JP2002237153A - 磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク装置

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JP2002237153A
JP2002237153A JP2001031710A JP2001031710A JP2002237153A JP 2002237153 A JP2002237153 A JP 2002237153A JP 2001031710 A JP2001031710 A JP 2001031710A JP 2001031710 A JP2001031710 A JP 2001031710A JP 2002237153 A JP2002237153 A JP 2002237153A
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magnetic disk
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rotation synchronization
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error signal
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Application number
JP2001031710A
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English (en)
Inventor
Takahiro Inoue
貴博 井上
Kazuhisa Shishida
和久 宍田
Yosuke Seo
洋右 瀬尾
Takao Horiguchi
孝雄 堀口
Hidefumi Tominaga
英文 富永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】フォロイング動作中に初期値設定値の更新を行
う事により装置パフォーマンスを低下させずに高速高精
度な磁気ヘッドの位置決めを行う。 【解決手段】同期成分補償器4の出力から振幅情報及び
位相情報を推定し、その推定値に基づいて、初期値設定
を行うようにした。更に同期成分補償器4の動作時に初
期値設定値の更新を実施することによって、特別な学習
ルーチンに分岐する必要なく、スループットを低下させ
ずにデータの読み書きが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
に適用し、磁気ヘッドを高速高精度に目標のトラックに
位置決め制御を行うための、磁気ディスク装置の位置決
め制御系に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置では、磁気ヘッドを磁
気ディスク上のデータトラックに位置決めし、データの
書き込み/読み出しを行っている。
【0003】現在では、データを記録する面にサーボ信
号を間欠的に記録されたサーボトラックに基づいて磁気
ヘッドの位置決め制御を行うセクタサーボ方式が主流で
ある。そのため、サーボセクタによる割り込み信号に同
期して、磁気ヘッドを制御するための制御入力を演算
し、磁気ヘッドの位置決め制御を行っている。
【0004】磁気ディスク装置の位置決め制御系は目標
トラックに対して磁気ヘッドを高速移動するシークモー
ド、目標のサーボトラックに磁気ヘッドを追従させるフ
ォロイングモードに大別できる。
【0005】磁気ヘッドが追従すべきサーボトラック
は、ディスク偏芯、ディスク歪みやサーボトラック書き
込み時のスピンドルモータ振動によって常に変動してい
る。これらは、磁気ヘッドの位置決め制御系においては
回転同期振動として作用し、磁気ヘッド位置決め精度悪
化の一つの要因となっている。そこで回転同期振動を低
減する位置決め制御技術の開発が必須となっている。
【0006】このような位置決め制御技術の一例とし
て、位置決め制御ループ内に回転同期振動周波数でピー
クを持つような狭帯域フィルタを挿入し、定常状態の回
転同期振動を抑圧し、更に、狭帯域フィルタの初期値を
設定することによって、過渡特性の改善し磁気ヘッドの
高速高精度な位置決めを行う技術がUSP5,608,586に開示
