JP2002241441A - 水分散型含フッ素共重合体組成物 - Google Patents

水分散型含フッ素共重合体組成物

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JP2002241441A
JP2002241441A JP2001038982A JP2001038982A JP2002241441A JP 2002241441 A JP2002241441 A JP 2002241441A JP 2001038982 A JP2001038982 A JP 2001038982A JP 2001038982 A JP2001038982 A JP 2001038982A JP 2002241441 A JP2002241441 A JP 2002241441A
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water
meth
acrylate
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Kazuya Oharu
一也 大春
Tsuguhide Isemura
次秀 伊勢村
Tomoko Suzuki
智子 鈴木
Sannashi Shindo
三奈子 新道
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】組成物の乳化安定性に優れ、繊維加工時の繊維
への浸透性に優れ、特に綿および綿混紡に優れた撥油性
を付与できる水分散型含フッ素共重合体組成物の提供。 【解決手段】ポリフルオロアルキル基含有重合性単量体
(A)とフッ素原子不含重合性単量体(B)とからなる
共重合体を、含フッ素アニオン界面活性剤(C)を含む
乳化剤の存在下で、乳化分散させてなる水分散型含フッ
素共重合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分散型含フッ素
共重合体組成物に関する。詳しくは、組成物の乳化安定
性に優れ、繊維加工時の浸透性に優れ、繊維(特に綿ま
たは綿混紡)に優れた撥油性を付与できる水分散型含フ
ッ素共重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフルオロアルキル基(以下、ポリフ
ルオロアルキル基をRf基と記す。)を有する共重合体
を有効成分とする撥水撥油剤を用いて繊維に撥水撥油性
を付与することが行われている。特に耐摩擦堅牢性の向
上のために、含フッ素カチオン界面活性剤を含んでなる
乳化剤の存在下で乳化分散させてなるフッ素系撥水撥油
剤(特開平10−8041号公報)は知られている。し
かし、従来の方法には、高価な含フッ素界面活性剤を大
量に使用する必要があるなどコスト面の問題がある上、
含フッ素界面活性剤の乳化力が不充分であるために撥水
撥油剤の乳化安定性に問題があった。
【0003】一方、繊維加工用の撥水撥油剤には、カー
ペットなどの一部の用途を除いて、繊維のゼータ電位ま
たは併用薬剤の観点から、ノニオン界面活性剤またはカ
チオン界面活性剤が広く採用されている。ところで、一
般にカチオン界面活性剤とアニオン界面活性剤を併用す
ると、対イオン交換反応に基づく沈殿を生じて界面活性
を失うことが知られている。したがって含フッ素アニオ
ン界面活性剤は使用されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】組成物の乳化安定性に
優れ、かつ浸透性が良好な撥水撥油剤を提供するために
鋭意検討したところ、少量の含フッ素アニオン界面活性
剤の添加が極めて良好な結果を与えることを見出した。
また、驚くべきことに含フッ素アニオン界面活性剤とカ
チオン界面活性剤の併用により、かえって表面張力が低
下して、乳化の状態がより安定になることを見出した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決するためになされたものであり、組成物の乳化安定
性に優れ、繊維加工時の浸透性に優れ、繊維織物(特に
綿または綿混紡)に優れた撥油性を付与できる、水分散
型含フッ素共重合体組成物を提供する。
【0006】すなわち本発明は、Rf基含有重合性単量
体(A)とフッ素原子不含重合性単量体(B)とからな
る共重合体を、含フッ素アニオン界面活性剤(C)を含
む乳化剤の存在下で、乳化分散させてなる水分散型含フ
ッ素共重合体組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】Rf基は、アルキル基の水素原子
の2個以上がフッ素原子に置換された基である。Rf
の炭素数は2〜20が好ましく、特に4〜16が好まし
い。炭素数が2未満の場合には撥水性および撥油性が低
下する傾向があり、20超の場合には共重合体が常温で
固体となり、昇華性も大きく取扱いが困難になるおそれ
がある。
【0008】またRf基は、直鎖構造または分岐構造で
あるが、直鎖構造が好ましい。分岐構造である場合に
は、分岐部分がRf基の末端部分に存在し、かつ分岐部
分が炭素数1〜4程度の短鎖であるのが好ましい。
【0009】またRf基は、フッ素原子以外の他のハロ
ゲン原子を含んでいてもよい。他のハロゲン原子として
は、塩素原子が好ましい。さらに、Rf基中の炭素−炭
素結合間には、エーテル性酸素原子またはチオエーテル
性硫黄原子が挿入されていてもよい。Rf基の末端部分
の構造としては、−CF2CF3、−CF(CF32、−
CF2H、−CFH2、−CF2Cl等が挙げられ、−C
2CF3が好ましい。
【0010】Rf基中のフッ素原子数は、[(Rf基中の
フッ素原子数)/(Rf基と同一炭素数の対応するアル
キル基中に含まれる水素原子数)]×100(%)で表
現した場合に、60%以上が好ましく、特に80%以上
が好ましい。Rf基としては、アルキル基の水素原子の
全てがフッ素原子に置換された基、すなわちペルフルオ
ロアルキル基(以下RF基と記す。)が好ましい。さら
にRF基は、直鎖構造のRF基、すなわちF(CF2i
(iは2〜20の整数。)で表される基が好ましく、特
にiが4〜16の整数である基が好ましい。
【0011】Rf基の具体例を以下に挙げる。なお以下
の例においては、同一分子式を有する構造の異なる基で
ある、構造異性の基を含む。C49−[F(CF2
4−、(CF32CFCF2−、(CF33C−等]、C
511−[F(CF25−等]、C613−[F(C
26−等]、C715−[F(CF27−等]、C8
17−[F(CF28−等]、C919−[F(CF 29
−等]、C1021−[F(CF210−等]、C1225
