JP2002237371A - 防曇用ヒータのヒータ制御方法および防曇用ヒータ付ヘルメット - Google Patents

防曇用ヒータのヒータ制御方法および防曇用ヒータ付ヘルメット

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JP2002237371A
JP2002237371A JP2001034865A JP2001034865A JP2002237371A JP 2002237371 A JP2002237371 A JP 2002237371A JP 2001034865 A JP2001034865 A JP 2001034865A JP 2001034865 A JP2001034865 A JP 2001034865A JP 2002237371 A JP2002237371 A JP 2002237371A
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transparent conductive
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windshield
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Masaaki Matsushita
正明 松下
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不必要な発熱作用によって無駄に電力を消費
することなく、ウインドシールドの全領域に亘って適切
な防曇効果を発揮することのできる防曇用ヒータのヒー
タ制御方法を提供すること。 【解決手段】 ウインドシールド12を加熱する透明導
電性材料13各部における通電方向(上下方向)の長さ
の違いに応じ、線状電極15,16の各々を3つの分割
線状電極15a〜15cと16a〜16cに分割する。
これらの分割線状電極を利用し、ウインドシールド12
の両側部の領域10に位置する透明導電性材料13の部
分と中央部の領域11に位置する透明導電性材料13の
部分に供給する電力を調整し、各部の発熱量が略同一あ
るいは中央部の領域11の発熱量が僅かに多めになるよ
うに調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車やヘルメッ
ト等のウインドシールドに装備される防曇用ヒータのヒ
ータ制御方法、更には、防曇用ヒータ付ヘルメットの改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】光透過型のウインドシールドにコーティ
ングされた透明導電性材料を一方向に通電して発熱させ
ることによってウインドシールドの曇りを防止する防曇
用ヒータは、例えば、特開昭64−62156号等に示
されるように既に公知であり、自動車やヘルメット等の
ウインドシールドの曇りの防止あるいは除去に利用され
ている。
【0003】この種の防曇用ヒータをバイク用のヘルメ
ットのウインドシールドに適用した場合の一例を図5に
示す。
【0004】図5において、符号1はヘルメット本体で
あり、ウインドシールド2はヘルメット本体1に対し上
下方向に開閉自在に装着されている。そして、ウインド
シールド2の内側表面には、塗布あるいは蒸着などの手
法によって薄膜層からなる透明導電性材料3がコーティ
ングされ、この透明導電性材料3に電源4からの電圧を
印加して発熱させることにより、内外気の温度差や呼吸
によって生じるウインドシールド2の曇りを防止するよ
うになっている。
【0005】電源4としては、ヘルメット本体1に内蔵
された充電式の小型バッテリーを利用するか、あるい
は、電源ケーブルを引いてバイク側のバッテリーを利用
するのが一般的であるが、ヘルメット本体1の取り回し
の容易さの点から、専ら、ヘルメット本体1に充電式の
小型バッテリーを内蔵する構造が好まれている。
【0006】ここで、ウインドシールド2の構造の要部
を模式化して図6に示す。図6に示されるように、ウイ
ンドシールド2の内側表面には略全域に亘って透明導電
性材料3がコーティングされ、その上端部と下端部には
ウインドシールド2の縁に沿って延びる線状電極5,6
が設けられ、これらの線状電極5,6に前述した電源4
からの電力供給線7,8が接続されている。そして、電
力供給線7,8と線状電極5,6を介して電源4から透
明導電性材料3に電力を供給し、この透明導電性材料3
