JP2002241902A - 高強度マルテンサイト系ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents
高強度マルテンサイト系ステンレス鋼およびその製造方法Info
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Abstract
ガス腐食性に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス
鋼の提供。 【解決手段】質量%で、C:0.08%以下、Si:1%以下、
Mn:0.1%〜2%、Cr:7〜15%、Ni:0.5〜7%、N
b:0.005〜0.5%、Al:0.001〜0.1%、N:0.001〜0.0
5%、P:0.04%以下、S:0.005%以下を含有し、残部は
実質的にFeであり、Cr、C、NbおよびNi含有量
が下記式(1)で与えられる関係を満足し、断面の鋼組
織が大きさ0.2μm以下のクロム窒化物を102 〜1
08 個/mm2 含み、降伏強度が760MPa以上で
あることを特徴とする耐炭酸ガス腐食性に優れた高強度
マルテンサイト系ステンレス鋼およびその製造方法。 Cr−16.6C+6Nb+0.5Ni≧9.6・・(1)
Description
いはガス井(以下、単に「油井」と総称する)において
用いられる鋼管用のステンレス鋼で、特に炭酸ガスを含
んだ環境下での耐食性に優れた高強度マルテンサイト系
ステンレス鋼およびその製造方法に関する。
増加に対応できる高強度材の要求への対応に加えて、炭
酸ガス、硫化水素を含む油井の増加に対応した耐食性向
上の実現が課題となっている。
管あるいはラインパイプには炭素鋼や低合金鋼を使用す
るのが通常であったが、使用する油井の環境が苛酷にな
るにつれて、合金元素を増加させた鋼が用いられるよう
になってきている。例えば、炭酸ガスを多く含有する油
井では、Crの添加が耐食性を著しく向上させることが
知られており、Crを9%程度含有するいわゆる9%C
r−1%Mo鋼や、Crを13%程度含有するSUS4
20マルテンサイト系ステンレス鋼が使用されている。
炭酸ガスと硫化水素とを同時に含む油井環境において
は、現状の技術ではさらに合金元素量を高めた2相ステ
ンレス鋼やNiを多量に含有するオーステナイト系ステ
ンレス鋼を用いざるを得ないが、合金元素の添加が多く
なることからコスト上昇が著しい。
urposeの考え方が定着し、開発する井戸の腐食環境にも
っとも適した鋼管、すなわち、耐食性が十分に確保で
き、かつ最もコストが安い鋼管のニーズが高い。つま
り、大深度で炭酸ガスなどの腐食性ガス濃度が高くかつ
高温の厳しい腐食環境となる油井において、高強度、高
耐食性を具備しながらかつ安価な材質が望まれているの
である。したがって、このような要望にこたえるために
は、腐食環境を細分化して、それぞれの環境に応じた材
質設計を行う必要がある。
S420鋼をベースにC含有量を0.005〜0.05
%に制限して、Cu:1〜3%、Mo:2〜3%を含有
させ、40C+34N+Ni+0.3Cu+Co−1.
