JP2002242045A - 織布、防護材および埋設管 - Google Patents

織布、防護材および埋設管

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JP2002242045A
JP2002242045A JP2001037372A JP2001037372A JP2002242045A JP 2002242045 A JP2002242045 A JP 2002242045A JP 2001037372 A JP2001037372 A JP 2001037372A JP 2001037372 A JP2001037372 A JP 2001037372A JP 2002242045 A JP2002242045 A JP 2002242045A
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yarn
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woven
weave
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JP2001037372A
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Kiyoshi Murata
清 村田
Kiyoo Ishii
清雄 石井
Yuji Haga
祐二 芳賀
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Toyo Heisei KK
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Heisei Polymer Co Ltd
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  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃強度が高く、かつ衝撃強度のムラが少な
く、生産性が良好で、薄肉化が可能な織布、防護材およ
び耐衝撃性に優れた埋設管を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂製のフラットヤーンのタテ
糸11,14および熱可塑性樹脂製のスプリットヤーン
のヨコ糸12,15を用いて製織してなる多重織の織布
2であって、右上がりの斜文織の組織の上層13と、左
上がりの斜文織の組織の下層16とを有する2層構造の
織布2、これを用いた防護材、およびこの防護材が巻か
れている埋設管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、織布に関し、特
に、地中に埋設された埋設管などを防護するための防護
材およびこの防護材が巻かれた埋設管に関する。
【0002】
【従来の技術】地中に埋設されたガス管等の埋設管は、
道路工事や建築工事の掘り返し作業における掘削工具等
により、損傷を被ることがある。特にガス管は、その材
質にポリエチレンやポリ塩化ビニル等を使用しているの
で、破損を生じやすく、前述のような事故を防止する必
要がある。このような事故を防止するために、埋設管は
その外周面に巻き付けられた防護材によって防護されて
いる。
【0003】図6は、従来の防護材の一例を示す図であ
る。この防護材30は、織布31を2枚重ねて積層した
防護材本体32と、該防護材本体32の片面に配置され
た表示シート33とを有し、防護材本体32と表示シー
ト33とを縫製糸34で長手方向に縫製して一体化して
なるものである。
【0004】前記防護材本体32は、図7に示すよう
に、2000デニールの合成樹脂製フラットヤーン35
をタテ糸の打ち込み本数が17本/インチおよびヨコ糸
の打ち込み本数が14本/インチとなるように製織して
織布とし、この織布を2枚重ね、縫製したものである。
また、前記表示シート33は、埋設物の名称、注意を促
す語句等が印刷された表示フィルムの印刷面に、100
0デニールのフラットヤーンをタテおよびヨコの打ち込
み本数が10本/インチとなるように製織した織布をラ
ミネート接着したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この防護材
30は、タテ糸およびヨコ糸に横幅のあるフラットヤー
ンを使用しているため、タテ糸およびヨコ糸の打ち込み
本数を増やすことができなかった。また、織布に目開き
があり、このような目開きのある織布を単に重ねた防護
材本体31には、目開き同士が重なった部分が生じるた
め、掘削工具の打撃に強い部分と弱い部分、すなわち衝
