JP2002240290A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2002240290A
JP2002240290A JP2001037922A JP2001037922A JP2002240290A JP 2002240290 A JP2002240290 A JP 2002240290A JP 2001037922 A JP2001037922 A JP 2001037922A JP 2001037922 A JP2001037922 A JP 2001037922A JP 2002240290 A JP2002240290 A JP 2002240290A
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ink
recording
electrode
cleaning
common electrode
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JP2001037922A
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Seiji Yonekura
清治 米倉
Yoshinobu Fukano
善信 深野
Mamoru Okano
守 岡野
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インク吐出部を損傷することのないクリーニン
グ手段を備えたインクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】記録電極先端部11−1と共通電極6の間
に進退するクリーニング電極17を設け、記録時以外の
タイミングでクリーニング電極17を記録電極先端部と
共通電極の間に進出させ、記録電極先端部から色剤を含
むインク滴を静電力により吐出させることにより、記録
電極先端部に滞留する固形物を飛翔させて清掃する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】微小な吐出部から少量のインク滴を吐出
させ、このインク滴を記録媒体上に付着させて画像を記
録するインクジェット記録装置は、インクタンクから各
吐出部にインクを導き、そのインクに運動エネルギーを
与えることにより、吐出部からインク滴として吐出さ
せ、記録媒体に付着させてドットを記録する構成であ
る。
【0003】インクに運動エネルギーを与える駆動方法
の1つとして、記録電極と記録媒体の裏側に接触する共
通電極との間に電圧を印加し、インクに静電力を作用さ
せて該インクを吐出させる方式(静電記録方式)があ
る。この方式は、記録電極に印加する電圧をパルス幅変
調することにより、吐出するインクの量(インク滴の大
きさ)を制御することができるので、高精細インクジェ
ットプリンタを実現する方式として有利である。
【0004】このような方式の例として、特開平10−33
7889号公報には、溶媒中に低濃度に色剤を分散させたイ
ンクを記録電極の表面に供給し、この記録電極に電圧を
印加して電界を形成して電荷を持った色剤を凝集させ、
凝集した色剤を記録電極から記録媒体上に向けて吐出さ
せるインクジェットプリンタにおいて、電源投入時や所
定枚数の記録紙に対する画像記録動作を終了したとき
に、ヘッドユニットをクリーニング位置に位置させてブ
ラシローラなどのクリーニング機構により記録ヘッドの
インク吐出口に付着した色剤をクリーニングする方法が
記載されている。
【0005】また、特開平10−202883号公報には、同様
な記録方式において、記録ヘッドに対向配置させたプラ
テンローラの電位をクリーニング電位に制御することに
より、吐出部に滞留したインクをプラテンローラに向け
て飛翔させてクリーニングする方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平10−337889号公
報に示されているようなクリーニング方法は、ブラシロ
ーラなどのクリーニング機構がインク吐出口に接触する
ために、インク吐出口の損傷の危険性からインク吐出口
の形状や強度が制限され、更には、クリーニングポジシ
ョンに記録ヘッドを移動させてクリーニングを行うため
