JP2002309717A - 滑り止め固定部を備えた二つの波形部を有する瓦 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】二つの下部排水瓦と二つの上部被覆瓦を一体化
した施工コストを半減できる液状軽量瓦を提供する。 【解決手段】瓦１は、その側部において長手方向に延在
する嵌合い固定用下向き溝１３を下になる面を有すると
共に、嵌合い固定用上向き溝１４が瓦の側部において長
手方向に上向きに設けられ、前方に近い端部には、滑り
止め用爪１５を有する。又、裏面には強化リブ、落下防
止リブ、前方及び後方支持リブを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は、テラコッタではなく着色セメン
ト混合物で作られ、屋根の上に設置された後は従来の波
形瓦と同様の表面形状を有する、新規波形瓦に関する。

【０００２】本発明の波形瓦は従来の波形瓦に比べ、多
くの革新的な利点を有する。それらの利点としては、例
えば次のものが挙げられる。１）取付けコストをほぼ半
分に低減できること。実際、従来の波形瓦では一平方メ
ートル当たり２８〜３０枚取付けられるのに対し、本発
明の波形瓦は一平方メートル当たり７．５枚取付けられ
る。これは、本発明の瓦が、従来の四種の波形瓦、即
ち、二つの下部排水瓦と二つの上部被覆瓦をまとめてい
るからである、２）組立てた瓦は滑り止めシステムを有
すること、３）屋根の保守が全く必要ないこと。これは
第一にセメント被覆表面とれんが被覆との間の特性の相
違によるものであるが、更に、従来必要とされている、
被覆瓦と排水瓦とを周期的に入れ換える厄介な作業が本
発明に係る瓦では不要となるためである、４）大気中の
作用物質（エージェント）や翼を有する動物類に対する
屋根表の完全な封止、５）単位面積当たりの重量が軽
い、例えば従来の瓦は６０ｋｇ／平方メートルであるの
に対し、本発明の瓦は４０ｋｇ／平方メートルである、
６）良好な撥水特性及び耐凍結特性を有していること。

【０００３】本発明の波形瓦は、従来の焼成粘土に代わ
り、着色用の酸化鉄を含む砂／セメント混合物で作製さ
れる。本発明の波形瓦は、更に以下の利点を有する。
ａ）従来の焼成粘土に比べて製造時に要するエネルギー
を大幅に節減できる。例えば、本発明のセメント瓦の製
造においては、３０℃で乾燥を行うだけであるが、従来
の粘土瓦製造では、最初の乾燥工程とそれに続く９００
〜１０００℃での長時間に亘る燒成工程とを必要とす
る。ｂ）大気中の作用物質に対する耐性が高い。ｃ）高
い破壊負荷と可撓性という性能特性を有し、その結果、
従来の瓦に比べてより軽量の瓦からなる被覆面を形成す
ることが可能である。ｄ）特定のリブと適切な外形を有
する瓦が得られ、その結果一平方メートル当たりの瓦の
数を減少させることができ（２８〜３３枚に対して７．
５枚）、ひいては一平方メートル当たりの重量を大幅に
削減できる。ｅ）枚数の減少により、取付けに必要な労
働コストを大幅に節減できる。上に挙げた利点は、瓦の
下側への接近を完全に阻止しうる被覆の形成を提供し、
その結果、翼を有する動物類の侵入を防ぐために提供さ
れる被覆の損傷を避け、また、保護体の取付けのために
必要なその他のコストも不要となる。本発明の瓦は、そ
の前面の輪郭について述べれば、プレス工程において、
前面から見て瓦の波形部に対して後退した凹部を有する
ようにプレスされるので、位置決めが完了した後、視覚
的陰影効果を与える。これにより、伝統的なテラコッタ
被覆と同様の視覚的効果が得られるが、従来の被覆では
避けえなかった種々の大きな問題を解消できる。更に、
一般に従来の瓦は、グラウトあるいは固定フックで正し
く位置決めされなければならないが、本発明に係る瓦
は、溝を設けることにより、瓦を別の瓦上に固定するこ
とを可能にするものであると共に、嵌合い可能な爪を用
いているため、他のブロック要素の使用が不要である。

