JP2002239721A - 溶接方法および金属密閉容器の製造方法 - Google Patents

溶接方法および金属密閉容器の製造方法

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JP2002239721A
JP2002239721A JP2001037155A JP2001037155A JP2002239721A JP 2002239721 A JP2002239721 A JP 2002239721A JP 2001037155 A JP2001037155 A JP 2001037155A JP 2001037155 A JP2001037155 A JP 2001037155A JP 2002239721 A JP2002239721 A JP 2002239721A
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welding
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container
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Kazuo Asada
和雄 浅田
Takashi Shige
重  隆司
Kenichi Matsunaga
健一 松永
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】隙間がある場合でも金属部材間を確実に溶接可
能な溶接方法、および密閉性の向上した金属密閉容器を
製造可能な金属密閉容器の製造方法を提供する。 【解決手段】キャニスタの製造方法において、容器本体
内に放射性物質を収納した後、容器本体の上端開口部に
蓋体を溶接して容器本体を密閉する。溶接工程は、蓋体
26の外周面と容器本体12の胴部内周面との間の溶接
部に対向してTIG溶接トーチ54を設置し、TIG溶
接トーチの電極56と蓋体および胴部との間に電圧を印
加してアークを発生させ溶接部における蓋体および胴部
を溶融するとともに、電極と溶接部との間に溶加棒64
を配置して溶融する。TIG溶接トーチの設けられた磁
気コイル60に通電して磁界を発生させ、蓋体、胴部お
よび溶加棒の溶融金属からなる溶融池66を胴部側に押
付ける力を作用させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、隙間をおいて配
置された金属部材間を溶接する溶接方法、およびこの溶
接方法を用いて、放射性物質を収納する金属密閉容器、
いわゆるキャニスタ、を製造する金属密閉容器の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉の使用済燃料に代表される高放射
性物質は、解体処理されるとともに、プルトニウム等の
再使用可能な有用物質を回収するため、再処理される。
そして、これらの使用済燃料は、再処理を行うまでの
間、密閉された状態で貯蔵される。この場合、使用済燃
料は、原子力発電所で金属密閉容器としてのキャニスタ
に収納され、更に、このキャニスタは輸送用キャスクに
収納された状態で、トラック等により再処理施設に搬送
され貯蔵される。
【0003】通常、キャニスタは、金属からなる筒状の
胴部および胴部の底を閉塞した底壁を有した容器本体
と、この容器本体内に配置されたバスケットと、を有
し、使用済燃料は、バスケットによって支持された状態
で、容器本体内に複数体封入さる。また、容器本体の上
部開口は、溶接された一次蓋および二次蓋によって閉塞
される。
【0004】このようなキャニスタの製造方法として
は、以下のような方法が考えられる。まず、製造工場に
て、ステンレス等かなる一対の半円筒を互いに溶接して
胴部を形成した後、胴部の一端に底壁を溶接して容器本
体を製造する。同時に、胴部の内径に対応した径を有す
る円盤状の一次蓋および二次蓋を製造する。そして、原
子力発電所にて、上記のように製造された容器本体内に
バスケット、使用済燃料を装填した後、一次および二次
蓋を順次溶接して容器本体を密閉することにより、使用
済燃料を収納したキャニスタを製造する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
たキャニスタの製造方法において、一次蓋および二次蓋
は、TIG溶接により胴部に溶接される。キャニスタの
