JP2005139105A - アダマンタン類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応して得られた粗アダマンタン類を、精製し、経済的に、かつ環境に負荷を与えることなく高純度のアダマンタン類を収率よく製造する工業的に有利な製造方法を提供すること。
【解決手段】 炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応し、得られた反応液に濃縮、晶析及び固液分離処理を施して得られた粗アダマンタン類を、液状有機化合物で洗浄後、洗浄液の一部又は全量を異性化工程及び/又は濃縮工程に循環するアダマンタン類の製造方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】 炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応し、得られた反応液に濃縮、晶析及び固液分離処理を施して得られた粗アダマンタン類を、液状有機化合物で洗浄後、洗浄液の一部又は全量を異性化工程及び/又は濃縮工程に循環するアダマンタン類の製造方法である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、高純度アダマンタン類の製造方法に関する。
更に詳しくは、本発明は、炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応して得られた粗アダマンタン類を、経済的にかつ環境に負荷を与えることなく精製し、高純度のアダマンタン類を収率よく製造する工業的に有利な製造方法に関するものである。
更に詳しくは、本発明は、炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応して得られた粗アダマンタン類を、経済的にかつ環境に負荷を与えることなく精製し、高純度のアダマンタン類を収率よく製造する工業的に有利な製造方法に関するものである。
アダマンタン類は、シクロヘキサン環が4個、カゴ形に縮合した構造を有し、対称性が高く、安定な化合物であり、このようなアダマンタン類骨格を有するアダマンタン類は、特異な機能を示すことから、潤滑剤、あるいは農医薬原料や高機能性工業材料の原料等として有用であることが知られている。
このアダマンタン類を製造する方法として、一般に、炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応する方法が採用されている。
そして、この異性化反応に際しては、一般に、塩化アルミニウムが触媒として用いられている。
例えば、アダマンタンは、ジシクロペンタジエン(DCPD)を水添して得られるトリメチレンノルボルナンを触媒により異性化させることによって得られ、そして該触媒として、工業的には塩化アルミニウムが使用される。
塩化アルミニウムを触媒としてアダマンタン類を製造する場合、触媒を大量に使用する必要がある上、該触媒は反応中に重質分と錯形成するため、再使用することができない。
従って、この方法を用いた場合、大量の廃アルミニウムが生成することになり、この廃棄処理は、環境汚染の問題を引き起こす原因となる。
更に、塩化アルミニウムを用いた場合、生成したアダマンタン類が着色するため、再結晶及び活性炭等による脱色工程が必要となり、後処理工程が煩雑になることを免れないという問題がある。
このアダマンタン類を製造する方法として、一般に、炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応する方法が採用されている。
そして、この異性化反応に際しては、一般に、塩化アルミニウムが触媒として用いられている。
例えば、アダマンタンは、ジシクロペンタジエン(DCPD)を水添して得られるトリメチレンノルボルナンを触媒により異性化させることによって得られ、そして該触媒として、工業的には塩化アルミニウムが使用される。
塩化アルミニウムを触媒としてアダマンタン類を製造する場合、触媒を大量に使用する必要がある上、該触媒は反応中に重質分と錯形成するため、再使用することができない。
従って、この方法を用いた場合、大量の廃アルミニウムが生成することになり、この廃棄処理は、環境汚染の問題を引き起こす原因となる。
更に、塩化アルミニウムを用いた場合、生成したアダマンタン類が着色するため、再結晶及び活性炭等による脱色工程が必要となり、後処理工程が煩雑になることを免れないという問題がある。
また、固体触媒として、陽イオン交換したゼオライトに白金、レニウム、ニッケル、コバルト等の活性金属を含浸法で担持したものが知られている(例えば、特許文献1)。
上記陽イオン交換したゼオライトに白金、レニウム、ニッケル、コバルト等の活性金属を含浸法で担持した触媒を用いるアダマンタン類の製造方法においては、前記の塩化アルミニウム触媒を用いた場合の問題は解決できるものの、生成物の分離精製処理までを含む工業的なアダマンタン類の製造方法は殆ど知られていない。
