JP2002241326A - 不均一系反応方法及び界面触媒 - Google Patents

不均一系反応方法及び界面触媒

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JP2002241326A
JP2002241326A JP2001253570A JP2001253570A JP2002241326A JP 2002241326 A JP2002241326 A JP 2002241326A JP 2001253570 A JP2001253570 A JP 2001253570A JP 2001253570 A JP2001253570 A JP 2001253570A JP 2002241326 A JP2002241326 A JP 2002241326A
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reaction
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phase
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JP2001253570A
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Fumiaki Otani
文章 大谷
Shigeru Ikeda
茂 池田
Nuru Hadei
ハディ・ヌル
Arisuke Kobata
有佑 木幡
Takashi Senba
尚 仙波
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体触媒を用いる不均一系反応において、触
媒の分離・回収や再利用を行うことが容易であり、しか
も、反応物や触媒を強制的に移動させなくても容易に反
応を進行させることができることにより、クリーンな反
応系として環境負荷を低減したり製造コストを削減した
りすることができる新しい不均一系反応方法及びそれに
好適に適用できる界面触媒を提供する。 【解決手段】 固体状の界面触媒を含有し、液/液界面
を形成する不均一系で反応物を反応させてなる不均一系
反応方法であって、該界面触媒を該液/液界面に接する
位置に配置して該液/液界面を反応帯域として反応を行
う不均一系反応方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不均一系反応方法
及び界面触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】固体触媒に代表される不均一系触媒は、
触媒反応を行う際に反応系と別個の相を形成するもので
あり、固体触媒では固体表面に反応物が移動・吸着して
反応が進行し、生成物が脱離・拡散するというプロセス
において触媒作用を発揮することになる。このような不
均一系触媒は、均一系触媒に比べて反応終了後に触媒の
分離・回収や再利用を行うことが容易であることから、
化学工業において残留触媒のない高品質な化学製品を製
造することができ、また、触媒の再利用を通じて環境負
荷を低減したり製造コストを削減したりすることができ
るという利点を有するものである。
【0003】このような利点を有する不均一系触媒が近
年の化学工業の様々な分野において注目されている。例
えば、酸触媒反応では、硫酸、フッ化水素酸、リン酸等
の液体酸や塩化アルミニウム等といった腐食性の酸触媒
が主に用いられているが、これらを用いた反応では反応
終了後に多量に生成する酸性溶液を処理しなければなら
ず、また、副生成物が生成しやすいという問題がある。
この酸触媒反応に不均一系触媒としてゼオライト触媒等
の固体酸触媒を用いると、クリーンな反応系となり、触
媒と生成物との分離や触媒の再利用を行うことが容易と
なるうえ、反応の選択性を高め、化学量論的に消費され
る反応物を生成物に転換することも可能となる。
【0004】ところで、触媒反応として、反応系の2つ
以上の液相が互いに混じり合わないで界面を形成する不
均一系で反応を行うことが有用な場合がある。例えば、
酸化剤として過酸化水素を用いる場合である。過酸化水
素は反応して水になるだけの極めて理想的でクリーンな
酸化剤であるうえ、他の過酸化脂肪酸や高酸化状態の金
属酸化物等の酸化剤に比べて安価である。この場合、過
酸化水素が通常水溶液として供給され、多くの場合反応
原料となる有機化合物が水と相溶性がないため、過酸化
水素水溶液が水相となり、有機化合物を含む相が有機相
となって2相界面(液/液界面)が形成された不均一系
となる。このような不均一系で触媒反応を進行させるた
めには、両相を触媒と接触させる工夫が必要となる。
【0005】このような不均一系で触媒反応を進行する
ための方法として、例えば、水相に対して相溶性を有す
る有機溶媒を添加して過酸化水素の有機相への溶解性を
高める方法が下記刊行物(1)に開示されている。この
方法では、有機溶媒と生成物との分離が難しいうえ、生
成物が水との接触を避けられないため、特にエポキシド
等を選択性を高めて合成を行うことが極めて難しいとい
う問題がある。 (1)M.Hudlick′y,“Oxidation
s in Organic Chemistry”,A
CS Monograph 186(1990)Am.
Chem.Soc.(米)p.7。
【0006】また、触媒として水相と有機相の両方の液
相に親和性を有する相間移動触媒を用い、無溶媒で酸化
反応を行うことが下記刊行物(2)及び(3)に開示さ
れている。しかしながら、このような反応系では、液相
に溶解した相間移動触媒の回収や再利用が難しいという
問題がある。
【0007】(2)J.Am.Chem.,119(1
997)(米)K.Sato,M.Aoki,J.Ta
kagi,R.Noyori,“Organic So
lvent− and Halide−Free Ox
idation of Alcohols with
Aqueous Hydrogen Peroxid
e”p.12386−12387。 (3)A.S.Rao,H.R.Mohan,“Enc
yclopedia of Reagents for
Organic Synthesis”(1995)
L.A.Paquette,John Wiley a
nd Sons,Chichester(英)p.27
31−2735。
【0008】そこで、このような2相界面が形成される
不均一系に固体触媒等の不均一系触媒を用いて反応を行
うと、不均一系触媒の利点を生かして不均一系反応を化
学工業において実用的に行うことが可能となる。例え
ば、チタン含有ゼオライト触媒により過酸化水素水溶液
を用いて液相酸化反応を行う場合には、ゼオライト触媒
等が固体相となり、過酸化水素水溶液が水相となり、反
応原料となる有機化合物を含む相が有機相となって3相
界面が形成された不均一系反応となる。しかしながら、
通常は固体触媒の活性サイト(活性点)がゼオライト等
の細孔内にあることから、反応を進行させるためには、
固体触媒の活性サイトに過酸化水素水溶液及び反応物を
移動させる工夫が必要となる。
【0009】固体触媒としてゼオライト触媒を用いて、
無溶媒で過酸化水素水溶液(水相)と反応物(有機相)
との混合液を激しく攪拌してゼオライト触媒(固相)と
両相とを接触させることにより、強制的にこれら3相界
面を形成させて反応させる方法が、シリカ結晶格子中に
チタン原子を取り込んだチタノシリケートと呼ばれる触
媒活性の高いゼオライト触媒を用いた系で下記刊行物
(4)〜(8)に開示されている。
【0010】(4)J.chem.Soc.Chem.
Commun(1995)(英)A.Bhaumik,
R.Kumar,“Titanium Silicat
e Molecular Sieve(TS−1)/H
Induced Triphase Cata
lysis in the Oxidation of
Significant Enhancement o
f Activityand Para−Select
ivity”p.349−350。
【0011】(5)J.Catal,176(199
8)(米)A.Bhaumik,T.Tatsumi,
“Selective Dihydrokylatio
n over Titanium Silicate
Molecular Sieves”p.305−30
9。 (6)J.Catal,178(1998)(米)A.