胴部は、通常、板厚16〜20mm程度の比較的薄い金
属板で形成されているため、変形し易く、胴部の上端開
口部内に一次蓋あるいは二次蓋を配置して溶接する際、
溶接位置において、胴部内周面と蓋との間に隙間が生じ
易い。特に、一次蓋を胴部に溶接した時点で胴部が変形
し、二次蓋を溶接する際、この二次蓋と胴部内周面との
間に、部分的に大きな隙間が生じる場合がある。
【0006】このように各蓋の外周面と胴部内周面との
間に大きな隙間、例えば約1.5mm以上の隙間がある
場合、胴部に対して蓋を確実に溶接することが困難とな
る。すなわち、蓋と胴部との隙間が大きいと、溶接時、
溶接ワイヤ等の溶加材および母材が溶融してなる溶融金
属が胴部側と蓋側とに分離してしまうとともに、溶融金
属が上記隙間を通って下方に落下しまうため、溶接が困
難となる。従って、上記の場合、密閉性および健全性に
優れたキャニスタを製造する上で大きな障害となる。
【0007】この発明は以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、1.5mm以上の隙間がある場合でも
金属部材間を確実に溶接可能な溶接方法を提供すること
にある。また、この発明の他の目的は、蓋体を確実に溶
接でき、密閉性の向上した金属密閉容器を製造可能な金
属密閉容器の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る溶接方法は、隙間を置いて配置され
た金属部材間をTIG溶接する溶接方法において、TI
G溶接トーチを上記金属部材間の溶接部と対向する位置
に設置し、上記TIG溶接トーチの電極と上記金属部材
との間に電圧を印加してアークを発生させ上記溶接部に
おける上記金属部材を溶融するとともに、上記電極と金
属部材との間に溶加棒を配置して溶融し、上記TIG溶
接トーチの設けられた磁気コイルに通電して磁界を発生
させ、上記金属部材および溶加棒の溶融金属からなる溶
融池を上記金属部材側に押付ける力を作用させことを特
徴としている。
【0009】また、この発明に係る金属密閉容器の製造
方法は、円筒状の胴部および胴部の一端を閉塞した底壁
を有した容器本体と、上記容器本体の上端開口を閉塞す
る円盤状の蓋体と、を備え放射性物質を収納する金属密
閉容器の製造方法において、上記容器本体および蓋体を
形成する工程と、上記容器本体内に放射性物質を収納し
た後、容器本体の上端開口部に上記蓋体を溶接して容器
本体を密閉する溶接工程と、を備え、上記溶接工程は、
上記蓋体の外周面と容器本体内周面との間の溶接部に対
向してTIG溶接トーチを設置し、上記TIG溶接トー
チの電極と上記蓋体および胴部との間に電圧を印加して
アークを発生させ上記溶接部における上記蓋体および胴
部を溶融するとともに、上記電極と溶接部との間に溶加
棒を配置して溶融し、上記TIG溶接トーチの設けられ
た磁気コイルに通電して磁界を発生させ、上記蓋体、胴
部および溶加棒の溶融金属からなる溶融池を上記胴部側
に押付ける力を作用させることを特徴としている。
【0010】更に、この発明に係る他の金属密閉容器の
製造方法によれば、蓋体の溶接工程は、上記蓋体の外周
面と容器本体内周面との間の溶接部に対向してTIG溶
接トーチを設置し、上記TIG溶接トーチの電極と上記
蓋体および胴部との間に電圧を印加してアークを発生さ
せ上記溶接部における上記蓋体および胴部を溶融すると
ともに、上記電極と溶接部との間に溶加棒を配置して溶
融し、上記溶接工程において、上記胴部の内周面と蓋体
の外周面との間に約1.5mm以上の隙間がある場合、
上記TIG溶接トーチの設けられた磁気コイルに通電し
て磁界を発生させ、上記蓋体、胴部および溶加棒の溶融
金属からなる溶融池を上記胴部側に押付ける力を作用さ
せることを特徴としている。
【0011】上記のように構成されたよう溶接方法およ
び金属密閉容器の製造方法によれば、金属部材間を溶接
する際、あるいは胴部と蓋体とを溶接する際、溶接部に
作用する磁界を発生させて溶融金属を金属部材側、ある
いは胴部側に寄せる方向の力を作用させている。そのた
め、溶接部における部材間の隙間が約1.5mm以上と
広い場合でも、溶融金属がこの隙間を通って流出するこ
とを防止でき、溶加材の添加量を多くして確実に溶接す
ることが可能となる。
【0012】また、金属密閉容器において、胴部は蓋体
に比較して熱容量が大きく溶けにくいが、上記のよう
に、磁界を発生させて溶融池に胴部側へ向かう力を作用
