JP2005047073A - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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JP2005047073A
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Toshiaki Fukunaga
敏明 福永
Koji Furukawa
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Abstract

【課題】低い吐出電圧で、かつ、安定した大きさおよび形状を備えた微細な液滴を吐出させることのできる液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】ヘッド基板32の所定位置に、先鋭化された形状の先端側の部分を備えた略円錐形の液体ガイド50が固定され、液体ガイド50が固定されたヘッド基板32の表面を包囲するような環状の制御電極44が設けられ、制御電極44の外側に扇形の開口部35を有する貫通孔32aを設けた。ヘッド基板32の液体ガイド50を固定したのと反対側には液体循環槽30が形成されており、この液体循環槽30を流動する液体Qは開口部35を通ってヘッド基板32の液体ガイド50が固定されている側の面に流出し、表面張力により制御電極44および液体ガイド50の表面を覆うメニスカス18を形成する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶媒中に帯電粒子を分散させた液体を静電気力により吐出させる液体吐出ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
静電式インクジェット記録方式は、帯電した微粒子成分を含むインクを用い、画像データに応じて、インクジェットヘッドの制御電極に所定の電圧を印加することにより、静電気力を利用してインクの吐出を制御し、画像データに対応した画像を記録媒体上に記録する方式である。この静電式インクジェット記録方式を採用する記録装置として、例えば、特許文献1が開示するようなインクジェット記録装置が知られている。
【0003】
図8は、上記特許文献1に開示のインクジェット記録装置のインクジェットヘッドの概略構成の一例を模式的に表す概念図である。同図に示すインクジェットヘッド100は、特許文献1に開示のインクジェットヘッドを構成する、インク吐出位置となる1つのインクガイド周辺のみを概念的に表したものであり、ヘッド基板102と、インクガイド104と、絶縁性基板106と、制御電極108と、記録媒体Pを支持する対向電極110と、バイアス電源112と、信号電源114とを備えている。
【0004】
ここで、インクガイド104は、先端部分105が突状の、所定厚みを持つ樹脂製平板からなり、ヘッド基板102の上に配置されている。また、絶縁性基板106には、インクガイド104の配置に対応する位置に貫通孔106aが開孔されている。インクガイド104は、絶縁性基板106に開孔された貫通孔106aを通過し、その先端部分105が絶縁性基板106の図中上側の表面、すなわち記録媒体P側の表面よりも上部に突出している。また、ヘッド基板102と絶縁性基板106とは、所定の間隔離間して配置されており、両者の間にはインクQの流路118が形成されている。
【0005】
また、制御電極108は、絶縁性基板106に開孔された貫通孔106aの周囲を囲むように、絶縁性基板106の図中上側の面の表面に、個別電極毎に円環状に設けられている。制御電極108は、画像デ−タや印字データ等の吐出データ(吐出信号)に応じたパルス信号を発生する信号電源114に接続され、信号電源114は、バイアス電源112を介して接地されている。また、対向電極110は、インクガイド104の先端部分105に対向する位置に配置され、接地されている。また、記録媒体Pは、対向電極110の図中下側の表面、すなわちインクガイド104側の表面に配置されており、対向電極110は、記録媒体Pのプラテンとして機能する。
【0006】
このように構成されるインクジェットヘッド100は、記録時には、図示されていないインク循環機構によって、制御電極108に印加される電圧と同極性に帯電した微粒子成分を含むインクが、所定方向、図示例ではインク流路118内を右側から左側へ向かって循環されるとともに、インク流路118内のインクQの一部は、毛細管現象などによって絶縁性基板106の貫通孔106aを通って、インクガイド104の先端部分105に供給される。このインクガイド104の根元部分(図中下方の部分)から先端部分105にわたって溝104aが設けられており、この溝104aにはたらく表面張力よりインクQが先端部分105に導かれる。
