JP2002241718A - 圧着記録用紙 - Google Patents

圧着記録用紙

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JP2002241718A
JP2002241718A JP2001044532A JP2001044532A JP2002241718A JP 2002241718 A JP2002241718 A JP 2002241718A JP 2001044532 A JP2001044532 A JP 2001044532A JP 2001044532 A JP2001044532 A JP 2001044532A JP 2002241718 A JP2002241718 A JP 2002241718A
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JP
Japan
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pressure
recording paper
phenolic hydroxyl
hydroxyl group
tert
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Pending
Application number
JP2001044532A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiko Izawa
光彦 伊沢
Masahiro Miyauchi
雅浩 宮内
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧着記録用紙において、保存期間中に生ずる接
着力の低下が高度に抑制された圧着記録用紙を提供す
る。 【解決手段】支持体の少なくとも片面に、通常は粘着
性、接着性を示さず、加圧により剥離可能な接着性を示
す感圧接着層を有する圧着記録用紙において、感圧接着
層に不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体の
エマルションと充填材、およびフェノール性水酸基をも
つ化合物を含有させる。また該フェノール性水酸基をも
つ化合物として、フェノール性水酸基のオルト位に、第
3級アルキル基および第1級アルキル基(メチル基を含
む)で置換されたフェノール誘導体を用いる。また、該
フェノール誘導体として特定の化合物を用いる。また該
天然ゴム誘導体と該フェノール誘導体を特定の固形分重
量比で含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷適性、フォーム
加工適性を有し、ノンインパクトプリンタによる記録が
可能で、かつ、保存期間中に生ずる接着力の低下が著し
く改善された圧着記録用紙に関するものである。ここで
圧着記録用紙とは、通常状態では粘着性、接着性ともに
示さず、加圧時に接着性を示し、加圧接着後に剥離可能
な感圧接着層を有する記録用紙のことである。
【0002】
【従来の技術】圧着記録用紙は支持体上に通常のハンド
リングの際は粘着性、ならびに接着性を示さず、加圧時
に接着性を示す再剥離性感圧接着剤よりなる感圧接着層
を形成させ、二つ折り、三つ折り、あるいは複数枚を重
ね合わせることにより、感圧接着層どうしを対面させた
状態で加圧により接着させるものであり、加圧接着後に
剥離可能な構成にすることも、剥離不可能な構成にする
ことも可能である。例えば二つ折り、三つ折り、あるい
は複数枚を重ね合わせ、加圧接着させることで密封し、
見かけ上1枚のはがきとして郵送された後、受取人が剥
離可能な接着部分を剥離して、内部に記録された情報を
読みとることができる剥離性はがき、隠ぺいはがき、あ
るいは圧着はがきとして使用した場合、一般のはがきと
比較してより多くの情報を伝達することが可能になり、
かつ他人には知られたくない親展通信情報(暗証番号、
会員番号、請求金額、預金残高など)は剥離可能な感圧
接着面に記録し、加圧、接着した後郵送されるので、守
秘性も優れている結果、使用量が増加しつつある。
【0003】ここで、通常圧着記録用紙の流通過程は以
下の如く構成される。まず、製紙業者、又は接着剤業者
などが支持体の少なくとも片面に、通常状態では粘着
性、接着性とも示さず、加圧により剥離可能な接着性を
示す感圧接着層を形成して圧着記録用紙を製造し、販売
する。次いで印刷業者などが圧着記録用紙にオフセット
方式、またはグラビア方式などでフォーム印刷などを行
った後、データ入力専門業者が好ましくはノンインパク
トプリンター、すなわちトナー定着方式(電子写真、レ
ーザープリンターなど)、又はインクジェット方式など
の各種印刷方式で親展通信情報を印字し、圧着シーラー
を用いて再剥離可能な状態で親展通信情報記録面同士を
接着させ、受取人に郵送される。このような流通過程の
ため、圧着記録用紙は、製造後すみやかに接着されるこ
とは稀である。それ故、接着されるまでの保存期間中
に、圧着記録用紙の接着性が失われたり、極端に低下す
ることは避けなければならない。このような圧着記録用
紙に使用される感圧接着剤は、自己接着性に優れる高分
子材料が使用され、その中でも特に、表面の粘着性が低
い感圧接着層が得られる天然ゴム、あるいはその変成物
が好ましく用いられている。
【0004】このような圧着記録用紙に使用される感圧
接着剤は、天然ゴムにメタクリル酸メチル、あるいはス
チレンなどの不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム
誘導体が好んで用いられる。その理由の1つは、天然ゴ