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術で
は、ディスク1回転分の狭帯域フィルタ出力値を各セク
タ毎に記憶し、初期値設定値として使用する構成である
ため、セクタ数に等しいメモリが必要となる。このよう
なメモリ数の増加はコストアップを招き、磁気ディスク
装置の低コスト化の阻害要因となる。
【0008】また更に、動作環境の変化によって狭帯域
フィルタの初期値の更新が必要となった場合は、データ
の読み書き動作終了後、フィルタの出力を記憶する学習
ルーチンに分岐して、初期値設定値を記憶する構成とな
っている。そのため、初期値学習中に、上部PCからのデ
ータ読み書き等のコマンドを受信した場合、そのコマン
ドは学習終了まで実行されない可能性がある。
【0009】上記課題に鑑み、本発明の目的は、磁気デ
ィスク装置は同期回転振動を圧縮するためのバンドパス
フィルタの初期値設定を、位置決め制御系の構成を大き
く変更することなく少量のメモリ量で実現し、また、回
転同期補償器の動作中にリアルタイムで初期値設定値の
更新を行う事によって装置のスループットを低下させず
に高速高精度な磁気ヘッドの位置決めができる磁気ディ
スク装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ディスク装
置は、少量のメモリで回転同期振動を抑圧するバンドパ
スフィルタの初期値を設定するため、回転同期補償器の
出力から振幅情報及び位相情報を推定し、その推定値に
基づいて、初期値設定を行うようにした。
【0011】このような構成にすることによって、大き
なメモリを必要とすることなく、回転同期補償器を動作
させた直後に発生する過渡応答を低減し、高速高精度な
磁気ヘッドの位置決めが可能となる。
【0012】更に同期成分補償器の動作中に常時初期値
設定値の更新を実施することによって、特別な学習ルー
チンに分岐することなく、装置のパフォーマンスを低下
させずにデータの読み書きが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施例を示す磁気
ディスク装置の位置決め制御系のブロック図を示してい
る。図1において制御対象1は磁気ディスク装置のヘッ
ド駆動系を示し、パワーアンプ、ボイスコイルモータ
(VCM)、ヘッド支持機構、位置信号復調系等から構
成される。
【0014】磁気ディスク装置では、図10に示すよう
に、記録媒体である磁気ディスク100はスピンドルモ
ータ(図示せず)に取り付けられ、一定速度で回転して
いる。磁気ディスクは、多数の同心円状のトラック10
5が形成されている。各トラックは複数のトラックに分
割されており、各セクタにはサーボ情報が記録されたサ
ーボ領域104が配置されている。
【0015】磁気ヘッド101は、アーム102の先端
に設けられている。アーム102はアクチェータ103
によって移動され、磁気ヘッド101は磁気ディスク1
00上の目標トラック(図示せず)に位置づけられる。
【0016】本実施例は、目標トラックへ磁気ヘッドを
移動させる際に、速度制御系で目標トラックの近傍へ移
動させるシーク制御系と、目標トラック近傍で位置制御
系であるフォロイング制御系に切り換えるモード切り換
え型の制御系である。また以下でサーボセクタの割り込
み回数をkとする。
【0017】サーボ制御器13は位置誤差信号PES(k)か
らアクチェータを駆動する制御量を生成し、シーク制御
系で用いられるシーク制御器3、フォロイング制御系で
用いられるフォロイング制御器2から成っている。
【0018】位置誤差信号PES(k)は 位置誤差信号検出
手段として用いる加算器12によって目標トラックty
(k)と磁気ヘッド位置の偏差から求められる。
【0019】まず、シーク制御系について説明する。シ
ーク制御器3では制御対象1への入力u(k)と位置誤差信
号PES(k)を用いて磁気ヘッド速度v(k)(図示せず)が生
成される。磁気ヘッド位置y(k)と目標トラックty(k)の
残距離に基づいて求めた目標速度tv(k)(図示せず)と
磁気ヘッド速度v(k)との偏差を求め、偏差に比例した制
御量を演算する。前記操作量は目標速度tv(k)より求め
られた加速度フィードフォワード量(図示せず)と加算
され、シーク制御時の制御入力として、制御対象1に加
えられる。
【0020】磁気ヘッド位置y(k)と目標トラックty(k)
の偏差PES(k)が既定値r0未満(PES(k)<r0)になると、