に、高頻度のクリーニングは困難である。
【0007】また、特開平10−202883号公報に示されて
いるクリーニング方法では、クリーニングのためにプラ
テンローラに向けて飛翔させたインク滴は該プラテンロ
ーラに巻き付けられた記録用紙を汚す可能性があること
や、インクが無駄に消費されるなどの欠点がある。
【0008】本発明の1つの目的は、インク吐出部を損
傷することのないクリーニング手段を備えたインクジェ
ット記録装置を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、安全なクリーニング
手段を備えたインクジェット記録装置を提供することに
ある。
【0010】本発明の他の目的は、長期的な記録休止時
のインク吐出部の乾燥を防止することができるクリーニ
ング手段を備えたインクジェット記録装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、共通電極と、
この共通電極に対向して設置されて該共通電極との間に
発生する電界によりインク滴を該共通電極に向けて飛翔
させる記録電極と、前記記録電極の先端部からインクを
回収するインク回収手段とを備え、前記共通電極に沿っ
て搬送する記録媒体にインク滴を付着させて記録を行う
インクジェット記録装置において、前記共通電極と前記
記録電極の間に進退可能なクリーニング電極を備え、こ
のクリーニング電極を共通電極と前記記録電極の間に進
出させることにより該クリーニング電極と前記記録電極
の間に発生する電界によって記録電極からクリーニング
用のインク滴を飛翔させるようにしたことを特徴とする
ものである。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施の形態を
示すインクジェット記録装置の縦断側面図である。
【0013】このインクジェット記録装置は、筺体1の
内部に、記録ヘッド2,補給用インクタンク3,共通電
極6,記録媒体搬送手段8および装置全体を制御するコ
ントローラ(図示省略)を内蔵する。記録ヘッド2は、
インク循環部4,インク吐出部5を備える。共通電極6
は接地状態に設置し、この共通電極6にインク吐出部5
が対向するように記録ヘッド2を設置し、記録媒体搬送
手段8は、送りローラ9a〜9cを備え、記録媒体挿入
口1aから挿入された記録媒体7を共通電極6と記録ヘ
ッド2との間を通過させて記録媒体排出口1bから排出
するように該記録媒体7を搬送する。
【0014】記録ヘッド2は、インク吐出部5と該イン
ク吐出部5にインク吐出のためパルス電圧を印可するパ
ルス電圧発生回路(図示省略)およびインク循環部4を
一体型に構成した。
【0015】各部の詳細は以下の通りである。
【0016】記録ヘッド2は、記録媒体搬送手段8の搬
送方向を横切る方向に列状にインク吐出口を並べたイン
ク吐出部5,インクを蓄えておくインクタンク3,イン
ク吐出部5にインクを供給するインク循環部4,コント
ローラからの画像信号に応じてパルス幅変調された記録
電圧を発生する電源およびバイアス電源(図示省略)を
備える。ここでは、1色分の記録ヘッド2を記載した
が、カラー印刷が可能なインクジェット記録装置におい
ては、シアン,マゼンタ,イエロー,黒色の4つの記録
ヘッド2を設置する。
【0017】記録媒体搬送手段8は、記録媒体搬送面の
両サイドに所定の圧力で接触している複数の送りローラ
9a〜9cおよび装置全体を制御するコントローラの指
示に従って各ローラを回転させるモータ(図示省略)等
を備える。
【0018】補給用インクタンク3に収容するインクと
しては、例えば粘度が小さい1〜10mPa・s程度の
イソパラフィンなどの石油系の溶剤もしくはシリコーン
系の溶剤を溶媒として、この溶媒中に色剤となる例えば
顔料を分散剤や帯電制御剤などと共に分散させて、帯電
した色剤粒子を形成させたものを用いる。このインク
は、電気抵抗値が107Ω・cm以上、表面張力が30
mN/m以下、色剤の粒子径が50nm〜500nm、
色剤粒子の表面電荷密度が1μC/m2〜100μC/
m2、色剤粒子の含有量が1重量%〜10重量%である
ことが望ましい。インク循環方法およびインク吐出部5
の詳細な構成は後述する。
【0019】図2,図3,図4は、このインクジェット