させることにより、胴部の融合不良を防止し、確実な溶
接を実現することができる。これにより、密閉性の向上
した金属密閉容器を製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら、この発
明の実施の形態に係るキャニスタの製造方法について詳
細に説明する。まず、キャニスタの構成について説明す
ると、図1および図2に示すように、金属密閉容器とし
てのキャニスタ10は、上端開口部11を有した容器本
体12を備えている。この容器本体12は、円筒状の胴
部14とこの胴部の下端開口を閉塞した底壁16とによ
って構成されている。そして、容器本体12は、図示し
ない輸送用キャスクに挿入できるように、輸送用キャス
クの本体の内径よりも僅かに小さな外径を有している。
【0014】容器本体12内には、バスケット18によ
り支持された状態で、使用済燃料集合体20が複数体封
入されている。バスケット18は、ボロン(B)とアル
ミニウム又はSUSとの複合材料によって構成されてい
る。使用済燃料集合体20は、例えば、原子炉の使用済
燃料であり、崩壊熱に伴う発熱と放射線の発生を伴う放
射性物質を含んでいる。そして、キャニスタ10は、封
入された放射性物質が外部に漏洩しないよう、溶接密閉
構造を有している。また、容器本体12内には、ヘリウ
ムガスが負圧状態あるいは正圧状態で充填されている。
【0015】すなわち、容器本体12の上端部内周面に
は複数、例えば4つの支持台22が固定され、円周方向
に沿って互いに等間隔離間して設けられている。この支
持台22上には、円環状の支持板23を介して、円盤状
の遮蔽板24が載置され、容器本体12の上端開口部1
1を閉塞している。なお、支持板23と遮蔽板24との
間は、金属Oリングにより遮蔽されている。
【0016】また、容器本体12の上端開口部11内に
は、遮蔽板24に重ねて円盤状の一次蓋26が装着さ
れ、容器本体の上端開口11を閉塞している。一次蓋2
6の外周部の上端側部分は、全周に亘って、容器本体1
2の内周面に溶接されている。
【0017】更に、容器本体12の上端開口部11内に
は、一次蓋26に重ねて円盤状の二次蓋28が装着され
ている。二次蓋28の外周部の上端側部分は、全周に亘
って、容器本体12の内周面に溶接されている。蓋体と
して機能する一次蓋24および二次蓋26の外周部に
は、後述するように、溶接時にシールドガスを充填ある
いは流動させるための空間を規定する溝がそれぞれ全周
に亘って形成され、溶接部の下側に位置している。
【0018】二次蓋28の内面には、複数の凹所30が
形成されている。そして、二次蓋28の内面は、これら
の凹所30を除き、一次蓋24の上面に密着している。
これら複数の凹所30によって一次蓋26と二次蓋28
との間には、モニタリングの検査空間として機能する密
閉空間が形成され、この密閉空間内は負圧あるいは正圧
に維持されている。これにより、キャニスタ10内部と
外部との間に圧力障壁が形成され、モニタリングが可能
となる。
【0019】このようにして、容器本体12の上端開口
11は、遮蔽板24、一次蓋26、および二次蓋28に
よって気密に閉塞されている。これらの内、外気に接触
する容器本体12、および二次蓋28は耐腐食材料、例
えば、Cr+3Mo>34%のSUS329J4L、S
US329J3L、スーパーステンレス(SUS317
系)等の金属によって形成されている。なお、一次蓋2
6および遮蔽板24は、SUS304で形成されてい
る。また、キャニスタ10の各部の板厚は、胴部14が
16〜20mm、底壁16が約40mm、遮蔽板24が
約100mm、一次蓋26および二次蓋28がそれぞれ
約50mmに設定されている。
【0020】次に、上記構成を有するキャニスタ10の
製造方法について説明する。まず、製造工場等におい
て、底壁16によって底が閉塞された円筒状の容器本体
12、および円板状の一次蓋、二次蓋26、28を製造
するとともに、容器本体のうち、一次蓋および二次蓋と
接触する部分を所定径に機械加工する。
【0021】次に、原子力発電所において、容器本体1
2内にバスケット18を配置した後、容器本体12を冷
却水内に浸水し、この状態で、容器本体の上端開口部を
通して使用済燃料集合体20を容器本体内に装填および
収納する。続いて、容器本体12の上端開口部内に支持
板23、金属Oリング、および遮蔽板24を順次装着し
た後、容器本体12を冷却水から引き上げる。
【0022】続いて、図3に示すように、冷却水40の