を発熱させることによってウインドシールド2の曇りを
防止するのである。
【0007】ウインドシールド2の全体的な形状は、図
6に示されるように、その中央部の上下幅が長く、両端
部の上下幅が短くなるように形成されているが、これ
は、ヘルメット本体1の強度とヘルメット着用者の良好
な視界を確保するために決められたヘルメット本体1の
開口部9の形状に合わせたものであり、このウインドシ
ールド2の形状を無闇に設計変更することはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ウインドシールド2に
コーティングされた透明導電性材料3に電源4からの電
圧を印加して発熱させた場合の温度分布の概略を図6に
破線で示す。破線で示す領域10は相対的に温度が高く
なる部分、また、領域11は相対的に温度が低くなる部
分である。
【0009】このような温度差が生じるのは、電気抵抗
となる透明導電性材料3の各部において線状電極5,6
間の離間距離に違いがあるためである。より具体的に言
えば、ウインドシールド2の両端部の領域10では線状
電極5,6間の離間距離が短いため電気抵抗が小さく電
流が流れ易いので発熱量が相対的に大きくなり、また、
ウインドシールド2の中央部の領域11では線状電極
5,6間の離間距離が長いため電気抵抗が大きく電流が
流れにくいので発熱量が相対的に小さくなる。
【0010】ヘルメット着用者の視界を確保するために
は、まず、領域11の温度を上昇させてウインドシール
ド2の中央部の曇りを防止する必要がある。しかし、領
域11の温度を防曇に必要な程度にまで上昇させるため
の電流を流すと、両端部の領域10にはそれ以上の電流
が流れることになり、電力が無駄に消費されるといった
弊害が生じる。特に、ヘルメット用のウインドシールド
のようにバッテリーを電源とする構造のものにおいて
は、防曇用ヒータの使用可能時間が大幅に制限されると
いった問題がある。また、両端部の領域10の温度が必
要以上に上昇するため、透明導電性材料3やウインドシ
ールド2の経年的な劣化現象も心配される。
【0011】防曇用ヒータのヒータ温度を制御する方法
としては、例えば、特開昭60−37687号に開示さ
れるように、面発熱体の均一温度領域に温度センサを配
備して供給電力を切替制御するものが知られているが、
このものは面発熱体の全体的な発熱量を制御するものに
過ぎず、部分的な温度調整を行うことはできない。
【0012】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、前記従来技術
の欠点を解消し、不必要な発熱作用によって無駄に電力
を消費することなく、ウインドシールドの全領域に亘っ
て適切な防曇効果を発揮することのできる防曇用ヒータ
のヒータ制御方法および防曇用ヒータ付ヘルメットを提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による防曇用ヒー
タのヒータ制御方法は、光透過型のウインドシールドに
コーティングされた透明導電性材料を一方向に通電して
発熱させることによってウインドシールドの曇りを防止
する防曇用ヒータのヒータ制御方法であって、前記目的
を達成するため、特に、透明導電性材料各部における通
電方向の長さの違いに応じ、通電方向の長さの長い部分
の方が通電方向の長さの短い部分よりも単位時間当たり
の電力供給量が大きくなるように電力の供給量を調整す
ることを特徴とした構成を有する。
【0014】透明導電性材料各部において通電方向の長
さが長い部分、つまり、電気抵抗が大きい部分に対して
電力供給量が増やされ、また、これとは逆に、通電方向
の長さが短い部分、つまり、電気抵抗が小さい部分に対
しては電力供給量が相対的に減らされるので、透明導電
性材料の全域に亘って略同等の発熱作用を生じさせるこ
とが可能となる。このようにして透明導電性材料の特定
部分の過剰発熱が防止されるため、無駄な電力の消費が
解消される。また、過剰な発熱部分がなくなる結果とし
て、透明導電性材料やウインドシールドの経年的な劣化
現象も緩和され、実質的な耐久性を向上させることがで
きる。
【0015】このヒータ制御方法は、特に、中央部と両
側部とで上下幅の異なる光透過型のヘルメット用ウイン
ドシールドに適用した場合に好適な効果を発揮すること
ができる。
【0016】一般に、この種のヘルメット用ウインドシ
ールドは、ヘルメット本体の強度と視界を考慮して中央
部の上下幅が長く両側部の上下幅が短くなるように設計
