温度が高くなる
と、クラスレートを生成するために必要な過冷却度を小
さくすることができ、冷媒回路(20)の冷媒の蒸発温度が
比較的高くてもクラスレートを生成することが可能とな
る。ここで冷媒回路(20)の冷媒の蒸発温度が高ければ、
装置のCOPは向上する。そのため、クラスレートの生
成温度は高い方が好ましい。一方、室内空気をより低い
温度で冷却するためには、クラスレートの分解温度は低
い方が好ましい。しかし、主熱交換器(12)と室内熱交換
器(13)との間に減圧機構を設けていない回路構成では、
熱搬送回路(10)を加圧してクラスレートの生成温度を高
くすると、同時に分解温度も高くなってしまう。そのた
め、生成温度を上昇させつつ分解温度を低下させること
はできなかった。つまり、生成温度と分解温度とを独立
に調整することはできなかった。
【0052】しかし、実施形態3では、室内熱交換器(1
3)の上流側に減圧弁(17)を備えているので、圧力タンク
(14)の圧力および減圧弁(17)の弁開度を調整することに
より、主熱交換器(12)の内部圧力と室内熱交換器(13)の
内部圧力とを、それぞれ独立に調整することが可能とな
る。したがって、圧力タンク(14)によって主熱交換器(1
2)の内部圧力を上昇させることにより、クラスレートの
生成温度を上昇させる一方、減圧弁(17)によって室内熱
交換器(13)の内部圧力を減少させることにより、クラス
レートの分解温度を低下させることができる。
【0053】本実施形態によれば、クラスレートの分解
温度を上昇させることなく生成温度を上昇させることが
できるので、冷媒回路(20)の冷媒蒸発温度を比較的高く
設定することができ、冷媒回路(20)の効率を向上させる
ことができる。したがって、装置全体の効率を向上させ
ることができる。
【0054】<実施形態4>図6に示すように、実施形
態4は、クラスレートを蓄熱材として利用したものであ
る。
【0055】本実施形態では、冷媒回路(20)は、順に接
続された圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、膨張弁(23)、
および冷却コイル(24)によって構成されている。熱搬送
回路(10)は、ポンプ(11)、蓄熱タンク(18)および室内熱
交換器(13)が順に接続されて構成され、室内熱交換器(1
3)とポンプ(11)との間には圧力タンク(14)が接続されて
いる。冷却コイル(24)は蓄熱タンク(18)の内部に設けら
れている。
【0056】蓄熱運転時には、熱搬送回路(10)において
熱搬送媒体が循環しないように、ポンプ(11)の運転を停
止する。圧力タンク(14)は所定圧力に設定され、蓄熱タ
ンク(18)の内部圧力は所定圧力に保たれる。冷媒回路(2
0)においては、圧縮機(21)が運転を行い、冷媒は室外熱
交換器(22)において凝縮し、膨張弁(23)で減圧され、冷
却コイル(24)において蒸発する。その結果、蓄熱タンク
(18)の熱搬送媒体は冷却コイル(24)によって冷却され、
クラスレートが生成される。
【0057】冷房運転時には、熱搬送回路(10)のポンプ
(11)を運転する一方、冷媒回路(20)の圧縮機(21)の運転
を停止させる。熱搬送回路(10)において、蓄熱タンク(1
8)のクラスレートは室内熱交換器(13)に搬送される。こ
の際、圧力タンク(14)は所定圧力に設定され、その結
果、熱搬送回路(10)の圧力は所定圧力に維持される。ク
ラスレートは室内熱交換器(13)において室内空気と熱交
換を行って室内空気を冷却し、自らは分解する。
【0058】本実施形態によれば、蓄熱式の冷凍装置に
おいて、前述の諸効果を得ることができる。
【0059】<その他の実施形態>上記各実施形態は、
室内の冷房を行う空気調和装置であった。しかし、本発
明は室内の冷房を行う装置に限定されるものではなく、
クラスレートの生成に伴う発熱を利用して暖房を行う装
置であってもよい。また、本発明でいうところの冷凍装
置は広義の冷凍装置であって、冷却対象物を0℃以下に
冷却する狭義の冷凍装置は勿論、冷蔵装置、空気調和装
置等をも含むものである。
【0060】熱源としての冷媒回路は蒸気圧縮式の冷媒
回路に限定されず、吸収式等の他の冷媒回路であっても
よい。また、熱源は主熱交換器(12)に冷熱を供給するも
のであればよく、冷媒回路には限定されない。
【0061】また、本発明に係る冷凍装置は2次冷媒シ
ステムに限定されず、熱搬送回路(10)のみを利用する装
置であってもよい。
【0062】圧力タンク(14)に封入する気体は窒素に限
定されず、他の不活性ガスであってもよい。つまり、熱
搬送媒体と反応しない気体であれば、任意のものを使用
することができる。
【0063】熱搬送媒体には水とHFC134aとの混
合物に限らず、その他の混合物を使用することも可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る冷凍装置の構成図である。
