JP3998538B2 - 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電力により、荷電粒子を含む液体の吐出を制御する静電吐出型の液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
静電吐出型インクジェット記録方式は、帯電した色剤成分を含むインクを用い、画像データに応じて、インクジェットヘッドの個別電極に所定の電圧を印加することにより、静電力を利用してインクの吐出を制御し、画像データに対応した画像を記録媒体上に記録する方式である。この静電吐出型インクジェット記録方式を採用する記録装置として、例えば特開平10−230608号公報に開示のインクジェット記録装置が知られている。
【0003】
図7は、上記公報に開示のインクジェット記録装置のインクジェットヘッドの概略構成を表す一例の概念図である。同図に示すインクジェットヘッド60は、上記公報に開示のインクジェットヘッド記録装置のインクジェットヘッドを構成する1つの個別電極のみを概念的に表したものであり、インクガイド基板62と、インクガイド64と、配線基板(絶縁性基板)66と、飛翔用電極68と、対向電極70とを備えている。
【0004】
ここで、インクガイド64は、インクガイド基板62の上に配置されており、その中央部分には、図中上下方向にインク案内溝72となる切り欠きが形成されている。また、配線基板66には、インクガイド64の配置に対応する位置に貫通孔74が開孔されている。インクガイド64は、配線基板66に開孔された貫通孔74を通過し、その先端部分が配線基板66の図中上側の面の表面よりも上部に突出されている。
【0005】
また、飛翔用電極68は、配線基板66に開孔された貫通孔74の周囲を囲むように、配線基板66の図中上側の面の表面に、個別電極毎にリング状に設けられている。また、インクガイド基板62と配線基板66は所定の間隔を離して配置されており、両者の間にはインクの流路76が形成されている。また、対向電極70は、インクガイド64の先端部分に対向する位置に配置され、記録媒体Pは、対向電極70の図中下側の面の表面に配置されている。
【0006】
記録時には、図中右側から左側へ向かって、飛翔用電極68に印加される高電圧レベルと同極性に帯電した色剤成分を含むインクが循環される。
【0007】
飛翔用電極68がグランドレベルの状態では、インクガイド64の先端部分近傍の電界強度が低く、インクはインクガイド64の先端部分からは飛び出さない。この時、インクの一部は、毛細管現象により、インクガイド64に形成されたインク案内溝72に沿って、配線基板66の図中上側の面の表面よりも上方まで上昇する。
【0008】
一方、飛翔用電極68に高電圧レベルが印加されると、インクガイド64のインク案内溝72に沿って上昇し、配線基板66の図中上側の面の表面よりも上方に上昇したインクは反発力によってインクガイド64の先端部分から飛び出す。そして、インクガイド64の先端部分から飛び出したインクは、マイナスの電圧レベルにバイアスされている対向電極70に引っ張られて記録媒体P上に付着する。
【0009】
こうして、インクジェットヘッド60と対向電極70上に配置された記録媒体Pとを相対的に移動させながら記録を行うことにより、記録媒体Pに、画像データに対応する画像が記録される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の静電吐出型インクジェット記録装置では、インクを吐出させるための飛翔用電極とは別に、インク中の色剤成分を凝集させるための凝集用電極が配設される場合がある。例えば、特開平8−142331号公報に開示のインクジェット記録装置では、飛翔用電極の直上に、インクの吐出部を挟んで、インク搬送方向に対し所定間隔を離して一対の凝集用電極が設けられている。
【0011】
しかし、凝集用電極が飛翔用電極の近傍に配設されていると、飛翔用電極に印加されるパルスの駆動周波数を高くした場合に、飛翔に十分な色剤成分が凝集される前に、インクがインク回収路側に色剤、溶媒ともに流されてしまう。
【0012】
高速にインクジェット記録を行うためには、色剤の吐出周波数、すなわち飛翔用電極に印加されるパルスの駆動周波数を高くする必要がある。しかし、従来の静電吐出型インクジェット記録装置では、上記の通り、凝集用電極が飛翔用電極の近傍に配設されるため、高速に記録を行うために、飛翔用電極に印加されるパルスの駆動周波数を高くすると、飛翔によって消費された色剤成分に対する色剤の補給が追従できなくなるという問題があった。
