JP2002242375A - 瓦葺き屋根、引掛突起を有する屋根瓦、およびその製造方法 - Google Patents

瓦葺き屋根、引掛突起を有する屋根瓦、およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002242375A
JP2002242375A JP2001046140A JP2001046140A JP2002242375A JP 2002242375 A JP2002242375 A JP 2002242375A JP 2001046140 A JP2001046140 A JP 2001046140A JP 2001046140 A JP2001046140 A JP 2001046140A JP 2002242375 A JP2002242375 A JP 2002242375A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tile
roof tile
roof
hooking
projection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001046140A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinobu Kamiya
良信 神谷
Shunichi Niwa
春一 丹羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2001046140A priority Critical patent/JP2002242375A/ja
Publication of JP2002242375A publication Critical patent/JP2002242375A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Press-Shaping Or Shaping Using Conveyers (AREA)
  • Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 能率よく乾式工法を施工できる瓦葺き屋根、
それに用いる引掛突起を有する屋根瓦、およびその屋根
瓦の製造方法を提供する。 【解決手段】 平判瓦10、或いはその平判瓦10を用
いた瓦葺き屋根によれば、その平判瓦10の引掛突起3
0が野地板44から離れる方向へ移動することを阻止す
るように横木53と係合する瓦側傾斜面(係合部)32
が、その平判瓦10の引掛突起30に設けられているの
で、平判瓦10の尻部18に貫通して設けられた固定穴
50を通して瓦釘を打ち着ける必要がなくなり、能率よ
く乾式工法を施工できる。たとえば、屋根工事の工数が
1/2乃至1/3程度に大幅に削減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、瓦釘による固定が
なくても十分な信頼性で屋根瓦を野地板に固定できるよ
うにした瓦葺き屋根、引掛突起を有する屋根瓦、および
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】住宅等の建築構造物に用いられる屋根瓦
を傾斜した野地板に取り付けるに際しては、たとえば野
地板に水平方向の複数本の横木を互いに平行に設けると
ともに、屋根瓦の尻部裏面に突設した掛止突起を野地板
或いは横木に引っ掛けることにより位置決めした状態で
その屋根瓦尻部に貫通して設けられた固定穴を通して瓦
釘を桟或いは横木や野地板に打ちつけることにより屋根
瓦を葺く(固定)する乾式工法が多用されている。これ
によれば、土を用いて屋根瓦を固定する湿式工法に比較
して、工数が少なくなるとともに、屋根の重量が軽減さ
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
乾式工法においては、屋根瓦の尻部に貫通して設けられ
た固定穴を通して瓦釘を打ち着けるに際してその屋根瓦
を割らないように瓦釘を必要且つ十分に打つように打撃
工具(金槌)を取り扱う必要性に起因して熟練を必要と
することなどから、瓦釘を打ち着ける作業に比較的多く
の工数が消費され、乾式工法を能率よく施工することの
障害の1つとなっていた。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、能率よく乾式工
法を施工できる瓦葺き屋根、それに用いる引掛突起を有
