JP2002240449A - 平版印刷版用支持体及びそれを用いた平版印刷版原版 - Google Patents

平版印刷版用支持体及びそれを用いた平版印刷版原版

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JP2002240449A
JP2002240449A JP2001038208A JP2001038208A JP2002240449A JP 2002240449 A JP2002240449 A JP 2002240449A JP 2001038208 A JP2001038208 A JP 2001038208A JP 2001038208 A JP2001038208 A JP 2001038208A JP 2002240449 A JP2002240449 A JP 2002240449A
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JP2001038208A
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Tadafumi Tomita
忠文 冨田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】書込みに使用されるレーザ光を効率よく画像形
成に必要な熱エネルギーとして利用することにより、高
感度、高解像度で、充分な印刷適性を有する光熱変換記
録型平版印刷版原版を形成しうる平版印刷版用支持体及
びそれを用いた平版印刷版原版を提供する。 【解決手段】 基板上に、800nm〜1100nmの
波長の赤外線反射率が70%以上であって、かつ、構成
する材質の断熱性がセラミックアルミナと同等以上であ
る材質を用いた赤外線反射型断熱層を設けてなる。この
赤外線反射型断熱層は、樹脂層またはセラミック層の上
に、フッ化物、半導体、酸化物から選択される材質から
なり、互いに異なる材質からなる2種以上の薄膜を交互
に複数回積層した多層膜を備えるか、又は、フッ化物、
半導体、酸化物から選択される材質からなる前記多層膜
で平均厚み1μm〜12μmとなるように形成したもの
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は赤外線レーザで書き
込み可能な平版印刷版原版に適する支持体及びそれを用
いた平版印刷版原版に関し、詳しくは、露光エネルギー
を画像形成に効率よく使用しうる高感度の記録が可能な
平版印刷版用支持体及び平版印刷版原版に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PS版では、アルミニウム基板に
陽極酸化処理による酸化皮膜を設け、その上に感光層を
設けるのが通例である。特開2000−267291に
は、アルミニウム(合金)板に少なくとも陽極酸化処理
を施して形成した平版印刷版用支持体の製造方法におい
て、陽極酸化処理により生じたマイクロポア内部を選択
的に着色処理し、特に、830nmの赤外活性光線を熱
に変換可能とし、830mにおける反射率を0〜35%
の範囲内とすることで、高感度、高解像度で画像強度、
現像性に優れ、かつ充分な印刷適性を有する光熱変換記
録型平版印刷版材料用の支持体を製造する技術が公開さ
れている。また、近年注目される赤外線レーザ光を熱に
変換して画像を形成する光熱変換記録型平版印刷版にお
いては、特開平9−5993号、同7−285275
号、同9−43845号等に示されるとおり、従来は親
水性の支持体上に光熱変換材料を含有する画像形成層を
設けることが一般的であった。しかし、この場合、レー
ザー光の入射する画像形成層の表面付近は、画像形成に
充分な熱を発生するが、親水性支持体との界面付近では
レーザー光が減衰し、さらには支持体への熱拡散が生
じ、画像形成に必要な熱の発生が充分行われない傾向に
ある。したがって、露光量が少ないと、ネガ型の画像形
成層では画像強度不足、ポジ型の画像形成層では、現像
不良による非画像部汚れが発生してしまうという問題が
あった。
【0003】画像形成に必要な熱を充分確保する目的
で、特開平7−92660号には平版印刷版用支持体に
染料下塗り層を設ける方法が提案されているが、これは
340〜450nmの波長域に吸収を有する染料を用
い、記録層材料にキノンジアジドを組み合わせた場合に
のみ効果が発現し、解像度こそ向上するものの、下塗層
を用いないものと比較して露光感度は向上せずにむしろ
低下してしまうという問題があり、他の波長域の活性光
線を用いて画像記録を行う画像形成材料では、画像部強
度と親水性維持の両立は困難であった。特開平11−2
54849号公報には、熱により高感度で画像を記録す
ることができ、現像処理することなく直接製版すること
が可能な、平版印刷版用原版として(イ)光熱変換物質
と、(ロ)熱により化学的あるいは物理的変化を起す物
質とを含有し、特に、(ロ)熱により自己発熱反応を開
始する物質として金属(化合物)粉体を用いる技術が公
開されている。この方法によれば、従来の砂目と呼ばれ
る粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム支持体に比
較して、印刷時の安定性や耐久性等の印刷適性でやや劣
るという問題があった。上記の各技術は、感光層と支持
体界面の発熱不足を、感光層と支持体との界面に光熱変
換機能を有する層を設けることで、解決しようとするも
のである。また、画像形成層中の光熱変換材料を少なく
し、支持体表面からの反射光も利用するという方法によ
っても、この感度の問題はある程度改善可能であるが、
支持体からの反射光は、レーザー照射部以外の画像形成
層まで拡散してしまうために、解像度が低下する事か
ら、高解像度を維持しながら高感度化することは困難と
思われていた。また、赤外線反射率の高い代表的な材料
である、アルミニウムは、それ自体、熱伝導率が高い為
に、熱を拡散し易く、かえって実質的感度が低下すると
いう根本的な問題を有している。
【0004】一方、熱拡散を抑制するという観点から、
アルミニウムの支持体には、通常、陽極酸化処理が施さ
れるが、形成された陽極酸化皮膜は、Applied
Optics /Vol.32、No1/1 Janu
ary(1993)によれば、結晶性が低く、空隙を有
するため、結晶性の良いセラミックのアルミナに比べ、
1/20〜1/30の熱伝導率である事が知られてい
る。これに注目した本願出願人は、陽極酸化皮膜を厚く
することで断熱性を向上させ、感度の向上を図る技術を
先に、特願2000−112285号、特願2000−
133615号として提案した。このように陽極酸化皮
膜を厚くすると断熱性の面では改良されるものの、陽極
酸化被膜の赤外線反射率は40%〜60%であり、反射
光を十分に利用するという観点からは改良の余地がある
ものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、書込みに使用されるレーザ光を効率よく画像形成に
必要な熱エネルギーとして利用することにより、高感
度、高解像度で、充分な印刷適性を有する光熱変換記録
型平版印刷版を形成しうる平版印刷版用支持体を提供す
ることにある。本発明の更なる目的は、前記書込みに使
用されるレーザ光を効率よく画像形成に必要な熱エネル
ギーとして利用しうる支持体を用いた、高感度で、高解
像度な画像形成が可能であり、充分な印刷適性、即ち、
汚れのない高画質な画像形成性と、高耐刷性とを有する
光熱変換記録型平版印刷版原版を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、断熱性と、露光に用いる赤外線レーザの反射率
とを特定の範囲に制御することで、熱エネルギーを効率
よく画像形成に利用し得る支持体が得られることを見出
し、本発明を完成した。即ち、本発明の平版印刷版用支
持体は、基板上に、800nm〜1100nmの波長の
赤外線反射率が70%以上であって、かつ、構成する材
質の断熱性がセラミックアルミナと同等以上である材質
を用いた赤外線反射型断熱層を設けてなることを特徴と
する。前記特性を有する支持体の赤外線反射型断熱層
は、平均厚み0.6μm〜300μmの樹脂層またはセ
ラミック層の上に、フッ化物、半導体、酸化物から選択
される材質からなり、光学厚みが露光波長λの〔(1/
4)±10%〕の厚みである薄膜であって、互いに異な
る材質からなる2種以上の薄膜を交互に複数回積層して
平均厚み0.2μm〜2μmとした多層膜を有する構成
であることが好ましい。
【0007】また、このような赤外線反射型断熱層の他