上記陽イオン交換したゼオライトに白金、レニウム、ニッケル、コバルト等の活性金属を含浸法で担持した触媒を用いるアダマンタン類の製造方法においては、前記の塩化アルミニウム触媒を用いた場合の問題は解決できるものの、生成物の分離精製処理までを含む工業的なアダマンタン類の製造方法は殆ど知られていない。
本発明者等は、粗アダマンタン類の洗浄精製用液として、アルコール、ケトン、カルボン酸等を用いることにより高純度アダマンタン類を効率よく製造できることを見出した(例えば、特願2002−220612号)が、洗浄液の処理については未検討であった。
洗浄液には、アダマンタン類が溶解しており、洗浄液を廃棄した場合、アダマンタン類の収率低下、更には環境汚染等につながる恐れがある。
また、アダマンタン類の結晶を分離した母液(晶析母液)を炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物の異性化工程等へ循環した場合、アダマンタン類の収率は向上するものの副生成物等の不純物が蓄積し、アダマンタン類の純度の低下等を起こす懸念がある。
洗浄液には、アダマンタン類が溶解しており、洗浄液を廃棄した場合、アダマンタン類の収率低下、更には環境汚染等につながる恐れがある。
また、アダマンタン類の結晶を分離した母液(晶析母液)を炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物の異性化工程等へ循環した場合、アダマンタン類の収率は向上するものの副生成物等の不純物が蓄積し、アダマンタン類の純度の低下等を起こす懸念がある。
本発明は、このような状況下で、トリメチレンノルボルナン等の炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応して得られた粗アダマンタン類を、精製し、経済的にかつ環境に負荷を与えることなく高純度のアダマンタン類を収率よく製造する工業的に有利な製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応し、得られた反応液に濃縮、晶析及び固液分離処理を施して得られた粗アダマンタン類の結晶(湿ケーキ)を、液状有機化合物で洗浄後、固液分離液(晶析母液)は循環せず、湿ケーキの洗浄液の一部又は全量を異性化工程及び/又は濃縮工程に循環することによって、その目的を達成し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応し、得られた反応液に濃縮、晶析及び固液分離処理を施して得られた粗アダマンタン類を、液状有機化合物で洗浄後、洗浄液の一部又は全量を異性化工程及び/又は濃縮工程に循環するアダマンタン類の製造方法、
(2)液状有機化合物が、沸点150℃以下の有機化合物である上記1記載のアダマンタン類の製造方法、
(3)液状有機化合物を粗アダマンタン類の結晶に対し、10〜1000質量%用い、置換洗浄後、洗浄液を循環する上記1又は2記載のアダマンタン類の製造方法、
(4)液状有機化合物を粗アダマンタン類の結晶に対し、100〜1000質量%用い、スラリー化して固液分離し、液状有機化合物で洗浄後、固液分離液を循環する上記1又は2記載のアダマンタン類の製造方法、
(5)液状有機化合物を粗アダマンタン類に対し、100〜1000質量%用いて溶解、晶析、固液分離し、液状有機化合物で洗浄後、固液分離液及び洗浄液を循環する上記1又は2記載のアダマンタン類の製造方法
を提供するものである。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応し、得られた反応液に濃縮、晶析及び固液分離処理を施して得られた粗アダマンタン類を、液状有機化合物で洗浄後、洗浄液の一部又は全量を異性化工程及び/又は濃縮工程に循環するアダマンタン類の製造方法、
(2)液状有機化合物が、沸点150℃以下の有機化合物である上記1記載のアダマンタン類の製造方法、
(3)液状有機化合物を粗アダマンタン類の結晶に対し、10〜1000質量%用い、置換洗浄後、洗浄液を循環する上記1又は2記載のアダマンタン類の製造方法、
(4)液状有機化合物を粗アダマンタン類の結晶に対し、100〜1000質量%用い、スラリー化して固液分離し、液状有機化合物で洗浄後、固液分離液を循環する上記1又は2記載のアダマンタン類の製造方法、
(5)液状有機化合物を粗アダマンタン類に対し、100〜1000質量%用いて溶解、晶析、固液分離し、液状有機化合物で洗浄後、固液分離液及び洗浄液を循環する上記1又は2記載のアダマンタン類の製造方法
を提供するものである。
本発明の方法によれば、炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応し、得られた反応液に濃縮、晶析及び固液分離処理を施して得られた粗アダマンタン類の結晶を、液状有機化合物で洗浄後、洗浄液の一部又は全量を異性化工程及び/又は濃縮工程に循環することにより、アダマンタン類の損失を抑え、経済的にかつ環境に負荷を与えることなく高純度のアダマンタン類を収率よく工業的に有利に製造することができる。
本発明の高純度アダマンタン類の製造方法においては、炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応した後、固液分離工程により分離した粗アダマンタン類の結晶が用いられる。