【0013】
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、凝集用電極による液体中の荷電粒子の凝集を、飛翔用電極の駆動周波数が高い場合であっても追従可能にできる液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、凝集用電極により、液体供給路を経て供給される、荷電粒子を含む液体の前記荷電粒子を凝集させ、液体吐出部に配設された飛翔用電極により、前記凝集された荷電粒子を含む液体を静電力を利用して吐出させ、液体回収路を経て残りの液体を回収する液体吐出ヘッドであって、
前記凝集用電極は、前記液体吐出部以外の前記液体供給路の側および前記液体吐出部以外の前記液体回収路の側に設けられ
前記液体供給路の側の凝集用電極および前記液体回収路の側の凝集用電極には、前記液体に含まれる荷電粒子と同一極性の電圧が印加され、
前記液体供給路の側の凝集用電極には所定の電圧が印加され、
前記液体回収路の側の凝集用電極には、前記飛翔用電極がグランドレベルの時に高電圧レベルが印加され、前記飛翔用電極に高電圧レベルが印加される時にグランドレベルとなるように、前記飛翔用電極に印加されるパルスの反転パルスが印加されることを特徴とする液体吐出ヘッドを提供するものである。
【0017】
また、前記液体供給路および前記液体回収路は絶縁性材料により形成され、前記凝集用電極は導電性膜または導電性金属板により形成されているのが好ましい。あるいは、前記液体供給路および前記液体回収路は絶縁性樹脂材料により形成され、前記凝集用電極は、導電性金属板により形成されて前記液体供給路および前記液体回収路と共に一体型に成形されているのが好ましい。
【0018】
また、当該液体吐出ヘッドは、前記荷電粒子を含む液体として、帯電した色剤成分を含むインクを吐出するインクジェットヘッドであるのが好ましい。
【0019】
また、本発明は、上記のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを用いて前記液体を吐出することを特徴とする液体吐出装置を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明を適用するインクジェットヘッドの一実施形態の斜視図である。同図は、本発明の液体吐出装置で用いられる液体吐出ヘッドとして、静電力により、帯電した色剤成分が溶媒中に分散されたインクを吐出させて、画像データに対応する画像を記録媒体上に記録する静電吐出型インクジェット記録装置のヘッドの一例を表したものである。インクジェットヘッド10は、ヘッド基板12と、吐出基板14と、配線基板16とを備えている。
【0022】
ヘッド基板12は、図中上面が略長方形をした所定高さ(厚さ)のものである。ヘッド基板12の図中右面には、ヘッド基板12内に設けられた2つの流路(図示省略)を介して後述するインク供給路およびインク回収路にそれぞれ連通されたインク供給口18およびインク回収口20が形成されている。また、ヘッド基板12の図中左右の面の手前側には、このヘッド基板12を装置内部に取り付けるための取付部22が形成されている。
【0023】
続いて、吐出基板14は、図中上面が略正方形をした所定高さのものである。吐出基板14は、ヘッド基板12の図中上面の略中央部に、ヘッド基板12の図中上面と略同一高さとなるように埋め込まれている。
【0024】
図2に示すように、吐出基板14の図中上面の略右下部のインク室30内には、画像データに応じて、インクの吐出/非吐出を制御するインク吐出部24が配設されている。また、吐出基板14の図中上辺、左辺および下辺に沿って、図中矢印で示すインク流の上流側から、インク室30内にインクを供給するためのインク供給路26が形成され、インク室30の下流側には、インク吐出部24を通過したインクを回収するためのインク回収路28が形成されている。
【0025】
また、吐出基板14の図中上面の外周部に沿って、吐出基板14と配線基板16とを接着するための接着剤塗布用の溝32が形成されている。この溝32は、溝内に接着剤が塗布され、配線基板16の図中下面と接着された状態において、吐出基板14の図中上面の内側と外側(すなわち、吐出基板14とヘッド基板12)とを遮断し、吐出基板14の内部に供給されたインクが外部に漏洩するのを防止する役割を果す。