の好ましい態様として、フッ化物、半導体、酸化物から
選択される材質からなり、光学厚みが露光波長λの
〔(1/4)±10%〕の厚みである薄膜であって、互
いに異なる材質からなる2種以上の薄膜を、交互に複数
回積層して平均厚み1μm〜12μmとした多層膜から
なる構成が挙げられる。ここで、赤外線反射型断熱層に
用いられるセラミック層は、SnO2または、InO2
らなる層であることが好ましい。
【0008】本発明の請求項5に係る平版印刷版原版
は、前記した所定の断熱性と赤外線反射率とを有する本
発明の平版印刷版用支持体上に、赤外線露光により記録
可能な感熱層を設けてなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、平版印刷版用支持体の構成について述べる。本発
明の平版印刷版用支持体は、基板上に、800nm〜1
100nmの波長の赤外線反射率が70%以上であっ
て、かつ、構成する材質の断熱性がセラミックアルミナ
と同等以上である材質を用いた赤外線反射型断熱層を設
けてなる。
【0010】[支持体基板]本発明の平版印刷版用支持
体に使用する基板としては、脱脂処理、機械的粗面化処
理、電気化学的粗面化処理、エッチング処理、陽極酸化
処理、封孔処理、親水化処理の内、いずれかを組み合わ
せておこなった0.1〜0.3mm程度の厚みのアルミ
ニウム(Al)板、アルミニウム合金板、鋼板等の金属
板や、0.1〜0.3mm程度の厚みのポリエチレンテ
レフタレート(PET)等の合成樹脂製の板材が好適で
ある。中でも特にAl(合金)板が好適で、陽極酸化処
理し、水洗の後、陽極酸化皮膜を軽度のエッチングや種
々の封孔処理方法により封孔した後、リン酸またはリン
酸塩処理やホスホン酸等のリン化合物による親水性処理
を行ったものを基材として用い、後述する本発明に係る
赤外線反射型断熱層を設けるのが望ましい。もちろんこ
れには限定されず、Al(合金)板の処理工程のうち、
脱脂処理、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理、
エッチング処理、陽極酸化処理、親水化処理の上記各処
理工程のいずれか、または全てを省略しても問題はない
し、各工程を1回以上、複数回処理することも可能であ
る。
【0011】断熱性の観点からはAl等の金属板上には
陽極酸化皮膜を設けることが好ましく、その厚みは0.
8μm〜5μmが望ましい。陽極酸化皮膜を設けた場合
には、陽極酸化皮膜は赤外線反射型断熱層の断熱層とし
て機能する。また、基板として樹脂を使用する場合に
は、基材自体が断熱性を有しているので、赤外線反射型
断熱層の断熱層と基板を兼ねて使用する事ができる。
【0012】[赤外線反射型断熱層]基材の表面には、
赤外線反射型断熱層が形成される。この赤外線反射型断
熱層は、(i)800nm〜1100nmの波長の赤外
線反射率が70%以上であることと、(ii)構成する材
質の断熱性がセラミックアルミナと同等以上である材質
を用いることを要する。本発明において、赤外線反射率
を計測する方法としては、基材としての透明なPETフ
ィルム上に、対象となる赤外線反射型断熱層を形成し、
Varian社製 CARY−5を用いて、赤外線吸収
率を測定して計測する方法を採用している。赤外線反射
率は、散乱反射率(Praying Mantis)は
100%反射標準板としては、PTFE粉末を圧縮プレ
スした校正済み標準試料を用いた。吸収率0%の標準試
料としては、0.18mmのPETフィルムを使用し
た。
【0013】また、材質の断熱性は、下記条件にてTi
蒸着膜を真空蒸着装置にて製膜し、下記露光条件にて露
光後、線の太さで相対評価をおこなって、支持体の断熱
性の評価とした。線が太いもの程断熱性が高いものと判
断した。 製膜条件:JEOL社製 JEE−4X 到達圧力5×
10-3Pa、蒸着電流40A、基板未加熱、蒸着材料;
純度99.9%、0.5mmΦTi線 レーザー照射条件:YAGレーザー(波長1.064μ
m)、レーザー光出力0.724W、走査速度120c
m/s、1/e2ビーム直径35μm(ビームプロファ
イルは良好なガウス分布であったのでガウス分布近似
し、ピーク強度の1/e2光出力の位置をビーム直径と
した。)
【0014】伝熱ハンドブック(日本機会学会)にる、
セラミックアルミナの熱伝導率〔36W/(m・K)〕
を基準として、同じ基板にスパッタリング法にて、セラ
ミックアルミナを形成し、その値を真値と見なして、セ
ラミックアルミナより断熱性が高いかどうかを断熱性可
否の判断基準とした。
【0015】赤外線反射型断熱層の被覆量は、層構成に
係わらず、平均厚みが1μm〜12μmの範囲であるこ
とが好ましい。1μmよりも薄いと断熱性が不足し、感
度が低下する傾向があり、12μmをこえて厚くして
も、必要な断熱性に達した後の断熱性の向上は感度にほ
とんど影響を与えず、製造コストが増える割にはメリッ
トが少ない。赤外線反射型断熱層の最適な被覆量は、感
熱層中に含まれる光熱変換剤の量や分布、感熱層の厚
み、使用する露光装置のレーザー走査速度、レーザー出
力、露光ビーム形状等によって異なるが、1μm〜12
μmの範囲で、最適被覆量を実験的に決める事が可能で
ある。被膜量や、皮膜が均一に封孔されているかどうか
は、高倍率の電子顕微鏡の観察により検知することがで
きる。
【0016】本発明の赤外線反射型断熱層は、その特性
として(i)800nm〜1100nmの波長の赤外線
反射率が70%以上であること、及び、(ii)構成する
材質の断熱性がセラミックアルミナと同等以上であるこ
とを必要とするのは先に述べたとおりである。支持体上
に形成される赤外線反射型断熱層の赤外線反射率を70
%以上とすることで、露光に用いられる赤外線レーザが
支持体上で拡散することなく反射されて再度感熱記録層
に供給され、感熱記録層における発熱、特に厚さ方向に
対する発熱が均一化されることで、アブレーションを生
じる懸念なく、高感度化、高解像度化を実現できる。さ
らに、この層を構成する材質の断熱性を向上させること
で、支持体への熱拡散を防止し、露光光を画像形成に効
率よく使用することができるため、高感度化のみなら
ず、ネガ型であれば画像部の強度が向上し、ポジ型であ
れば非画像部の残膜防止効果が向上するため、画質の改
良と耐刷性の向上にも有用である。
【0017】このような特性を実現する具体的な構成と
しては、(I)断熱性に優れた厚み0.8μm〜300
μmの樹脂層もしくはセラミック層を形成した後、赤外
反射率は高いが、断熱性がやや低い皮膜を0.2μm〜
2μm厚みで形成するタイプ、または、(II)赤外反射
率が高く、断熱性も高い皮膜として、物性の異なる薄膜
を交互に積層してなる多層膜を全体としての平均厚み1
μm〜12μmで形成するタイプが挙げられる。
【0018】(I)断熱性に優れた樹脂層もしくはセラ
ミック層上に、赤外反射率は高いが、断熱性がやや低い
皮膜形成するタイプ 厚み0.8μm〜300μmの樹脂層を形成する際に使
用しうる樹脂の具体例としては、EAA(エチレン/ア
クリル酸樹脂)、EMAA(エチレン/メタアクリル酸
樹脂)、アイオノマー、LDPE(低密度ポリエチレ
ン)、LLDPE(超低密度ポリエチレン)、HDPE
(高密度ポリエチレン)、ポリスチレン(PSt)、ポ
リ−α−メチルスチレン、などのスチレン樹脂あるいは
スチレン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポ
リ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリエステル、ポリウ
レタン、ポリアクリル酸エステル類及びポリビニルホル
マール、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、セルロー
スアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ポ
リメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチルなどの
アクリル酸樹脂またはメタクリル酸樹脂、ロジン、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂、重合ロジンなどのロジンエステ
ル樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)、ポリエチレン(PE)ポリテトラ
フルオロエテン(PTFE)などの各種樹脂が好適であ
る。中でも金属との接着性に優れるEAA(エチレン/