水面が使用済燃料集合体20の僅か上方に位置するよう
に、容器本体12内から適量の冷却水を水抜き取った
後、容器本体12の上端開口部11内に一次蓋26を装
填し遮蔽板24に重ねて配置する。ここで、一次蓋26
の外周部において、その上端部は溶接部26aを形成す
るとともに、この溶接部の下方には、すなわち、溶接部
に対して容器本体12の下端側には、全周に渡って延び
た溝26bが形成されている。
【0023】図4に示すように、一次蓋26を装填した
状態において、一次蓋の外周部は容器本体12の内周面
と隙間Gを持って隣接対向して位置する。そして、溶接
部26aの下方には、溝26bにより、ほぼ密閉された
環状の空間27が形成される。
【0024】図5に示すように、一次蓋26を装着した
後、TIG溶接装置50により、一次蓋26の上端側周
縁部を容器本体12の胴部14の内周面に順次溶接して
いく。この溶接作業は、使用済燃料集合体20からの放
射線の漏洩を防止するため、容器本体12内に冷却水4
0が漲水された状態で行う。
【0025】ここで、溶接工程に用いるTIG溶接装置
50は、図5ないし図7に示すように、装置本体51
と、この装置本体から延出したアーム52と、を有し、
アームの先端部に溶接ヘッド、つまり、TIG溶接トー
チ54が設けられている。TIG溶接トーチ54は、タ
ングステン等により形成された細長い電極56と、この
電極の周囲に設けられたガスノズル58と、を備えてい
る。更に、ガスノズル58の先端部外周には磁気コイル
60が固定され、電極56の周囲に位置している。
【0026】そして、溶接時、TIG溶接トーチ54
は、その電極56の先端部が一次蓋26と胴部14との
間の溶接部と隣接対向する位置に配置される。また、T
IG溶接装置50の電源62を有し、母材側、つまり、
一次蓋26および胴部14側をプラス、電極56にマイ
ナスとするように接続する。
【0027】この状態で、TIG溶接トーチ54のガス
ノズル58からアルゴンガス等の不活性ガスを放出し、
一次蓋26と胴部14との間の溶接部を不活性ガス雰囲
気で覆う。また、電源62から一次蓋26および胴部1
4と電極56との間に電圧を印加し、これらの間に電流
Aを流す。これにより、一次蓋26および胴部14と電
極56との間にアークを発生させ、一次蓋26および胴
部14の溶接部を溶融させる。同時に、電極56と溶接
部との間に溶加棒64を配置し、発生したアークによっ
てこの溶加棒64の先端部を溶融させる。
【0028】そして、一次蓋26および胴部14の溶融
金属、並びに溶加棒64の溶融金属によって、溶接部に
溶融池66が形成され、TIG溶接ノッチ54を溶接部
に沿って順次移動させることより、形成された溶融池6
6が順次固化して溶接ビード68を形成していく。その
結果、一次蓋26の外周縁と胴部14の内周面とが溶接
される。この際、遮蔽板24下部の金属Oリングは、燃
料により高温になった水蒸気が上昇し、溶接部に悪影響
を与えるのを防止する。この金属Oリングは、遮蔽板2
4の自重によってシールすることができる。
【0029】一方、一次蓋26の外周縁と胴部14の内
周面と間の隙間Gが1.5mm以上の場合、電磁コイル
60に通電し磁界Bを発生させた状態で溶接を行う。す
なわち、図6ないし図7に示すように、電界Bを発生さ
せると、この電界Bおよび電流Aの相互作用によりロー
レンツ力Cが発生する。このローレンツ力Cは、溶融池
66に対し、この溶融池を電極56の中心軸の回りで回
転させる方向に作用する。従って、溶融池66を形成し
ている溶融金属が回転方向の力を受け胴部14の内周面
側に押付けられた状態となる。特に、図7および図8に
おいて、電極56の右側に多くの溶融金属が存在し、こ
の溶融金属が胴部14側に押付けられる。そのため、溶
加棒64の供給量、すなわち、溶加材の添加量を多くし
た場合でも、溶融金属は隙間Gを通って下方に流出する
ことがなく、溶接部に保持される。同時に、胴部14は
一次蓋26に比較して熱容量が大きく溶け難いにも拘わ
らず、溶融金属を回転させることにより、胴部の溶接部
を良好に融合することが可能となる。以上のことから、
隙間Gが1.5mm以上の場合でも、一次蓋26と胴部
14とを良好に溶接することができる。
【0030】本発明者等は、TIG溶接トーチ54の磁
気コイル60から発生する磁界強度と、溶接部における
一次蓋26の外周縁と胴部14内周面との隙間(開先ギ