スイッチ10が切り替わり位置制御器を用いたフォロイ
ング制御系に移行する。ここで位置制御器は、例えば位
相進み補償器等の制御器が用いられる。
【0021】同期成分補償器4はスピンドルモータ(図
示せず)回転に同期した振動成分を圧縮するための補償
器で、スピンドルモータ回転周波数でピークを持った特
性のフィルタである。本実施例の同期成分補償器の構成
を図2に示す。図2に示すように、同期成分補償器はス
ピンドルモータ回転周波数に同期した外乱(偏芯)を圧
縮する回転1次同期バンドパスフィルタ、スピンドルモ
ータ回転周波数の2倍の周波数外乱を圧縮する回転2次
バンドパスフィルタ、更にスピンドルモータ回転周波数
の3倍の周波数外乱を圧縮する3次バンドパスフィルタ
を並列に配置した構成である。同期成分補償器からの出
力ub(k)はフォロイング制御モードに移行後、位置誤差
信号PES(k)が既定値r1(ただし、r0>r1)未満(PES(k)<r
1)になった場合、スイッチ9が切り換わり加算器11で
ub(k)がフォロイング制御器に加算され、制御対象1に
加えられる。
【0022】次に同期成分学習器5について説明する。
同期成分学習器5は、同期成分補償器4の初期値設定値
の演算や、セトリング同期成分補償器8に必要なスピン
ドルモータ回転に同期した振動の振幅情報および位相情
報を学習する。
【0023】同期成分学習アルゴリズムについて説明す
る。なお本実施例では偏芯成分の学習のみ説明するが、
同様のアルゴリズムを用いて高次(回転2次、回転3
次、…)成分の学習も可能である。
【0024】図3は定常状態における回転1次のバンド
パスフィルタの出力ub1(k)である。図3に示すように、
定常状態の回転1次バンドパスフィルタ出力ub1(k)は、
周期がモータ回転周期に等しい正弦波として近似でき
る。従ってゲインA、初期位相θ、サーボセクタ番号k
s、サーボセクタ周期Ts[s]、回転周波数ω[rad/s]とす
ると、回転1次バンドパスフィルタ出力ub1(ks)は以下
に示す(数1)のように記述できる。
【0025】
【数1】 ub1(ks)=A・sin(ω・Ts・ks+θ) =A・sin(θ)・sin(ω・Ts・ks)+A・cos(θ)・cos(ω・Ts・ks) =a1・sin(ω・Ts・ks)+b1・cos(ω・Ts・ks) (数1) (数1)で、a1=A・sin(θ)、b1=A・cos(θ)とおいた。ま
た、sin(ω・Ts・ks)およびcos(ω・Ts・ks)は既知の値で、
セクタ番号毎に計算するか、もしくは、予め各セクタ毎
のsin(ω・Ts・ks)、cos(ω・Ts・ks)の値を計算してテーブ
ルに記憶しておき、テーブル値として参照することによ
り得ることができる。従って、同期成分パラメータa1,b
1を求めることにより、ub1(ks)を求めることができる。
【0026】a1,b1を次の評価関数e(ks)を最小になるよ
うに推定する。ここで
【0027】
【数2】 e(ks)=|ub1(ks)-ub1'(ks)|2 (数2) とする。また、(数2)でub1'(ks)はub1(ks)の推定値
で、(数3)のように定義する。
【0028】
【数3】 ub1'(ks)=a1'・sin(ω・Ts・ks)+b1'・cos(ω・Ts・ks) (数3) ただし、a1'はa1の推定値、b1'はb1の推定値である。
【0029】一般にe(ks)を最小にする係数a1'およびb
1'は勾配法を用いて求めることができる。すなわち、h
[n]=[a1'[n],b1'[n]]t、φ[n]=[sin(ω・Ts・ks),cos(ω・
Ts・ks)]tとすると、
【0030】
【数4】 h[n+1]=h[n]+μφ[n]・e[n] (数4) の関係を用いて、評価関数e(ks)を最小にする同期成分
パラメータの推定値a1',b1'を求めることができる。た
だし、(数4)で、nは学習回数、μは正の定数、同期
成分パラメータの初期値h[0]=[a1'[0],b1'[0]]t=[0,0]t
とする。
【0031】図4は(数4)の学習アルゴリズムにより
得られた同期成分パラメータを用いて推定した回転1次
バンドパスフィルタ出力ub1'(k)とこの時の回転1次バ
ンドパスフィルタ出力ub1(k)を併せてプロットしたグラ
フである。図4から本学習アルゴリズムによって精度よ
く回転1次バンドパスフィルタの定常出力を推定できる
ことがわかる。
【0032】同期成分パラメータa1,b1の推定アルゴリ