アクリル酸樹脂)、EMAA(エチレン/メタアクリル
酸樹脂)、アイオノマー、LDPE(低密度ポリエチレ
ン)、LLDPE(超低密度ポリエチレン)、HDPE
(高密度ポリエチレン)等が挙げられる。
【0019】これらの樹脂層は支持体の基材表面に単独
で熱溶融接着、共押し出しラミネーター等の方法によっ
て直接貼り合わせることで形成しても良い。また、次に
示すような各種接着剤を用いて、樹脂フィルムを基材表
面に接着して形成しても良い。用いる各種接着剤の具体
例として、芳香族ポリエーテル系1液湿気硬化型接着剤
(例えば、商品名:SF102RA(大日本インキ化学
工業(株))など)、芳香族ポリエーテル系2液硬化型接
着剤(例えば、商品名:2K−SF−302A/HA5
50B(大日本インキ化学工業(株))など)、脂肪族ポ
リエステル系2液硬化型接着剤(例えば、商品名:2K
−SF−250A/HA280B(大日本インキ化学工
業(株))など)、水性ドライラミネート用接着剤(例え
ば、商品名:WS305A/LB−60、WS201A
/LB−60、WS325A/LJ−55、WS350
A/LA−100、WS−320A(大日本インキ化学
工業(株))など)、有機溶剤型ドライラミネート用接着
剤(例えば、LX−747A/KX−75、LX−88
H(T)/KW−75、LX−732/KRX−90
(大日本インキ化学工業(株))など)、エポキシ系の1
液型熱硬化型接着剤(例えば、商品名;EP106、E
P138、EP160、EP170、EP171(セメ
ダイン(株)製)など)。
【0020】アクリル系オリゴマー(SGA)等の1液
型嫌気硬化型接着剤(例えば、商品名;Y−800シリ
ーズ、Y−805GH(セメダイン(株)製)など)、
特殊シリコーン変性ポリマー系1液型弾性接着剤(例え
ば、スーパーX(セメダイン(株)製)など)、フェノ
ール樹脂複合ポリマー系接着剤として、フェノール樹脂
とブタジエン、アクリロニトリルゴムとの混合体や、フ
ェノール樹脂とポリ酢酸ビニルやポリビニルアセタール
やポリビニルブチラールやポリビニルホルマールとの各
種混合体やフェノール樹脂とエポキシとの混合体。2液
型縮合反応型接着剤やエポキシ、イソシアネート等の2
液型付加反応型接着剤やアクリル系オリゴマー(SG
A)等の2液型ラジカル重合型接着剤、ポリイミド、ポ
リエステル、ポリオレフィン等の熱溶融型接着剤、ゴ
ム、ポリアクリル酸エステル等の感圧型接着剤、2−シ
アノアクリル酸エステルを主成分とする1液型の常温硬
化接着剤、2−シアノアクリル酸メチル系接着剤、2−
シアノアクリル酸エチル系接着剤(例えば、商品名;ア
ロンアルファ(東亜合成化学(株)製)など)、α−シ
アノアクリレート系接着剤(例えば、商品名;3000
DXシリーズ(セメダイン(株)製)など)が挙げられ
る。なかでも、金属との接着力に優れ、薄層(数μm)
で使用可能な接着剤が好適であり、代表例としては、シ
アノアクリルレート系の各種接着剤をPET等の樹脂と
組み合わせて断熱層として使用する方法が好適である。
【0021】また、本願出願人が先に提出した特開20
00−238455号公報の段落番号〔0047〕から
〔0055〕に(結合剤)として記載されているアルカ
リ水に可溶な樹脂を接着剤として用いることもできる。
例えば、この性質を有するものとしてはノボラック樹
脂、フェノール―アルデヒド樹脂、m−クレゾールホル
ムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹
脂などが挙げられる。
【0022】この断熱性に優れた樹脂層を塗布法により
形成する際には、塗布性を良化するために界面活性剤、
例えば、特開昭62−170950号公報に記載されて
いるようなフッ素系界面活性剤を添加することもでき
る。好ましい添加量は、樹脂層塗布液の全固形分中、
0.01〜1重量%であり、さらに好ましくは、0.0
5〜0.5重量%である。
【0023】また、セラミック層の代表的な例として
は、先に述べたようにアルミニウムを陽極酸化処理する
ことによって形成される陽極酸化皮膜が挙げられ、これ
もまた、本発明における断熱性のセラミック層に包含さ
れる。また、セラミック層として、各種セラミックをタ
ーゲットとして、スパッタリング法によって製膜したセ
ラミック層も結晶性が低く、断熱性に優れるので、好適
に用いることができる。熱伝導率が40W/(m・K)
より低いセラミック層材料としては、酸化物、チッ化
物、ケイ化物、炭化物、フッ化物などが挙げられ、ま
た、これらは単体のみではなく混合物であっても良い。
【0024】具体的には、例えば、酸化物としては、酸
化アルミ、酸化珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、
酸化ハフニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タ
ンタル、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化クロ
ム、酸化インジウム、酸化錫などが挙げられる。チッ化
物としては、チッ化アルミ、チッ化珪素、チッ化チタ
ン、チッ化ジルコニウム、チッ化ハフニウム、チッ化バ
ナジウム、チッ化ニオブ、チッ化タンタル、チッ化モリ
ブデン、チッ化タングステン、チッ化クロム、チッ化珪
素、チッ化ホウ素などがあげられる。ケイ化物として
は、ケイ化チタン、ケイ化ジルコニウム、ケイ化ハフニ
ウム、ケイ化バナジウム、ケイ化ニオブ、ケイ化タンタ
ル、ケイ化モリブデン、ケイ化タングステン、ケイ化ク
ロムなどがあげられる。ホウ化物としては、ホウ化チタ
ン、ホウ化ジルコニウム、ホウ化ハフニウム、ホウ化バ
ナジウム、ホウ化ニオブ、ホウ化タンタル、ホウ化モリ
ブデン、ホウ化タングステン、ホウ化クロムなどがあげ
られる。炭化物としては、炭化アルミ、炭化珪素、炭化
チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナ
ジウム、炭化ニオブ、炭化タンタル、炭化モリブデン、
炭化タングステン、炭化クロムなどがあげられる。
【0025】特に赤外線反射率が高いことで知られるI
nO2、SnO2や光学薄膜材料として知られるフッ化物
としてCaF2、MgF2、CeF3、半導体としてS
i、Ge、酸化物としてSiO2、Al23、MgO、
Gd23、Sc23、ZrO2、SiO、HfO2、Ce
2、TiO2等が望まい。これら、セラミックは、スパ
ッタリング法の他に、CVD、ゾルゲル、スパッタリン
グ法、イオンプレーティン゛グ法、拡散法、電着法、メ
ッキ法などを適宜用いることができる。
【0026】樹脂層或いはセラミック層の上に形成され
る多層膜としては、光学薄膜材料として知られるフッ化
物、半導体、酸化物から選択される材質を用いて製膜し
た薄膜の互いに異なるものを交互に積層して形成され
る。薄膜を形成する材料としては、フッ化物としてはC
aF2、MgF2、CeF3、半導体としてはSi、G
e、酸化物としてはSiO2、Al23、MgO、Gd2
3、Sc23、ZrO2、SiO、HfO2、CeO2
TiO2が好ましく、これらの中から2種類を選択し、
2種の異なる材質を交互に複数回積層した多層膜を形成
する。各薄膜層の光学厚み(屈折率×膜厚)は露光波長
λの〔1/4±10%〕の厚みであるように調製するこ
とで、赤外線反射率を高くすることができる。
【0027】平版印刷版の画像形成に用いられる赤外線
の露光波長は、代表例としては、830nm、910n
m、1064nm等であり、概ね、0.8μm〜1.1
μmの範囲にある。これらの波長の略1/4の光学厚み
となるような厚みで、4層〜6層の多層膜を形成する
と、80%以上の赤外線高反射率が達成される。本発明
では、各薄膜の厚みは露光波長の(1/4)±10%以
内に調製される。多層膜の形成方法としては、スパッタ
リング法の他、真空蒸着法、CVD法、ゾルゲル法、イ
オンプレーティング法、拡散法、電着法、メッキ法な
ど、公知の製膜技術を適宜選択して用いることができ
る。この多層膜は、平均厚みが0.2μm〜2μmとな
るように形成される。
【0028】本態様(I)では、このような赤外線反射
率の高い多層膜を、平均厚み0.8μm〜10μmの樹
脂層や陽極酸化被膜に代表されるセラミック層などの断
熱性が高い層上に設けることで、本発明に規定される断
熱性と赤外線反射率とを有する赤外線反射型断熱層を得
るものである。
【0029】(II)赤外反射率が高く、断熱性も高い皮
膜として、物性の異なる薄膜を交互に積層してなる多層
膜を形成するタイプ 本態様(II)では、赤外反射率が高く、断熱性も高い材
