JP2002241970A - 塩化鉄系エッチング疲労液の再生方法 - Google Patents

塩化鉄系エッチング疲労液の再生方法

Info

Publication number
JP2002241970A
JP2002241970A JP2001079406A JP2001079406A JP2002241970A JP 2002241970 A JP2002241970 A JP 2002241970A JP 2001079406 A JP2001079406 A JP 2001079406A JP 2001079406 A JP2001079406 A JP 2001079406A JP 2002241970 A JP2002241970 A JP 2002241970A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
solution
liquid
fatigue
ions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001079406A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Watabe
啓司 渡部
Kazumasa Yoshida
和正 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rasa Industries Ltd
Original Assignee
Rasa Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rasa Industries Ltd filed Critical Rasa Industries Ltd
Priority to JP2001079406A priority Critical patent/JP2002241970A/ja
Publication of JP2002241970A publication Critical patent/JP2002241970A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ニッケル、銅、クロム、コバルト等の疲エッチ
ング材に含まれる金属のイオンを含む塩化鉄系エッチン
グ疲労液を再生する際、電解を用いて液量の増加を抑え
るとともに、電解再生液中のこれらの金属イオンの混入
を少なくすること。 【解決手段】中性隔膜2枚で仕切られた中間室を有する
3室構造の電解槽を用いて、陰極室では塩化鉄疲労液の
還元を行い、陽極室では、別工程で精製した塩化第一鉄
液の酸化を行う。この電解処理の際、中間室に電解質液
を通過させることにより、陰極室の塩化鉄疲労液に含ま
れるニッケル、銅等の金属イオンが、陽極室の再生塩化
鉄液に混入することを抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケル、銅、クロ
ム、コバルト等の疲エッチング材に含まれる金属のイオ
ンを含有するエッチング用塩化鉄の疲労液を、それらの
不純物を取り除きエッチング用塩化鉄として再生する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】塩化第二鉄は、プリント基
板やブラウン管用シャドーマスクのエッチング剤として
使用されている。この塩化第二鉄は、エッチング処理を
行うに従って、ニッケル又は、銅などを主成分とする金
属イオンが蓄積し、それと同時に第二鉄イオンが還元さ
れ第一鉄イオンになりエッチング能力が低下する。そこ
で、基盤メーカーでは塩素などで第一鉄イオンを第二鉄
イオンに酸化しエッチング液を使い込んでいるが、最終
的にはニッケル又は、銅などの金属イオンを含んだ第二
鉄イオンを多量に含む疲労液が発生する。この疲労液
は、環境問題等により再生処理を行い再使用することが
望ましい。
【0003】従来この再生処理は、鉄材で疲労液中のニ
ッケル又は銅と置換する方法が一般的に行われている
が、この方法では第二鉄イオンが全て第一鉄イオンに還
元され、さらに鉄が溶解することにより、ニッケル又
は、銅の金属が析出する。この際、疲労液中の第二鉄イ
オンの1/2モルとニッケルイオン又は、銅イオンの同
モル数を足したモル数の鉄材が第一鉄イオンとして疲労
液中に入り、再生液は疲労液に対して約1.5倍ほどに
増加してしまう。この増加分は、従来、排水処理用の水