Bhaumik,P.Mukherjee,R.Kum
ar,“Triphase Catalysiseve
s under Solvent−Free Cond
itions;Direct Hydroxylati
on of Benzene”p.101−107。
【0012】(7)Appl.Catal.A:Gen
eral,167(1998)(英)J.C.van
der Waal,M.S.Rigutto,H.va
n Bekkum,“Zeolite Titaniu
m Beta as A Selective Cat
alyst in the Epoxidationo
f Bulky Alkenes”p.331−34
2。 (8)Catal.Rev.−Sci.Eng.,42
(2000)(米)M.Dusi,T.Mallat,
A.Baiker,“Epoxidationof F
unctionalized Olefins ove
r SolidCatalysis”p.213−27
8。
【0013】ゼオライト等の安定な酸化物触媒の多くは
親水的であるため、水相と有機相とからなる液相中に入
れれば水相に分布することになるため、過酸化水素水溶
液(水相)と反応物(有機相)とからなる反応系では、
これらの相をみかけ上均一なエマルションになる程度ま
で激しく攪拌して反応物を触媒上の活性サイトへ移動さ
せることが必須となり、実際上攪拌なしでは反応がほと
んど進行しないことが下記刊行物(9)に開示されてい
る。 (9)Stud.Surf.Sci.Catal.,
(1992)(米)D.R.C.Huybrecht
s,Ph.L.Buskens,P.A.Jacob
s,“Alkane Oxygenations by
onTitanium Silicali
te”p.21−31。
【0014】これら刊行物(4)〜(9)に記載された
ような場合では、激しく攪拌を続けているかぎり、図2
の概念図に示されるように、有機相中にゼオライト触媒
を含む水相の液滴が分散したみかけ上均一なエマルショ
ンになり、攪拌を止めると水相が沈降して上下2相に分
離することになる。通常は活性サイトがゼオライト触媒
の細孔内にあることから、反応が進行するためには、図
4の概念図に示されるように、下記(a)〜(h)に記
載するような操作、すなわち過酸化水素と反応物の移動
・拡散プロセスが必要になると考えられている。
【0015】(a)水相中の過酸化水素のゼオライト表
面への移動、(b)過酸化水素のゼオライト表面から細
孔内活性サイトへの移動、(c)反応物の有機相−水相
界面への移動、(d)反応物の有機相−水相界面から水
相への移動、(e)水相中の反応物の混合と拡散、
(f)水相中の反応物のゼオライト表面への移動、
(g)反応物のゼオライト表面から細孔内活性サイトへ
の移動、(h)触媒反応(過酸化水素及び反応物の吸
着、酸素移動、脱離)。
【0016】このようなプロセスでは、過酸化水素や反
応物を触媒の活性サイトまで移動させるために、不均一
系を激しく攪拌することが必須となる。実際上、攪拌な
しでは反応はほとんど進行しないことになる。従って、
このような不均一系反応を研究室でビーカースケールで
行うことは可能であるが、化学工業においてプラントス
ケールで行うには大掛かりな装置が必要となり、製造を
簡便にして製造コストを削減するための研究の余地があ
った。
【0017】液体−液体の2相中間にポリスチレン樹脂
等の固体触媒を含む有機相を配置させて行う反応を「3
相触媒反応」として、過酸化水素によるオレフィンの酸
化反応を行うことが下記刊行物(10)〜(13)に開
示されている。しかしながら、この反応では、中間の触
媒相には触媒であるポリスチレンのポリマーを膨潤させ
るために有機溶媒を加える必要があり、製造方法として
理想的な無溶媒での反応系にすることはできない。ま
た、中間相にうまく分布する樹脂が利用できるだけであ
り、触媒として利点が多い各種の固体触媒の利用が期待
できる画期的な手法により化学工業の様々な分野におい
て活用できるようにするための研究の余地があった。
【0018】(10)J.Am.Chem.Soc.,
97(1975)(米)S.L.Regan,“Tri
phase Catalysis”p.5956−59
57。 (11)J.Am.Chem.Soc.,98(197
6)(米)S.L.Regan,“Triphase
Catalysis.Kinetics ofCyan
ide Displacement on 1−Bro
mooctane”p.6270−6274.
【0019】(12)Angew.Chem.Int.
Ed.Engl.,18(1979)(独)S.L.R
egan,“Triphase Catalysis”
p.421−492。 (13)J.Am.Chem.Soc.,101(19
79)(米)Stephen E.Jacobson,
Frank Mares,Patrick M.Zam
bri,“Biphase and Triphase
Catalysis.Arsonated Poly
styrenes as Catalysts for
Epoxidation of Olefin by
Aqueous Hydrogen Peroxid
e”p.6946−6949。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、固体触媒を用いる不均一系
反応において、触媒の分離・回収や再利用を行うことが
容易であり、しかも、反応物や触媒を強制的に移動させ
なくても容易に反応を進行させることができることによ
り、クリーンな反応系として環境負荷を低減したり製造
コストを削減したりすることができる新しい不均一系反
応方法及びそれに好適に適用できる界面触媒を提供する
ことを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、固体状の界面
触媒を含有し、液/液界面を形成する不均一系で反応物
を反応させてなる不均一系反応方法であって、上記界面
触媒を上記液/液界面に接する位置に配置して上記液/
液界面を反応帯域として反応を行う不均一系反応方法で
ある。本発明はまた、固体状の界面触媒であって、上記
界面触媒は、液/液界面を形成する不均一系で上記液/
液界面に接する位置に配置されるように、表面に親水性
部分と親油性部分とを有する界面触媒でもある。
【0022】本発明者らは、液/液界面を形成する不均
一系反応において、固体触媒に代表される不均一系触媒
を用いる場合の問題点を綿密に精査したうえで鋭意研究
を行った結果、液相−液相の液/液界面を有する不均一
系で該液/液界面に接する位置に配置されるような固体
触媒を設計・修飾して、図1の概念図に示されるような
理想的な液相反応系、中でも好適には液相酸化反応系を
構築することができるという劇的な効果が生じる事実に
遭遇し、本発明に到達したものである。このような不均
一系反応が従来の液相−液相の液/液界面に加えて固体
触媒を固相としたいわゆる3相反応系と大きく異なるの
は、図3の概念図に示されるように、両液相中に存在す
る反応物と触媒が有する活性サイトとを常に接触させる
ことが可能であり、反応を進行させるためにこれらを強
制的に移動させる上記(a)〜(h)のような操作を行