【0007】
ここで、制御電極108には、バイアス電源112によって常時所定の電圧、例えばDC1.5kVの電圧が印加されている。この状態では、インクガイド104の先端部分105近傍の電界強度が低く、先端部分105に導かれたインクQはインクガイド104の先端部分105からは吐出されないが、インク流路118内のインクQの一部、特に帯電した微粒子成分は、さらに、絶縁性基板106の貫通孔106aを通って、絶縁性基板106の図中上側の表面よりも上方まで上昇し、インクガイド104の先端部分105に凝集する。
【0008】
一方、バイアス電源112によって高電圧(DC1.5kV)にバイアスされている制御電極108に、信号電源114からパルス電圧、例えば、DC500V(ON時;0V:OFF時)が印加されると、制御電極108には両高電圧が重畳され、例えば2kVが印加されることになる。その結果、インクQ、特にインクQ中の帯電微粒子成分は、さらにインクガイド104に沿って上昇し、その先端部分105に凝集する。こうして、インクガイド104の先端部分105に凝集した帯電微粒子成分を含むインクQは、静電力によってその先端部分105から液滴(インク滴)として吐出され、接地されている対向電極110に引っ張られて記録媒体P上に付着し、帯電微粒子成分によってドットが形成される。
【0009】
特許文献1ではこのようにして、インクジェットヘッド100と対向電極110上に支持された記録媒体Pとを相対的に移動させながら帯電微粒子成分のドットによって記録を行うことにより、記録媒体Pに、画像データに対応する画像が記録される。
【0010】
また特許文献2には、絶縁性基板を厚さ方向に貫通する貫通孔状のインク供給路を設け、絶縁性基板の表面に設けられた貫通孔(インク供給路)の開口部をインク吐出口とし、このインク吐出口を包囲するように絶縁性基板表面に穴あき円盤状の記録電極を設け、この記録電極と、この記録電極と対向配置された対向電極との間に電圧を印加してインク供給路内に供給されたインクを吐出する方式のインクジェットヘッドが開示されている。この特許文献2においても穴あき円盤状の記録電極が上述の円環状の制御電極として作用する。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−230608号公報
【特許文献2】
特開平9−309208号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インクを吐出させるために制御電極や記録電極に印加する吐出電圧は、円環状の制御電極の内径に比例し、制御電極の内径が小さいほど吐出電圧は低くてすむ一方、制御電極の内径が大きいものは大きな吐出電圧を必要とする。
【0013】
しかし、特許文献1が開示するようなインクジェットヘッド100では、制御電極の内側にインクの供給孔106aがあるため、制御電極の内径が大きくなり、インクを吐出させるのに高い吐出電圧を印加する必要がある。そのため、高電圧を発生させる電源回路が必要となり、また電力量も増大してコストが上昇するという問題がある。また、吐出電圧が高いほど電圧の値が変動しやすく、電圧の変動に伴って吐出される液滴の大きさや形状も変動しやすいので、安定した大きさや形状の液滴を吐出させるのが困難であるという問題もある。特許文献2の穴あき円盤状の記録電極についても同様である。
【0014】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、低い吐出電圧で、かつ、安定した大きさおよび形状を備えた微細な液滴を吐出させることのできる液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の液体吐出ヘッドは、帯電粒子が分散された液体を静電気力を利用して記録媒体に向けて吐出する液体吐出ヘッドであって、前記記録媒体と所定の距離離間して配置されたヘッド基板を備え、前記ヘッド基板は、前記記録媒体と対向する側の表面に設けられ、前記記録媒体に向けて前記ヘッド基板から突出し、先端に液体を導く液体ガイドと、前記液体ガイドの設けられたヘッド基板上の位置の周りを囲むように前記ヘッド基板に設けられ、静電気力を利用して前記液体ガイドの先端に導かれた液体を吐出させる環状の制御電極と、前記ヘッド基板を厚さ方向に貫通し、前記ヘッド基板の前記記録媒体と対向する側の表面の環状の前記制御電極の外側に、前記液体を前記液体ガイドに供給する開口部を有する貫通孔と、を有することを特徴とする。
【0016】
ここで、前記液体ガイドの先端部は、先鋭化された形状を備えていることが好ましい。
【0017】
また、前記記録媒体と対向する側と反対側の前記ヘッド基板の表面には、シールド電極が設けられていることが好ましい。