1Cr−1.8Mo−0.9W≧−10なる関係を満足
させて耐炭酸ガス腐食性及び耐硫化物応力腐食割れ性を
改善したマルテンサイトステンレス鋼が開示されてい
る。
は、SUS420鋼をベースにC含有量を0.05%以
下に制限し、Ni:4.0〜8.0%、Mo:0.5〜
7.0%を含有させ、C量に応じて定められるTi量を
含有させて、マルテンサイト相とした耐硫化物応力割れ
性を改善した鋼およびその製造方法が開示されている。
る環境を考慮して、耐硫化物応力腐食割れ性に対する対
策を講じているために、高価な合金元素であるNi、M
o等を多量に含む鋼である。そのために、大部分が炭酸
ガスで、硫化水素が殆ど含まれず、したがって、耐硫化
物応力割れ性を考慮する必要性がなく、主として、高温
環境下での耐孔食性あるいは耐全面腐食性が要望され
る、いわゆるスイート環境においては、このようにN
i、Mo等を多量に含有する鋼はコスト面で経済性に劣
り、上述のfit in purposeを満足する材料とはなり難
い。
ラインパイプ用の高Cr鋼管として、C:0.02%以
下、Si:0.5%以下、Mn:0.2〜3%、Cr:
10〜14%、Ni:2〜3%、N:0.02%以下を
含有し、さらにNbを0.3%以下の範囲で含有する鋼
管が開示されている。また、NbはCとの親和力が強
く、炭化物形成によりCを固定するので、Cr炭化物の
析出によって耐食性に有効に作用するCr量の減少を抑
制し、耐炭酸ガス腐食性の改善に有効に作用することが
説明されている。
されたものであり、強度は552〜655MPa(80
〜95ksi)程度までであって、本発明の課題とする
760MPa(110ksi)以上の油井管用の高強度
材としては使用できない。
技術における問題点を解決するためになされたものであ
り、その課題は、スイート環境用途に好適な、安価でか
つ耐炭酸ガス腐食性に優れたステンレス鋼、特に油井管
用途に適する760MPa以上の降伏強度を有する高強
度材を提供することにある。
題を達成するために、耐炭酸ガス腐食性の向上および高
強度化につき鋭意検討を重ね、下記のa)〜e)の知見
を得て、本発明を完成させた。 a)150℃以下の温度域における炭酸ガス環境下での
用途であれば、Mo等の高価な合金元素の含有は特に必
要ではなく、またC含有量の低減によりCr炭化物の析
出量を減少させればSUS420鋼よりもさらにCr量
を低減できる。 b)しかし、単純な低C−13%Cr系ではマルテンサ
イト単相組織が得られないので、Niなどのオーステナ
イト形成元素を添加してマルテンサイト単相組織とする
必要があるが、低C−13%Cr−Ni系では、油井管
用途で必要とされる760MPa以上の高強度化は困難
である。
同時に、760MPa以上の高強度をも満足する鋼の製
造を種々検討した結果、さらに以下の事実を見出した。
有させ、適切な温度範囲での焼戻し処理を行うことによ
り、Cr窒化物、特にCr2Nが微細に分散した組織を
有し、優れた耐炭酸ガス腐食性および高強度の双方を満
足する鋼が得られる。 d)上記c)に記載の適切な焼戻し温度範囲は、Nb含
有量の増加に伴い、高温領域にシフトするとともに、最
高強度は上昇する。これらの関係に基づき、油井管用途
に求められる760MPa以上の高強度が得られる焼戻
し適正温度範囲は、Nb含有量の関数として求めること
ができる。 e)さらに、0.2%以上のMoの含有は、焼戻し脆性
の抑制効果を有することから、特に靭性を要求される場
合にはMoを含有させるのが有効である。
要旨は、下記の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼お
よびその製造方法にある。
i:1%以下、Mn:0.1〜2%、Cr:7〜15
%、Ni:0.5〜7%、Nb:0.005〜0.5
%、Al:0.001〜0.1%、N:0.001〜
0.05%、P:0.04%以下、S:0.005%以
下を含有し、残部は実質的にFeであり、Cr、C、N
bおよびNi含有量が下記式(1)で与えられる関係を