されており、透明導電性材料各部において通電方向の長
さが長くなる部分、つまり、電気抵抗が大きい中央部の
発熱量が不足し、視界に最も影響のあるウインドシール
ド中央部の防曇が不十分となる問題があったが、この部
分の電力供給量を相対的に増やすことにより、ウインド
シールド中央部での防曇効果を確実に発揮できるように
なる。また、ウインドシールド中央部の透明導電性材料
に対する電力供給量をこれよりも更に増やしてウインド
シールド両側部の温度よりもウインドシールド中央部の
温度を高くすれば、ヘルメット着用者の呼吸に伴ってウ
インドシールド中央部に集中して発生する曇りの発生を
的確に防止することができる。
【0017】また、本発明は、透明導電性材料各部に対
する供給電力の大きさを調整するため、透明導電性材料
の通電方向の両端部の各々に通電方向と交差する線状電
極を設け、これらの線状電極を介して透明導電性材料に
通電するように構成すると共に、少なくとも前記線状電
極の何れか一方を、透明導電性材料各部における通電方
向の長さが変化する部分で複数に分割し、分割された線
状電極の各々に対し、透明導電性材料の通電方向の長さ
の長い部分に対応して設けられた線状電極の方が通電方
向の長さの短い部分に対応して設けられた線状電極より
も単位時間当たりの電力供給量が大きくなるように電力
の供給量を調整するようにした。
【0018】このように、透明導電性材料各部において
通電方向の長さの違う部分毎に線状電極を分割し、その
各々に対して適切な量の電力を供給することによって、
透明導電性材料各部の発熱量を略均一化することが可能
となる。
【0019】更に、線状電極の分割に加え、透明導電性
材料各部における通電方向の長さが変化する部分で透明
導電性材料自体を分割して形成するようにしてもよい。
【0020】線状電極と共に透明導電性材料自体を分割
して形成することで、透明導電性材料の各部を適切な温
度で発熱させるために必要とされる電力を容易に算出す
ることが可能となり、透明導電性材料各部の温度制御を
一層的確に実施できるようになる。
【0021】線状電極毎の電力供給量の調整は、例え
ば、分割された線状電極と電源との間に線状電極毎に電
力供給のオン,オフ時間を調整するコントローラを設
け、電力供給のオン,オフ時間のデューティ比を線状電
極毎に制御すること、あるいは、分割された線状電極と
電源との間に分割された線状電極毎の出力電圧を有する
定電圧回路を設け、線状電極毎に供給電圧を制御して電
力の供給量を調整することによって容易に実施可能であ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の幾つかについて詳細に説明する。図1は本発明
による防曇用ヒータのヒータ制御方法をバイク用のヘル
メットのウインドシールド12に適用した場合の実施形
態について示した模式図、また、図2はこのウインドシ
ールド12にコーティングされた透明導電性材料13
(防曇用ヒータ)とコントローラ17および電源14と
の電気的な接続関係を簡略化して示した概念図であり、
この実施形態では、電源14として充電式の小型バッテ
リーを利用している。
【0023】ウインドシールド12を装着するヘルメッ
ト本体の形状に関しては図5の従来例で示したヘルメッ
ト本体1と同様であり、また、ウインドシールド12自
体の外形も図6で示したウインドシールド2と同様であ
る。なお、ウインドシールド12とヘルメット本体との
間の取り付け構造や電源14側のスイッチ構造、およ
び、電源14となる小型バッテリーをヘルメット本体内
に装備するための構造等に関しては既に公知であるた
め、ここでは説明を省略する。
【0024】ウインドシールド12の表面には、図1に
示す通り、塗布あるいは蒸着などの手法によって、厚さ
一定の薄膜層からなる透明導電性材料13が略全域に亘
ってコーティングされ、その上端部と下端部には、ウイ
ンドシールド12の縁に沿って延びる線状電極15,1
6が設けられている。
【0025】つまり、線状電極15,16を介してウイ
ンドシールド12の上下幅方向に透明導電性材料13を
通電して発熱させる構造であり、線状電極15,16の
各々は、この通電方向に対し略直交状態で交差して、透
明導電性材料13における通電方向の両端部に配置され
ていることになる。
【0026】図1に示される通り、線状電極15,16
の各々は、透明導電性材料13の各部における通電方向
の長さが変化する部分、要するに、ウインドシールド1