【０００４】本発明に係る瓦は、押出し成形によって製
作される本体１からなり、この本体１は、形を異にする
二つの部分３と４を横方向に備えた中央波形部２を有す
る。後方の端面５と前方の端面６を備えた前記本体瓦１
において、前方の端面６の上部は前方に突出した波形部
７を形成している。瓦１の裏面８には、強化リブ９、落
下防止リブ１０、前方支持リブ１１、後方支持リブ１２
が形成されている。更に、本発明に係る瓦の基本的な特
徴であるが、嵌合いによる固定用ジョイントとして機能
するように、瓦の側部において長手方向に延在する嵌合
い固定用下向き溝１３が下になる面８に設けられている
と共に、嵌合い固定用上向き溝１４が瓦の側部において
長手方向に上向きに設けられ、前方に近い端部には、滑
り止め用爪１５を有する。屋根被覆のための取付け施工
は、本発明の瓦１を用いて右から左へ進む。まず、第一
の瓦１を置いた後に、その上部表面の溝１４に、第二の
瓦１の裏面に設けられた長手方向の溝１３を差し込む。
第一列の瓦の配置が終わると、同様に第二列の瓦を配置
し、第二列の瓦１が下降しないよう、爪１５で止める。
爪１５は下方の瓦の後部端面５に当接して止まり、その
前方部分と下方の瓦の後方部分との重なりは９ｃｍであ
る。そのようにして、屋根の斜面の被覆を完成するまで
施工し、常に一平方メートル当たり７．５枚を使用す
る。本発明に係る瓦、並びにテラコッタ瓦での被覆と視
覚的に同等なセメント被覆を提供する本発明瓦の取付け
システムを、図１〜図８に示す。詳しくは、図１〜図３
は単一の瓦を示し、図４〜図８は前記瓦を組み合わせた
状態を示す図である。図１は、波形瓦１の正面図であ
る。図２は、図１の瓦の斜視図である。図３は、瓦裏面
の平面図で、該裏面は爪１５と下向き溝１３を有する。
図４は、二枚の瓦１の間で上向き溝１４の中に下向き溝
１３が位置決めされる状態を示す斜視図である。図５
は、爪１５を示すための斜視図である。図６は、互いに
連結された二枚の瓦１の長手方向の断面図である。図７
は、先行して配置された瓦の後方端部５に当接して止ま
る爪１５を用いて、重なり合うように取付けた三枚の瓦
１の横方向断面図である。図８は、完成した被覆の部分
斜視図である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る波形瓦１の正面図である。

【図２】図１の瓦の斜視図である

【図３】本発明に係る波形瓦裏面の平面図である。

【図４】二枚の瓦１の間で上向き溝１４の中に下向き溝
１３が位置決めされる状態を示す斜視図である。

【図５】爪１５を示す斜視図である。

【図６】互いに連結された二枚の瓦１の長手方向の断面
図である。

【図７】先行して配置された瓦の後方端部５に当接して
止まる爪１５を用いて重なり合うように取付けた三枚の
瓦１の横方向断面図である。

【図８】完成した被覆の部分斜視図である。

【符号の説明】

１ 瓦本体 ２ 中央波形部 ５ 後方の端面 ６ 前方の端面 ７ 前方に突出した波形部 ８ 瓦の裏面 ９ 強化リブ １０ 落下防止リブ １１ 前方支持リブ １２ 後方支持リブ １３ 嵌合い固定用下向き溝 １４ 嵌合い固定用上向き溝 １５ 滑り止め用爪

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 滑り止め固定部を備えた二つの波形部を
   有する瓦であって、押出し成形によって製作される本体
   （１）からなり、該本体（１）は、形を異にする二つの
   部分（３と４）を横方向に備えた中央波形部（２）を有
   すると共に後方の端面（５）と前方の端面（６）を備
   え、前方の端面（６）の上部は前方に突出した波形部
   （７）を形成し、裏面（８）には強化リブ（９）、落下
   防止リブ（１０）、前方支持リブ（１１）、後方支持リ
   ブ（１２）を備え、ここにおいて、嵌合いによる固定用
   ジョイントとして機能するように、前記瓦の側部におい
   て長手方向に延在する嵌合い固定用下向き溝（１３）を
   裏面（８）に有すると共に、嵌合い固定用上向き溝（１
   ４）が瓦の側部において長手方向に上向きに設けられ、
   前方に近い端部には、滑り止め用爪（１５）を有するこ
   とを特徴とする、滑り止め固定部を備えた二つの波形部
   を有する瓦。
2. 【請求項２】 被覆のために、右から左に施工を進め、
   第一の瓦（１）を置いた後に、その上部表面の溝（１
   ４）に、第二の瓦（１）の裏面に設けられた長手方向の
   溝（１３）を差し込み、第一列の瓦の配置が終わると、
   同様に第二列の瓦を配置し、第二列の瓦（１）が下降し
   ないよう、爪（１５）で止め、爪（１５）は下方の瓦の
   後部端面（５）に当接して止まり、その前方部分を下方
   の瓦の後方部分に重ね、屋根斜面の被覆を完成するまで
   施工することを特徴とする、請求項１記載の滑り止め固
   定部を備えた二つの波形部を有する瓦を用いた被覆施工
   方法。