ャップ)Gと、を種々変更して溶接可能な隙間Gと磁界
強度との関係を測定した。図9は、その測定結果を示し
ている。
【0031】上記測定において、溶接条件は、 溶接電圧:100〜150A 溶接電圧:10V 溶接速度:80mm/分 溶加棒供給量:5〜18g/分 とし、磁界強度の測定は、図10に示すように、ガウス
メータ70の検出棒72をTIG溶接トーチ54の電極
近傍に配置することによって行った。
【0032】図9から分かるように、上述した溶接方法
によれば、磁気コイル60から発生する磁界の強度を上
げることにより、隙間Gが1.5mm以上となった場合
でも溶接することができ、隙間Gが2.75mmの場合
まで溶接可能となる。但し、磁界強度を約170ガウス
以上とすると、遠心力によって溶融金属が飛散し、溶接
不可能となる。
【0033】以上の溶接工程により一次蓋26を全周に
亘って初層溶接した後、溶接部の浸透探傷検査を行い、
溶接欠陥の有無を調べる。そして、溶接欠陥が無い場合
には、上記と同様の溶接工程を複数回繰り返すことによ
り、一次蓋26の周縁部を胴部14の内周面に完全に溶
接する。
【0034】一次蓋26の溶接後、容器本体12内から
冷却水を完全に抜き取り、容器本体内の完全脱水、真空
乾燥、不活性ガス(He)置換を行う。続いて、胴部1
4の上端開口部11内において、一次蓋26に重ねて二
次蓋28を装着し、上記と同様の溶接工程により、二次
蓋28の上端側周縁部を胴部14の上端部内周面に順次
TIG溶接していく。溶接後、浸透探傷検査(PT検
査)、超音波検査等により欠陥検査を行い、溶接欠陥の
有無を調べる。
【0035】その後、一次蓋26と二次蓋28との間の
空間における不活性ガス(He)置換、密封作業、気密
漏洩検査を行うことにより、キャニスタ14の蓋密閉溶
接が終了し、使用済燃料を収納したキャニスタ10が完
成する。そして、このように製造されたキャニスタ10
は、図示しない輸送用キャスクに収納され、発電所から
貯蔵施設まで輸送される。
【0036】以上のように構成されたキャニスタの製造
方法によれば、胴部14に対して一次蓋26および二次
蓋28を溶接する際、溶接部に作用する磁界Bを発生さ
せて溶融金属を胴部側に寄せる方向の力を作用させてい
る。そのため、溶接部における胴部内周面と一次蓋ある
いは二次蓋の外周面との隙間が約1.5mm以上と広い
場合でも、溶融金属がこの隙間を通って流出することを
防止でき、溶加材の添加量を多くして確実に溶接するこ
とが可能となる。
【0037】また、金属密閉容器において、胴部14は
一次蓋26および二次蓋28に比較して熱容量が大きく
溶けにくいが、上記のように、磁界Bを発生させて溶融
池66を回転力を作用させることにより溶融金属を胴部
14側へ寄せることができ、胴部の融合不良を防止し、
確実な溶接を実現することができる。これにより、蓋体
の溶接不良を無くし、密閉性の向上したキャニスタ10
を製造することができる。
【0038】なお、この発明は上述した実施の形態に限
定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能で
ある。例えば、この発明に係る溶接方法は、上述した金
属密閉容器の蓋体の溶接に限らず、配管の突合せ溶接、
平板の突合せ溶接等、金属部材間の溶接であれば種々適
用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、1.5mm以上の隙間がある場合でも金属部材間を
確実に溶接可能な溶接方法を提供することができ、ま
た、蓋体を確実に溶接でき、密閉性の向上した金属密閉
容器を製造可能な金属密閉容器の製造方法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る製造方法によって
製造されるキャニスタを一部破断して示す斜視図。
【図2】上記キャニスタの断面図。
【図3】上記キャニスタの遮蔽板および一次蓋の装着工
程を示す断面図。
【図4】上記一次蓋の外周部を拡大して示す断面図。
【図5】上記キャニスタの一次蓋を溶接する工程を示す
断面図。
【図6】上記一次蓋とキャニスタ胴部との溶接部、およ
び溶接装置のTIG溶接トーチを示す断面図。
【図7】上記溶接工程において、溶接部に作用する磁
界、電流を模式的に示す図。
【図8】上記溶接部における溶融池および溶接ビードを
概略的に示す図。
【図9】溶接部に印加する磁界強度と、溶接部における
隙間Gとの関係を示す図。