料で形成した薄膜の互いに種類の異なるものを交互に積
層し、全体として平均厚み1μm〜12μmの多層膜を
形成するものである。ここで形成される多層膜は、先に
説明した態様(I)における多層膜と同じ構成でよく、
基材上に、直接(樹脂層やセラミック層を介さずに)多
層膜を形成し、全体の厚みが1μm〜12μmとなるよ
うに、積層してなる構成を有する。
【0030】多層膜を形成する材料としては、光学薄膜
材料として知られるフッ化物、半導体、酸化物から選択
される材質を用いればよく、本態様(II)の場合にも、
各薄膜の光学厚み(屈折率×膜厚)は露光波長λの〔1
/4±10%〕の厚みであるように調製される。多層膜
の形成方法としては、スパッタリング法の他、真空蒸着
法、CVD法、ゾルゲル法、イオンプレーティング法、
拡散法、電着法、メッキ法など、公知の製膜技術を適宜
選択して用いることができる。製膜法としては、簡便で
安価であることからスパッタリング法、ゾルゲル法など
が好適に適用される。
【0031】基材上に上記いずれか態様の赤外線反射型
断熱層を形成することで本発明の平版印刷版用支持体が
得られる。この支持体は、断熱性に優れ、感熱記録層中
で発生した熱が支持体へ拡散することなく効率よく画像
形成に使用され、さらに、支持体表面に到達した赤外線
レーザはその表面で拡散することなく反射され、再度感
熱記録層に供給され光熱変換に使用されることから、一
層画像形成性が向上し、高感度、高解像度の画像を形成
しうる平版印刷版を形成しうる。
【0032】[平版印刷版原版]上記本発明の平版印刷
版用支持体上に、感熱記録層を設けることで、書込みに
使用されるレーザ光が効率よく画像形成必要な熱エネル
ギーとして利用される、高感度、高解像度の画像形成が
可能で、印刷適性に優れる平版印刷版原版を得ることが
できる。 [感熱記録層]本発明の平版印刷版原版に用いられる感
熱記録層としては、赤外線領域の放射線で記録可能な公
知の種々の画像形成材料の成分を適宜選択して用いるこ
とができる。まず、赤外線露光により、アルカリ水溶液
に対する可溶性が変化する記録層について説明する。こ
のような記録層は、アルカリ現像性が赤外線の露光によ
り低下するネガ型と逆に現像性が向上するポジ型の2つ
に分けられる。
【0033】ネガ型の記録層としては、公知のネガ型極
性変換材料系(親水性から疎水性へ変化)、ラジカル重
合系、酸触媒架橋系(カチオン重合も含む)記録層が挙
げられる。この中でも特に耐刷性の点でラジカル重合系
と酸触媒架橋系が好ましい。これらは、光照射や加熱に
より発生するラジカル或いは酸が開始剤や触媒となり、
記録層を構成する化合物が重合反応、架橋反応を起こし
硬化して画像部を形成するものである。
【0034】またポジ型の記録層としては、公知のポジ
型極性変換材料系(疎水性から親水性へ変化)、酸触媒
分解系、相互作用解除系(感熱ポジ)記録層が挙げられ
る。この中でも特にスルホン酸エステルを熱分解してな
るポジ型極性変換材料系と酸触媒分解系、相互作用解除
系が画質の点で好ましい。これらは光照射や加熱により
発生する酸や熱エネルギーそのものにより、層を形成し
ていた高分子化合物の結合が解除されるなどの働きによ
り水やアルカリ水に可溶となり、現像により除去されて
非画像部を形成するものである。いずれの画像形成層に
おいても、層構成成分、即ち、所謂バインダーとして、
水に不溶であり、且つ、アルカリ水溶液に可溶な高分子
化合物を含有することが好ましい。
【0035】本発明においては、前記支持体に感熱記録
層塗布液や、下塗り層、保護層等の所望の層の塗布液用
成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布すること
により平版印刷版原版を製造することができる。塗布、
乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途
によって異なるが、感熱記録層についていえば一般的に
0.5〜5.0g/m2 が好ましい。塗布する方法とし
ては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バ
ーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗
布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、
ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少なくな
るにつれて、見かけの感度は大になるが、記録層の皮膜
特性は低下する。
【0036】上記のようにして作製された本発明の平版
印刷版原版は、通常、像露光、現像処理を施される。像
露光に用いられる活性光線の光源としては、波長720
〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザー、半導
体レーザー等が挙げられる。本発明においては、近赤外
から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レ
ーザ、半導体レーザが特に好ましい。
【0037】本発明の画像形成材料の現像液および補充
液としては従来より知られているアルカリ水溶液が使用
できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、
第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウム、第3リン
酸アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、第2リン酸カ
リウム、第2リン酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、ほう酸ナト
リウム、ほう酸カリウム、ほう酸アンモニウム、水酸化
ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムおよ
び水酸化リチウムなどの無機アルカリ塩が挙げられる。
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチル
アミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロ
パノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、
ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。
【0038】これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以
上を組み合わせて用いられる。これらのアルカリ剤の中
で特に好ましい現像液は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カ
リウム等のケイ酸塩水溶液である。その理由はケイ酸塩
の成分である酸化珪素SiO2 とアルカリ金属酸化物
2 Oの比率と濃度によって現像性の調節が可能となる
ためであり、例えば、特開昭54−62004号公報、
特公昭57−7427号公報に記載されているようなア
ルカリ金属ケイ酸塩が有効に用いられる。
【0039】更に自動現像機を用いて現像する場合に
は、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)
を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の
現像液を交換する事なく、多量のPS版を処理できるこ
とが知られている。本発明においてもこの補充方式が好
ましく適用される。現像液および補充液には、現像性の
促進や抑制、現像カスの分散および印刷版画像部の親イ
ンキ性を高める目的で、必要に応じて種々の界面活性剤
や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤として
は、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界
面活性剤が挙げられる。更に現像液および補充液には必
要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜
硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等
の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を