ム誘導体が高い自己接着性をもち、互いに接触させて加
圧すると接着性が発現する一方、通常状態では粘着性、
接着性ともに低く、所謂タック性が低いという特徴を持
つためである。理由の2つめは、グラフト化によって分
子の極性が増加し、親水性物質に対するアンカーリング
力が増加するためである。また、天然ゴム誘導体単体か
らなる感圧接着層を支持体の表面に形成するのみではブ
ロッキングが発生しやすく、その結果フォーム印刷適
性、およびノンインパクトプリンター印刷適性が不十分
であることが多いので、通常は充填材を適宜組み合わせ
た混合物よりなる剥離可能な接着性を示す感圧接着層を
支持体の表面に形成して圧着記録用紙を製造する。本剥
離可能な接着性を示す感圧接着層を支持体の表面に形成
する方法としては、上記混合物の調整、および感圧接着
層形成工程の作業性、ならびに安全性なとの理由から、
エマルションタイプの天然ゴム誘導体と充填材よりなる
水性塗工液を用いる水性塗工が一般的である。
【0005】しかしながら、支持体の表面に天然ゴム誘
導体と充填材よりなる感圧接着層を設けた圧着記録用紙
は、保存期間中に接着性が低下しやすいという問題があ
る。その原因は感圧接着層、および支持体に含有される
遷移金属イオン、あるいは周囲から供給されるオゾン、
光、紫外線、および熱などにより発生するラジカルが、
天然ゴム誘導体に含まれる2重結合の異性化を生じさせ
たり、アリル位同士の架橋反応を生じさせることによ
り、天然ゴム誘導体の接着性を含む諸特性が劣化するこ
とにある。その結果現在市販されている圧着記録用紙の
使用期限は通常短期間であり、実用上改善が望まれてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、保存期間中に生ずる接着力の低下が高度に
抑制された圧着記録用紙を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、本発明の圧着記録用
紙を発明するに到った。即ち、本発明の圧着記録用紙
は、支持体の少なくとも片面に、通常状態では粘着性、
接着性とも示さず、加圧により剥離可能な接着性を示す
感圧接着層を有する圧着記録用紙において、該感圧接着
層が少なくとも不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴ
ム誘導体と充填材を含有しており、かつフェノール性水
酸基を有する化合物を含有する圧着記録用紙である。
【0008】該感圧接着層に用いられる該フェノール性
水酸基を有する化合物が、フェノール性水酸基のオルト
位に、第3級アルキル基および第1級アルキル基(メチ
ル基を含む)で置換されるフェノール誘導体であると好
ましい。
【0009】該感圧接着層に用いられるフェノール性水
酸基のオルト位に、第3級アルキル基および第1級アル
キル基(メチル基を含む)で置換されるフェノール誘導
体が、2,2′-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブ
チルフェノール)、2,2′-メチレンビス(4-エチル
-6-tert-ブチルフェノ-ル)、またはトリエチレングリ
コールビス[3-(3-tertブチル-5-メチル-4-ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]から選ばれる少なくと
も1種の化合物であるとさらに好ましい。
【0010】また、該感圧接着層に含有される該天然ゴ
ム誘導体100重量部に対して、該フェノール性水酸基
を有する化合物が、0.5〜6重量部であることが好ま
しい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の内容をさらに具体的に説
明する。即ち、本発明の圧着記録用紙は、支持体の少な
くとも片面に、通常状態では粘着性、接着性とも示さ
ず、加圧により剥離可能な接着性を示す感圧接着層を有
する圧着記録用紙において、該感圧接着層が少なくとも
不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体と充填
材を含有しており、かつフェノール性水酸基を有する化
合物を含有させることにより、フェノール性水酸基を有
する化合物を含有しない場合と比較して、保存期間中に
生じる接着性の低下を確実に抑制した圧着記録用紙を得
ることが可能になった。これらの化合物は、一般に酸化
防止剤として使用される化合物であるが、他の分子骨格
を有する酸化防止剤、例えば、亜燐酸エステル系、或い
はチオエーテル系酸化防止剤などは圧着記録用紙の接着
性の経時劣化の抑制には有効ではなく、本発明のフェノ
ール性水酸基を有する化合物が有効であることがわかっ
た。
【0012】その機構は必ずしも明らかではないが、経
時劣化の抑制機構は以下の如く推定される。接着性の低
下、すなわち、天然ゴム誘導体の経時変化には、系中に
存在する反応性が高い炭素ラジカル、アルコキシラジカ
ル、あるいはペルオキシラジカルが関与しており、フェ
ノール性水酸基を有する化合物はこれらラジカルに自身
の水素ラジカルを与えて不活性化する。水素ラジカルを
供与した結果、フェノール性水酸基を有する化合物はフ
ェノキシラジカルに変化するが、このラジカルは酸素ラ
ジカルであるため炭素ラジカルより反応性が低く、また
芳香族環上での非局在化効果により、アルコキシラジカ
ル、あるいはペルオキシラジカルと比較して反応性が低
くなる。換言すれば、反応性が高いラジカルが、反応性
が低いラジカルに変化する結果、接着性の経時劣化が抑
制されるものと考えられる。一方、本発明以外の亜燐酸
エステル系、あるいはチオエーテル系酸化防止剤の作用
機構は、ラジカルと酸素の反応によって生成する過酸化