撃強度のバラツキがあった。そのため、この防護材30
は、衝撃強度の低い部分に掘削工具の打撃が加わると、
破れやすいという問題を有していた。
【0006】また、防護材30は、織布を積層する工程
が必要となるため、生産性が悪かった。また、防護材3
0は、織布を積層しているため厚く、かさばっており、
埋設管への巻付け時の施工性が悪いという問題があっ
た。そのため、施工性の点から、防護材の薄肉化が求め
られていた。また、表示シート33は、フィルムに製織
した織布をラミネート接着したものであり、生産性やコ
ストなどの点で問題があった。
【0007】特開2000−130638号公報には、
第1シートと第2シートとが積層された2層構造で形成
され、第1シートと第2シートとがタテ糸およびヨコ糸
に合成樹脂製ヤーンを用いた重ね織りによって結合され
ている積層シートからなる埋設管保護シートが開示され
ている。この積層シートによれば、織製工程で織り上が
った時点ですでに重ね織りによって2層構造となってい
るため、織布を2枚重ねて縫製する必要がなく、製造コ
ストを低減できるとされている。しかしながら、この積
層シートにも目開きの部分、すなわち掘削工具の打撃に
弱い部分があり、その衝撃強度にはバラツキがあった。
【0008】よって、本発明の目的は、衝撃強度が高
く、かつ衝撃強度のバラツキが少なく、生産性が良好
で、薄肉化が可能な織布、これを用いた防護材および耐
衝撃性に優れた埋設管を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の織布は、熱可塑
性樹脂製のフラットヤーンまたは熱可塑性樹脂製のスプ
リットヤーンをタテ糸およびヨコ糸に用いて製織してな
る多重織の織布において、前記織布の多層構造を形成す
る各層の組織が斜文織であり、かつ各層の斜文線がそれ
に隣接する層の斜文線と交差しており、前記織布のタテ
糸およびヨコ糸の少なくとも一方が、スプリットヤーン
であることを特徴とする。また、本発明の織布は、右上
がりの斜文織の組織の層と、左上がりの斜文織の組織の
層とを交互に有する多層構造のものであることが望まし
い。また、本発明の織布は、2重織または3重織である
ことが望ましい。
【0010】また、前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィ
ンであることが望ましい。また、前記ポリオレフィン
は、メルトフローレートが1.0g/分以下のポリプロ
ピレンであることが望ましい。また、本発明の防護材
は、本発明の織布を有するものであることを特徴とす
る。また、本発明の埋設管は、本発明の防護材が巻かれ
ていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、防護材を例にとり、本発明
の織布を詳しく説明する。図1は、本発明の防護材の一
例を示す図である。この防護材1は、1枚の2重織の織
布2と、該織布2の片面に配置された表示シート3とを
有し、織布2と表示シート3とを縫製糸4で長手方向に
縫製して、接合してなるものである。
【0012】織布2は、図2の組織図に示すように、ポ
リオレフィン製の開繊されていないフラットヤーンのタ
テ糸11,11…および該フラットヤーンを開繊したス
プリットヤーンのヨコ糸12,12…からなる右上がり
の2/1斜文織の組織を有する上層13と、前記フラッ
トヤーンのタテ糸14,14…および前記スプリットヤ
ーンのヨコ糸15,15…からなる左上がりの2/1斜
文織の組織を有する下層16とを、下層16のタテ糸1
4が所定本数おきに上層13のヨコ糸12に浮くように
して接合点17,17…で繋ぎ合わせた2重織の織布で
ある。ここで、斜文織は、一般には綾織とも呼ばれる組
織である。
【0013】織布2のタテ糸の打ち込み本数は、開繊さ
れていないフラットヤーンを用いた場合、10〜50本
/インチであることが好ましい。打ち込み本数が10本
/インチ未満では、フラットヤーン間の隙間が大きくな
り、防護性が不十分となるおそれがある。50本/イン
チを超えると、編織が困難になるおそれがある。また、
スプリットヤーンを用いた場合、織布2のタテ糸の打ち
込み本数は、10〜80本/インチであることが好まし
い。打ち込み本数が10本/インチ未満では、スプリッ
トヤーン間の隙間が大きくなり、防護性が不十分となる
おそれがある。80本/インチを超えると、編織が困難
になるおそれがある。
【0014】織布2のヨコ糸の打ち込み本数は、開繊さ
れていないフラットヤーンを用いた場合、10〜25本
/インチであることが好ましい。打ち込み本数が10本
/インチ未満では、フラットヤーン間の隙間が大きくな
り、防護性が不十分となるおそれがある。25本/イン
チを超えると、編織が困難になるおそれがある。また、