う必要がないということである。つまり、生成物や水等
の液相の濃度勾配による拡散を利用すれば、理想的には
攪拌しなくても反応を進行させることが可能となる。ま
た、あらゆる固体触媒の利用が期待できると共に、有機
溶媒を用いることなく反応を行うことが可能となり、ク
リーンな反応系として環境負荷を低減したり製造コスト
を削減したりすることができるきわめて画期的な反応系
である。以下に、本発明を詳述する。
【0023】本発明の不均一系反応方法は、固体状の界
面触媒を含有し、液/液界面を形成する不均一系で反応
物を反応させてなる。上記固体状の界面触媒とは、本発
明の作用効果を発揮する固体状の触媒を意味する。この
ような固体状の触媒は、いわゆる固体触媒と呼ばれるも
のであり、本発明では、あらゆる固体触媒を設計・修飾
して本発明の作用効果を発揮させる可能性があり、特に
限定されるものではない。例えば、固体触媒の設計・修
飾の容易性、入手の容易性、触媒能を充分に発揮するか
否か等を考慮すると、ゼオライトを担体及び/又は活性
成分として形成されるものが好ましい。なお、本明細書
中、固体状とは、反応系となる液相に溶解しない状態を
意味し、例えば、好ましい形態としては反応系となる液
相中でいわゆるサブミクロンからミクロン単位以下とな
る粒子状態等を形成する状態であり、各粒子が会合・凝
集等していてもよい。また、数オングストローム程度の
細孔を有するものであってもよい。
【0024】上記界面触媒の含有量としては、後述する
ように界面触媒を上記液/液界面に接する位置に配置し
て該液/液界面を反応帯域として反応を行うことができ
れば特に限定されず、例えば、すべての界面触媒が上記
要件を満たすような含有量とすることが好ましいが、過
剰量として一部の界面触媒が上記要件を満たさないよう
な含有量としてもよい。
【0025】上記液/液界面を形成する不均一系は、液
体と液体とにより形成される境界面を有する液相の不均
一系であり、いわゆる液体−液体の2相界面を有する液
相である。このような不均一系は、界面触媒を用いる反
応系において反応が進行するときに形成されていればよ
い。すなわち反応が進行する温度や攪拌等の反応条件に
より液体と液体とにより形成される境界面を有する液相
の不均一系となっていればよく、例えば、通常は常温
(25℃)で液体と液体とにより境界面を有する液相の
不均一系を用いるのが一般的であるが、反応が進行しな
い温度や攪拌等の条件では固体と固体や、固体と液体で
ある不均一系が、反応が進行する温度や攪拌等の反応条
件とすれば液体と液体となり境界面を有することになる
場合や、反応が進行しない温度や攪拌等の条件では互い
に混じり合っている均一系が、反応が進行する温度や攪
拌等の反応条件とすれば互いに混じり合わない液体と液
体となって不均一系を形成して境界面を有することにな
る場合でもよい。
【0026】上記液/液界面を形成する不均一系はま
た、上下2相に分離した不均一系により境界面を有する
場合であってもよく、このような系を攪拌することによ
り一方の相が他方の相中に懸濁された不均一系となり各
懸濁粒子と分散媒との境界面を有する場合であってもよ
い。これらの中でも、界面触媒を用いる反応終了後に触
媒の分離・回収や再利用を行うことを容易とするために
は、少なくとも反応終了後には上下2相に分離するよう
な不均一系である場合が好ましい。
【0027】上記不均一系では、液相中に少なくとも1
つの液/液界面が形成されればよく、例えば、液相中に
2つ以上の液/液界面が形成される場合や、液/液界面
以外の界面が形成される場合であってもよい。液/液界
面以外の界面が形成される場合としては、例えば、気体
が液体中に分散されることにより気相と液相とからなる
気/液界面が形成される場合、上記界面触媒以外の固体
が液体中に分散されることにより固相と液相とからなる
固/液界面が形成される場合等が挙げられる。
【0028】上記液/液界面を形成する液相としては、
例えば、極性が異なる2相により形成される液相等が挙
げられ、代表的なものとして、親水相と親油相とにより
形成される液相等が挙げられる。これら親水相と親油相
とを形成する化合物は、それぞれ単独であってもよく、
2種以上であってもよい。
【0029】上記親水相を形成する化合物としては、水
の他、例えば、水に混じり合う化合物等が挙げられ、具
体的には、メタノール等のアルコール;エチレングリコ
ール等のジオール類やグリセリン等のトリオール類等の
多価アルコール;ギ酸、酢酸等の酸類;これらの化合物
に混じり合う反応物を混合した溶液等が挙げられる。こ
れらの中でも、化学工業で広く適用することができて安
全性が高くなることから、水や、水と水に混じり合う化
合物とを混合した混合物を用いることが好適である。す
なわち上記不均一系で液/液界面を形成する1相が、水
相であることが好ましい。また、上記親油相を形成する
化合物としては、例えば、水に混じり合わない化合物等
が挙げられ、具体的には、オレフィン;芳香族炭化水
素;これらの化合物に混じり合う反応物を混合した溶液
等が挙げられる。
【0030】上記反応物とは、反応を進行させるための
界面触媒以外の原料物質を意味する。このような反応物
は、通常は不均一系を形成する各相中に1種又は2種以
上が含有されることになる。また、本発明の不均一系反
応方法では、界面触媒の触媒作用を受ける反応物が1種
又は2種以上含有されることになる。
【0031】本発明の不均一系反応方法による反応例と
しては、不均一系反応での触媒反応であれば特に限定さ
れず、例えば、極性の異なる反応物の反応等が挙げら
れ、具体例としては、酸化反応に好適に適用することが
できる他、水和反応、脱水反応、エステルの加水分解反
応、エステル化反応、重合反応、縮合反応、不均化反
応、アルキル化反応、アルコール・グリコール付加によ
るエーテル化反応等に適用することができる。これらの
反応は、単独の反応であってもよく、2つ以上の反応が
組み合わされた反応であってもよい。
【0032】本発明の不均一系反応方法では、上記不均
一系で液/液界面を形成する1相が水相である場合に
は、上記水相中の反応物が、過酸化水素であり、上記反
応が、酸化反応であることが好ましい。これにより、ク
リーンな反応系とすることができ、各種の物質を強力に
酸化することが可能となる。なお、上記水相中には他の
反応物が含有されていてもよい。
【0033】本発明の不均一系反応方法では、上記界面
触媒を上記液/液界面に接する位置に配置して該液/液
界面を反応帯域として反応を行う。上記界面触媒を上記
液/液界面に接する位置に配置するとは、界面触媒の表
面の少なくとも一部が該液/液界面に接することになる
ような位置に界面触媒を配置することであり、界面触媒
の表面の一部が該液/液界面に接していてもよく、界面
触媒の表面の全部が該液/液界面に接していてもよい。
また、界面触媒の表面の一部が一方の相に接し、他の部
分がもう一方の相に接することにより表面の一部が液/
液界面に接して配置される場合でもよく、界面触媒の表
面の一部が液/液界面に接し、他の部分がいずれか一つ
の相に接する場合でもよい。例えば、図1の概念図に示
されるように、界面触媒の表面の一部が液/液界面に接
し、ゼオライト表面が水相に、後述するアルキルシリル
