JP2002241321A - アダマンタン類の製造方法 - Google Patents

アダマンタン類の製造方法

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JP2002241321A
JP2002241321A JP2001372608A JP2001372608A JP2002241321A JP 2002241321 A JP2002241321 A JP 2002241321A JP 2001372608 A JP2001372608 A JP 2001372608A JP 2001372608 A JP2001372608 A JP 2001372608A JP 2002241321 A JP2002241321 A JP 2002241321A
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catalyst
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tin
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Akio Kojima
明雄 小島
Koichi Kodoi
小土井  浩一
Shunji Tsuruta
俊二 鶴田
Masamitsu Ogata
政光 緒方
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Original Assignee
Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化水素を用いないで、固体触媒を用いてア
ダマンタン類を効率よく製造しうる方法を提供するこ
と。 【解決手段】 炭素数10以上の三環式飽和炭化水素を
異性化してアダマンタン構造を有する炭化水素を製造す
るにあたり、触媒として、周期律表の第VIII族(新周期
律表では第8〜10族)の金属から選ばれた1種又は2
種以上の金属及び錫を含有するゼオライトを用いること
を特徴とするアダマンタン類の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素数10以上の
三環式飽和炭化水素を異性化してアダマンタン構造を有
する炭化水素を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アダマンタンは、ジシクロペンタジエン
(以下、DCPDと略記することがある。)を水添して
得られるトリメチレンノルボルナン(以下、TMNと略
記することがある。)を触媒により異性化させることに
よって得られる化合物である。工業的には、従来、触媒
として塩化アルミニウムが用いられている。しかし、塩
化アルミニウムを触媒としてアダマンタンを製造する場
合、触媒を大量に使用する必要がある。しかも、この触
媒は、反応中に重質分と錯形成するため、再使用するこ
とができない。したがって、この方法を用いた場合、大
量の廃アルミニウムが生成することとなり、廃棄処理は
環境汚染という問題を生じさせることになる。また、塩
化アルミニウムは、腐食性が強いため、高価な耐腐食性
材質の装置を使用する必要がある。さらに、塩化アルミ
ニウムを用いた場合、生成したアダマンタンが着色する
ため、再結晶工程及び活性炭などによる脱色工程が必要
となり、後処理が煩雑になるという欠点を有する。他
方、固体触媒として、希土類金属あるいはアルカリ土類
金属を用いて陽イオン交換したゼオライトに白金,レニ
ウム,ニッケル,コバルト等の活性金属を含浸法で担持
したものが知られている(特公昭52−2909号公報
参照)。しかしながら、このような固体触媒を用いた場
合でも、塩化水素を共存させないと、アダマンタンの収
率が低い(TMN転化率79.5%,アダマンタン選択
率10.1%,アダマンタン収率8.0%)。したがっ
て、塩化水素は、必要不可欠であり、塩化水素の強い腐
食性のため、高価な耐腐食性材質の装置を使用する必要
がある(特公昭52−2909号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩化水素を
用いないで、固体触媒を用いてアダマンタン類を効率よ
く製造しうる方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、固体触媒として、周期律表の第VIII族金属(新
周期律表では第8〜10族の金属)のうちの少なくとも
1種及び錫を含有するゼオライトを用いることによっ
て、上記課題を達成しうることを見出した。本発明は、
かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、
本発明は、炭素数10以上の三環式飽和炭化水素を異性
化してアダマンタン構造を有する炭化水素を製造するに
あたり、触媒として、周期律表の第VIII族(新周期律表
では第8〜10族)の金属から選ばれた1種又は2種以
上の金属及び錫を含有するゼオライトを用いることを特
徴とするアダマンタン類の製造方法を提供するものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の方法に使用する触媒は、
前記のように、周期律表の第VIII族(新周期律表では第
8〜10族)の金属から選ばれた1種又は2種以上の金
属及び錫を含有するゼオライトである。ここで、周期律
表の第VIII族(新周期律表では第8〜10族)の金属と
しては、特に制限はなく、鉄,コバルト,ニッケル,ル
テニウム,ロジウム,パラジウム,オスミウム,イリジ
ウム及び白金があり、これらのうち、白金が特に好まし
い。
【0006】本発明に用いる触媒は、周期律表の第VIII
族(新周期律表では第8〜10族)から選ばれた1種又
は2種以上の金属及び錫をイオン交換法若しくは含浸法
又はこれらの組み合わせによってゼオライトに含有させ
ることによって製造することができる。イオン交換法の
場合、上記のような金属及び錫をそれぞれ、例えば、金
属塩又は金属錯塩水溶液及び錫塩水溶液としてゼオライ
トと接触させ、Y型やX型のゼオライト中のカチオンサ
イト(例えば、H+ ,NH4 + など)をイオン交換し、
乾燥し、焼成することによって得られる。また、含浸法
の場合、例えば金属塩又は金属錯塩水溶液や錫塩水溶液
と混合した後、ロータリーエバポレーター等を用いて蒸
発乾固し、含浸担持させればよい。
【0007】本発明の触媒において、周期律表の第VIII