尚、本発明におけるアダマンタン類としては、アダマンタン類構造を有する炭化水素化合物であり、アダマンタン類の他、メチル基やエチル基等の低級アルキル基を有するアダマンタン類のアルキル置換体が挙げられる。
このアダマンタン類の合成原料としては、炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物が用いられる。
この炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物としては、特に、炭素数が10〜15の三環式飽和炭化水素化合物が好ましく、例えば、トリメチレンノルボルナン[テトラヒドロジシクロペンタジエン]、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロフェナレン、1,2−シクロペンタノパーヒドロナフタリン、パーヒドロアントラセン及びパーヒドロフェナントレン等が挙げられる。
更に、これら化合物のアルキル置換体、例えば、9−メチルパーヒドロアントラセン等も好適なものとして挙げられる。
尚、本発明におけるアダマンタン類としては、アダマンタン類構造を有する炭化水素化合物であり、アダマンタン類の他、メチル基やエチル基等の低級アルキル基を有するアダマンタン類のアルキル置換体が挙げられる。
このアダマンタン類の合成原料としては、炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物が用いられる。
この炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物としては、特に、炭素数が10〜15の三環式飽和炭化水素化合物が好ましく、例えば、トリメチレンノルボルナン[テトラヒドロジシクロペンタジエン]、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロフェナレン、1,2−シクロペンタノパーヒドロナフタリン、パーヒドロアントラセン及びパーヒドロフェナントレン等が挙げられる。
更に、これら化合物のアルキル置換体、例えば、9−メチルパーヒドロアントラセン等も好適なものとして挙げられる。
該炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物は、ジシクロペンタジエンやアセナフテン等の原料化合物を、公知の水素添加用触媒、例えば、ラネーニッケルや白金等の存在下に水素添加することにより容易に得ることができる。
本発明の方法においては、異性化反応に固体触媒が好ましく用いられる。
該固体触媒としては、例えば、希土類金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも一種の金属イオンで交換されたゼオライトや、これに白金やレニウムなどを担持させた触媒、又はA型ゼオライト、L型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト及びZSM−5等の各種ゼオライト、シリカアルミナ、アルミナ及びヘテロポリ酸等の金属酸化物に、周期律表第8族〜第10族に属する金属、具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金等の中から選ばれる少なくとも一種の金属を担持させた触媒等が挙げられる。
本発明の方法においては、異性化反応に固体触媒が好ましく用いられる。
該固体触媒としては、例えば、希土類金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも一種の金属イオンで交換されたゼオライトや、これに白金やレニウムなどを担持させた触媒、又はA型ゼオライト、L型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト及びZSM−5等の各種ゼオライト、シリカアルミナ、アルミナ及びヘテロポリ酸等の金属酸化物に、周期律表第8族〜第10族に属する金属、具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金等の中から選ばれる少なくとも一種の金属を担持させた触媒等が挙げられる。
本発明において、前記固体触媒の存在下に、前述の炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化するに際して、単環式飽和炭化水素化合物、芳香族化合物、水及び/又はアルコール類を併存させて反応を行うことができる。
ここで、併存させる単環式飽和炭化水素化合物としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン及びメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
特に、シクロヘキサン若しくはエチルシクロヘキサン又はこれらの混合物が好適である。