【0026】
また、吐出基板14の図中上面には、インク吐出部24の図中右端部と吐出基板14の図中右辺に形成された溝32とを接続する溝34が形成されている。また、インク吐出部24の図中左端部と吐出基板14の図中右辺に形成された溝32とを接続する溝36が形成されている。これらの溝34,36も吐出基板14と配線基板16とを接着するための接着剤塗布用の溝であり、インク室30の上流側と下流側を分離する役割を果す。
【0027】
続いて、図1に示すインクジェットヘッド10において、配線基板16は、絶縁性基板であり、ヘッド基板12および吐出基板14の図中上面を覆うように配設されている。配線基板16は、吐出基板14の図中上面に形成された接着剤塗布用の溝32,34,36内、および後述するインク吐出部24のインクガイド受部材の両端部に設けられている配線基板接合面に塗布された接着剤により吐出基板14に接着されると共に、ヘッド基板12の図中上面の四隅に設けられた取付ネジ38によってヘッド基板12に取り付けられている。
【0028】
また、配線基板16は、図中上辺がヘッド基板12の上辺よりも上方側へ突出しており、この配線基板16の図中上辺に沿って、配線基板16の図中下面に3個の電圧供給用コネクタ40が設けられている。このコネクタ40の各々の端子と、インク吐出部24の個々の個別電極のインクガイドに対応して設けられた飛翔用電極(図示省略)とは、配線基板16上に設けられた配線(図示省略)を介して接続されている。
【0029】
次に、インク吐出部24の詳細について説明する。
【0030】
図3は、インク吐出部の一実施形態の構成概略図である。
本実施形態のインク吐出部24は、図3(a)に示すように、3つの列状インクガイド部材42a,42b,42cと、インクガイド受部材44とを備えている。
【0031】
図3(a)に示すように、列状インクガイド部材42a,42b,42cは、複数のインクガイド46を一列に配設してインクガイド基板48と一体型に形成されている。一方、インクガイド受部材44には、列状インクガイド部材42a,42b,42cの形状に対応した形状の受部(凹部)50が形成されている。列状インクガイド部材42a,42b,42cは、図3(b)に示すように、インクガイド受部材44の受部50内に並列に挿入される。これにより、インクガイドは2次元的に配置される。
【0032】
また、図3に示すように、インクガイド受部材44の両端部には、配線基板16の図中下面と接着される配線基板接合面52が設けられている。列状インクガイド部材42a,42b,42cの配列方向に沿って、配線基板接合面52の略中央を横切るように、前述の接着剤塗布用の溝34,36と連通する溝54が形成されている。
【0033】
また、図3(b)に示すように、列状インクガイド部材42a,42b,42cは、インクガイド基板48の図中上面の高さが、インクガイド受部材44の両端部の配線基板接合面52の高さよりも所定高さだけ低くなるように、インクガイド受部材44の受部50内に保持される。この時、インクガイド46の先端部の高さは、配線基板接合面52の図1中上面の高さよりも所定高さだけ高くなるように設定されている。
【0034】
すなわち、インクガイド46先端部の高さは、インクガイド46の先端部が、配線基板16に開孔された貫通孔(図5参照)を介して、配線基板16の図中上面の表面よりも所定高さだけ上方側に突出するように設定されている。個々の個別電極の構成は、図7に示す従来のインクジェットヘッドの個別電極の構成と同じであるから、ここではその説明は省略する。インクガイド46の形状は適宜変更してもよい。
【0035】
なお、1つの列状インクガイド部材42が備えるインクガイド46の個数や、インクガイド受部材44が保持可能な列状インクガイド部材42の個数は何ら限定されない。本発明では、ラインヘッドまたはラインヘッドの少なくとも一部を備えるインクジェットヘッドを使用可能である。また、所定数のインクジェットヘッド10を備えることにより、本発明は、モノクロおよびカラーのどちらにも対応可能である。
【0036】
続いて、図4および図5は、インク吐出部周辺の一実施形態の断面斜視図およびその部分拡大図である。また、図6は、インク吐出部周辺の一実施形態の概略斜視図である。
【0037】