スプリットヤーンを用いた場合、織布2のヨコ糸の打ち
込み本数は、10〜80本/インチであることが好まし
い。打ち込み本数が10本/インチ未満では、スプリッ
トヤーン間の隙間が大きくなり、防護性が不十分となる
おそれがある。80本/インチを超えると、編織が困難
になるおそれがある。
【0015】上層13と下層16との接合点17は、1
平方インチ(2.54cm×2.54cm)当たり8〜
50箇所、設けることが好ましく、より好ましくは20
〜40である。接合点17の数が8未満では、上層13
と下層16とがずれやすくなり、目が開き易くなるので
好ましくない。接合点17の数が50を超えると、織布
が硬くなり、柔軟性が低下するおそれがあり好ましくな
い。織布2の製織に用いる織機としては、ズルーザー織
機、レピア織機、ウォータージェット織機などの従来の
織機を用いることができる。
【0016】フラットヤーンは、熱可塑性樹脂をインフ
レーション法などの公知の押出成形法によって溶融押出
してフィルムとし、このフィルムをスリットし、ついで
延伸することによって製造されるものである。また、ス
プリットヤーンは、前記フラットヤーンを開繊したもの
であり、具体的には、フラットヤーンを多数の針が表面
に植設された針刃ロール上に通すことによって、フラッ
トヤーンの長さ方向に無数の不連続な裂け目(スプリッ
ト)を入れ、網状にしたものである。スプリットヤーン
は、開繊されていないフラットヤーンよりも柔軟である
ので、織りやすい。また、スプリットヤーンは、開繊さ
れていないフラットヤーンよりも幅を狭くできるので、
打ち込み本数を増やしても、製織可能である。
【0017】熱可塑性樹脂としては、特に限定はされな
いが、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどを用いること
ができ、中でも、成形性がよいことからポリオレフィン
が好ましい。ポリオレフィンとしては、特に限定はされ
ないが、例えば、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン
などを用いることができる。中でも、耐衝撃性に優れる
ことからポリプロピレンが好適に用いられる。また、J
IS K 6758に準拠して測定されたポリプロピレ
ンのメルトフローレートが、1.0g/分以下であれ
ば、さらに耐衝撃性が向上する。ポリオレフィンには、
必要に応じて、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、
タルク、マイカ、硫酸バリウム、アルミナなどの無機充
填材;滑剤;顔料などの着色剤等が添加されていてもよ
い。
【0018】フラットヤーンの強度は延伸倍率により調
節することができる。延伸倍率を高めることで強度を高
めることができるが、あまり延伸倍率を高くすると延伸
切れしやすくなる傾向がある。フラットヤーン製造時の
延伸倍率は、好ましくは7〜10倍である。
【0019】フラットヤーンの繊度は、特に限定はされ
ないが、1000〜7000デニールの範囲が好まし
い。フラットヤーンの繊度が1000デニール未満で
は、防護性が不十分となるおそれがあり、7000デニ
ールを超えると、製織が困難となるおそれがある。ま
た、フラットヤーンの幅は、特に限定はされないが、
1.0〜15mmの範囲が好ましい。フラットヤーンの
幅が、1.0mm未満では、フラットヤーン自体の製造
が困難となり、15mmを超えると、製織が困難となる
おそれがある。
【0020】前記表示シート3としては、生産性、生産
コスト、軽量化の観点から、埋設物の名称、注意を促す
語句等が印刷された低密度ポリエチレン等からなる表示
フィルムの印刷面に、印刷保護と埋設管の種類を識別す
るため顔料等で着色した低密度ポリエチレン等をラミネ
ートしてなるものが好ましい。また、織布2と表示シー
ト3との接合は、図示例のミシン縫製に限定はされず、
例えば、超音波、高周波、接着剤、熱溶着等によって行
うことができる。また、表示フィルムの印刷面を内側に
し、織布2と顔料等で着色した低密度ポリエチレン等を
サンドラミネートで直接接合してもよい。
【0021】このような織布2およびこれを用いた防護
材1にあっては、織布を右上がりの2/1斜文織の組織
を有する上層13と、左上がりの2/1斜文織の組織を
有する下層16とからなる2重織とすることにより、上
層13と下層16の斜文織の組織が交差してそれぞれの
層の目開き同士が重なることがなくなる。そのため、目
開きが少なくなり、衝撃強度のバラツキが少なくなり、
掘削工具の打撃に極端に弱い部分をなくすことができ
る。また、このような防護材1にあっては、2重織の織
布2を用いることで、1重織の織布を単に2枚重ねた防