2自体の上下幅が変化する部分で、各々、分割線状電極
15a,15b,15cと分割線状電極16a,16
b,16cの3つの部分に分割されている。
【0027】このうちウインドシールド12の両側部に
位置する分割線状電極15a,16aと分割線状電極1
5c,16cは通電方向の長さの短い部分に対応して設
けられた分割線状電極であり、また、ウインドシールド
12の中央部に位置する分割線状電極15b,16b
は、通電方向の長さの長い部分に対応して設けられた分
割線状電極である。
【0028】また、図2に示される通り、充電式の小型
バッテリーによって構成される電源14には電力調整用
のコントローラ17が接続され、電源14と共に図示し
ないヘルメット本体内に装備される。このコントローラ
17には、出力電圧V(設定値)の低電力出力端子S
,Sと、出力電圧V(設定値)の高電力出力端子
、および、グランド端子Sが設けられている。
【0029】そして、グランド端子Sからの電力供給
線18がウインドシールド12側の分割線状電極16
a,16b,16cの各々に接続され、また、高電力出
力端子Sからの電力供給線19がウインドシールド1
2側の分割線状電極15bに接続されると共に、低電力
出力端子S,Sからの電力供給線20,21は、ウ
インドシールド12側の分割線状電極15a,15cの
各々に接続されている。
【0030】図3は電力調整用のコントローラ17とし
てインバータを利用した場合の各端子S,S,S
からの出力電圧の一例を示したタイミングチャートであ
る。インバータを使用した場合、各端子S,S,S
からの出力電圧自体は一定であるので、各端子S
,Sの電力供給のオン,オフ時間つまりデューテ
ィ比を調整することで各端子S,S,S毎の実質
的な出力電圧(電力)を調整することになる。
【0031】例えば、図6の従来例において、分割され
ていない単一の線状電極5,6に所定の電圧を印加した
ときに、電極間の離間距離が短く電気抵抗の小さな両端
部の領域10における単位面積当たりの発熱量が、電極
間の離間距離が長く電気抵抗の大きな中央部の領域11
における単位面積当たりの発熱量のn倍になったと仮定
する。その原因は、「発明が解決しようとする課題」の項
でも述べた通り、電気抵抗となる厚さ一定の透明導電性
材料3の各部における線状電極5,6間の離間距離の相
違、要するに、電気抵抗の相違によって生じる電流値の
大小にある。
【0032】一般に、ヒータの発熱量は供給される電力
の大きさに比例し、単位面積当たりの発熱量をW、そこ
に流れる電流をi、単位面積当たりの抵抗をr、比例定
数をkとした場合、W=kriによって求められ、更
に、面積をS、全体の抵抗をRとした場合、W=(kV
)/(SR)によって求められる。図6の従来例で両
端部の領域10における単位面積当たりの発熱量W
中央部の領域11における単位面積当たりの発熱量W
のn倍となった場合、領域10の面積をS、領域11
の面積をS、領域10の全体の抵抗をR、領域11
の全体の抵抗をRとした場合、W/W=1/n=
〔(kV)/(S)〕/〔(kV)/(S
)〕=(S)/(S)となる。領域1
0に印加すべき電圧Vと領域11に印加すべき電圧V
を別途設定可能な図1および図2の構成において領域
11の単位面積当たりの発熱量Wと領域10の単位面
積当たりの発熱量Wを同じ値にするためには、(kV
)/(S)=(kV )/(S)、
即ち、V=(1√n)・Vとすればよい。例えば、
図6の従来例で両端部の領域10における単位面積当た
りの発熱量W が中央部の領域11における単位面積当
たりの発熱量Wの2倍となる場合では、V=(1√
2)V、つまり、Vの値をVの約70%の値とす
ることで領域10の単位面積当たりの発熱量Wと領域
11の単位面積当たりの発熱量Wを同じ値にすること
ができる。
【0033】前述した通り、インバータを利用したコン
トローラ17では、各端子S,S ,Sからの出力
電圧自体を調整することはできないので、例えば、V
の値をVの約70%の値にする場合では、高電力出力
端子Sのデューティ比を100%に設定した場合、図
3に示されるように、低電力出力端子S,Sのデュ
ーティ比を約70%に設定することで実質的な供給電力
を調整することになる。なお、ここでいうデューティ比
とは、〔オン時間/(オン時間+オフ時間)〕×100
%の値である。
【0034】無論、インバータを利用したコントローラ
17に代えて複数の定電圧回路を内蔵したコントローラ
17を利用することも可能であり、その場合には、高電