満足し、断面の鋼組織が大きさ0.2μm以下のクロム
窒化物を102 〜108 個/mm2 含み、降伏強
度が760MPa以上であることを特徴とする耐炭酸ガ
ス腐食性に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス
鋼。
有量(質量%)を表す。
窒化物粒子の最大直径を表す。
サイト系ステンレス鋼においては、Feの一部に代え
て、質量%で、Mo:0.1〜3%を含有させてもよ
い。
強度マルテンサイト系ステンレス鋼においては、Feの
一部に代えて、質量%で、Ti:0.005〜0.1%
およびV:0.005〜0.1%のうちの1種または2
種を含有させてもよい。
載の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼においては、
Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.0005〜
0.01質量%、Mg:0.0005〜0.01質量
%、La:0.0005〜0.01質量%およびCe:
0.0005〜0.01質量%のうちから選ばれた1種
または2種以上を含有させてもよい。 (5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の化学組成
を有する鋼を、オーステナイト域に加熱した後焼入れ処
理を行い、さらに、Ac1 点以下の温度域でかつ下記
式(2)で与えられる関係を満足する温度T(℃)にて
焼戻し処理する耐炭酸ガス腐食性に優れた高強度マルテ
ンサイト系ステンレス鋼の製造方法。 480−27Nb0.09 ≦T(℃) ≦480+187Nb0.09・・(2) ここで、Tは焼戻し温度、Nbは鋼中のNb含有量(質
量%)を表す。
善に対しては、従来よりCr添加量の増加が有効である
ことが知られている。そのために、炭素鋼に代わって従
来からSUS420(0.2%C−13%Cr)鋼が使
用されてきた。
度含有しているので、焼入れ焼戻し処理により552〜
655MPa程度までの強度の高いマルテンサイト組織
を得ることができる反面、Cr炭化物の形成により、炭
酸ガス環境下での腐食抑制に有効に作用するCr量(い
わゆる「有効Cr量」)は、(Cr−16.6C)
(%)により算出される9.6%程度に減少する。した
がって、実際にはCrを13%程度も含有させているに
もかかわらず、耐食性は期待される耐食性よりも劣り、
孔食などに対する耐局部腐食性の点においても充分な性
能を有しているわけではない。
により、Cr炭化物の析出を抑え、Crの添加量に見合
う有効Cr量を確保することが考えられる。このような
場合、単純にC含有量を低減させるだけではマルテンサ
イト単相組織の確保は難しく、一般的にはNiなどのオ
ーステナイト形成元素を適正量添加してマルテンサイト
単相組織を確保する必要がある。
耐硫化物応力腐食割れ性を考慮する必要がなく、必ずし
もMo等の元素を含有させる必要はないが、それでは焼
入れ焼戻し処理によって得られる強度には限界があり、
760MPa以上の高強度化は難しいことが判明した。
々の組成を有するマルテンサイト系ステンレス鋼の耐炭
酸ガス腐食性および高強度化の機構について検討した結
果、Nb含有による効果が大きく、しかも従来から提唱
されているNbの添加効果とは異なったメカニズムによ
り、高耐食性及び高強度化の効果が発現することを見出
した。
て強度上昇に効果があることが知られている。また、前
記の特開2000−226642号公報にも記載されて
いるとおり、NbはCとの親和力が強く、炭化物形成に
よりCを固定することで、Cr炭化物の析出によって耐
食性に有効に作用するCr量の減少が抑制されるため
に、結果的に耐炭酸ガス腐食性の改善に有効に作用する
ものと考えられてきた。しかし、本発明者らの詳細な検
討により、Nbの効果は、単にC元素の固定による有効
Cr量の低減抑制効果によるものではないとの新たな事
実を見出した。
におよぼす有効Cr量およびNb含有の有無の効果を示
すグラフである。