これらの図に示すように、インク吐出部24は、インク供給路26とインク回収路28との間に設けられたインク室30内に、その両端部に設けられた配線基板接合面52の高さが、吐出基板14の図中上面と略同一高さとなるように埋め込まれている。インク吐出部24は、インクガイド受部材44の両端部の配線基板接合面52、およびインクガイド受部材44に形成された溝54内に塗布された接着剤により配線基板16の図中下面と接着される。
【0038】
インク室30は、インク供給路26の終了位置(インク供給路26とインク室30との境界位置)から、インク吐出部24の長手方向(列状インクガイド部材42におけるインクガイド46の配列方向)の全幅にわたって広角に広げられている。これとは逆に、インク室30は、インク回収路28の開始位置(インク室30とインク回収路28との境界位置)に向かうに従って、インク吐出部24の長手方向の幅に相当する幅から狭角に狭められている。
【0039】
すなわち、本実施形態のインクヘッド10の場合、インクは、インクガイド46の配列方向に対して垂直な方向に供給され、同様に、インクガイド46の配列方向に対して垂直な方向に回収される。
【0040】
また、インク供給路26には、インク室30の直前において、インク室30に向かうに従って上昇する斜面56aが設けられている。同様に、インク回収路28には、インク室30の直後において、インク室30から下流側へ向かうに従って下降する斜面56bが設けられている。インク供給路26の斜面56aおよびインク回収路28の斜面56b下部には、インクに含まれている色剤成分を凝集するための凝集用電極58a,58bが設けられている。
【0041】
この凝集用電極58a,58bに対して色剤成分と同極性の電圧を加えることにより、色剤成分は配線基板16側へ付勢され、所定濃度に凝集される。インク室30よりも上流側のインク供給路26に凝集用電極58aを設けることにより、インク室30にインクが流入される以前から、色剤成分が配線基板16側に凝集されるので、高濃度の画像形成が可能となると共に、高い吐出周波数に対しても色剤成分の凝集を追従させることが可能となる。
【0042】
また、本実施形態のように、インク室30よりも下流側のインク回収路28にも凝集用電極58bを設けることにより、インク室30にインクが流入される以前から、色剤成分が配線基板16側に凝集されると共に、凝集されなかった色剤成分がインク回収路28側へ流出するのを抑制することができる。これにより、さらなる高濃度の画像形成が可能となると共に、より高い吐出周波数に対しても色剤成分の凝集を追従させることが可能となる。
【0043】
本実施形態のように、インク吐出部24を、多数の個別電極を備えるマルチチャネルヘッド化した場合、個別電極の数、その他の条件から、適切なインク流量が異なり、凝集される色剤成分の量も異なってくる。この場合、インク供給路26側の凝集用電極58aとインク回収路28側の凝集用電極58bの電圧値を必要に応じて適宜変えるのが好ましい。これにより、色剤成分の凝集効率を制御できる自由度を向上させることができる。
【0044】
また、飛翔用電極にパルスが印加された時(ON)にインクが吐出されるため、飛翔用電極にパルスが印加されてから次のパルスが印加されるまでの間、一時的にインク吐出部24近傍の色剤成分の量が低下する。この時、飛翔用電極に印加されるパルスの反転パルスを、インク回収路28側の凝集用電極58bに印加するのが好ましい。これにより、色剤成分がインク回収路28側へ流出するのを抑制し、色剤成分を効果的に補給することができる。一方、インク供給路26側の凝集用電極58aには、常時所定の電圧を印加するのが好ましい。
【0045】
凝集用電極は、例えばAu(金)、Cu(銅)等の導電性膜で形成するのが好ましい。これにより、抵抗値の低い電極を形成することができ、電圧供給電源への負荷を軽減することができる。また、凝集用電極をSUS(ステンレス)等の耐食性の高い金属板で形成してもよい。これにより、インク溶媒および色剤成分に対する腐食の心配がなくなり、寿命の長いインクジェットヘッドが作成可能になると共に、導電性膜に比べて安価に製造することができる。
【0046】
特に、凝集用電極をSUS等の耐食性の高い金属板で形成し、インク供給路およびインク回収路を絶縁性樹脂材料で構成すれば、インク供給路とインク回収路の導入方法(形状)の自由度を向上させることができる。また、図4に示すように、凝集用電極となる導電性金属板をヘッド基板の端面まで引き出し、その端部をコネクタ用のピン形状にすれば、凝集用電極に対する電源接続も容易に行うことができる。