ズムは勾配法を利用した(数5)のみに限って構成され
るのではなく、例えば、逐次型最小二乗法を用いて同期
成分パラメータの推定値a1',b1'を求めることも可能で
ある。すなわち
【0033】
【数5】 h[n+1]=h[n]+γ[n]・φ[n]・e[n]/(1+γ[n]・φ[n]2) (数5)
【0034】
【数6】 γ[n+1]=γ[n]/(1+γ[n]・φ[n]2) (数6) 同期成分パラメータの初期値は、ここではh[0]=0と設定
する。同期成分パラメータの収束を決定する学習ゲイン
の初期値γ(0)は正の整数に設定する。
【0035】同期成分補償器の動作後、サーボセクタ割
り込み毎に(数4)、もしくは(数5)および(数6)
を実行し、h[n]の更新を行い、更新され同期成分パラメ
ータの推定値をメモリ6に記憶する。
【0036】メモリ内に記憶された同期成分パラメータ
a1'[n]、b1'[n]およびセクタ番号ksを用いて、回転1次
バンドパスフィルタの定常値は以下の(数7)から推定
できる。
【0037】
【数7】 ub1'(ks)=a1'[n]・sin(ω・Ts・ks)+b1'[n]・cos(ω・Ts・ks) (数7) 次に初期値演算器7について説明する。初期値演算器7
では同期成分補償器4の動作直後に発生する過渡応答を
低減するため、同期成分補償器4の初期値設定値計算す
る。なお本実施例では回転1次バンドパスフィルタ20
に対する初期値設定法について説明するが、同様のアル
ゴリズムを用いて高次(回転2次バンドパスフィルタ2
1、回転3次バンドパスフィルタ22、…)の期値の設
定も可能である。
【0038】一般にバンドパスフィルタの離散時間伝達
関数表現は
【0039】
【数8】 BPF1(z)=(P0+P1z-1+P2z-2)/(1-Q1z-1-Q2z-2) (数8) で与えられる。ここで、z-1,z-2はそれぞれ1サンプ
ル、2サンプルの遅延を表す演算子を示し、また、P0,P
1,p2,Q1,Q2はフィルタ定数である。従って、回転1次バ
ンドパスフィルタ出力ub1(k)とPES(k)の関係は以下の
(数9)のように表される。
【0040】
【数9】 ub1(k)=(P0+P1z-1+P2z-2)/(1-Q1z-1-Q2z-2)・PES(k) (数9) となる。(数9)を書き直すと、
【0041】
【数10】 ub1(k)=Q1・ub1(k-1)+Q2・ub1(k-2)+P0・PES(k)+P1・PES(k-1)+P2・PES(k-2) (数10) になる。定常状態では同期成分補償の作用によってPES
(k)=PES(k-1)=PES(k-2)=0と仮定すると、定常状態での
回転1次バンドパスフィルタ出力ub1(k)は
【0042】
【数11】 ub1(k)=Q1・ub1(k-1)+Q2・ub1(k-2) (数11) と表され、回転1次バンドパスフィルタ出力ub1(k)の定
常値は、ub1(k)の1サンプル前の値、ub1(k-1)、2サン
プル前の値、ub1(k-2)を用いて計算することができる。
したがって、同期成分補償値が動作した直後(スイッチ
9が切り換わった時)のサーボセクタ番号をksとすれ
ば、ub1(ks-1)およびub1(ks-2)を同期成分補補償値の初
期値として設定することによって、回転1次バンドパス
フィルタの定常値を速やかに再現できる。
【0043】初期値設定値ub1(ks-1),ub1(ks-2)を、計
算メモリ6に記憶されている同期成分パラメータの推定
値a1'[n]、b1'[n]を用いて計算すると、ub1(ks-1)およ
びub1(ks-2)は
【0044】
【数12】 ub1(ks-1)=a1'[n]・sin(ω・Ts・(ks-1))+b1'[n]・cos(ω・Ts・(ks-1)) (数12)
【0045】
【数13】 ub1(ks-2)=a1'[n]・sin(ω・Ts・(ks-2))+b1'[n]・cos(ω・Ts・(ks-2)) (数13) となる。
【0046】図5は本発明の実施例における回転1次バ
ンドパスフィルタのブロック図を示している。本発明の
実施例では、バンドパスフィルタは2次のデジタルフィ
ルタで実装している。図5において50は1サンプルの
遅延を示す演算子で、また51〜55はフィルタ定数で
ある。
【0047】初期値設定値ub1(ks-1)、ub1(ks-2)は、そ
れぞれ加算器56,57で回転1次バンドパスフィルタ
の状態量ub1(k-1)、ub1(k-2)に加算され、フィルタ定数