処理凝集剤として利用されていたが、近年その用途が少
なくなり疲労液の一部について廃棄処理が必要となって
きている。
【0004】そこで、この増量を抑えることを目的とし
た電解を利用した塩化鉄疲労液の再生方法の特許が多数
公開されている。これらの電解方法は、イオン交換膜を
使用し陽極室で塩素を発生させ、陰極ではニッケル又は
銅を析出させることを基本としたものである。しかし、
この方法では有害な塩素ガスを処理すること、又陰極に
析出した金属を回収する特殊な電解槽が必要であるなど
の不利な点がある。
【0005】これらを改良した方法として、特開平11
−36087号がある。この方法は、中性隔膜で仕切ら
れた2室構造の電解槽で電解を行い、陰極室で疲労液を
還元し、陽極室で精製第一鉄を酸化している。この際、
塩素イオンは陰極から陽極に隔膜を通過して移動する
が、透水性の小さい隔膜を使用することで液の移動を極
力抑えている。さらに、酸化還元電位で液を管理するこ
とにより、陽極室で塩素が発生しない状態、また陰極に
金属が析出しない状態で電解を行っている。これに伴
い、ニッケル又は銅を主成分とする金属イオンの除去と
塩素酸化を別工程で行う必要があるが、陽極室における
塩素ガスの発生と陰極室における金属の析出を無くして
いる。この方法は、ニッケル、銅等の金属イオンの除去
を鉄材置換等の別工程で行う必要があることから、完全
に再生液の増量を抑えることは出来ないが、かなりの増
量を抑えることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平11−
36087号の方法では、透水性の小さい中性隔膜を使
用しているが、完全に液の移動が無くなるわけではな
く、電解処理中に陰極室中の塩化鉄疲労液に含まれるニ
ッケル又は、銅を主成分とする金属イオンが陽極室中の
再生液へ中性隔膜を通過して一部混入してしまう。ニッ
ケルイオンの通過量は比較的小さいが、銅イオンの通過
量は疲労液中の銅イオンに対して5〜10%にも達す
る。この原因は判明していないが、電解処理中に発生す
る一価の銅イオンが関与しているものと思われる。不純
物として銅を主成分とする塩化鉄疲労液は、塩化鉄疲労
液の中で発生量が最も大きく、大きな問題となる。
【0007】また、この特許では、ニッケル又は銅の金
属イオンが陽極室へ混入することを極力さけるため、陽
極室の精製第一鉄液の圧力を陰極室の塩化鉄疲労液の圧
力より若干大きくして電解を行っている。さらに、電解
が進行すると塩素イオンが陰極室より陽極室に移動して
陽極室の全イオン濃度が上昇することから、浸透圧の関
係で陽極室から陰極室へ鉄イオンがますます移動し易く
なる。この移動により、疲労液は増大し、逆に再生液は
減少することになり、再生液の生産量から見た場合、電
流効率が低下することを示している。
【0008】また、ニッケル又は銅の金属イオンが陽極
室へ混入することを防ぐためには、隔膜に陰イオン交換
膜を使用すれば良いが、この場合は電解電圧が高くなる
こと、さらに塩素イオンの通過速度が遅いことから陽極
室で酸化鉄が多量に発生する等の問題が生じる。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、2枚
の中性隔膜で仕切られた中間室を有する3室構造の電解
槽で、陰極室においてニッケル又は銅を主成分とする塩
化鉄疲労液を還元し、陽極室においては精製第一鉄液を
酸化して再生液を得る電解の際、ニッケル又は、銅等を
主成分とする金属イオンが塩化鉄疲労液から再生液へ混
入することを避けるため、中間室に電解質液を導入する
ことにより、この金属イオンの一部は塩化鉄疲労液から
膜を通過して中間室の電解質液に移動するが、さらに膜
を通過して陽極室の再生液に移動する量は小さくなり、
再生液中のこの金属イオン濃度は、品質に問題のない程
度まで抑えることができる。
【0010】この電解質液は、塩素イオンを小さな電気
抵抗で通過させるものであれば何でも良いが、この電解
質液自体が再生液への不純物とならないようにする必要
性から、塩化第一鉄液または塩化第二鉄液が良い。さら
に、電解後にニッケル又は、銅等の金属イオンが混入し
た電解質液が発生するので、この後処理を考慮すると少
量の鉄材で脱ニッケル又は脱銅できる塩化第一鉄液が電
解質液として最も望ましい。
【0011】また、特開平11−36087号のよう
に、ニッケル又は銅等の金属イオンの再生液への混入を