【0018】
また、前記ヘッド基板の、前記記録媒体と対向する側と反対側には、前記ヘッド基板とともに前記帯電粒子が分散された液体を供給する流路を形成する壁面が設けられており、前記壁面には泳動電極が設けられていることが好ましい。
【0019】
また、前記ヘッド基板の、前記記録媒体と対向する側と反対側には、前記ヘッド基板とともに前記帯電粒子が分散された液体を供給する流路を形成する壁面が設けられており、前記貫通孔が設けられた前記ヘッド基板の領域と対向する部分の前記壁面には、前記ヘッド基板に向かう方向に突出した液体流調整部材が設けられていることが好ましい。
【0020】
また、前記液体ガイドは、導体層で覆われた部分を有していることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一の実施形態について説明する。図1は、本発明の液体吐出ヘッドの一の実施形態に係る液体吐出装置1の概略構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る液体吐出装置1は、液体還流ユニット2、液体吐出ヘッド(液体吐出ユニット)3、および電源ユニット6を有している。
【0022】
本実施形態に係る液体還流ユニット2は、液体循環装置20、液体供給パイプ22、液体回収パイプ24、および液体循環槽30を有している。また、液体循環装置20は、液体ポンプ26および液体タンク28を有しており、液体循環槽30は、底基板34、側板36、液体流調整部材38および泳動電極49を有している。
【0023】
本実施形態に係る液体吐出ヘッド3は、帯電粒子が分散された液体Qを記録媒体42に向けて吐出する液体吐出ヘッドであり、記録媒体42、具体的には記録媒体42を保持する対向電極40と所定の距離離間して配置されたヘッド基板32を備えている。このへッド基板32には、液体ガイド50、制御電極44、および貫通孔32aが設けられている。また、本発明の液体吐出ヘッドに必須ではないが、へッド基板32にはシールド電極48が設けられている。また、本実施形態に係る電源ユニット6は、泳動バイアス電源62、吐出バイアス電源64、および吐出信号電源66を有している。
【0024】
本実施形態に係る液体吐出ヘッド(液体吐出ユニット)3を構成するヘッド基板32は、AlやZrO等のセラミックス、あるいはポリイミド等の樹脂で構成されている。ヘッド基板32の、対向電極40と対向する側の表面、すなわち図1に示した上側の面の所定の位置には、記録媒体42すなわち対向電極40に向けてヘッド基板32から突出し、先端に液体Qを導く液体ガイド50が設けられている。
【0025】
液体ガイド50は、樹脂やセラミックス等の絶縁性材料で構成されており、液体ガイド50は、円錐や多角錐のような、先鋭な形状を備えている。液体ガイド50は導体層として、例えば蒸着された金属薄膜で構成された導電膜52を先端側の表面に有している。この導電膜52により液体ガイド50の最先端部58近傍の部分が導電性を帯び、最先端部58に形成される電界を集中させることができる。なお、本発明においては、所定の強さの電界を得られるものであれば、導電膜52を形成することは必須ではなく、全体が絶縁性材料で構成された液体ガイド50を用いてもよい。液体ガイド50としては、例えば、底面の半径が50〜75μm、高さが50〜150μmの、円錐形または多角錐形の形状を備えた液体ガイドを用いることができる。
【0026】
図2は図1に示す液体吐出装置1の液体吐出ヘッド3を説明する図であり、液体吐出ヘッド3の一部を図1中の上側から見た、対向電極40を除いた概略平面図である。図3は、液体吐出ヘッド3の液体ガイド50近傍を拡大した断面図である。図1乃至図3に示すように、ヘッド基板32の、対向電極と対向する側の面(図1中の上面)の所定位置には、液体ガイド50が設けられている。液体ガイド50が設けられた部分の、ヘッド基板32の表面には、液体ガイド50を包囲するように環状の制御電極44が設けられている。すなわち、制御電極44は、図1中上側からみて、液体ガイド50の底部51が固定された位置のヘッド基板32の表面の周囲を囲むように、液体ガイド50の最先端部58を中心とした円環状に、ヘッド基板32の表面に設けられている。
【0027】
図3に示したように、制御電極44の内径Daと、制御電極44から記録媒体42側に突出する液体ガイド50の最先端部58までの距離、すなわち制御電極44の表面から液体ガイド50の最先端部58までの距離Hとの比(Da:H)は1:0.5〜1:2の範囲にすることが好ましく、1:0.7〜1:1.7とするのがさらに好ましい。また、制御電極44としては、代表的には、内径が100〜150μm、外径が140〜200μm、厚さが4〜10μmのものを用いることができる。さらに、個々の制御電極44は、ヘッド基板32の表面に形成された金属配線45を通じて図示しない電極パッドに接続されている。図示しない電極パッドは、電源ユニット6の吐出バイアス電源64および吐出信号電源66と接続されている。