記録装置における前記インク吐出部5の詳細な構成を示
す図であり、図2はインク吐出部の横断平面図、図3は
図2におけるa−a’断面図、図4は図3におけるb−
b’断面図である。
【0020】多数の記録電極11と制御電極12は、ガ
ラス基板10の上に低誘電率(比誘電率3以下)の樹脂
膜(例えばネガ型感光性樹脂膜)101を熱圧着した上
に、金属膜を蒸着してフォトリソグラフィのウエットエ
ッチング等により交互に並べて形成する。各記録電極先
端部11−1は、ガラス基板10の端面から突き出さ
せ、且つ先鋭な角度に形成し、図2に示すように、一定
間隔で並行に設置する。各記録電極11および制御電極
12は、絶縁保護膜105により被覆する。
【0021】制御電極先端部12−1は、前記記録電極
先端部11−1より後退して位置させ、且つガラス基板
10の端面より突き出させる。この制御電極12の本体
部分は、前記記録電極11の間に一定間隔で設置する。
【0022】更に、記録電極11の延在方向に対して直
角方向で、且つ記録電極先端部11−1から後方の位置
に、記録電極11の並ぶ幅寸法と同一またはそれ以上の
長さを有する泳動電極20−1を設置する。この泳動電
極20−1には、泳動電源20を接続する。泳動電源2
0から泳動電極20−1に印加する電圧は、バイアス電
源15から印加するバイアス電圧よりも高くすることに
より、インク中に含まれる帯電顔料粒子が記録電極先端
部11−1に向って集まる量が増加する効果が生じる。
但し、泳動電極20−1は、この記録方式において必ず
しも必要な訳ではなく、記録電極先端部11−1に供給
する帯電顔料粒子を増やして記録速度をより上げる場合
に有効である。
【0023】制御電極先端部12−1は、絶縁保護膜1
05と低誘電率の樹脂膜101により覆われ、且つ突き
出ていることにより、隣接する記録電極11間のインク
メニスカスを機械的に遮蔽するように機能すると共に、
隣接する記録電極11間の電界の干渉を遮断するように
機能することにより、隣接する記録電極11間の影響に
よる飛翔インク滴の曲がりや飛翔インク滴の大きさのば
らつきを軽減し、高画質記録を可能とする。
【0024】制御電極先端部12−1は、金属の制御電
極12の先端を覆い、且つガラス基板10の端面より突
き出す方向に誘電体の樹脂で構成される。勿論、同様な
形状を金属の制御電極12のみで構成しても同様の効果
が得られることは言うまでもない。
【0025】インク吐出部5内のインク供給流路34
は、図3および図4に示すように、絶縁保護膜105の
上に熱圧着した低誘電率の樹脂膜(例えばネガ型感光性
樹脂膜)108をフォトリソグラフィのウエットエッチ
ング等により加工することによって記録電極11の上に
沿った流路溝を形成し、低誘電率の樹脂膜(例えばネガ
型レジスト樹脂膜)13を誘電率樹脂膜108上に熱圧
着をして前記流路溝を塞ぐことにより形成し、その後、
インク供給口16をウエットエッチングにより加工す
る。更に、低誘電率樹脂膜13の上にカバー19を接着
する。この構成により、インク26をインク供給流路3
4に供給することが可能となる。
【0026】図2に示すように、記録電極11に沿って
形成したインク供給流路34に矢印の方向にインク26
が供給され、記録電極先端部11−1に向って該供給イ
ンクが流れる。
【0027】図2と図4は、便宜的に、3個の記録電極
11と4個の制御電極12を示しているが、記録電極1
1と制御電極12を交互に配置し、且つ両端部に制御電
極12を配置することにより、同様の考えで、これらの
記録電極11と制御電極12の個数はインクジェット記
録装置の用途に応じて数10個から数千個まで設置する
ことが可能であり、マルチチャネル型記録ヘッドおよび
ライン型記録ヘッドを構成することができることは言う
までもない。
【0028】各記録電極11にはバイアス電源15によ
ってバイアス電圧を印加し、且つ、インク飛翔を行わせ
る記録電極11にはパルス電圧発生回路14によりパル
ス電圧を重畳して印加する。更に、インク26は、イソ
パラフィンなどの石油系の溶剤もしくはシリコーン系の
溶剤からなる溶媒に色剤となる顔料を分散剤や帯電制御
剤と共に分散させて正帯電の顔料粒子を形成している。
その他、インクの詳細内容は、図1を参照して前述した
通りである。