防止するために、陰極室より陽極室への液圧を高くして
運転をすると疲労液の液量が増えてしまうのが、金属イ
オンの再生液への混入の防止を本発明の方法で行えば、
陰極室より陽極室への液圧を高くして運転する必要がな
く、電解中の液量を管理することが容易となる。
【0012】また、実用的にはこの3室構造を1セルと
して積層構造とし、電極を両面使用することにより設備
コストを押さえることができる。この際、3室構造を取
っても最も価格の高い貴金属をコーティングした陽極板
等の電極板の枚数は2室構造と代わり無く、設備コスト
に与える影響は小さい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明を実施するために、図1に
示すような3室1セル構造をもつ電解槽と実設備の基本
となる図3に示す3室4セル構造の電解槽で電解処理を
行った。また、本発明の説明のため、塩化鉄疲労液の再
生の全体フローを図2に示した。なお、このフローには
説明のため電解槽は1セルと簡略化してある。以下、こ
の図2により説明を行う。電解槽の陰極室には、タンク
1からニッケル又は銅等の金属イオンを含有する塩化鉄
疲労液をポンプ1により循環した。陽極室には、別工程
で脱ニッケル又は脱銅した精製第一鉄液をタンク2から
同様にポンプ2で循環し、さらに中間室にも精製第一鉄
液の入ったタンク3からポンプ3でその液を循環させ
た。それぞれのタンクは、20から70℃好ましくは5
0から60℃に保温されている。陽極板にはチタンメッ
シュに白金イリジウムをコーティングした電極を使用
し、陰極板にはチタンメッシュの電極を使用した。各室
を隔てている中性隔膜には、透水量の小さいユミクロン
膜Y−9205(ユアサ(株)製)を使用した。
【0014】この状態で整流器から直流の電流を流し、
定電流電解を開始した。この電解に関しては、整流器か
ら供給された電流は、100%に近い効率で酸化還元に
使われることが判っている。そこで、電解槽に供給する
電気量は、陰極室を循環している疲労液中の第二鉄イオ
ン濃度が、60%から95%程度まで還元するときに必
要とされる量とし、一定の電流を計算された時間、通電
した。これは、陰極板に後処理に厄介な鉄、ニッケルお
よび銅のメタルが析出しないための条件設定である。
【0015】同時に、陽極室では陰極室の還元と同じ電
気量が再生液の第一鉄イオンから第二鉄イオンへの酸化
に使われる。そこで、陽極室の再生液の量は、この電気
量が流れても再生液中に第一鉄イオンが残る以上の液量
を計算し循環させる。これは、陽極室で取扱の難しい塩
素ガスを発生させないためである。また、陰極室および
陽極室を循環している疲労液および第一鉄液を、酸化還
元電位の監視のもと、陰極板に金属の析出が出ない状態
および陽極室で塩素ガスが発生しない状態を確認しなが
ら電解を行えば、より効率良く、安全に運転できる。
【0016】中間室を循環している塩化第一鉄液中のニ
ッケル又は銅を主成分とする金属イオンの濃度は、電解
の進行とともに上昇し、この濃度が高くなると陽極室の
再生液にそれらの金属イオンが混入し始める。そこで、
中間室を循環している塩化第一鉄液中のこれら金属イオ
ンの濃度を管理する必要がある。この濃度については設
備面と再生液の品質を考慮し経験的に決定すれば良い
が、通常のエッチング液の品質に再生するには電解終了
時に1%以下になるようにすることが望ましい。中間室
を循環する液のこれらの金属イオンの濃度を1%以下に
するには、その循環している液量を一定量以上にすれば
良いが、通常、陽極室を循環している疲労液の液量と
1:1の液量があれば十分である。なお、銅イオンの陰
極室から中間室への移動量は、1回の電解で疲労液中の
銅イオンの約10%程度であり、ニッケルイオンの移動
量は、銅イオンに比較してはるかに小さい。また、循環
中の液を脱ニッケルまたは、脱銅処理を行う方法でもニ
ッケルイオン又は銅イオンの濃度を調整することができ
る。なお、電解終了後この中間室の塩化第一鉄液は、少
量の鉄材を添加することで容易にニッケルまたは、銅を
取り除くことができ、この操作における液量の増加を小
さく抑えることができる。
【0017】この3室構造の電解槽を用いた塩化鉄疲労
液の再生をまとめると、図2に示すように塩化鉄エッチ
ング疲労液は、まず陰極室で電解還元され続いて鉄材等
による脱ニッケル又は脱銅工程を経て第一鉄液となり、
中間室または陽極室の循環液として使用される。この中