する屋根瓦、およびその屋根瓦の製造方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するために、本発明の瓦葺き屋根の要旨とするところ
は、傾斜した野地板の上に固定された長手状の横木と、
その横木に引っ掛けるための引掛突起を一体的に有する
屋根瓦とを備えた瓦葺き屋根において、上記屋根瓦の引
掛突起が野地板から離れる方向へ移動することを阻止す
るように上記横木と係合する係合部を、その屋根瓦の引
掛突起に設けたことにある。
【0006】
【第1発明の効果】このようにすれば、横木に引っ掛け
られる屋根瓦の引掛突起に設けられた係合部により、屋
根瓦の引掛突起が野地板から離れる方向へ移動すること
が阻止されるので、屋根瓦の尻部に貫通して設けられた
固定穴を通して瓦釘を打ち着ける必要がなくなり、能率
よく乾式工法を施工できる。
【0007】ここで、好適には、上記係合部は、前記引
掛突起の前記屋根瓦の頭部側に向かう面に設けられ、そ
の引掛突起の先端から基端に向かうに従って該屋根瓦の
尻部側に向かうように傾斜させられた瓦側傾斜面であ
り、上記横木の野地板の上流側に位置する部分には、そ
の引掛突起の瓦側傾斜面と係合させられるように、野地
板から離隔するほど野地板の上流側へ向かうように傾斜
させられた横木側傾斜面が設けられる。このようにすれ
ば、簡単な作業によって野地板の横木側傾斜面に屋根瓦
の引掛突起の瓦側傾斜面が係合させられることから、屋
根瓦の引掛突起が野地板から離れる方向へ移動すること
が阻止される。
【0008】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記第1発
明の瓦葺き屋根に好適に用いられる第2発明の屋根瓦の
要旨とするところは、傾斜した野地板の上に固定された
長手状の横木に引っ掛けるための引掛突起を一体的に備
え、該横木に引っ掛けられた状態で配列される引掛突起
を有する屋根瓦において、前記引掛突起が前記野地板か
ら離れる方向へ移動することを阻止するように前記横木
と係合する係合部を、その引掛突起に設けたことにあ
る。
【0009】
【第2発明の効果】このようにすれば、横木に引っ掛け
られる屋根瓦の引掛突起に設けられた係合部により、屋
根瓦の引掛突起が野地板から離れる方向へ移動すること
が阻止されるので、屋根瓦の尻部に貫通して設けられた
固定穴を通して瓦釘を打ち着ける必要がなくなり、能率
よく乾式工法を施工できる。
【0010】ここで、好適には、上記係合部は、前記引
掛突起の前記屋根瓦の頭部側に向かう面に設けられ、そ
の引掛突起の先端から基端に向かうに従ってその屋根瓦
の尻部側に向かうように傾斜させられた瓦側傾斜面であ
ることから、その瓦側傾斜面が、横木の野地板の上流側
に位置する部分において野地板から離隔するほど野地板
の上流側へ向かうように傾斜させられた横木側傾斜面に
係合させられることにより、簡単な作業によって、屋根
瓦の引掛突起が野地板から離れる方向へ移動することが
阻止される。
【0011】
【課題を解決するための第3の手段】また、前記第2発
明の瓦葺き屋根を好適に製造するための第3発明の屋根
瓦の製造方法の要旨とするところは、引掛突起を有する
屋根瓦の製造方法であって、(a) 前記屋根瓦の下面の形
状に対応した成形面を有する下型と、該屋根瓦の上面の
形状に対応した成形面を有する上型との間で粘土質瓦原
料を挟圧することにより成形するプレス工程と、(b) そ
のプレス工程の後に前記上型を下型から離隔させる型開
き工程と、(c) その型開き工程の後に下型上の成形品を
吸盤を用いて持ち上げるに際して、該吸盤と該下型とを
前記瓦側傾斜面に沿った方向へ相対移動させる成形品を
その下型から離型させることにより、その成形品を下型
から離型させる離型工程とを、含むことにある。
【0012】
【第3発明の効果】このようにすれば、離型工程におい
て、型開き工程の後に下型上の成形品を吸盤を用いて持
ち上げるに際して、その吸盤と下型とが前記瓦側傾斜面
に沿った方向へ相対移動させられるので、引掛突起の瓦
側傾斜面が離型時の持ち上げ方向に対して傾斜していて
も、成形品を下型から容易に離型されることができる。
【0013】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の1実施
例の屋根瓦である平判瓦10の正面すなわち表面を示す
図であり、図2はその平判瓦10の側面図、図3はその
平判瓦10の横断面図である。
【0014】図1、図2、および図3において、平判瓦
10は、窯業原料である所定の粘土からプレス成形およ
び焼成された陶器或いはセラミックス製であって、略平