護材よりも厚さを薄くすることができ、施工性を向上さ
せることができる。また、このような織布2およびこれ
を用いた防護材1にあっては、1重織の織布を2枚重
ね、かつこれらを縫製する必要がないので、生産性がよ
い。
【0022】また、このような織布2およびこれを用い
た防護材1にあっては、織布2のタテ糸およびヨコ糸の
少なくとも一方の糸に、スプリットヤーンが用いられて
いるので、タテ糸およびヨコ糸の両方に開繊されていな
いフラットヤーンが用いられた場合に比べて、打ち込み
本数を増やすことができ、衝撃強度を向上させることが
できる。また、平織の織布では、織劣化が生じ、目が透
けてしまうが、斜文織の織布では、織劣化が少なく、平
織よりも2/3の目付で十分な衝撃強度を発揮できるの
で、斜文織の組織の層を重ねた多重織の織布を用いた防
護材は、低コスト化、軽量化を図れる。
【0023】このように、本発明の織布およびこれを用
いた防護材においては、多重織の各層の斜文線が、隣接
する層の斜文線と交差していることに大きな特徴があ
る。このような多重織の織布は、各層の斜文線が隣接す
る層の斜文線と交差しているため、それぞれの層の目開
き同士が重なることがなく、衝撃強度のバラツキが少な
い。一方、特開2000−130638号公報の保護シ
ートのように、同一方向の1/2の斜文織の第1シート
および第2シートを重ね織りしたもの、すなわち斜文線
が平行になるものでは、それぞれの層の目開き同士が重
なる部分が生じ、このような効果は得られない。
【0024】なお、本発明の織布は、図示例のように、
右上がりの2/1斜文織の組織を有する上層13と、左
上がりの2/1斜文織の組織を有する下層16とからな
る2重織の織布2に限定はされず、右上がりの3/1斜
文織の組織を有する上層と、左上がりの3/1斜文織の
組織を有する下層とからなる2重織の織布;右上がりの
4/1斜文織の組織を有する上層と、左上がりの4/1
斜文織の組織を有する下層とからなる2重織の織布;右
上がりの1/2斜文織の組織を有する上層と、左上がり
の1/2斜文織の組織を有する下層とからなる2重織の
織布;右上がりの1/3斜文織の組織を有する上層と、
左上がりの1/3斜文織の組織を有する下層とからなる
2重織の織布;右上がりの1/4斜文織の組織を有する
上層と、左上がりの1/4斜文織の組織を有する下層と
からなる2重織の織布;右上がりの2/1斜文織の組織
を有する上層と、左上がりの1/2斜文織の組織を有す
る下層とからなる2重織の織布;右上がりの2/1斜文
織の組織を有する上層と、左上がりの3/1斜文織の組
織を有する下層とからなる2重織の織布;右上がりの1
/2斜文織の組織を有する上層と、右上がりの2/1斜
文織の組織を有する下層とからなる2重織の織布;右上
がりの1/2斜文織の組織を有する上層と、右上がりの
3/1斜文織の組織を有する下層とからなる2重織の織
布;などであってもかまわない。中でも、目開きの面積
が小さいことから、右上がりの2/1斜文織の組織を有
する上層と、左上がりの2/1斜文織の組織を有する下
層とからなる2重織の織布が好適に用いられる。
【0025】また、本発明の織布およびこれを用いた防
護材においては、フラットヤーンを開繊して得られるス
プリットヤーンをタテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方
の糸に用いて製織した多重織の織布を積層せずに使用す
ることに特徴がある。したがって、本発明の防護材は、
図示例のように、スプリットヤーンをヨコ糸のみに用い
た織布2を有するものに限定はされず、スプリットヤー
ンをタテ糸のみに用いた織布を有するもの;スプリット
ヤーンをタテ糸およびヨコ糸に用いた織布を有するもの
でもかまわない。ただし、スプリットヤーンをタテ糸に
用いた場合、製織時、ヘルドによるタテ糸の上下運動に
よって形成された口内にヨコ糸を挿入し難くなり、織布
を製織しにくくなる傾向があるため、スプリットヤーン
は、ヨコ糸のみに用いることが好ましい。
【0026】また、本発明の織布は、図示例のように2
重織の織布に限定はされず、3重織以上の多重織であっ
てもかまわない。ただし、4重織以上の織布は、製織が
難しく、生産性が悪くなる傾向にあるので、本発明の織
布は、2重織または3重織であることが好ましい。
【0027】次に、本発明の防護材が巻き付けられた埋
設管について説明する。図3は、本発明の埋設管の一例
を示す図である。この埋設管は、埋設用のPE(ポリエ
チレン)管20と、このPE管20に、表示シート3を
外側にして巻き付けられた防護材1と、この防護材1を
PE管20に固定するために、防護材1の上に巻かれた
結束バンド21とから概略構成される。このような埋設
管は、例えば、図3に示すように、15cmほど掘り下