間室の塩化第一鉄液は電解終了後、少量の鉄材を添加し
てニッケル又は銅を取り除き、再度中間室の循環液とし
て使用するもしくは陽極室の循環液として使用される。
陽極室を循環している第一鉄液は、電解酸化され第一鉄
と第二鉄の混合液となり、最終的に塩素酸化さらに濃度
調整を経て、再生塩化鉄エッチング液となる。
【0018】なお、本発明では連続法に比較して低い平
均電圧で運転でき、電力コストを小さくできることから
バッチ法で説明したが、陰極室および陽極室の循環液を
酸化還元電位で管理することにより、連続処理も可能で
ある。この際、中間室の循環液は前述したとうりの方法
でニッケル又は銅の濃度管理を行えば良い。
【0019】
【実施例】
【実施例1】図1に示す3室1セルの電解槽で試験を行
った。第一鉄イオン16.5%、第二鉄イオン0.6
%、銅イオン0.10%の組成を有する精製塩化鉄液
1.4kgを3Lビーカーに仕込み、その液を電解槽の
陽極室とポンプで循環した。中間室には、陽極と同じ組
成の液1.4kgをポンプにより循環させた。陰極室に
は、第一鉄イオン4.8%、第二鉄イオン6.6%、銅
イオン7.4%の組成を有する塩化鉄疲労液1.4kg
を同様にポンプで循環した。流量は、線速度で、5.4
cm/secである。なお、これらのビーカーはウォー
ターバスにより50〜60℃の保温されている。
【0020】この電解槽の有効膜面積は、1.7d
、電極間距離は、31mmである。この電極間に、
電流密度が5A/dmとなる8.5Aの電流を5時間
通電した。電解後の銅イオンの濃度については、陰極室
を通過した液は、6.40%、中間室を通過した液は、
0.72%、陽極室を通過した液は、0.10%となっ
た。このことから、銅イオンは陰極室から中間室にかな
り移動したものの陽極室への移動量は、0.01ポイン
ト以下であった。なお、この時の平均電圧は、2.3V
であった。
【0021】
【実施例2】図3に示す3室4セルの電解槽で試験を行
った。第一鉄イオン15.8%、第二鉄イオン0.8
%、銅イオン0.09%の組成を有する精製塩化鉄液1
80kgを200Lポリタンクに仕込み、その液を電解
槽の陽極室とポンプで循環した。中間室には、陽極と同
じ組成の液180kgをポンプにより循環させた。陰極
室には、第一鉄イオン3.9%、第二鉄イオン3.5
%、銅イオン3.4%の塩化鉄疲労液170kgを同様
にポンプで循環した。流量は、線速度で、3.5cm/
secである。なお、これらのポリタンクはウォーター
バスにより50〜60℃の保温されている。
【0022】この電解槽の有効膜面積は、68dm
電極間距離は、18mmである。この電極間に、電流密
度は9.3A/dmとなる632Aの電流を7.5時
間通電した。電解中、タンク内の液量の変動を抑えるた
め3室それぞれへの送り圧を調整した。電解後の銅イオ
ン濃度については、陰極室を通過した液は、3.24
%、中間室を通過した液は、0.40%、陽極室を通過
した液は、0.10%となった。このことから、銅イオ
ンは陰極室から中間室にかなり移動したものの陽極室へ
の移動量は、0.01ポイント程度であった。なお、こ
の時の平均電圧は、2.4Vであった。
【0023】
【比較例1】図4に示す2室1セルの電解槽で試験を行
った。第一鉄イオン15.6%、第二鉄イオン0.1
%、銅イオン0.07%の組成を有する精製塩化鉄液
2.1kgを3Lビーカーに仕込み、その液を電解槽の
陽極室とポンプで循環した。陰極室には、第一鉄イオン
2.9%、第二鉄イオン7.8%、銅イオン5.20%
の組成を有する塩化鉄疲労液2.1kgを同様にポンプ
で循環した。流量は、線速度で、5.4cm/secで
ある。なお、これらのビーカーはウォーターバスにより
50〜60℃の保温されている。
【0024】この電解槽の有効膜面積は、3.7d
、電極間距離は、15mmである。この電極間に、
電流密度が5.1A/dmとなる19Aの電流を4時
間通電した。電解後の銅イオンの濃度については、陰極
室を通過した液は、4.56%、陽極室を通過した液
は、0.45%となった。このことから、銅イオンの陰
極室から、陽極室への移動量は、0.38ポイントであ
った。なお、この時の平均電圧は、2.3Vであった。
【0025】
【実施例3】図3に示す3室4セルの電解槽で試験を行
った。第一鉄イオン16.1%、第二鉄イオン0.7
%、ニッケルイオン0.01%の組成を有する精製塩化