坦な矩形板状を成す平判部12と、その平判部12の左
右方向すなわち幅方向の両側部のうちの一方(本実施例
では図1の左側)に設けられて隣接する他の平判瓦の下
に差し入れられる襟部14と、その平判部12の両側部
のうちの他方(本実施例では図1の右側)に設けられて
隣接する平判瓦の襟部14の上に重ねられる桟部16
と、平判部12の上流側端部に設けられて上流側に隣接
する平判瓦の下に差し入れられる尻部18と、平判部1
2の下流側端部に設けられて下流側に隣接する平判瓦の
尻部18の上に重ねられる頭部20と、平判部12の裏
面から横方向に所定の間隔を隔て且つ縦方向すなわち襟
部14或いは桟部16に平行な方向に連なるように厚み
方向の裏側へ突設された一定高さの4本の補強用のリブ
22とを備えている。上記襟部14、桟部16、尻部1
8、頭部20はそれぞれ平判瓦10の4辺に沿った比較
的細長い領域を示している。
【0015】上記襟部14は、図1または図3において
4本のうちの最も左外側に位置するリブ22よりもさら
に外側の部分であって、平判瓦10のリブ22の先端と
面一の裏面とその平判瓦10の高さに対して1/2乃至
1/3程度の厚みとを有し、幅方向の中央部が薄く且つ
端縁部が厚く形成されることにより、横方向に隣接する
平判瓦10の間に落ち込んだ雨水を受けて下流側へ導く
溝24として機能している。上記桟部16は、図1また
は図3において4本のうちの最も右外側に位置するリブ
22よりもさらに外側の部分であって、平判瓦10の表
面と面一の表面とその平判瓦10の高さに対して1/2
乃至1/3程度の厚みとを有し、横方向に隣接する平判
瓦10の襟部14を覆うと同時にその平判瓦10の平判
部12に近接して雨水の落ち込みを可及的に少なくする
ように機能している。
【0016】また、上記頭部20は、図2に示すよう
に、下流側に隣接する平判瓦10の尻部18の上に重ね
られたとき、頭部20の端縁から尻部18の表面に向か
って垂れ下がる垂下部28を備えている。この垂下部2
8の高さすなわち厚みは、前記リブ22の高さよりも僅
かに高く形成されている。また、上記尻部18には、横
木または桟53に引っかけるため矩形の1対の引掛突起
30が、リブ22と同じ突き出し方向すなわち尻部18
の裏面から野地板44へ向かう方向へ突設されている。
この引掛突起30は、後述の横木53と係合するため
に、その引掛突起30の先端から基端に向かうに従って
その屋根瓦10の尻部18側に向かうように傾斜させら
れた瓦側傾斜面32を、その引掛突起30の屋根瓦10
の頭部20側に向かう面に備えている。この瓦側傾斜面
32は、横木53に形成された横木側傾斜面42と野地
板から離れる方向へ移動不能に係合する係合部として機
能している。
【0017】そして、上記平判瓦10には、下流側の他
の平判瓦10の尻部18の上にその頭部20が重ねられ
たときその頭部20の瓦の厚み方向の離反を阻止するた
めにその平判瓦10の裏面であって頭部20の中央部に
対応する位置に前記垂下部28と同等以下の高さとなる
ように突設された第1係合突起34と、その尻部18の
上に上流側の他の平判瓦10の頭部20が重ねられたと
きにその第1係合突起34と瓦の厚み方向に離反しない
ように係合するようにその尻部18の表面に設けられた
第2係合突起36とが設けられている。
【0018】上記第1係合突起34は、下流側に向かう
ほど平判瓦10から離れる方向すなわち頭部20の端縁
に向かうほど平判部12の裏面から離れる方向に傾斜す
る第1係合面38を備えている。また、上記第2係合突
起36は、尻部18と桟部16との間の角に位置させら
れており、上流側に向かうほど平判瓦10から離れる方
向すなわち尻部18の端縁側に向かうほど平判部12の
表面から離れる方向に傾斜する第2係合面40を備えて
いる。この第2係合面40は、プレス成形を容易とする
ために平判瓦10を厚み方向に貫通してその裏面まで形
成されている。所定の平判瓦10に対してそれよりも上
流側の平判瓦10がたとえば図1の1点鎖線に示すよう
に千鳥配置されるとき、図4に示すように、上記第1係
合突起34の第1係合面38と第2係合突起36の第2
係合面40とが面接触に近い状態で相互に係合させられ
て、応力集中が緩和されている。
【0019】図4は、上記のように構成された平判瓦1
0を用いて施工された瓦葺き屋根の構成の要部を示して
いる。水平線に対して所定角度で傾斜した野地板44の
最下端には、第1係合突起34の第1係合面38と係合
可能な傾斜係合面46を有する長手状部材である鼻桟或
いは横木48が水平方向すなわち横方向に釘などにより