又、芳香族化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン及びアントラセン等の芳香族炭化水素;フェノール、ベンズアルデヒド、安息香酸、ベンジルアルコール及びアニソール等の含酸素芳香族化合物;アニリン及びニトロベンゼン等の含窒素芳香族化合物;クロルベンゼン及びブロモベンゼン等の含ハロゲン芳香族化合物等が挙げられる。
これら芳香族化合物の中でも、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン及びアントラセン等の芳香族炭化水素化合物がより好ましく、更にベンゼンが、特に、好ましい。
一方、アルコール類としては、例えば、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール及びベンジルアルコール等の一価アルコールや、エチレングリコール及びグリセリン等の多価アルコール等が挙げられる。
ここで、併存させる単環式飽和炭化水素化合物としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン及びメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
特に、シクロヘキサン若しくはエチルシクロヘキサン又はこれらの混合物が好適である。
又、芳香族化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン及びアントラセン等の芳香族炭化水素;フェノール、ベンズアルデヒド、安息香酸、ベンジルアルコール及びアニソール等の含酸素芳香族化合物;アニリン及びニトロベンゼン等の含窒素芳香族化合物;クロルベンゼン及びブロモベンゼン等の含ハロゲン芳香族化合物等が挙げられる。
これら芳香族化合物の中でも、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン及びアントラセン等の芳香族炭化水素化合物がより好ましく、更にベンゼンが、特に、好ましい。
一方、アルコール類としては、例えば、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール及びベンジルアルコール等の一価アルコールや、エチレングリコール及びグリセリン等の多価アルコール等が挙げられる。
これらの併存させる化合物の添加量は、特に制限はなく、各種状況に応じて適宜選定することができる。
固体触媒を用いて、炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化する際の反応条件については、反応温度は、通常150〜500℃、好ましくは200〜400℃であり、反応圧力は常圧もしくは加圧下に行えばよい。
また、この場合の反応形式は、流過式反応器を用いてもよいし、回分式反応器を用いてもよい。
そして、回分式で行う場合、反応時間は1〜50時間程度である。
また、この反応は水素共存下に行うのがアダマンタン類の収率向上の点から好ましい。
固体触媒を用いて、炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化する際の反応条件については、反応温度は、通常150〜500℃、好ましくは200〜400℃であり、反応圧力は常圧もしくは加圧下に行えばよい。
また、この場合の反応形式は、流過式反応器を用いてもよいし、回分式反応器を用いてもよい。
そして、回分式で行う場合、反応時間は1〜50時間程度である。
また、この反応は水素共存下に行うのがアダマンタン類の収率向上の点から好ましい。
本発明においては、上記のようにして異性化反応を行って得られた反応液を、晶析原料として用い、晶析操作により、粗アダマンタン類の結晶を分離する。
本発明においては、前記晶析原料中のアダマンタン類の濃度は10〜40質量%程度が好ましく、又、温度は、アダマンタン類が全て溶解する温度以上であればよく、特に制限はない。
アダマンタン類の濃度が10質量%未満の反応液を晶析原料とする場合には、予め蒸留等により濃縮を行うのが有利である。
これは、アダマンタン類の濃度が低すぎると、晶析工程でアダマンタン類の回収効率が低くなるためである。
一方、アダマンタン類の濃度が高すぎると、晶析した際のスラリー粘度が上がり、操作が困難となる。
本発明においては、晶析操作として、冷却晶析、蒸発晶析のいずれも採用することができ、又、その両方を組み合わせてもよい。
この晶析操作は、連続式及び回分式のいずれでも行うことができる。
本発明においては、前記晶析原料中のアダマンタン類の濃度は10〜40質量%程度が好ましく、又、温度は、アダマンタン類が全て溶解する温度以上であればよく、特に制限はない。
アダマンタン類の濃度が10質量%未満の反応液を晶析原料とする場合には、予め蒸留等により濃縮を行うのが有利である。
これは、アダマンタン類の濃度が低すぎると、晶析工程でアダマンタン類の回収効率が低くなるためである。
一方、アダマンタン類の濃度が高すぎると、晶析した際のスラリー粘度が上がり、操作が困難となる。
本発明においては、晶析操作として、冷却晶析、蒸発晶析のいずれも採用することができ、又、その両方を組み合わせてもよい。
この晶析操作は、連続式及び回分式のいずれでも行うことができる。