加えることもできる。上記現像液および補充液を用いて
現像処理された印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有す
るリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化
液で後処理される。本発明の画像記録材料を印刷版とし
て使用する場合の後処理としては、これらの処理を種々
組み合わせて用いることができる。
【0040】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化および標準化のため、印刷版用の自動現像機が広く用
いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処
理部からなり、印刷版を搬送する装置と各処理液槽およ
びスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平に搬
送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノ
ズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最
近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール
などによって印刷版を浸漬搬送させて処理する方法も知
られている。このような自動処理においては、各処理液
に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処
理することができる。また、実質的に未使用の処理液で
処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
【0041】以上のようにして得られた平版印刷版は所
望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供す
ることができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版と
したい場合にはバーニング処理が施される。平版印刷版
をバーニング処理する場合には、該バーニング処理前
に、特公昭61−2518号、同55−28062号、
特開昭62−31859号、同61−159655号の
各公報に記載されているような整面液で処理することが
好ましい。その方法としては、該整面液を浸み込ませた
スポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整
面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方
法や、自動コーターによる塗布などが適用される。ま
た、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラ
ーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結
果を与える。整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8
g/m2 (乾燥重量)が適当である。整面液が塗布され
た平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニング
プロセッサー(たとえば富士写真フイルム(株)より販
売されているバーニングプロセッサー:「BP−130
0」)などで高温に加熱される。この場合の加熱温度及
び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、
180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好まし
い。
【0042】バーニング処理された平版印刷版は、必要
に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行われて
いる処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物
等を含有する整面液が使用された場合には、ガム引きな
どのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。こ
の様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印
刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を、実施例に従って説明する
が、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されない。 (実施例1) 〔1.支持体の作製〕金属基板として0.24mmの厚
みのアルカリ脱脂処理済みのAl板を使用し以下の処理
を順に処理した。 1−1.機械的粗面化処理方法 回転数150rpmの0.9号ナイロンブラシにてスラ
リー状の研磨剤(平均粒径15μm程度のパミス、シラ
スまたは珪砂)を供給しながら、研磨をおこなった。
【0044】1−2.化学的溶解処理方法(i) 苛性ソーダの濃度20wt%一定とし、温度40℃で処
理時間はRaが0.3μmになるように調整した。その
後、10秒流水にて水洗後、硫酸濃度120g/リット
ル、液温50℃、10秒間浸漬し、デスマット処理をお
こなった。Raの計測値は、0.3±0.05μm(標
準偏差)であった。 1−3.電気化学的粗面化処理方法 特開平3−79799号の電源波形を使い、硝酸濃度1
2g/リットル、Al濃度を6g/リットルの濃度に設
定し、液温60℃として陽極側の電流密度をピット個数
が2.4〜180個/mm2の範囲になるように設定し
た。その後水洗した。ピット個数はSEM観察の結果1
40±20個/mm2であった。
【0045】1−4.化学的溶解処理方法(ii) 苛性ソーダの濃度20wt%一定とし、温度40℃で処
理時間は1.3g/m 2になるように調整した。その
後、10秒流水にて水洗後、硫酸濃度120g/リット
ル、液温50℃、15秒間浸漬し、デスマット処理をお
こなった。[基板A] 1−5.陽極酸化処理方法 リン酸濃度0.5モル/リットル、液温25℃にて、特
開平8−264118号の図4の装置を2台直列接続し
た装置で、電流密度0.3A/dm2となるように定電
流の直流電源を用いて電気を供給し、所望の陽極酸化皮
膜量となるように時間を調整し、被膜を生成させ、水洗
した。陽極酸化槽の入り口での初期電圧は計測の結果、
4V、出口での再終電圧は計測の結果、40Vであっ
た。Raの計測値は、0.3±0.05μm(平均±標
準偏差)であった。 1−6.陽極酸化皮膜量の決定方法 サンプルを折り曲げ、折り曲げたひび割れ部分を基板と
水平方向から、超高分解能型SEM(日立S−900)
によって破断面を観察し、0.5〜5μmの膜厚になる
ように処理時間を決定した。基板[B]
【0046】1−7.赤外線反射型断熱層の形成方法 (I)タイプの赤外線反射型断熱層 基板[B]および、厚み0.24mmのPET板基板
[C]にスパッタリング法によってSnO2単層膜、I
nO2単層膜および、TiO2とMgF2から成る多層膜
を形成した。断熱性評価の比較タイプとしてセラミック
アルミナを膜厚1.5μmにて製膜した。市販のアッベ
屈折計にて基板Cに製膜した、TiO2膜とMgF2膜の
各々の屈折率を計測したところ、それぞれ、2.35
(TiO2)と1.385(MgF2)であった。赤外線
露光レーザーの波長λとして、λ=0.83μmを想定
し、下記式1から膜厚みを計算した。 λ/4=nd(n;屈折率、d;膜厚み[μm])………式1 その結果、TiO2膜厚は、0.088μm、MgF2
厚は、0.150μmとなるようにスパッタリング法に
て基板A、基板Bおよび基板CにTiO2膜とMgF2
を交互に2層〜20層積層した。
【0047】総膜厚を下記1−8.に示す赤外線反射型
断熱層の厚みの測定方法に従って計測した結果、各々
0.24μm(2層)、0.48μm(4層)、0.7
μm(6層)、0.95μm(8層)1.19μm(1
0層)、1.9μm(16層)、2.4μm(20層)
であった。また、830nmにおける赤外線反射率を下
記1−9.に示す赤外線反射率の計測方法に従って、計
測した結果、反射率は各々、40%(2層)、70%
(4層)、90%(6層)、96%(8層)、99%
(10層)、99.9%(16層)、99.99%(2
0層)であった。 製膜条件:到達圧力5×10-4Pa、スパッタ圧力6.