54,55を乗じて加算器58,59に出力される。
【0048】なお、初期値設定値ub1(ks-1)、ub1(ks-2)
は同期成分補償器4が動作した直後の最初のサーボセク
タ割り込みでのみ設定され、以降はub1(ks-1)、ub1(ks-
2)を共に零とする。
【0049】このように初期値設定を行うことにより、
同期成分補償器4の動作直後に発生する過渡応答を低減
し、回転同期成分の圧縮が可能となる。
【0050】次にセトリング同期成分補償器8について
説明する。セトリング同期成分補償器8は、シーク制御
系からフォロイング制御系に切り換わった(スイッチ1
0が切り換わった)直後から同期成分補償器4が動作す
る(スイッチ9が切り換わる)まで間の同期成分補償出
力ubs(k)を出力する。なお本実施例では回転1次のバン
ドパスフィルタ20に相当するubs(k)を用いたセトリン
グ同期成分補償について説明するが、同様のアルゴリズ
ムを用いて高次(回転2次、回転3次、…)バンドパス
フィルタ出力に相当するセトリング同期成分補償につい
ても可能である。
【0051】上で説明したように、回転1次バンドパス
フィルタ出力ub1(k)は(数11)で示す値となり、定常
状態出力ub1(k)は、ub1(k)の1サンプル前の値、ub1(k-
1)、2サンプル前の値、ub1(k-2)を用いて計算すること
ができる。(数11)を新しい状態量ubs(k)、ubs(k-
1)、ubs(k-2)を用いて(数14)のように書き改める。
【0052】
【数14】 ubs(k)=Q1・ubs(k-1)+Q2・ubs(k-2) (数14) フォロイング制御系に切り換わった直後のサーボセクタ
番号をks0として、ubs(ks0-1)およびubs(ks0-2)を(数
14)の初期値として設定することによって、セトリン
グ同期成分補償出力ubs(k)は、回転1次バンドパスフィ
ルタの定常値と等しい値となる。
【0053】初期値設定値ubs(ks0-1)およびubs(ks0-2)
は、メモリ6に記憶されている同期成分パラメータa1'
[n]、b1'[n]を用いて(数15)、(数16)のように
求められる。
【0054】
【数15】 ubs(ks0-1)=a1'[n]・sin(ω・Ts・(ks0-1))+b1'[n]・cos(ω・Ts・(ks0-1)) (数15)
【0055】
【数16】 ubs(ks0-2)=a1'[n]・sin(ω・Ts・(ks0-2))+b1'[n]・cos(ω・Ts・(ks0-2)) (数16) 図6は本発明の実施例におけるセトリング同期成分補償
器のブロック図を示している。図6で60は1サンプル
の遅延を示す演算子で、また61,62はフィルタ定数
である。初期値設定値ubs(ks0-1)、ubs(ks0-2)は、それ
ぞれ加算器63,64でセトリング同期成分補償器の状
態量ubs(k-1)、ubs(k-2)に加算され、フィルタ定数6
1,62を乗じて加算器65で加算され、セトリング同
期成分補償器の出力ubs(k)として出力される。
【0056】なお、初期値設定値ubs(ks0-1)、ubs(ks0-
2)は、セトリング同期成分補償器8が動作した直後の最
初のサーボセクタ割り込みでのみ設定され、以降は共に
零とする。
【0057】このようにセトリング同期成分補償器8を
備えることによって、同期成分補償器4が動作するまで
の間、回転同期外乱を圧縮する制御出力を発生すること
が可能になる。
【0058】次に図7のフローチャートを用いて本実施
例の処理の流れを説明する。まず、シーク要求コマンド
を受信した場合(ステップ30)、シーク制御系に移行
し(ステップ31)、磁気ヘッドを目標トラックに向か
って移動させる。位置誤差PES(k)が規定値r0未満である
か判定する(ステップ32)。PES(k)<r0の場合、フォ
ロイング制御系に移行し(ステップ33)、メモリ6に記
憶している同期成分パラメータを用いてセトリング同期
成分補償を実行する(ステップ34)。次に、位置誤差
PES(k)が既定値r1未満であるか判定する(ステップ3
5)。PES(k)<r1の場合、同期成分補償用のバンドパス
フィルタの初期値をメモリ6に記憶している同期成分パ
ラメータを用いて設定し(ステップ36)、セトリング
同期成分補償器8からバンドパスフィルタを用いた同期
成分補償器4に切り換える(ステップ37)。同期成分
補償出力ub(k)を用いて、サーボセクタ割り込み毎に同