げられた地中に埋設される。
【0028】このような埋設管にあっては、衝撃強度の
ムラが少ない多重織の織布2を有する防護材1が巻き付
けられているので、掘削工具の打撃に極端に弱い部分が
なく、耐衝撃性に優れる。
【0029】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を詳しく説明す
る。本実施例における測定方法は、以下の方法を用いて
行った。 (織布の打ち込み本数)織布の長手方向および幅方向の
それぞれ1箇所ずつ金属製直尺を用いて25.4cm間
の打ち込み本数を測定し、これを2.54cm(1イン
チ)間の打ち込み本数に換算した。
【0030】(直撃衝撃破壊度)図4に示す直撃試験装
置の鉄板22上にストッパ23でPE管20を固定し、
このPE管20上に防護材1をセットした。支持金具2
4およびたわみ防止ロール25で支持された質量3.5
kgの刃先固定治具26の直撃試験用刃先27を管軸に
対して垂直方向に、かつPE管20の直上に置き、質量
3kgのおもり28を高さ0.5mの位置から刃先固定
治具26上に落下させた。落下後、PE管20表面の傷
の深さを測定し、PE管20の肉厚に対する傷の深さの
割合から破壊度(%)を算出した。直撃試験を10回繰
り返し行い、それぞれについてタテ糸およびヨコ糸の直
撃衝撃破壊度を求め、PE管20の直撃衝撃破壊度の平
均値と最大値から防護材の耐衝撃性を評価した。
【0031】(剪断衝撃破壊度)図5に示す剪断試験装
置の鉄板22上にストッパ23でPE管20を固定し、
このPE管20上に防護材1をセットした。支持金具2
4およびたわみ防止ロール25で支持された質量3.5
kgの刃先固定治具26の剪断試験用刃先29を管軸に
対して垂直方向に、かつPE管20の斜め上方に配置
し、質量3kgのおもり28を高さ0.75mの位置か
ら刃先固定治具26上に落下させた。落下後、PE管2
0表面の傷の深さを測定し、PE管20の肉厚に対する
傷の深さの割合から破壊度(%)を算出した。剪断試験
を10回繰り返し行い、それぞれについてタテ糸および
ヨコ糸の剪断衝撃破壊度を求め、PE管20の剪断衝撃
破壊度の平均値と最大値から防護材の耐衝撃性を評価し
た。
【0032】(織り適正)織布をスルーザー織機で製織
したときの様子を観察し、以下に示す基準で評価した。 ○:製織できたもの ×:製織が不可であったもの
【0033】(実施例1)タテ糸としてメルトフローレ
ート(MFR)が0.5g/分のポリプロピレン(P
P)製のフラットヤーン(繊度:2000デニール)
を、ヨコ糸としてこのフラットヤーンを開繊したスプリ
ットヤーンを用い、タテ糸の打ち込み本数が40本/イ
ンチ、ヨコ糸の打ち込み本数が30本/インチである2
重織の織布を製織し、これを防護材とした。この織布
は、2重織の組織からなり、上層の組織は右上がりの2
/1の斜文織の組織、下層の組織は左上がりの2/1の
斜文織の組織であり、上層と下層とを5本とばしの結線
で繋ぎ合わせたものである。この防護材を使用した場合
のPE管20の直撃衝撃破壊度および剪断衝撃破壊度を
測定し、また、製織時の織り適正を評価した。結果を表
1に示す。
【0034】(実施例2)ヨコ糸の打ち込み本数を20
本/インチに変更した以外は、実施例1と同様にして防
護材を作製した。この防護材を使用した場合のPE管2
0の直撃衝撃破壊度および剪断衝撃破壊度を測定し、ま
た、製織時の織り適正を評価した。結果を表1に示す。
【0035】(実施例3)ヨコ糸の打ち込み本数を40
本/インチに変更した以外は、実施例1と同様にして防
護材を作製した。この防護材を使用した場合のPE管2
0の直撃衝撃破壊度および剪断衝撃破壊度を測定し、ま
た、製織時の織り適正を評価した。結果を表1に示す。
【0036】(実施例4)タテ糸としてMFRが0.5
g/分のPP製のフラットヤーン(繊度:1000デニ
ール)を、ヨコ糸としてこのフラットヤーンを開繊した
スプリットヤーンを用い、タテ糸の打ち込み本数を70
本/インチ、ヨコ糸の打ち込み本数を65本/インチと
した以外は、実施例1と同様にして防護材を作製した。
この防護材を使用した場合のPE管20の直撃衝撃破壊
度および剪断衝撃破壊度を測定し、また、製織時の織り
適正を評価した。結果を表1に示す。
【0037】(実施例5)タテ糸としてMFRが0.5
g/分のPP製のフラットヤーン(繊度:3000デニ
ール)を、ヨコ糸としてこのフラットヤーンを開繊した
スプリットヤーンを用い、タテ糸の打ち込み本数を30
本/インチ、ヨコ糸の打ち込み本数を30本/インチと
した以外は、実施例1と同様にして防護材を作製した。
この防護材を使用した場合のPE管20の直撃衝撃破壊
度および剪断衝撃破壊度を測定し、また、製織時の織り