冷却晶析を連続式で行う場合、その操作温度は、通常−20〜50℃、好ましくは0〜30℃の範囲である。
この温度が−20℃以上であると、冷却にエネルギーを多量に消費しなくてすみ、又、50℃以下であると良好なアダマンタン類の回収効率が得られる。
回分式で行う場合も、同様の理由から、最終温度が−20〜50℃であることが好ましく、より好ましくは0〜30℃になるように調節するのがよい。
析出したアダマンタン類を含む晶析液は、ろ布や焼結金属等を用いた一般的な方法、例えば、真空ろ過や遠心分離等により固液分離処理する。
この温度が−20℃以上であると、冷却にエネルギーを多量に消費しなくてすみ、又、50℃以下であると良好なアダマンタン類の回収効率が得られる。
回分式で行う場合も、同様の理由から、最終温度が−20〜50℃であることが好ましく、より好ましくは0〜30℃になるように調節するのがよい。
析出したアダマンタン類を含む晶析液は、ろ布や焼結金属等を用いた一般的な方法、例えば、真空ろ過や遠心分離等により固液分離処理する。
本発明においては、固液分離後の洗浄工程において、未反応原料の炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物及び副生成物等を含んだ液体を分離して得られた粗アダマンタン類の結晶(湿ケーキ)を洗浄する。
ここで、副生成物とは炭素数10以上の炭化水素を意味している。
湿ケーキ中には、それぞれ液体である未反応原料の炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物及び副生成物等が含まれるので、含液率として工業的には5〜50質量%程度になるまで固液分離工程において脱液を行なうのが有利である。
含液率が高いと湿ケーキの洗浄効率が悪くなり、低いと脱液するのに時間とエネルギーを多量に消費することになる。
洗浄工程における操作としては、(1)脱液された湿ケーキに液状有機化合物(以下、有機洗浄用液と称することがある。)を透過させる置換洗浄、(2)有機洗浄用液で湿ケーキをスラリー化して、固液分離する方法、(3)有機洗浄用液に湿ケーキを溶解し、晶析、固液分離後、洗浄する方法等が挙げられる。
本発明においては、前記(1)の操作で得られた洗浄液、(2)の操作で得られた固液分離液(洗浄液)、(3)の操作で得られた固液分離液および洗浄液の一部又は全量を異性化反応工程及び/又は濃縮工程に循環する。
ここで、副生成物とは炭素数10以上の炭化水素を意味している。
湿ケーキ中には、それぞれ液体である未反応原料の炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物及び副生成物等が含まれるので、含液率として工業的には5〜50質量%程度になるまで固液分離工程において脱液を行なうのが有利である。
含液率が高いと湿ケーキの洗浄効率が悪くなり、低いと脱液するのに時間とエネルギーを多量に消費することになる。
洗浄工程における操作としては、(1)脱液された湿ケーキに液状有機化合物(以下、有機洗浄用液と称することがある。)を透過させる置換洗浄、(2)有機洗浄用液で湿ケーキをスラリー化して、固液分離する方法、(3)有機洗浄用液に湿ケーキを溶解し、晶析、固液分離後、洗浄する方法等が挙げられる。
本発明においては、前記(1)の操作で得られた洗浄液、(2)の操作で得られた固液分離液(洗浄液)、(3)の操作で得られた固液分離液および洗浄液の一部又は全量を異性化反応工程及び/又は濃縮工程に循環する。
有機洗浄用液としては、沸点150℃以下の有機化合物が挙げられる。
上記有機化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコ一ル等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン、酢酸等のカルボン酸、四塩化炭素等のハロゲン化化合物、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族化合物、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、有機化合物としては、特に石油精製工場等から得られる沸点150℃以下の中間留分(例えば、軽質ナフサや芳香族装置から得られる精製前のベンゼン、トルエン、キシレン混合物等)が安価で好ましい。
有機洗浄用液の沸点が150℃以下であると、アダマンタン類の結晶を乾燥する場合、乾燥が容易となる。
上記有機化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコ一ル等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン、酢酸等のカルボン酸、四塩化炭素等のハロゲン化化合物、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族化合物、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、有機化合物としては、特に石油精製工場等から得られる沸点150℃以下の中間留分(例えば、軽質ナフサや芳香族装置から得られる精製前のベンゼン、トルエン、キシレン混合物等)が安価で好ましい。