固定され、その横木48よりも上流側位置にはその横木
48に対して平行に複数本の横木53が同様に固定され
ている。この横木53においても、横木側傾斜面42が
形成されている。それら傾斜係合面46および横木側傾
斜面42は、横木48および53の野地板44上流側に
位置する部分にそれぞれ形成され、第1係合突起34の
第1係合面38および引掛突起30の瓦側傾斜面32と
野地板44から離れる方向へ移動不能に係合するよう
に、その野地板44から離隔するほどその野地板44の
上流側へ向かうようにそれぞれ傾斜させられている。こ
の引掛突起30の瓦側傾斜面32と第1係合突起34の
第1係合面38とは、好適には略同様の傾斜角となるよ
うに形成されている。
【0020】上記のように横木48および53が固定さ
れた野地板44において、最下流側の平判瓦10がその
第1係合突起34の第1係合面38を横木48の傾斜係
合面46と野地板44から離反する方向に移動不能に係
合させられた状態で配列されることにより野地板44に
固定される。それら固定された平判瓦10の上流側に配
列される平判瓦10は、その掛止突起30が横木53に
引掛けられ、且つその第1係合突起34の第1係合面3
8がそれより下流側に隣接する平判瓦10の第2係合突
起36の第2係合面40と係合するように配置されるこ
とによって固定される。このような位置決めおよび固定
作業が繰り返し行われることにより、多数の平判瓦10
が傾斜した野地板44に固定される。このとき、掛止突
起30の瓦側傾斜面32と横木53の横木側傾斜面42
とが野地板44から離反する方向に移動不能に係合させ
られているので、尻部18に設けられた1対の取付穴
(釘穴)50を通して瓦釘が桟53或いは野地板44に
向かって打ち込まれることなく固定されている。
【0021】図5は、上記平判瓦10の製造工程、すな
わち平判瓦10のプレス成形工程、型開き工程、および
離型工程などを実行する設備の主要部を示している。図
5において、平判瓦10の下面形状に対応する成形面5
6を上面側に備えた下型58と、平判瓦10の上面形状
に対応する成形面60を備えた上型62とは、図示しな
いプレス装置において相互に接近離隔可能に設けられて
いる。たとえば、上型62は油圧シリンダ或いはフリク
ションなどのプレス駆動装置64に連結され且つ図示し
ない案内装置によって上下方向に案内されるラム66に
固定されてブレス位置(下降位置)と型開き位置(上昇
位置)との間で上下方向に往復駆動されるようになって
いる。また、下型58は、図示しない案内装置により水
平方向に案内される水平移動部材68に固定され、油圧
シリンダ或いは空圧シリンダなどの下型駆動装置70に
連結されることにより、1点鎖線に示すプレス位置と実
線に示す離型位置との間で往復駆動されるとともに、焼
成前の平判瓦10(成形品)が下型58から上方へ持ち
上げられる離型過程において、平判瓦10が下型58に
対してその引掛突起30の瓦側傾斜面32および第1係
合突起34の第1係合面38の傾斜に沿った方向へ相対
移動するように、下型58が下型駆動装置70により所
定距離だけ図5の左側へすなわちプレス位置から離れる
側へ駆動されるようになっている。
【0022】上記離型位置における下型58の上方に
は、吸盤駆動装置72によって上下方向に駆動される吸
盤74が設けられている。この吸盤74は、その下側に
おいて平判瓦10の上面形状に対応した形状に形成され
た吸着面76と、その吸着面76と負圧室78との間を
連通させる多数の貫通穴80とを備え、フロア82によ
ってその負圧室78内が負圧とされることにより、下型
58上の平判瓦10が吸着されるようになっている。
【0023】上記の装置においては、下型58がプレス
位置に位置させられた状態でその下型58上に偏平形状
の粘土質瓦原料が載置されると、上型62が下降させら
れてその粘土が下型58と上型62との間で挟圧される
ことによりプレス成形が行われる(プレス成形工程)。
次いでその上型62が上昇させられると(型開き工
程)、下型58が離型位置へ移動させられ、そこで吸盤
74が下降させられて下型58上の平判瓦10(成形
品)が吸着される(吸着工程)。そして、吸盤74が上
昇させられて平判瓦10が下型58から離型され(離型
工程)、図示しない他の載置場所たとえば乾燥台の上に
載置される。この離型過程では、吸盤74に吸着された
平判瓦10が下型58から離れようとするとき、その下
型58が引掛突起30の瓦側傾斜面32の突き出し方向
の水平方向成分すなわち第1係合突起34の突き出し方