【0029】図3において、クリーニング電極17は、
通常の記録中は図示の位置から下方に下がった位置に後
退して待機しており、前記記録電極先端部11−1は、
共通電極6に直に対向している。このため、バイアス電
源15によるバイアス電圧の印加により、接地された共
通電極6および該共通電極6の上にある記録媒体7と前
記記録電極先端部11―1の間に電界が形成され、正帯
電顔料粒子は記録電極先端部11−1に集まり、濃縮
し、その後、パルス電圧発生回路14によるパルス電圧
の印加により、濃縮したインク滴30が静電力によって
記録媒体7に向かって飛翔する。泳動電極20−1は、
記録電極先端部11−1の後方に位置して誘電体からな
るカバー19の上に設けられている。
【0030】ここで、パルス電圧の印加周期を1kHz
程度から10kHz程度に上げていくに従い、前記イン
ク滴30に含有する顔料を含む不溶性物質の重量割合が
溶媒の重量割合よりも多い場合には、インク滴30の安
定な吐出が困難となる。従って、インク滴30に含まれ
る前記不溶性物質の重量割合は溶媒より少ないことが望
ましい。
【0031】次に、インク飛翔後の残量インクを回収す
る構成を図3および図4を参照して説明する。
【0032】記録電極先端11−1に近い側に傾斜面を
有するガラス基板先端部10−1とインク回収部材36
の間に、一定寸法gの微少隙間35を設け、更にインク
回収部材36と傾斜面を有するガラス基板10により形
成されるインク回収流路37に、記録電極先端部11−
1の下方で、且つ記録電極先端部11−1の向きに対し
て交差するある角度でガラス基板端面10−1に沿って
前記残量インクを回収するように、空気流を作ることに
より、空気流と混合させて前記残量インクを高速で回収
するように構成する。前記微少隙間35の流路高さg
は、500μm〜100μmの範囲が効果的である。
【0033】ここで、図4に示すように、インク回収部
材36の形状を複数の記録電極先端部11−1側を広く
し、記録電極先端部11−1から遠くなるにつれて狭く
なるように形成することにより、複数の各記録電極先端
部11−1に作用する回収圧力(負圧)およびインク回
収量を均一にすることができる。効果的な角度θは、3
0°〜120°である。30°以下では記録ヘッドの長
さ(前記記録電極の並び方向の長さ)に対してインク回
収部材36の寸法が大きくなり、120°以上では前記
圧力(負圧)およびインク回収量の均一性が低下する。
【0034】インク流出口54−a,54−b,54−
cのように複数のインク流出口を設けることにより、イ
ンク回収量を均一にする効果が更に向上する。複数のイ
ンク流出口は個別にパイプ(不図示)で接続することに
よりインク回収部材36の外部で合流させることができ
る。
【0035】図4の例では、インク回収部材36の形状
をV字形で示したが、複数の記録電極先端11−1側を
広くし、回収インク流出口54側を狭くした曲面を有す
る形状としても、勿論、同様の効果が得られることは言
うまでもない。
【0036】次に、図2および図3に示すクリーニング
電極17について詳細に述べる。このクリーニング電極
17は、接地し、且つ共通電極6と記録電極先端部11
−1の間にガイド部材24によって摺動自在に保持し、
更に、このクリーニング電極17の一端をアクチュエー
タ(図示省略)に接続して進退移動可能に構成する。
【0037】更に、クリーニング電極17とインク吐出
部5の間の隙間を塞ぐように、ガラス基板10とカバー
19とインク回収部材36に突き出し部10−2,19
−1,36−1を設ける。これらの突き出し部10−
2,19−1,36−1は、インク吐出部5の先端に記
録電極先端部11−1と制御電極先端部12−1の回り
を包囲して前方を開口させた凹状部を形成するためのも
のであり、1つの環状の別部材を設置して形成すること
もできる。
【0038】パルス電圧発生回路14によるパルス電圧
の印加を終了し、記録電極先端部11−1から画像記録
のためのインク滴30の飛翔を終了させた後に、クリー
ニング電極17を共通電極6と記録電極先端部11−1
の間に介在するように進出させる。クリーニング電極1
7と記録電極先端部11−1との距離は、共通電極6と
記録電極先端部11−1との距離より短いことにより、