7×10-1Pa、Ar流量20sccm、基板未加熱、
基板冷却有り、バイアス無し、スパッタ電源RC、スパ
ッタ電力RF400W〜800W、スパッタ時間は適宜
【0048】1−8.赤外線反射型断熱層の厚みの測定
方法 親水化層の厚みの測定は超高分解能型SEM(日立S−
900)を使用した。12Vという比較的低加速電圧
で、導電性を付与する蒸着処理等を施す事無しに観察を
おこなった。基板を折り曲げて、折り曲げた際に発生し
たひび割れ部分の側面(通称破断面)を超高分解能型S
EM(日立S−900)を使用し、観察した。10箇所
を無作為抽出して平均値を平均膜厚とした。標準偏差誤
差は±10%以下であった。その他、スパッタリングの
際に、マスキングをおこなって、マスキング部分と非マ
スキング部分の境界に形成された段差をAFMにて計測
し膜厚とすることも可能である。
【0049】1−9.赤外線反射率の計測方法 Varian社製 CARY−5を用いて、0.3mm
のPETフィルムに赤外線反射型断熱層を形成し、赤外
線吸収率を測定した。赤外線反射率としては、散乱反射
率(Praying Mantis)は100%反射標
準板としては、PTFE粉末を圧縮プレスした校正済み
標準試料を用いた。吸収率0%の標準試料としては、
0.18mmのPETフィルムを使用した。 製膜条件:到達圧力5×10-4Pa、スパッタ圧力6.
7×10-1Pa、Ar流量20sccm、基板未加熱、
基板冷却有り、バイアス無し、スパッタ電源RC、スパ
ッタ電力RF400W〜800W、スパッタ時間は適宜
【0050】1−10.断熱性の評価方法 下記条件にてTi蒸着膜を真空蒸着装置にて製膜し、下
記露光条件にて露光後、線の太さで相対評価をおこなっ
て、支持体の断熱性の評価とした。線が太いもの程断熱
性が高いものと判断した。 製膜条件:JEOL社製 JEE−4X 到達圧力5×
10-3Pa、蒸着電流40A、基板未加熱、蒸着材料;
純度99.9%、0.5mmΦTi線 レーザー照射条件:YAGレーザー(波長1.064μ
m)、レーザー光出力0.724W、走査速度120c
m/s、1/e2ビーム直径35μm(ビームプロファ
イルは良好なガウス分布であったのでガウス分布近似
し、ピーク強度の1/e2光出力の位置をビーム直径と
した。) 伝熱ハンドブック(日本機会学会)によれば、セラミッ
クアルミナの熱伝導率は、36W/(m・K)であると
記載されている。基板Cにスパッタリング法にて、セラ
ミックアルミナを形成し、その値を真値と見なして、セ
ラミックアルミナより断熱性が高いかどうかを断熱性可
否の判断基準とした。断熱性評価の比較タイプとしてセ
ラミックアルミナを下記条件にて、膜厚1.5μm、5
μmにて製膜した。
【0051】製膜条件:到達圧力5×10-4Pa、スパ
ッタ圧力6.7×10-1Pa、Ar流量20sccm、
基板未加熱、基板冷却有り、バイアス無し、スパッタ電
源RC、スパッタ電力RF400W〜800W、スパッ
タ時間は適宜 断熱性 ◎:優れている(PETフィルム程度以上) ○:良好である(5μmのセラミックアルミナ以上) △:実用上の許容レベル(1.5μmのセラミックアル
ミナと同等) ×:不充分(1.5μmのセラミックアルミナ未満)
【0052】〔2.感熱記録層の形成〕下記に示した下
塗り剤Aを下記のような溶液にして塗布し、80℃で1
5秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は、15mg/m2
あった。 (下塗り剤A) β−アラニン 0.1g メタノール 100g 水 1g 次に、上記のごとく処理された基板上に下記感熱記録層
塗布液(1−A)、(1−B)を塗布することにより感
熱記録層を設けた。さらに、真空密着時間を短縮させる
ため、特公昭61−28986号記載の方法でマット層
を形成させることにより、感光性平版印刷版原版を作成
した。
【0053】(サーマルポジ型感熱記録層の形成)サー
マルポジ型感熱記録層として、下記感熱記録層塗布液
(1−A)を適当な塗布バーにて塗布し、100℃オー
ブンで2分間、乾燥させた。塗布減の塗布前後の厚みを
マイクロメータで10点計測し平均した結果、画像記録
層(1−A)の膜厚は1.2±0.8μmであった。塗
布液の塗布前後の重量変化から塗布量は、1.4g/m
2であった。その後、下記感熱記録層塗布液(1−B)
を塗布し、100℃オーブンで2分間、乾燥させた。塗
布後の厚みを同様に測定したところ感熱記録層(1−
B)の膜厚は1.8±0.8μmであった。塗布液の塗
布前後の重量変化から塗布量は、2g/m2であった。
【0054】 (感熱記録層塗布液1−A) 共重合体1(後に詳述する) 0.75g シアニン染料A 0.04g p−トルエンスルホン酸 0.002g テトラヒドロ無水フタル酸 0.05g ビクトリアピュアブルー(B0Hの対アニオンを 1−ナフタレンスルホン酸アニオンにした染料) 0.015g フッ素系界面活性剤(メガファックF…177、 大日本インキ化学工業(株)製) 0.02g γ−ブチロラクトン 8g メチルエチルケトン 7g 1−メトキシ−2−プロパノール 7g
【0055】 (感熱記録層塗布液1−B) m,p−クレゾールノボラック(m/p比=6/4、 重量平均分子量4000) 0.75g シアニン染料A 0.05g ステアリン酸n―ドデシル 0.02g テトラヒドロ無水フタル酸 0.05g フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、 大日本インキ化学工業(株)製) 0.05g メチルエチルケトン 7g l−メトキシ−2−プロパノール 7g
【0056】合成例1(共重合体1の合成方法) 攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた500ml三つ
口フラスコにメタクリル酸31.0g(0.36モ
ル)、クロロギ酸エチル39.lg(0.36モル)及
びアセトニトリル200mlを入れて、氷水浴で冷却し
ながら混合物を攪拌した。この混合物にトリエチルアミ
ン36.4g(0.36モル)を約1時間かけて滴下ロ
ー卜により滴下した。滴下終了後、氷水浴を取り去り、
室温下で80分間混合物を撹拌した。この反応混合物
に、p一アミノベンゼンスルホンアミド51.7g
(0.30モル)を加え、油浴にて70℃に温めながら
混合物を1時間攪拌した。反応終了後、この混合物を水
1リットルにこの水を攪拌しながら投入し、30分間得
られた混合物を攪拌した。この混合物をろ過して析出物
を取り出し、これを水500mlでスラリーにした後、
このスラリーをろ過し、得られた固体を乾燥することに
より、N−(p−アミノスルフェニル)メタクリルアミ
ドの白色固体が得られた。(収量46.9g)
【0057】次に攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備え
た100ml三つ口フラスコに、N−(p−アミノスル
ホニルフェエル)メタクリルアミド5.04g(0.0
210モル)、メタクリル酸エチル2.05g(0.0
180モル)、アクリロニトリル1.11g(0.02
1モル)及び、N,N―ジメチルアセトアミド20gを
入れ、湯水浴により65℃に加熱しながら混合物を攪拌
した。この混合物に「V−65」(和光純薬(株)製)
0.15gの混合物を2時間かけて滴下ロートにより滴