【0047】
また、上記のように、凝集用電極58a,58bとインク供給路26およびインク回収路28とを一体化して形成することにより、本発明を適用するインクジェットヘッド10を安価に製造することができるという利点もある。
【0048】
次に、本実施形態のインクジェットヘッド10の動作を説明する。
【0049】
記録時には、ポンプ等のインク供給手段(図示省略)により、ヘッド基板12のインク供給口18から供給されたインクが、吐出基板14のインク供給路26を経てインク室30内へ供給される。この時、インクに含まれる色剤成分は、インク供給路26の斜面56a下部に設けられた凝集用電極58aにより配線基板16側へ付勢され、所定の濃度に凝集される。色剤成分が所定濃度に凝集されたインクがインク室30内へ供給される。
【0050】
インク吐出部24におけるインクの吐出動作は、図7に示す従来のインクジェットヘッド60の場合と同じである。すなわち、飛翔用電極がグランドレベルの状態では、インクはインクガイド46の先端部分からは飛び出さない。飛翔用電極に高電圧レベルが印加されると、インクは反発力によってインクガイド46の先端部分から飛び出す。吐出されたインクは、マイナスの電圧レベルにバイアスされている対向電極に引っ張られて記録媒体上に付着する。
【0051】
吐出されずにインク吐出部24を通過し、インク室30内から排出される残りのインクは、インク回収路28を経てヘッド基板12のインク回収口20から回収される。この時、インク回収路28の斜面56b下部に設けられた凝集用電極58bにより、インク回収路28側へ色剤成分が流出するのが抑制される。これにより、色剤成分がインク回収路28側へ流出するのが抑制され、色剤成分を効果的に補給することができる。
【0052】
上記のようにして、インクジェットヘッドと対向電極上に配置された記録媒体とを相対的に移動させながら記録を行うことにより、記録媒体に、画像データに対応する画像が記録される。
【0053】
なお、上記実施形態では、インク供給路26およびインク回収路28の両方に凝集用電極58を設けているが、凝集用電極は、少なくともインク供給路26側に設けてあればよい。
【0054】
また、上記実施形態では、インク供給路26およびインク回収路28の斜面56に凝集用電極58を配置しているが、これも限定されない。凝集用電極58は、インク吐出部24以外のインク供給路26の側およびインク回収路28の側に設けてあればよい。例えば、凝集用電極58をインク吐出部24以外のインク室30内に設けてもよいし、インク供給路26およびインク回収路28の所定の位置に設けるようにしてもよい。
【0055】
本発明を適用するインクジェットヘッドは、上記実施形態のものに限定されない。すなわち、ヘッド基板12、吐出基板14、配線基板16の構造は何ら限定されない。また、インク供給路26、インク回収路28、インク室30等の構造も何ら限定されない。また、本発明の液体吐出ヘッドは、静電力により、荷電粒子を含む液体の吐出を制御するものであり、色剤成分を含むインクを吐出する静電吐出型インクジェットヘッドに限定されるものではない。
【0056】
また、本発明の液体吐出装置は、本発明の液体吐出ヘッドを使用して、荷電粒子を含む液体を吐出するものである。本発明を適用する液体吐出装置の用途は何ら限定されないが、例えば記録装置や塗布装置等に利用可能である。例えば、上記実施形態のように、液体として、帯電した色剤成分を含むインクを用い、インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる搬送手段を備えることにより、インクジェット記録装置を構成することが可能である。
【0057】
本発明の液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置は、基本的に以上のようなものである。
以上、本発明の液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【0058】
【発明の効果】
以上詳細に説明した様に、本発明によれば、液体吐出部以外の液体供給路の側に凝集用電極を設けることにより、液体吐出部に液体が流入される以前から、荷電粒子が配線電極側に凝集されるので、高濃度の液体を吐出することが可能となると共に、飛翔用電極の吐出周波数が高い場合であっても荷電粒子の凝集を追従させることが可能になるという効果がある。