バイアス電圧によって共通電極6との間に発生していた
記録電極先端部11−1の電界よりも、クリーニング電
極13と間に発生する記録電極先端部11−1の電界が
強くなる。このために、記録電極11にパルス電圧を印
加することなく、比較的低いバイアス電圧のみで全ての
記録電極先端部11−1からインク滴30が連続して飛
翔するようになる。この全記録電極先端部11−1から
のインク滴30の連続した飛翔により、記録電極先端部
11−1に滞留した色剤や他の固形物を取り除くことが
できる。
【0039】ここで、飛翔したインク滴30は、クリー
ニング電極17に当たった後に微少隙間35を通して回
収される。
【0040】図5は、インク循環部4の構成を含む記録
ヘッド2の機能ブロック図である。ここで、インク吐出
部5は、図2,図3,図4を参照して前述したものであ
る。
【0041】インク吐出部5に対向する共通電極6と該
共通電極6に接触して搬送される記録媒体7およびクリ
ーニング電極17は、図1に示すように配置されてい
る。
【0042】インク循環部4は、インク回収容器21内
のインク26をインク供給管23eを経由してポンプ2
2により汲み上げてインク供給管23aを経由してイン
ク吐出部5に供給し、且つインク吐出部5の余剰インク
26をインク回収管23cを経由して回収する。
【0043】共通電極6は接地し、インク吐出部5の記
録電極11および制御電極12にはバイアス電源15に
よって0.5kV〜3kV程度のバイアス電圧を印加
し、更に記録信号に応じてパルス電圧発生回路14によ
り0.2kV〜1kV程度のパルス電圧を発生して前記
バイアス電圧に重畳して記録電極11に印加する。
【0044】インク吐出部5と共通電極6および記録媒
体7の間に形成される電界による静電力により、インク
吐出部5の先端部から記録媒体7に向かってインク滴3
0が飛翔する。インク滴30の大きさは、パルス電圧1
4のパルス幅に対応して変化するために、パルス幅を制
御することによって高画質記録を実現することができ
る。
【0045】更に、供給インク26をイソパラフィンな
どの石油系もしくはシリコーン系の溶剤に顔料を分散剤
や帯電制御剤と共に分散させて正帯電の微粒子を形成さ
せることにより、インク吐出部5の先端部に沿って正帯
電の顔料微粒子が集まって濃縮するために、インク滴3
0はインク供給管23aから供給されるインクの顔料濃
度よりも濃度を高めることができ、インク滴30は、従
来のインクジェット記録にみられる記録媒体7の上での
インクにじみを少なくすることができ、高画質化が可能
となる。更に、使用可能な記録媒体を限定する必要がな
くなり、使い勝手や低コスト化が可能となる。
【0046】さて、このような種々の特徴を有するイン
クジェット記録装置において、安定したインク滴30を
高い周波数で飛翔させるためには、インク吐出部5へ供
給するインク26の供給量と供給圧力(正圧)およびイ
ンク吐出部5から回収するインク26の回収量と回収圧
力(負圧)を一定に保ち、且つ、高速インク循環が必要
である。
【0047】インク吐出部5への供給インク26の供給
量と供給圧力(正圧)を一定に保つためには、ポンプ2
2のインク供給量と供給圧を一定に保つことが必要であ
る。高速インク循環のためには、インク吐出部5中のイ
ンク供給流路(図3に示したインク供給流路34)の断
面積を大きくすることが必要である。
【0048】次に、インク吐出部5から回収するインク
26の回収量と回収圧力(負圧)を一定に保つために、
密閉されたインク回収容器21内の空気層25の空気を
吸引管23fを経由して真空ポンプ27により吸引して
排気28として大気に放出する。インク回収容器21は
密閉構造であるために、空気層25は負圧となる。負圧
の空気層25と連結されたインク回収管23cを経由し
てインク吐出部5の先端部のインク回収部材36のイン
ク回収流路37から空気と一緒に余剰インクがインク回
収容器21に回収される。インク回収容器21内に回収
された空気とインク26の混合物は、空気層25内で空
気とインクの比重の差により気液分離され、インクは回
収されたインク26に混入し、空気は吸引管23fを経
由して真空ポンプ27により排気28として大気に放出
される。前記真空ポンプ27の吸引力の設定により、イ