下した。滴下終了後さらに65℃で12時間得られた混
合物を攪拌した。反応終了後メタノール40gを混合物
に加え、冷却し、得られた混合物を水2リットルにこの
水を攪拌しながら投入し、30分混合物を攪拌した後、
析出物を濾過により取り出し、乾燥することにより15
gの白色固体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーによりこの共重合体1の重量平均分子量(ポリ
スチレン標準)を測定したところ53,000であっ
た。
【0058】〔3.画像形成〕 市販品の露光機:クレオ社のトレンドセッター3244
を用いて露光をおこなった。レーザー照射条件(露光条
件)は出力0.5W、波長830nm、ビーム直径17
μm(1/e2)、主走査速度5m/sに設定した。
【0059】〔4.平版印刷版の評価〕 4−1.クリア感度評価 印刷版原版の版面にレーザーの照射出力を変えて全面露
光し、LH−DP現像液(1:7.8希釈)の新液で現
像した。現像後の印刷用原版をマクベス濃度計(設定;
青色)で濃度の変化を計測し、縦軸をマクベス濃度、横
軸をレーザーの出力とした場合の相関図の変化点(感光
層が完全に無くなって支持体の色になる点)をクリア感
度と見なし感度評価をおこなった。なお、後述する比較
例5(厚み0.24mmのPETフィルム基板[C]を
支持体として用いた平版印刷版原版)のクリア感度が1
10mJ/cm2であり、これより数値が小さいものを
感度が良好であると評価した。
【0060】4−2.印刷適性評価 前記のようにレーザー照射により画像形成した平版印刷
版を、現像などの後処理せずに印刷機にかけて印刷をお
こなった。印刷機としては、ハリス菊半単色機(ハリス
(株)製)を用い、インキとしてGeos墨(大日本イ
ンキ化学工業(株)製)、湿し水として、湿し水EU−
3(富士写真フィルム(株)製)を1:100に水で希
釈したもの90vol%とイソプロパノール10vol
%との混合物をそれぞれ用いて、上質紙上に印刷をおこ
なった。その結果、レーザー照射部(非画像部)には汚
れが無く、また、非照射部(画像部)には着肉した鮮明
な印刷物を3000枚印刷することができた。
【0061】4−3.汚れ性能評価 印刷機を一時停止させて、印刷機のブランケット部分の
インキを日東電工製PETテープにて写し取り、非画像
部のインキによる汚れて具合を目視にて、以下の基準に
より評価した。 汚れ性 ◎:汚れの発生が目視でまったく観察されな
い。 ○:汚れの発生が目視でほとんど観察されない。 △:汚れの発生が目視で観察される。 ×:汚れの発生が著しい。 ××:汚れの発生が非画像部の全面にわたっている。
【0062】4−4.耐刷性 同様の条件で、残色、残膜、汚れのない印刷物が何枚得
られるかを計測した。即ち、残色、残膜、汚れのいずれ
かが、印刷物許容レベル以下のなった時点で、刷了と
し、その時点の枚数を印刷枚数を刷了枚数とした。 耐刷性 ○:刷了枚数10000枚以上 △:9999〜3000枚 ×:3000枚以下
【0063】(実施例2〜19、比較例1〜8)実施例
1において用いた基板、赤外線反射型断熱層を下記表1
〜表2のように変えた支持体を用いたほかは、実施例1
と同様にして平版印刷版原版を作成し、実施例1と同様
に評価した。結果を下記表1〜表2に記載する。なお、
下記表中、「AD」とは「陽極酸化皮膜」を意味する。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】表1及び表2より明らかなように、赤外線
反射型断熱層を設けた本発明の支持体を用いた平版印刷
版原版は、高感度での記録が可能であり、汚れや画像欠
陥のない高解像度の画像が形成され、耐刷性にも優れる
ことがわかった。
【0067】(実施例20)実施例1で用いたのと同様
の赤外線反射型断熱層を形成した支持体上に下記の感熱
記録層塗布液を用いて感熱記録層を形成し、平版印刷版
原版を得た。 〔サーマルネガ型感熱記録層の形成〕サーマルネガ感熱
記録層として、下記感熱記録塗布液2を適当な塗布バー
にて前記支持体に塗布し、100℃オーブンで1分間、
乾燥させた。塗布液の塗布前後の厚みをマイクロメータ
で10点計測し平均した結果、サーマルネガ型感熱記録
層2の膜厚は平均1.5μm、標準偏差0.8μmであ
った。塗布液の塗布前後の重量変化と比重から算出した
厚みは、1.7μmであった。これを平版印刷版原版と
した。
【0068】 (感熱記録層塗布液2) ・光または熱によって熱を発生する下記化合物 0.2g ・酸により架橋する下記架橋剤(フェノール誘導体) 0.7g ・バインダー(丸善石油化学(株)製のポリビニルフェノール 「マルカリンカーMS−4P」) 1.5g ・赤外線吸収剤NK−3508(商品名) (日本感光色素研究所(株)製) 0.15g ・その他添加剤 ビクトリアピュアブルーB0(C.I.44040) 0.05g フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、 大日本インキ化学工業(株)製) 0.06g ・溶剤 メチルエチルケトン 15g 1−メトキシ−2−プロパノール 5g メチルアルコール 7g
【0069】
【化1】
【0070】〔3.画像形成〕波長1064nmの赤外
線を発する固体レーザーの連続発振YAGレーザー(最
大光出力0.724W)で露光した。走査速度120c
m/s、1/e2、ビーム直径:D=35μm(ビーム
プロファイルは良好なガウス分布であったのでガウス分
布近似し、ピーク最大強度の1/e2光出力の位置をビ
ーム直径とした。)で露光した後、140℃に温度設定
したオーブン内で45秒間加熱処理した。その後、加熱
処理されたサンプルを浸漬型現像槽を有する市販の自動
現像機PS−900NP(富士写真フイルム(株)製)
を用いて現像処理を行った。このPS−900NPの現
像処理槽には、下記組成のアルカリ現像処理液1(pH
約13)が20リットル仕込まれ、現像処理液1の温度
は30℃に保温してあった。PS−900NPの第2浴
目には、水道水を8リットル、第3浴目には、FP2W
(富士写真フイルム(株)製):水=1:1で希釈した
フィニッシングガム液を8リットル仕込んだ。
【0071】 (アルカリ現像処理液1の組成) ・D―ソルビット 2.5重量% ・水酸化ナトリウム 0.85重量% ・ジエチレントリアミンペンタ・(メチレンホスホン酸) 0.05重量% 5Na塩 ・水 96.6量量%
【0072】〔4.平版印刷版の評価〕レーザー出力を
可変化して書き込み、非画像部の線幅を測定し、線幅が
2.4μmに相当するレーザーの光出力値:P[W]と
線幅L=24μm書き込み時間T[秒]=D/(√2・
V)(D:1/e2ビーム直径[cm]、V:走査速度
[cm/s])から、照射エネルギーI[J/cm2
=4・P/(πD2)×Tを求めて、これを感度とし
た。走査速度120cm/sにおける感度は100mJ
/cm2であった。この様にしてレーザー照射により画
像形成した平版印刷版を後処理せずに印刷機にかけて印
刷をおこなった。印刷機としては、ハリス菊半単色機
(ハリス(株)製)を用い、インキとしてGeos墨
(大日本インキ化学工業(株)製)、湿し水として、湿
し水EU−3(富士写真フィルム(株)製)を1:10
0に水で希釈したものを使用した。
【0073】平版印刷版の評価方法は実施例1と同様に
しておこなった。結果を以下の表3〜表4にまとめる。