【0028】
また、図1乃至図3では省略したが、制御電極44につながる金属配線45の表面に、樹脂やセラミックス等の絶縁性材料で構成された保護層を形成するのがよい。金属配線45の表面に保護層を形成することにより、金属配線45と他の配線との絶縁性が向上する。
さらに、制御電極44は、保護層で覆われていてもよい。制御電極44の表面を保護層で覆う場合には、制御電極44が液体に直接触れて汚れたり、制御電極44が空気に触れて劣化するのが防止される。
【0029】
図1および図2に示したように、ヘッド基板32の、制御電極44の外側の位置には、貫通孔32aが設けられている。この貫通孔32aは、図1に示した上下方向にヘッド基板32を貫通しており、また図2に示すように、間歇的な円環状すなわち制御電極44の周りに、扇形状に設けられている。
【0030】
貫通孔32aは、ヘッド基板32の対向電極40と対向する表面(図1中の上面)に開口部35を有している。貫通孔32aとしては内径が150〜210μm、外径が210〜270μmのものを設けることができる。この貫通孔32aも液体ガイド50の最先端部58を中心とする円上に設けられている。すなわち、貫通孔32aの開口部35の内縁および外縁が液体ガイド50の最先端部58を中心とする円周の一部を形成する。したがって、図2に示すように、図1中上方から見たときに、液体ガイド50の最先端部58を中心とする同心円上に制御電極44および開口部35が形成されている。
【0031】
なお、実際の液体吐出装置では、液体吐出ヘッド3は複数個二次元的に配置される。図4は複数の液体吐出ヘッドを二次元的に配置する場合の配置の仕方を示した平面図である。図4に示したように、実際の液体吐出装置では複数個の液体吐出ヘッド、例えば四個の液体吐出ヘッド301〜304を一周期分として一つのグループとし、このようなグループを液体吐出ヘッドを記録媒体に対して走査させる主走査方向(図4の上下方向)に複数配置した構造となっている。したがって図4の例では三周期分の三つのグループを構成する液体吐出ヘッドが配置された状態を示している。
【0032】
ヘッド基板32の、図1に示した上方には、接地された対向電極40がヘッド基板32と一定距離離間して配置されている。一方、ヘッド基板32の底基板34と対向する側の面(図1に示した下面)には、制御電極44と対向して、接地されたシールド電極48が設けられている。このシールド電極48によって図1に示した下方向へ向かう電界が遮断され、シールドされる。
【0033】
本実施形態に係る液体循環装置20では、液体ポンプ26と液体タンク28とが接続され、液体ポンプ26は液体供給パイプ22を介し、図1に示すように、液体循環槽30と接続されている。また、液体タンク28は、液体回収パイプ24を介し液体循環槽30と接続されている。液体循環槽30の図1中の下側の壁は底基板34によって構成されている。底基板34は例えばガラスのような絶縁性材料から構成されている。
【0034】
底基板34の表面の、前記貫通孔32aが設けられた領域と対向する部分には、ヘッド基板32に向かう方向に突出した液体流調整部材、例えば、略角錐台または円錐台形状の液体流調整部材38が設けられている。液体流調整部材38はガラス等の絶縁性材料から構成されている。図1および図3に示すように底基板34からヘッド基板32へ向かう方向に突出して設けられている。この液体流調整38により後述する液体流16の流れを調整し、同じく後述する凝集層17の液体Qをヘッド基板32の貫通孔32aから液体ガイド50の表面へ供給する。
【0035】
本発明においては、凝集層17の液体Qが安定してヘッド基板32の貫通孔32aを通り開口部35から液体ガイド50の表面へ供給されるのであれば、液体流調整部材38はいかなる形状であってもよく、例えば、図1に示したヘッド基板32の下面に接触していてもよい。
【0036】
液体流調整部材38および底基板34の、ヘッド基板32と対向する側の表面の全面には泳動電極49が設けられている。この泳動電極49は、電源ユニット6の泳動バイアス電源62と接続されており、この泳動バイアス電源62は、液体吐出ヘッド3の泳動電極49に常にバイアス電圧Vを印加する構成となっている。
【0037】
液体循環槽30の、底基板34に略垂直な壁は、絶縁性の基板である側板36で構成されている。図1の右側の側板36には、貫通孔である液体流入口36aが形成されており、液体供給パイプ22が接続されている。また、液体流入口36aと対向する、図1の左側の側板36には液体流出口36bが形成されており、この液体流出口36bには液体回収パイプ24が接続されている。液体循環槽30の図1中の上側には、液体吐出ヘッド3を構成するヘッド基板32が配置され、このヘッド基板32によって液体循環槽30は密閉されている。