ンク吐出部5からの回収されるインク26の回収量と回
収圧力(負圧)を一定に保つことが可能となる。
【0049】流量制御回路52は、空気の流量調整弁5
1を制御して吸引管23fを流れる空気の流量および流
速を調整することにより空気層25の圧力を変えること
ができ、インク吐出部5(記録電極先端部11−1)に
形成されるインクメニスカスの形状を制御することがで
きる。
【0050】次に、図3に示すインク吐出部5における
クリーニング電極17の動作の詳細を図6を参照して説
明する。
【0051】インク吐出部3の先端に記録電極先端部1
1−1(誘電体樹脂膜101と絶縁保護膜105を含
む)より高く突出した突き出し部10−2,19−1,
36−1は、画像記録時に、記録媒体7が記録電極先端
部11−1に接近した際に該記録媒体7を受け止め、記
録電極先端部11−1に接触することによる損傷を防止
する。
【0052】そして、図6の(a)は、記録電極先端部
11−1にパルス電圧を印加してインク滴30を共通電
極に向けて飛翔させて画像記録中の状態を示している。
この状態においては、クリーニング電極17は、突き出
し部10−2,19−1,36−1によって形成した凹
状部の先端の開口を全開するように後退している。
【0053】図6の(b)は、画像記録と画像記録の間
の小休止の状態を示している。クリーニング電極17
は、記録電極先端部11−1と共通電極6の間を遮るよ
うに進出して記録電極先端部11−1の総てからインク
滴30を飛翔させてクリーニング電極17に衝突させ、
インク回収路37を経由して回収するようにしている。
【0054】図6の(c)は、画像記録を長期間休止の
状態を示している。この状態では、クリーニング電極1
7は、突き出し部10−2,19−1,36−1の先端
に当接して凹状部の先端の開口を全閉するように進出し
ている。この状態では、突き出し部10−2,19−
1,36−1によって形成される凹状部は、クリーニン
グ電極17によって閉じられたインクポケット40を形
成する。この状態で、インク回収流路37からのインク
回収を止め、インク供給流路34から供給インク26を
前記インクポケット40に供給して該インクポケット4
0内をインクで満たすことにより、記録電極先端部11
−1のインクの乾きを防止し、インクに含まれる顔料粒
子が記録電極先端部11−1に固着することによる前記
記録電極先端部11−1からの吐出インク滴のばらつき
を防止して極めて信頼性の高い画像記録装置を実現す
る。
【0055】図7は、クリーニング電極17の動作タイ
ミングと電圧印加のタイミングを併記するタイミングチ
ャートである。
【0056】クリーニング電極17の位置は、長期停止
時には全閉状態(P3)、すなわち、図6の(c)の位
置に進出させて保持し、記録準備時,休止時および停止
準備時は半開状態(P2)、すなわち、図6の(b)の
位置に後退させ、記録時は全開状態(P1)、すなわ
ち、図6の(a)の位置に後退させる。
【0057】次に、電圧印加タイミングは、長期停止時
にはバイアス電圧Vb(図2のバイアス電源15の出力
電圧)、パルス電圧Vp(図2のパルス電圧発生回路1
4の出力電圧)、泳動電圧Ve(図2の泳動電源20の
出力電圧)の何れもオフ(0V)とし、記録準備時から
停止準備時までバイアス電圧Vbをオンとする。更に、
泳動電圧Veは、記録時のみオンとする。パルス電圧V
pは、当然のことながら、記録時にインク滴30を記録
媒体7に向けて飛翔させる時のみオンとする。
【0058】次に、インク循環のタイミングは、図示説
明は省略するが、長期停止時のみインク循環を停止し、
記録準備から停止準備まではインク循環を継続する。
【0059】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。
【0060】図8,図9は、複数個(3個)のインク吐
出部を積み重ねて構成したインクジェット記録装置のイ
ンク吐出部の実施の形態を示している。図8は、インク
吐出部の縦断側面図、図9は、図8のc−c’断面図で
ある。
【0061】この実施の形態は、基本的には、図1〜図
3に基づき説明したインク吐出部5において、インク回
収部材36の形状を変更して、図8,図9に示すよう
に、ガラス基板10に沿ってインク回収流路37を形成