また、本発明によれば、液体吐出部以外の液体回収路の側にも凝集用電極を設けることにより、液体吐出部に液体が流入される以前から、荷電粒子が配線電極側に凝集され、かつ凝集されずに液体回収路側へ通過して回収される荷電粒子の回収速度をある程度抑制することができるので、さらなる高濃度の液体の吐出が可能となると共に、高い吐出周波数に対しても荷電粒子の凝集を追従させることが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用するインクジェットヘッドの一実施形態の斜視図である。
【図2】 本発明を適用するインクジェットヘッドの吐出基板の一実施形態の構成概略図である。
【図3】 本発明を適用するインクジェットヘッドで用いられるインク吐出部の一実施形態の構成概略図である。
【図4】 本発明を適用するインクジェットヘッドで用いられるインク吐出部周辺の一実施形態の断面斜視図である。
【図5】 本発明を適用するインクジェットヘッドで用いられるインク吐出部周辺の一実施形態の断面斜視部分拡大図である。
【図6】 本発明を適用するインクジェットヘッドで用いられるインク吐出部周辺の一実施形態の概略斜視図である。
【図7】 従来の静電吐出型インクジェットヘッドの概略構成を表す一例の概念図である。
【符号の説明】
10,60 インクジェットヘッド
12 ヘッド基板
14 吐出基板
16,66 配線基板
18 インク供給口
20 インク回収口
22 取付部
24 インク吐出部
26 インク供給路
28 インク回収路
30 インク室
32,34,36,54 溝
38 取付ネジ
40 電圧供給用コネクタ
42 列状インクガイド部材
44 インクガイド受部材
46,64 インクガイド
48,62 インクガイド基板
50 受部(凹部)
52 配線基板接合面
56 斜面
58 凝集用電極
68 飛翔用電極
70 対向電極
72 インク案内溝
74 貫通孔
76 インクの流路

Claims (6)

  1. 凝集用電極により、液体供給路を経て供給される、荷電粒子を含む液体の前記荷電粒子を凝集させ、液体吐出部に配設された飛翔用電極により、前記凝集された荷電粒子を含む液体を静電力を利用して吐出させ、液体回収路を経て残りの液体を回収する液体吐出ヘッドであって、
    前記凝集用電極は、前記液体吐出部以外の前記液体供給路の側および前記液体吐出部以外の前記液体回収路の側に設けられ
    前記液体供給路の側の凝集用電極および前記液体回収路の側の凝集用電極には、前記液体に含まれる荷電粒子と同一極性の電圧が印加され、
    前記液体供給路の側の凝集用電極には所定の電圧が印加され、
    前記液体回収路の側の凝集用電極には、前記飛翔用電極がグランドレベルの時に高電圧レベルが印加され、前記飛翔用電極に高電圧レベルが印加される時にグランドレベルとなるように、前記飛翔用電極に印加されるパルスの反転パルスが印加されることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記液体供給路および前記液体回収路は絶縁性材料により形成され、前記凝集用電極は導電性膜により形成されている請求項に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記液体供給路および前記液体回収路は絶縁性材料により形成され、前記凝集用電極は導電性金属板により形成されている請求項に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記液体供給路および前記液体回収路は絶縁性樹脂材料により形成され、前記凝集用電極は、導電性金属板により形成されて前記液体供給路および前記液体回収路と共に一体型に成形されている請求項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 当該液体吐出ヘッドは、前記荷電粒子を含む液体として、帯電した色剤成分を含むインクを吐出するインクジェットヘッドである請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを用いて前記液体を吐出することを特徴とする液体吐出装置。
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