29Nb)により計算される有効Cr量(含有Cr量か
ら炭化物形成によって消費されるCr量を減じた値)で
あり、NbCの析出によるC元素の固定についても考慮
されている。従来から耐炭酸ガス腐食性は有効Cr量と
相関関係にあることが知られており、このパラメータで
整理すれば、腐食速度と有効Cr量の関係は単調減少の
直線関係が得られる(図中の●印およびa線)。
鋼は、腐食速度と有効Cr量との関係が前記の直線関係
から下側に偏寄することが明らかとなった(図中の○印
およびb線)。すなわち、Nbは、前記のような炭化物
形成による有効Cr量によって整理されるのとは異なる
機構によって、耐炭酸ガス腐食性の改善に有効に作用し
ており、そのメカニズムは、ミクロ組織の観察結果か
ら、以下のとおりであることが判明した。
物、特にCr2Nの析出形態がNbを含有する鋼と含有
しない鋼とでは異なり、Nb含有鋼ではCr2Nが非常
に微細に分散していることが判明した。ここで、クロム
窒化物には、Cr2N、CrN等の種類があるが、本発
明者らの検討によれば、特に、Cr2Nの析出形態の差
異への影響が大きいことが明らかとなった。したがっ
て、炭酸ガス環境下における全面腐食の場合には、この
ようなカソードサイトとなるCr2Nの微細分散によ
り、カソードサイトは小さくなり、その結果、全体とし
ての腐食速度が低減するものと考えられ、また孔食など
の局部腐食の発生も生じにくくなることがわかった。
いて焼入れ焼戻し処理することにより、Cr2Nが微細
分散して強度も上昇し、0.005%以上のNb含有に
より、760MPa以上の強度を有する鋼が得られるこ
とが判明した。
Nが微細に分散することを新たに知見したが、その析出
物の大きさが0.2μmを超えると強度および耐食性の
面で十分な効果が得られないことも明らかとなった。こ
のため、本発明のNb含有鋼においてCr2Nの微細分
散による効果を得るためには、その大きさを0.2μm
以下とする必要がある。
では、本発明と同様にNbを含有した鋼が開示されてい
るが、その強度は552〜655MPa程度までであ
り、本発明が課題とする油井管用途の高強度材(760
MPa以上)は得られていない。同公報では、焼戻し温
度が640℃以上と高く、Cr2Nの析出形態が本発明
とは異なって粗大であると推定され、そのために本発明
が課題とする強度および耐食性の効果が達成できないも
のと推定される。
度の低減効果を確認した。
(Cr−16.6C+6Nb+0.5Ni)の計算値
(%)との関係を示すグラフである。
る(Cr−16.6C+6Nb+0.5Ni)(%)の
値と腐食速度とは良好な直線関係を有することが見出さ
れた。ここで、各含有元素の係数は、本発明者らが統計
的手法により求めたものであり、その意味するところ
は、以下のとおりである。
に作用する元素であり、Cは炭化物形成により炭酸ガス
腐食性改善に有効に作用する有効Cr量を低減させるこ
とから、係数は負の値となる。NbおよびNiは耐炭酸
ガス腐食性に対するCrの作用を補うものであり、正の
値となる。また、Nbは、図1の横軸に示されるような
従来から認識されていた影響度合よりも大きな影響度合
を有する。特に、Niに比べて大きな影響度合を有し、
耐炭酸ガス腐食性に有効に作用することを表している。
9.6以上であれば、150℃における炭酸ガス環境中
での腐食速度が1g/m2/h以下に抑えられ、充分な
耐食性の得られることが明らかとなった。
た理由について説明する。 (A)化学組成 C:C含有量が0.08%を超えると、Cr炭化物であ
るM23C6 の析出量が増加して局部腐食が発生しや
すくなり、高温炭酸ガス環境中での十分な耐食性が得ら
れなくなるので、上限を0.08%とした。C含有量は
低いほど炭化物の析出が少なく、有効Cr量が確保され
るので好ましい。望ましくは0.04%以下である。
ストの上昇を招くことから、C含有量は0.0005%
以上が好ましい。
して必要な元素であるが、1%を超えて含有させると靭
性が低下するので1%以下とする。好ましい上限は0.