向の水平方向成分の向きへ、換言すればプレス位置から
離隔する側へ僅かに駆動される。この離型過程では、瓦
側傾斜面32および第1係合面38の傾斜角度に応じて
吸盤74の上昇速度或いは下型58の移動速度が設定さ
れる。たとえば、瓦側傾斜面32および第1係合面38
の傾斜角度が水平方向に対して45°であれば、離型過
程における吸盤74の上昇速度と下型58のプレス位置
から離隔する側への移動速度とが同じ値とされ、60°
であれば、吸盤74の上昇速度は下型58のプレス位置
から離隔する側への移動速度の√3倍とされる。これに
より、型開き工程の後に下型58上の成形品10を吸盤
74を用いて持ち上げるに際して、その吸盤74と下型
58とを瓦側傾斜面32に沿った方向であって下型58
から離れる方向へ相対移動させられ、瓦側傾斜面32や
第1係合面38が垂直方向すなわち吸盤74の上昇方向
に対して傾斜しているにも拘らず成形品10を下型58
から容易に離型させられる。
【0024】上述のように、本実施例の平判瓦10、或
いはその平判瓦10を用いた瓦葺き屋根によれば、その
平判瓦10の引掛突起30が野地板44から離れる方向
へ移動することを阻止するように横木53と係合する瓦
側傾斜面(係合部)32が、その平判瓦10の引掛突起
30に設けられているので、平判瓦10の尻部18に貫
通して設けられた固定穴50を通して瓦釘を打ち着ける
必要がなくなり、能率よく乾式工法を施工できる。たと
えば、屋根工事の工数が1/2乃至1/3程度に大幅に
削減される。
【0025】また、本実施例によれば、上記瓦側傾斜面
(係合部)32は、引掛突起30の平判瓦10の頭部2
0側に向かう面に設けられ、その引掛突起30の先端か
ら基端に向かうに従ってその平判瓦10の尻部18側に
向かうように傾斜させられた傾斜面であり、上記横木5
3の野地板44の上流側に位置する部分には、その引掛
突起30の瓦側傾斜面32と係合させられるように、野
地板44から離隔するほど野地板44の上流側へ向かう
ように傾斜させられた横木側傾斜面42が設けられられ
ているので、簡単な作業によって野地板44の横木側傾
斜面42に平判瓦10の引掛突起30の瓦側傾斜面32
が係合させられて、平判瓦10の引掛突起30が野地板
44から離れる方向へ移動することが阻止されるととも
に、能率よく乾式工法を施工できる。
【0026】また、本実施例の平判瓦10の製造方法で
は、離型工程において、型開き工程の後に下型58上の
平判瓦10の成形品を吸盤74を用いて持ち上げるに際
して、その吸盤74と下型58とが引掛突起30の瓦側
傾斜面32に沿った方向へ相対移動させられるので、引
掛突起30の瓦側傾斜面32が離型時の持ち上げ方向す
なわち吸盤74の移動(上下)方向に対して傾斜してい
ても、引掛突起30や第1係合突起34を損なうことな
く、上記成形品を下型58から容易に離型されることが
できる。
【0027】また、本実施例によれば、傾斜した野地板
44上において、下流側に配置された平判瓦10の尻部
18の表面に設けられた第2係合突起36に、平判瓦1
0の裏面であってその頭部20の中央部に対応する位置
に突設された第1係合突起34が係合するようにその平
判瓦10の上流側に隣接する他の平判瓦10が配置され
ることから、その上流側に隣接する平判瓦10は、その
裏面であってその頭部20の中央部に対応する位置に突
設された第1係合突起34によっても固定されるので、
引掛突起30と横木53との野地板44から離れる方向
の離隔不能の係合と相まって、頭部20と桟部16との
間の角からのめくれに関する耐風性能が頭部20と襟部
14との間の角からのめくれと同等となるように大幅に
高められ、一層、高い耐風性能が得られる。
【0028】また、本実施例によれば、野地板44の先
端部すなわち最下流部に固定された横木或いは桟(鼻
桟)48を設け、平判瓦10の第1係合突起34をその
桟48とその野地板44から離反する方向に移動不能に
係合させることにより、強風下において最も剥がされや
すい軒先位置に配置された平判瓦10の耐風性能が格段
に高められる利点がある。
【0029】また、本実施例によれば、頭部20の裏面
側に設けられた第1係合突起34は、平判瓦10の下流
側に向かうほどその平判瓦10から離隔する方向に傾斜
した第1係合面38を備えたものであり、尻部18の表
面に設けられた第2係合突起36は、その第1係合面3
8と係合させるために、上流側に向かうほどその尻部1
8の表面から離れる方向に傾斜した第2係合面40を備
えたものであるので、第1係合突起34と第2係合突起
36とが、相互に略面接触状態で係合することが可能と