【0038】
本実施形態に係る電源ユニット6の吐出バイアス電源64は、液体吐出ヘッド3の制御電極44に常にバイアス電圧Vを印加し、また、吐出信号電源66は図示しない信号出力手段から入力された信号により制御電極44に、パルス電圧である吐出電圧Vをバイアス電圧Vに重畳し印加する構成となっている。
【0039】
次に、本実施形態に係る液体吐出装置1における液体の流れについて説明する。図5は、図1に示す液体循環槽30、および液体吐出ヘッド3における液体の流れを説明する図であり、図1に示す複数の液体ガイド50のうちの一つの液体ガイド50と、この液体ガイド50の周辺を拡大して表した概略断面図である。図1に示すように、液体還流ユニット2の液体タンク28内には、液体Qが所定量入っている。この液体Qは、正に帯電した帯電性粒子を帯電制御剤やバインダーなどともに10Ωcm以上の抵抗率を持つ絶縁性溶媒中にコロイド状に分散させた液体である。液体タンク28内では、図示しない濃度調整機構により液体Qの絶縁性溶媒中の帯電性粒子、帯電制御剤およびバインダーなどの濃度が所定の濃度範囲に入るように常に調整されている。液体タンク28内で図示しない濃度調整機構により濃度調整された液体Qは、液体ポンプ26から所定の圧力で液体供給パイプ22へ送られる。液体供給パイプ22へ送られた液体Qは、液体流入口36aを通り液体循環槽30の内部へ供給される。液体循環槽30の内部は液体Qで満たされており、液体循環槽30の内部を図1中右側から左側に向かう方向に液体Qが流れ、液体流出口36bから液体回収パイプ24へと流出する。
【0040】
本実施形態に係る液体吐出装置1は、上記の構造を備えているため、ヘッド基板32の記録媒体42と対向する側と反対の側の表面を流れる液体Qが、貫通孔35を通り、開口部32aから、制御電極44および液体ガイド50の表面を覆うような流れを形成する。すなわち、液体循環槽30内部では、液体吐出ヘッド3の液体ガイド50周辺において、液体流調整部材38により、図5中矢印で示すような方向に流れる液体流16が形成される。また、泳動電極49には泳動バイアス電源62によりバイアス電圧Vが常に印加されており、シールド電極48は常に接地されており、泳動電極49とシールド電極48との間には、バイアス電圧Vにより泳動電極49からシールド電極48に向かう方向の電界Eが形成されている。液体循環槽30の液体Qに含まれる帯電性粒子は、この電界Eによってシールド電極48側へ引き寄せられ、液体循環槽30のヘッド基板32の近辺に、常に一定濃度以上の帯電性粒子が凝集された液体Qの層である凝集層17が形成される。
【0041】
この凝集層17の液体Qは、液体流16の流れにより、貫通孔32aを通り、開口部35からヘッド基板32の、図1および図5中の上面に流出し、制御電極44の表面を覆い、さらに液体ガイド50の表面に供給される。開口部35から制御電極44および液体ガイド50へ供給された液体Qは、主に表面張力の作用により液体ガイド50の表面を濡れ上がり、液体ガイド50の最先端部58に到達する。このようにして図5に示したような、液体ガイド50の最先端部58を覆う液体Qのメニスカス18が形成される。
【0042】
メニスカス18は、凝集層17の液体Qによって形成されており、常に一定濃度以上の帯電性粒子を含んでいる。また、メニスカス18は主に液体Qの表面張力により形成されており、ポンプ26の脈動等に起因する液体Qの供給圧力の微小な変動による影響はほとんど受けることなく、安定した形状のメニスカス18が形成されている。本実施形態に係る液体吐出ヘッド3では、このように制御電極44および液体ガイド50の表面に常に一定濃度以上の帯電性粒子を含む液体Qが供給され、メニスカス18を形成する。
【0043】
次に、本実施形態に係る液体吐出ヘッド3における液体吐出動作について説明する。図6は図1に示す液体吐出ヘッド3における液体吐出動作について説明する図であり、図1に示す複数の液体ガイド50のうちの1つの液体ガイド50と、この液体ガイド50の周辺を拡大した概略断面図である。
【0044】
上述したように、液体ガイド50の表面には液体のメニスカス18が形成されている。この液体ガイド50の底部51の周囲を包囲するように設けられた制御電極44には、電源ユニット6の吐出バイアス電源64から例えば900Vのバイアス電圧Vが印加されている。この状態では、液体ガイド50の最先端部58近傍の電界強度が低く、最先端部58を覆うメニスカス内の液体Qは、液体ガイド50の最先端部58からは吐出されない。
【0045】