力出力端子Sからの出力電圧Vに対する低電力出力
端子S,Sからの出力電圧Vの割合が70%にな
るような調整を行えばよいことになる。
【0035】以上のような調整を行うことにより、ウイ
ンドシールド12の両端部の領域10における単位面積
当たりの発熱量Wと中央部の領域11における単位面
積当たりの発熱量Wの値を略一致させることが可能で
ある。
【0036】このようにして透明導電性材料13の全域
に亘って略同等の発熱作用を生じさせることができるた
め、透明導電性材料13の特定部分つまり両端部の領域
10における過剰発熱が防止されて無駄な電力の消費が
解消され、同時に、ウインドシールド12の各部で同等
の防曇効果を得ることができるようになる。また、過剰
な発熱部分がなくなる結果として、透明導電性材料13
やウインドシールド12の経年的な劣化現象も緩和さ
れ、ウインドシールド12の実質的な耐久性が向上する
といったメリットもある。
【0037】更に、中央部の領域11の単位面積当たり
の発熱量Wが両端部の領域10の単位面積当たりの発
熱量Wよりも相対的に大きくなるような設定を行うこ
とも可能であり、このような設定は、ヘルメット着用者
の呼吸に伴ってウインドシールド12の中央部に発生す
る曇りを防止する際に有用である。
【0038】特に、本実施形態のように電源14として
充電式の小型バッテリーを利用する防曇用ヒータの場合
においては次のような格別の効果がある。まず、防曇用
ヒータに所望される使用可能時間が従来と同等であれ
ば、バッテリーの充電容量が従来品に比べて少なくて済
むので、バッテリーの更なる小型軽量化が可能である。
この結果、バッテリーを内蔵したヘルメット本体の総重
量も軽量化され、着用者の負担が軽減される。一方、従
来品と同等の大きさと重さのバッテリーの使用を許容す
るのであれば、バッテリーの使用可能時間を大幅に伸ば
すことが可能であり、また、従来と同等の使用可能時間
でもよいのであれば、バッテリーを充電する際の充電所
要時間の短縮が可能である。
【0039】以上、線状電極15,16のみをウインド
シールド12の両側部と中央部、つまり、透明導電性材
料13の通電方向の長さが変化する部分で3つに分割し
た例について述べたが、図1に二点鎖線で示すようにし
て、透明導電性材料13自体を線状電極15,16の分
割状態に合わせて分割形成するように構成することもで
きる。この場合、両端部の領域10上に位置する透明導
電性材料13の部分と中央部の領域11上に位置する透
明導電性材料13の部分とを完全に独立した電気抵抗と
して取り扱うことができるので、透明導電性材料13の
各部を適切な温度で発熱させるために各領域に必要とさ
れる電力を厳密に算出することが可能となり、透明導電
性材料13各部の温度制御をより一層的確に実施できる
ようになる。
【0040】また、図1の例ではウインドシールド12
自体の上下幅が変化する部分で線状電極15,16の各
々を共に3分割しているが、分割線状電極16a,16
b,16cは最終的にはグランド端子Sに接続される
部分であるので、分割線状電極16a,16b,16c
に代えて図6の従来例に示されるものと同等の一体式の
線状電極6を利用しても差し支えない。つまり、線状電
極15,16の何れか一方を分割形成すれば十分であ
る。
【0041】図4は更に別の実施形態のウインドシール
ド22について示した模式図である。符号23は透明導
電性材料、また、符号25a〜25gと符号26a〜2
6gの各々は分割線状電極であり、電源とコントローラ
の部分に関しては記載を省略している。最初に述べた実
施形態の場合と同様、分割線状電極26a〜26gはコ
ントローラのグランド端子に接続され、また、分割線状
電極25a〜25gの各々は、25d>25c(25
e)>25b(25f)>25a(25g)の順で供給
電力量が大きくなるように、コントローラ側の複数の電
力出力端子の各々に接続されている。
【0042】図4に示した実施形態のように、透明導電
性材料23に通電するための線状電極を細かく分割する
ことにより、透明導電性材料23各部の発熱状態を更に
細かく制御することが可能となる。その他の作用および
効果に関しては、最初に述べた実施形態の場合と同様で
ある。
【0043】以上、バイク用のヘルメットのウインドシ
ールドに透明導電性材料(防曇用ヒータ)をコーティン
グした場合の例について2つの実施形態を挙げて説明し
たが、最近では自動車等のデザインにも斬新なものが多