化部位が有機相に接する場合や、水相中に存在する界面
触媒が水相と有機相との界面に接する場合等が挙げられ
る。
【0034】上記界面触媒を反応操作中に上記液/液界
面に接する位置に配置する期間としては、反応を行う間
終始配置するようにしてもよく、反応物や生成物等の移
動に伴って移動させることにより、反応を行う間の一時
期だけ配置するようにしてもよいが、反応終了後に触媒
の分離・回収や再利用を行うことを容易とするために
は、液/液界面を有する液相を少なくとも反応終了後に
は上下2相に分離するものとし、反応終了後に界面触媒
を該液/液界面に接する位置に配置するように行うこと
が好ましい。
【0035】上記液/液界面を反応帯域として反応を行
うとは、界面触媒が配置された液/液界面において界面
触媒が反応物に対して触媒作用を発揮して反応が進行す
ることを意味する。すなわち図3の概念図に示されるよ
うに、液/液界面を形成する液相中に界面触媒の触媒作
用を受ける反応物が含まれ、該反応物が該液/液界面に
接する位置に配置された界面触媒の活性サイトに移動、
吸着、反応、脱離、拡散等するプロセスを経て反応が進
行することになる。
【0036】本発明の不均一系反応方法では、界面触媒
がチタンを有することにより、該チタンあるいはチタン
化合物を活性サイトとすることが好ましい。あるいは界
面触媒がブレンステッド酸及び/又はルイス酸を有し、
これらの酸点を活性サイトとすることが好ましい。これ
により、本発明における界面触媒が各種の化学反応にお
いて触媒作用を発揮することが可能となり、化学工業の
様々な分野において有用なものとなる。この場合、界面
触媒がゼオライト等の担体により形成されるときには、
チタンをゼオライト等の表面に担持させてもよく、細孔
内部に担持させてもよいが、本発明では、主に表面で触
媒作用を発揮させることが好ましいことから、主に表面
に担持させることが好ましい。このようにゼオライト等
の担体に担持されたチタンの形態としては特に限定され
ず、例えば、酸化チタン微粒子の形態等が挙げられる。
ブレンステッド酸及び/又はルイス酸を有する触媒とし
てはゼオライトやシリカアルミナ等のいわゆる固体酸が
好ましい。
【0037】本発明の不均一系反応における作用効果と
しては、例えば、以下の(1)〜(4)に記載するよう
なこと等が挙げられる。 (1)本発明の反応条件においては、反応物や界面触媒
を強制的に移動させるような条件としてもよく、そのよ
うな条件としなくてもよい。反応物や界面触媒を強制的
に移動させるためには、例えば、攪拌したり反応温度を
高めて反応物や界面触媒を対流させたりすることにな
る。この場合には、液/液界面の面積が増加するため界
面触媒の使用量を増加することができ、これにより反応
効率を向上することも可能となる。本発明では、液/液
界面に接する位置に配置された界面触媒の活性サイトで
反応が進行するため、該液/液界面近傍の各相中の各反
応物の濃度は減少してそれぞれの相に濃度勾配が生じ、
結果として各反応物が外部から攪拌等を加えなくても各
相内を移動・拡散することになる。このプロセスでは、
図3に示されるように、液/液界面を形成する各相中の
各反応物が界面触媒の活性サイトに連続的に供給される
ことになり、無攪拌条件で触媒活性を発揮させて反応を
進行させることが可能となる。
【0038】(2)固体触媒を用いる利点として、触媒
の分離・回収や再利用を行うことが容易となる作用効果
があり、更に、液/液界面を有する液相を少なくとも反
応終了後には上下2相に分離するものとし、反応終了後
に界面触媒を該液/液界面に接する位置に配置するよう
に反応を行うと、該作用効果をより充分に発揮させるこ
とが可能となる。
【0039】(3)少なくとも2相により液/液界面を
形成する不均一系反応において、両相に相溶性を有する
溶媒を添加しなくても反応が進行し、また、ポリスチレ
ン樹脂等の固体触媒を用いる場合のように樹脂を膨潤さ
せるために有機溶媒を添加する必要がないことから、有
機溶媒を用いることなく反応を行うことが可能となり、
クリーンな反応系として環境負荷を低減したり製造コス
トを削減したりすることができる理想的な反応系とする
ことが可能となる。
【0040】(4)固体触媒として限られたものを利用
できるのではなく、あらゆる固体触媒の利用が期待でき
る画期的な手法であり、特にゼオライト触媒に好適に適
用することができるが、その他にも固体酸触媒や樹脂触
媒等の各種の固体触媒に適用することが可能となる。
【0041】本発明の不均一系反応方法に用いることが
できる界面触媒は、本発明の作用効果を発揮することが
できるように設計・修飾された固体触媒であれば特に限
定されるものではない。例えば、固体状の界面触媒であ
って、液/液界面を形成する不均一系で該液/液界面に
接する位置に配置されるように、表面に親水性部分と親
油性部分とを有する界面触媒を用いることが好ましい。
これにより、本発明の作用効果を発揮することができる
ようにあらゆる固体触媒を設計・修飾することができる
可能性がある。このような界面触媒もまた、本発明の一
つである。
【0042】上記界面触媒は、固体状の界面触媒であっ
て、固体状であるため表面を有し、液/液界面を形成す
る不均一系で該液/液界面に接する位置に配置されるよ
うに、表面に親水性部分と親油性部分とを有する。上記
界面触媒としては、上述したのと同様にあらゆる固体触
媒を設計・修飾して本発明の作用効果を発揮させる可能
性があり、特に限定されるものではない。例えば、ゼオ
ライトを担体として形成されるものが好ましく、シリカ
結晶格子中にチタン原子のような活性サイトとなるもの
を取り込んだゼオライト触媒を修飾したもの等であって
もよい。
【0043】上記界面触媒において、表面に親水性部分
と親油性部分とを有するとは、界面触媒の各粒子表面に
親水性部分と親油性部分とが1箇所以上あればよく、例
えば、界面触媒の各粒子表面において、一方の性質を有
する部分に他方の性質を有する部分が分散されて存在し
ていてもよく、一方の性質を有する部分と他方の性質を
有する部分とが区分けされて存在していてもよい。ま
た、親水性部分は、親水性を示す限り、すべて同じ親水
性を示してもよく、異なった親水性を示してもよい。同
様に、親油性部分は、親油性を示す限り、すべて同じ親
油性を示してもよく、異なった親油性を示してもよい。
なお、本明細書中、界面触媒の表面とは、界面触媒の外
表面を意味するものであり、界面触媒の細孔の表面を意
味するものではない。
【0044】上記親水性部分とは、水に対して親和性を
示す部分であり、上記親油性部分とは、水に対して親和
性を示さないいわゆる疎水性部分であり、本発明では、
界面触媒が液/液界面を形成する不均一系で該液/液界
面に接する位置に配置されるようになる限りこれらの性
質は相対的なものであることを意味し、例えば、親水性
部分は親油性部分よりも水に対して親和性を示す限り油
に対して親和性を示してもよく、親油性部分は親水性部
分よりも水に対して親和性を示さない限り水に対して親
和性を示してもよい。
【0045】上記界面触媒の表面に親水性部分と親油性
部分とを存在させる方法としては、例えば、親水性を有
する表面の一部に親油性部分を導入したり、親油性を有