鉄液170kgを200Lポリタンクに仕込み、その液
を電解槽の陽極室とポンプで循環した。中間室には、陽
極と同じ組成の液170kgをポンプにより循環させ
た。陰極室には、第一鉄イオン1.3%、第二鉄イオン
14.3%、ニッケルイオン1.62%の塩化鉄疲労液
175kgを同様にポンプで循環した。流量は、線速度
で、3.5cm/secである。なお、これらのポリタ
ンクはウォーターバスにより50〜60℃の保温されて
いる。
【0026】この電解槽の有効膜面積は、68dm
電極間距離は、18mmである。この電極間に、電流密
度は9.3A/dmとなる632Aの電流を14.5
時間通電した。電解中、タンク内の液量の変動を抑える
ため、3室それぞれの送り圧を調整した。電解後のニッ
ケルイオン濃度については、陰極室を通過した液は、
1.58%、中間室を通過した液は、0.06%、陽極
室を通過した液は、0.01%となった。このことか
ら、ニッケルイオンは、陰極室から、中間室に0.05
ポイント移動したものの陽極室への移動は、ほとんど確
認されなかった。なお、この時の平均電圧は、3.8V
であった。
【0027】
【比較例2】図5に示す2室4セルの電解槽で試験を行
った。第一鉄イオン15.8%、第二鉄イオン0.1
%、ニッケルイオン0.01%の組成を有する精製塩化
鉄液210kgを200Lポリタンクに仕込み、その液
を電解槽の陽極室とポンプで循環した。陰極室には、第
一鉄イオン1.6%、第二鉄イオン15.6%、ニッケ
ルイオン1.12%の塩化鉄疲労液190kgを同様に
ポンプで循環した。流量は、線速度で、3.5cm/s
ecである。なお、これらのポリタンクはウォーターバ
スにより50〜60℃の保温されている。
【0028】この電解槽の有効膜面積は、68dm
電極間距離は、6mmである。この電極間に、電流密度
は9.5A/dmとなる646Aの電流を15時間通
電した。電解中、タンク内の液量の変動を抑えるため、
2室それぞれの送り圧を調整した。電解後のニッケルイ
オン濃度については、陰極室を通過した液は、1.06
%、陽極室を通過した液は、0.05%となった。この
ことから、ニッケルイオンは、陰極室から、陽極室へ
0.04ポイント通過したことが確認された。なお、こ
の時の平均電圧は、2.7Vであった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、ニッケル又は銅を主成
分とした金属イオンを含む塩化鉄疲労液を中間室を有す
る3室の電解槽で電解し再生することにより、鉄材、塩
素の使用量を抑え、再生液量の増加を抑えるとともに、
疲労液中の鉄以外の金属イオンの混入の少ない塩化鉄再
生液を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための3室1セル構造の電解
槽の略図
【図2】本発明を説明するための塩化鉄疲労液の再生フ
ロー図
【図3】本発明を実施するための3室4セル構造の電解
槽の略図
【図4】本発明と比較するための2室1セル構造の電解
槽の略図
【図5】本発明と比較するための2室4セル構造の電解
槽の略図
【符号の説明】
1 電解槽 2 陽極板 3 陰極板 4 中性隔膜 5 タンク1(塩化鉄疲労液) 6 タンク2(塩化第一鉄液) 7 タンク3(塩化第一鉄液) 8 ポンプ1(陰極室循環) 9 ポンプ2(陽極室循環) 10 ポンプ3(中間室循環)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中性隔膜2枚で仕切られた中間室を有す
    る3室構造の電解槽を用いて、陰極室では塩化鉄疲労液
    の還元、陽極室では別工程で精製した塩化第一鉄液の酸
    化を行う電解処理の際、中間室に電解質液を通過させる
    ことにより、陰極室の塩化鉄疲労液に含まれるニッケ
    ル、銅、クロム、コバルト等の疲エッチング材に含まれ
    る金属のイオンが、陽極室の電解酸化中の塩化第一鉄液
    に混入することを抑える塩化鉄系エッチング疲労液の再
    生方法に関する。
  2. 【請求項2】 中性隔膜を用いた電解においては、液圧
    の変動により、疲エッチング材に含まれる金属イオンの
    陰極室から陽極室への混入量が変るが、前述の3室構造
    の電解槽で電解することにより、液圧が変動したとして
    も中間室を介するためこれらの金属イオンは陽極室まで