し、3個のインク吐出部5−A,5−B,5−Cを積み
重ねて固定した形態である。
【0062】各インク吐出部5−A〜5−Cの積み重ね
には、各インク吐出部5−A〜5−Cの記録電極11−
A,11−B,11−Cの各記録電極先端部11−1の
高精度位置合わせが重要である。共通電極6および記録
媒体7と前記各記録電極先端部11−1の間隔の均一
化、更には、各インク吐出部間の記録電極11−A〜1
1−Cの上下、左右の平行度ばらつき、およびピッチず
れを最小化するために、各インク吐出部5−A〜5−C
に、互いの位置合わせのために、薄膜工程において位置
合わせマークないしは位置合わせ突起と位置合わせ穴
(図示省略)を形成することが望ましい。このようにし
て、高精度に積み重ねた記録ヘッドのインク個別供給管
23a−A,23a−B,23a−Cに、インク供給管
23aを介してインクを供給する。
【0063】また、インク個別回収管23c−A,23
c−B,23c−Cから、インク回収管23cを介して
インクを回収する。
【0064】このような構成により、インクは前記イン
ク個別供給管23a−A〜23a−Cからカバー19を
経由してインク供給流路34内を記録電極先端部11−
1に向って流れ、前記記録先端部11−1と制御電極先
端部12−1の間でインクメニスカス18を形成し、飛
翔した残りのインクはインク回収流路37を経由して回
収インク流出口54から、前記インク個別回収管23c
−A〜23c−Cに回収され、更に、記録電極11−A
〜11−Cから、同時に共通電極6および記録媒体7に
向かってインク滴を飛翔させることができ、高速記録お
よびインク滴により形成されるインクドットの高密度化
が可能となる。
【0065】ここで、複数段に積み重ねて構成されたイ
ンク吐出部5−A〜5−Cに対して両側に設置したガイ
ド部材24に一枚のクリーニング電極17を摺動自在に
ガイドして、アクチュエータ(図示省略)により進退駆
動する。クリーニング電極17は、図8に示するよう
に、それぞれのインク吐出部5−A〜5−Cに対応して
窓17−1,17−2,17−3を形成している。
【0066】これにより、一枚のクリーニング電極17
と1個のアクチュエータ(図示省略)により複数段のイ
ンク吐出部5−A〜5−Cのクリーニングを行うことが
可能にする。
【0067】図8のインク吐出部のd−d’断面を図1
0に示す。3つのインク吐出部5−A〜5−Cの位置を
P2だけずらして千鳥状に積み重ねることにより、イン
ク吐出部5−A単独の記録電極5A−1,5A−2,5
A−3の間のピッチP1に対して、インク吐出部5−B
の記録電極5B−1,5B−2,5B−3およびインク
吐出部5−Cの記録電極5C−1,5C−2,5C−3
が追加されることにより、総合的な記録電極間ピッチは
P2となり、1/3に微細化する。
【0068】十分なインク循環量を確保する上からイン
ク吐出部5内のインク供給流路34の幅を広くすること
が必要になり、単一のインク吐出部では、記録電極間の
ピッチP1を狭くすることに制限があるが、図8,図1
0のように、複数のインク吐出部を積み重ねることで、
所望するインクドットの高密度化を達成することができ
る。
【0069】この実施の形態では、3個のインク吐出部
の積み重ねを示しているが、必要に応じて積み重ねるイ
ンク吐出部の数を増減させ得ることはいうまでもない。
【0070】図8と図10の例では、複数のインク吐出
部の位置をずらして千鳥状に積み重ねる例を示したが、
インク吐出部をずらすことなく重ね合わせて、同様のイ
ンク循環を行うことで、単独の記録ヘッドの場合に比べ
て、高速記録を行うことが可能なインクジェット記録装
置を実現することができる。
【0071】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録装置におけ
るクリーニング手段は、クリーニング電極と記録電極の
間に形成される電界による静電力でインク滴を飛翔させ
てインク吐出部をクリーニングするように構成している
ので、インク吐出部を損傷することのないインクジェッ
ト記録装置を実現することができる。
【0072】また、クリーニング電極と記録電極の間に
電界を発生させる電圧は、比較的低いバイアス電圧を利
用するように構成しているので、安全なクリーニング手