8%である。なお、下限は特に規定する必要はなく、不
純物レベルでもよいが、十分な脱酸効果を得るにはその
含有量を0.1%以上とするのが好ましい。より好まし
くは0.2%以上とするのがよい。
のために含有させる。また、オーステナイト形成元素で
あることから、C含有量を低減させた場合においてもマ
ルテンサイト単相組織とするために相バランス確保の観
点から含有させる。Mn含有量が0.1%未満では上記
の効果が十分に得られず、一方、2%を超えて含有させ
ると靭性が低下するので、Mn含有量を0.1〜2%と
した。好ましい範囲は0.7〜1.8%であり、さらに
好ましい範囲は1.0〜1.5%である。
食性を改善するのに有効な元素であり、その効果は7%
以上で十分に得られる。しかし、15%を超える含有
は、耐食性改善効果以上に材料製造コストの上昇を招く
ことになることから、上限を15%とした。好ましい範
囲は9〜14%であり、より好ましい範囲は10〜13
%である。
ンサイト単相組織を得るために、相バランスを保つ目的
で含有させる元素である。含有量が0.5%未満では十
分な効果が得られないため、0.5%以上の含有が必要
である。一方、7%を超える含有は相バランス的に過剰
となるのみで有用な効果が得られず、また、Niは高価
な元素であることから経済性を損ねることとなるので、
上限を7%とした。好ましい範囲は1.0〜3.5%で
あり、より好ましい範囲は1.5〜2.5%である。
よび高強度の効果を得るために最も重要な元素である。
Nbを0.005%以上含有させることにより、クロム
窒化物であるCr2Nの析出物が微細に分散し、これに
より高温炭酸ガス環境中での耐食性が大幅に改善され、
さらに降伏強度760MPa以上の高強度が得られる。
r2Nの析出物の大きさを0.2μm以下にする効果が
あり、上記の耐食性改善および強度向上の作用が得られ
るので、下限を0.005%とした。一方、0.5%を
超えて含有させても上記の効果は飽和することから、
0.5%を上限とした。Nb含有量の好ましい範囲は
0.010〜0.35%であり、より好ましい範囲は
0.015〜0.2%である。
素である。0.001%未満ではその効果が得られず、
0.1%を超えて含有させると介在物が多くなり、耐食
性が損なわれるので、Al含有量は0.001〜0.1
%とした。好ましい範囲は0.005〜0.08%であ
り、より好ましい範囲は0.01〜0.03%である。
酸可溶Al含有量(sol.Al含有量)をいう。
成元素であることから、安価に相バランスを保たせる目
的で含有させる元素である。また、強度を高める作用も
有している。含有量が0.001%未満ではその効果が
得られず、一方、0.05%を超える多量の含有は強度
を過度に上昇させ好ましくない。そこで、N含有量を
0.001〜0.05%とした。好ましい範囲は0.0
02〜0.04%であり、より好ましい範囲は0.00
3〜0.01%である。
を有する元素であり、含有してもしなくてもよい。例え
ば遷移温度vTrsが0℃未満であるような靭性が要求
される場合には0.1%以上を含有させることにより焼
戻し脆性の抑制効果が得られる。また、耐食性改善効果
もあり、0.1%以上含有させることにより耐孔食性が
改善される。一方、3%を超えて含有させても焼戻し脆
性の改善効果は飽和すること、また、Moは高価な元素
であることから、それ以上の含有は経済性を損なうこと
にもなる。そこで、含有させる場合の含有量の範囲は
0.1〜3%とした。含有量の好ましい範囲は0.15
〜0.8%であり、より好ましい範囲は0.2〜0.5
%である。
4%を超えると靭性を劣化させることから0.04%以
下とした。含有量は少なければ少ないほどよく、好まし
くは0.03%以下である。 S:Sは、鋼中の不純物元素であり、熱間加工性確保の
観点から少なければ少ないほどよい。脱硫コストとの兼
ね合いから0.005%以下とした。好ましくは0.0
03%以下である。 TiおよびV:TiおよびVは鋼の強度を上昇させると
ともに、靭性を改善する効果も有している元素であり、
含有してもしなくてもよい。強度や靭性を要求される場
合には、これらの元素の1種または2種をそれぞれ0.