適正を評価した。結果を表1に示す。
【0038】(実施例6)タテ糸としてMFRが0.5
g/分のPP製のフラットヤーン(繊度:4500デニ
ール)を用い、タテ糸の打ち込み本数を25本/インチ
とした以外は、実施例5と同様にして防護材を作製し
た。この防護材を使用した場合のPE管20の直撃衝撃
破壊度および剪断衝撃破壊度を測定し、また、製織時の
織り適正を評価した。結果を表1に示す。
【0039】(実施例7)タテ糸およびヨコ糸としてM
FRが0.5g/分のポリエチレン製のフラットヤーン
(繊度:2000デニール)を開繊したスプリットヤー
ンを用いた以外は、実施例1と同様にして防護材を作製
した。この防護材を使用した場合のPE管20の直撃衝
撃破壊度および剪断衝撃破壊度を測定し、また、製織時
の織り適正を評価した。結果を表1に示す。
【0040】(実施例8)織布を3重織にした以外は、
実施例1と同様にして防護材を作製した。この織布は、
3重織の組織からなり、上層の組織は、右上がりの2/
1の斜文織の組織、中間層の組織は、左上がりの2/1
の斜文織の組織、下層の組織は、右上がりの2/1の斜
文織の組織であり、これらをタテ糸で繋ぎ合わせたもの
である。この防護材を使用した場合のPE管20の直撃
衝撃破壊度および剪断衝撃破壊度を測定し、また、製織
時の織り適正を評価した。結果を表1に示す。
【0041】(実施例9)フラットヤーンを、MFRが
2g/分のPPにした以外は、実施例1と同様にして防
護材を作製した。この防護材を使用した場合のPE管2
0の直撃衝撃破壊度および剪断衝撃破壊度を測定し、ま
た、製織時の織り適正を評価した。結果を表1に示す。
【0042】(比較例1)タテ糸としてMFRが0.5
g/分のPP製のフラットヤーン(繊度:2000デニ
ール)を、ヨコ糸としてこのフラットヤーンを開繊した
スプリットヤーンを用い、タテ糸の打ち込み本数が20
本/インチ、ヨコ糸の打ち込み本数が15本/インチで
ある斜文織で、かつ1重織の織布を2枚製織し、この織
布2枚を重ね、ミシン縫製で繋ぎ合わせて防護材とし
た。この防護材を使用した場合のPE管20の直撃衝撃
破壊度および剪断衝撃破壊度を測定し、また、製織時の
織り適正を評価した。結果を表1に示す。打ち込み本数
が実施例1の半分である織布を2枚重ねて防護材とした
場合、耐衝撃性が劣り、衝撃強度にバラツキがあること
がわかった。
【0043】(比較例2)タテ糸としてMFRが0.5
g/分のPP製のフラットヤーン(繊度:2000デニ
ール)を、ヨコ糸としてこのフラットヤーンを開繊した
スプリットヤーンを用い、タテ糸の打ち込み本数が40
本/インチ、ヨコ糸の打ち込み本数が30本/インチで
ある斜文織で、かつ1重織の織布を2枚製織し、これを
防護材とした。この防護材を使用した場合のPE管20
の直撃衝撃破壊度および剪断衝撃破壊度を測定し、ま
た、製織時の織り適正を評価した。結果を表1に示す。
打ち込み本数が実施例1と同じであるが、一重織の織布
を防護材とした場合、耐衝撃性が劣り、衝撃強度にバラ
ツキがあることがわかった。
【0044】(比較例3)ヨコ糸としてMFRが0.5
g/分のPP製のフラットヤーン(繊度:2000デニ
ール)を用いた以外は、比較例2と同様にして織布の作
製を行った。製織時の織り適正を評価した。結果を表1
に示す。タテ糸およびヨコ糸の両方を開繊されたいない
フラットヤーンとした場合、実施例1と同じ打ち込み本
数の織布を製織することができなかった。
【0045】(比較例4)織布として、上の組織および
下の組織が同一方向の1/2の斜文織の組織であり、上
の組織と下の組織とを5本とばしの結線で繋ぎ合わせた
2重織の織布を用いた以外は、実施例1と同様にして防
護材を作製した。この防護材を使用した場合のPE管2
0の直撃衝撃破壊度および剪断衝撃破壊度を測定し、ま
た、製織時の織り適正を評価した。結果を表1に示す。
2重織の上層および下層の斜文線が平行である織布を用
いた場合、耐衝撃性が劣り、衝撃強度にバラツキがある
ことがわかった。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の織布は、
熱可塑性樹脂製のフラットヤーンまたは熱可塑性樹脂製
のスプリットヤーンをタテ糸およびヨコ糸に用いて製織
してなる多重織の織布において、前記織布の多層構造を
形成する各層の組織が斜文織であり、かつ各層の斜文線
がそれに隣接する層の斜文線と交差しており、前記織布
のタテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方が、スプリット
ヤーンであるので、衝撃強度が高く、かつ衝撃強度のバ
ラツキが少なく、生産性が良好で、薄肉化が可能であ