段をを実現することができる。
【0073】また、クリーニング電極は、記録電極を包
囲する凹状部の開口を閉じることができるので、長期器
休止時に記録電極の乾燥を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すインクジェット記
録装置の縦断側面図である。
【図2】図1に示したインクジェット記録記録装置にお
けるインク吐出部の横断平面図である。
【図3】図2におけるa−a′断面図である。
【図4】図3におけるb−b′断面図である。
【図5】図1に示したインクジェット記録記録装置にお
ける記録ヘッドの機能ブロック図である。
【図6】図2〜図4に示したインク吐出部におけるクリ
ーニング電極の進退状態を示す縦断側面図である。
【図7】本発明のインクジェット記録装置におけるクリ
ーニング電極の動作タイミングチャートである。
【図8】本発明の他の実施の形態を示すインク吐出部の
縦断側面図である。
【図9】図8におけるc−c’断面図である。
【図10】図8におけるd−d’断面図である。
【符号の説明】
1…筺体、2…記録ヘッド、3…補給用インクタンク、
4…インク循環部、5…インク吐出部、6…共通電極、
7…記録媒体、8…記録媒体搬送手段、10…ガラス基
板、11…記録電極、11−1…記録電極先端部、12
…制御電極、12−1…制御電極先端部、14…パルス
電圧発生回路、15…バイアス電源、17…クリーニン
グ電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡野 守 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 2C056 EA17 EA27 FA07 JA24 JA29 JC01 JC18 JC23 KB11 KB16 2C057 AF74 AF75 AG12 AG26 AH07 AN05 BD06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共通電極と、この共通電極に対向して設置
    されて該共通電極との間に発生する電界によりインク滴
    を該共通電極に向けて飛翔させる記録電極と、前記記録
    電極の先端部からインクを回収するインク回収手段とを
    備え、前記共通電極に沿って搬送する記録媒体にインク
    滴を付着させて記録を行うインクジェット記録装置にお
    いて、 前記共通電極と前記記録電極の間に進退可能なクリーニ
    ング電極を備え、このクリーニング電極を共通電極と前
    記記録電極の間に進出させることにより該クリーニング
    電極と前記記録電極の間に発生する電界によって記録電
    極からクリーニング用のインク滴を飛翔させるようにし
    たことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記クリーニング用の
    インク滴は、記録電極に印加されるバイアス電圧により
    前記クリーニング電極との間に発生する電界により飛翔
    させるようにしたことを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記記録電極は、間隔
    をおいて複数の電極を並設し、並設した各記録電極の間
    に制御電極を設置したことを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記記録電極は、その
    先端を包囲するように形成した凹状部材内に突出させ、
    前記クリーニング電極は、前記凹状部材の開口を遮るよ
    うに進出するように構成したことを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記クリーニング電極
    は、記録時には前記凹状部材の開口を全開し、記録小休
    止時には前記記録電極と共通電極の間を遮るように進出
    し、記録長休止時には開口を全閉するように進出するよ
    うにしたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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