005%以上含有させることによりそれらの効果を得る
ことができる。一方、それぞれの元素を0.1%を超え
て含有させても効果が飽和するばかりでなく、靭性がか
えって劣化するので上限を0.1%とした。そこで、含
有させる場合の含有量の範囲はそれぞれ0.005〜
0.1%とした。好ましい範囲は、0.01〜0.08
%であり、より好ましい範囲は0.01〜0.06%で
ある。
素は、熱間加工性の改善に有効に作用する元素であり、
含有してもしなくてもよい。例えば穿孔圧延時における
疵発生の低減等のような熱間加工性が要求される場合
は、これらの元素のうちから選ばれた1種または2種以
上をそれぞれ0.0005%以上含有させることにより
その効果が得られる。一方、それぞれの元素を0.01
%を超えて含有させてもその効果は飽和する。そこで、
含有させる場合の含有量の範囲はそれぞれ0.0005
〜0.01%とした。好ましい範囲はそれぞれ0.00
1〜0.008%であり、さらに好ましい範囲はそれぞ
れ0.001〜0.006%である。
Feである。 (B)クロム窒化物 前記のとおり、クロム窒化物であるCr2N析出物の大
きさが0.2μmを超えると強度および耐食性の面で十
分な効果が得られないことから、クロム窒化物の大きさ
は0.2μm以下とした。一方、クロム窒化物の大きさ
が小さすぎると耐食性の改善効果が不十分となる場合が
あるので、その大きさは0.003μm以上であること
が好ましい。より好ましい大きさの範囲は0.007〜
0.1μmである。また、クロム窒化物の個数が鋼の断
面において102 個/mm2 未満の場合は、強度お
よび耐食性の十分な改善効果が得られず、一方、108
個/mm 2 を超えて存在すると靭性が悪化する。そ
こで、クロム窒化物の個数は102〜108 個/mm
2 とした。好ましい範囲は2×102 〜50×10
6個/mm2 である。 (C)熱処理条件 Nbを0.005〜0.5%含有させた鋼をオーステナ
イト域に加熱後、水冷または空冷による焼入れ処理を行
い、さらにAc1 点以下でかつNb含有量により上下
限が規定される適正な温度範囲において焼戻すことによ
り、Cr2N析出物の粗大化が防止され、前記のとおり
Cr2N析出物を微細に分散できる。
ることにより、優れた耐炭酸ガス腐食性を有し降伏強度
が760MPa以上を確保できる焼戻しの適正温度範囲
を求めた結果、下記式(2)により表される温度範囲で
あることが判明したので、これを本発明の焼戻し温度範
囲とした。 480−27Nb0.09 ≦T(℃) ≦480+187Nb0.09・・(2) ここで、Tは焼戻し温度、Nbは鋼中のNb含有量(質
量%)を表す。
溶製した。
造し、1200℃に加熱後、熱間鍛造および熱間圧延を
施して厚さ10mmの板材を得た。なお、このときC
a,Mg,La,Ceのいずれか1種または2種以上を
含有している供試鋼4、5、6および7では、熱間鍛造
および圧延時における端面での耳割れはなく、また圧延
後の表面の傷も少なく加工性が良好であることを確認し
た。
焼入れ処理を行い、さらに550℃に加熱後放冷する焼
戻し処理を行った。こうして得た板材から引張り試験お
よび炭酸ガス腐食試験に供する試験片を採取して、供試
材とした。
は、550℃での焼戻し処理とは別に、それぞれ540
℃、565℃、640℃での焼戻し処理も行った。
10mm×40mm×厚さ2mmの試験片を切出して、
表面を研磨後、オートクレーブを用いて下記の環境下に
おける腐食試験を行い、腐食減量から腐食速度を算出し
て評価した。なお、腐食速度の評価は、1供試鋼あたり
3個の試験片による試験を行い、その試験結果の平均値
で評価した。
tmCO2 とし、150℃で336時間の浸漬試験を
行った。
腐食速度が1g/m2h以下の場合を合格とした。
リカによる電子顕微鏡観察を行い、倍率30000倍の
視野内におけるCr2 N析出物を調査した。Cr2
N析出物のサイズは、析出物粒子の最大直径により表示
した。
におけるCr2 N析出物の個数を画像解析法により計
測した。
び式(2)による計算値、降伏強度(0.2%耐力)、
Cr2 N析出物の大きさ、Cr2 N析出物の個数、
高温炭酸ガス環境中での腐食速度および靭性(破面遷移
温度により評価)の各試験結果ならびに総合評価を示し
た。
例であり、供試鋼13〜16を用いた試験番号13〜1
6の鋼は比較例である。
による計算値は本発明で規定する範囲内にあるものの、
Nbを含有しない鋼であることから、Cr2 N析出物
のサイズが本発明で規定する範囲よりも大きい。その結