する表面の一部に親水性部分を導入したりする方法等が
挙げられる。本発明の界面触媒では、親水性を示すゼオ
ライトを担体及び/又は活性成分として形成されるもの
が好ましいことから、親水性を有する表面の一部に親油
性部分を導入することが好ましい。
【0046】本発明の界面触媒の好ましい形態は、表面
の親油性部分がアルキルシリル化されてなることであ
る。これにより、親水性を有する表面に親油性部分を容
易に導入することが可能となる。この場合、例えば、ア
ルキルシリル化剤により界面触媒の表面がアルキルシリ
ル化されることになる。このようなアルキルシリル化方
法において、アルキルシリル化剤のアルキル基の炭素数
やアルキルシリル化剤の使用量は、界面触媒が液/液界
面を形成する不均一系で該液/液界面に接する位置に配
置されるようになる限り特に限定されず、親水性部分の
親水性の強さや界面触媒が用いられる反応系の液/液界
面を形成する液相の種類等により適宜調整されることに
なる。
【0047】上記界面触媒がゼオライトを担体及び/又
は活性成分として形成される場合には、親水性を示すゼ
オライト表面の一部がアルキルシリル化されてなること
が好ましい。これにより、ゼオライトの利点を生かし
て、ゼオライト表面に親油性部分を容易に導入すること
が可能となる。
【0048】上記界面触媒の表面の親水性部分と親油性
部分との割合としては、界面触媒が液/液界面を形成す
る不均一系で該液/液界面に接する位置に配置されるよ
うになる限り特に限定されず、親水性部分の親水性の強
さや親油性部分の親油性の強さ、界面触媒が用いられる
反応系の液/液界面を形成する液相の種類等により適宜
調整されることになる。また、上記界面触媒の表面の親
水性部分と親油性部分との分布状態としても同様である
が、界面触媒が上記位置に配置されやすくなることか
ら、例えば、親水相と親油相とにより液/液界面を形成
する不均一系で用いる場合には、親水相に接する界面触
媒の表面に親水性部分が存在し、親油相に接する界面触
媒の表面に親油性部分が存在することになるように調整
することが好ましい。例えば、図1に示されるように、
親水性を有する表面の一部がアルキルシリル化されて親
油性部分となる場合には、アルキルシリル化されてなる
表面部分が親油相に接するように親水性を有する表面の
一部をアルキルシリル化することが好ましい。
【0049】本発明でいう表面に親水性部分と親油性部
分とを有する界面触媒と従来の親水性基と親油性基を持
つ触媒との相違について説明する。例えばいわゆる陽イ
オン交換樹脂はスチレン/ジビニルベンゼン骨格という
親油性基とスルホン酸基という親水性基を持っている。
触媒表面には親水性基と親油性基が存在することにな
る。ところがこれらの基は分子レベルで混在する。従っ
て、スルホン酸基密度が大きければ触媒粒子全体として
親水性になり、逆に密度が小さければ触媒粒子全体とし
て親油性になってしまう。本発明でいう親水性部分/親
油性部分とはある程度マクロに分布しているものをい
う。それによって一つの触媒粒子の中で親水性部分/親
油性部分が区別できそれによって、2液相の界面に触媒
粒子を配置することができる。
【0050】上記界面触媒の活性サイトとしては特に限
定されず、例えば上述したのと同様に、界面触媒がチタ
ンを有することにより、該チタンあるいはチタン化合物
を活性サイトとすることが好ましい。この場合、界面触
媒がゼオライト等の担体により形成されるときには、上
記チタンをゼオライト等の担体表面に担持させてもよ
く、担体表面や細孔に担持させてもよいが、本発明の界
面触媒では、主に表面で触媒作用を発揮させることが好
ましいことから、主に担体表面に担持させることが好ま
しい。このようにゼオライト等の担体に担持されたチタ
ンの形態としては特に限定されず、例えば上述したのと
同様に、酸化チタン微粒子の形態等が挙げられる。ある
いは上述したように界面触媒がブレンステッド酸及び/
又はルイス酸を有し、これらの酸点を活性サイトとする
ことが好ましい。具体的にはZSM−5やBETAのよ
うなゼオライトやシリカアルミナ等の固体酸触媒が挙げ
られる。
【0051】本発明の不均一系反応方法及び界面触媒
は、化学工業の様々な分野において利用される各種の反
応に適用することができるが、特に、「2液相界面触媒
反応」として、親水性表面と疎水性表面とを各粒子が合
わせもち、好ましくはチタン原子による活性サイトを有
する固体触媒を液体−液体の2相界面(液/液界面)に
接する位置に配置して、過酸化水素を酸化剤とした液相
酸化反応を該2相界面を反応帯域として行う場合に好適
に適用することができる。このような液相酸化反応にお
いては、元々親水的であるゼオライト触媒の表面を部分
的にアルキルシリル化して疎水性部分を導入することで
液体−液体の2相界面に分布する界面触媒を用いること
が好適である。これにより、例えば、1−オクテンのエ
ポキシ化反応を、過酸化水素水溶液を水相とし、1−オ
クテンを有機相として無溶媒、常温で、撹件等により反
応物と過酸化水素を強制的に拡散・移動させることな
く、高選択的に反応を進行させることができることにな
る。
【0052】上記ゼオライト触媒の表面を部分的にアル
キルシリル化した界面触媒では、図1の概念図に示され
るように、表面の一部が疎水性であり、他の部分が親水
性であるため、上記過酸化水素を酸化剤とした液相酸化
反応において、2相界面で親水性の表面部分が水相の側
に配向し、疎水性の表面部分が有機相の側に配向して、
図3の概念図に示されるように、過酸化水素と1−オク
テン等の反応原料が界面触媒の活性サイトに供給される
ことになり、酸化反応が容易に進行することとなる。
【0053】本発明の不均一系反応方法及び界面触媒は
上述した酸化反応のほかに例えば、水やアルコールを反
応試剤としてオレフィンと反応させるエーテル化反応や
水和反応に好適に適用することができる。本発明の不均
一系反応方法において、上記不均一系で液/液界面を形
成する1相が水相である場合には、水相中の反応物が、
水及び/又はアルコールであり、上記反応が、固体酸触
媒を使用する酸触媒反応であることは、本発明の好まし
い実施形態の1つである。
【0054】上記ゼオライト触媒をアルキルシリル化し
て反応物や溶媒となる有機物との親和性を高めることが
下記刊行物(14)及び(15)に報告されている。し
かしながら、いずれも有機溶媒に分散する完全に疎水的
なゼオライトとなり、液/液界面に接する位置に配置さ
れるように親水−疎水性バランスを制御するための部分
的な修飾法はこれまでに類例はない。
【0055】(14)Chem.Commun(199
8)(英)T.Tatsumi,K.A.Koyan
o,N.Igarashi,“Remarkable
Activity Enhancement by T
rimethylsililation in Oxi
dation of Alkenes and Alk
anes with H catalyzed
by Titanium−Containing Me
soporous Molecular Sieve
s”p.325−326。 (15)Microporous and Mesop
orous Mater.32(1999)(蘭)R.