なり、応力集中が分散されて割れや破損が抑制される利
点がある。
【0030】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これらはあくまでも一実施形態であ
り、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
【0031】たとえば、前述の実施例の平判瓦10にお
いて、平判部12は略平坦な矩形板状であったが、所定
の曲率で湾曲させられたものであってもよいし、平判部
12が桟部16よりも低くデザインされたり、凸条や凹
凸模様が設けられたものであってもよい。すなわち、平
坦な平判部12を有する平判瓦10や凹状に緩やかに湾
曲した中央部を有する和瓦だけでなく、中央部に上流側
から下流側へ連なる単数または複数の凸条が形成された
波形瓦、或いはS字瓦、逆W字瓦などであってもよい。
要するに、野地板44の所定面積を覆うために一部が重
ねて配置される屋根瓦であれば本発明が適用され得る。
【0032】また、前述の実施例の平判瓦10は、陶器
などのセラミックス材料製であったが、金属、セメン
ト、プラスチック、或いは複合材などの材料により構成
されてもよい。
【0033】また、前述の実施例の平判瓦10に突設さ
れた引掛突起30は、頭部20側から見た形状が矩形で
あったが、三角形状など、他の形状であっても差し支え
ない。また、引掛突起30の個数および位置は、必ずし
も図1乃至図3に示す平判瓦10のように2個、および
尻部18の襟部14側端部と桟部16側端部に限定され
ず、たとえば尻部18の幅方向の中央部に1個だけ設け
られてもよい。
【0034】また、前述の図5の実施例の離型過程で
は、吸盤74により吸着された平判瓦(成形品)10の
離型開始時には、その平判瓦10の上方への移動に伴っ
て下型58がプレス位置から離れる側へ移動させられて
いたが、その平判瓦10の上方への移動に伴って吸盤7
4およびそれを上下駆動する吸盤駆動装置72がプレス
位置へ接近する方向へ移動させられてもよい。また、前
述の図5において、下型58がその往復移動方向に直交
する水平軸まわりに回動可能に設けられ、離型位置へ移
動させられた下型58が引掛突起30の瓦側傾斜面32
と吸盤74の上下方向とが平行となる位置まで回動させ
られるようにしてもよい。この場合、吸盤74はその下
型58と同様の角度まで予め傾斜して取付られており、
吸盤74が単に上下させられるだけで、引掛突起30や
第1係合突起34を損なうことなく、上記成形品を下型
58から容易に離型されることができる。また、吸盤駆
動装置72を傾斜して配置することで図5に示すような
水平な姿勢で吸盤74を引掛突起30の瓦側傾斜面32
と平行な傾斜した方向に沿って上下移動させるように
し、吸盤74が単に上下させられるだけで、引掛突起3
0や第1係合突起34を損なうことなく、上記成形品を
下型58から容易に離型されるようにしてもよい。要す
るに、下型58上の平判瓦(成形品)10を吸盤78を
用いて持ち上げるに際して、その吸盤78と下型58と
を瓦側傾斜面32に沿った方向へ相対移動させられるよ
うにすればよいのである。
【0035】また、前述の第1係合突起34およびこれ
と係合する第2係合突起36も、必ずしも図1乃至図3
に示す平判瓦10のように限定されず、その形状、個
数、および位置が異なっていてもよい。たとえば、第1
係合突起34は、頭部20の裏面であって、左右方向の
中央部よりも桟部16側、さらに詳しくは頭部20と桟
部16との間の角に設けられ、第2係合突起36は、尻
部18の表面(上面)であってその左右方向の中央部、
さらに詳しくは平判部12の中心線より僅かに襟部14
側すなわち左側位置に設けられてもよい。また、第1係
合突起34は、頭部20の裏面であって、左右方向の中
央部よりも襟部14側、さらに詳しくは頭部20と襟部
14との間の角に設けられ、第2係合突起36は、尻部
18の表面(上面)であってその左右方向の中央部、さ
らに詳しくは平判部12の中心線より僅かに桟部16側
すなわち右側位置に設けられてもよい。また、第1係合
突起34は、頭部20の端縁から裏面側へ垂れる垂下部
28の先端から外向きにすなわち下流側へ突き出すよう
に設けられてもよい。この場合は、第1係合突起34が
頭部20の端縁から裏面側へ垂れる垂下部28に設けら
れるので、垂下部28とは独立して設ける場合に比較し
て、平判瓦10の製造が容易となる。
【0036】また、前述の実施例の平判瓦(屋根瓦)1
0の頭部20の裏面側に設けられた第1係合突起34と