−[F(CF212−等]、C1429−[F(CF214
−等]、C1633−[F(CF216−等]、H(C
2t−、Cl(CF2t−(tは2〜20の整
数。)、(CF32CF(CF2j−(jは1〜17の
整数。)等。
【0012】Rf基が、炭素−炭素結合間にエーテル性
酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入された基
である場合の具体例を以下に挙げる。ただし、rは1〜
5の整数、zは1〜6の整数、wは1〜9の整数であ
る。F(CF25OCF(CF3)−、F[CF(C
3)CF2O]rCF(CF3)CF2CF2−、F[CF
(CF3)CF2O]zCF(CF3)−、F[CF(CF
3)CF2O]zCF2CF2−、F(CF2CF2CF2O)
zCF2CF2−、F(CF2CF2O)wCF2CF2−、C
817SO2N(CH3)−、C817SO2N(C25
−等。
【0013】単量体(A)としては、Rf基を有する
(メタ)アクリレートが好ましい。Rf基を有する(メ
タ)アクリレートとは、Rf基が(メタ)アクリル酸エ
ステルのアルコール残基部分に存在する化合物をいう。
【0014】Rf基を有する(メタ)アクリレートとし
ては、下式1で表される化合物が好ましい。ただし、式
1においてRfはRf基、Qは単結合または2価の有機
基、Rは水素原子またはメチル基を示す。 Rf−Q−OCOCR=CH2・・・式1 式1におけるRfとしては、エーテル性酸素原子または
チオエーテル性硫黄原子を含まないRf基が好ましく、
特にRF基が好ましく、とりわけ直鎖構造のRF基が好ま
しい。
【0015】式1におけるQとしては、−(CH2p+q
−、−(CH2pO(CH2q−、−CF=CH(CH
2p−、−(CH2pCONH(CH2q−、−(CH
2pOCONH(CH2q−、−(CH2pSO2NR2
(CH2q−、−(CH2pNHCONH(CH2
q−、−(CH2pCH(OH)(CH2q−等が好ま
しい。ただし、R2は水素原子またはアルキル基を示
す。また、pおよびqはそれぞれ0以上の整数を示し、
p+qは1〜22の整数である。これらのうち、−(C
2p+q−、−(CH2pCONH(CH2q−、−
(CH2pSO2NR2(CH2q−であり、かつ、qが
2以上の整数であって、p+qが2〜6である場合が好
ましい。特に、p+qが2〜6である場合の−(C
2p+q−、すなわち、ジメチレン基、トリメチレン
基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。
また、Qと結合するRfの炭素原子には、フッ素原子が
結合しているのが好ましい。
【0016】Rf基を有する(メタ)アクリレートの具
体例としては、下記化合物が挙げられる。ただし、Rは
水素原子またはメチル基を示す。F(CF2)5CH2OCOCR=C
H2、F(CF2)6CH2CH2OCOCR=CH2、H(CF2)6CH2OCOCR=CH2、H
(CF2)8CH2OCOCR=CH2、H(CF2)10CH2OCOCR=CH2、H(CF2)8C
H2CH2OCOCR=CH2、F(CF2)8CH2CH2CH2OCOCR=CH2、F(CF2)8
CH2CH2OCOCR=CH2、F(CF2)10CH2CH2OCOCR=CH2、F(CF2)12
CH2CH2OCOCR=CH2、F(CF2)14CH2CH2OCOCR=CH2、F(CF2)16
CH2CH2OCOCR=CH2、(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2OCOCR=CH2、(C
F3)2CF(CF2)6CH2CH2OCOCR=CH2、(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2O
COCR=CH2、F(CF2)8SO2N(C3H7)CH2CH2OCOCR=CH2、F(CF2)
8(CH2)4OCOCR=CH2、F(CF2)8SO2N(CH3)CH2CH2OCOCR=C
H2、F(CF2)8SO2N(C2H5)CH2CH2OCOCR=CH2、F(CF2)8CONHC
H2CH2OCOCR=CH2、(CF3)2CF(CF2)5(CH2)3OCOCR=CH2、(C
F3)2CF(CF2)5CH2CH(OCOCH3)OCOCR=CH2、(CF3)2CF(CF2)5
CH2CH(OH)CH2OCOCR=CH2、(CF3)2CF(CF2)7CH2CH(OH)CH2O
COCR=CH2、F(CF2)9CH2CH2OCOCR=CH2、F(CF2)9CONHCH2CH
2OCOCR=CH2
【0017】単量体(A)は、Rf基を有する重合性単
量体の2種以上を用いてもよい。Rf基を有する(メ
タ)アクリレートが2種以上である場合には、炭素数の
異なるR f基を有する(メタ)アクリレートであるのが
好ましい。
【0018】フッ素原子不含重合性単量体(B)として
は、下記単量体(b1)および/または下記単量体
(b2)を必須とするのが好ましい。特に、単量体
(B)としては、単量体(b1)および単量体(b2)の
両方を必須とする場合、または、単量体(b2)のみを
必須とする場合が好ましい。
【0019】単量体(b1):アルキル基部分の炭素数
が1〜20である(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル。 単量体(b2):オレフィン、ハロゲン化ビニル、ハロ
ゲン化ビニリデン、カルボン酸ビニル、スチレン、置換
スチレン、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)
アクリルアミド、アルキルビニルエーテル、(置換アル
キル)ビニルエーテル、ビニルアルキルケトン、ジエ
ン、グリシジル(メタ)アクリレート、アジリジニル
(メタ)アクリレート、置換アルキル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、水酸
基末端ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ア
ルコキシ基末端ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレ
ート、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート、
ポリシロキサン基含有(メタ)アクリレート、トリアリ
ルシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、カルボン
酸アリル、N−ビニルカルバゾール、N−メチルマレイ