く、リアウインドウ等を始めとする自動車のウインドシ
ールドの異形化も進んでいるので、前述した各実施形態
で示した技術は、自動車のウインドシールド等に利用し
ても好適な効果を発揮することができ、特に、過剰な部
分発熱を防止することによって達成される透明導電性材
料の経年的な劣化現象の軽減や、電気自動車における無
駄な電力消費の軽減に有効である。
【0044】
【発明の効果】本発明による防曇用ヒータのヒータ制御
方法は、ウインドシールドを加熱する透明導電性材料各
部における通電方向の長さの違いに応じ、通電方向の長
さの長い部分の方が通電方向の長さの短い部分よりも単
位時間当たりの電力供給量が大きくなるように電力の供
給量を調整するようにしているので、透明導電性材料の
全域に亘って略同等の発熱作用を生じさせることが可能
となる。これにより、透明導電性材料の特定部分が過剰
に発熱して無駄な電力が浪費されるといった従来技術の
問題が解消される。そして、過剰な発熱部分がなくなる
結果として、透明導電性材料やウインドシールドの経年
的な劣化現象も緩和され、実質的な耐久性を向上させる
ことができる。
【0045】また、中央部と両側部とで上下幅の異なる
光透過型のヘルメット用ウインドシールドの場合におい
ては、透明導電性材料における通電方向の長さが長くな
るウインドシールド中央部の透明導電性材料に対する電
力供給量を特に増やすことにより、ヘルメット着用者の
呼吸に伴ってウインドシールド中央部に集中して発生す
る曇りの発生を的確に防止することができる。更に、電
源として充電式バッテリーを用いるヘルメット用ウイン
ドシールドにおいては、所望される使用可能時間を従来
品と同程度に抑制することでバッテリーの更なる小型軽
量化が可能となり、バッテリーを内蔵したヘルメット本
体の総重量が軽量化されて着用者の負担が軽減される、
あるいは、従来品と同等の大きさと重さのバッテリーの
使用を許容することでバッテリーの使用可能時間を大幅
に伸ばすことができるといった固有の効果が発揮され得
る。
【0046】しかも、透明導電性材料の通電方向の両端
部に設けられた線状電極を複数に分割し、分割された線
状電極の各々に対する電力供給量を調節することによっ
て透明導電性材料各部の発熱量を制御するようにしてい
るので、構造が簡便であって製造コストも安価に抑える
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による防曇用ヒータのヒータ制御方法を
バイク用のヘルメットのウインドシールドに適用した場
合の一実施形態について外観を示した模式図である。
【図2】同実施形態のウインドシールドにコーティング
された透明導電性材料と電源との電気的な接続関係を簡
略化して示した概念図である。
【図3】同実施形態のコントローラにインバータを適用
した場合の端子出力電圧の一例を示したタイミングチャ
ートである。
【図4】本発明による防曇用ヒータのヒータ制御方法を
バイク用のヘルメットのウインドシールドに適用した場
合の別の一実施形態について外観を示した模式図であ
る。
【図5】防曇用ヒータをバイク用のヘルメットのウイン
ドシールドに適用した場合の一例について簡略化して示
した概念図である。(従来例)
【図6】従来型のウインドシールドの構造の要部を示し
た模式図である。
【符号の説明】
1 ヘルメット本体 2 ウインドシールド 3 透明導電性材料 4 電源 5 線状電極 6 線状電極 7 電力供給線 8 電力供給線 9 開口部 10 領域 11 領域 12 ウインドシールド 13 透明導電性材料 14 電源 15 線状電極 15a〜15c 分割線状電極 16 線状電極 16a〜16c 分割線状電極 17 コントローラ 18 電力供給線 19 電力供給線 20 電力供給線 21 電力供給線 22 ウインドシールド 23 透明導電性材料 25a〜25g 分割線状電極 26a〜26g 分割線状電極 S グランド端子 S 低電力出力端子 S 高電力出力端子 S 低電力出力端子

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過型のウインドシールドにコーティ
    ングされた透明導電性材料を一方向に通電して発熱させ
    ることによって前記ウインドシールドの曇りを防止する
    防曇用ヒータのヒータ制御方法であって、前記透明導電
    性材料各部における通電方向の長さの違いに応じ、通電
    方向の長さの長い部分の方が通電方向の長さの短い部分