期成分学習を実行し(ステップ38、更新した同期成分
パラメータをメモリ6に記憶する(ステップ39)。次
回のシーク要求コマンドを受信するまで、ステップ3
7、ステップ38、ステップ39を繰り返し実行する。
【0059】本発明の実施例の有効性を確認するため、
約2trkのディスクずれ(偏芯)の存在下での200回連
続して1trkシークさせ、シーク波形を測定した。図8は
本発明を適用した場合の位置誤差信号の時間応答波形
(最大、平均、最小)を示している。また、図9は同期
成分補償のみ実施した場合(セトリング同期成分補償お
よび同期成分補償器の初期値設定を共に行わない場合)
の位置誤差信号の時間応答波形(最大、平均、最小)を
示している。同期成分補償のみ実施した場合、位置誤差
信号のばらつきも大きく、0に収束するのに時間がかか
っているのに対し、本発明を適用した場合、速やかに位
置誤差信号が0に収束し、高速・高精度な位置決め制御
が行われている。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回転同期振動圧縮するために用いる同期成分補償器出力
の振幅及位相情報を推定し、同期成分補償の初期値設定
を行うことによって、磁気ディスク装置の位置決め制御
系の構成大きく変更することなく目標トラックに対する
応答性を改善できる。また、同期成分補償器の初期値の
更新を同期成分補償器の動作時に常時実施することによ
って、磁気ディスク装置のスループット低下を防ぐこと
ができる。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のサーボ制御系を示したブロッ
ク図である。
【図2】本発明の実施例の同期成分補償器の構成を示す
図である。
【図3】回転1次バンドパスフィルタ出力を示す図であ
る。
【図4】回転1次バンドパスフィルタ出力ub1および回転
1次バンドパスフィルタの推定値ub1'を示す図である。
【図5】回転1次バンドパスフィルタのブロック図を示
す図である。
【図6】セトリング同期成分補償器のブロック図であ
る。
【図7】本発明の実施例の処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図8】本発明を適用した場合の1trkシーク波形を示す
図である。
【図9】同期成分補償のみ適用した場合の1trkシーク波
形を示す図である。
【図10】本発明の実施例の磁気ディスクと磁気ヘッド
を示した概略図である。
【符号の説明】
1…制御対象、2…フォロイング制御器、3…シーク制
御器、4…同期成分補償器、5…同期成分学習器、6…
メモリ、7…初期値演算器、8…セトリング同期成分補
償器、9…スイッチ、10…スイッチ、11,12…加
算器、13…サーボ制御器、20…回転1次バンドパス
フィルタ、21…回転2次バンドパスフィルタ、22…
回転3次バンドパスフィルタ、50…演算子、51〜5
5…フィルタ定数、56〜59…加算器、60…演算
子、61〜62…フィルタ定数、63〜64…加算器、
100…磁気ディスク、101…磁気ヘッド、103…
アクチュエータ、104…サーボ領域、105…トラッ
ク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬尾 洋右 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 堀口 孝雄 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 富永 英文 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 Fターム(参考) 5D096 AA02 BB01 CC01 DD01 EE03 FF01 KK01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気ディスク上に記録されている情報また
    はディスクに記録する情報を読み書きする磁気ヘッド
    と、このヘッドを駆動するアクチェータと、前記磁気ヘ
    ッド位置と目標位置から位置誤差信号を検出する位置誤
    差信号検出手段と、この位置誤差検出手段から検出され
    た位置誤差信号に応じて、前記磁気ヘッドを目標位置に
    位置決めする制御量を算出するサーボ制御器と、前記位
    置誤差信号に応じて、前記位置誤差信号に含まれる前記