物の酸素を奪うものであり、本発明のフェノール性水酸
基を有する化合物の作用機構とは異なるものである。す
なわち、接着性の経時劣化を抑制する上で重要な作用機
構は、反応性が高いラジカルをフェノキシラジカルに変
換することであると考えられる。
【0013】また、本発明において該感圧接着層に用い
られる該フェノール性水酸基を有する化合物として、フ
ェノール性水酸基のオルト位に、第3級アルキル基およ
び第1級アルキル基(メチル基を含む)で置換されるフ
ェノール誘導体を用いることにより、保存期間中に生じ
る接着性低下の抑制効果が著しく向上する。一般に、フ
ェノール性水酸基周辺の立体障害が大きくなるほど、フ
ェノキシラジカルの反応性は低下し、フェノール性水酸
基周辺の立体障害が大きくなるほど、水素ラジカルの供
給が阻害される。しかしながら、本発明のフェノール性
水酸基のオルト位が第3級アルキル基、および第1級ア
ルキル基(メチル基を含む)に置換されたフェノール誘
導体は、フェノール性水酸基周辺の立体障害が、フェノ
キシラジカルの低い反応性と水素ラジカルの供給とを両
立させるため、接着性の経時劣化を効果的に抑制するこ
とができると考えられる。
【0014】本発明に用いられるフェノール性水酸基を
有する化合物の具体例としては、2,6-ジ-tert-ブチ
ル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-
エチルフェノール、4,4′-チオビス(6-tert-ブチ
ル-3-メチルフェノール)、4,4′-ブチリデンビス
(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、2-[1-
(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)
エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリレー
ト、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ
-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒド
ロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-
トリアジン、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-
(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-
(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-
ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,
N′-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-
ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、3,5-ジ-tert-ブ
チル-4-ヒドロキシ-ベンジルホスホネート-ジエチルエ
ステル、1,3,5,-トリメチル-2,4,6-トリス
(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン、1,3,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ
-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、などが挙げられる
が、これらに限定されるものではなく、また必要に応じ
て単独、もしくは2種以上混合して使用することができ
る。
【0015】また、好ましいフェノール性水酸基のオル
ト位に、第3級アルキル基および第1級アルキル基(メ
チル基を含む)で置換されるフェノール誘導体の具体例
としては、2,2′-メチレンビス(4-メチル-6-tert-
ブチルフェノール)、2-tert-ブチル-6-(3-tert-ブ
チル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェ
ニルアクリレート、トリエチレングリコールビス[3-
(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、2,2′-メチレンビス(4-エチル
-6-tert-ブチルフェノール)、3,9-ビス{2-[3-
(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)
-プロピオニロキシ]-1,1-ジメチルエチル}-2,
4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、1,1,3-トリス-(5-シクロヘキシル-4-ヒド
ロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、などが挙げられる
が、これらに限定されるものではなく、また必要に応じ
て単独、もしくは2種以上混合して使用することができ
る。
【0016】特に好ましいフェノール性水酸基のオルト
位に、第3級アルキル基および第1級アルキル基(メチ
ル基を含む)で置換されるフェノール誘導体として、
2,2′-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフ
ェノ-ル)、2,2′-メチレンビス(4-エチル-6-ter
t-ブチルフェノール)、またはトリエチレングリコール
ビス[3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシ
フェニル)プロピオネ-ト]から選ばれる少なくとも1
種の化合物を選択した場合、その他の上記フェノール性
水酸基の2位と6位の位置が第3級アルキル基、および
第1級アルキル基(メチル基を含む)の両者より構成さ
れるフェノール誘導体を選択した場合と比較して、不飽
和モノマーをグラフト化した天然ゴムの劣化抑制効果が
さらに上がるので、好ましく用いられる。
【0017】また、該フェノール性水酸基を有する化合
物の添加量は、該天然ゴム誘導体100部重量部に対し
て、0.5〜6重量部が好ましい範囲であり、更に好ま
しい範囲は1〜4部である。0.5部未満の場合、該天
然ゴム誘導体の劣化抑制効果が不足する。逆に6部を超
えて添加しても、該天然ゴム誘導体の劣化抑制効果は飽
和して、それ以上の劣化抑制効果は得られず、また経済
的にも不利になる。
【0018】本発明による感圧接着層には、充填材を含
有することもできる。特に親水性の充填剤が好ましい。
天然ゴム誘導体エマルションと親水性の充填材を含む感
圧接着層形成用組成物にフェノール性水酸基を有する化
合物を添加する際の形態は、天然ゴム誘導体エマルショ
ンの化学的、および物理的安定性に悪影響を及ぼさなけ
れば、特に制約は無い。例を挙げると、粉体を各種ミル
で湿式粉砕して調製される分散物、または粉体、乳化
剤、および水とを高圧下で加熱・強撹拌して調製される
乳化物、あるいはフェノール性水酸基を有する化合物に
スルホン酸基、またはカルボン酸基などを導入し、中和
して調製される溶液などの形態が利用可能である。
【0019】本発明における天然ゴムにグラフト化する
不飽和モノマーとしては、具体的にアクリロニトリル、
スチレン、メタクリル酸メチル、塩化ビニリデン、無水
マレイン酸、アクリルアミド、ビニルピロリドン、ジメ
チルアクリルアミドやメタクリル酸グリシジルなどが挙
げられる。これらの中でも、ホモポリマー生成などの副
反応が起こりにくく、グラフト化反応が確実に進行する
ことから、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニ
トリルから選ばれる最低1種類以上を使用することが特
に好ましい。
【0020】本発明の感圧接着層に用いられる充填剤と
しては、粘着性の増強、接着力の制御、印刷適性の付
与、バインダー能力の増強、ブロッキングの防止、増粘
などを目的として、粘着向上剤、離型剤、熱可塑性樹
脂、顔料、水溶性ポリマー等の種々の添加物が利用可能
である。
【0021】具体的には、粘着性付与剤として該感圧接
着層にロジン系樹脂、およびその誘導体、テルペン系樹
脂、クマロンインデン系樹脂、キシレン系樹脂、アルキ
ルフェノール系樹脂、石油樹脂などを接着性、耐ブロッ
キング性、ならびに耐熱性を損なわない範囲で併用でき
る。
【0022】また、接着力制御のために離型剤を含有さ
せることもできる。離型剤としては、たとえば、各種パ
ラフィン、ワックス、脂肪酸、またはその誘導体、高級
アルコール類、金属石鹸類、シリコーン樹脂類などを挙
げることができ、圧着記録用紙として必要最低限の接着
性を妨げない範囲で用いることができる。なお、圧着記
録用紙として求められる必要最低限の接着性とは、圧着
シーラーを用いた加圧により接着することができ、経時
により自然に剥離しない接着力を有していることをい
う。
【0023】さらに、接着性を制御する目的で、熱可塑
性樹脂を併用して用いることもでき、たとえば、スチレ
ン系、オレフィン系、エステル系、ウレタン系、イソプ
レン系、1,2−ブタジエン系、塩化ビニル系、アミド
系、アイオノマー系などの熱可塑性エラストマーの水性
分散物、また、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、スチレン樹脂、ABS樹脂、PVA
樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン系樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、AAS樹脂、ABS樹脂、繊
維素誘導体、熱可塑性ポリウレタン、ポリビニルブチラ
ール樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、ポリブ
テン−1樹脂の水性分散物などが挙げられ、圧着記録用
紙として必要最低限の接着性を妨げない範囲で用いるこ
とができる。
【0024】また、接着力制御、およびインキセット適
性などを含む印刷適性改良などの目的で、公知の顔料を
1種以上用いることができる。たとえば、軽質炭酸カル
シウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、
硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、
合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアル
ミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、
リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネ
シウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、スチ
レン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチッ
クピグメント、ポリエチレン、尿素樹脂、メラミン樹
脂、ベンゾグアナミン、澱粉粒子などの有機顔料などが
挙げられ、必要であれば通常の塗工で用いられる種々の
バインダーとともに用いることができる。