ミド、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステ
ル、マレイン酸ジアルキルエステルおよびブロック化イ
ソシアネート基含有(メタ)アクリレートから選ばれる
1種以上の重合性単量体。
【0020】単量体(b1)において、アルキル基部分
は直鎖構造、分岐構造または環構造のいずれであっても
よく、環構造を部分的に有する構造であってもよい。単
量体(b1)は2種以上を用いてもよく、2種以上であ
る場合には、アルキル基部分の炭素数または構造が異な
る2種以上からなっていてもよい。
【0021】単量体(b1)は、アルキル基部分の炭素
数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが
好ましい。特に、メチル(メタ)アクリレート、ステア
リル(メタ)アクリレートまたは2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレートが好ましい。
【0022】単量体(b2)としては、エチレン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、グリシジル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)
アクリルアミド、メチロール化ジアセトン(メタ)アク
リルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
ビニルアルキルエーテル、クロロアルキルビニルエーテ
ル、ビニルアルキルケトン、ブタジエン、イソプレン、
クロロプレン、アジリジニルエチル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレー
ト、メチルポリオキシアルキレン(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシルポリオキシアルキレン(メタ)
アクリレート、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリ
レート、ポリシロキサンを有する(メタ)アクリレー
ト、トリアリルシアヌレート、アリルグリシジルエーテ
ル、酢酸アリル、N−ビニルカルバゾール、マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、(2−ジメチルアミノ)エ
チル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0023】ここで、ブロック化イソシアネート基含有
(メタ)アクリレートとは、ブロックされたイソシアネ
ート基を1個以上有する(メタ)アクリレートであり、
イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートのイソ
シアネート基をブロック化剤でブロックした構造の化合
物が好ましい。
【0024】イソシアネート基を有する(メタ)アクリ
レートとしては、2−イソシアネートエチル(メタ)ア
クリレート、または、イソシアネート基と結合しうる官
能基を有する(メタ)アクリレートとポリイソシアネー
トとを1個以上のイソシアネート基が残る割合で反応さ
せて得られる反応生成物が好ましい。
【0025】イソシアネート基と結合しうる官能基を有
する(メタ)アクリレートとしては、水酸基を有する
(メタ)アクリレートが好ましく、特に(メタ)アクリ
ル酸と多価アルコールとのモノまたはジエステルが好ま
しい。多価アルコールとしては、エチレングリコール、
ポリオキシエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン−アルキレンオキシド付加物、ペ
ンタエリスリトールなどが好ましい。
【0026】ポリイソシアネートとしては、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシ
アネートなどの芳香族イソシアネート類、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
シクロヘキシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイ
ソシアネート等の脂肪族イソシアネート類、環状脂肪族
イソシアネート類、または、それらのイソシアヌレート
変性体、プレポリマー変性体、ビュレット変性体などの
変性体が好ましい。特に、脂肪族イソシアネート類、環
状脂肪族イソシアネート類、または、それらのイソシア
ヌレート変性体、プレポリマー変性体、ビュレット変性
体が好ましい。
【0027】イソシアネート基のブロック化剤として
は、アルキルケトオキシム類、フェノール類、アルコー
ル類、β−ジケトン類、ラクタム類が好ましく、メチル
エチルケトオキシム、ε−カプロラクタム、フェノー
ル、クレゾール、アセチルアセトン、マロン酸ジエチ
ル、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、
マレイン酸イミド等が特に好ましい。とりわけ、メチル
エチルケトオキシム等のアルキルケトオキシム類、ε−
カプロラクタム等のラクタム類など、解離温度が120
〜180℃の化合物からなるブロック化剤が好ましい。
【0028】ブロック化イソシアネート基含有(メタ)
アクリレートの具体例としては、2−イソシアネートエ
チル(メタ)アクリレートのイソシアネート基をメチル
エチルケトオキシムでブロックした化合物、2−イソシ
アネートエチル(メタ)アクリレートのイソシアネート
基をε−カプロラクタムでブロックした化合物、イソホ
ロンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートとの1:1(モル比)反応物のイソシアネ
ート基をメチルエチルケトオキシムでブロックした化合
物、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレートとの1:1(モル比)反応物
のイソシアネート基をメチルエチルケトオキシムでブロ
ックした化合物、ノルボルネンジイソシアネートと2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの1:1(モ
ル比)反応物をメチルエチルケトオキシムでブロックし
た化合物等が挙げられる。単量体(b2)は2種以上を
用いてもよい。
【0029】本発明における共重合体には、上記以外の
他の単量体に基づく重合単位を含んでいてもよい。他の
単量体としては、公知または周知の重合性単量体が挙げ
られ、重合性不飽和基を1個または2個有する重合性単