【図2】クラスレートの生成および分解と圧力との関係
を調べた実験結果を示すグラフである。
【図3】実施形態2に係る冷凍装置の構成図である。
【図4】圧力タンクの変形例の概念図である。
【図5】実施形態3に係る冷凍装置の構成図である。
【図6】実施形態4に係る冷凍装置の構成図である。
【図7】従来の冷凍装置の構成図である。
【符号の説明】
(1) 冷凍装置 (10) 熱搬送回路 (11) ポンプ(搬送手段) (12) 主熱交換器(クラスレート生成側熱交換器) (13) 室内熱交換器(クラスレート分解側熱交換器) (14) 圧力タンク(加減圧手段) (15) モータ(圧力調整手段) (16) ピストン (17) 減圧弁(減圧手段) (20) 冷媒回路 (21) 圧縮機 (22) 室外熱交換器 (23) 膨張弁 (30) 圧力センサ (31) 圧力調整用熱交換器(圧力調整手段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の熱媒体が混合されてなり且つ冷却
    されることによってそれら熱媒体がクラスレートを生成
    する熱搬送媒体を充填した熱搬送回路(10)を備えた冷凍
    装置であって、 上記熱搬送回路(10)は、 上記熱搬送媒体を搬送する搬送手段(11)と、 上記熱搬送媒体からクラスレートを生成して該クラスレ
    ートの生成に伴う温熱を発生させるクラスレート生成側
    熱交換器(12)と、 上記クラスレートを分解させて該クラスレートの分解に
    伴う冷熱を発生させるクラスレート分解側熱交換器(13)
    と、 上記熱搬送回路(10)の熱搬送媒体を加圧または減圧する
    加減圧手段(14)とを備えていることを特徴とする冷凍装
    置。
  2. 【請求項2】 複数の熱媒体が混合されてなり且つ冷却
    されることによってそれら熱媒体がクラスレートを生成
    する熱搬送媒体を充填した熱搬送回路(10)を備えた冷凍
    装置であって、 上記熱搬送回路(10)は、 上記熱搬送媒体を冷却してクラスレートを生成する冷却
    手段(24)が設けられた蓄熱タンク(18)と、 上記蓄熱タンク(18)のクラスレートを搬送する搬送手段
    (11)と、 上記蓄熱タンク(18)から搬送されたクラスレートを分解
    させ、該クラスレートの分解に伴う冷熱を発生させる熱
    交換器(13)と、 上記熱搬送回路(10)の熱搬送媒体を加圧または減圧する
    加減圧手段(14)とを備えていることを特徴とする冷凍装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の冷凍装置であ
    って、 加減圧手段は、熱搬送回路(10)に接続され且つ内部に気
    体が充填された圧力タンク(14)を備えていることを特徴
    とする冷凍装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の冷凍装置であ
    って、 加減圧手段(14)は、熱搬送回路(10)の熱搬送媒体の圧力
    を所定圧力にするように加圧量または減圧量を調整する
    圧力調整手段(15,31)を備えていることを特徴とする冷
    凍装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の冷凍装置であって、 加減圧手段は、熱搬送回路(10)に接続され且つ内部に気
    体が充填された圧力タンク(14)を備え、 圧力調整手段は、上記圧力タンク(14)の気体を加熱また
    は冷却する熱交換手段(31)を備えていることを特徴とす
    る冷凍装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の冷凍装置であって、 熱搬送回路(10)におけるクラスレート生成側熱交換器(1
    2)とクラスレート分解側熱交換器(13)との間には、減圧
    手段(17)が設けられていることを特徴とする冷凍装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または6に記載の冷凍装置であ
    って、 冷媒が循環する冷媒回路(20)を備え、 クラスレート生成側熱交換器(12)は、熱搬送回路(10)の
    熱搬送媒体と上記冷媒回路(20)の冷媒とを熱交換させる
    ように形成されていることを特徴とする冷凍装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一つに記載の冷
    凍装置であって、 熱搬送媒体は、水とHFC134aとを含んでいること
    を特徴とする冷凍装置。
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