係合するためにその平判瓦10の尻部18に設けられた
第2係合突起36が、その平判瓦10とは別体の部品が
取り付けられることによって構成されてもよい。この第
2係合突起36は、陶器或いはセラミックス製の平判瓦
10とは異なる材質たとえばスチール製、ステンレス
製、アルミニウム製、プラスチック製などの板材が打ち
抜かれかつ曲げられて構成されている。
【0037】また、前述の引掛突起30の瓦側傾斜面3
2および横木側傾斜面42、或いは第1係合面38およ
び第2係合面40は、相互に略面接触する傾斜面であっ
たが、段付面などであっても差し支えない。
【0038】また、前述の実施例の平判瓦10におい
て、必ずしも固定穴50を備えていなくてもよいが、そ
の固定穴50を備える場合は、横木53に横木側傾斜面
42が形成されていない場合でも、瓦釘を用いて施工で
きる。
【0039】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその他の態様においても適用さ
れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の平判瓦を示す正面図であ
る。
【図2】図1の実施例の平判瓦を示す側面図である。
【図3】図1の実施例の平判瓦を示す断面図であって、
図1のIII-III 視図である。
【図4】図1の実施例の平判瓦の野地板に対する取付状
態を説明する図である。
【図5】図1乃至図3の平判瓦を製造する設備の要部を
説明する図である。
【符号の説明】
10:平判瓦(屋根瓦) 18:尻部 20:頭部 30:引掛突起 32:瓦側傾斜面(係合部) 42:横木側傾斜面 44:野地板 53:横木 58:下型 62:上型

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾斜した野地板の上に固定された長手状
    の横木と、該横木に引っ掛けるための引掛突起を一体的
    に有する屋根瓦とを備えた瓦葺き屋根において、 前記屋根瓦の引掛突起が前記野地板から離れる方向へ移
    動することを阻止するように前記横木と係合する係合部
    を、該屋根瓦の引掛突起に設けたことを特徴とする瓦葺
    き屋根。
  2. 【請求項2】 前記係合部は、前記引掛突起の前記屋根
    瓦の頭部側に向かう面に設けられ、該引掛突起の先端か
    ら基端に向かうに従って該屋根瓦の尻部側に向かうよう
    に傾斜させられた瓦側傾斜面であり、 前記横木の前記野地板の上流側に位置する部分には、該
    引掛突起の瓦側傾斜面と係合させられるように、該野地
    板から離隔するほど該野地板の上流側へ向かうように傾
    斜させられた横木側傾斜面が設けられたものである請求
    項1の瓦葺き屋根。
  3. 【請求項3】 傾斜した野地板の上に固定された長手状
    の横木に引っ掛けるための引掛突起を一体的に備え、該
    横木に引っ掛けられた状態で配列される引掛突起を有す
    る屋根瓦において、 前記引掛突起が前記野地板から離れる方向へ移動するこ
    とを阻止するように前記横木と係合する係合部を該引掛
    突起に設けたことを特徴とする引掛突起を有する屋根
    瓦。
  4. 【請求項4】 前記係合部は、前記引掛突起の前記屋根
    瓦の頭部側に向かう面に設けられ、該引掛突起の先端か
    ら基端に向かうに従って該屋根瓦の尻部側に向かうよう
    に傾斜させられた瓦側傾斜面である請求項3の引掛突起
    を有する屋根瓦。
  5. 【請求項5】 請求項4の引掛突起を有する屋根瓦の製
    造方法であって、 前記屋根瓦の下面の形状に対応した成形面を有する下型
    と、該屋根瓦の上面の形状に対応した成形面を有する上
    型との間で粘土質瓦原料を挟圧することにより成形する
    プレス工程と、 該プレス工程の後に前記上型を下型から離隔させる型開
    き工程と、 該型開き工程の後に下型上の成形品を吸盤を用いて持ち
    上げるに際して、該吸盤と該下型とを前記瓦側傾斜面に
    沿った方向へ相対移動させることにより、該成形品を該
    下型から離型させる離型工程とを、含むことを特徴とす
    る引掛突起を有する屋根瓦の製造方法。