【0025】バインダーの具体例としては、デンプン
類、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの
セルロース誘導体、ゼラチン、カゼインなどのプロテイ
ン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリア
クリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共
重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタク
リル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポ
リマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸
共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重
合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重
合体のアルカリ塩などの水溶性バインダー、およびポリ
アクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共
重合体、ポリウレタンなどの水分散性バインダーなどが
挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また
必要に応じて単独、もしくは2種以上混合して使用する
ことができる。
【0026】本発明における感圧接着層には、さらにそ
の他の添加剤として、分散剤、流動性改良剤、消泡剤、
抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫
外線吸収剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増
強剤、乾燥紙力増強剤、帯電防止剤、老化防止剤、など
を適宜添加し、目的の機能を発現させることも可能であ
る。
【0027】本発明の圧着記録用紙は、支持体の少なく
とも片面に、少なくとも不飽和モノマーをグラフト化し
た天然ゴム誘導体と充填材を含有し、かつフェノール性
水酸基を有する化合物を含有する感圧接着層を設けたも
のである。本発明の圧着記録用紙の使用方法としては、
例えば、支持体の片面に該感圧接着層を設けた圧着記録
用紙を”V”の字状に折り曲げてから圧着させることで
印字部分全面を隠ぺいする方法(2つ折りはがき)、あ
るいは”L”字状に折り曲げてから圧着させることで印
字情報の一部のみを隠ぺいする方法(2つ折りはが
き)、支持体の両面に感圧接着層を設けた一枚の圧着記
録用紙を”Z”字状に折り曲げることで印字部分を隠ぺ
いし、片面は再剥離可能に、もう一つの片面は剥離困難
に圧着する方法(3つ折り4面はがき)、あるいは、両
面とも再剥離可能に圧着する方法(3つ折り6面はが
き)などにより、親展通信情報が完全に隠ぺいされた状
態で郵送され、着信後に受取人が剥離して親展通信内容
を確認することができ、かつ剥離した後は再接着不可能
であるので、情報の非公開性が完全な剥離性隠ぺいはが
きなどとして使用することができるものである。
【0028】該圧着記録用紙に用いられる支持体として
は、紙や不織布、合成紙、金属フィルム、ポリエステル
フィルム、あるいはレジンコート紙などのシートや、こ
れらを貼り合わせて得られる複合シートを用いることが
できるが、感圧接着層形成工程、および親展通信材料と
して使用する際の加工工程を考慮した場合、特性的に適
しており、経済的でもあるので、紙を用いることが好ま
しい。
【0029】本発明に用いられる紙は、木材パルプと顔
料を主成分として構成される。木材パルプとしては、L
BKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、R
MP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パ
ルプ、DIPなどの古紙パルプや合成パルプなどのパル
プを含み、必要に応じて製紙業で使用されている顔料、
バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、カチ
オン化剤、紙力増強剤、染料などの各種添加剤を1種以
上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイ
ヤ抄紙機などの各種抄紙機で抄造することができる。ま
た、酸性紙、中性紙、アルカリ性紙のいずれであっても
よい。また、紙支持体としては、非塗工紙である上質
紙、塗工紙であるアート紙、コーテッド紙、キャスト紙
などがいずれも使用可能である。
【0030】本発明の圧着記録用紙における支持体に感
圧接着層を塗工または含浸する方法としては、たとえ
ば、各種グラビアコーター、各種ブレードコーター、ロ
ールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、
ロッドブレードコーター、Uコンマコーター、AKKU
コーター、スムージングコーター、ショートドウェルコ
ーター、ディップコーター、落下カーテンコーター、ス
ライドコーター、ダイコーター、サイズプレス、シムサ
イザーなどの各種装置、また、グラビアオフセット、凸
版、平版等の印刷方式でも、オンマシンあるいはオフマ
シンで用いることができる。
【0031】感圧接着層の塗工量は、必要とする特性が
得られれば特に制約されることは無いが、良好な接着性
を確保する目的、および印刷適性などを考慮した場合、
片面3〜20g/m2であり、好ましい範囲は片面3.