Singh,P.K.Dutta,“Use of S
urface−Modified Zeolite Y
for Extraction of Metal
Ions from Aqueous to Orga
nic Phase”p.29−35。
【0056】本発明においては、不均一系反応におい
て、反応終了後に触媒の分離・回収や再利用を行うこと
が容易となり、しかも、反応物や触媒を強制的に移動さ
せなくても容易に反応を進行させることができることに
より、クリーンな反応系として環境負荷を低減したり製
造コストを削減したりすることができることになり、化
学工業の様々な分野において有用であり画期的な不均一
系反応方法及び界面触媒を提供することが可能となる。
【0057】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0058】実施例1及び比較例1〜2界面触媒(部分修飾ゼオライト)及び比較の固体触媒の
調製 部分修飾ゼオライトは、図5の概念図に示されるよう
に、次の二段階の反応で合成した。最初に、NaYゼオ
ライト粉末(触媒学会参照触媒、番号「JRC−Z−Y
5.5」)をチタンテトライソプロポキシド/ベンゼン
溶液に懸濁して溶媒を蒸発、乾燥の後、空気中383K
で一晩熱処理を行って、Ti担持ゼオライト(Ti−ゼ
オライト)を得た。続いて、Ti−ゼオライト(1g)
に水(0.001mL)を加え、これをn−オクタデシ
ルトリクロロシラン(OTS)/トルエン溶液中に加え
て蒸発、乾燥(空気中、383K、一晩)して、部分シ
リル化−Ti担持ゼオライト(P−Sil−Ti−ゼオ
ライト)を得た。二段階目に加える水は、ゼオライト粒
子をつなぎあわせる「バインダー」となっていると考え
られ、図5の概念図に示されるように、これら会合粒子
の最外表面のみシリル化されていると考えられる。ま
た、水を加えないでゼオライト粒子全体をシリル化した
ゼオライト(F−Sil−Ti−ゼオライト)について
も調製した。
【0059】本発明の界面触媒(部分修飾ゼオライト)
が部分シリル化−Ti担持ゼオライト(部分OTS化T
i−ゼオライト、P−Sil−Ti−ゼオライト)〔実
施例1〕であり、比較の固体触媒がTi担持ゼオライト
(Ti−ゼオライト)〔比較例1〕とゼオライト粒子全
体をシリル化したゼオライト(OTS化Ti−ゼオライ
ト、F−Sil−Ti−ゼオライト)〔比較例2〕であ
る。これら触媒の組成を以下に記載する。
【0060】チタン(Ti)担持量:0.5mmol/
(ゼオライト1g) アルキルシラン(n−オクタデシルトリクロロシラン,
OTS)担持量:0.5mmol/(ゼオライト1g) 部分OTS化Ti−ゼオライト(P−Sil−Ti−ゼ
オライト)調製時の水の添加量:0.5mL/(ゼオラ
イト1g)
【0061】エポキシ化反応 1−オクテンの過酸化水素によるエポキシ化反応をモデ
ル反応に用いた。各触媒50mg、1−オクテン4mL
と1mLの過酸化水素水溶液(30%)をガラス製容器
に入れて20時間、室温、空気中で反応させた。攪拌を
行うときは、テフロン(R)被覆された攪拌子を入れ
て、磁気攪拌器で回転させることで行った。エポキシ化
反応の反応溶液と反応条件とを以下に記載する。
【0062】(1)反応溶液 触媒:50mg 1−オクテン:4mL 30%過酸化水素水溶液:1mL (2)反応条件 容器:10mLガラスチューブ(直径1.6cm) 温度:常温(r.t.) 雰囲気:空気中 時間:20時間(h) 攪拌:有・無両方で行った。
【0063】結果と考察 反応結果(1,2−エポキシオクタンの生成量)を以下
に記載する。 Ti−ゼオライト(攪拌有):2.5μmol Ti−ゼオライト(攪拌無):0.2μmol P−Sil−Ti−ゼオライト(攪拌有):27.4μ
mol P−Sil−Ti−ゼオライト(攪拌無):26.0μ
mol F−Sil−Ti−ゼオライト(攪拌有):5.9μm
ol F−Sil−Ti−ゼオライト(攪拌無):3.6μm
ol
【0064】図6に示したグラフに、Ti−ゼオライト
を用いた結果をA、P−Sil−Ti−ゼオライトを用
いた結果をB、及び、F−Sil−Ti−ゼオライトを
用いた結果をCとして示した。また、これらの反応系で
の1−オクテンのエポキシ化反応の反応容器中でのよう
すを概念図で示した。いずれの触媒を用いても主生成物
は1,2−エポキシオクタンであり、他の生成物はほと
んどみられなかった。この反応系における化学反応式を
下記式(1)に示す。
【0065】
【化1】
【0066】この反応系において、明らかに、Ti−ゼ
オライトを部分シリル化することで、1,2―エポキシ
オクタン活性が増加し、特に、P−Sil−Ti−ゼオ
ライトを用いると大幅に活性は増加(約6倍)した。
【0067】P−Sil−Ti−ゼオライトは、攪拌を
行わないでも反応は進行し、1,2−エポキシオクタン
の生成量も攪拌したときと同等、つまり同じ活性を示し
た(図6B)。これは、従来の3相界面反応ではみられ
ない、本発明の反応系の画期的な特徴である(本発明の
概念図が図1と図3、従来の概念図が図2と図4)。ま
た、このときのTiあたりのターンオーバー数は約4.