有機洗浄用液の沸点が150℃以下であると、アダマンタン類の結晶を乾燥する場合、乾燥が容易となる。
洗浄温度としては、−20〜50℃、好ましくは0〜30℃である。
有機洗浄用液で湿ケーキを置換洗浄を行なう場合、湿ケーキに対して該洗浄用液を10〜1000質量%、好ましくは20〜200質量%用いる。
用いる有機洗浄用液量が10〜1000質量%であると、アダマンタン類の洗浄用液中への溶解量が少なく、アダマンタン類の回収効率及びアダマンタン類の純度が向上する。
有機洗浄用液で湿ケーキをスラリー化する場合、該洗浄用液は湿ケーキに対して100〜1000質量%、好ましくは100〜300質量%用いる。
用いる有機洗浄用液量が100〜1000質量%であると、アダマンタン類の洗浄用液中への溶解量が少なく、アダマンタン類の回収効率及びアダマンタン類の純度が向上する。
有機洗浄用液で湿ケーキを溶解する場合、該洗浄用液は湿ケーキに対して100〜1000質量%、好ましくは250〜400質量%用いる。
用いる有機洗浄用液量が100〜1000質量%であると、次の晶析工程でのアダマンタン類の回収効率及び純度が向上する。
本発明の洗浄操作により、湿ケーキ中の未反応原料である炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物及び副生成物の大部分を除去することができる。
洗浄操作で得られたアダマンタン類の結晶は、付着している有機洗浄用液を蒸発させ、乾燥する等の操作により、高純度のアダマンタン類の結晶を得ることができる。
有機洗浄用液で湿ケーキを置換洗浄を行なう場合、湿ケーキに対して該洗浄用液を10〜1000質量%、好ましくは20〜200質量%用いる。
用いる有機洗浄用液量が10〜1000質量%であると、アダマンタン類の洗浄用液中への溶解量が少なく、アダマンタン類の回収効率及びアダマンタン類の純度が向上する。
有機洗浄用液で湿ケーキをスラリー化する場合、該洗浄用液は湿ケーキに対して100〜1000質量%、好ましくは100〜300質量%用いる。
用いる有機洗浄用液量が100〜1000質量%であると、アダマンタン類の洗浄用液中への溶解量が少なく、アダマンタン類の回収効率及びアダマンタン類の純度が向上する。
有機洗浄用液で湿ケーキを溶解する場合、該洗浄用液は湿ケーキに対して100〜1000質量%、好ましくは250〜400質量%用いる。
用いる有機洗浄用液量が100〜1000質量%であると、次の晶析工程でのアダマンタン類の回収効率及び純度が向上する。
本発明の洗浄操作により、湿ケーキ中の未反応原料である炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物及び副生成物の大部分を除去することができる。
洗浄操作で得られたアダマンタン類の結晶は、付着している有機洗浄用液を蒸発させ、乾燥する等の操作により、高純度のアダマンタン類の結晶を得ることができる。
湿ケーキの洗浄で得られた洗浄液は、粗アダマンタン類の結晶を分離した晶析母液とは区別し、異性化反応工程及び/又は濃縮工程に循環する。
この場合、異性化反応工程又は濃縮工程のいずれかに洗浄液を全量循環してもよいし、両工程に任意の割合で循環することもできる。
循環する洗浄液量は、洗浄すべき粗アダマンタン類の結晶の含液率、含有副生成物の種類と濃度に依存する。
例えば、循環する洗浄液が、アダマンタン類に異性化反応し、濃縮工程及び晶析工程の効率化又はアダマンタン類の純度向上に寄与する炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物等を多量に含有する場合は、異性化反応工程に循環する量を増加することにより、アダマンタン類の収率及び純度向上につながる。
この場合、異性化反応工程又は濃縮工程のいずれかに洗浄液を全量循環してもよいし、両工程に任意の割合で循環することもできる。
循環する洗浄液量は、洗浄すべき粗アダマンタン類の結晶の含液率、含有副生成物の種類と濃度に依存する。
例えば、循環する洗浄液が、アダマンタン類に異性化反応し、濃縮工程及び晶析工程の効率化又はアダマンタン類の純度向上に寄与する炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物等を多量に含有する場合は、異性化反応工程に循環する量を増加することにより、アダマンタン類の収率及び純度向上につながる。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(1)触媒の調製工程
ナトリウムイオン交換されたY型ゼオライト(以下、NaYと称する。)235gを純水2000gに攪拌懸濁し、これに希薄な硝酸水溶液を添加して、懸濁スラリーのpHを5.5とした。
次いで、硝酸ランタン六水和物246gを温水500gに溶解した溶液を、上記懸濁スラリーに徐々に混合した。
その後、90℃に加温して30分間攪拌した後、ろ過洗浄し、次いで、洗浄ケーキを110℃で1晩乾燥し、更に600℃で3時間焼成した。