5〜15g/m2であり、更に好ましい範囲は片面4〜
10g/m2である。感圧接着層の塗工量が3g/m2
り少ない場合、接着性が不足するために貼合せ後の接着
力が不十分となる。20g/m2を超える場合は、紙の
走行に支障をきたすので作業性が低下すると共に、コス
トアップの要因となるので経済的にも不利である。
【0032】本発明の圧着記録用紙は、感圧接着層の強
度を向上させることを目的として、支持体に感圧接着層
を塗工または含浸後、感圧接着層の表面にカレンダー処
理を施すことが出来る。これにより、塗工層の脱落がな
くなり、印刷適性が格段に向上するとともに、表面の平
滑性、ならびに光沢性が向上することにより、印刷物と
しての見栄えが極めて良くなるなどの効果が得られる。
【0033】カレンダー処理の手段としては、マシンカ
レンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフ
トカレンダーなどのカレンダー加工機が使用できる。カ
レンダーロールとしては、金属ロール、樹脂ロールなど
が使用できる。カレンダー処理を行う圧力、およびカレ
ンダーの通紙回数は限定されないが、支持体の種類や厚
さ、あるいは感圧接着層の厚さより決定される。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。
なお、実施例中の部数は重量基準で示している。また、
実施例中のフェノール性水酸基を有する化合物の分散体
は、ガラスビーズを用いて粒径が0.8〜1.2μmになるま
で湿式粉砕したものである。
【0035】実施例1 メタクリル酸メチルを25%グラフト化した、濃度50
%の天然ゴム誘導体エマルション200部(重量固形分
100部)に、撹拌下、濃度50%の小麦デンプンの水
分散体160部(重量固形分80部)、および濃度12
%の非晶質シリカ(粒径4μm)の水分散体333部
(重量固形分40部)を徐々に添加して調製した母液6
93部に、部分ケン化型ポリビニルアルコール(ケン化
度82%重合度2000)の濃度5%水溶液100部
(重量固形分5部)を撹拌しながら添加し、マグネチッ
クスタラーで12時間撹拌後、325メッシュの金網で
ろ過してから、濃度を20%に調整し、感圧接着層母液
を得た。この感圧接着層母液を100gとり、1,1-
ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(住友
化学製アンチゲンW)の20%分散体0.44g(天然
ゴム誘導体エマルジョンの固形分100gあたり該フェ
ノール誘導体1g)を加え、よく撹拌し、感圧接着層塗
工液を得た。次に縦30cm、横25cm、坪量90g/
2の上質紙に、バーコーターを用い、塗工量が固形分
重量で5g/m2になるように塗工し、100℃で1分間
乾燥して圧着記録用紙を得た。
【0036】実施例2 実施例1において、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(住友化学製アンチゲンW)に代え
て4,4′-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチ
ルフェノール)(旭電化製DH-26)を用いた以外は
実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0037】実施例3 実施例1において、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(住友化学製アンチゲンW)に代え
て、1,1,3-トリス-(5-シクロヘキシル-4-ヒド
ロキシ-2-メチルフェニル)ブタン(旭電化製DH-4
3)を用いた以外は実施例1と同様にして、圧着記録用
紙を得た。
【0038】実施例4 実施例1において、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(住友化学製アンチゲンW)に代え
て、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(住
友化学製スミライザーBHT)を用いた以外は実施例1
と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0039】実施例5 実施例1において、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(住友化学製アンチゲンW)に代え
て、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチ
ルフェニル)エチル]−4,6-ジ-tert-ペンチルフェ
ニルアクリレート(住友化学製スミライザーGS)を用
いた以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得
た。
【0040】実施例6 実施例1において、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(住友化学製アンチゲンW)に代え
て、3,9-ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒド
ロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニロキシ]-1,
1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサ
スピロ[5,5]ウンデカンを用いた以外は実施例1と
同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0041】実施例7 実施例1において、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(住友化学製アンチゲンW)に代え
て、2-tert-ブチル-6-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキ
シ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート
を用いた以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を
得た。
【0042】実施例8 実施例1において、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(住友化学製アンチゲンW)に代え
て、2,2′-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチル
フェノール)(住友化学製スミライザーMDP−S)を
用いた以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得
た。
【0043】実施例9 実施例1において、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(住友化学製アンチゲンW)に代え
て2,2′-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフ
ェノール)を用いた以外は実施例1と同様にして、圧着
記録用紙を得た。
【0044】実施例10 実施例1において、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(住友化学製アンチゲンW)に代え
て、トリエチレングリコールビス[3-(3-tert-ブチ
ル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]を用いた以外は実施例1と同様にして、圧着記録用
紙を得た。
【0045】実施例11 実施例8において、2,2′-メチレンビス(4-メチル
-6-tert-ブチルフェノール)(住友化学製スミライザー
MDP−S)の添加量を0.044g(天然ゴム誘導体
エマルジョンの固形分100gあたり該フェノール誘導
体0.1g)に変更した以外は実施例8と同様にして、
圧着記録用紙を得た。
【0046】実施例12 実施例8において、2,2′-メチレンビス(4-メチル
-6-tert-ブチルフェノール)(住友化学製スミライザー
MDP−S)の添加量を0.088g(天然ゴム誘導体
エマルジョンの固形分100gあたり該フェノール誘導
体0.2g)に変更した以外は実施例8と同様にして、
圧着記録用紙を得た。
【0047】実施例13 実施例8において、2,2′-メチレンビス(4-メチル
-6-tert-ブチルフェノール)(住友化学製スミライザー
MDP−S)の添加量を0.22g(天然ゴム誘導体エ
マルジョンの固形分100gあたり該フェノール誘導体
0.5g)に変更した以外は実施例8と同様にして、圧
着記録用紙を得た。
【0048】実施例14 実施例8において、2,2′-メチレンビス(4-メチル
-6-tert-ブチルフェノール)(住友化学製スミライザー
MDP−S)の添加量を0.88g(天然ゴム誘導体エ
マルジョンの固形分100gあたり該フェノール誘導体
2g)に変更した以外は実施例8と同様にして、圧着記
録用紙を得た。
【0049】実施例15 実施例8において、2,2′-メチレンビス(4-メチル
-6-tert-ブチルフェノール)(住友化学製スミライザー
MDP−S)の添加量を1.77g(天然ゴム誘導体エ
マルジョンの固形分100gあたり該フェノール誘導体
4g)に変更した以外は実施例8と同様にして、圧着記
録用紙を得た。
【0050】実施例16 実施例8において、2,2′-メチレンビス(4-メチル
-6-tert-ブチルフェノール)(住友化学製スミライザー
MDP−S)の添加量を2.67g(天然ゴム誘導体エ
マルジョンの固形分100gあたり該フェノール誘導体
6g)に変更した以外は実施例8と同様にして、圧着記
録用紙を得た。
【0051】実施例17 実施例8において、2,2′-メチレンビス(4-メチル
-6-tert-ブチルフェノール)(住友化学製スミライザー
MDP−S)の添加量を3.12g(天然ゴム誘導体エ
マルジョンの固形分100gあたり該フェノール誘導体
7g)に変更した以外は実施例8と同様にして、圧着記
録用紙を得た。
【0052】比較例1 実施例1において、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(住友化学製アンチゲンW)を除い
た以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0053】比較例2 実施例1において、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(住友化学製アンチゲンW)に代え
て、ジラウリルチオジプロピオネートを用いた以外は実
施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0054】比較例3 実施例1において、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(住友化学製アンチゲンW)に代え
て、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォス
ファイトを用いた以外は実施例1と同様にして、圧着記
録用紙を得た。
【0055】比較例4 実施例1において、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(住友化学製アンチゲンW)に代え
て、ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸-テトラ
キス[2,2,6,6-テトラメチル(4-ピペリジ
ル)]エステルを用いた以外は実施例1と同様にして、
圧着記録用紙を得た。
【0056】実施例1〜17、および比較例1〜4で得
た圧着記録用紙は、下記試験法によって評価を行った。
評価結果を表1に示す。
【0057】[接着性の経時劣化試験]試料を温度23
℃、相対湿度50%の恒温恒湿室中で保管し、周期的に
同一条件で圧着してその剥離強度を測定し、経過日数と
剥離強度の関係を調査した。各測定値は1日保存時の測
定値で除して、50%以上を合格として○、50%未満
を不合格として×と表示した。実用的には、2ヶ月まで
○評価である必要がある。好ましくは、10ヶ月まで○
評価であり、更に好ましくは12ヶ月まで○評価であ
る。1日保存時の剥離強度:圧着記録用紙は作製当日、
23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室中に入れ、翌日、
日本エーディーエム社製の圧着シーラー(MS910
0)を用いて、シートを3つ折りにして接着させたあ
と、JIS K6854に準じたT型剥離試験を行って
剥離強度を測定した。測定には株式会社東洋精機製作所
製の試験器ストログラフE−Sを用いた。剥離強度が
0.8〜1.0N/25mmの範囲に入らない場合は圧
着条件を調整して、剥離強度が上記範囲に入った場合
に、その剥離強度を1日保存時の剥離強度とし、以降の
評価ではこの時の圧着条件を用いた。
【0058】