5と見積もられ、触媒的に反応が進行することが確認で
きた。
【0068】Ti−ゼオライト、すなわちシリル化して
いないゼオライトは親水性で、これを水−油の溶液に加
えると水相に分散する(図6A)。反応が進行するに
は、油相である反応物(1−オクテン)をゼオライト表
面の活性サイト(Ti)に移動させなければならず、こ
れが律速あるいはバリアーとなって反応の進行は比較的
遅いと考えられる。逆にF−Sil−Ti−ゼオライト
は油相に分散する(図6C)ため、水相の過酸化水素を
活性サイトに移動させるのにバリアーが生じるものと考
えられる。一方、P−Sil−Ti−ゼオライトでは、
親油性(シリル化した表面)−親水性(シリル化してい
ない表面)をあわせもち、触媒は液体−液体の2相界面
に存在する(図6B)。このとき、反応物も過酸化水素
も一方の相にそれぞれが拡散する必要なく活性サイトに
達する(図3)ため、Ti−ゼオライトやF−Sil−
Ti−ゼオライトに比べて高い活性を示したと考えられ
る。本発明の反応系の特徴である無攪拌条件での活性
は、生成物及び過酸化水素の濃度勾配により説明でき
る。つまり、液体−液体界面にある活性サイト(Ti)
で反応が起こると、界面近傍の各相の過酸化水素と1―
オクテン濃度は減少してそれぞれの相に濃度勾配が生
じ、結果としてこれらは外部から攪拌等を加えなくても
各相内を拡散する。このプロセスは、過酸化水素がゼオ
ライトの親水性部分を介して水相から連続的に供給され
ることで達成されており、F−Sil−Ti−ゼオライ
トのように完全に表面を親油性にすると反応はほとんど
進行しない(図6C)。
【0069】以上の結果により、液体−液体の2相界面
に配置される部分シリル化Ti担持ゼオライト触媒を用
いて、新たに不均一系反応方法及び界面触媒を構築でき
ることがわかった。特に、理想的なクリーン反応系であ
る過酸化水素を酸化剤とするオレフィン(1−オクテ
ン)の無溶媒液相酸化反応を、攪拌・混合の必要なしに
触媒的に進行させることが可能であることがわかった。
【0070】実施例1の触媒(部分シリル化−Ti担持
ゼオライト(部分OTS化Ti−ゼオライト、P−Si
l−Ti−ゼオライト))を用いて、基質として、1−
オクテンに代えて1−ブテン又はシクロヘキセンを用い
て、過酸化水素によるエポキシ化反応を行った。触媒5
0mg、基質(1−ブテン又はシクロヘキセン)4mL
と1mLの過酸化水素水溶液(30%)をガラス製容器
に入れて20時間、室温、空気中で反応させた。反応
中、攪拌は行わなかった。
【0071】(1)反応溶液 触媒:50mg 1−ブテン又はシクロヘキセン:4mL 30%過酸化水素水溶液:1mL (2)反応条件 容器:10mLガラスチューブ(直径1.6cm) 温度:常温(r.t.) 雰囲気:空気中 時間:20時間(h) 攪拌:無で行った。
【0072】結果 反応結果(1,2−エポキシブタン、又は、シクロヘキ
センオキシド及びシクロヘキサノールの生成量)を以下
に記載する。 基質:1−ブテン 生成物:1,2−エポキシブタン14μmol この反応系における化学反応式を下記式(2)に示す。
【0073】
【化2】
【0074】基質:シクロヘキセン 生成物:シクロヘキセンオキシド5.4μmol及びシ
クロヘキサノール74.1μmol この反応系における化学反応式を下記式(3)に示す。
【0075】
【化3】
【0076】実施例2及び比較例3〜4界面(酸)触媒(部分修飾ゼオライト)及び比較の固体
触媒の調製 部分修飾ゼオライトは、図7の概念図に示されるよう
に、次の反応で合成した。1gのH−ZSM5ゼオライ
ト粉末(触媒学会参照触媒、番号「JRC−Z5−90
H」)に水(0.5mL)を加え、これをn−オクタデ
シルトリクロロシラン(OTS)/トルエン溶液中に加
えて5分間懸濁させた後、遠心分離、乾燥(空気中、3
83K、一晩)して、部分シリル化ゼオライト(P−S
il−ZSM5)を得た。加える水は、ゼオライト粒子
をつなぎあわせる「バインダー」となっていると考えら
れ、図7の概念図に示されるように、これら凝集粒子の
最外表面のみシリル化されていると考えられる。また、
水を加えないでゼオライト粒子全体をシリル化したゼオ
ライト(F−Sil−ZSM5)についても調製した。
【0077】本発明の界面触媒(部分修飾ゼオライト)
が、部分シリル化ゼオライト(P−Sil−ZSM5)
[実施例2]であり、比較の固体触媒が無修飾ゼオライ
ト(H−ZSM5)[比較例3]とゼオライト粒子全体
をシリル化したゼオライト(F−Sil−ZSM5)
[比較例4]である。
【0078】水和反応 シクロヘキセンの水和反応をモデル反応に用いた。各触
媒50mg、シクロヘキセン4mLと1mLの水をガラ
ス製容器(10mL、直径1.6cm)に入れて20時
間、70℃、Ar雰囲気中で反応させた。
【0079】エーテル化反応 各触媒50mg、シクロヘキセン4mLと1mLの水及
び微量のアルコール(メタノールあるいはエタノール)
をガラス製容器(10mL、直径1.6cm)に入れて
20時間、70℃、Ar雰囲気中で反応させた。
【0080】結果と考察 反応結果(シクロヘキサノールの生成量)を以下に記載
する。 H−ZSM5:27.6μmol P−Sil−ZSM5:32.4μmol F−Sil−ZSM5:27.0μmol 図8に、これらの反応系でシクロヘキセンの水和反応の
反応容器中でのようすを概念図で示した。いずれの触媒
を用いても主生成物はシクロヘキサノールであった。こ
の反応系における化学反応式を下記式(4)に示す。
【0081】
【化4】
【0082】この反応系において、他の触媒に比べP−
Sil−ZSM5が最も高い活性を示した。図7及び図
8の概念図に示したように、P−Sil−ZSM5は、
親油性(シリル化した表面)−親水性(シリル化してい
ない表面)をあわせもち、触媒は液体−液体の界面に存
在する。このとき、シクロヘキセンも水も一方の相にそ
れぞれが拡散する必要なく活性点に達し、それぞれ触媒
の疎水、親水性表面を介して連続的に供給することが可
能であるため、無攪拌で反応が比較的効率良く進行した
と考えられる。
【0083】以上の結果により、液体−液体の二相界面
に存在する部分シリル化ゼオライト触媒を用いて、新た
に不均一反応方法及び界面触媒による酸触媒反応系を構
築できることがわかった。これはシクロヘキセンの無溶
媒水和反応を、攪拌・混合の必要なしに触媒的に進行さ
せることが可能であることがわかった。
【0084】また、微量のアルコールの存在下で反応を
行った結果、シクロヘキサノールの他に対応する非対称
エーテル(メトキシシクロヘキサン、エトキシシクロヘ
キサン)が不均一反応方法及び界面触媒による酸触媒反
応によって生成することが確認できた。
【0085】実施例3及び比較例5〜6界面光触媒(部分修飾酸化チタン)及び比較の固体光触
媒の調製 部分修飾酸化チタンは、以下の反応で合成した。1gの
酸化チタン粉末(Merck社製)に水(0.36m
L)を加え、これをn−オクタデシルトリクロロシラン
(OTS)/トルエン溶液中に加えて5分間懸濁させた
後、遠心分離、乾燥(空気中、383K、一晩)して、
部分シリル化酸化チタン(P−Sil−TiO)を得
た。また、水を加えないで酸化チタン粒子表面全体をシ
リル化した酸化チタン(F−Sil−TiO)につい
ても調製した。
【0086】本発明の界面光触媒(部分修飾酸化チタ
ン)が、部分シリル化酸化チタン(P−Sil−TiO
)[実施例3]であり、比較の固体触媒が無修飾酸化
チタン(TiO)[比較例5]とゼオライト粒子全体
をシリル化した酸化チタン(F−Sil−TiO
[比較例6]である。
【0087】部分酸化反応 ベンゼンとトルエンの光触媒部分酸化反応をモデル反応
に用いた。各触媒20mg、ベンゼンあるいはトルエン
2mLと1mLの水をガラス製容器(10mL、直径
2.5cm)に入れて無攪拌で20時間、室温、空気中