族(新周期律表では第8〜10族)から選ばれた1種又
は2種以上の金属及び錫の含有量は、特に制限はない
が、周期律表の第VIII族金属の場合、0.1重量%以上
であるのが好ましく、錫の場合も0.1重量%以上であ
るのが好ましい。触媒の形状は、粉末,粒状など任意で
あってよい。
【0008】本発明の方法に用いる原料物質は、炭素数
10以上の三環式飽和炭化水素であり、具体的には、例
えば、トリメチレンノルボルナン,ジメチルトリメチレ
ンノルボルナン,パーヒドロアセナフテン,パーヒドロ
フルオレン,パーヒドロフェナレン,1,2−シクロペ
ンタノパーヒドロナフタリン,パーヒドロアントラセ
ン,パーヒドロフェナントレン,9−メチルパーヒドロ
アントラセンなどである。これらの三環式飽和炭化水素
は、公知の方法、例えば、対応する不飽和炭化水素の水
素添加によって製造することができる。
【0009】本発明の方法において異性化反応は、上記
の触媒の存在下に反応温度約150〜300℃、反応圧
力は常圧若しくは加圧の条件で行う。反応形式は、連続
式又は回分式であってよい。この反応を水素の共存下に
行うのが、アダマンタン類の収率向上の点から好まし
い。触媒の使用量は、回分式の場合、0.01〜2(触
媒重量/原料重量)、好ましくは0.05〜1(触媒重
量/原料重量)とする。触媒の再生は、空気中で焼成す
るなどの方法により行うことができる。
【0010】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限され
るものではない。
【0011】実施例1 SiO2 /Al2 3 モル比が5.0のNa型Y型ゼオ
ライト(以下NaYと称する)235gを2000gの
純水に攪拌懸濁し、これに硫酸アンモニウム114gを
添加溶解した後、60℃に加温して30分間攪拌した。
このスラリーを濾過後2500gの純水をかけて洗浄し
た。これを110℃で一晩乾燥し、空気中600℃で3
時間焼成して1次イオン交換品を得た。この1次イオン
交換品を純水2000gに懸濁し、これに228gの硫
酸アンモニウムを添加後、95℃に加温して30分間攪
拌した。その後2000gの純水で洗浄した。この操作
を3回繰り返し、得られた2次イオン交換品をNH4
Y型ゼオライト(以下NH 4 Yと称する)とした。得ら
れたNH4 Y178gを管状容器に入れ、100%水蒸
気下、510℃で30分間スチーミングを行った。これ
を純水2000gに撹拌懸濁した後、25%硫酸283
gを30分かけて添加した。その後スラリーの液温を9
5℃に上げ、1時間酸処理を行った。これを濾過後洗浄
し、110℃で一晩乾燥してプロトン型超安定Y型ゼオ
ライト(以下HUSYと称する)を得た。このHUSY
の格子定数は24.47であり、これよりBreckの
式より求めたSiO2 /Al2 3 モル比は10.4で
あった。得られたHUSY170gを2000gの純水
に撹拌懸濁し、これに1.71%塩化テトラアンミン白
金水溶液を180g添加し、60℃で30分間撹拌し
た。これを濾過洗浄したものを110℃で一晩乾燥して
0.93%Pt/HUSYを得た。
【0012】SnCl2 ・2H2 O0.1901gを純
水4mlに溶かした水溶液を調製した。上記の操作で得
られた触媒Pt/HUSY10gを混練しながらSnC
2水溶液を徐々に加えた。全ての水溶液を添加した
後、130℃で12時間乾燥した(Sn担持量:1重量
%)。得られた触媒4gをステンレス鋼(SUS)製の
反応管に充填し、常圧、水素気流下300℃で3時間水
素還元した。その後、TMN及び水素の供給を開始し、
250℃、2MPa,重量空間速度(WHSV)=2.
4h-1(TMN基準),水素/TMNモル比=2の条件
で連続的に反応を行った。TMN供給開始40時間後の
結果を第1表に示す。なお、TMN転化率,アダマンタ
ン選択率及びアダマンタン収率は、それぞれ下記の式に
より算出したものである。 TMN転化率=(1−反応後のTMN重量/反応前のT
MN重量)×100 アダマンタン選択率=〔生成アダマンタン重量/(反応
前のTMN重量−反応後のTMN重量)〕×100 アダマンタン収率=TMN転化率×アダマンタン選択率
/100
【0013】比較例1 SnCl2 ・2H2 Oの添加を行わなかった以外は、実
施例1と同様に触媒の調製、触媒の前処理及び反応を行
った。TMN供給開始40時間後の結果を第1表に示
す。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】本発明により、固体触媒として、周期律
表の第VIII族(新周期律表では第8〜10族)の金属か
ら選ばれた1種又は2種以上の金属及び錫を含有するゼ
オライトを用いることにより、アダマンタン類の収率を
著しく向上することができ、しかも、製造時に塩化水素
など、腐食性の強い物質を用いないので、製造装置に耐
腐食性の材料を用いる必要がなく、アダマンタン類を安
価に効率よく製造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 鶴田 俊二 福岡県北九州市若松区北湊町13−2 (72)発明者 緒方 政光 神奈川県川崎市幸区堀川町580番地 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC11 AC27 BA11 BA26 BA34 BA41 BA71 BE20 DA15 DA35 4H039 CA40 CB10 CJ10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数10以上の三環式飽和炭化水素を
    異性化してアダマンタン構造を有する炭化水素を製造す
    るにあたり、触媒として、周期律表の第VIII族(新周期
    律表では第8〜10族)の金属から選ばれた1種又は2
    種以上の金属及び錫を含有するゼオライトを用いること
    を特徴とするアダマンタン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 周期律表の第VIII族(新周期律表では第
    8〜10族)の金属が、白金である請求項1記載のアダ
    マンタン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 ゼオライトが、Y型ゼオライトである請
    求項1又は2記載のアダマンタン類の製造方法。
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