量体が好ましい。
【0030】本発明における共重合体は、単量体(A)
と単量体(B)とを、含フッ素アニオン界面活性剤
(C)を含む乳化剤の存在下で乳化重合して得られる。
【0031】界面活性剤(C)としては、下式2〜5で
表される化合物(以下、式2で表される化合物を「化合
物2」と記す。他の化合物も同様に記す。)が好まし
い。ただし、式2〜5においてRfおよびQは前記と同
じ意味を示し、Mは水素原子または一価の陽イオンを示
し、dは1または2を示す。
【0032】 Rf−Q−COOM・・・式2 Rf−Q−SO3M・・・式3 Rf−Q−OSO3M・・・式4 (Rf−Q−O)dPO(OM)3-d・・・式5 化合物2の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
715COOH、C715COONH4、C919COO
H、C919COONH4、C817CH2COOH、C10
21CH2COOH、C817CH2CH2OCH2CH2
OOH、C1021CH2CH2OCH2CH2COOH、C
817SO2N(CH3)(CH22OCH2CH2COO
H等。
【0033】化合物3の具体例としては、C817SO3
Na、C817SO3H、C817SO3NH4等が挙げら
れる。化合物4の具体例としては、C817CH2CH2
OSO3H、C1021CH2CH2OSO3H、C817
2CH2OSO3Na、C1021CH2CH2OSO3
a、C817SO2N(CH3)(CH22OSO3H等が
挙げられる。
【0034】化合物5の具体例としては、下記化合物が
挙げられる。C817CH2CH2OPO(OH)2、C10
21CH2CH2OPO(OH)2、(C817CH2CH2
O)2PO(OH)、(C1021CH2CH2O)2PO
(OH)、C817CH2CH2OPO[ONH2(CH2
CH2OH)22、C1021CH2CH2OPO[ONH2
(CH2CH2OH)22、(C817CH2CH2O)2
O[ONH2(CH2CH2OH)2]、(C1021CH2
CH2O)2PO[ONH2(CH2CH2OH)2]等。
【0035】界面活性剤(C)は、2種以上の混合物か
らなっていてもよい。界面活性剤(C)としては、化合
物2または化合物4が特に好ましく、とりわけC817
(CH22OSO3H、C715COOHが好ましい。
【0036】界面活性剤(C)の割合は、乳化剤の全量
において0.01〜20質量%が好ましい。界面活性剤
(C)の量が少なすぎると浸透性に優れず、また綿等の
繊維織物へ付与できる撥油性が乏しくなり、多すぎると
組成物中のエマルションの安定性が低下するおそれがあ
る。
【0037】本発明における共重合体は、前記乳化剤と
ともに含フッ素アミン化合物(D)の存在下で乳化重合
して得られる共重合体であるのが好ましい。
【0038】含フッ素アミン化合物(D)は、下式6で
表される化合物が好ましい。ただし、式6においてRf
およびQは前記と同じ意味を示し、R2、R3はそれぞれ
独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示
す。 Rf−Q−NR23・・・式6 含フッ素アミン化合物(D)の具体例としては、下記化
合物が挙げられる。C817(CH22N(CH32
1021(CH22N(CH32、C715CF=CH
CH2N(CH32、C919CF=CHCH2N(C
32、C102 1(CH22N(CH32、C1123
F=CHCH2N(CH32等。
【0039】含フッ素アミン化合物(D)は、2種以上
の混合物からなっていてもよい。含フッ素アミン化合物
(D)としては、C817(CH22N(CH32、C7
15CF=CHCH2N(CH32が特に好ましい。
【0040】乳化重合の際に使用される乳化剤として
は、界面活性剤(C)以外に、通常乳化剤として使用さ
れる炭化水素系の界面活性剤(E)を併用することが好
ましい。
【0041】界面活性剤(E)としては、ノニオン界面
活性剤が好ましい。界面活性剤(E)としては、ノニオ
ン界面活性剤のみからなってもよく、ノニオン界面活性
剤とともに、ノニオン界面活性剤以外の界面活性剤から
なっていてもよい。ノニオン界面活性剤以外の界面活性
剤としては、カチオン界面活性剤または両性界面活性剤
が好ましい。界面活性剤(E)としては、ノニオン界面
活性剤を60〜100質量%含む界面活性剤が好まし
い。界面活性剤(E)は1種のみを用いてもよく、2種
以上を用いてもよい。
【0042】界面活性剤(E)におけるノニオン界面活
性剤としては、下記界面活性剤(e 1)〜(e6)から選
択される1種以上のノニオン界面活性剤が好ましい。
【0043】界面活性剤(e1)とは、ポリオキシアル
キレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモ
ノアルケニルエーテルまたはポリオキシアルキレンモノ
アルカポリエニルエーテルからなるノニオン界面活性剤
である。
【0044】界面活性剤(e1)におけるアルキル基、
アルケニル基またはアルカポリエニル基は、それぞれ炭
素数4〜26であるのが好ましく、直鎖構造であっても
分岐構造であってもよい。分岐構造である場合には、2
級アルキル基、2級アルケニル基または2級アルカポリ
エニル基が好ましい。アルキル基、アルケニル基または
アルカポリエニル基の具体例としては、オクチル基、ド
デシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデ
シル基、ヘキサデシル基、ベヘニル基(ドコシル基)ま
たはオレイル基(9−オクタデセニル基)等が挙げられ
る。
【0045】界面活性剤(e1)としては、ポリオキシ
アルキレンモノアルキルエーテルまたはポリオキシアル
キレンモノアルケニルエーテルが好ましい。界面活性剤
(e1)におけるポリオキシアルキレン部分は、1種ま
たは2種のオキシアルキレン基からなるのが好ましく、
2種からなる場合には、それらの連なり方はブロックで
あることが好ましい。ポリオキシアルキレン部分は、オ
キシエチレン基および/またはオキシプロピレン基が2
個以上連なった部分からなるのが好ましい。
【0046】界面活性剤(e1)としては、下式7で表
される化合物が好ましい。ただし下式7中のR10は炭素
数8以上のアルキル基または炭素数8以上のアルケニル
基を示し、gは0〜20の整数を示し、sは5〜50の
整数を示す。また、gとsとが2以上である場合は、オ
キシエチレン基とオキシプロピレン基とはブロック状に
なって連結されている。 R10O[CH2CH(CH3)O]g(CH2CH2O)sH・・・式7 式7中のR10は、直鎖構造または分岐構造のいずれであ