で下方より290nm以上の光を照射して反応させた。
【0088】結果と考察 反応結果(ベンゼンからのフェノールの生成量)を以下
に記載する。 TiO:2.0μmol P−Sil−TiO:8.5μmol F−Sil−TiO:7.35μmol
【0089】反応結果(トルエンからのベンズアルデヒ
ドの生成量)を以下に記載する。 TiO:0.7μmol P−Sil−TiO:2.7μmol F−Sil−TiO:1.3μmol
【0090】図9に示したグラフに、TiOを用いた
結果をA、P−Sil−TiOを用いた結果をB、F
−Sil−TiOを用いた結果をCとして示した。い
ずれの触媒を用いても主生成物はフェノール及びベンズ
アルデヒドであった。これらの反応系において、TiO
に比べて修飾した酸化チタン(P−Sil−TiO
及びF−Sil−TiO)がより高い光触媒活性を示
した。
【0091】P−Sil−TiOとF−Sil−Ti
の活性を比較すると、ベンゼン酸化系では同程度で
あった一方、トルエン系ではP−Sil−TiOが約
2倍の活性を示した。比較的水に溶解するベンゼンで
は、ベンゼン相中でも反応が進行するため、液液界面に
存在するP−Sil−TiOとシクロヘキセン相に多
くが分布するF−Sil−TiOでの活性に大きな差
が見られなかったのに対して、水への溶解度が低いトル
エンでは、二相の界面でおもに反応が進行するため、P
−Sil−TiOが高活性を示したと考えられる。以
上の結果により、光触媒の親水性・疎水性を制御して界
面に配置すれば、相溶性がない二相系の界面でも光触媒
反応を効率よく進行させうることがわかった。
【0092】
【発明の効果】本発明の不均一系反応方法及び界面触媒
は、上述の構成よりなるので、不均一系反応において、
触媒の分離・回収や再利用を行うことが容易であり、し
かも、反応物や触媒を強制的に移動させなくても容易に
反応を進行させることができることにより、クリーンな
反応系として環境負荷を低減したり製造コストを削減し
たりすることができ、過酸化水素を用いた液相酸化反応
等の化学工業の様々な分野において有用で画期的な反応
方法及び触媒である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の界面触媒が有機相と水相(H
相)の界面に配置されたようすの一例を示す概念図
(左の図)と、その部分拡大概念図(中央の図)と、本
発明の界面触媒の一例を示す拡大した断面概念図(右の
図)である。
【図2】従来の固体触媒が有機相と水相(H相)
とを攪拌して水相中に配置されたようすの一例を示す概
念図(左の図)と、その部分拡大概念図(中央の図)
と、従来の固体触媒の一例を示す拡大した断面概念図
(右の図)である。
【図3】本発明の界面触媒が有機相と水相の界面におい
て活性サイトにより触媒活性を示すことを説明するため
の概念図であり、有機相と水相の界面に配置された本発
明の界面触媒の一部分を拡大した断面概念図である。
【図4】従来の固体触媒が活性サイトにより触媒活性を
示すことを説明するための概念図であり、有機相と水相
のうち水相中に配置された従来の固体触媒の一部分を拡
大した断面概念図である。
【図5】実施例において、本発明の界面触媒(P−Si
l−Ti−ゼオライト)を調製する過程(左側)と、比
較の固体触媒(F−Sil−Ti−ゼオライト)を調製
する過程(右側)を示す概念図である。
【図6】実施例の結果(1,2−エポキシオクタンの生
成量)を示すグラフと反応系のようすを示す概念図と触
媒を拡大した断面概念図である。比較の固体触媒(Ti
−ゼオライト)の場合が左上のグラフ(A)と左中の概
念図と左下の断面概念図であり、本発明の界面触媒(P
−Sil−Ti−ゼオライト)の場合が中央上のグラフ
(B)と中央中の概念図と中央下の断面概念図であり、
比較の固体触媒(F−Sil−Ti−ゼオライト)の場
合が右上のグラフ(C)と右中の概念図と右下の断面概
念図である。なお、左中、中央中及び右中の概念図は、
左側が攪拌した場合、右側が攪拌しない場合を示してい
る。
【図7】実施例において、本発明の界面触媒(P−Si
l−ZSM5)を調製する過程(左側)と、比較の固体
触媒(F−Sil−ZSM5)を調製する過程(右側)
を示す概念図である。
【図8】実施例において、シクロヘキセンの水和反応条
件下での触媒粉末の分布状態を示す概念図であり、比較
の固体触媒(H−ZSM5)の場合が左の断面概念図で
あり、本発明の界面触媒(P−Sil−ZSM5)の場
合が中央の断面概念図であり、比較の固体触媒(F−S
il−ZSM5)の場合が右の断面概念図である。な
お、左、中央及び右の概念図は、左側が攪拌した場合、
右側が攪拌しない場合を示している。
【図9】実施例において、酸化チタン光触媒によるベン
ゼン又はトルエンの酸化反応の結果(フェノール又はベ
ンズアルデヒドの生成量)を示すグラフである。比較の
固体触媒(TiO)の場合が左のグラフ(A)であ
り、本発明の界面触媒(P−Sil−TiO)の場合
が中央のグラフ(B)であり、比較の固体触媒(F−S
il−TiO)の場合が右のグラフ(C)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 39/04 C07C 39/04 41/06 41/06 43/184 43/184 45/28 45/28 47/54 47/54 C07D 301/12 C07D 301/12 303/04 303/04 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 池田 茂 札幌市北区北二十三条西13丁目10−204 (72)発明者 ハディ・ヌル 札幌市北区北二十二条西6丁目ブルーツリ ー226 701号室 (72)発明者 木幡 有佑 札幌市北区北十九条西4丁目21−115メゾ ンクレスト北大前514 (72)発明者 仙波 尚 茨城県つくば市観音台1丁目25番地12 株 式会社日本触媒内 Fターム(参考) 4C048 AA01 AA04 BB02 BC01 CC01 XX05 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA07A BA07B BA21A BA21B BA21C BA45A BC50A BC50B BE32A BE32C CB07 CB21 CB70 CB73 DA05 EC30 ED01 ED02 FA01 FB14 FC04 ZA04B ZA11B 4H006 AA02 AB84 AC41 AC42 AC44 BA10 BA30 BA33 BA55 BA68 BA71 BA95 BC14 FC22 FC52 4H039 CA60 CA62 CA63 CD10 CF10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体状の界面触媒を含有し、液/液界面
    を形成する不均一系で反応物を反応させてなる不均一系
    反応方法であって、該界面触媒を該液/液界面に接する
    位置に配置して該液/液界面を反応帯域として反応を行
    うことを特徴とする不均一系反応方法。
  2. 【請求項2】 前記界面触媒は、チタンを有することを
    特徴とする請求項1記載の不均一系反応方法。
  3. 【請求項3】 前記界面触媒は、固体酸触媒であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の不均一系反応方法。
  4. 【請求項4】 固体状の界面触媒であって、該界面触媒
    は、液/液界面を形成する不均一系で該液/液界面に接
    する位置に配置されるように、表面に親水性部分と親油
    性部分とを有することを特徴とする界面触媒。
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