なお、感度については、比較例13(厚み0.24mm
のPETフィルム基板[C]を支持体として用いた平版
印刷版原版)のクリア感度が220mJ/cm 2であ
り、これより数値が小さいものを感度が良好であると評
価した。
【0074】(実施例21〜33、比較例9〜14)実
施例20において用いた基板、赤外線反射型断熱層を下
記表3〜表4のように変えた支持体を用いたほかは、実
施例20と同様にして平版印刷版原版を作成し、実施例
20と同様に評価した。結果を下記表3〜表4に記載す
る。
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】表3及び表4より明らかなように、赤外線
反射型断熱層を設けた本発明の支持体を用いた平版印刷
版原版は、ポジ型同様、ネガ型の感熱記録層を設けた場
合においても、高感度での記録が可能であり、汚れや画
像欠陥のない高解像度の画像が形成され、耐刷性にも優
れることがわかった。
【0078】(実施例34)実施例1で用いたのと同様
の赤外線反射型断熱層を形成した支持体上に下記の感熱
記録層塗布液を用いて感熱記録層を形成し、平版印刷版
原版を得た。 〔アブレーションポジ型感熱記録層の形成〕前記支持体
上に、アブレーション型のインキ感脂性層を塗布乾燥さ
せて感熱記録層を形成し、平版印刷版原版とした。イン
キ感脂性層(感熱記録層塗布液3)を支持体上に適当な
塗布バーにて塗布し、120℃オーブンで1分間、乾燥
させた。感熱記録層塗布液3の塗布前後の厚みをマイク
ロメータで10点計測し平均した結果、インキ感脂性層
膜厚は平均1μm、標準偏差0.8μmであった。イン
キ感脂性層の塗膜形成前後の重量変化と比重から算出し
た厚みは、1μmであった。
【0079】 (感熱記録層塗布液3) ベヘン酸 5mg ポリメチルメタクリレート(PMMA) 41mg (アルドリッチ社製、平均分子量996000(GPC))、 光熱変換剤 8mg (Epolight VI−148(EPOLIN社製) これらを13mlのクロロホルムに溶解し、感熱記録層
塗布液3とした。Cを作成した。
【0080】平版印刷版の評価方法は実施例1と同様に
しておこなった。結果を以下の表5〜表6にまとめる。
なお、感度については、比較例19(厚み0.24mm
のPETフィルム基板[C]を支持体として用いた平版
印刷版原版)のクリア感度が110mJ/cm 2であ
り、これより数値が小さいものを感度が良好であると評
価した。
【0081】(実施例35〜47、比較例15〜20)
実施例34において用いた基板、赤外線反射型断熱層を
下記表5〜表6のように変えた支持体を用いたほかは、
実施例34と同様にして平版印刷版原版を作成し、実施
例34と同様に評価した。結果を下記表5〜表6に記載
する。
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】表5及び表6より明らかなように、赤外線
反射型断熱層を設けた本発明の支持体を用いた平版印刷
版原版は、サーマルポジ型同様、アブレーションポジ型
の感熱記録層を設けた場合においても、高感度での記録
が可能であり、汚れや画像欠陥のない高解像度の画像が
形成され、耐刷性にも優れることがわかった。
【0085】前記実施例及び比較例より、本発明の平版
印刷版用支持体は、従来の陽極酸化処理した支持体に比
べ、感熱記録層の内部が均一に加熱され、支持体の熱拡
散を抑制し得ることから、同等の耐刷性、汚れ性能を維
持しながら、感熱記録層のクリア感度が向上しており、
また、この効果は、サーマルポジ型、サーマルネガ型、
アブレーションポジ型のいずれの感熱記録層を用いた場
合にも発現されることがわかった。さらに、実施例にお
ける画像形成の状態を観察した結果、サーマルポジ型、
サーマルネガ型の感熱記録層を用いた場合には表面のア
ブレーションが抑制されることがわかった。
【0086】
【発明の効果】本発明の平版印刷版用支持体は、書込み
に使用されるレーザ光を効率よく画像形成必要な熱エネ
ルギーとして利用することができ、高感度、高解像度
で、充分な印刷適性を有する光熱変換記録型平版印刷版
原版を形成しうる。また、本発明の平版印刷版用支持体
を用いた平版印刷版原版は、高感度、高解像度で、充分
な印刷適性を有するという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/11 503 G03F 7/11 503 7/26 501 7/26 501 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA12 AB03 AC08 CC20 DA18 DA20 DA40 2H096 AA07 BA16 CA05 EA04 LA16 2H114 AA04 AA15 AA24 BA01 BA10 DA01 DA05 DA08 DA14 DA43 DA47 DA48 DA49 DA51 DA52 DA56 DA59 DA60 EA01 EA02 EA03 EA05 EA08 FA01 FA10 FA18 4K044 AA06 AB02 BA13 BA14 BA19 BA20 BA21 BB02 BC14 CA13 CA14 CA15 CA18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、800nm〜1100nmの
    波長の赤外線反射率が70%以上であって、かつ、構成
    する材質の断熱性がセラミックアルミナと同等以上であ
    る材質を用いた赤外線反射型断熱層を設けてなる平版印
    刷版用支持体。
  2. 【請求項2】 前記赤外線反射型断熱層が、平均厚み
    0.6μm〜300μmの樹脂層またはセラミック層の
    上に、フッ化物、半導体、酸化物から選択される材質か
    らなり、光学厚みが露光波長λの〔(1/4)±10
    %〕の厚みである薄膜であって、互いに異なる材質から
    なる2種以上の薄膜を交互に複数回積層して平均厚み
    0.2μm〜2μmとした多層膜を有することを特徴と
    する平版印刷版用支持体。
  3. 【請求項3】 前記赤外線反射型断熱層が、フッ化物、
    半導体、酸化物から選択される材質からなり、光学厚み
    が露光波長λの〔(1/4)±10%〕の厚みである薄
    膜であって、互いに異なる材質からなる2種以上の薄膜
    を、交互に複数回積層して平均厚み1μm〜12μmと
    した多層膜からなることを特徴とする請求項1に記載の
    平版印刷版用支持体。
  4. 【請求項4】前記赤外線反射型断熱層を構成するセラミ
    ック層が、SnO2または、InO2からなることを特徴
    とする請求項2又は請求項3に記載の平版印刷版用支持
    体。
  5. 【請求項5】前記請求項1乃至請求項4のいずれか1項
    に記載の平版印刷版用支持体上に、赤外線露光により記
    録可能な感熱記録層を設けてなる平版印刷版原版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011050953A (ja) * 2010-09-29 2011-03-17 Casio Computer Co Ltd 反応装置及び電子機器

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