ってもよい。gは0〜10の整数が好ましく、sは10
〜30の整数が好ましい。gが21以上またはsが4以
下であると、水に難溶性となり、水系媒体中に均一に溶
解しないため、浸透性向上効果が低下するおそれがあ
る。また、sが51以上では親水性が高くなり、撥水性
を低下させるおそれがある。
【0047】化合物7の具体例としては、下記化合物が
挙げられる。ただし、下式においてsおよびgは上記と
同じ意味を示し、好ましい態様も同じである。また、オ
キシエチレン基とオキシプロピレン基とはブロック状に
なって連結されている。
【0048】C1837O[CH2CH(CH3)O]
g(CH2CH2O)sH、C1835O[CH2CH(C
3)O]g(CH2CH2O)sH、C1633O[CH2
H(CH3)O]g(CH2CH2O)sH、C1225
[CH2CH(CH3)O]g(CH2CH 2O)sH、CH
(C817)(C613)O[CH2CH(CH3)O]g
(CH2CH2O)sH、C1021O[CH2CH(C
3)O]g(CH2CH2O)sH等。
【0049】界面活性剤(e2)とは、分子中に1個以
上の炭素−炭素三重結合および1個以上の水酸基を有
し、かつ界面活性を示す化合物からなるノニオン界面活
性剤である。
【0050】界面活性剤(e2)としては、分子中に1
個の炭素−炭素三重結合および1個または2個の水酸基
を有する化合物からなるノニオン界面活性剤が好まし
い。また、部分構造としてポリオキシアルキレン部分を
有していてもよい。ポリオキシアルキレン部分として
は、ポリオキシエチレン部分、ポリオキシプロピレン部
分、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とがランダ
ム状に連なった部分またはポリオキシエチレンとポリオ
キシプロピレンとがブロック状に連なった部分、が挙げ
られる。
【0051】界面活性剤(e2)の具体例としては、下
式8、下式9、下式10または下式11で表される化合
物が好ましい。
【0052】
【化1】
【0053】ただし、式8〜式11中のA1、A2および
3は、それぞれ独立に、アルキレン基を示し、mおよ
びnはそれぞれ0以上の整数を示し、m+nは1以上の
整数である。kは1以上の整数を示す。m、nまたはk
がそれぞれ2以上である場合には、A1、A2およびA3
は、それぞれ1種のアルキレン基のみからなっていても
よく、2種以上のアルキレン基からなっていてもよい。
【0054】R11〜R20は、それぞれ独立に水素原子ま
たはアルキル基を示す。アルキル基としては炭素数1〜
12のアルキル基が好ましく、特に炭素数6〜12のア
ルキル基が好ましい。具体例としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基またはイソブチル基などが
好ましく挙げられる。
【0055】また、オキシアルキレン部分としては、オ
キシエチレン部分、オキシプロピレン部分またはオキシ
エチレン部分とオキシプロピレン部分の両方からなるの
が好ましい。界面活性剤(e2)におけるオキシアルキ
レン部分の個数は、1〜50が好ましい。
【0056】さらに界面活性剤(e2)としては、下式
12で表されるノニオン界面活性剤も好ましい。ただ
し、式12中のxおよびyはそれぞれ0以上の整数を示
す。化合物12は1種のみで使用してもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0057】
【化2】
【0058】化合物12としては、xとyとの和の平均
が10である化合物、xが0でありかつyが0である化
合物またはxとyとの和の平均が1.3である化合物が
好ましい。
【0059】界面活性剤(e3)とは、オキシエチレン
部分が2個以上連続して連なったポリオキシエチレン部
分と、炭素数3以上のオキシアルキレン部分が2個以上
連続して連なった部分とが連結し、かつ、両末端が水酸
基である化合物からなるノニオン界面活性剤である。界
面活性剤(e3)における炭素数3以上のオキシアルキ
レン部分としては、オキシテトラメチレン部分および/
またはオキシプロピレン部分が好ましい。
【0060】界面活性剤(e3)としては、下式13ま
たは下式14で表される化合物からなるノニオン界面活
性剤が好ましい。なお式13、式14中のh、bは0〜
200の整数、aは2〜100の整数を示し、hまたは
bが0である場合にはaは2以上の整数である。また、
式13中の−C36O−部分は、−CH(CH3)CH2
−であっても、−CH2CH(CH3)−であっても、−
CH(CH3)CH2−と−CH2CH(CH3)−とが混
在していてもよい。また、下式中のポリオキシアルキレ
ン部分は、ブロック状に連結している。
【0061】
【化3】
【0062】界面活性剤(e3)としては、下記化合物
が好ましく挙げられる。HO(CH2CH2O)15(C3
6O)35(CH2CH2O)15H、HO(CH2CH
2O)8(C36O)35(CH2CH2O)8H、HO(C
2CH2O)45(C36O)17(CH2CH2O)45H、
HO(CH2CH2O)34[(CH24O]28(CH2
2O)34H。
【0063】界面活性剤(e4)とは、分子中にアミン
オキシド部分を有するノニオン界面活性剤であり、下式
15で表される化合物からなるノニオン界面活性剤が好
ましい。 (R21)(R22)(R23)N(→O)・・・式15 式15中のR21、R22およびR23は、それぞれ独立に1
価炭化水素基を示す。分子中にアミンオキシド部分(N
→O)を有する界面活性剤は、カチオン界面活性剤に分
類されることもあるが、本明細書においては、ノニオン
界面活性剤として扱う。化合物15は、2種以上を併用
してもよい。
【0064】界面活性剤(e4)としては、特に下式1
6で表されるノニオン界面活性剤が、共重合体の分散安
定性を向上させることから好ましい。 (R24)(CH32N(→O)・・・式16 式16中のR24は、炭素数6〜22のアルキル基、炭素
数6〜22のアルケニル基、アルキル基(炭素数6〜2
2)が結合したフェニル基またはアルケニル基(炭素数
6〜22)が結合したフェニル基を示し、炭素数8〜2
2のアルキル基または炭素数8〜22のアルケニル基が
好ましい。
【0065】化合物16としては、H(CH212(C
32N(→O)、H(CH214(CH32N(→
O)、H(CH216(CH32N(→O)、H(C
218(CH32N(→O)が挙げられる。
【0066】界面活性剤(e5)とは、ポリオキシエチ
レンモノ(置換フェニル)エーテルの縮合物またはポリ
オキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルからなる
ノニオン界面活性剤である。界面活性剤(e5)におけ
る置換フェニル基としては、フェニル基の水素原子が1
価炭化水素基で置換されたフェニル基が好ましく、アル
キル基、アルケニル基またはスチリル基で置換されたフ
ェニル基が特に好ましい。
【0067】界面活性剤(e5)としては、ポリオキシ
エチレンモノ(アルキルフェニル)エーテルの縮合物、
ポリオキシエチレンモノ(アルケニルフェニル)エーテ
ルの縮合物、ポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニ
ル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ(アルケニルフ
ェニル)エーテル、またはポリオキシエチレンモノ
[(アルキル)(スチリル)フェニル]エーテルが好ま
しい。
【0068】ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)
エーテルの縮合物またはポリオキシエチレンモノ(置換
フェニル)エーテルの具体例としては、ポリオキシエチ
レンモノ(ノニルフェニル)エーテルのホルムアルデヒ
ド縮合物、ポリオキシエチレンモノ(ノニルフェニル)
エーテル、ポリオキシエチレンモノ(オクチルフェニ
ル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ(オレイルフェ
ニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ[(ノニル)
(スチリル)フェニル]エーテル、ポリオキシエチレン
モノ[(オレイル)(スチリル)フェニル]エーテル等
が挙げられる。
【0069】界面活性剤(e6)とは、ポリオールの脂
肪酸エステルからなるノニオン界面活性剤である。界面
活性剤(e6)におけるポリオールとしては、ポリエチ
レングリコール、デカグリセリン、ポリエチレングリコ
ールと(ポリエチレングリコール以外の)ポリオールと
のエーテル等が挙げられる。
【0070】界面活性剤(e6)としては、オクタデカ
ン酸とポリエチレングリコールとの1:1(モル比)エ
ステル、ソルビットとポリエチレングリコールとのエー
テルと、オレイン酸とのl:4(モル比)エステル、ポ
リオキシエチレングリコールとソルビタンとのエーテル
と、オクタデカン酸との1:1(モル比)エステル、ポ
リエチレングリコールとソルビタンとのエーテルと、オ
レイン酸との1:1(モル比)エステル、ドデカン酸と
ソルビタンとの1:1(モル比)エステル、オレイン酸
とデカグリセリンとの1(または2):1(モル比)エ
ステル、オクタデカン酸とデカグリセリンとの1(また
は2):1(モル比)エステルが挙げられる。
【0071】界面活性剤(E)がカチオン界面活性剤を
含む場合には、置換アンモニウム塩からなるカチオン界
面活性剤を用いるのが好ましい。置換アンモニウム塩か
らなるカチオン界面活性剤としては、アンモニウム塩の
窒素原子に結合する水素原子の1個以上が、アルキル
基、アルケニル基または末端が水酸基であるポリオキシ
アルキレン基に置換された化合物からなるカチオン界面
活性剤が好ましい。特に下式17で表される化合物から
なるカチオン界面活性剤が好ましい。[(R254+
・X-・・・式17式17中の4つのR25は、それぞれ
独立に、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素
数2〜22のアルケニル基、または末端が水酸基である
ポリオキシアルキレン基(ただし、4つのR25は同時に
水素原子にはならない。)を示し、X-は対イオンを示
す。
【0072】R25がアルキル基である場合には、炭素数
6〜22の長鎖アルキル基が好ましい。R25が長鎖アル
キル基以外のアルキル基である場合には、メチル基また
はエチル基が好ましい。R25がアルケニル基である場合
には、炭素数6〜22の長鎖アルケニル基が好ましい。
また、R25がポリオキシアルキレン基である場合には、
ポリオキシエチレン基が好ましい。X-としては、塩素
イオン、エチル硫酸イオンまたは酢酸イオンが好まし
い。
【0073】化合物17としては、モノ(長鎖アルキ
ル)アミン塩酸塩、モノ(長鎖アルキル)ジメチルアミ
ン塩酸塩、モノ(長鎖アルキル)ジメチルアミン酢酸
塩、モノ(長鎖アルケニル)ジメチルアミン塩酸塩、モ
ノ(長鎖アルキル)ジメチルアミン・エチル硫酸塩、モ
ノ(長鎖アルキル)トリメチルアンモニウムクロリド、
ジ(長鎖アルキル)モノメチルアミン塩酸塩、ジ(長鎖
アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、モノ(長鎖
アルキル)モノメチルジ(ポリオキシエチレン)アンモ
ニウムクロリド、ジ(長鎖アルキル)モノメチルモノ
(ポリオキシエチレン)アンモニウムクロリド等が好ま
しく挙げられる。
【0074】さらに、化合物17としては、モノオクタ
デシルトリメチルアンモニウムクロリド、モノオクタデ
シルジメチルモノエチルアンモニウムエチル硫酸塩、モ
ノ(長鎖アルキル)モノメチルジ(ポリエチレングリコ
ール)アンモニウムクロリド、ジ(牛脂アルキル)ジメ
チルアンモニウムクロリド、ジメチルモノココナッツア
ミン酢酸塩等も好ましい。
【0075】界面活性剤(E)が、両性界面活性剤を含
む場合には、アラニン類、イミダゾリニウムベタイン
類、アミドベタイン類または酢酸ベタイン類等からなる
両性界面活性剤が好ましい。両性界面活性剤の具体例と
しては、ドデシルベタイン、オクタデシルベタイン、ド
デシルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニ
ウムベタイン、ドデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、
脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が
好ましく挙げられる。
【0076】界面活性剤(E)の割合は、単量体(A)
および単量体(B)の合量に対して1〜10質量%が好
ましく、特に3〜10質量%が好ましい。界面活性剤
(E)の量が少なすぎると組成物におけるエマルション
の安定性が低下するおそれがあり、多すぎると撥水撥油
性の湿摩擦耐久性が低下するおそれがある。ただし、原
料中の単量体(B)が自己乳化性のある重合性単量体を
含む場合には、界面活性剤(E)の量を減らしてもよ
い。
【0077】本発明における乳化重合反応においては、
開始剤を用いてもよい。開始剤としては、陽イオン末端