この焼成粉末を、再度、純水2000gに攪拌・懸濁したスラリーに、硫酸アンモニウム228gを添加し、95℃で30分間攪拌した後、ろ過洗浄した。
この洗浄ケーキを、再度水2000gに懸濁し、同様のイオン交換操作を継続して2回行った。
その後、110℃で1晩乾燥処理した後、これを管状容器に入れ、100%水蒸気下、510℃で30分間スチーミングを行った。
次いで、得られた粉末を純水2000gに懸濁し、25質量%硫酸32gをゆっくり添加した後、95℃で30分間加熱した。
その後、ろ過洗浄を行った後、これを再度純水2000gに懸濁し、1.71質量%の塩化テトラアンミン白金水溶液180gを添加して、60℃にて30分間攪拌を行った。
これをろ過洗浄した後、110℃で1晩乾燥処理することにより、白金0.87質量%をイオン交換により担持したLa含有Y型ゼオライトを得た。
実施例1
(1)触媒の調製工程
ナトリウムイオン交換されたY型ゼオライト(以下、NaYと称する。)235gを純水2000gに攪拌懸濁し、これに希薄な硝酸水溶液を添加して、懸濁スラリーのpHを5.5とした。
次いで、硝酸ランタン六水和物246gを温水500gに溶解した溶液を、上記懸濁スラリーに徐々に混合した。
その後、90℃に加温して30分間攪拌した後、ろ過洗浄し、次いで、洗浄ケーキを110℃で1晩乾燥し、更に600℃で3時間焼成した。
この焼成粉末を、再度、純水2000gに攪拌・懸濁したスラリーに、硫酸アンモニウム228gを添加し、95℃で30分間攪拌した後、ろ過洗浄した。
この洗浄ケーキを、再度水2000gに懸濁し、同様のイオン交換操作を継続して2回行った。
その後、110℃で1晩乾燥処理した後、これを管状容器に入れ、100%水蒸気下、510℃で30分間スチーミングを行った。
次いで、得られた粉末を純水2000gに懸濁し、25質量%硫酸32gをゆっくり添加した後、95℃で30分間加熱した。
その後、ろ過洗浄を行った後、これを再度純水2000gに懸濁し、1.71質量%の塩化テトラアンミン白金水溶液180gを添加して、60℃にて30分間攪拌を行った。
これをろ過洗浄した後、110℃で1晩乾燥処理することにより、白金0.87質量%をイオン交換により担持したLa含有Y型ゼオライトを得た。
(2)異性化反応工程
上記(1)で得た触媒20gを、ステンレス鋼製反応管に充填し、空気気流下、300℃で3時間焼成した。
窒素置換した後、常圧、水素気流下、300℃で2時間水素還元した。
その後、トリメチレンノルボルナン(TMN)液及び水素の供給を開始し、300℃、5MPa、WHSV2.4h-1、水素/TMNモル比2の条件で連続的に異性化反応を行った。
反応生成液は、塔底温度180℃、15段の常圧蒸留により、アダマンタン濃度が30質量%になるまで濃縮し、濃縮液300gを得た。
上記(1)で得た触媒20gを、ステンレス鋼製反応管に充填し、空気気流下、300℃で3時間焼成した。
窒素置換した後、常圧、水素気流下、300℃で2時間水素還元した。
その後、トリメチレンノルボルナン(TMN)液及び水素の供給を開始し、300℃、5MPa、WHSV2.4h-1、水素/TMNモル比2の条件で連続的に異性化反応を行った。
反応生成液は、塔底温度180℃、15段の常圧蒸留により、アダマンタン濃度が30質量%になるまで濃縮し、濃縮液300gを得た。
(3)晶析及び溶媒洗浄工程
上記(2)で得られた濃縮液300gをフラスコに仕込み、120℃で攪拌、溶解させた。
攪拌を継続しながら、10℃まで冷却して晶析させ、アダマンタンが析出したスラリーを得た。
次に、このスラリーを70μmグラスフィルターでろ過し、粗アダマンタンの結晶を得た。
この粗アダマンタンの結晶は、未反応のトリメチレンノルボルナン(TMN)及び副生成物をそれぞれ15質量%、5質量%含んでいた。
また、粗アダマンタン結晶をガスクロマトグラフィーで分析した結果、アダマンタン結晶の純度は80質量%であった。
次に、70μmフィルター上の粗アダマンタン類の結晶75gに、ヘキサン75gを添加し、吸引ろ過により置換洗浄した。
得られたアダマンタン結晶を風乾し、ヘキサンを蒸発させ、アダマンタン結晶54gを得た。
このアダマンタン結晶をガスクロマトグラフィーで分析した結果、アダマンタン結晶の純度は98質量%で、不純物は、未反応のトリメチレンノルボルナンが約1質量%、副生成物が約1質量%であった。
上記(2)で得られた濃縮液300gをフラスコに仕込み、120℃で攪拌、溶解させた。
攪拌を継続しながら、10℃まで冷却して晶析させ、アダマンタンが析出したスラリーを得た。
次に、このスラリーを70μmグラスフィルターでろ過し、粗アダマンタンの結晶を得た。
この粗アダマンタンの結晶は、未反応のトリメチレンノルボルナン(TMN)及び副生成物をそれぞれ15質量%、5質量%含んでいた。
また、粗アダマンタン結晶をガスクロマトグラフィーで分析した結果、アダマンタン結晶の純度は80質量%であった。
次に、70μmフィルター上の粗アダマンタン類の結晶75gに、ヘキサン75gを添加し、吸引ろ過により置換洗浄した。
得られたアダマンタン結晶を風乾し、ヘキサンを蒸発させ、アダマンタン結晶54gを得た。