    よりも単位時間当たりの電力供給量が大きくなるように
    電力の供給量を調整することを特徴とした防曇用ヒータ
    のヒータ制御方法。
  2. 【請求項2】 中央部と両側部とで上下幅の異なる光透
    過型のヘルメット用ウインドシールドにコーティングさ
    れた透明導電性材料を前記ヘルメット用ウインドシール
    ドの上下幅方向に通電して発熱させることによって前記
    ヘルメット用ウインドシールドの曇りを防止する防曇用
    ヒータのヒータ制御方法であって、前記透明導電性材料
    各部における通電方向の長さの違いに応じ、通電方向の
    長さの長い部分の方が通電方向の長さの短い部分よりも
    単位時間当たりの電力供給量が大きくなるように電力の
    供給量を調整することを特徴とした防曇用ヒータのヒー
    タ制御方法。
  3. 【請求項3】 前記透明導電性材料の通電方向の両端部
    の各々に前記通電方向と交差する線状電極を設け、これ
    らの線状電極を介して前記透明導電性材料に通電するよ
    うに構成すると共に、少なくとも前記線状電極の何れか
    一方を、前記透明導電性材料各部における通電方向の長
    さが変化する部分で複数に分割し、分割された線状電極
    の各々に対し、前記透明導電性材料の通電方向の長さの
    長い部分に対応して設けられた線状電極の方が通電方向
    の長さの短い部分に対応して設けられた線状電極よりも
    単位時間当たりの電力供給量が大きくなるように電力の
    供給量を調整することを特徴とした請求項1または請求
    項2記載の防曇用ヒータのヒータ制御方法。
  4. 【請求項4】 前記透明導電性材料各部における通電方
    向の長さが変化する部分で前記透明導電性材料自体を分
    割して形成したことを特徴とする請求項3記載の防曇用
    ヒータのヒータ制御方法。
  5. 【請求項5】 前記分割された線状電極と電源との間に
    前記分割された線状電極毎に電力供給のオン,オフ時間
    を調整するコントローラを設け、電力供給のオン,オフ
    時間のデューティ比を前記分割された線状電極毎に制御
    して電力の供給量を調整することを特徴とした請求項3
    または請求項4記載の防曇用ヒータのヒータ制御方法。
  6. 【請求項6】 前記分割された線状電極と電源との間に
    複数の出力電圧を有する定電圧回路を設け、前記分割さ
    れた線状電極毎に供給電圧を制御して電力の供給量を調
    整することを特徴とした請求項3または請求項4記載の
    防曇用ヒータのヒータ制御方法。
  7. 【請求項7】 中央部と両側部とで上下幅の異なる光透
    過型のウインドシールドと、前記ウインドシールドの表
    面にコーティングされた透明導電性材料と、前記透明導
    電性材料の通電方向の両端部の各々に前記通電方向と交
    差して設けられた線状電極と、これらの線状電極を介し
    て前記透明導電性材料に通電する電源とを備えた防曇用
    ヒータ付ヘルメットにおいて、 前記線状電極の少なくとも一方が前記透明導電性材料各
    部における通電方向の長さが変化する部分で複数に分割
    されると共に、前記線状電極と前記電源との間には、前
    記透明導電性材料の通電方向の長さの長い部分に対応し
    て設けられた線状電極に対し、通電方向の長さの短い部
    分に対応して設けられた線状電極よりも大きな電力を供
    給する電力調整用のコントローラを配備したことを特徴
    とする防曇用ヒータ付ヘルメット。
  8. 【請求項8】 前記透明導電性材料各部における通電方
    向の長さが変化する部分で前記透明導電性材料自体を分
    割して形成したことを特徴とする請求項7記載の防曇用
    ヒータ付ヘルメット。
  9. 【請求項9】 前記電力調整用のコントローラは、線状
    電極毎に電力供給のオン,オフ時間のデューティ比を制
    御するインバータによって構成されている請求項7また
    は請求項8記載の防曇用ヒータ付ヘルメット。
  10. 【請求項10】 前記電力調整用のコントローラは、前
    記分割された線状電極毎の低電圧回路によって構成され
    ている請求項7または請求項8記載の防曇用ヒータ付ヘ
    ルメット。
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