を形成するラジカル開始剤を用いるのが好ましい。
【0078】本発明の水分散型含フッ素共重合体組成物
には、水系媒体が含まれる。水系媒体としては、水の
み、または、水および水に溶解可能な溶媒、からなるの
が好ましい。
【0079】水系媒体における溶媒としては、水100
gに対する溶解度が10g以上であれば特に限定されな
いが、アセトン、イソプロピルアルコール、飽和多価ア
ルコール、飽和多価アルコールの(モノまたはポリ)ア
ルキルエーテルまたは飽和多価アルコールのアルキレン
オキシド付加物から選ばれる1種以上が好ましい。
【0080】飽和多価アルコールとしては、2〜4個の
水酸基を有する化合物が好ましく、特にエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロ
ールエタンまたはトリメチロールプロパンが好ましい。
【0081】飽和多価アルコールの(モノまたはポリ)
アルキルエーテルとしては、ジオールのモノアルキルエ
ーテルまたはジオールのジアルキルエーテルが好まし
く、たとえば、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルまたは
ジプロピレングリコールジメチルエーテルが好ましく、
とりわけ、ジエチレングリコールモノメチルエーテルま
たはジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ま
しい。
【0082】飽和多価アルコールとエチレンオキシドお
よび/またはプロピレンオキシドとの反応物としては、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、
テトラプロピレングリコールまたはオキシプロピレン基
が5個以上連なったポリプロピレングリコールが好まし
い。
【0083】溶媒としては、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、グリセリン、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリ
コールおよびポリプロピレングリコールから選ばれる1
種以上の溶媒が好ましい。
【0084】水系媒体中の溶媒の量は、単量体(A)お
よび単量体(B)の合量に対して2〜50質量%が好ま
しく、特に10〜40質量%が好ましい。溶媒の量が少
なすぎるとエマルションの安定性の改善効果が認められ
ないおそれがあり、溶媒の量が多すぎると洗濯耐久性を
低下させるおそれがある。また、水系媒体の量は、単量
体(A)および単量体(B)の合量に対して質量で1〜
5倍の量が好ましい。組成物中の共重合体の割合は、1
0〜40質量%が好ましく、特に15〜30質量%が好
ましい。
【0085】本発明の組成物には、上記以外の他の成分
(たとえば添加剤等)を含んでいてもよい。他の成分と
しては、他の重合体ブレンダー、他の撥水剤、他の撥油
剤、防虫剤、難燃剤、帯電防止剤、染料安定剤、防シワ
剤、ステインブロッカー等が好ましく挙げられる。
【0086】本発明の組成物は、目的や用途等に応じて
任意の濃度に希釈し、被処理物に適用するのが好まし
い。被処理物への適用方法は、被処理物の種類、組成物
の調製形態等に応じて、任意の方法が採用される。たと
えば、浸漬塗布等の被覆加工方法により被処理物の表面
に付着させ乾燥する方法が採用される。また、必要なら
ば適当な架橋剤とともに適用し、キュアリングを行って
もよい。
【0087】本発明の組成物は、ゼータ電位がプラスで
あり、優れた撥水撥油性能を被処理物に付与でき、また
被処理物への浸透性にも優れている。
【0088】本発明の組成物を用いて処理される被処理
物としては、特に限定されず、繊維、繊維織物、ガラ
ス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金
属およびその酸化物、窯業製品、プラスチック等が好ま
しく挙げられ、特に繊維織物が好ましい。
【0089】繊維織物としては、綿、麻、羊毛、絹等の
動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン等の合成繊維、レーヨン、アセテー
ト等の半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト
繊維等の無機繊維、またはこれらの混合繊維の織物が挙
げられる。特に、綿または綿混紡に対して優れた撥油性
を付与できる。
【0090】
【実施例】実施例(例1〜4)および比較例(例5〜
6)を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこ
れらに限定されない。なお、撥水撥油性の評価は以下の
方法を用いて行った。
【0091】[撥水性の評価]JIS−L1092のス
プレー試験により行い、表1に示す撥水性ナンバーで表
した。
【0092】
【表1】
【0093】[撥油性の評価]AATCC−TM118
−1966により行い、表2に示す撥油性ナンバーで表
した。
【0094】
【表2】
【0095】[参考例1]F(CF28(CH22OS
3Hの合成 撹拌機、温度計、還流冷却器を備えた500mLのガラ
ス製3口フラスコに、F(CF28(CH22OHの2
32gを仕込み、70℃に昇温した。そこへ窒素気流下
においてHSO3Clの58.3gをゆっくり滴下し、
70℃で5時間反応させた。
【0096】[参考例2]F(CF28(CH22
(CH32およびF(CF27CF=CHCH2N(C
32の合成 撹拌機、温度計、還流冷却器を備えた500mLのガラ
ス製3口フラスコに、F(CF28(CH22Iの10
0g、ジメチルアミン水溶液(40質量%)の60g、
テトラヒドロフランの100mLを仕込み、70℃で7
時間反応させて反応生成物を得た。
【0097】ガスクロマトグラフィー分析により、F
(CF28(CH22Iの反応率が100%であること
を確認した。また得られた反応生成物は、F(CF28
CH=CH2、F(CF28(CH22N(CH32
よびF(CF27CF=CHCH2N(CH32であ
り、それぞれの生成割合は4:2:4であった。
【0098】これを水200gで水洗した後、有機相を
蒸留し、F(CF28(CH22N(CH32およびF
(CF27CF=CHCH2N(CH32の混合物を4
3g回収した。
【0099】[例1]ペルフルオロアルキルエチルアク
リレート[F(CF2nCH2CH2OCOCH=CH2
で表されるnが6〜16である化合物の混合物であり、
nの平均値は9。以下FAと記す。]の167g、F
(CF28(CH22OSO3Hの1.5g、ステアリ