この状態で、図示しない信号出力手段から入力された信号により、電源ユニット6の吐出電源66から、所望の液体ガイド50の底部51の周囲を包囲するように設けられた制御電極44に、例えば250Vのパルス電圧である吐出電圧Vを重畳して計1.15kVの電圧を印加する。その結果、液体Q、特に液体Q中の帯電粒子成分は、さらに液体ガイド50に沿って最先端部58に向けて上昇し、液体ガイド50の最先端部58に凝集する。こうして、液体ガイド50の最先端部58に凝集した帯電微粒子成分を含む液体Qは、静電力によって最先端部58のメニスカス18から液体の液滴19として、静電気力により対向電極40に向けて吐出され、記録媒体42に付着する。
【0046】
このとき、制御電極44から図4中下方向へ向かう電界も形成される。しかし、制御電極44の図4中下方向には、上記のように制御電極44と対向して接地されたシールド電極48が設けられており、図4中下方向へ向かう電界はこのシールド電極48に向かって集中し、シールドされる。これにより、液体循環槽30内部には図4中下方向へ向かう電界が形成されず、凝集層17の帯電性粒子濃度も常に一定濃度以上に保たれ、安定した濃度の帯電粒子を含む液体Qが液体ガイド50の表面に供給される。このためメニスカス18内の帯電性粒子の濃度を安定させ、吐出する液滴19の大きさ、形状が安定される点でシールド電極48を設けるのが好ましい。なお、シールド電極48をヘッド基板32の、図1に示した下面に設けることは必須ではなく、省略してもよい。
【0047】
吐出電圧Vが印加されて液滴19が吐出すると、その直後に制御電極44の電圧がバイアスVが印加されている状態に戻される。これと同時に凝集層17の液体Qが、貫通孔32aを通り、開口部35から液体ガイド50の表面へ供給され、表面張力の作用により制御電極44の表面を覆うとともに液体ガイド50の表面を濡れ上がり、新たなメニスカス18を形成する。このように貫通孔32aを通過し液体ガイド50の表面に到達した液体Qによって、メニスカス18の形状およびメニスカス18内の帯電性粒子の濃度が素早く回復される。
【0048】
なお、本発明で作製される液体吐出ヘッドは、色材粒子を含む液体の吐出に限定されず、溶媒中に分散させた帯電性粒子を含む液体を吐出するヘッドであれば、例えばポリイミドなどの耐熱性樹脂などであってもよく、液体の種類は限定されない。
【0049】
以上のように、本実施形態の液体吐出ヘッド3を有する液体吐出装置1では、ヘッド基板の所定位置に液体ガイドを設け、液体ガイドの固定部分を包囲するように設けた制御電極の外側に液体を供給するための貫通孔を設けたので、液体ガイドと制御電極とを接近させることができ、制御電極の内径を小さくすることができ、液体の吐出電圧として低電圧で液体を吐出することができる。低い吐出電圧で液体を吐出できるので、電力消費量を抑えることができる。また、吐出電圧を発生させる電源として低電圧の電源を使用できるので、液体吐出装置を小型化し、また製造コストを安価に抑えることができる。さらに低い吐出電圧で液体を吐出させることができるので、電圧の変動する幅が小さくなり、安定した形状、大きさの液滴を吐出することができる。
【0050】
また、液体ガイドが設けられている面と反対の側を流れる液体流から、液体ガイドが設けられている側に液体が供給される。これにより、吐出後の帯電性粒子濃度を次の吐出までの間に充分回復させることが出来る程度に速い流速の液体流においても、液体流の流れの圧力の変動が生じず、液体ガイド50の最先端部58を覆うメニスカス18が変動することなく安定した濃度で形成される。そのため、安定した大きさおよび形状の液滴19を高い周波数で吐出することができる。
【0051】
以上、液体吐出ヘッドについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。例えば上記実施の形態では、底基板34の一部からヘッド基板32に向かう方向に突出した液体流調整部材38を設け、液体流調整部材38の図1に示した上部とヘッド基板32の下面との間を離間させ、この間に液体Qが流れる構造を有する液体吐出装置1を例示したが、これに限定されない。図7は本発明の一つの変形例に係る液体吐出ヘッドの断面図である。図7に示したように、液体流調整部材38aの図中上部とヘッド基板32の下面とが当接する構造とすることも可能である。
【0052】
なお、上記実施形態において説明した、液体流調整部材38を底基板34上に設けることは本発明では必須ではない。しかし、液体の粘度やポンプの性能に対応して液体流路調整部材の形状を変化させることで、液体や循環装置によらず、液体Qを液体ガイドの最先端部58に安定して供給することができる。そのため、液体流調整部材38を設けることが好ましい。
【0053】