【表1】 注:表中部数とは、天然ゴム誘導体エマルションの固形
分100部当たりのフェノール誘導体添加部数(固形
分)である。
【0059】表より明らかなごとく、支持体の少なくと
も片面に、通常状態では粘着性、接着性とも示さず、加
圧により剥離可能な接着性を示す感圧接着層を有する圧
着記録用紙において、感圧接着層に酸化防止剤を含有し
ない比較例1と比較して、本発明以外の酸化防止剤を含
有する比較例2〜4では接着性の経時劣化改良効果が認
められないが、本発明に用いられるフェノール性水酸基
を有する化合物を含有する実施例1〜17は明らかに改
良効果が認められる。また、実施例1〜5と比較して、
フェノール性水酸基を有する化合物としてフェノール性
水酸基のオルト位に、第3級アルキル基および第1級ア
ルキル基(メチル基を含む)で置換されるフェノール誘
導体を用いた実施例6〜10は更に著しい改良効果が認
められる。また、実施例6〜10の中でも、フェノール
性水酸基のオルト位に、第3級アルキル基および第1級
アルキル基(メチル基を含む)で置換されるフェノール
誘導体として、2,2′-メチレンビス(4-メチル-6-
tert-ブチルフェノール)、2,2′-メチレンビス(4
-エチル-6-tert-ブチルフェノ-ル)、またはトリエチ
レングリコールビス[3-(3-tert-ブチル-5-メチル-
4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]をそれぞれ
用いた実施例8〜10はその他と比較して改良効果が更
に確実なものとなる。また、2,2′-メチレンビス
(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)の添加量を段
階的に変化させた実施例11〜13、8、および14〜
17より、その添加量は固形分量で天然ゴム誘導体10
0部に対し0.5部より接着性の経時劣化改良効果が実
用的に充分なレベルに達し、4部で効果が最高となり、
6部を超えた場合、効果は飽和して更に上がることはな
いことがわかる。さらに経済的にも不利になる。
【0060】
【発明の効果】支持体の少なくとも片面に、通常状態で
は粘着性、接着性とも示さず、加圧により剥離可能な接
着性を示す感圧接着層を有する圧着記録用紙において、
感圧接着層に、少なくとも不飽和モノマーをグラフト化
した天然ゴム誘導体と充填材を含有させ、かつフェノー
ル性水酸基を有する化合物を含有させることにより、接
着性の経時劣化が大幅に改良された圧着記録用紙を得る
ことが出来る。また、フェノール性水酸基を有する化合
物としてフェノール性水酸基のオルト位に、第3級アル
キル基および第1級アルキル基(メチル基を含む)で置
換されるフェノール誘導体を用いることにより、更に著
しく改良された圧着記録用紙を得ることが出来る。ま
た、フェノール性水酸基のオルト位に、第3級アルキル
基および第1級アルキル基(メチル基を含む)で置換さ
れるフェノール誘導体として、2,2′-メチレンビス
(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2′-
メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノ-
ル)、またはトリエチレングリコールビス[3-(3-te
rt-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]から選ばれる少なくとも1種の化合物とする
ことにより、さらに改良効果が確実な圧着記録用紙を得
ることが出来る。また、実用的に充分な改良効果は、フ
ェノール性水酸基を有する化合物の添加量が固形分量で
天然ゴム誘導体100部に対し0.5〜6部の範囲の場
合に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 27/00 D21H 27/00 A Fターム(参考) 2C005 WA03 2H086 BA31 BA34 4J004 AA05 AA06 AA17 AB01 CB02 4J040 DL031 GA05 HB36 JA09 JB09 KA42 4L055 AG34 AG47 AG52 AG64 AG71 AG92 AH01 AH02 AH37 AH50 AJ04 BE08 FA30 GA08 GA42 GA50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも片面に、通常状態で
    は粘着性、接着性とも示さず、加圧により剥離可能な接
    着性を示す感圧接着層を有する圧着記録用紙において、
    該感圧接着層が少なくとも不飽和モノマーをグラフト化
    した天然ゴム誘導体と充填材を含有しており、かつフェ
    ノール性水酸基を有する化合物を含有させることを特徴
    とする圧着記録用紙。
  2. 【請求項2】 該フェノール性水酸基を有する化合物
    が、フェノール性水酸基のオルト位に、第3級アルキル
    基および第1級アルキル基で置換されるフェノール誘導
    体であることを特徴とする請求項1記載の圧着記録用
    紙。
  3. 【請求項3】 該フェノール誘導体が、2,2′-メチ
    レンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、
    2,2′-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフ
    ェノ-ル)、またはトリエチレングリコールビス[3-
    (3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)
    プロピオネート]から選ばれる少なくとも1種の化合物
    であることを特徴とする請求項1、または2記載の圧着
    記録用紙。
  4. 【請求項4】 該感圧接着層に含有される該天然ゴム誘
    導体100重量部に対して、該フェノール性水酸基を有
    する化合物の添加量が、0.5〜6重量部であることを
    特徴とする請求項1〜3記載の圧着記録用紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004232140A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Hokuetsu Paper Mills Ltd 再剥離性圧着記録用紙

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