ルアクリレート(以下StAと記す)の46.2g、N
−メチロールアクリルアミド(以下NMAAと記す。)
の5.1g、ステアリルメルカプタン(以下StSHと
記す。)の0.77g、ポリオキシエチレンモノ(ノニ
ルフェニル)エーテルの17.5g、オクタデシルトリ
メチルアンモニウムクロリドの4.4g、アセトンの1
10g、イオン交換水の300gを、1Lのガラス製オ
ートクレーブに入れ、50℃にて30分間撹拌した。
【0100】続いて、アゾビス(ジメチレンイソブチラ
ミジン)塩酸塩の0.5gを加えた後、オートクレーブ
を窒素置換した。撹拌しながら60℃に昇温して15時
間重合反応を行い乳白色のエマルションを得た。エマル
ションの固形分濃度は36.5質量%、平均粒子径は
0.07μmであった。得られたエマルションを、固形
分濃度が20質量%となるように水で調整してこれを原
液とした。
【0101】[例2]例1において、さらにF(C
28(CH22N(CH32およびF(CF27CF
=CHCH2N(CH32の混合物1.0gを加えるこ
と以外は、例1と同様にして原液を得た。
【0102】[例3]F(CF28(CH22OSO3
Hの代わりにF(CF27COOHを用いること以外
は、例1と同様にして原液を得た。
【0103】[例4]FAの155g、F(CF2
8(CH22OSO3Hの1.5g、F(CF2 8(CH
22N(CH32およびF(CF27CF=CHCH2
N(CH32の混合物1.0g、StAの40g、NM
AAの5g、2−ヒドロキシエチルアクリレートの5
g、StSHの0.77g、(ポリオキシエチレン)オ
レイルエーテルの10.3g、化合物12においてxと
yの合計が10である化合物の5.1g、(ポリオキシ
エチレン)ドデシルエーテルの5.1g、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテルの80g、イオン交換水
の380gを、1Lのガラス製オートクレーブに入れ、
50℃にて30分間撹拌してエマルションを得た。
【0104】続いて、40〜50℃に保ちながらマント
ンゴーリン社製の高圧乳化機を用いて400kg/cm
2で乳化した。乳化後のエマルションの平均粒子径は
0.18μmであった。
【0105】つぎに、これを1Lのガラス製オートクレ
ーブに移し、アゾビス(ジメチレンイソブチラミジン)
塩酸塩の0.5gを加えた後、オートクレーブを窒素置
換した。そして塩化ビニルの35gを加え、撹拌しなが
ら60℃に昇温して15時間重合反応を行い、平均分子
量が70,000である重合体を含む乳白色のエマルシ
ョンを得た。エマルションの固形分濃度は36質量%、
平均粒子径は0.08μmであった。得られたエマルシ
ョンを、固形分濃度が20質量%となるように水で調整
してこれを原液とした。
【0106】[例5]例1において、F(CF28(C
22OSO3Hの1.5gを用いない以外は、例1と
同様にして原液を得た。
【0107】[例6]例4において、F(CF28(C
22OSO3Hの1.5g、F(CF28(CH22
N(CH32およびF(CF27CF=CHCH2
(CH32の1.0gを用いない以外は、例4と同様に
して原液を得た。
【0108】[試験布の作成]得られた原液の水に対す
る割合が4質量%となるように、水を加えて調製したも
のを処理液とした。
【0109】撥水撥油性の評価には、綿ブロードおよび
T/C(65/35)ブロード布(ポリエステルの65部
と綿の35部の混紡)を試験布として用いた。処理液に
試験布を浸漬して、2本のゴムローラーの間で試験布を
絞ってウェットピックアップを80質量%とした。つい
で110℃で90秒間乾燥し、さらに170℃で60秒
間熱処理した試験布を用いて撥水撥油性能を評価した。
結果を表3にまとめた。なお処理液の表面張力について
も合わせて表3に記した。
【0110】
【表3】
【0111】
【発明の効果】本発明の水分散型含フッ素共重合体組成
物は、乳化安定性に優れ、繊維加工時の繊維への浸透性
に優れ、特に綿および綿混紡に優れた撥油性を付与でき
る。すなわち、綿または綿混紡についての撥水撥油剤組
成物として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新道 三奈子 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 4J011 KA02 KA03 KA04 KA05 KA15 PA24 PA44 PC02 PC06 4J100 AA02Q AB02Q AB03Q AB04Q AC03Q AC04Q AE02Q AE09Q AE18Q AF10Q AG04Q AG10Q AK32Q AL03R AL04R AL05R AL08P AL08Q AL09Q AL10Q AL34Q AL36Q AL66Q AM15Q AM21Q AM43Q AM47Q AQ06Q AQ21Q AS02Q AS03Q AS07Q BA03P BA03Q BA04Q BA08Q BA14Q BA20P BA31Q BA34P BA42Q BA59P BA81Q BB01Q BB12P BB18P BC04Q BC08Q BC43Q BC54Q BC65Q CA04 CA05 EA07 FA20 JA11 JA20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフルオロアルキル基含有重合性単量体
    (A)とフッ素原子不含重合性単量体(B)とからなる
    共重合体を、含フッ素アニオン界面活性剤(C)を含む
    乳化剤の存在下で、乳化分散させてなる水分散型含フッ
    素共重合体組成物。
  2. 【請求項2】前記共重合体が、前記乳化剤および含フッ
    素アミン化合物(D)の存在下で乳化重合して得られる
    共重合体である、請求項1に記載の水分散型含フッ素共
    重合体組成物。
  3. 【請求項3】前記乳化剤が、さらにノニオン界面活性剤
    を含む乳化剤である、請求項1または2に記載の水分散
    型含フッ素共重合体組成物。
  4. 【請求項4】前記含フッ素アニオン界面活性剤(C)
    が、下式2または下式3で表される化合物である、請求
    項1、2または3に記載の水分散型含フッ素共重合体組
    成物。 Rf−Q−COOM・・・式2 Rf−Q−SO3M・・・式3 式中の記号は以下の意味を示す。 Rf:炭素数2〜20のポリフルオロアルキル基。 Q:2価の有機基。 M:水素原子または1価の陽イオン。
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