また、上記実施形態で説明した、泳動電極49を底基板34に設けることは本発明では必須ではない。しかし、この泳動電極49によって、液体流のヘッド基板32の近辺に常に一定濃度以上の帯電性粒子が凝集された凝集層17が形成される。この凝集層17の液体Qが液体ガイド50の最先端部58へ到達することで、液体ガイド50の表面を覆うメニスカス18内の帯電粒子の濃度が安定される。このため、吐出する液滴19の大きさ、形状を安定させる点で、泳動電極49を設けることが好ましい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、低い吐出電圧で、かつ、安定した大きさおよび形状を備えた微細な液滴を吐出させることのできる液体吐出ヘッドが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施形態に係る液体吐出ヘッドを有する液体吐出装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一の実施形態に係る液体吐出ヘッドの一部を省略した平面図である。
【図3】本発明の一の実施形態に係る液体吐出ヘッドの一部を拡大した断面図である。
【図4】本発明の一の実施形態に係る液体吐出ヘッドを複数配置する場合の配置例を示した平面図である。
【図5】本発明の一の実施形態に係る液体吐出ヘッドにおける液体循環動作について説明する図である。
【図6】本発明の一の実施形態に係る液体吐出ヘッドにおける液体吐出動作について説明する図である。
【図7】本発明の変形例に係る液体吐出ヘッドの断面図である。
【図8】従来の液体ジェット記録装置のインクジェットヘッドの概略構成図である。
【符号の説明】
1 液体吐出装置
2 液体還流ユニット
3 液体吐出ヘッド
6 電源ユニット
16 液体流
17 凝集層
18 メニスカス
19 液滴
20 液体循環装置
22 液体供給パイプ
24 液体回収パイプ
26 液体ポンプ
28 液体タンク
30 液体循環槽
32 ヘッド基板
34 底基板
36 側板
36a 液体流入口
36b 液体流出口
38 液体流調整部材
40 対向電極
42 記録媒体
44 制御電極
48 シールド電極
49 泳動電極
50 液体ガイド
52 導電膜
58 最先端部
62 泳動バイアス電源
64 駆動バイアス電源
66 駆動信号電源

Claims (6)

  1. 帯電粒子が分散された液体を静電気力を利用して記録媒体に向けて吐出する液体吐出ヘッドであって、
    前記記録媒体と所定の距離離間して配置されたヘッド基板を備え、
    前記ヘッド基板は、
    前記記録媒体と対向する側の表面に設けられ、前記記録媒体に向けて前記ヘッド基板から突出し、先端に液体を導く液体ガイドと、
    前記液体ガイドの設けられたヘッド基板上の位置の周りを囲むように前記ヘッド基板に設けられ、静電気力を利用して前記液体ガイドの先端に導かれた液体を吐出させる環状の制御電極と、
    前記ヘッド基板を厚さ方向に貫通し、前記ヘッド基板の前記記録媒体と対向する側の表面の環状の前記制御電極の外側に、前記液体を前記液体ガイドに供給する開口部を有する貫通孔と、
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記液体ガイドの先端部は、先鋭化された形状を備えていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記記録媒体と対向する側と反対側の前記ヘッド基板の表面には、シールド電極が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記ヘッド基板の、前記記録媒体と対向する側と反対側には、前記ヘッド基板とともに前記帯電粒子が分散された液体を供給する流路を形成する壁面が設けられており、前記壁面には泳動電極が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記ヘッド基板の、前記記録媒体と対向する側と反対側には、前記ヘッド基板とともに前記帯電粒子が分散された液体を供給する流路を形成する壁面が設けられており、前記貫通孔が設けられた前記ヘッド基板の領域と対向する部分の前記壁面には、前記ヘッド基板に向かう方向に突出した液体流調整部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記液体ガイドは、導体層で覆われた部分を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008221506A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録装置

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