このアダマンタン結晶をガスクロマトグラフィーで分析した結果、アダマンタン結晶の純度は98質量%で、不純物は、未反応のトリメチレンノルボルナンが約1質量%、副生成物が約1質量%であった。
実施例2
実施例1と同様にして得られた反応生成液に、実施例1で得られた洗浄液を全量添加し、実施例1と同様にして、蒸留濃縮、晶析、ろ過、ヘキサン洗浄、風乾を行ないアダマンタン結晶61gを得た。
このアダマンタン結晶をガスクロマトグラフィーで分析した結果、アダマンタン結晶の純度は98質量%で、不純物は、未反応のトリメチレンノルボルナンが約1質量%、副生成物が約1質量%であり、実施例1に比べアダマンタン収量が向上し、アダマンタン純度には変化がなかった。
実施例1と同様にして得られた反応生成液に、実施例1で得られた洗浄液を全量添加し、実施例1と同様にして、蒸留濃縮、晶析、ろ過、ヘキサン洗浄、風乾を行ないアダマンタン結晶61gを得た。
このアダマンタン結晶をガスクロマトグラフィーで分析した結果、アダマンタン結晶の純度は98質量%で、不純物は、未反応のトリメチレンノルボルナンが約1質量%、副生成物が約1質量%であり、実施例1に比べアダマンタン収量が向上し、アダマンタン純度には変化がなかった。
比較例1
実施例1と同様に反応、濃縮及び晶析を行ないアダマンタンが析出したスラリーを得、このスラリーを70μmグラスフィルターでろ過し、粗アダマンタン結晶を得た。
この粗アダマンタン結晶を洗浄せずに風乾し、アダマンタン結晶70gを得た。
この結晶をガスクロマトグラフィーで分析した結果、アダマンタン結晶の純度は87質量%で、不純物は、未反応のトリメチレンノルボルナンが9質量%、副生成物が4質量%であった。
実施例1と同様に反応、濃縮及び晶析を行ないアダマンタンが析出したスラリーを得、このスラリーを70μmグラスフィルターでろ過し、粗アダマンタン結晶を得た。
この粗アダマンタン結晶を洗浄せずに風乾し、アダマンタン結晶70gを得た。
この結晶をガスクロマトグラフィーで分析した結果、アダマンタン結晶の純度は87質量%で、不純物は、未反応のトリメチレンノルボルナンが9質量%、副生成物が4質量%であった。
Claims (6)
- 炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物を異性化反応し、得られた反応液に濃縮、晶析及び固液分離処理を施して得られた粗アダマンタン類を、液状有機化合物で洗浄後、洗浄液の一部又は全量を異性化工程及び/又は濃縮工程に循環するアダマンタン類の製造方法。
- 液状有機化合物が、沸点150℃以下の有機化合物である請求項1記載のアダマンタン類の製造方法。
- 液状有機化合物を粗アダマンタン類の結晶に対し、10〜1000質量%用い、置換洗浄後、洗浄液を循環する請求項1又は2記載のアダマンタン類の製造方法。
- 液状有機化合物を粗アダマンタン類の結晶に対し、100〜1000質量%用い、スラリー化して固液分離し、固液分離液を循環する請求項1又は2記載のアダマンタン類の製造方法。
- 液状有機化合物を粗アダマンタン類に対し、100〜1000質量%用いて溶解、晶析、固液分離し、液状有機化合物で洗浄後、固液分離液及び洗浄液を循環する請求項1又は2記載のアダマンタン類の製造方法。
- 炭素数10以上の三環式飽和炭化水素化合物が、トリメチレンノルボルナンである請求項1〜5のいずれかに記載のアダマンタン類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003375814A JP2005139105A (ja) | 2003-11-05 | 2003-11-05 | アダマンタン類の製造方法 |
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Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2017001A1 (en) * | 2006-05-10 | 2009-01-21 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Method for treatment of crystal slurry |
-
2003
- 2003-11-05 JP JP2003375814A patent/JP2005139105A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2017001A1 (en) * | 2006-05-10 | 2009-01-21 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Method for treatment of crystal slurry |
EP2017001A4 (en) * | 2006-05-10 | 2010-09-15 | Idemitsu Kosan Co | METHOD FOR TREATING A CRYSTAL CLEANING |
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