果、耐炭酸ガス腐食性は得られるが、降伏強度は低く、
760MPaを下回っている。
て鋼の化学組成は本発明で規定する範囲内にあるが、式
(1)の値が低い。したがって降伏強度は高い値が得ら
れるものの、十分な耐炭酸ガス腐食性が得られない。さ
らに、試験番号14bの鋼は、本発明で規定する式
(2)の温度範囲よりも高温で焼戻したために、降伏強
度が760MPaを下回っている。
0相当の化学組成を有するが、C含有量が高く、Ni含
有量は低く、Nbは含有しないことから、式(1)の値
が低く、したがって、十分な耐食性が得られず、降伏強
度も低い。これらに対して、試験番号1〜12の鋼は、
鋼の化学組成、式(1)の値、Cr2 N析出物の大き
さおよび個数がいずれも本発明で規定する範囲内にあ
り、したがって降伏強度は760MPaを上回る高強度
を有し、かつ高温炭酸ガス環境中での耐食速度も1g/
m2h以下であって、高い耐食性を有している。
する範囲内のMoを含有する鋼であり、靭性に優れてい
る。
それぞれ焼戻し温度を550℃よりも低温側および55
0℃よりも高温側に変化させたものである。焼戻し温度
が式(2)で規定される温度の範囲内であり、かつ、も
っとも好ましい焼戻し温度範囲で処理したために、それ
ぞれ試験番号8aおよび11aの鋼よりも降伏強度が向
上している。
レス鋼は、高温炭酸ガス環境下、特にスイート環境下に
おいて、安価でかつ耐腐食性に優れ、しかも760MP
a以上の降伏強度を有する高強度材として好適である。
とりわけ油井管用高強度ステンレス鋼としての利用価値
が高く、産業の発展に寄与するところ大である。
r量およびNb含有の効果を示すグラフである。
6C+6Nb+0.5Ni)の計算値との関係を示すグ
ラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】質量%で、C:0.08%以下、Si:1
%以下、Mn:0.1〜2%、Cr:7〜15%、N
i:0.5〜7%、Nb:0.005〜0.5%、A
l:0.001〜0.1%、N:0.001〜0.05
%、P:0.04%以下、S:0.005%以下を含有
し、残部は実質的にFeであり、Cr、C、Nbおよび
Ni含有量が下記式(1)で与えられる関係を満足し、
断面の鋼組織が大きさ0.2μm以下のクロム窒化物を
102 〜108 個/mm2 含み、降伏強度が76
0MPa以上であることを特徴とする耐炭酸ガス腐食性
に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼。 ここで、式中の元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含
有量(質量%)を表す。 - 【請求項2】Feの一部に代えて、質量%で、Mo:
0.1〜3%を含有することを特徴とする請求項1に記
載の耐炭酸ガス腐食性に優れた高強度マルテンサイト系
ステンレス鋼。 - 【請求項3】Feの一部に代えて、質量%で、Ti:
0.005〜0.1%およびV:0.005〜0.1%
のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請
求項1または2に記載の耐炭酸ガス腐食性に優れた高強
度マルテンサイト系ステンレス鋼。 - 【請求項4】Feの一部に代えて、質量%で、Ca:
0.0005〜0.01%、Mg:0.0005〜0.
01%、La:0.0005〜0.01%およびCe:
0.0005〜0.01%のうちから選ばれた1種また
は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3の
いずれかに記載の耐炭酸ガス腐食性に優れた高強度マル
テンサイト系ステンレス鋼。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の化学組成
を有する鋼を、オーステナイト域に加熱した後焼入れ処
理を行い、さらに、Ac1 点以下の温度域でかつ下記
式(2)で与えられる関係を満足する温度T(℃)にて
焼戻し処理することを特徴とする耐炭酸ガス腐食性に優
れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。 480−27Nb0.09 ≦T(℃) ≦480+187Nb0.09・・(2) ここで、Tは焼戻し温度、Nbは鋼中のNb含有量(質
量%)を表す。
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