JP2001046140A 2001-02-22 2001-02-22 瓦葺き屋根、引掛突起を有する屋根瓦、およびその製造方法 Pending JP2002242375A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001046140A JP2002242375A (ja) 2001-02-22 2001-02-22 瓦葺き屋根、引掛突起を有する屋根瓦、およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001046140A JP2002242375A (ja) 2001-02-22 2001-02-22 瓦葺き屋根、引掛突起を有する屋根瓦、およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002242375A true JP2002242375A (ja) 2002-08-28

Family

ID=18907821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001046140A Pending JP2002242375A (ja) 2001-02-22 2001-02-22 瓦葺き屋根、引掛突起を有する屋根瓦、およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002242375A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009235726A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Otis:Kk 屋根材
JP2013032699A (ja) * 2004-03-11 2013-02-14 Davinci Roofscapes Llc 連結用のウォーターダイバータタブを備えた屋根板

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013032699A (ja) * 2004-03-11 2013-02-14 Davinci Roofscapes Llc 連結用のウォーターダイバータタブを備えた屋根板
JP2009235726A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Otis:Kk 屋根材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6786804B2 (en) Siding board for clapboard boarding and a clapboard boarding structure
JP4949995B2 (ja) 平板瓦及びその製造方法
JP2002242375A (ja) 瓦葺き屋根、引掛突起を有する屋根瓦、およびその製造方法
JP5361366B2 (ja) 玄関用框の固定構造
JP2002309717A (ja) 滑り止め固定部を備えた二つの波形部を有する瓦
JP3893580B2 (ja) 焼物瓦の係止生地孔の製造方法
JP2562779B2 (ja) 建築用湾曲折版屋根およびその製造方法
US20040084043A1 (en) Method and fracturable tile for making tesserae and listels
US20180236689A1 (en) Method for producing a roof tile having a water barrier and roof tile having a water barrier shaped thereon
JP3548544B2 (ja) 高耐風性を有する屋根瓦
KR102333265B1 (ko) 기와간 적층 유효 면적이 확장된 경량 기와
JPH0752858Y2 (ja) タイル下地板
JP3124645U (ja) 長尺屋根板
US20090266023A1 (en) Adhesive projection points for roofing elements
JP2000356013A (ja) 雪止め金具
JP4516709B2 (ja) 屋根瓦
JP3093614U (ja) のし瓦および屋根構造
KR200256332Y1 (ko) 금속기와의 절곡장치
JPH07127230A (ja) タイル
JPS6134541B2 (ja)
KR20230149660A (ko) 기와 성형용 금형의 공기 배출 구조 및 이를 위한 에어툴
CN104074296B (zh) 现浇混凝土密肋楼盖制作方法
JPH0751538Y2 (ja) 屋根材
KR20070035547A (ko) 시공성과 방재성을 향상시킨 평판형 점토기와
JPH0635445U (ja) 瓦棧の腐蝕防止を考慮した瓦