【図10】磁界強度の測定方法を概略的に示す図。
【符号の説明】
10…キャニスタ 11…上端開口部 12…容器本体 14…胴部 16…底壁 18…バスケット 20…使用済燃料集合体 24…遮蔽板 26…一次蓋 28…二次蓋 50…TIG溶接装置 54…TIG溶接トーチ 56…電極 60…磁気コイル 62…電源 64…溶加棒 66…溶融池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 101:12 G21F 5/00 K (72)発明者 松永 健一 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB07 CA03 CC04 DC01 4E081 YK10 YX07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】隙間を置いて配置された金属部材間をTI
    G溶接する溶接方法において、 TIG溶接トーチを上記金属部材間の溶接部と対向する
    位置に設置し、 上記TIG溶接トーチの電極と上記金属部材との間に電
    圧を印加してアークを発生させ上記溶接部における上記
    金属部材を溶融するとともに、上記電極と金属部材との
    間に溶加棒を配置して溶融し、 上記TIG溶接トーチの設けられた磁気コイルに通電し
    て磁界を発生させ、上記金属部材および溶加棒の溶融金
    属からなる溶融池を上記金属部材側に押付ける力を作用
    させることを特徴とする溶接方法。
  2. 【請求項2】円筒状の胴部および胴部の一端を閉塞した
    底壁を有した容器本体と、上記容器本体の上端開口を閉
    塞する円盤状の蓋体と、を備え放射性物質を収納する金
    属密閉容器の製造方法において、 上記容器本体および蓋体を形成する工程と、 上記容器本体内に放射性物質を収納した後、容器本体の
    上端開口部に上記蓋体を溶接して容器本体を密閉する溶
    接工程と、を備え、 上記溶接工程は、 上記蓋体の外周面と容器本体内周面との間の溶接部に対
    向してTIG溶接トーチを設置し、 上記TIG溶接トーチの電極と上記蓋体および胴部との
    間に電圧を印加してアークを発生させ上記溶接部におけ
    る上記蓋体および胴部を溶融するとともに、上記電極と
    溶接部との間に溶加棒を配置して溶融し、 上記TIG溶接トーチの設けられた磁気コイルに通電し
    て磁界を発生させ、上記蓋体、胴部および溶加棒の溶融
    金属からなる溶融池を上記胴部側に押付ける力を作用さ
    せることを特徴とする金属密閉容器の製造方法。
  3. 【請求項3】円筒状の胴部および胴部の一端を閉塞した
    底壁を有した容器本体と、上記容器本体の上端開口を閉
    塞する円盤状の蓋体と、を備え放射性物質を収納する金
    属密閉容器の製造方法において、 上記容器本体および蓋体を形成する工程と、 上記容器本体内に放射性物質を収納した後、容器本体の
    上端開口部に上記蓋体を溶接して容器本体を密閉する溶
    接工程と、を備え、 上記溶接工程は、 上記蓋体の外周面と容器本体内周面との間の溶接部に対
    向してTIG溶接トーチを設置し、 上記TIG溶接トーチの電極と上記蓋体および胴部との
    間に電圧を印加してアークを発生させ上記溶接部におけ
    る上記蓋体および胴部を溶融するとともに、上記電極と
    溶接部との間に溶加棒を配置して溶融し、 上記溶接工程において、上記胴部の内周面と蓋体の外周
    面との間に約1.5mm以上の隙間がある場合、上記T
    IG溶接トーチの設けられた磁気コイルに通電して磁界
    を発生させ、上記蓋体、胴部および溶加棒の溶融金属か
    らなる溶融池を上記胴部側に押付ける力を作用させるこ
    とを特徴とする金属密閉容器の製造方法。
  4. 【請求項4】板厚が16ないし20mmの金属板により
    上記胴部を形成することを特徴とする請求項2又は3に
    記載の金属密閉容器の製造方法。
  5. 【請求項5】上記胴部、底壁、一次蓋、および二次蓋と
    して、Cr+3Mo>34%のSUS329J4Lある
    いはSUS329J3Lを用いることを特徴とする請求
    項2ないし4のいずれか1項に記載の金属密閉容器の製
    造方法。
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