る。また、右上がりの斜文織の組織の層と、左上がりの
斜文織の組織の層とを交互に有する多層構造の織布であ
れば、さらに衝撃強度のバラツキが少なくなる。また、
2重織または3重織の織布であれば、防護材の生産性が
さらに良くなる。
【0048】また、前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィ
ンであれば、フラットヤーンの成形性がよくなる。ま
た、前記ポリオレフィンが、メルトフローレートが1.
0g/分以下のポリプロピレンであれば、耐衝撃性がさ
らに向上する。また、本発明の防護材は、本発明の織布
を有するものであるので、衝撃強度が高く、かつ衝撃強
度のバラツキが少なく、生産性が良好で、薄肉化が可能
である。また、本発明の埋設管は、本発明の防護材が巻
かれているものであるので、耐衝撃性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の防護材の一例を示す斜視図である。
【図2】 本発明の織布の一例を示す織物組織の図であ
る。
【図3】 本発明の埋設管の一例およびその使用例を示
す概略図である。
【図4】 直撃衝撃破壊度の測定に用いられる直撃試験
装置を示す構成図である。
【図5】 剪断衝撃破壊度の測定に用いられる剪断試験
装置を示す構成図である。
【図6】 従来の防護材の一例を示す斜視図である。
【図7】 従来の防護材に用いられる織布の一例を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1…防護材、2…織布、11…タテ糸、12…ヨコ糸、
13…上層、14…タテ糸、15…ヨコ糸、16…下
層、20…PE管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳賀 祐二 東京都中央区日本橋小舟町4番1号 平成 ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 3H024 AA04 AB07 AC01 AC05 4L048 AA15 AA34 AB28 BA01 BA02 BA09 CA01 CA15 DA41

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂製のフラットヤーンまたは
    熱可塑性樹脂製のスプリットヤーンをタテ糸およびヨコ
    糸に用いて製織してなる多重織の織布において、 前記織布の多層構造を形成する各層の組織が斜文織であ
    り、かつ各層の斜文線がそれに隣接する層の斜文線と交
    差しており、 前記織布のタテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方が、ス
    プリットヤーンであることを特徴とする織布。
  2. 【請求項2】 右上がりの斜文織の組織の層と、左上が
    りの斜文織の組織の層とを交互に有する多層構造のもの
    であることを特徴とする請求項1記載の織布。
  3. 【請求項3】 2重織または3重織であることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の織布。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィンで
    あることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項に
    記載の織布。
  5. 【請求項5】 前記ポリオレフィンが、メルトフローレ
    ートが1.0g/分以下のポリプロピレンであることを
    特徴とする請求項1ないし4いずれか一項に記載の織
    布。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5いずれか一項に記載の
    織布を有することを特徴とする防護材。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の防護材が巻かれているこ
    とを特徴とする埋設管。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002348753A (ja) * 2001-05-29 2002-12-04 Heisei Polymer Co Ltd 防護材および埋設管
TWI463050B (ja) * 2010-08-31 2014-12-01
CN111448730A (zh) * 2020-03-13 2020-07-24 深圳市骏鼎达新材料股份有限公司 保护管

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