    ディスクの回転に同期した振動成分を圧縮する制御量を
    算出する回転同期補償器を備えた磁気ディスク装置にお
    いて、前記回転同期補償器の動作中に前記回転同期補償
    器出力の振幅情報および位相情報を検出する磁気ディス
    ク装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の磁気ディスク装置におい
    て、勾配法を用いて前記回転同期補償器出力の振幅情報
    および位相情報を推定する磁気ディスク装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の磁気ディスク装置におい
    て、逐次型最小二乗法を用いて前記回転同期補償器出力
    の振幅情報および位相情報を推定する磁気ディスク装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項2または請求項3記
    載の磁気ディスク装置において、検出した回転同期補償
    器出力の振幅情報および位相情報を不揮発性の半導体メ
    モリに記憶した磁気ディスク装置。
  5. 【請求項5】磁気ディスク上に記録されている情報また
    はディスクに記録する情報を読み書きするための磁気ヘ
    ッドと、前記ヘッドを駆動するアクチェータと、前記磁
    気ヘッド位置と目標位置から位置誤差信号を検出する位
    置誤差信号検出手段と、前記位置誤差検出手段から検出
    された位置誤差信号に応じて、前記磁気ヘッドを目標位
    置に位置決めするための制御量を算出するサーボ制御器
    と、前記位置誤差信号に応じて、前記位置誤差信号に含
    まれる前記ディスクの回転に同期した振動成分を圧縮す
    る制御量を算出する回転同期補償器を備えた磁気ディス
    ク装置において、前記回転同期補償器出力の振幅情報お
    よび位相情報を検出し、前記振幅情報および前記位相情
    報を用いて前記回転同期補償器の初期値を設定する磁気
    ディスク装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の磁気ディスク装置におい
    て、勾配法を用いて前記回転同期補償器出力の振幅情報
    および位相情報を推定する磁気ディスク装置。
  7. 【請求項7】請求項5に記載の磁気ディスク装置におい
    て、逐次型最小二乗法を用いて前記回転同期補償器出力
    の振幅情報および位相情報を推定する磁気ディスク装
    置。
  8. 【請求項8】磁気ディスク上に記録されている情報また
    はディスクに記録する情報を読み書きするための磁気ヘ
    ッドと、前記ヘッドを駆動するアクチェータと、前記磁
    気ヘッド位置と目標位置から位置誤差信号を検出する位
    置誤差信号検出手段と、前記位置誤差検出手段から検出
    された位置誤差信号に応じて、前記磁気ヘッドを目標位
    置に位置決めするための制御量を算出するサーボ制御器
    と、前記位置誤差信号に応じて、前記位置誤差信号に含
    まれる前記ディスクの回転に同期した振動成分を圧縮す
    る制御量を算出する回転同期補償器を備えた磁気ディス
    ク装置において、前記回転同期補償器の動作中に、前記
    回転同期補償器出力の振幅情報および位相情報を更新
    し、前記振幅情報および前記位相情報を用いて前記回転
    同期補償器の初期値を設定する磁気ディスク装置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の磁気ディスク装置におい
    て、勾配法を用いて前記回転同期補償器出力の振幅情報
    および位相情報を推定する磁気ディスク装置。
  10. 【請求項10】請求項8に記載の磁気ディスク装置にお
    いて、逐次型最小二乗法を用いて前記回転同期補償器出
    力の振幅情報および位相情報を推定する磁気ディスク装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011060407A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv ディスク・ドライブ及びそのピエゾ素子の駆動制御方法

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