    はほとんど移動しないことから、これらの金属イオンの
    移動を考慮することなく3室の液圧を調整して3室を循
    環している液量を任意に管理ができる塩化鉄系エッチン
    グ疲労液の再生方法に関する。
JP2001079406A 2001-02-14 2001-02-14 塩化鉄系エッチング疲労液の再生方法 Pending JP2002241970A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001079406A JP2002241970A (ja) 2001-02-14 2001-02-14 塩化鉄系エッチング疲労液の再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001079406A JP2002241970A (ja) 2001-02-14 2001-02-14 塩化鉄系エッチング疲労液の再生方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002241970A true JP2002241970A (ja) 2002-08-28

Family

ID=18935863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001079406A Pending JP2002241970A (ja) 2001-02-14 2001-02-14 塩化鉄系エッチング疲労液の再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002241970A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6527940B1 (en) Production method of acid water and alkaline water
US5478448A (en) Process and apparatus for regenerating an aqueous solution containing metal ions and sulfuric acid
JP5125278B2 (ja) エッチング廃液の電解酸化方法
US6827832B2 (en) Electrochemical cell and process for reducing the amount of organic contaminants in metal plating baths
CN1802456A (zh) 再生用于蚀刻或酸蚀铜或铜合金的含铁蚀刻溶液的方法和进行所述方法的装置
WO2014192581A1 (ja) Au含有ヨウ素系エッチング液の処理方法、および処理装置
JP2005187865A (ja) 銅エッチング廃液から電解により銅を回収する方法及び装置
JP2002219464A (ja) 電解処理方法および処理装置
JP2009024186A (ja) クロムめっき液の再生方法及び装置
US5225054A (en) Method for the recovery of cyanide from solutions
JPH0780253A (ja) 電気透析精製法
US5035778A (en) Regeneration of spent ferric chloride etchants
JP3478947B2 (ja) 塩化第二鉄液の再生方法
JP2002241970A (ja) 塩化鉄系エッチング疲労液の再生方法
JPH06256999A (ja) 錫めっき液を回収再生する方法
JP2698253B2 (ja) 銅を含む塩化第二鉄エッチング液の処理方法
JP2997110B2 (ja) エッチング液の処理方法
JPH06240475A (ja) ニッケルを含む塩化鉄系のエッチング液の処理方法
CN115449849B (zh) 一种微蚀液在线电解提铜循环再生工艺
JPH09239364A (ja) 電解装置及びイオン水生成器
JPH08276187A (ja) 亜硫酸塩含有溶液の電気化学的処理方法
JPH0824586A (ja) 硝弗酸洗浄廃液の電気透析処理方法及びその装置
JP3651872B2 (ja) 塩水中の硫酸根と塩素酸根の除去方法
JP5362365B2 (ja) 塩化鉄系廃液の再生方法、及び塩化鉄系廃液の再生装置
JP4018831B2 (ja) エッチング廃液の処理方法